JP2012193957A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的広い範囲の何れの位置に霜が発生(付着)したとしても、これを検出することが可能な着霜検出手段を装備した冷却器を備えた冷蔵庫を提供する。
【解決手段】冷蔵庫100の冷却器200は、蒸発器15と、赤外線を放射するヒーター52と、赤外線検知器51とを備えている。フィン23間に着霜がない場合、ヒーター52から放射された赤外線の一部は、所定のフィン23同士の隙間を通過して直接、またはフィン23の表面で反射されながら間接的に赤外線検知器51に到達し所定の出力が得られ、一方、フィン23に着霜がある場合、ヒーター52から放射された赤外線の一部は、所定のフィン23同士の隙間を塞ぐ着霜に吸入されたり、フィン23表面の着霜に吸収されたりするから、赤外線検知器51に到達する量が減少し所定の出力が得られないから、該出力の大小によって着霜状態を判断することができる。
【選択図】図4

Description

この発明は、冷蔵庫、特に、冷凍サイクル装置を構成する冷却器を備えた冷蔵庫に関するものである。
従来の冷蔵庫では、冷凍サイクルを実行する冷凍サイクル装置を有し、冷凍サイクル装置を構成する蒸発器(熱交換器に同じ)は、冷媒が流通する伝熱管と、該伝熱管に取り付けられた複数枚のフィンから形成されている。そして、蒸発器を通過する庫内空気を冷却する際、蒸発器のフィンの温度は「−30℃」近くまで低下するため、フィンとフィンとの隙間を通過する庫内空気に含まれる水蒸気がフィンの表面に霜となって付着する(以下「着霜」という)。
その結果、蒸発器を通過する空気の量は、着霜が進むにつれ減少し、蒸発器の冷却能力が低下する。そのため、冷蔵庫の冷却性能を維持するために、日におおよそ1回、除霜運転(デフロスト運転)を行う。
かかる除霜運転は、蒸発器への冷媒の供給を停止し、蒸発器の近くに配置されたヒーター等によって、フィンを加熱するものであるため、冷蔵庫内への余計な入熱(温熱の供給)によって冷蔵庫内の温度上昇を引き起こすから、適切な(できるだけ短い)除霜時間で終了することが望ましい。
そのため、フィンに温度センサー(霜取り温度センサー)を設置して、除霜運転時の温度上昇を検知し、温度が所定温度以上に到達した時点で除霜が終了したものと判断し、ヒーターへの通電を停止する発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、フィンの温度を検知することによって除霜終了を判断する発明に替えて、フィンの着霜(除霜)状態を直接検知する発明、すなわち、特定のフィンの端面に向けて光を出射する発光素子と、フィンの端面および側面に付着した霜によって反射した光(発光素子から出射された光のうち反射された光)を受光する複数の受光センサー(リニアイメージサンサーを構成する)とから構成された発明が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2002−062011号公報(第3−4頁、第1図) 特開2008−232605号公報(第5−8頁、第2図)
(あ)しかしながら、特許文献1に開示された発明では霜残りを避けるため、必要よりも高い温度に所定温度を設定する必要があり、結果的に余計な入熱が生じ、冷蔵庫内の温度上昇を引き起こすという問題があった。
(い)また、温度センサーの検知した温度が所定温度に到達しても、温度センサーが設置されていないフィンの除霜状態は把握できない(霜が残っていて、低温であっても検知されない)ため、予期せぬ位置に着霜が生じた場合には、そのまま除霜されないことがあるといった問題があった。
(う)さらに、特許文献2に開示された発明は、発光素子から出射された光が照射される範囲における着霜を検知するものであるため、前記と同様に、予期せぬ位置に着霜が生じた場合には、そのまま除霜されないことがあるといった問題があった。
(え)また、発光素子と受光素子との位置関係や、着霜状況によって光は様々な方向に反射されるため、検出精度が大きく変化(依存)するという問題があった。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、比較的広い範囲内の何れの位置に霜が発生(付着)したとしても、これを検出することが可能な着霜検出手段を装備した冷却器(蒸発器に同じ)を備えた冷蔵庫を提供することを目的とする。
本発明に係る冷蔵庫は、被冷蔵物または被冷凍物の一方または両方を収納する筐体と、冷凍サイクルを実行する冷凍サイクル装置と、該冷凍サイクル装置を構成し、前記筐体内の空気を冷却する冷却器と、前記筐体に形成された開口部を開閉する扉と、を有し、前記冷却器が、冷媒が通過する伝熱管と、該伝熱管に設置された複数枚のフィンと、該複数枚のフィンの一部または全部に向けて赤外線を放射するヒーターと、該ヒーターから放射された赤外線のうち、前記複数枚のフィンのうち所定のフィンの間を通過した赤外線を検知する赤外線検知器と、該赤外線検知器の検知結果に基づいて、前記ヒーターの入力を制御する制御装置と、を有し、前記赤外線検知器は、前記扉の開閉後または前記扉の開閉中に前記ヒーターから放射された赤外線を検知し、前記制御装置は、前記赤外線を検知した前記赤外線検知器の出力の絶対値または変化量に応じて、前記フィンまたは前記伝熱管に付着した霜の状態を判断することを特徴とする。
