以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
《発明の実施形態1》
実施形態1の熱交換器(30)は、空気調和機(1)の室外熱交換器(13)を構成している。以下、本実施形態の熱交換器(30)を備えた空気調和機(1)について、図1、2を参照しながら説明する。
−空気調和機の構成−
図1に示すように、本実施形態の空気調和機(1)は、室外ユニット(2)及び室内ユニット(3)を備えている。空気調和機(1)では、室外ユニット(2)と室内ユニット(3)とを配管で接続することによって冷媒回路(10)が形成されている。
冷媒回路(10)には、圧縮機(11)と、四方切換弁(12)と、室外熱交換器(13)と、膨張弁(14)と、室内熱交換器(15)とが設けられている。圧縮機(11)、四方切換弁(12)、室外熱交換器(13)及び膨張弁(14)は、室外ユニット(2)に収容されている。室内熱交換器(15)は、室内ユニット(3)に収容されている。また、図示しないが、室外ユニット(2)には室外熱交換器(13)へ室外空気を供給するための室外ファンが設けられ、室内ユニット(3)には室内熱交換器(15)へ室内空気を供給するための室内ファンが設けられている。
上記圧縮機(11)は、その吐出管が四方切換弁(12)の第1ポートに、その吸入管が四方切換弁(12)の第2ポートに、それぞれ配管を介して接続されている。
上記四方切換弁(12)は、4つのポートを備えており、第1ポートが第3ポートと連通し且つ第2ポートが第4ポートと連通する第1状態(図1に示す状態)と、第1ポートが第4ポートと連通し且つ第2ポート第3ポートと連通がする第2状態(図2に示す状態)とに切り換わる。
また、冷媒回路(10)では、四方切換弁(12)の第3ポートから第4のポートへ向かって順に、室外熱交換器(13)と、膨張弁(14)と、室内熱交換器(15)とが配置されている。具体的には、四方切換弁(12)の第3ポートと室外熱交換器(13)のガス側端部とが第1ガス側配管(21)によって接続されている。また、室外熱交換器(13)の液側端部と室内熱交換器(15)の液側端部とが液側配管(23)によって接続され、液側配管(23)の中途部には膨張弁(14)が接続されている。さらに、室内熱交換器(15)のガス側端部と四方切換弁(12)の第4ポートとが第2ガス側配管(22)によって接続されている。
室外熱交換器(13)は、室外空気を冷媒と熱交換させる。室外熱交換器(13)は、本実施形態の熱交換器(30)によって構成されている。一方、室内熱交換器(15)は、室内空気を冷媒と熱交換させる。室内熱交換器(15)は、円管である伝熱管を備えた所謂クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成されている。
−冷房運転−
空気調和機(1)は、冷房運転を行う。冷房運転中には、四方切換弁(12)が第1状態に設定される(図1参照)。また、冷房運転中には、図示しない室外ファン及び室内ファンが運転される。
冷媒回路(10)では、冷凍サイクルが行われる。具体的には、圧縮機(11)から吐出された冷媒は、四方切換弁(12)を通って室外熱交換器(13)に流入し、室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(13)から流出した冷媒は、膨張弁(14)を通過する際に膨張し、室内熱交換器(15)に流入する。室内熱交換器(15)において冷媒は室内空気から吸熱して蒸発する。室内熱交換器(15)から流出した冷媒は、四方切換弁(12)を通過後に圧縮機(11)に吸入されて圧縮される。室内ユニット(3)は、室内熱交換器(15)において冷却された空気を室内へ供給する。
−暖房運転−
空気調和機(1)は、暖房運転を行う。暖房運転中には、四方切換弁(12)が第2状態に設定される(図2参照)。また、暖房運転中には、図示しない室外ファン及び室内ファンが運転される。
冷媒回路(10)では、冷凍サイクルが行われる。具体的には、圧縮機(11)から吐出された冷媒は、四方切換弁(12)を通って室内熱交換器(15)に流入し、室内空気と熱交換して凝縮する。室内熱交換器(15)から流出した冷媒は、膨張弁(14)を通過する際に膨張し、室外熱交換器(13)に流入する。室外熱交換器(13)において冷媒は室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(13)から流出した冷媒は、四方切換弁(12)を通過後に圧縮機(11)に吸入されて圧縮される。室内ユニット(3)は、室内熱交換器(15)において加熱された空気を室内へ供給する。
−熱交換器の構成−
上記空気調和機(1)の室外熱交換器(13)を構成する本実施形態の熱交換器(30)について、図3〜8を参照しながら説明する。
上記熱交換器(30)は、1つの第1ヘッダ集合管(31)と、1つの第2ヘッダ集合管(32)と、多数の扁平管(33)と、多数のフィン(36)とを備えている。第1ヘッダ集合管(31)、第2ヘッダ集合管(32)、扁平管(33)及びフィン(36)は、いずれもアルミニウム合金製の部材であって、互いにロウ付けによって接合されている。
図4に示すように、第1ヘッダ集合管(31)と第2ヘッダ集合管(32)は、いずれも縦長の円筒状に形成され、一方が熱交換器(30)の左端に、他方が熱交換器(30)の右端にそれぞれ配置されている。
また、第1ヘッダ集合管(31)には、円板状の仕切板(35)が設けられている。第1ヘッダ集合管(31)の内部空間(S1)は、仕切板(35)によって上下に並ぶ2つの空間、即ち上側空間(S1a)と下側空間(S1b)とに仕切られている。一方、第2ヘッダ集合管(32)の内部空間(S2)は単一の空間に構成されている。
図1及び図2に示すように、第1ヘッダ集合管(31)には、上端部に上記第1ガス側配管(21)が接続され、下端部に上記液側配管(23)が接続されている。つまり、上記熱交換器(30)では、第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S1a)に上記第1ガス側配管(21)が連通し、第1ヘッダ集合管(31)の下側空間(S1b)に上記液側配管(23)が連通している。
図4に示すように、上記熱交換器(30)の複数の扁平管(33)は、異なる温度の流体が流れる主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)とに区分されている。具体的には、仕切板(35)よりも上側の部分が主熱交換部(41)を構成し、仕切板(35)よりも下側の部分が補助熱交換部(42)を構成している。なお、以下では、複数の扁平管(33)のうち、主熱交換部(41)の扁平管(33)を主扁平管(33a)と称し、補助熱交換部(42)の扁平管(33)を補助扁平管(33b)と称する。
図5に示すように、上記扁平管(33)は、扁平な断面形状の伝熱管であって、それぞれの平坦な側面が対向する状態で上下に並んで配置されている。各扁平管(33)には、複数の流体通路(34)が形成されている。各流体通路(34)は、扁平管(33)の伸長方向に延びる通路である。各扁平管(33)において、複数の流体通路(34)は、扁平管(33)の伸長方向と直交する幅方向に一列に並んでいる。複数の主扁平管(33a)に形成された流体通路(34)は、それぞれの一端が第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S1a)に連通し、それぞれの他端が第2ヘッダ集合管(32)の内部空間(S2)に連通している。また、複数の補助扁平管(33b)に形成された流体通路(34)は、それぞれの一端が第1ヘッダ集合管(31)の下側空間(S1b)に連通し、それぞれの他端が第2ヘッダ集合管(32)の内部空間(S2)に連通している。熱交換器(30)に供給された冷媒は、主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)の流体通路(34)を流れる間に空気と熱交換する。
上記フィン(36)は、扁平管(33)の配列方向に延びる板状フィンであって、扁平管(33)の伸長方向に互いに一定の間隔をおいて配置されている。つまり、フィン(36)は、扁平管(33)の伸長方向と実質的に直交するように配置されている。
