JP2012195239A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温下での容量の劣化を防止すると共に低SOC領域における出力の低下を防止し得るリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】本発明によって提供されるリチウムイオン二次電池において、正極は、正極集電体上に少なくとも正極活物質を含む正極合材層を有し、負極は、負極集電体上に少なくとも負極活物質を含む負極合材層を有している。上記負極活物質は、黒鉛材料であり、該黒鉛材料を含む負極合材層の充填密度は1.0g/cm〜1.2g/cmであり、上記正極活物質は、層状構造を有するニッケル含有リチウム複合酸化物であって、該酸化物は、ジルコニウム及びタングステンを含有する組成を有している。上記酸化物中におけるジルコニウムとタングステンとのモル比(Zr/W)が0.1〜0.86である。
【選択図】なし

Description

本発明はリチウムイオン二次電池に関する。詳しくは、ニッケルを含有するリチウム複合酸化物を正極活物質として備えるリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、正極及び負極と、それら両電極間に介在された電解液(非水電解液)とを備えており、リチウムイオンがリチウム塩等の電解質を含む電解液を介して正極と負極との間を行き来することにより充放電を行う。この種のリチウムイオン二次電池の典型的な負極は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出し得る材料(負極活物質)として、少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む粒子状の炭素材料(例えば黒鉛材料)を備えている。
一般に、リチウムイオン二次電池の充放電時には、炭素材料に対してリチウムイオンの吸蔵及び放出が行われるため、炭素材料は膨張(即ち充電時)及び収縮(即ち放電時)を行う。充放電を繰り返し行うことによって負極は少しずつ変形し正負極間の距離にバラツキが発生するため、電池の容量が劣化してしまう虞がある。特に、高温下(例えば凡そ60℃)では容量の劣化が現れやすい傾向にある。かかる問題に対応すべく、従来技術として、特許文献1が挙げられる。特許文献1には、黒鉛材料(炭素材料)を含む負極の充填密度を1.0〜1.2g/cmと規定することにより、容量の劣化を防止しようとする技術が記載されている。
特開2010−238469号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術は、高温下での容量の劣化は防止し得るものの、SOC(State of charge:充電状態)が低い状態(例えばSOC10%〜40%)では電池の出力が大きく低下してしまい、安定した出力の供給が困難となる虞がある。特に、車両の駆動用電源としてリチウムイオン二次電池を用いる場合には、比較的過酷な環境条件下での使用も想定され、広いSOC範囲において安定した出力が求められる。
そこで、本発明は、上述した従来の課題を解決すべく創出されたものであり、その目的は、高温下での容量の劣化を防止すると共に低SOC領域における出力の低下を防止し得るリチウムイオン二次電池を提供することである。
上記目的を実現すべく、本発明により、正極と、負極と、非水電解液とを備えるリチウムイオン二次電池が提供される。即ちここで開示されるリチウムイオン二次電池において、上記正極は、正極集電体上に少なくとも正極活物質を含む正極合材層を有し、上記負極は、負極集電体上に少なくとも負極活物質を含む負極合材層を有している。上記負極活物質は、黒鉛材料であり、該黒鉛材料を含む負極合材層の充填密度は1.0g/cm〜1.2g/cmである。上記正極活物質は、層状構造を有するニッケル含有リチウム複合酸化物であって、該酸化物は、ジルコニウム(Zr)及びタングステン(W)を含有する組成を有しており、上記酸化物中におけるジルコニウムとタングステンとのモル比(Zr/W)が0.1〜0.86であることを特徴とする。
なお、ここで「充填密度」とは、負極集電体上における負極合材層を構成する固形分の単位体積当たりの存在量(含有量)をいう。従って、典型的には該充填密度(存在量)は、負極集電体上に負極合材層形成用組成物(典型的にはペースト状の組成物)を所定の目付量(固形分換算が好ましい。)で添加した後、適当なプレス手段でプレスすることによって調整することができる。
本発明によって提供されるリチウムイオン二次電池では、負極合材層の充填密度が1.0g/cm〜1.2g/cmであり、正極合材層にはジルコニウムとタングステンとのモル比が0.1〜0.86であるニッケル含有リチウム複合酸化物が含まれているため、リチウムイオン二次電池の特性を高めることができる。即ち、高温下における容量の劣化を防止すると共に、低SOC領域における出力の低下を防止する(即ち低SOC領域における出力の向上を実現する)ことができる。
ここで開示されるリチウムイオン二次電池の好適な一態様では、上記ニッケル含有リチウム複合酸化物のうちリチウム及び酸素を除く他の構成元素の全量を100mol%としたときのジルコニウム含有量は、0.05mol%〜0.6mol%である。かかる構成によると、低SOC領域においても良好な出力を得ることができる。
ここで開示されるリチウムイオン二次電池の好適な一態様では、上記ニッケル含有リチウム複合酸化物は、コバルト(Co)及びマンガン(Mn)を構成元素として含む酸化物であることを特徴とする。かかる構成によると、低SOC領域においてより出力に優れた電池が実現され得る。
上述のように、ここで開示されるいずれかのリチウムイオン二次電池は、高温下での容量の劣化を防止すると共に低SOC領域における出力の低下を防止する二次電池となり得るため、車両(典型的には自動車、特にハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車のような電動機を備える自動車)の駆動電源として用いることができる。また、本発明の他の側面として、ここで開示されるいずれかのリチウムイオン二次電池(複数個の電池が典型的には直列に接続された組電池の形態であり得る。)を駆動電源として備える車両を提供する。