本発明に係る冷蔵庫によれば、冷却器が赤外線を放射するヒーターとフィンとの間を通過した赤外線を検知する赤外線検知器を有する。すなわち、フィンの間の何れの位置において霜が発生したとしても、赤外線はフィンの間を通過する際に付着した霜に吸収されるから、赤外線検知器に到達する赤外線の量(強度)は減少する。したがって、かかる到達する赤外線の量(強度)を検知することによって、赤外線の通過路の何れの位置において発生(付着)した霜であっても検知することができる。
そして、着霜の有無を検知する検知結果に基づいて、着霜が検知される間に限って、ヒーターに通電する。したがって、ヒーターの入力を制御することができるから、余計な入熱を抑えることができ、省エネルギー性に優れた冷蔵庫が得られる。
本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の構成を説明する正面図と側断面図。 本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の冷却器における風流れを説明する斜視図等。 霜の反射率・透過率・吸収率の霜密度依存性を示す特性図。 本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の冷却器の構成を示す正面図と側面図。 本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の冷却器の制御の流れを示すフローチャート。 図4に示す冷却器における許容値Aの決定方法を示すフローチャート。 本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫の冷却器の構成を説明する正面図。 本発明の実施の形態4に係る冷蔵庫の冷却器の構成を説明する斜視図。 本発明の実施の形態5に係る冷蔵庫の冷却器の構成を説明する斜視図。 本発明の実施の形態6に係る冷蔵庫の冷却器の構成を説明する側面図等。
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る冷蔵庫の構成を説明するものであって、(a)は正面図、(b)は側面視の断面図である。なお、図1は模式的に示すものであって、各構成部材の形状や数量は限定するものではない、また、構成部材の一部を欠いてもよい。
図1において、冷蔵庫100は、庫内11は扉部12a、12b、12c、12d(以下、まとめて「扉部12」と称す)および断熱壁13により庫外(外気)から断熱された筐体であって、筐体内部(以下、「庫内」と称す)11は、複数の小部屋11a、11b、11c、11dに分割され、それぞれ収納物を冷蔵または冷凍する(例えば、冷蔵室11a、野菜室11b、第1冷凍室11c、第2冷凍室11d等)。
そして、蒸発器15において冷却された庫内空気は、循環ファン16により小部屋11a、11b、11c、11dに直接または他の小部屋を経由して送られる(例えば、第1冷凍室11cおよび第2冷凍室11dを経由した後、冷蔵室11aに送られる)。
(冷凍サイクル)
庫内11は、蒸気圧縮式冷凍サイクル(以下、「冷凍サイクル」と称す)を利用して、目標温度まで冷却される。冷蔵庫100の扉部12および断熱壁13からも多少の熱侵入(温熱の流入)があるため、冷蔵庫100の冷凍サイクルにより冷却運転を行うことで庫内温度を維持する。
冷蔵庫100の冷凍サイクルは、イソブタンなどの冷媒を圧縮機14で圧縮し、高温高圧となった冷媒を、断熱壁13に埋設されている配管(図示しない)へと流す。圧縮された高温高圧の冷媒は配管内で放熱(温熱を放出)し液冷媒となり、その後、キャピラリーチューブなどの膨張手段(図示しない)により膨張され気液二相の冷媒となる。そして、蒸発器15において、冷媒は庫内11から流れ込んだ庫内空気と熱交換をして、庫内空気に冷熱を受け渡すと共に、庫内空気からの吸熱(温熱の受け取り)によって気体となって圧縮機14に戻る。一方、蒸発器15において吸熱され(冷熱を受け取った)温度の低下した庫内空気は、循環ファン16により庫内11へと再度送られる。
このように冷蔵庫100は、冷凍サイクルを実行する各装置を運転することにより、庫内11の庫内空気を循環しながら、被冷蔵物や被冷凍物(図示しない)を冷却する冷却運転を行っている。
なお、蒸発器15については実施の形態2において詳細に説明するが、赤外線を放射するヒーターと該赤外線を検知する赤外線検知器とによって着霜状況が把握され、余計な入熱を抑えながら除霜することができる。したがって、冷蔵庫100は、不必要なエネルギーの消費が抑えられ、省エネルギー性能の高い冷蔵庫になっている。
[実施の形態2]
図2〜図6は本発明の実施の形態2に係る冷蔵庫の冷却器を説明するものであって、図2の(a)は蒸発器における風流れを説明する斜視図、図2の(b)は蒸発器における風流れを説明する正面図、(c)は蒸発器における風流れを説明する側面視の断面図、図3は霜の反射率・透過率・吸収率の霜密度依存性を示す特性図、図4の(a)は冷却器の構成を示す正面図、図4の(b)は冷却器の構成を示す側面図、図5は制御の流れを示すフローチャート、図6は許容値Aを決定する方法を示すフローチャートである。
(蒸発器)