図5に示すように、フィン(36)は、金属板をプレス加工することによって形成された縦長の板状フィンである。フィン(36)には、フィン(36)の前縁からフィン(36)の幅方向に延びる細長い細長い切欠部(45)が、扁平管(33)に対応して多数形成されている。この多数の切欠部(45)は、フィン(36)の長手方向(上下方向)に一定の間隔で形成されている。切欠部(45)は、扁平管(33)が差し込まれるように形成され、切欠部(45)の風下寄りの部分は、扁平管(33)の管挿入部(46)に構成されている。管挿入部(46)は、上下方向の幅が扁平管(33)の厚さと実質的に等しく、長さが扁平管(33)の幅と実質的に等しく形成されている。
上記フィン(36)は、複数の板状片部(36a)と、該複数の板状片部(36a)を連結する連結部(36b)とを有している。各板状片部(36a)は、相隣る切欠部(45)の間に形成されている。一方、連結部(36b)は、切欠部(45)よりも風下側において複数の板状片部(36a)を連結している。つまり、フィン(36)には、相隣る扁平管(33)の間に形成された複数の板状片部(36a)と、各板状片部(36a)の風下側の端部に連続する1つの連結部(36b)とが設けられている。
また、上記フィン(36)の上記管挿入部(46)の縁部は、カラーが形成されて扁平管(33)を取り付ける取付部に構成されている。上記扁平管(33)は、管挿入部(46)に差し込まれて取付部にロウ付けによって接合されることによってフィン(36)に取り付けられる。
図6に示すように、上記フィン(36)には、複数のルーバー(50)が形成されている。各ルーバー(50)は、図7及び図8に示すように、板状片部(36a)と連結部(36b)との一部を切り起こすことによって形成されている。つまり、各ルーバー(50)は、板状片部(36a)と連結部(36b)とに複数のスリット状の切り込みを入れ、相隣る切り込みの間の部分を捩るように塑性変形させることによって形成されている。
上記ルーバー(50)は、長手方向が板状片部(36a)の前縁(37)と実質的に平行となるように形成されている。つまり、上記各ルーバー(50)の長手方向は、上下方向となっている。そして、複数のルーバー(50)は、風上側から風下側へ向かって並んで形成されている。
上記連結部(36b)には、導水用リブ(49)が形成されている。該導水用リブ(49)は、連結部(36b)の風下側の端部に沿って上下に延びる細長い凹溝であって、連結部(36b)の上端から下端に亘って形成されている。
上記各板状片部(36a)には、相隣るフィン(36)の間隔を保持するためのスペーサ(48)が形成されている。該スペーサ(48)は、図7に示すように、板状片部(36a)の一部を折り曲げて形成され、具体的には、板状片部(36a)の一部を切り起こして形成されている。各スペーサ(48)は、その突端が相隣る板状片部(36a)に当接して相隣る板状片部(36a)の間を所定の間隔に保持している。
このように構成されたフィン(36)により、図4に示すように、熱交換器(30)では、上下に相隣る扁平管(33)の間の空間が、複数の通風路(44)に区画される。熱交換器(30)は、主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)の流体通路(34)を流れる冷媒を、通風路(44)を流れる空気と熱交換させる。
また、上記熱交換器(30)では、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)とは、それぞれの扁平管(主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b))の一端が第2ヘッダ集合管(32)によって接続されて連通し、1つの折返し流路(40)を構成している。
以上の構成により、上記熱交換器(30)では、主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)とには、異なる温度の流体が流れることとなる。
具体的には、上記熱交換器(30)が凝縮器として機能する冷房運転時(図1参照)には、圧縮機(11)の吐出冷媒は、第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S1a)に流入し、該上側空間(S1a)に連通する複数の主扁平管(33a)に分流される。各主扁平管(33a)に流入した冷媒は、該各主扁平管(33a)を通過する際に室外空気に放熱して凝縮する。各主扁平管(33a)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)に流入して合流した後、複数の補助扁平管(33b)に分流され、該各補助扁平管(33b)を通過する際にさらに室外空気に放熱して過冷却状態となる。過冷却状態となった冷媒は、第1ヘッダ集合管(31)の下側空間(S1b)を介して液側配管(23)に流出する。このようにして、冷房運転時には、主熱交換部(41)において凝縮した冷媒が補助熱交換部(42)において過冷却状態となることによって、補助扁平管(33b)を流れる冷媒の温度が主扁平管(33a)を流れる冷媒の温度よりも低くなる。
一方、上記熱交換器(30)が蒸発器として機能する暖房運転時(図2参照)には、圧縮機(11)の吐出冷媒は、第1ヘッダ集合管(31)の下側空間(S1b)に流入し、該下側空間(S1b)に連通する複数の補助扁平管(33b)に分流される。各補助扁平管(33b)に流入した冷媒は、該各補助扁平管(33b)を通過する際に室外空気から吸熱して蒸発する。各補助扁平管(33b)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)に流入して合流した後、複数の主扁平管(33a)に分流され、該各主扁平管(33a)を通過する際にさらに室外空気から吸熱して過熱状態となる。過熱状態となった冷媒は、第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S1a)を介して第1ガス側配管(21)に流出する。このようにして、暖房運転時には、補助熱交換部(42)において蒸発した冷媒が主熱交換部(41)において過熱状態となることによって、主扁平管(33a)を流れる冷媒の温度が補助扁平管(33b)を流れる冷媒の温度よりも高くなる。
−扁平管とフィンの接合−
本実施形態では、図9に示すように、扁平管(33)が各フィン(36)の管挿入部(46)に挿入された状態で、扁平管(33)とフィン(36)の各板状片部(36a)とがロウ付けによって接合される。
具体的には、線材のロウ材が用意され、該ロウ材が扁平管(33)と各フィン(36)の各板状片部(36a)との境界上に配置されてロウ付けが行われる。このロウ付けでは、溶融したロウ材が扁平管(33)と各フィン(36)の各板状片部(36a)との間を次第に流下することによって、扁平管(33)の側面と各フィン(36)の各板状片部(36a)とが接合される。
ここで、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間、即ち、相隣る主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)との間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)は、両扁平管(33a,33b)に対向する両端のうちの下端のみが対向する補助扁平管(33b)に接合され、上端が対向する主扁平管(33a)に接合されない非接合フィン部(39)に構成されている。一方、主熱交換部(41)における相隣る主扁平管(33a)の間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)は、両扁平管(33a)に対向する両端(上端及び下端)が両扁平管(33a)の双方にロウ付けによって接合される接合フィン部(38)に構成されている。また同様に、補助熱交換部(42)における相隣る補助扁平管(33b)の間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)は、両扁平管(33b)に対向する両端(上端及び下端)が両扁平管(33b)の双方にロウ付けによって接合される接合フィン部(38)に構成されている。