一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図1中のII‐II線に沿う断面図である。 一実施形態に係る組電池の外形を模式的に示す斜視図である。 一実験例における負極合材層の充填密度と容量維持率との関係を示すグラフである。 他の一実験例における負極合材層の充填密度と出力との関係を示すグラフである。 他の一試験例におけるZrとWとのモル比と出力との関係を示すグラフである。 本発明に係るリチウムイオン二次電池を備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識に基づいて実施することができる。
本発明によって提供されるリチウムイオン二次電池は、上述の通り所定の充填密度を有する負極合材層と、ジルコニウムとタングステンとを所定のモル比で含有する正極活物質を有する正極合材層とを備えていることによって特徴づけられる。以下、ここで開示されるリチウムイオン二次電池について詳細に説明する。
ここで開示されるリチウムイオン二次電池に備えられる正極は、本発明を特徴づける正極活物質を備える他は従来と同様の構成をとり得る。かかる正極は、正極集電体と、該正極集電体上に形成された正極合材層とを備えている。
上記正極集電体としては、従来のリチウムイオン二次電池の正極に用いられている集電体と同様、導電性の良好な金属からなる導電性部材が好ましく用いられる。例えば、アルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金を用いることができる。正極集電体の形状は、リチウムイオン二次電池の形状等に応じて異なり得るため、特に制限はなく、棒状、板状、シート状、箔状、メッシュ状等の種々の形態であり得る。
ここで開示されるリチウムイオン二次電池の正極で用いられる正極活物質としては、層状構造を有するニッケル含有リチウム複合酸化物であって、微量必須金属元素として少なくともジルコニウム(Zr)とタングステン(W)とを含有するリチウム複合酸化物が挙げられる。上記リチウム複合酸化物は、本発明の効果を大きく損なわない限り、Li、Ni、W及びZrに加えて、他の一種又は二種以上の元素(典型的には金属元素)を含むことができる。かかる元素としては、例えば、Co,Mn,Al,Cr,Fe,V,Mg,Ti,Mo,Cu,Zn,Ga,In,Sn,La,Ce,Ca,Na,F,B等を挙げることができる。特に、NiとともにCo及び/又はMnを含有する層状構造のリチウム複合酸化物が好適例として挙げられる。
上記ニッケル含有リチウム複合酸化物におけるZr[mol%]とW[mol%]とのモル比(Zr/W)は、0.1〜0.86(例えば、0.1〜0.8、好ましくは0.1〜0.75、より好ましくは0.2〜0.4)である。モル比(Zr/W)が0.1よりも小さすぎる場合及びモル比が0.86よりも大きすぎる場合には、低温域(例えば0℃を下回るような低温域、例えば−40℃〜−10℃)における低SOC領域(例えばSOCが10%〜40%のような場合)における出力が大きく低下する虞がある。
また、上記ニッケル含有リチウム複合酸化物(正極活物質)のうちリチウム及び酸素を除く他の構成元素の全量(総量)を100mol%としたときのZr含有量は、凡そ0.01mol%〜3mol%(好ましくは0.05mol%〜0.6mol%)である。Zrの含有量が上記範囲内にあることによって、低SOC領域(例えばSOCが凡そ10%〜40%)においてより高い出力が得られ得る。
また、W含有量は、上記モル比(Zr/W)が上記条件を満たす範囲において適宜選択すればよい。W含有量は、例えば、凡そ0.012mol%〜3.5mol%(好ましくは凡そ0.5mol%〜1mol%)であり得る。Wの含有量が少なすぎると、Wを含まない組成のニッケル含有リチウム複合酸化物(正極活物質)に対する電池性能向上効果(例えば、出力の向上)が十分に発揮されないことがあり得る。Wの含有量が多すぎると、ニッケル含有リチウム複合酸化物の比容量が下がり、好ましくない。
上記ニッケル含有リチウム複合酸化物は、典型的には、一般式:
Li1+αNi1−x−y−zZr (I);
で表すことができる。ここで、上記式(I)において、αは0≦α≦0.2(例えば0.05≦α≦0.2)である。また、xはx>0であり、yは0.0001≦y≦0.03(好ましくは0.0005≦y≦0.006)であり、zはz>0であり、0<x+y+z≦1を満たし、かつ、0.1≦(y/z)≦0.86を満たす。上記式(I)中のMとしては、例えば、Co,Mn,Al,Cr,Fe,V,Mg,Ti,Mo,Cu,Zn,Ga,In,Sn,La,Ce,Ca,Na,F,B等を挙げることができる。
ここで開示される正極活物質、即ちニッケル含有リチウム複合酸化物は、Li、Ni、W及びZrに加えて、Co及びMnを構成元素として含む酸化物であることが好ましい。かかるニッケル含有リチウム複合酸化物は、一般式:
Li1+αNiCoMn1−x−y−z−p−qZr (II);
で表すことができる。ここで、上記式(II)において、αは0≦α≦0.2(例えば0.05≦α≦0.2)である。また、xは0<x≦0.6(典型的には0.1<x≦0.6)であり、yは0.0001≦y≦0.03(好ましくは0.0005≦y≦0.006)であり、zはz>0であり、pは0<p≦0.5であり、qは0<q≦0.5であり、0<x+y+z+p+q≦1を満たし、かつ0.1≦(y/z)≦0.86を満たす。
このようなニッケル含有リチウム複合酸化物(正極活物質)の製造方法としては、該酸化物を最終生成物として調製可能な方法を適宜採用すればよい。例えば、上記式(II)においてx+y+z+p+q=1のときのニッケル含有リチウム複合酸化物(即ち、Ni,Co,Mnの全てを構成金属元素として含む複合酸化物)を製造する場合を例として説明するが、ここで開示される技術の適用対象をかかる組成の酸化物に限定する意図ではない。かかるニッケル含有リチウム複合酸化物は、一般式:
Li1+αNiCoMnZr (III);
で表すことができる。上記式(III)において、α,x,y,z,p及びqの意味は上記式(II)と同じである。
上記ニッケル含有リチウム複合酸化物(III)の製造方法として:
(i)式(III)におけるx、p及びqが0より大きい金属元素を含有する塩(Ni,Co,MnのうちNiを含む二種以上の金属元素を含有するニッケル含有リチウム複合酸化物を製造する場合には、各金属元素を単独で含む塩を用いてもよく、二種以上の金属元素を含む塩を用いてもよい。)とジルコニウム塩とを含む水溶液(以下、遷移金属‐Zr塩水溶液ともいう。)と、タングステン含有塩を含む水溶液とを用意し、これらの水溶液をpH11〜14の塩基性条件下で混合し、その混合液中における液相反応により、一般式:
