JP2012194338A - レンズ鏡筒、カメラシステム、および光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作環の回動操作の際における異音の発生や操作感の悪化を抑制し、組立後において操作環の回動操作トルクを容易に調整可能なレンズ鏡筒を提供する。
【解決手段】レンズ鏡筒は、固定筒と、固定筒に対して回動操作可能な操作環と、操作環に形成された穴部に挿着された摩擦部材と、摩擦部材を操作環の外径方向から付勢する付勢手段とを有し、摩擦部材は、付勢手段により付勢されることで固定筒に面接触しており、操作環が回動する際に摩擦部材と固定筒との間に摩擦力が発生するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、固定筒に対してレンズ群を移動させるための操作環を備えたレンズ鏡筒に関する。
従来から、操作環を回動させてレンズ群を光軸方向に移動させるレンズ鏡筒がある。このとき、操作環の駆動トルクが小さすぎると、レンズ鏡筒を傾けて使用した際にレンズ群が自重で移動することがある。一方、駆動トルクが大きすぎると、回転操作が重くなり操作者に不快感を与えることになる。
そこで特許文献1には、固定筒の一部に深さの異なる複数の凹部を設け、少なくとも1つの凹部に弾性体を配設し、操作環を弾性体に圧接するように固定筒に変動可能に取着して操作環を駆動させるレンズ鏡筒が開示されている。このようなレンズ鏡筒により、操作環と固定筒との間にガタがなく、操作環を安定したトルクで駆動可能にしている。
また特許文献2には、駆動リングとレンズ鏡筒本体の嵌合摺動部にボールを接触させたレンズ装置が開示されている。このレンズ装置は、ボールをコイルバネにより所定の圧力で付勢するように調整するネジを有し、このネジを外部から穿設可能な収容孔を備えている。このような構成により、装置の組立後においても操作トルクの調整を容易に行うことが可能となる。
特開平8−327875号公報 特開2007−41410号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、一旦、操作環と固定筒との間に弾性体を配設すると、トルクを再調整する際に操作環を取り外す必要があり、レンズ組立後にトルク調整をするのに時間を要する。また特許文献2の構成では、ボールをレンズ鏡筒本体に付勢しているため、ボールとレンズ鏡筒本体との間は点接触となり、長時間付勢されるとレンズ鏡筒本体の付勢箇所がクリープし(打痕が発生し)、操作環を回動させる際に引っ掛かりを感じ、操作感が悪化する。また、ボール(回転体)による付勢では摩擦力が発生せず、異音が発生するおそれもある。
そこで本発明は、操作環の回動操作の際における異音の発生や操作感の悪化を抑制し、組立後において操作環の回動操作トルクを容易に調整可能なレンズ鏡筒、カメラシステム、および、光学機器を提供する。
本発明の一側面としてのレンズ鏡筒は、固定筒と、前記固定筒に対して回動操作可能な操作環と、前記操作環に形成された穴部に挿着された摩擦部材と、前記摩擦部材を前記操作環の外径方向から付勢する付勢手段とを有し、前記摩擦部材は、前記付勢手段により付勢されることで前記固定筒に面接触しており、前記操作環が回動する際に該摩擦部材と該固定筒との間に摩擦力が発生するように構成されている。
本発明の他の側面としてのカメラシステムは、前記レンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒を装着可能な撮像装置とを有する。
本発明の他の側面としての光学機器は、前記レンズ鏡筒を備える。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、操作環の回動操作の際における異音の発生や操作感の悪化を抑制し、組立後において操作環の回動操作トルクを容易に調整可能なレンズ鏡筒、カメラシステム、および、光学機器を提供することができる。
本実施例におけるレンズ鏡筒の断面図である。 本実施例におけるレンズ鏡筒の分解斜視図である。 本実施例におけるレンズ鏡筒の要部平面図である。 本実施例におけるレンズ鏡筒の要部拡大図である。 本実施例におけるレンズ鏡筒の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本実施例におけるレンズ鏡筒の断面図、図2はレンズ鏡筒の分解斜視図、図3はレンズ鏡筒の要部平面図、図4はレンズ鏡筒(トルク調整機構)の要部拡大図、図5はレンズ鏡筒の斜視図である。