上記構成は、以下のようにしてロウ付けを行うことによって形成される。まず、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間、即ち、相隣る主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)との間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)を除く全ての板状片部(36a)とその両側の扁平管(33)との間、及び、相隣る主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)との間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)と下側の補助扁平管(33b)との間にロウ材を配置してロウ付けを行う。言い換えると、フィン(36)の板状片部(36a)と扁平管(33)との間のうち、相隣る主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)との間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)と上側の主扁平管(33a)との間にのみロウ材を配置しない状態でロウ付けを行う。これにより、相隣る主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)との間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)が非接合フィン部(39)に構成され、それ以外の板状片部(36a)が接合フィン部(38)に構成されることとなる。
ここで、上述のように、熱交換器(30)は、主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)とに異なる温度の流体が流れるように構成されている。そのため、相隣る主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)とのそれぞれの管内部を流れる流体が両扁平管(33a,33b)に接触するフィン(36)を介して熱交換して、熱交換器(30)の性能を低下させてしまうおそれがある。
しかしながら、本実施形態1では、上述したように、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)の間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)が、両扁平管(33a,33b)のうちの下側の補助扁平管(33b)にロウ付けによって接合される一方、上側の主扁平管(33a)にはロウ付けによって接合されない非接合フィン部(39)に構成されている。非接合フィン部(39)の扁平管(33)が接合されていない非接合端部では、対向する扁平管(33)との間における接触熱抵抗が扁平管(33)が接合された接合端部に比べて各段に大きくなる。そのため、非接合フィン部(39)には、非接合端部に対向する扁平管(33)の内部の流体の熱が伝達され難くなり、非接合フィン部(39)の両側の扁平管(33)の内部を流れる流体どうしの熱交換が抑制される。つまり、本実施形態1では、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)の内部を流れる流体どうしの熱交換が抑制される。
−実施形態1の効果−
以上のように、本実施形態1の熱交換器(30)では、相隣る扁平管(33)の間に位置して両扁平管(33)に対向する両端のうちの少なくとも一端が対向する扁平管(33)に接合されない非接合フィン部(39)を温度の異なる流体が流れる主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間に設けることとした。つまり、異なる温度の流体が流れて相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)の間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)を、下端が下側の補助扁平管(33b)に接合される一方、上端が上側の主扁平管(33a)に接合されない非接合フィン部(39)に構成することとした。該非接合フィン部(39)の扁平管(33)が接合されない非接合端部(上端部)では、対向する扁平管(33)との間における接触熱抵抗が扁平管(33)が接合された接合端部(下端部)に比べて各段に大きくなる。そのため、非接合フィン部(39)には、非接合端部の扁平管(33)の内部の流体の熱が伝達され難くなり、非接合フィン部(39)の両側の扁平管(33)の内部を流れる流体どうしの熱交換が抑制される。つまり、上述のように構成することにより、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)を流れる流体どうしがフィン(36)を介して熱交換することを抑制することができる。従って、熱交換器(30)の性能低下を抑制することができる。
また、本実施形態1の熱交換器(30)では、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)の間の全域に非接合フィン部(39)を設ける、即ち、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)の間に設けられた板状片部(36a)の全てを上記非接合フィン部(39)に構成することとした。従って、相隣る主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)とを流れる流体どうしの熱交換を容易に且つ確実に抑制することができる。
−実施形態1の変形例−
上記実施形態1では、図10に示すように、主熱交換部(41)の主扁平管(33a)と補助熱交換部(42)の補助扁平管(33b)の一端が連通して構成される折返し流路(40)の流体の出入口領域(A1)のみに非接合フィン部(39)を設けたものである。
上記折返し流路(40)の流体の出入口領域(A1)とは、流体の出入口となる主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)の一端から該両扁平管(33a,33b)の長手方向に延びる領域であり、図10では、両扁平管(33a,33b)の全長の3分の1程度の長さの領域に設定されている。なお、出入口領域(A1)は、流体の出入口となる主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)の一端を含むように設定された領域であればよく、両扁平管(33a,33b)の全長の4分の1程度の長さの領域であってもよく、また、両扁平管(33a,33b)の全長の半分程度の長さの領域であってもよい。
上述したように、本変形例では、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間において、両熱交換部(41,42)が構成する折返し流路(40)の流体の出入口領域(A1)のみに非接合フィン部(39)を設けている。つまり、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間において、両熱交換部(41,42)が構成する折返し流路(40)の流体の出入口領域(A1)以外の中間領域(A2)には、両扁平管(33a,33b)に対向する両端(上端及び下端)が両扁平管(33a,33b)の双方にロウ付けによって接合される接合フィン部(38)が設けられている。
上記構成は、以下のようにしてロウ付けを行うことによって形成される。つまり、図10において、下から4番目の主扁平管(33a)の上面側には長手方向の全域に亘ってロウ材を配置する一方、下から4番目の主扁平管(33a)の下面側には上記出入口領域(A1)を除く領域(中間領域(A2))にのみロウ材を配置した状態で、言い換えると上記出入口領域(A1)にロウ材を配置しない状態で、各扁平管(33)と各フィン(36)とをロウ付けする。これにより、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間において、両熱交換部(41,42)が構成する折返し流路(40)の流体の出入口領域(A1)のみに非接合フィン部(39)が設けられることとなる。