NiCoMnZr(OH)2+m (IV);
で表される前駆体を調製する工程;及び
(ii)上記前駆体とリチウム塩との混合物を焼成して上記一般式(III)のニッケル含有リチウム複合酸化物を調製する工程;
を包含する方法を好ましく採用することができる。ここで、上記式(IV)中、xは0<x≦0.6(典型的には0.1<x≦0.6)であり、yは0.0001≦y≦0.03(好ましくは0.0005≦y≦0.006)であり、zはz>0であり、pは0<p≦0.5であり、qは0<q≦0.5であり、mは0≦m≦0.5であり、0.1≦(y/z)≦0.86を満たす。かかる方法によると、上記ニッケル含有リチウム複合酸化物(正極活物質)を好適に製造することができる。上記(i)工程では、初期pHが11〜14の塩基性水溶液に、当該初期pHが概ね維持されるようにしながら、上記遷移金属−Zr塩水溶液とタングステン含有塩を含む水溶液とを混合するとよい。
以下、上記ニッケル含有リチウム複合酸化物(III)の製造方法をより詳しく説明する。
かかる製造方法の好ましい一態様では、上記(i)工程(液相反応工程、または液−液混合工程としても把握され得る。)により調製した上記式(IV)で表される前駆体を、適当なリチウム塩と混合し、所定の温度で焼成することにより、目的とするニッケル含有リチウム複合酸化物を形成する。ここで、上記(i)工程では、初期pHが11〜14の塩基性水溶液に、当該初期pHを維持しつつ、ニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩およびジルコニウム塩を含む水溶液(以下、NiCoMnZr水溶液ということもある。)、ならびにタングステン含有塩を含む水溶液(以下、W水溶液ということもある。)を、所望の速度で添加・混合・攪拌するとよい。このとき、反応液の温度は、20〜60℃の範囲とすることが好ましい。
上記(i)工程によって得られた前駆体(IV)を用いることにより、上記式(III)で表される複合酸化物が好適に形成され得る。かかる方法によって製造された複合酸化物(III)は、ZrとWとが十分に化合物化されたものであり得る。また、かかる複合酸化物を正極活物質として用いたリチウムイオン二次電池は、低SOCにおける出力特性及び高温耐久性のいずれにも優れたものであり得る。上記前駆体(IV)とリチウム塩とを混合する際は、湿式混合および溶媒を用いない乾式混合のいずれを採用してもよい。簡便性およびコスト性の観点からは、乾式混合が好ましい。
上記塩基性水溶液としては、強塩基(アルカリ金属の水酸化物等)および弱塩基(アンモニア等)を含み、所定量のNiCoMnZr水溶液およびW水溶液を添加した場合において、液温25℃でのpHが11〜14程度に維持され、かつ上記前駆体(IV)の生成を阻害しないものが、好ましく使用され得る。典型的には、水酸化ナトリウム水溶液とアンモニア水との混合溶液を用いる。該混合溶液は、pHが11〜14の範囲(例えば、pH12程度)であり、アンモニア濃度が3g/L〜25g/Lとなるように調製することが好ましい。上記塩基性水溶液と上記NiCoMnZr水溶液とW水溶液とを混合して反応液を形成し、上記前駆体(IV)の生成反応を進行させる間、該反応液のアンモニア濃度は3g/L〜25g/L程度に維持されることが好ましい。
上記NiCoMnZr水溶液は、例えば、所望のニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩、およびジルコニウム塩のそれぞれ所定量を水性溶媒に溶解させて調製することができる。これら塩を水性溶媒に添加する順番は特に制限されない。また、各塩の水溶液を混合して調製してもよい。あるいは、ニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩を含む水溶液に、ジルコニウム塩の水溶液を混合してもよい。これら金属塩(上記ニッケル塩、コバルト塩、マンガン塩、ジルコニウム塩)のアニオンは、それぞれ該塩が所望の水溶性となるように選択すればよい。例えば、硫酸イオン、硝酸イオン、塩化物イオン、炭酸イオン等であり得る。すなわち、上記金属塩は、それぞれ、ニッケル、コバルト、マンガン、ジルコニウムの硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、炭酸塩等であり得る。これら金属塩のアニオンは、全てまたは一部が同じであってもよく、互いに異なってもよい。例えば、ニッケル、コバルト、およびマンガンの硫酸塩と、ジルコニウムの炭酸塩を組み合わせて用いることができる。これら塩は、それぞれ水和物等の溶媒和物であってもよい。これら金属塩の添加順は特に制限されない。NiCoMnZr水溶液の濃度は、構成元素(典型的には遷移金属元素)全て(Ni,Co,Mn,Zr)の合計が1mol/L〜2.2mol/L程度であることが好ましい。
上記W水溶液は、同様に、所定量のW含有塩を水性溶媒に溶解させて調製することができる。上記W含有塩としては、典型的には、タングステン酸(Wを中心元素とするオキソ酸)の塩を用いる。W含有塩に含まれるカチオンは、該塩が水溶性となるように選択すればよい。例えば、アンモニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン等であり得る。W含有塩として、例えば、パラタングステン酸アンモニウムが好ましく使用され得る。W含有塩は、水和物等の溶媒和物であってもよい。W水溶液の濃度は、W元素基準で0.01mol/L〜1mol/L程度であることが好ましい。
上記NiCoMnZr水溶液および上記W水溶液を調製する際に使用する水性溶媒は、典型的には水であり、使用する各塩の溶解性によっては溶解性を向上させる試薬(酸、塩基等)を含む水を用いてもよい。
上記Ni塩、Co塩、Mn塩、Zr塩、W含有塩の使用量は、上記式(III)におけるx,y,z,p,qが上記所定範囲内で所望の比となるよう、Ni,Co,Mn,Zr,Wのモル比を選択し、それに基づき適宜決定すればよい。
上記(i)工程により液相から析出させた上記前駆体(IV)は、晶析終了後、水洗・濾過して乾燥させ、所望の粒径を有する粒子状に調製すればよい。該前駆体(IV)は、温度100℃〜300℃(例えば150℃)の大気雰囲気中で5時間〜24時間(例えば12時間)加熱した後、次の工程に供することが好ましい。