図2において、蒸発器15は、実施の形態1において説明した冷蔵庫100に設置されるものであって、蛇行した伝熱管24と、伝熱管24に設置された複数枚のフィン23とを有するフィンアンドチューブタイプである。フィン23は互いに平行であって、略鉛直方向と平行に配置され、伝熱管は直線部と直線部とを連結する折返し部(円弧部)とを有し、直線部は略水平方向に配置されている。
したがって、庫内11を循環して冷熱を放出した庫内空気(温度が上昇している)は、蒸発器15の下方側に設けられた入口部15aから、フィン23の間に流入した後、上昇し、循環ファン16に吸引される(蒸発器15に流入する庫内空気の流れ(以下、「空気流れ」と称す)26を矢印にて示す)。このとき、庫内空気はフィン23および伝熱管24を介して、冷媒と熱交換を行って冷却され(冷熱を受け取って)、蒸発器15の出口部15bから循環ファン16に吸引され、さらに再度庫内11へと戻し循環させる(図2において、循環ファン16は出口部15bに設置されているが、記載を省略している)。なお、蒸発器15は、フィンアンドチューブタイプに限定するものではなく、コルゲートフィンタイプなどもよい。
(着霜)
上記のように構成された蒸発器15において、循環ファン16が回転することにより、庫内11を循環した庫内空気26が蒸発器15の下部の入口部15aより蒸発器15内に入り、上部の出口部15bに向かって流れる(下部を風上部25a、上部を風下部25bと称す場合がある)。
庫内11の冷却運転を開始した(冷凍サイクルを実行した)初期では、蒸発器15の全体のフィン23には着霜はない。冷却運転を継続すると、庫内11を冷却してから蒸発器15に流入する庫内空気26は、風上部25aから風下部25bを通過しながらフィン23と熱交換を行い、再度冷却されて蒸発器15の出口部15bから抜けて循環ファン16を通り庫内11へと戻る。このとき、流入する庫内空気26とフィン23との熱交換は、主に流入する庫内空気26とフィン23の温度差が大きい蒸発器15の風上部25aのフィン23で行われる。
蒸発器15のフィン23の温度は「−30℃」近くまで低下しているので、冷凍サイクルの運転に伴い庫内11を循環して水蒸気を含んだ庫内空気26の温度はフィンの表面温度に比較して高い。このため、庫内空気26に含まれた水蒸気がフィン23の表面において冷却され霜となってフィン23の表面に付着する(着霜が生じる)。
着霜の発生の多少(分布)は、流入する庫内空気26に含まれている水蒸気量によって増減し、水蒸気量の多い風上部25aにおいて着霜が先に生じ易く、蒸発器15のフィン23の間を通過する間に、庫内空気に含まれる水蒸気量が減ってくるため、風下部25bにおいては着霜が生じ難い。
フィン23の表面に付着した霜が成長すると、対向したフィン23のそれぞれに付着した霜が連結するから、風路が閉塞されることになる。すなわち、風下部25bと風上部25aを比較すると、風上部25aの方が着霜量は多くなるから、風上部25aにおいて風路が閉塞され易い。そして、着霜によって風上部25aのフィン23間が閉塞されると、フィン23間を通過する庫内空気の量が減少し、風上部25a以外の領域では着霜していなくとも蒸発器15を通過する庫内空気の量が減少するため、熱交換量が減少し、熱交換器としての熱交換性能(冷却性能)が低下する。
その結果、蒸発器15を通過した庫内空気が十分に冷却されないまま循環ファン16を通り庫内11へと戻り、冷蔵庫100の冷却性能が低下する。
(除霜)
そこで、着霜による性能低下を回避するため、冷蔵庫100は定期的に除霜運転を行う。除霜運転は蒸発器15の下部に設置されたヒーター52(図4参照)によって行われる。なお、除霜運転は、冷却運転を中断(冷凍サイクルが停止)して、ヒーター52に入力(通電)するため、消費電力は増加し、庫内温度の上昇につながる。このため省エネ及び庫内食品の品質維持の観点からも、除霜時間を短くすることが望ましい。
ただし、除霜運転が不充分であると、蒸発器15に霜の解け残り(残霜)が発生し、除霜終了から再度風路閉塞に至るまでの時間が短くなるだけでなく、除霜直後に必要な冷却能力が得られず、庫内温度を目標温度に低下させることができない。
このため、従来は、残霜を防止するために安全を考慮して、一般的に霜が融解する温度は0℃であるにも関わらず、フィン23の表面温度あるいはフィン23を通過した庫内空気の温度が10℃程度にまで上昇した時を、除霜終了タイミングにしていた。
(霜の赤外線吸収特性)
次に、本発明における着霜検知原理である霜の赤外線吸収特性を示す。
図3は、霜の反射率・透過率・吸収率の霜密度依存性を示す特性図である(例えば、「福迫尚一郎、稲葉英男著「低温環境下の伝熱現象とその応用」、1996年7月、養賢堂」参照)。
図3において、可視光ランプ、近赤外線ランプ、遠赤外線ランプを使用した結果を示しているが、それぞれのランプから放射される光はブロードな波長領域を持つ光であり、そのピーク波長は、可視光ランプは「λ=0.5μm」、近赤外線ランプは「λ=1.0μm」、遠赤外線ランプは「λ=5.5μm」である。
そして、霜密度が160kg/m3以上では、近赤外線ランプおよび遠赤外線ランプ共に吸収率(図3中の「αf」)が0.8以上となっており、放射された光(赤外線)が霜に吸収される。つまり、「160kg/m3以上の霜密度では、波長1.0〜10μmの赤外線は霜に吸収される」と言える。