ところで、上述のような主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間であって両熱交換部(41,42)が構成する折返し流路(40)の流体の出入口領域(A1)では、熱交換器(30)が凝縮器として機能する場合であっても蒸発器として機能する場合であっても、相隣る主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)との間における流体の温度差が他の領域に比べて大きくなる。具体的には、例えば、熱交換器(30)が凝縮器として機能する場合には、入口においてガス状態である冷媒が折返し流路(40)を流通するうちに室外空気に放熱して凝縮し、さらに室外空気に放熱することによって過冷却状態となって出口から流出する。つまり、熱交換器(30)が凝縮器として機能する場合、折返し流路(40)では、出口に近づく程冷媒の温度が低くなる。一方、例えば、熱交換器(30)が蒸発器として機能する場合には、入口において気液二相状態である冷媒が折返し流路(40)を流通するうちに室外空気から吸熱して蒸発し、さらに室外空気から吸熱することによって過熱状態となって出口から流出する。つまり、熱交換器(30)が蒸発器として機能する場合、折返し流路(40)では、出口に近づく程流体の温度が高くなる。
そのため、上述のように主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間であって両熱交換部(41,42)が構成する折返し流路(40)の流体の出入口領域(A1)に非接合フィン部(39)を設けることにより、主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)との間における流体の温度差が比較的大きい領域における一方の扁平管(33)からフィン(36)への熱伝達を抑制することができる。従って、実施形態1の変形例によっても、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)の流体間の熱交換を効果的に抑制することができる。
《発明の実施形態2》
図11及び図12に示すように、実施形態2は、実施形態1の熱交換器(30)の構成を変更したものである。
実施形態2では、熱交換器(30)は、3つの熱交換部(51,52,53)を有している。具体的には、熱交換器(30)は、上下に並ぶ第1熱交換部(51)と第2熱交換部(52)と第3熱交換部(53)とを有している。
図12に示すように、実施形態2では、第1ヘッダ集合管(31)と第2ヘッダ集合管(32)とには、それぞれ円板状の区画板(54)が2つずつ設けられている。第1ヘッダ集合管(31)及び第2ヘッダ集合管(32)の対応する区画板(54)は、等しい高さ位置に設けられている。第1ヘッダ集合管(31)と第2ヘッダ集合管(32)の内部空間は、それぞれ2つの区画板(54)によって上下に並ぶ3つの連通空間(S11,S12,S13)(S21,S22,S23)に区切られている。
上記熱交換器(30)では、第1ヘッダ集合管(31)及び第2ヘッダ集合管(32)の下側の区画板(54)よりも下方の部分が上記第1熱交換部(51)を構成し、下側の区画板(54)と上側の区画板(54)との間の部分が上記第2熱交換部(52)を構成し、上側の区画板(54)よりも上方の部分が上記第3熱交換部(53)を構成している。
また、上記第1ヘッダ集合管(31)の3つの連通空間(S11,S12,S13)には、それぞれ円板状の仕切板(35)が1つずつ設けられ、該仕切板(35)によって、各連通空間(S11,S12,S13)は、上記仕切板(35)の上方の上側空間(S11a,S12a,S13a)と下方の下側空間(S11b,S12b,S13b)とに仕切られている。一方、第2ヘッダ集合管(32)の上下に並ぶ3つの内部空間(S21,S22,S23)は、それぞれ単一の空間に構成されている。
上記3つの熱交換部(51,52,53)では、該各熱交換部(51,52,53)の複数の扁平管(33)が、異なる温度の流体が流れる主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)とに区分されている。具体的には、各熱交換部(51,52,53)において、それぞれ仕切板(35)よりも上側の部分が主熱交換部(41)を構成し、仕切板(35)よりも下側の部分が補助熱交換部(42)を構成している。なお、以下では、各熱交換部(51,52,53)の複数の扁平管(33)のうち、主熱交換部(41)の扁平管(33)を主扁平管(33a)と称し、補助熱交換部(42)の扁平管(33)を補助扁平管(33b)と称する。本実施形態2では、各熱交換部(51,52,53)において、上側空間(S11a,S12a,S13a)に連通する11本の扁平管(33)が主熱交換部(41)の主扁平管(33a)となり、下側空間(S11b,S12b,S13b)に連通する3本の扁平管(33)が補助熱交換部(42)の補助扁平管(33b)となる。
また、図11に示すように、実施形態2の熱交換器(30)には、液側接続部材(60)とガス側接続部材(65)とが設けられている。
上記液側接続部材(60)は、1つの分流器(61)と、3本の細径管(62,63,64)とを備えている。分流器(61)の下端部には液側配管(23)が接続されている。分流器(61)の上端部には各細径管(62,63,64)の一端が接続されている。分流器(61)の内部では、その下端部に接続された液側配管(23)と各細径管(62,63,64)とが連通している。各細径管(62,63,64)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)に接続され、対応する各下側空間(S11b,S12b,S13b)にそれぞれ連通している。
上記ガス側接続部材(65)は、1つの本体管部(66)と、3つの接続管部(67,68,69)とを備えている。本体管部(66)は、その上端部が逆U字状に曲がった比較的大径の管状に形成されている。本体管部(66)の上側の端部には第1ガス側配管(21)が接続され、本体管部(66)の下側の端部は閉塞されている。接続管部(67,68,69)は、本体管部(66)の直線状の部分から側方に突出している。
また、上記熱交換器(30)では、各熱交換部(51,52,53)において、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)とが、それぞれの扁平管(主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b))の一端が第2ヘッダ集合管(32)によって接続されて連通し、1つの折返し流路(40)を構成している。つまり、上記熱交換器(30)には、3つの熱交換部(51,52,53)に対応して3つの折返し流路(40)が形成されている。
このような構成により、実施形態2の熱交換器(30)では、冷房運転中には、図11に示した矢印の方向に冷媒が流れる。また、暖房運転中は、図11に示した矢印とは逆方向に冷媒が流れる。また、実施形態2においても、主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)とには、異なる温度の流体が流れることとなる。
具体的には、上記熱交換器(30)が凝縮器として機能する冷房運転時には、圧縮機(11)の吐出冷媒は、ガス側接続部材(65)を介して第1ヘッダ集合管(31)の各上側空間(S11a,S12a,S13a)に流入し、該各上側空間(S11a,S12a,S13a)に連通する複数の主扁平管(33a)に分流される。各主扁平管(33a)に流入した冷媒は、該各主扁平管(33a)を通過する際に室外空気に放熱して凝縮する。各主扁平管(33a)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の3つの内部空間(S21,S22,S23)のそれぞれに流入し、各内部空間(S21,S22,S23)に連通する複数の補助扁平管(33b)に分流され、該各補助扁平管(33b)を通過する際にさらに室外空気に放熱して過冷却状態となる。過冷却状態となった冷媒は、第1ヘッダ集合管(31)の3つの下側空間(S11b,S12b,S13b)にそれぞれ流入した後、液側接続部材(60)を介して液側配管(23)に流出する。このようにして、冷房運転時には、各熱交換部(51,52,53)において、各主熱交換部(41)において凝縮した冷媒が各補助熱交換部(42)において過冷却状態となることによって、補助扁平管(33b)を流れる冷媒の温度が主扁平管(33a)を流れる冷媒の温度よりも低くなる。