上記ニッケル含有リチウム複合酸化物(III)は、上記前駆体(IV)と適当なリチウム塩との混合物を、典型的には空気中で焼成することにより形成することができる。上記リチウム塩としては、リチウム複合酸化物の形成に使用される一般的なリチウム塩を特に制限なく使用することができる。具体的には、炭酸リチウム、水酸化リチウム等が例示される。これらリチウム塩は、一種のみを単独で、あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。上記前駆体(IV)と上記リチウム塩との混合比は、上記式(III)における(x+y+z+p+q):(1+α)が所望の比となるように、上記前駆体(III)に含まれる全遷移金属の合計モル数に対するリチウム塩中のリチウムのモル数を選択し、それに基づき適宜決定すればよい。
焼成温度は、凡そ700〜1000℃の範囲とすることが好ましい。焼成は、同じ温度で一度に行ってもよく、異なる温度で段階的に行ってもよい。焼成時間は、適宜選択することができる。例えば、800〜1000℃程度で2〜24時間程度焼成してもよく、あるいは、700〜800℃程度で1〜12時間程度焼成した後、800〜1000℃程度で2〜24時間程度焼成してもよい。
上記ニッケル含有リチウム複合酸化物(III)の他の製造方法として、例えば、ニッケルとコバルトとマンガンとをそれぞれ所定量含むNiCoMn水溶液から水酸化物(典型的にはNiCoMn(OH):前駆体)を調製し、該水酸化物とジルコニウム化合物とタングステン化合物とリチウム化合物との混合物を焼成する方法が挙げられる。上記化合物としては、Zr,W,Liを含む酸化物(例えば、ジルコニア(ZrO)、酸化タングステン(WO)等)を用いてもよく、加熱により酸化物となる化合物(例えば、炭酸リチウム、水酸化リチウム、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸アンモニウム、水酸化物ジルコニウム、硫酸ジルコニウム等)を用いてもよい。また、他の製造方法としては、ニッケルとコバルトとマンガンとをそれぞれ所定量含む酸化物(典型的にはNiCoMnを調製し、この酸化物と上記ジルコニウム化合物と上記タングステン化合物と上記リチウム化合物との混合物を焼成する方法が挙げられる。
上記正極活物質としては、一次粒子が集合した二次粒子の形態を有するものが好ましい。例えば、平均粒径が凡そ2μm〜15μm(典型的には3μm〜8μm)の範囲にある二次粒子によって実質的に構成されたニッケル含有リチウム複合酸化物粉末をここで開示されるリチウムイオン二次電池の正極に用いられる正極活物質として好ましく採用することができる。なお、ここでの平均粒径はメジアン径(D50)をいい、市販されている種々のレーザー回折・散乱法に基づく粒度分布測定装置によって容易に測定することができる。また、正極活物質のBET法に基づく比表面積は、0.5m/g〜1.9m/gの範囲にあることが好ましい。上記BET法に基づく比表面積は、JIS K1477(JIS Z 8830)に準じて測定された値を採用するものとする。
上記正極合材層は、上記正極活物質の他に、導電材、結着材(バインダ)等の任意の成分を必要に応じて含有し得る。
上記導電材としては、従来この種のリチウムイオン二次電池で用いられているものであればよく、特定の導電材に限定されない。例えば、カーボン粉末やカーボンファイバー等のカーボン材料を用いることができる。カーボン粉末としては、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等)、グラファイト粉末等のカーボン粉末を用いることができる。これらのうち一種又は二種以上を併用してもよい。
上記結着材(バインダ)としては、一般的なリチウムイオン二次電池の正極に使用される結着材と同様のものを適宜採用することができる。例えば、上記正極合材層を形成する組成物として水系のペースト状組成物(ペースト状組成物には、スラリー状組成物及びインク状組成物が包含される。)を用いる場合には、水に溶解または分散するポリマー材料を好ましく採用し得る。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。あるいは、溶剤系のペーストを用いる場合には、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等の、有機溶媒(非水溶媒)に溶解するポリマー材料を用いることができる。なお、上記で例示したポリマー材料は、結着材として用いられる他に、上記組成物の増粘剤その他の添加剤として使用されることもあり得る。
ここで、「水系のペースト状組成物」とは、正極活物質の分散媒として水または水を主体とする混合溶媒を用いた組成物を指す概念である。かかる混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶媒(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。「溶剤系のペースト状組成物」とは、正極活物質の分散媒が主として有機溶媒である組成物を指す概念である。有機溶媒としては、例えば、N‐メチルピロリドン(NMP)等を用いることができる。
上記正極合材層は、例えば、上記正極活物質と、他の任意成分(導電材、結着材等)とを適当な溶媒に分散したペースト状の正極合材層形成用組成物を用意(調製、購入等)し、該組成物を正極集電体の表面に塗布(付与)して該組成物を乾燥させることによって正極合材層が形成される。該正極合材層を圧縮(プレス)して、正極合材層の充填密度を2.0g/cm〜2.6g/cmとなるように調整するのが好ましい。
上記組成物を正極集電体上に塗布する方法としては、従来公知の方法と同様の技法を適宜採用することができる。例えば、スリットコーター、ダイコーター、グラビアコーター等の適当な塗布装置を使用することにより、正極集電体に該ペーストを好適に塗布することができる。また、圧縮(プレス)方法としては、従来公知のロールプレス法、平板プレス法等の圧縮方法を採用することができる。
次に、ここで開示されるリチウムイオン二次電池に備えられる負極について説明する。かかる負極は、負極集電体と、該負極集電体上に形成された負極合材層とを備えている。