発明者等は、冷蔵庫の蒸発器に付着する霜の密度を、着霜量と霜高さと伝熱面積により計測を行い、冷蔵庫における空気条件と蒸発器の蒸発温度条件では、生成する霜の密度は150kg/m3以上であることを見出した(例えば、「田代雄亮、濱田守、「E224−空気条件が霜成長速度に与える影響」、日本冷凍空調学会2009年度年次大会」参考)。つまり、「蒸発器の霜に波長1.0〜10μmの赤外線が放射されると、そのほとんどが吸収される」と言える。
(冷却器)
図4において、冷却器200は、上記の霜の吸収特性を利用するものであって、蒸発器15と、赤外線を放射するヒーター52と、赤外線検知器51とを備えている。
すなわち、ヒーター52から放射された赤外線の一部は、所定のフィン23同士の隙間を通過して直接、またはフィン23の表面で反射されながら間接的に赤外線検知器51に到達する。
なお、図4において赤外線検知器51を蒸発器15の上部としているが、本発明は赤外線検知器51の設置場所を限定するものではなく、フィン23同士の間に障害物がないときに、ヒーター52から放射された赤外線が到達する位置であればよい。したがって、一対のフィン23の中央に位置する平面(フィン23に平行)を仮定すると、当該仮想平面内で、ヒーター52と赤外線検知器51とを結ぶ仮想直線が、一対のフィン23に挟まれた範囲を通過するものであれば、何れの位置に配置してもよい(反対に、仮想直線がフィン23と交差する場合は、赤外線が遮られるから、赤外線検知器51が機能しなくなる)。なお、当該仮想直線の一対のフィン23に挟まれた範囲内であれば、当該範囲内の何れの位置に着霜しても、検知されるから、当該範囲の長さが長い程、検知精度が向上する。
(赤外線検知器)
赤外線検知器51は、上記に述べた霜の吸収する波長である波長1.0〜10μmの赤外線に対して検知可能であれば以下に述べる効果を有することができ、例えば、波長1.0〜10μmの中で幾つかの波長が検知できれば以下に述べる効果をさらに高めることができる。
一例として、赤外線検知器51として受光ダイオードがある。受光ダイオードは、特定の波長域の光(赤外線)を受光すると、電圧出力が得られる。一般的に受光ダイオードから得られる電圧は微小(数μV程度)であるので、例えば出力をアンプなどで増幅することで十分な出力信号として赤外線検知が可能となる。
(ヒーター)
ヒーター52は、上記に示した蒸発器15に付着した霜が吸収する波長1.0〜10μmの赤外線を放射することが望ましい。例えば波長1.0〜10μm中の遠赤外線域の赤外線を発するカーボンヒーターなどが好ましいが、一般的に冷蔵庫で使用されているニクロム線ヒーターでも上記の霜の吸収する波長1.0〜10μmの赤外線を放射することを発明者らは確認済みであり、以下に述べる効果を十分に得られる。
なお、ヒーター52は、着霜の有無を検知するための赤外線を放射すると共に、除霜のための熱線(赤外線)を放射するものであるから、検知用ヒーターであって、除霜用ヒーターでもある。
(着霜発生の検知動作)
次に、冷却器200の動作を説明する。
図5に示す一連の動作フローに基づいて、着霜の検知動作を説明する。冷蔵庫100の運転開始スイッチが押されると(S1)、冷凍サイクルが実行されて冷却運転が開始される(S2)。そして一定時間τが経過したところ、あるいは一定時間τが経過する毎に(S3)、冷凍サイクルを実行したまま、ヒーター52に短時間の通電を行う(S4)。
ここで一定時間τは例えば数分から数十分でも以下の効果は得られるが、蒸発器15への着霜が生じるのは主に冷蔵庫の扉開閉時(水分を含んだ庫外空気が侵入する)と考えられるので、扉開閉の後や若しくは扉開閉中には積極的に下記の検知を行うことが望ましい。なお、ヒーター52への通電時間は、冷却運転中に長時間通電を行うと庫内温度の上昇や消費電力の増加につながるため、極力短時間か瞬間的に行うことが望ましいが、霜が吸収する波長1.0〜10μmの赤外線がヒーター52から発せられれば、時間の長短に関わらず以下の効果が得られる。
そして、赤外線検知器51に到達する赤外線の量を検知する(S5)。
蒸発器15に着霜がないとき、ヒーター52から放射された赤外線は赤外線検知器51に到達する。そして、着霜量が比較的少ない時、フィン23の表面において反射されながら到達していた赤外線が、フィン23の表面に付着した霜によって吸収されるため、その分、赤外線検知器51に到達する赤外線は僅かに減少する。さらに、着霜が進むに従って、赤外線検知器51に到達する赤外線量が減少し、やがて、対向した一対のフィン23の表面に付着した霜が、互いに成長して連結すると、赤外線検知器51に直接照射されていた赤外線も吸収され、赤外線検知器51からの出力値は大幅に減少する。そこで、赤外線検知器51の出力の大きさを判定する(S6)。
すなわち、赤外線検知器51に入射する赤外線量(正確には出力の値)が許容値A(これについては別途詳細に説明する)を超えている場合、「着霜が発生していない」と判断し(S7)、再度、一定時間τが経過する毎に、前記操作を実行する(S3〜S6)。
一方、赤外線検知器51に入射する赤外線量が許容値A(これについては別途詳細に説明する)にまで、減少したところで、「着霜が発生した」と判断し(S8)、除霜運転を開始する。
すなわち、冷凍サイクルの運転を中止し、ヒーター52への通電を開始する(S9)。
そして、前記操作と同様に、赤外線検知器51に到達する赤外線の量を検知し(S10)、赤外線検知器51の出力の大きさを判定する(S11)。