一方、上記熱交換器(30)が蒸発器として機能する暖房運転時には、圧縮機(11)の吐出冷媒は、液側接続部材(60)を介して第1ヘッダ集合管(31)の3つの下側空間(S11b,S12b,S13b)に流入し、該各下側空間(S11b,S12b,S13b)に連通する複数の補助扁平管(33b)に分流される。各補助扁平管(33b)に流入した冷媒は、該各補助扁平管(33b)を通過する際に室外空気から吸熱して蒸発する。各補助扁平管(33b)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の3つの内部空間(S21,S22,S23)のそれぞれに流入し、各内部空間(S21,S22,S23)に接続された複数の主扁平管(33a)に分流され、該各主扁平管(33a)を通過する際にさらに室外空気から吸熱して過熱状態となる。過熱状態となった冷媒は、第1ヘッダ集合管(31)の3つの上側空間(S11a,S12a,S13a)のそれぞれに流入した後、ガス側接続部材(65)を介して第1ガス側配管(21)に流出する。このようにして、暖房運転時には、各熱交換部(51,52,53)において、各補助熱交換部(42)において蒸発した冷媒が各主熱交換部(41)において過熱状態となることによって、主扁平管(33a)を流れる冷媒の温度が補助扁平管(33b)を流れる冷媒の温度よりも高くなる。
また、実施形態2においても実施形態1と同様に、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)の間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)が、下端が下側の扁平管(33)に接合される一方、上端が上側の扁平管(33)に接合されていない非接合フィン部(39)に構成され、その他の部分に設けられるフィン(36)の板状片部(36a)が、両端が上下両側の扁平管(33)にそれぞれ接合される接合フィン部(38)に構成されている。
具体的には、図12に示すように、上下方向に3つずつ交互に配置された主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)とのそれぞれの間、即ち、第3熱交換部(53)の主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間、第3熱交換部(53)の補助熱交換部(42)と第2熱交換部(52)の主熱交換部(41)との間、第2熱交換部(52)の主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間、第2熱交換部(52)の補助熱交換部(42)と第1熱交換部(51)の主熱交換部(41)との間、及び第1熱交換部(51)の主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間のそれぞれに設けられるフィン(36)の各板状片部(36a)が、非接合フィン部(39)に構成されている。一方、各熱交換部(41,42)において、相隣る扁平管(33)の間に設けられるフィン(36)の各板状片部(36a)は、接合フィン部(38)に構成されている。
このような構成により、実施形態2においても、実施形態1と同様に、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)を流れる流体どうしがフィン(36)を介して熱交換することを抑制することができる。従って、熱交換器(30)の性能低下を抑制することができる。
《発明の実施形態3》
図13及び図14に示すように、実施形態3は、実施形態1の熱交換器(30)の構成を変更したものである。
実施形態3では、熱交換器(30)は、上下に並ぶ2つの熱交換部、即ち、上側の主熱交換部(41)と下側の補助熱交換部(42)とを有している。また、各熱交換部(41,42)は、上下並ぶ3つの熱交換部(41a,41b,41c)(42a,42b,42c)に区分されている。具体的には、主熱交換部(41)は、下から順に並ぶ第1主熱交換部(41a)と第2主熱交換部(41b)と第3主熱交換部(41c)とによって構成され、補助熱交換部(42)は、下から順に並ぶ第1補助熱交換部(42a)と第2補助熱交換部(42b)と第3補助熱交換部(42c)とによって構成されている。
第1ヘッダ集合管(31)の内部空間(S31)は、仕切板(35)によって上側空間(S33)と下側空間(S34)とに仕切られている。上側空間(S33)は単一の空間に構成される一方、下側空間(S34)は、2つの区画板(55)によって、上下に並ぶ3つの連通空間(S34a,S34b,S34c)に仕切られている。具体的には、下側空間(S34)は、下から順に並ぶ第1連通空間(S34a)と第2連通空間(S34b)と第3連通空間(S34c)とによって構成されている。
第2ヘッダ集合管(32)の内部空間(S32)は、区画板(55)によって上下に並ぶ5つの連通空間(S32a〜S32e)に区画されている。具体的には、第2ヘッダ集合管(32)の内部空間(S32)は、下から順に並ぶ第1連通空間(S32a)と第2連通空間(S32b)と第3連通空間(S32c)と第4連通空間(S32d)と第5連通空間(S32e)とによって構成されている。また、第2ヘッダ集合管(32)の最も下側の区画板(55)は、第1ヘッダ集合管(31)の下側の区画板(55)と等しい高さ位置に設けられ、第2ヘッダ集合管(32)の下から2番目の区画板(55)は、第1ヘッダ集合管(31)の上側の区画板(55)と等しい高さ位置に設けられている。
上記熱交換器(30)では、第1ヘッダ集合管(31)の仕切板(35)よりも上方の部分が上記主熱交換部(41)を構成し、上記仕切板(35)よりも下方の部分が上記補助熱交換部(42)を構成している。また、上記熱交換器(30)の主熱交換部(41)では、第2ヘッダ集合管(32)の上から2番目の区画板(55)よりも下方の部分が上記第1主熱交換部(41a)を構成し、第2ヘッダ集合管(32)の上から1番目と2番目の区画板(55)の間の部分が上記第2主熱交換部(41b)を構成し、第2ヘッダ集合管(32)の最も上側の区画板(55)よりも上方の部分が上記第3主熱交換部(41c)を構成している。さらに、上記熱交換器(30)の補助熱交換部(42)では、第2ヘッダ集合管(32)の最も下側の区画板(55)よりも下方の部分が上記第1補助熱交換部(42a)を構成し、第2ヘッダ集合管(32)の下から1番目と2番目の区画板(55)の間の部分が上記第2補助熱交換部(42b)を構成し、第2ヘッダ集合管(32)の下から2番目の区画板(55)よりも上方の部分が上記第3補助熱交換部(42c)を構成している。
なお、以下では、熱交換器(30)の複数の扁平管(33)のうち、主熱交換部(41)の扁平管(33)を主扁平管(33a)と称し、補助熱交換部(42)の扁平管(33)を補助扁平管(33b)と称する。つまり、複数の扁平管(33)のうち、第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S33)に連通する33本の扁平管(33)が主熱交換部(41)の主扁平管(33a)となり、第1ヘッダ集合管(31)の下側空間(S34)(第1〜第3連通空間(S34a〜S34c))に連通する9本の扁平管(33)が補助熱交換部(42)の補助扁平管(33b)となる。
また、第2ヘッダ集合管(32)には、第1連通空間(S32a)と第4連通空間(S32d)とを接続する第1連通管(32a)と、第2連通空間(S32b)と第5連通空間(S32e)とを接続する第2連通管(32b)とが設けられている。
上記熱交換器(30)では、第1主熱交換部(41a)の主扁平管(33a)と第3補助熱交換部(42c)の補助扁平管(33b)とが第2ヘッダ集合管(32)の第3連通空間(S32c)によって連通し、第2主熱交換部(41b)の主扁平管(33a)と第1補助熱交換部(42a)の補助扁平管(33b)とが第1連通管(32a)によって連通し、第3主熱交換部(41c)の主扁平管(33a)と第2補助熱交換部(42b)の補助扁平管(33b)とが第2連通管(32b)によって連通している。つまり、上記熱交換器(30)では、第1主熱交換部(41a)と第3補助熱交換部(42c)とが対になり、第2主熱交換部(41b)と第1補助熱交換部(42a)とが対になり、第3主熱交換部(41c)と第2補助熱交換部(42b)とが対になるように構成されている。