ここで開示されるリチウムイオン二次電池の負極で用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出可能な黒鉛材料(例えば、天然黒鉛、人造黒鉛等)が挙げられる。好ましくは、かかる黒鉛材料の表面を非晶質炭素膜で被覆した被覆黒鉛材料である。上記黒鉛材料の表面を被覆する非晶質炭素膜は、結晶性の低い炭素であって、炭素面の積層不整、sp混成軌道の炭素原子から構成される極めて小さい結晶子、sp混成軌道以外の結合形成を有する炭素、等を含んでなる炭素である。かかる非晶質炭素膜の割合は、上記負極活物質としての黒鉛材料100質量部に対して凡そ1〜10質量部(例えば2〜6質量部)であることが好ましい。
上記黒鉛材料の表面を非晶質炭素膜で被覆する方法として、黒鉛材料の表面に非晶質炭素膜を形成することができれば特に制限はない。例えば、上記黒鉛材料の表面を非晶質炭素の前駆体となる各種ピッチ類(例えば、石油ピッチ、コールタールピッチ、ナフサピッチ等。)或いは有機高分子化合物(例えば、フェノール樹脂、セルロース樹脂、ポリアミド樹脂等)等の炭素化可能な材料で被覆した後、前駆体の黒鉛化が進行しない程度の温度(例えば凡そ1000℃〜1300℃)で熱処理(例えば焼成)することによって行われる。
上記黒鉛材料(非晶質炭素膜に被覆された被覆黒鉛材料を含む)のメジアン径(D50)は、凡そ5μm〜15μm(例えば凡そ8μm〜11μm)であることが好ましい。メジアン径が15μmよりも大きすぎる場合には、黒鉛材料中心部へのリチウムイオンの拡散に時間がかかること等により、負極の実行容量が低下する虞がある。メジアン径が5μmよりも小さすぎる場合には、黒鉛材料表面での副反応速度が上昇し、リチウムイオン二次電池の不可逆容量が増加する虞がある。また、黒鉛材料(被覆黒鉛材料を含む)のBET法に基づく比表面積は、凡そ3.5m/g〜5.5m/gの範囲にあることが好ましい。
上記負極合材層は、上記負極活物質(黒鉛材料)の他に、結着材(バインダ)、増粘材等の任意の成分を必要に応じて含有し得る。
上記結着材(バインダ)としては、一般的なリチウムイオン二次電池の負極に使用される結着材と同様のものを適宜採用することができる。例えば、負極合材層を形成するために水系のペースト状組成物を用いる場合には、水に溶解または分散するポリマー材料を好ましく採用し得る。水に分散する(水分散性の)ポリマー材料としては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム等のゴム類;ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;酢酸ビニル共重合体等が例示される。
また、上記増粘材としては、水若しくは溶剤(有機溶媒)に溶解又は分散するポリマー材料を採用し得る。水に溶解する(水溶性の)ポリマー材料としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA);等が挙げられる。
上記負極合材層は、例えば、上記負極活物質と、他の任意成分(結着材、増粘材等)とを適当な溶媒に分散したペースト状の負極合材層形成用組成物を用意(調製、購入等)し、該組成物を負極集電体の表面に塗布(付与)して該組成物を乾燥させた後に、必要に応じてプレス(圧縮)することによって負極合材層が形成される。ここで開示される負極合材層の充填密度は1.0g/cm〜1.2g/cmである。かかる充填密度によると、容量維持率(特に、高温(例えば60℃)における容量維持率)の低下をよりよく防止することができる。なお、上記負極合材層の充填密度はプレスの程度によって調整することができる。
以下、上記正極及び上記負極を用いて構築されるリチウムイオン二次電池の一形態を図面を参照しつつ説明するが、本発明をかかる実施形態に限定することを意図したものではない。即ち、上記正極及び負極が採用される限りにおいて、構築されるリチウムイオン二次電池の形状(外形やサイズ)には特に制限はない。以下の実施形態では、捲回電極体および電解液を角型形状の電池ケースに収容した構成のリチウムイオン二次電池を例にして説明する。
なお、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、必ずしも実際の寸法関係を反映するものではない。
図1は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池10を模式的に示す斜視図である。図2は、図1中のII−II線に沿う縦断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池10は、金属製(樹脂製又はラミネートフィルム製も好適である。)の電池ケース15を備える。このケース(外容器)15は、上端が開放された扁平な直方体状のケース本体30と、その開口部20を塞ぐ蓋体25とを備える。溶接等により蓋体25は、ケース本体30の開口部20を封止している。ケース15の上面(すなわち蓋体25)には、捲回電極体50の正極シート(正極)64と電気的に接続する正極端子60および該電極体の負極シート84と電気的に接続する負極端子80が設けられている。また、蓋体25には、従来のリチウムイオン二次電池のケースと同様に、電池異常の際にケース15内部で発生したガスをケース15の外部に排出するための安全弁40が設けられている。ケース15の内部には、正極シート64および負極シート84を計二枚のセパレータシート95とともに積層して捲回し、次いで得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって作製される扁平形状の捲回電極体50及び非水電解液が収容されている。
上記積層の際には、図2に示すように、正極シート64の正極合材層非形成部分(即ち正極合材層66が形成されずに正極集電体62が露出した部分)と負極シート84の負極合材層非形成部分(即ち負極合材層90が形成されずに負極集電体82が露出した部分)とがセパレータシート95の幅方向の両側からそれぞれはみ出すように、正極シート64と負極シート84とを幅方向にややずらして重ね合わせる。その結果、捲回電極体50の捲回方向に対する横方向において、正極シート64および負極シート84の電極合材層非形成部分がそれぞれ捲回コア部分(すなわち正極シート64の正極合材層形成部分と負極シート84の負極合材層形成部分と二枚のセパレータシート95とが密に捲回された部分)から外方にはみ出ている。かかる正極側はみ出し部分に正極端子60を接合して、上記扁平形状に形成された捲回電極体50の正極シート64と正極端子60とを電気的に接続する。同様に負極側はみ出し部分に負極端子80を接合して、負極シート84と負極端子80とを電気的に接続する。なお、正負極端子60,80と正負極集電体62,82とは、例えば、超音波溶接、抵抗溶接等によりそれぞれ接合することができる