図1乃至図5に示されるレンズ鏡筒100において、1はマウントである。レンズ鏡筒100は、マウント1を介して、撮像装置であるカメラ本体(不図示)のマウント部に装着可能に構成されている。2はマウントリングであり、3は固定筒である。固定筒3は、カメラ本体にマウント1及びマウントリング2を介して固定される。図3に示されるように、固定筒3の断面周上には、複数の位置規制コロ9a、9b、9cを配設する複数の溝部3a、3b、3cが設けられている。ただし本実施例は、位置規制コロ及び溝部の個数を限定するものではない。
4は操作環であり、固定筒3に対して回転可能に嵌合されている。操作環4は、光軸OA上を移動するレンズ群12a、12bを駆動させるカム環11に連結されており、操作環4を回動操作することでレンズ群12a、12bが光軸OA上を移動する。操作環4には操作カバー8が巻装されており、容易な回動操作ができるように構成されている。
操作環4は、固定筒3に対して回動操作可能に設けられている。また操作環4は、位置規制コロ9a、9b、9cにより光軸方向の位置およびその回動範囲が規制されている。操作環4を回動させる際に生じる回動操作トルクを構成する要素は、大別して、レンズ群12a、12bと保持筒10との間の摺動によるトルク、および、固定筒3と操作環4との間で生じるトルクに分けられる。本実施例のレンズ鏡筒100は、トルク調整機構20により、固定筒3と操作環4との間に生じる回動操作トルクを調整可能に構成されている。
次に、図2を参照して、本実施例におけるトルク調整機構20の構成について説明する。トルク調整機構20は、コロ5、板バネ6、および、ネジ7a、7bを備えて構成される。コロ5は摩擦部材であり、操作環4に形成された穴部4bに挿着されている。操作環4の外径部に配設された板バネ6、および、板バネ6を操作環4に固定するネジ7a、7bは、付勢手段を構成する。
操作環4は、内外径に通挿するように形成された穴部4bを有する。穴部4bには、摩擦部材としてのコロ5が挿着されている。コロ5は、円柱形状を有し、ポリアセタール(POM)から構成されている。コロ5は、板バネ6が操作環4の外径方向から固定筒3の溝部3bに付勢されてネジ7a、7bが穴部4c、4dにそれぞれ固定されることで圧接される。このため、操作環4を回動操作する際に、コロ5の摩擦面5aと固定筒3の溝部3bとの間に摩擦力が発生する。
このように、コロ5は、板バネ6により付勢されることで固定筒3に面接触しており、操作環4が回動する際にコロ5と固定筒3との間に摩擦力が発生するように構成されている。本実施例では、コロ5の底面が固定筒3(溝部3b)に対して面接触するように構成されていれば、円柱形状に限定されるものではなく、角柱形状などの他の形状を有するものであってもよい。また、コロ5を構成する材料はポリアセタール(POM)に限定されるものではなく、他の樹脂やセラミック、金属などを用いてもよい。また実施例において、固定筒3の溝部3bは樹脂で構成されているが、セラミックや金属などを用いてもよい。
板バネ6は、ネジ7a、7bにより、操作環4に設けられた凹部4aに螺設されている。このとき、コロ5の付勢部5bと所定の距離だけ離れて配置されているネジ7aの締付け量を調整することで、板バネ6による付勢力の大きさを調整し、摩擦力を可変に設定可能となる。このように、本実施例のレンズ鏡筒100は、ネジ7aの締付け量(付勢手段の付勢力の大きさ)を調整することで操作環4の回動操作トルクが調整可能に構成されている。
次に、本発明の実施例2におけるレンズ鏡筒(トルク調整機構20)の構成について説明する。本実施例のレンズ鏡筒の基本的構成は実施例1のレンズ鏡筒100と同様であるため、その説明は省略する。
本実施例のレンズ鏡筒において、摩擦部材としてのコロ5は、高さの異なる複数のコロから選択的に穴部4bに挿着されることで、操作環4の回動操作トルクが調整可能に構成されている。本実施例では、例えば0.05mm程度ずつ高さの異なる複数のコロ5を選択可能である。このように高さの異なる複数のコロから適切なコロを選択することで、板バネ6による付勢力の大きさを調整し、摩擦力を可変に設定可能となる。このように本実施例のレンズ鏡筒は、コロの高さを調整することで操作環4の回動操作トルクが調整可能となる。
特に、本実施例において、複数のコロは同一の大きさ(同一の径)の底面を有する円柱形状又は角柱形状であるため、穴部4bなどの大きさや構成を変更することなく簡易な構成で複数のコロを選択することができる。
次に、本発明の実施例3におけるレンズ鏡筒(トルク調整機構)の構成について説明する。本実施例のレンズ鏡筒の基本的構成は実施例1のレンズ鏡筒100と同様であるため、その説明は省略する。