図13に示すように、実施形態3の熱交換器(30)には、液側接続部材(70)とガス側接続部材(75)とが設けられている。
上記液側接続部材(70)は、1つの分流器(71)と、3本の細径管(72,73,74)とを備えている。分流器(71)は、下端部に液側配管(23)が接続され、上端部に各細径管(72,73,74)の一端が接続されている。各細径管(72,73,74)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)に接続され、下側空間(S34)の各連通空間(S34a,S34b,S34c)の下端寄りの部分に開口している。なお、各細径管(72,73,74)の長さは、各補助熱交換部(42a,42b,42c)へ流入する冷媒の流量の差がなるべく小さくなるように、個別に設定されている。
上記ガス側接続部材(75)は、比較的大径の1つの配管で構成されている。ガス側接続部材(75)は、一端が第1ガス側配管(21)に接続され、他端が第1ヘッダ集合管(31)に接続されている。ガス側接続部材(75)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S33)の上端寄りの部分に開口している。
また、上記熱交換器(30)では、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)とが、それぞれの扁平管(主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b))の一端が第2ヘッダ集合管(32)によって接続されて連通し、1つの折返し流路(40)を構成している。
このような構成により、実施形態3の熱交換器(30)では、冷房運転中には、図13に示した矢印の方向に冷媒が流れる。また、暖房運転中は、図13に示した矢印とは逆方向に冷媒が流れる。また、実施形態3においても、主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)とには、異なる温度の流体が流れることとなる。
具体的には、上記熱交換器(30)が凝縮器として機能する冷房運転時には、圧縮機(11)の吐出冷媒は、ガス側接続部材(75)を介して第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S33)に流入し、該上側空間(S33)に連通する複数の主扁平管(33a)に分流される。各主扁平管(33a)に流入した冷媒は、該各主扁平管(33a)を通過する際に室外空気に放熱して凝縮する。第1主熱交換部(41a)の主扁平管(33a)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の第3連通空間(S32c)に流入し、第1主熱交換部(41a)と対になる第3補助熱交換部(42c)の複数の補助扁平管(33b)に分流される。第2主熱交換部(41b)の主扁平管(33a)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の第4連通空間(S32d)に流入し、第1連通管(32a)を介して第2ヘッダ集合管(32)の第1連通空間(S32a)に流入した後、第2主熱交換部(41b)と対になる第1補助熱交換部(42a)の複数の補助扁平管(33b)に分流される。第3主熱交換部(41c)の主扁平管(33a)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の第5連通空間(S32e)に流入し、第2連通管(32b)を介して第2ヘッダ集合管(32)の第2連通空間(S32b)に流入した後、第3主熱交換部(41c)と対になる第2補助熱交換部(42b)の複数の補助扁平管(33b)に分流される。各補助扁平管(33b)に流入した冷媒は、該各補助扁平管(33b)を通過する際にさらに室外空気に放熱して過冷却状態となる。過冷却状態となった冷媒は、第1ヘッダ集合管(31)の第1〜第3連通空間(S34a〜S34c)にそれぞれ流入した後、液側接続部材(70)を介して液側配管(23)に流出する。このようにして、冷房運転時には、各主熱交換部(41a,41b,41c)において凝縮した冷媒が対となる各補助熱交換部(42a,42b,42c)において過冷却状態となることによって、補助扁平管(33b)を流れる冷媒の温度が主扁平管(33a)を流れる冷媒の温度よりも低くなる。
一方、上記熱交換器(30)が蒸発器として機能する暖房運転時には、圧縮機(11)の吐出冷媒は、液側接続部材(70)を介して第1ヘッダ集合管(31)の第1〜第3連通空間(S34a〜S34c)に流入し、該各連通空間(S34a,S34b,S34c)にそれぞれ連通する複数の補助扁平管(33b)に分流される。各補助扁平管(33b)に流入した冷媒は、該各補助扁平管(33b)を通過する際に室外空気から吸熱して蒸発する。第1補助熱交換部(42a)の補助扁平管(33b)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の第1連通空間(S32a)に流入し、第1連通管(32a)を介して第2ヘッダ集合管(32)の第4連通空間(S32d)に流入した後、第1補助熱交換部(42a)と対になる第2主熱交換部(41b)の複数の主扁平管(33a)に分流される。第2補助熱交換部(42b)の補助扁平管(33b)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の第2連通空間(S32b)に流入し、第2連通管(32b)を介して第2ヘッダ集合管(32)の第5連通空間(S32e)に流入した後、第2補助熱交換部(42b)と対になる第3主熱交換部(41c)の複数の主扁平管(33a)に分流される。第3補助熱交換部(42c)の補助扁平管(33b)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の第3連通空間(S32c)に流入し、第3補助熱交換部(42c)と対になる第1主熱交換部(41a)の複数の主扁平管(33a)に分流される。各主扁平管(33a)に流入した冷媒は、該各主扁平管(33a)を通過する際にさらに室外空気から吸熱して過熱状態となる。過熱状態となった冷媒は、第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S33)に流入して合流した後、ガス側接続部材(75)を介して第1ガス側配管(21)に流出する。このようにして、暖房運転時には、各補助熱交換部(42a,42b,42c)において蒸発した冷媒が各主熱交換部(41a,41b,41c)において過熱状態となることによって、主扁平管(33a)を流れる冷媒の温度が補助扁平管(33b)を流れる冷媒の温度よりも高くなる。
また、実施形態3においても実施形態1と同様に、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)との間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)が、下端が下側の扁平管(33)に接合される一方、上端が上側の扁平管(33)に接合されていない非接合フィン部(39)に構成され、その他の部分に設けられるフィン(36)の板状片部(36a)が、両端が上下両側の扁平管(33)にそれぞれ接合される接合フィン部(38)に構成されている。
具体的には、図14に示すように、上下方向に配置された主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間、即ち、下から10本目の主扁平管(33a)と下から9本目の補助扁平管(33b)との間に設けられるフィン(36)の各板状片部(36a)は、下端が補助扁平管(33b)に接合される一方、上端が主扁平管(33a)に接合されていない非接合フィン部(39)に構成されている。一方、各熱交換部(41,42)の相隣る扁平管(33)の間に設けられるフィン(36)の各板状片部(36a)は、両端が上下両側の扁平管(33)にそれぞれ接合される接合フィン部(38)に構成されている。