上記非水電解液としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられる非水電解液と同様のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に支持塩を含有させた組成を有する。上記非水溶媒としては、例えば、EC、PC、DMC、DEC、EMC等から選択される一種又は二種以上を用いることができる。また、上記支持塩(支持電解質)としては、例えば、LiPF,LiBF等のリチウム塩を用いることができる。さらに上記非水電解液に、ジフルオロリン酸塩(LiPO)やリチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)を溶解させてもよい。
また、上記セパレータシートとしては、従来公知のものを特に制限なく使用することができる。例えば、樹脂からなる多孔性シート(微多孔質樹脂シート)を好ましく用いることができる。ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)等の多孔質ポリオレフィン系樹脂シートが好ましい。
次に、かかる構成のリチウムイオン二次電池10を単電池とし、該単電池を複数備えてなる組電池の一例を説明する。
図3に示すように、この組電池200は、複数個(典型的には10個以上、好ましくは10〜30個程度、例えば20個)のリチウムイオン二次電池(単電池)10を、それぞれの正極端子60および負極端子80が交互に配置されるように一つずつ反転させつつ、電池ケース15の幅広な面が対向する方向(積層方向)に配列されている。当該配列された単電池10間には、所定形状の冷却板110が挟み込まれている。この冷却板110は、使用時に各単電池10内で発生する熱を効率よく放散させるための放熱部材として機能するものであって、好ましくは単電池10間に冷却用流体(典型的には空気)を導入可能な形状(例えば、長方形状の冷却板の一辺から垂直に延びて対向する辺に至る複数の平行な溝が表面に設けられた形状)を有する。熱伝導性の良い金属製もしくは軽量で硬質なポリプロピレンその他の合成樹脂製の冷却板が好適である。
上記配列させた単電池10および冷却板110の両端には、一対のエンドプレート(拘束板)120,120が配置されている。また、上記冷却板110とエンドプレート120との間には、長さ調整手段としてのシート状スペーサ部材150を一枚又は複数枚挟み込んでいてもよい。上記配列された単電池10、冷却板110およびスペーサ部材150は、両エンドプレートの間を架橋するように取り付けられた締め付け用の拘束バンド130によって、該積層方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。より詳しくは、拘束バンド130の端部をビス155によりエンドプレート120に締付且つ固定することによって、上記単電池等は、その配列方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。これにより、各単電池10の電池ケース15の内部に収容されている捲回電極体50にも拘束圧がかかる。
そして、隣接する単電池10間において、一方の正極端子60と他方の負極端子70とが、接続部材(バスバー)140によって電気的に接続されている。このように各単電池10を直列に接続することにより、所望する電圧の組電池200が構築されている。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<実験例1>
[リチウムイオン二次電池の構築]
<例1>
攪拌装置および窒素導入管を備えた反応容器に、その容量の半分程度の水を入れ、攪拌しながら40℃に加熱した。該反応容器を窒素置換した後、窒素気流下、反応容器内を酸素濃度2.0%程度の非酸化雰囲気に維持しつつ、25%水酸化ナトリウム水溶液と25%アンモニア水とを適量ずつ加え、液温25℃におけるpHが12.0、液相のアンモニア濃度が20g/Lとなるように調整して、塩基性水溶液を得た。なお、反応容器内の酸素濃度は2.0%程度であった。
硫酸ニッケル、硫酸コバルト、硫酸マンガンおよび硫酸ジルコニウムを、金属元素のモル比Ni:Co:Mn:Zrが0.33:0.33:0.33:0.005となるように水に溶解させて、これら金属の合計濃度が1.8mol/Lの混合水溶液Aを調製した。また、パラタングステン酸アンモニウムを水に溶解させて、タングステン(W)濃度が0.05mol/Lの混合水溶液Bを調製した。
上記反応容器中の塩基性水溶液に、上記で得られた混合水溶液A及び混合水溶液Bと、25%水酸化ナトリウム水溶液と、25%アンモニア水とを、反応液のpHが12.0に維持されるようにしながら添加・混合した。pHの調節は、各液の反応容器への供給速度を調整することにより行った。
析出した生成物を分離・水洗・乾燥して、元素モル比Ni:Co:Mn:Zr:Wが0.33:0.33:0.33:0.005:0.005(すなわち、Ni,Co,Mn,WおよびZrの含有mol%がそれぞれ33%,33%,33%,0.5%および0.5%)である水酸化物(Ni0.33Co0.33Mn0.33Zr0.0050.005(OH)2+m(0≦m≦0.5);前駆体)を得た。この前駆体(水酸化物粒子)を、大気雰囲気下中、150℃で12時間の熱処理を施した。
上記前駆体中の全遷移金属のモル数の合計(即ち、Ni+Co+Mn+Zr+W)をMeとして、該Meに対するリチウムのモル比(Li/Me)が1.15となるように、炭酸リチウムを秤量し、上記前駆体と混合した。得られた混合物を、酸素21体積%の空気中にて、950℃で10時間焼成し、ニッケル含有リチウム複合酸化物(Li1.15Ni0.33Co0.33Mn0.330.005Zr0.005)で表される例1に係る正極活物質を得た。このとき、Me:Zr:Wのモル比は1:0.005:0.005であり、タングステンとジルコニウムとのモル比(Zr/W)は1であった。