このとき、赤外線検知器51の出力の値が許容値Aを超えている場合、「除霜が完了した」と判断し(S12)、冷凍サイクルの運転を再開し、ヒーター52への通電を中止する(S13)。さらに、再度、一定時間τが経過する毎に、前記操作を実行する(S1〜S6)。
一方、赤外線検知器51の出力が許容値Aよりも小さい場合、広い範囲に着霜があると判断して(S14)、ヒーター52への通電を継続する(S15)。なお、赤外線検知器51の出力が極端に小さい場合、着霜が広い範囲に及んでいると判断して、ヒーター52への通電量(電流値)を多くすることによって、急速加熱を図り、庫内温度の上昇を抑えることで省エネ運転を推進してもよい。
(除霜終了の検知動作)
次に、除霜運転について詳細に説明する。前記着霜発生が検知されると(S8)、制御装置(図示しない)は、冷凍サイクルの運転を中止して、ヒーター52の通電を開始する(S9)。ヒーター52の通電が開始され、その温度上昇によって波長1.0〜10μmの赤外線が放射される。
除霜を開始した初期は、ヒーター52より放射された赤外線は蒸発器15に付着した霜(フィン23同士に跨っている)に吸収されるため、赤外線検知器51に赤外線は到達しないから、出力は得られない。
そして、除霜が進み蒸発器15に付着した霜の融解が進むと、赤外線検知器51に到達する赤外線量が増加し、微小な出力が得られる。これは霜が融解したため、波長1.0〜10μmの赤外線が霜に吸収される確率が減少するためである。除霜がさらに進み、蒸発器15の霜が略完全に融解されると、赤外線検知器51の出力は許容値Aに到達する(S12)。
したがって、除霜を開始した後、所定の時間間隔τ毎に赤外線検知器51の出力を、許容値Aと比較し、許容値Aに到達した時点で、除霜終了と判断して、ヒーター52への通電を終了すると共に、冷凍サイクルの運転を再開する。
(許容値A)
上記動作で重要となる許容値Aの決定方法を、図6に基づいて説明する。
すなわち、蒸発器15が無着霜である時に、ヒーター52に通電を瞬間的に行って、赤外線を放射させ、一方、赤外線検知器51の出力を計測し、その値を許容値Aとする。
このとき、赤外線検知器51として受光ダイオードなどのセンサーを用いた場合、センサーの個体差により同一の赤外線入射があっても出力値は異なる。このような個体差により、許容値Aは各センサー(または冷蔵庫毎に)で決定する必要がある。
許容値Aの決定は、前記のように蒸発器15が無着霜の際に行う。この無着霜状態とは例えば冷蔵庫に電源が投入されるときなどがある。
ただし、センサーの経年劣化等を考慮すると、許容値Aの定期的な変更が望ましい。その際は、除霜終了時に定期的に校正を行うことで対処可能となる。
また停電や長期間電源を落とした際には、無着霜状態であるから、経年劣化等の判別が可能となる。その際は、電源印加時に蒸発器15近傍の庫内空気温度を計測し、霜の融解温度である0℃を下回る状況では、停電等の瞬間的な電源OFFと考えられるので、許容値Aの変更を行わないようにする。
このように冷却器200は、蒸発器15が赤外線検知器51を有し、ヒーター52から放射された赤外線を赤外線検知器51が検知して、赤外線検知器51の出力から蒸発器15の着霜状態および除霜状態の把握ができる。このため、除霜時間の最適化と確実な除霜終了が実施可能となる。
また、赤外線検知器51の出力が極めて少ない場合、蒸発器15の広い範囲に着霜があると判定し、ヒーター52への通電量を多くして、強力加熱をすることにより迅速除霜を図ることができる。一方、赤外線検知器51の出力が僅かに少ない場合、蒸発器15の狭い範囲に着霜があると判定し、ヒーター52への通電量を少なくして、弱い加熱をすることにより余計な入熱を抑えることができる。
なお、以上は、赤外線検知器51の出力の絶対値の大きさ(積分値)に基づいて、判断しているが、本発明はこれに限定するものではなく、赤外線検知器51の出力の変化量(微分値)に基づいて判断してもより、例えば、扉を開閉した直後等のように、急速に着霜が発生する場合には、赤外線検知器51の出力が急激に減少するから、ヒーター52への通電量を多くして、強力加熱をすることにより迅速除霜を図ることもできる。
なお、蒸発器15のより広い範囲の着霜状態および除霜状態を詳細に把握するには、1台乃至2台以上の赤外線検知器51を、蒸発器15に対して設置することが望ましい。以上の効果により、冷蔵庫100の省エネ性向上と庫内食品の品質向上をより確実にすることができる。
また、冷却時には赤外線検知器51自体の温度は、蒸発器15が吹き出す庫内空気の温度である「−20〜−30℃」近くにまで低下し、除霜時にはヒーター52からの照射される赤外線によって「0〜10℃」近くにまで上昇する。このような温度変化による出力変化も事前にマイコン等に記憶させておくことで、正確な除霜終了判定が可能となる。
さらに、例えば、赤外線検知器51から得られた出力と許容値Aとの、大小を比較するのに替えて、前記出力と許容値Aとの割合を判別することで、その割合に応じて蒸発器への着霜量を推測し、ヒーター52への入力を調節することで、除霜運転の最適化を図り、省エネに繋げてもよい。