このような構成により、実施形態3においても、実施形態1と同様に、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)を流れる流体どうしがフィン(36)を介して熱交換することを抑制することができる。従って、熱交換器(30)の性能低下を抑制することができる。
《発明の実施形態4》
図15及び図16に示すように、実施形態4は、実施形態1の熱交換器(30)の構成を変更したものである。
実施形態4では、熱交換器(30)は、上記実施形態3と同様、上下に並ぶ2つの熱交換部、即ち、上側の主熱交換部(41)と下側の補助熱交換部(42)とを有している。また、上側の主熱交換部(41)は、上下に並ぶ3つの主熱交換部(41a,41b,41c)に区分されている。具体的には、主熱交換部(41)は、下から順に並ぶ第1主熱交換部(41a)と第2主熱交換部(41b)と第3主熱交換部(41c)とによって構成されている。一方、下側の補助熱交換部(42)は単一の補助熱交換部によって構成されている。
第1ヘッダ集合管(31)の内部空間(S41)は、仕切板(35)によって上下に並ぶ上側空間(S43)と下側空間(S44)とに仕切られている。第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S43)及び下側空間(S44)は、それぞれ単一の空間に構成されている。
第2ヘッダ集合管(32)の内部空間(S42)は、仕切板(35)によって上下に並ぶ上側空間(S45)と下側空間(S46)とに仕切られている。第2ヘッダ集合管(32)の仕切板(35)は、第1ヘッダ集合管(31)の仕切板(35)と等しい高さ位置に設けられている。また、第2ヘッダ集合管(32)の上側空間(S45)は、2つの区画板(56)によって上下に並ぶ3つの連通空間(S45a,S45b,S45c)に区画されている。具体的には、上側空間(S45)は、第1連通空間(S45a)と第2連通空間(S45b)と第3連通空間(S45c)とによって構成されている。一方、第2ヘッダ集合管(32)の下側空間(S46)は、単一の空間に構成されている。
上記熱交換器(30)では、第1ヘッダ集合管(31)及び第2ヘッダ集合管(32)の仕切板(35)よりも上方の部分が上記主熱交換部(41)を構成し、上記仕切板(35)よりも下方の部分が上記補助熱交換部(42)を構成している。また、上記熱交換器(30)の主熱交換部(41)では、第2ヘッダ集合管(32)の上から2番目の区画板(56)よりも下方の部分が上記第1主熱交換部(41a)を構成し、第2ヘッダ集合管(32)の上から1番目と2番目の区画板(56)の間の部分が上記第2主熱交換部(41b)を構成し、第2ヘッダ集合管(32)の最も上側の区画板(55)よりも上方の部分が上記第3主熱交換部(41c)を構成している。
なお、以下では、熱交換器(30)の複数の扁平管(33)のうち、主熱交換部(41)の扁平管(33)を主扁平管(33a)と称し、補助熱交換部(42)の扁平管(33)を補助扁平管(33b)と称する。つまり、複数の扁平管(33)のうち、第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S43)に連通する33本の扁平管(33)が主熱交換部(41)の主扁平管(33a)を構成し、第1ヘッダ集合管(31)の下側空間(S44)に連通する9本の扁平管(33)が補助熱交換部(42)の補助扁平管(33b)をそれぞれ構成する。
また、第2ヘッダ集合管(32)には、連通部材(80)が設けられている。連通部材(80)は、1つの分流器(81)と、1本の主管(82)と、3本の細径管(83,84,85)とを備えている。主管(82)の一端は分流器(81)の下端部に接続され、他端は第2ヘッダ集合管(32)の下側空間(S46)に接続されている。分流器(81)の上端部には、各細径管(83,84,85)の一端が接続されている。分流器(81)の内部では、主管(82)と各細径管(83,84,85)とが連通している。各細径管(83,84,85)の他端は、第2ヘッダ集合管(32)の対応する第1〜第3連通空間(S45a〜S45c)に連通している。
図16にも示すように、各細径管(83,84,85)は、対応する第1〜第3連通空間(S45a〜S45c)の下端寄りの部分に開口している。つまり、第1細径管(83)は第1連通空間(S45a)の下端寄りの部分に開口し、第2細径管(84)は第2連通空間(S45b)の下端寄りの部分に開口し、第3細径管(85)は第3連通空間(S45c)の下端寄りの部分に開口している。なお、各細径管(83,84,85)の長さは、各主熱交換部(41a,41b,41c)へ流入する冷媒の流量の差がなるべく小さくなるように、個別に設定されている。このようにして、上記熱交換器(30)では、連通部材(80)により、第2ヘッダ集合管(32)の下側空間(S46)と第1〜第3連通空間(S45a〜S45c)とが連通している。
図15に示すように、熱交換器(30)には、液側接続部材(86)とガス側接続部材(87)とが設けられている。液側接続部材(86)及びガス側接続部材(87)は、第1ヘッダ集合管(31)に取り付けられている。液側接続部材(86)は、比較的大径の1つの配管で構成されている。液側接続部材(86)の一端には、液側配管(23)が接続されている。液側接続部材(86)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)における下側空間(S44)の下端寄りの部分に開口している。ガス側接続部材(75)は、比較的大径の1つの配管で構成されている。ガス側接続部材(75)の一端は、第1ガス側配管(21)と接続されている。ガス側接続部材(75)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)における上側空間(S43)の上端寄りの部分に開口している。
また、上記熱交換器(30)では、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)とが、それぞれの扁平管(主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b))の一端が第2ヘッダ集合管(32)によって接続されて連通し、1つの折返し流路(40)を構成している。
このような構成により、実施形態4の熱交換器(30)では、冷房運転中には、図15に示した矢印の方向に冷媒が流れる。また、暖房運転中は、図15に示した矢印とは逆方向に冷媒が流れる。また、実施形態4においても、主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)とには、異なる温度の流体が流れることとなる。
具体的には、上記熱交換器(30)が凝縮器として機能する冷房運転時には、圧縮機(11)の吐出冷媒は、ガス側接続部材(87)を介して第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S43)に流入し、該上側空間(S43)にそれぞれ連通する複数の主扁平管(33a)に分流される。各主扁平管(33a)に流入した冷媒は、該各主扁平管(33a)を通過する際に室外空気に放熱して凝縮する。各主熱交換部(41a,41b,41c)の主扁平管(33a)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の上側空間(S45)の各連通空間(S45a,S45b,S45c)に流入し、連通部材(80)を介して第2ヘッダ集合管(32)の下側空間(S46)に流入した後、補助熱交換部(42)の複数の補助扁平管(33b)に分流される。各補助扁平管(33b)に流入した冷媒は、該各補助扁平管(33b)を通過する際にさらに室外空気に放熱して過冷却状態となる。過冷却状態となった冷媒は、第1ヘッダ集合管(31)の下側空間(S44)に流入した後、液側接続部材(86)を介して液側配管(23)に流出する。このようにして、冷房運転時には、各主熱交換部(41a,41b,41c)において凝縮した冷媒が補助熱交換部(42)において過冷却状態となることによって、補助扁平管(33b)を流れる冷媒の温度が主扁平管(33a)を流れる冷媒の温度よりも低くなる。