例1に係る正極活物質と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、結着材としてのPVDFとの質量比が90:8:2となるように秤量し、これら材料をNMPに分散させて例1に係るペースト状の正極合材層形成用組成物を調製した。該ペーストを厚さ15μmのアルミニウム箔状に両面合わせて目付量(固形分基準)11.8mg/cmで塗布して乾燥させることにより正極合材層を形成した。次いで、圧延プレス機によって正極合材層の充填密度が2.3g/cmとなるようにプレスして、例1に係るシート状の正極を作製した。
また、負極活物質としての天然黒鉛粉末と石油ピッチとの質量比が96:4となるように秤量し、これら材料を混合して不活性雰囲気下において1000℃〜1300℃で10時間焼成することによって、表面が非晶質炭素膜で被覆された天然黒鉛(被覆天然黒鉛)を作製した。被覆天然黒鉛の平均粒径(D50)は10μmであり、比表面積は4m/gであった。
上記作製した被覆天然黒鉛と、結着材としてのSBRと、増粘材としてのCMCとの質量比が98.6:0.7:0.7となるように秤量し、これら材料をイオン交換水に分散させて例1に係るペースト状の負極合材層形成用組成物を調製した。該組成物を厚さ10μmの銅箔状に両面合わせて目付量(固形分基準)7.5mg/cmで塗布して乾燥させることにより負極合材層を形成した。次いで、圧延プレス機によって負極合材層の充填密度が1.0g/cmとなるようにプレスして、例1に係るシート状の負極を作製した。
そして、上記作製した例1に係る正極と例1に係る負極とをセパレータシート(ポリプロピレン/ポリエチレン複合体多孔質膜)介して捲回し捲回電極体を作製した。該電極体を非水電解液と共に角型のケースに収容することにより例1に係るリチウムイオン二次電池(以下、単に「二次電池」という。)を構築した。電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)との体積比3:3:4の混合溶媒に1.1mol/LのLiPFを溶解させたものを使用した。
<例2>
負極合材層の充填密度が1.1g/cmとなるようにプレスした他は例1と同様にして、例2に係るリチウムイオン二次電池を作製した。
<例3>
負極合材層の充填密度が1.2g/cmとなるようにプレスした他は例1と同様にして、例3に係るリチウムイオン二次電池を作製した。
<例4>
負極合材層の充填密度が1.3g/cmとなるようにプレスした他は例1と同様にして、例4に係るリチウムイオン二次電池を作製した。
<例5>
負極合材層の充填密度が1.4g/cmとなるようにプレスした他は例1と同様にして、例5に係るリチウムイオン二次電池を作製した。
<コンディショニング処理>
上記例1から例5のリチウムイオン二次電池に対して、適当なコンディショニング処理を行った。即ち、1Cの定電流で4.1Vまで充電を行った後、5分間休止した。次いで、定電圧で1.5時間充電して5分間休止した。
<容量維持率測定>
上記コンディショニング処理後の各二次電池について、60℃の温度条件下で30日間保存した後の容量維持率[%]を測定した。即ち、25℃の温度条件下、上記各二次電池を1Cの定電流で3Vまで放電した後、定電圧で2時間放電して10分間休止した。次いで、1Cの定電流で4.1Vまで充電した後、定電圧で2.5時間充電して10分間休止した。次いで、0.5Cの定電流で3Vまで放電した後、定電圧で2時間放電して10分間休止した。このときに得られる容量を初期電池容量(定格容量)とした。上記初期電池容量を測定した各二次電池に対して、25℃の温度条件下、3Vから1Cの定電流で充電し、初期電池容量の80%の充電状態(SOC80%)に調整した後、定電圧で2.5時間充電した。上記SOCを調整した各二次電池を60℃の恒温槽中に30日間保存して、保存後の各二次電池に対して上記初期電池容量と同様の方法で保存後の電池容量(保存後電池容量)を測定した。(保存後電池容量)/(初期電池容量)×100を、30日保存後の容量維持率[%]とした。以上の結果を表1及び図4に示す。
Figure 2012195239
表1及び図4に示すように、負極合材層の充填密度が大きくなるにつれてリチウムイオン二次電池の容量維持率が低下していることが確認できた。特に負極合材層の充填密度が1.2g/cmよりも大きくなると容量維持率の低下の割合が大きくなっていることが確認できた。この結果より、負極合材層の充填密度は1.0g/cm〜1.2g/cmの範囲にあることが妥当であることが確認できた。
<実験例2>
[リチウムイオン二次電池の構築]
<例6>
Me:Zr:Wのモル比が1:0.002:0.005である正極活物質を用いた他は例1と同様にして、例6に係るリチウムイオン二次電池を作製した。このとき、タングステンとジルコニウムとのモル比(Zr/W)は0.4であった。
<例7>
負極合材層の充填密度が1.1g/cmとなるようにプレスした他は例6と同様にして、例7に係るリチウムイオン二次電池を作製した。
<例8>
負極合材層の充填密度が1.2g/cmとなるようにプレスした他は例6と同様にして、例8に係るリチウムイオン二次電池を作製した。
<例9>
負極合材層の充填密度が1.3g/cmとなるようにプレスした他は例6と同様にして、例9に係るリチウムイオン二次電池を作製した。
<例10>
負極合材層の充填密度が1.4g/cmとなるようにプレスした他は例6と同様にして、例10に係るリチウムイオン二次電池を作製した。
<低SOC出力測定>
上記例1〜例10のリチウムイオン二次電池に対して、低SOCにおける出力を測定した。即ち、25℃の温度条件下、上記各二次電池を1Cの定電流で充電しSOC27%に調整した後、該SOC27%にて定電圧で1時間充電した。上記SOCを調整した各二次電池を−30℃の恒温槽中に6時間放置した後、−30℃の温度条件下、SOC27%の状態から一定の出力[W]で2V(カット電圧)まで放電したときに要した時間を測定した。80W〜200Wの範囲内で定めた所定の出力でそれぞれ放電を行い、各出力で放電したときに測定された時間を横軸に取り、該測定時の出力[W]を縦軸に取って、近似曲線から2秒時の出力[W]を算出した。以上の結果を表1、2及び図5に示す。
Figure 2012195239
表1、2及び図5に示すように、負極合材層の充填密度が1.4g/cmのときにはZrとWとのモル比(Zr/W)による影響はほとんどなく同程度の出力が得られることが確認できた。ところが、負極合材層の充填密度が小さくなるにつれてZr/Wによる影響が大きくなり、実験例1の結果から高い容量維持率が得られた負極合材層の充填密度の範囲(即ち1g/cm〜1.2g/cm)ではZr/Wによる影響が特に強く見られ、出力に顕著な差があることが確認できた。