また、上記の着霜状態の違いは出力値(積分値)だけでなく出力の時間変化(微分値)からも判定が可能となる。例えば、扉を開閉した直後等のように、急速に着霜が発生する場合等、特定の赤外線検知器51の出力が急激に減少すれば、赤外線検知器51に対応した、上下および左右のヒーター管への通電量を多くして、当該範囲に限って強力加熱をすることにより、余計な入熱を防止しながら迅速除霜を図る。
また、例えば、あらかじめ着霜量と赤外線検知器51の出力の相関をマイコン等に記憶しておくことで除霜直前に蒸発器15の着霜量が把握でき、ヒーター入力の調節を行うことが出来る。
[実施の形態3]
図7は本発明の実施の形態3に係る冷蔵庫の冷却器の構成を説明する斜視図である。なお、実施の形態2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図7において、冷却器300は、蒸発器15と、蒸発器15の下方に配置されたヒーター52と、ヘッダーと呼ばれる蒸発器15の上部73に設置された赤外線検知器51と、を有している。
蒸発器15には通常、着霜は風上部25aに多い。ただし、蒸発器15の背面や前面に設けたバイパス風路部への風流れが多いときなどには、例えば、蒸発器15の側管部72やヘッダーと呼ばれる蒸発器15の上部73に着霜が発生することもある。これら予期せぬ位置への着霜が生じた際にも、残霜なく除霜する必要がある。
すなわち、冷却器300は、上部73に設置された赤外線検知器51の出力によって、庫内11の冷却中または除霜運転前に、上部73における着霜の発生を検知することができるから、除霜運転の信頼性向上につながる。
[実施の形態4]
図8は本発明の実施の形態4に係る冷蔵庫の冷却器の構成を説明する正面図である。なお、実施の形態2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図8に示す冷却器400は、フィン23および伝熱管24を具備する蒸発器15と、蒸発器15の下方に配置されたヒーター52と、蒸発器15の下部(風上部25aに同じ)を主に加熱する下部ヒーター管83と、蒸発器15の下部(風上部25aに同じ)よりも上の範囲を主に加熱する上部ヒーター管82と、蒸発器15の上方に配置された赤外線検知器51と、を有している。このとき、上部ヒーター管82と下部ヒーター管83とは、分離され、それぞれ別々に通電される。
したがって、前記のように赤外線検知器51の出力が極めて少ない場合には、赤外線通過路の広い範囲で着霜が生じているから、ヒーター52と共に、上部ヒーター管82および下部ヒーター管83に通電し、広い範囲に付着した霜を迅速に除くことができる。
一方、前記のように赤外線検知器51の出力が僅かに減少した場合には、赤外線通過路の風上部25aの狭い範囲で着霜が生じているから、ヒーター52および下部ヒーター管83に通電し、狭い範囲に付着した霜を迅速に除くことができる。
よって、着霜状況に応じた除霜ができるから、消費電力の低減が可能となる。
また、霜密度と霜の熱伝導率との相関について、以下の文献ように報告されている。すなわち、密度が高い霜は熱伝導率も高くなる。熱伝導率の高い霜に対しては、上部ヒーター管82や下部ヒーター管83を蒸発器15に直接設置して除霜を行うことで、蒸発器15の下部に設置されたヒーター52による対流と輻射による除霜に対して有効となる。
蒸発器15の着霜状況だけでなく着霜量が把握できると、除霜に必要な熱量が着霜量と融解潜熱(例えば氷の融解潜熱は334J/g)から把握できる。着霜量の大小により蒸発器15の下部のヒーター52、上部ヒーター管82や下部ヒーター管83に流す通電量を調節することで除霜時の消費電力の低減が可能となる。このことから除霜運転前に蒸発器の着霜量を把握することは冷蔵庫の省エネにつながる。
Yonko, J. D., Sepsy, C. F., "An investigation of the thermal conductivity of frost while forming on a flat horizontal plate," 1967, ASHRAE Transactions, vol. 73(2), pp. I.1.1−I.1.11
[実施の形態5]
図9は本発明の実施の形態5に係る冷蔵庫の冷却器の構成を説明する斜視図である。なお、実施の形態2と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図9に示す冷却器500は、実施の形態4に示す冷却器400において赤外線検知器51を複数台の赤外線検知器51a、51b、51c、51dにして、蒸発器15の上方に左右方向に所定の間隔を空けて配置したものである。
したがって、左側に配置された赤外線検知器51a、51bの出力が、右側に配置された赤外線検知器51c、51dの出力より高いとき、蒸発器15の右側部103の方に着霜量が多いことになる。これはヒーター52から放射された赤外線は右側部103では霜に吸収され易いためである。このことから左右方向に配置された赤外線検知器51a、51b、51c、51dのそれぞれの出力を比較することによって、着霜箇所の判別が可能となる。
なお、以上は、下部ヒーター管83と上部ヒーター管82とを有するものであるが、下部ヒーター管83および上部ヒーター管82を、それぞれ左右方向で分割し、それぞれ別々に通電自在にしてもよい。