本実施例のレンズ鏡筒において、摩擦部材は、摩擦係数の異なる複数の摩擦部材から選択的に穴部4bに挿着されることで、操作環4の回動操作トルクが調整可能に構成されている。本実施例では、ポリアセタール(POM)からなるコロ5の代わりに、摩擦係数が互いに異なる材質、例えばポチコンコロやノリルコロなどのコロ(摩擦部材)を選択可能である。ただし、本実施例は互いに異なる材質に限定されるものではない。例えば、コロ5の摩擦面5aの表面粗さが互いに異なる複数のコロ5を選択可能に構成してもよい。このように摩擦係数の異なる複数のコロから適切なコロを選択することで、板バネ6による付勢力の大きさを調整し、摩擦力を可変に設定可能となる。このように本実施例のレンズ鏡筒は、摩擦部材の摩擦係数を調整することで操作環4の回動操作トルクが調整可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
上記各実施例におけるレンズ鏡筒は、例えば、フィルムカメラ、デジタルカメラ、監視カメラ、ビデオカメラ、プロジェクタ、望遠鏡、及び顕微鏡など各種の光学機器や、筒状部材、移動部材、及び回動部材を有する各種の機器に適用可能である。またレンズ鏡筒は、レンズ鏡筒を装着可能な撮像装置との組み合わせによりカメラシステムを構成することもできる。
以上、上記各実施例によれば、操作環の回動操作の際における異音の発生や操作感の悪化を抑制し、組立後において操作環の回動操作トルクを容易に調整可能なレンズ鏡筒、カメラシステム、および、光学機器を提供することができる。これにより、レンズ鏡筒の組立後に残る回動操作トルクのバラつきを吸収し、一定の回動操作トルクに調整可能である。このため、各部品に加工上の寸法バラつきや成形バラつきがある場合でも、これらのバラつきを吸収してラジアル方向のガタを取ることができる。また、外径部より操作環の回動トルクを調整することが可能であるため、サービス性の向上を図ることができ、トルク性能に変化があった場合でも、容易に所望の設定トルクに再調整することが可能である。
3 固定筒
4 操作環
5 コロ
6 板バネ
7a、7b ネジ
20 トルク調整機構
100 レンズ鏡筒

Claims (10)

  1. 固定筒と、
    前記固定筒に対して回動操作可能な操作環と、
    前記操作環に形成された穴部に挿着された摩擦部材と、
    前記摩擦部材を前記操作環の外径方向から付勢する付勢手段と、を有し、
    前記摩擦部材は、前記付勢手段により付勢されることで前記固定筒に面接触しており、前記操作環が回動する際に該摩擦部材と該固定筒との間に摩擦力が発生するように構成されている、ことを特徴とするレンズ鏡筒。
  2. 前記摩擦部材は円柱形状又は角柱形状であり、該摩擦部材の底面において前記固定筒に面接触していることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡筒。
  3. 前記付勢手段の付勢力の大きさを調整することで前記操作環の回動操作トルクが調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のレンズ鏡筒。
  4. 前記付勢手段は、前記操作環の外径部に配設された板バネと該板バネを該操作環に固定するネジとを有し、
    前記ネジの締付け量を調整することで前記回動操作トルクが調整可能に構成されていることを特徴とする請求項3に記載のレンズ鏡筒。
  5. 前記摩擦部材は、高さの異なる複数の摩擦部材から選択的に前記穴部に挿着されることで前記回動操作トルクが調整可能に構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のレンズ鏡筒。
  6. 前記摩擦部材は、摩擦係数の異なる複数の摩擦部材から選択的に前記穴部に挿着されることで前記回動操作トルクが調整可能に構成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のレンズ鏡筒。
  7. 前記摩擦係数の異なる複数の摩擦部材は、互いに材質が異なることを特徴とする請求項6に記載のレンズ鏡筒。
  8. 前記摩擦係数の異なる複数の摩擦部材は、互いに表面粗さが異なることを特徴とする請求項6に記載のレンズ鏡筒。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒と、
    前記レンズ鏡筒を装着可能な撮像装置と、を有することを特徴とするカメラシステム。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のレンズ鏡筒を備えたことを特徴とする光学機器。
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