<実験例3>
[リチウムイオン二次電池の構築]
<例11>
(Ni+Co+Mn+W):Wのモル比が1:0.005である正極活物質を用いた他は例2と同様にして、例11に係るリチウムイオン二次電池を作製した。該正極活物質にはZrが含まれていないため、モル比(Zr/W)は0であった。
<例12>
Me:Zr:Wのモル比が1:0.0005:0.005である正極活物質を用いた他は例2と同様にして、例12に係るリチウムイオン二次電池を作製した。このときのモル比(Zr/W)は0.1であった。
<例13>
Me:Zr:Wのモル比が1:0.001:0.007である正極活物質を用いた他は例2と同様にして、例13に係るリチウムイオン二次電池を作製した。このときのモル比(Zr/W)は0.14であった。
<例14>
Me:Zr:Wのモル比が1:0.002:0.01である正極活物質を用いた他は例2と同様にして、例14に係るリチウムイオン二次電池を作製した。このときのモル比(Zr/W)は0.2であった。
<例15>
Me:Zr:Wのモル比が1:0.003:0.009である正極活物質を用いた他は例2と同様にして、例15に係るリチウムイオン二次電池を作製した。このときのモル比(Zr/W)は0.33であった。
<例16>
例7に係るリチウムイオン二次電池と同様にして、例16に係るリチウムイオン二次電池を作製した。このときのモル比(Zr/W)は0.4であった。
<例17>
Me:Zr:Wのモル比が1:0.003:0.005である正極活物質を用いた他は例2と同様にして、例17に係るリチウムイオン二次電池を作製した。このときのモル比(Zr/W)は0.6であった。
<例18>
Me:Zr:Wのモル比が1:0.006:0.008である正極活物質を用いた他は例2と同様にして、例18に係るリチウムイオン二次電池を作製した。このときのモル比(Zr/W)は0.75であった。
<例19>
Me:Zr:Wのモル比が1:0.004:0.005である正極活物質を用いた他は例2と同様にして、例19に係るリチウムイオン二次電池を作製した。このときのモル比(Zr/W)は0.8であった。
<例20>
Me:Zr:Wのモル比が1:0.006:0.007である正極活物質を用いた他は例2と同様にして、例20に係るリチウムイオン二次電池を作製した。このときのモル比(Zr/W)は0.86であった。
<例21>
例2に係るリチウムイオン二次電池と同様にして、例21に係るリチウムイオン二次電池を作製した。このときのモル比(Zr/W)は1.0であった。
<低SOC出力測定>
上記例11〜例21に係る各リチウムイオン二次電池について、上記例1〜例10の各二次電池に対して行った低SOCにおける出力の測定と同一の条件下で出力[W]を測定した。測定結果を表3及び図6に示す。
Figure 2012195239
表3及び図6に示すように、モル比(Zr/W)が0.1〜0.86の範囲内の場合には、低SOC領域において高い出力が得られることが確認できた。特にモル比が0.1〜0.8(好ましくは0.1〜0.75、より好ましくは0.2〜0.4)の範囲内の場合に高い出力が得られることが確認できた。一方、モル比(Zr/W)が0.1より小さすぎる場合や0.86より大きすぎる場合には、低SOC領域において出力低下が大きく、十分な出力が得られないことが確認できた。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本発明に係るリチウムイオン二次電池は、高温下における容量の劣化を防止すると共に低SOC領域における出力低下が抑えられており電池性能に優れることから、各種用途向けのリチウムイオン二次電池として利用可能である。例えば、図7に示すように、自動車等の車両100に搭載される車両駆動用モーターの電源(駆動電源)として好適に利用することができる。車両100に使用されるリチウムイオン二次電池10は、単独で使用されてもよく、直列及び/又は並列に複数接続されてなる組電池200の形態で使用されてもよい。
10 リチウムイオン二次電池
15 電池ケース
20 開口部
25 蓋体
30 ケース本体
40 安全弁
50 捲回電極体
60 正極端子
62 正極集電体
64 正極シート(正極)
66 正極合材層
80 負極端子
82 負極集電体
84 負極シート(負極)
90 負極合材層
95 セパレータシート
100 車両(自動車)
110 冷却板
120 エンドプレート
130 拘束バンド
140 接続部材
150 スペーサ部材
155 ビス
200 組電池

Claims (4)

  1. 正極と、負極と、非水電解液と、を備えるリチウムイオン二次電池であって、
    前記正極は、正極集電体上に少なくとも正極活物質を含む正極合材層を有し、前記負極は、負極集電体上に少なくとも負極活物質を含む負極合材層を有しており、
    前記負極活物質は、黒鉛材料であり、該黒鉛材料を含む負極合材層の充填密度は1.0g/cm〜1.2g/cmであり、
    前記正極活物質は、層状構造を有するニッケル含有リチウム複合酸化物であって、該酸化物は、ジルコニウム及びタングステンを含有する組成を有しており、
    前記酸化物中におけるジルコニウムとタングステンとのモル比(Zr/W)が0.1〜0.86であることを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
  2. 前記ニッケル含有リチウム複合酸化物のうちリチウム及び酸素を除く他の構成元素の全量を100mol%としたときのジルコニウム含有量は、0.05mol%〜0.6mol%であることを特徴とする、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記ニッケル含有リチウム複合酸化物は、コバルト及びマンガンを構成元素として含む酸化物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池。
  4. 車両の駆動電源として用いられることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のリチウムイオン二次電池。
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