例えば、右側に配置された赤外線検知器51c、51dの出力が極めて少ない場合、蒸発器15の右側の下部(風上部25a)から上部(風下部25b)にかけた広い範囲に着霜があると判定し、ヒーター52と共に、右側の下部ヒーターと右側の上部ヒーターとに通電する。一方、右側に配置された赤外線検知器51c、51dの出力が僅かに少ない場合、蒸発器15の右側の下部(風上部25a)の狭い範囲に着霜があると判定し、ヒーター52および右側の下部ヒーターのみに通電する。
そうすると、着霜状況をより狭い範囲毎に判断し、当該範囲に対して除霜することができるから、除霜が迅速であるだけでなく、余計な入熱が防止され、省エネ除霜がより促進される。
なお、赤外線検知器51a、51b、51c、51dは、図9に示すように風流れの中にあって、風流れに晒されるため、なるべく風流れの阻害にならないように設置することが望ましい。また、赤外線検知器の数量は、4台に限定するものではない。
また、上記の着霜状態の違いは出力値(積分値)だけでなく出力の時間変化(微分値)からも判定が可能となる。例えば、扉を開閉した直後等のように、急速に着霜が発生する場合等、特定の赤外線検知器51の出力が急激に減少すれば、赤外線検知器51に対応した、上下および左右のヒーター管への通電量を多くして、当該範囲に限って強力加熱をすることにより、余計な入熱を防止しながら迅速除霜を図る。
[実施の形態6]
図10は本発明の実施の形態6に係る冷蔵庫の冷却器の構成を説明する、(a)は側面図、(b)および(c)はヒーター管の配置を模式的に示す斜視図である。なお、実施の形態5と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図10に示す冷却器600は、実施の形態4に示す冷却器400において赤外線検知器51を複数台の赤外線検知器51e、51f、51gにして、蒸発器15の側面に上下方向に所定の間隔を空けて配置したものである。
したがって、例えば、下方に配置した赤外線検知器51eの出力が、上側に配置された赤外線検知器51f、51gの出力より小さいとき、蒸発器15の下方(風上部25aに相当する)に着霜量が多いことになる。また、赤外線検知器51e、51f、51gの全てにおいて出力が小さいとき、蒸発器15の全域において、着霜量が多いことになる。すなわち、上下方向に配置された赤外線検知器51e、51f、51gのそれぞれの出力を比較することによって、着霜箇所(上下方向)の判別が可能となる。
このとき、図10の(b)に示すように、下部ヒーター管83と上部ヒーター管82とに対し別々に通電可能にしておけば、前記着霜箇所(上下方向)の判別結果に基づいて、下部ヒーター管83または上部ヒーター管82の一方または両方に通電することができる。そうすると、着霜状況をより狭い範囲毎に判断し、当該範囲に対して除霜することができるから、除霜が迅速であるだけでなく、余計な入熱が防止され、省エネ除霜がより促進される。
さらに、実施の形態5に準じて、赤外線検知器51e、51f、51gを左右方向に複数配置し、さらに、図10の(c)に示すように、下部ヒーター管83と上部ヒーター管82とを、それぞれ左右方向で分割し、下部左側ヒーター管83Lおよび下部右側ヒーター管83R、と上部左側ヒーター管82Lおよび上部右側ヒーター管82Rとにしてもよい。
そうすると、上下方向および左右方向に配置された赤外線検知器51e等の出力(積分値または微分値)を比較することによって、着霜位置または着霜の激しい範囲を特定し、該範囲に対応する下部左側ヒーター管83L等の何れかに通電することができる。
したがって、限られた範囲を加熱するだけであるから、余計な入熱が抑えられ、より省エネ除霜運転が可能になる。なお、赤外線検知器の数量や配置形態は限定するものではなく、また、下部ヒーター管83の分割形態等も限定するものではない。
また、上記の着霜状態の違いは出力値(積分値)だけでなく出力の時間変化(微分値)からも判定が可能となる。例えば、扉を開閉した直後等のように、急速に着霜が発生する場合等、特定の赤外線検知器51の出力が急激に減少すれば、赤外線検知器51に対応した、下部左側ヒーター管83L等の何れかにへの通電量を多くして、当該範囲に限って強力加熱をすることにより、余計な入熱を防止しながら迅速除霜を図る。
また、例えば、あらかじめ着霜量と赤外線検知器51の出力の相関をマイコン等に記憶しておくことで除霜直前に蒸発器15の着霜量が把握でき、ヒーター入力の調節を行うことが出来る。
以上説明したように、本実施の形態では、蒸発器15に設置した赤外線検知器の出力等により、冷却運転中の蒸発器15の着霜状況を把握し、その状況により例えばヒーター通電方法を変化させることで除霜時の入力が低減できる。そのため、不必要なエネルギーの消費を抑え、省エネルギー性能の高い冷蔵庫を得ることができる。
なお、以上の実施の形態1及び2では赤外線検知器51を蒸発器の上部に設置して説明してきたが、蒸発器15の除霜後の水蒸気により受光面が曇る、または赤外線透過路にごみや何らかの赤外線吸収体が挟まる可能性がある。そのため、赤外線検知器51の配置は例えば蒸発器15の背面や前面(実施の形態6参照)にしても上記効果は十分に得られる。また本発明では赤外線を発するヒーター52が蒸発器の下部に設置されているため、赤外線発光部の曇りの発生はない。
なお、以上、実施の形態2〜6に説明した冷却器200〜600は、実施の形態1に説明した冷蔵庫100に設置されるものとしているが、本発明はこれに限定するものではなく、冷凍サイクルを実行する冷凍サイクル装置を構成する蒸発器を備えるものであれば、冷凍機やユニットクーラーなどに、本発明の冷却器200〜600を設置することができる。
本発明の冷却器は、蒸発器の比較的広い範囲に付着した霜を検知することができ、余計な入熱を抑えて除霜するから、省エネ性を高めるため、冷蔵庫や冷凍機等の冷凍サイクル装置を有する事業用および家庭用の各種機器に広く利用することができる。
11:庫内、12:扉部、13:断熱壁、14:圧縮機、15:蒸発器、15a:入口部、15b:出口部、16:循環ファン、23:フィン、24:伝熱管、25a:風上部、25b:風下部、26:庫内空気、51:赤外線検知器、52:ヒーター、72:側管部、73:上部、82:上部ヒーター管、83:下部ヒーター管、100:冷蔵庫(実施の形態1)、103:右側部、200:冷却器(実施の形態2)、300:冷却器(実施の形態3)、400:冷却器(実施の形態4)、500:冷却器(実施の形態5)、600:冷却器(実施の形態6)、A:許容値。

Claims (7)

  1. 被冷蔵物または被冷凍物の一方または両方を収納する筐体と、冷凍サイクルを実行する冷凍サイクル装置と、該冷凍サイクル装置を構成し、前記筐体内の空気を冷却する冷却器と、前記筐体に形成された開口部を開閉する扉と、を有し、
    前記冷却器が、冷媒が通過する伝熱管と、該伝熱管に設置された複数枚のフィンと、該複数枚のフィンの一部または全部に向けて赤外線を放射するヒーターと、該ヒーターから放射された赤外線のうち、前記複数枚のフィンのうち所定のフィンの間を通過した赤外線を検知する赤外線検知器と、該赤外線検知器の検知結果に基づいて、前記ヒーターの入力を制御する制御装置と、を有し、
    前記赤外線検知器は、前記扉の開閉後または前記扉の開閉中に前記ヒーターから放射された赤外線を検知し、
    前記制御装置は、前記赤外線を検知した前記赤外線検知器の出力の絶対値または変化量に応じて、前記フィンまたは前記伝熱管に付着した霜の状態を判断することを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記ヒーターが、1.0〜10μmの波長の範囲に含まれる1乃至2以上の波長の赤外線を放射することを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
  3. 前記複数枚のフィンの前記ヒーターに近い側からフィン間に流入した空気が、前記赤外線検知器に近い側に向かって流れることを特徴とする請求項1または2記載の冷蔵庫。
  4. 前記赤外線検知器が複数台であって、
    該複数台の赤外線検知器と前記ヒーターとの間に前記複数枚のフィンが配置され、
    前記複数枚のフィンが前記ヒーターに対して略垂直であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の冷蔵庫。
  5. 前記制御装置は、前記赤外線検知器の出力が所定の許容値以下の場合、着霜ありと判断して、前記ヒーターへの通電を開始し、前記赤外線検知器の出力が所定の許容値超えの場合、着霜なしと判断して、前記ヒーターへの通電を停止することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の冷蔵庫。
  6. 前記複数枚のフィンの前記ヒーターに近い範囲を主に加熱するヒーター側ヒーター管と、前記複数枚のフィンの前記赤外線検知器に近い範囲を主に加熱する検知器側ヒーター管と、が配置され、
    前記制御装置は、前記ヒーターから放射された赤外線を検知した前記赤外線検知器の出力の絶対値または変化量に応じて、前記ヒーター側ヒーター管または前記検知器側ヒーター管の一方または両方に、通電を開始または停止することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の冷蔵庫。
  7. 前記赤外線検知器が、前記伝熱管の一方の端部に近い位置に相当する位置から他方の端部に近い位置に相当する位置にかけて複数台配置され、
    前記複数枚のフィンの前記ヒーターに近い範囲で前記伝熱管の一方の端部寄りの範囲を主に加熱するヒーター側一方ヒーター管と、
    前記複数枚のフィンの前記ヒーターに近い範囲で前記伝熱管の他方の端部寄りの範囲を主に加熱するヒーター側他方ヒーター管と、
    前記複数枚のフィンの前記赤外線検知器に近い範囲で前記伝熱管の一方の端部寄りの範囲を主に加熱する検知器側一方ヒーター管と、
    前記複数枚のフィンの前記赤外線検知器に近い範囲で前記伝熱管の他方の端部寄りの範囲を主に加熱する検知器側他方ヒーター管と、が配置され、
    前記制御装置は、前記ヒーターから放射された赤外線を検知した前記複数台の赤外線検知器のそれぞれの出力の絶対値または変化量に応じて、前記ヒーター側一方ヒーター管、前記ヒーター側他方ヒーター管、前記検知器側一方ヒーター管あるいは前記検知器側他方ヒーター管の少なくとも1台以上に、通電を開始または停止することを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の冷蔵庫。
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