一方、上記熱交換器(30)が蒸発器として機能する暖房運転時には、圧縮機(11)の吐出冷媒は、液側接続部材(86)を介して第1ヘッダ集合管(31)の下側空間(S44)に流入し、該下側空間(S44)に連通する複数の補助扁平管(33b)に分流される。各補助扁平管(33b)に流入した冷媒は、該各補助扁平管(33b)を通過する際に室外空気から吸熱して蒸発する。各補助扁平管(33b)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の下側空間(S46)に流入し、連通部材(80)を介して第2ヘッダ集合管(32)の第1〜第3連通空間(S45a〜45c)に分流され、該第1〜第3連通空間(S45a〜45c)に接続された複数の主扁平管(33a)に分流される。各主扁平管(33a)に流入した冷媒は、該各主扁平管(33a)を通過する際にさらに室外空気から吸熱して過熱状態となる。各主熱交換部(41a,41b,41c)の主扁平管(33a)を通過した冷媒は、第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S43)に流入して合流した後、ガス側接続部材(87)を介して第1ガス側配管(21)に流出する。このようにして、暖房運転時には、補助熱交換部(42)において蒸発した冷媒が各主熱交換部(41a,41b,41c)において過熱状態となることによって、主扁平管(33a)を流れる冷媒の温度が補助扁平管(33b)を流れる冷媒の温度よりも高くなる。
また、実施形態4においても実施形態1と同様に、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)との間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)が、下端が下側の扁平管(33)に接合される一方、上端が上側の扁平管(33)に接合されていない非接合フィン部(39)に構成され、その他の部分に設けられるフィン(36)の板状片部(36a)が、両端が上下両側の扁平管(33)にそれぞれ接合される接合フィン部(38)に構成されている。
具体的には、図16に示すように、上下方向に配置された主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間、即ち、下から10本目の主扁平管(33a)と下から9本目の補助扁平管(33b)との間に設けられるフィン(36)の各板状片部(36a)は、下端が補助扁平管(33b)に接合される一方、上端が主扁平管(33a)に接合されていない非接合フィン部(39)に構成されている。一方、各熱交換部(41,42)の相隣る扁平管(33)の間に設けられるフィン(36)の各板状片部(36a)は、両端が上下両側の扁平管(33)にそれぞれ接合される接合フィン部(38)に構成されている。
このような構成により、実施形態4においても、実施形態1と同様に、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)を流れる流体どうしがフィン(36)を介して熱交換することを抑制することができる。従って、熱交換器(30)の性能低下を抑制することができる。
《発明の実施形態5》
図17及び図18に示すように、実施形態5は、実施形態1の熱交換器(30)の構成を変更したものである。
図17に示すように、実施形態5の熱交換器(30)は、上記実施形態3と同様に、上下に並ぶ2つの熱交換部、即ち、上側の主熱交換部(41)と下側の補助熱交換部(42)とを有している。また、各熱交換部(41,42)は、上下に並ぶ3つの熱交換部(41a,41b,41c)(42a,42b,42c)に区分されている。具体的には、主熱交換部(41)は、下から順に並ぶ第1主熱交換部(41a)と第2主熱交換部(41b)と第3主熱交換部(41c)とによって構成され、補助熱交換部(42)は、下から順に並ぶ第1補助熱交換部(42a)と第2補助熱交換部(42b)と第3補助熱交換部(42c)とによって構成されている。
第1ヘッダ集合管(31)の内部空間(S51)は、仕切板(35)によって上側空間(S53)と下側空間(S54)とに仕切られている。上側空間(S53)は単一の空間に構成される一方、下側空間(S54)は、2つの区画板(57)によって、上下に並ぶ3つの連通空間(S54a,S54b,S54c)に仕切られている。具体的には、下側空間(S54)は、下から順に並ぶ第1連通空間(S54a)と第2連通空間(S54b)と第3連通空間(S54c)とによって構成されている。
第2ヘッダ集合管(32)の内部空間(S52)は、2つの区画板(58)によって左右に3つの連通空間(S52a〜S52c)に仕切られている。具体的には、第2ヘッダ集合管(32)の内部空間(S52)は、図18において右側から順に並ぶ第1連通空間(S52a)と第2連通空間(S52b)と第3連通空間(S52c)とによって構成されている。
上記熱交換器(30)では、第1ヘッダ集合管(31)の仕切板(35)よりも上方の部分が上記主熱交換部(41)を構成し、上記仕切板(35)よりも下方の部分が上記補助熱交換部(42)を構成している。また、上記熱交換器(30)の主熱交換部(41)では、上下方向に三等分して最も下側の部分が上記第1主熱交換部(41a)を構成し、真中の部分が上記第2主熱交換部(41b)を構成し、最も上側の部分が上記第3主熱交換部(41c)を構成している。さらに、上記熱交換器(30)の補助熱交換部(42)では、第1ヘッダ集合管(31)の下側の区画板(57)よりも下方の部分が上記第1補助熱交換部(42a)を構成し、第1ヘッダ集合管(31)の2つの区画板(57)の間の部分が上記第2補助熱交換部(42b)を構成し、第2ヘッダ集合管(32)の上側の区画板(57)よりも上方の部分が上記第3補助熱交換部(42c)を構成している。
なお、以下では、熱交換器(30)の複数の扁平管(33)のうち、主熱交換部(41)の扁平管(33)を主扁平管(33a)と称し、補助熱交換部(42)の扁平管(33)を補助扁平管(33b)と称する。つまり、複数の扁平管(33)のうち、第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S53)に連通する33本の扁平管(33)が主熱交換部(41)の主扁平管(33a)を構成し、第1ヘッダ集合管(31)の下側空間(S54)(第1〜第3連通空間(S54a〜S54c))に連通する9本の扁平管(33)が補助熱交換部(42)の補助扁平管(33b)をそれぞれ構成する。
また、上記熱交換器(30)では、第1主熱交換部(41a)の主扁平管(33a)と第3補助熱交換部(42c)の補助扁平管(33b)とが第2ヘッダ集合管(32)の第3連通空間(S52c)によって連通し、第2主熱交換部(41b)の主扁平管(33a)と第2補助熱交換部(42b)の補助扁平管(33b)とが第2ヘッダ集合管(32)の第2連通空間(S52b)によって連通し、第3主熱交換部(41c)の主扁平管(33a)と第1補助熱交換部(42a)の補助扁平管(33b)とが第2ヘッダ集合管(32)の第1連通空間(S52a)によって連通している。つまり、上記熱交換器(30)では、第1主熱交換部(41a)と第3補助熱交換部(42c)とが対になり、第2主熱交換部(41b)と第2補助熱交換部(42b)とが対になり、第3主熱交換部(41c)と第1補助熱交換部(42a)とが対になるように構成されている。
図17に示すように、熱交換器(30)には、液側接続部材(90)とガス側接続部材(95)とが設けられている。
上記液側接続部材(90)は、1つの分流器(91)と、3本の細径管(92,93,94)とを備えている。分流器(91)は、下端部に液側配管(23)が接続され、上端部に各細径管(92,93,94)の一端が接続されている。各細径管(92,93,94)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)の下側空間(S54)に接続され、対応する連通空間(S54a,S54b,S54c)の下端寄りの部分に開口している。つまり、第1細径管(92)は第1連通空間(S54a)の下端寄りの部分に開口し、第2細径管(93)は第2連通空間(S54b)の下端寄りの部分に開口し、第3細径管(94)は第3連通空間(S54c)の下端寄りの部分に開口している。なお、各細径管(92,93,94)の長さは、各補助熱交換部(42a,42b,42c)へ流入する冷媒の流量の差がなるべく小さくなるように、個別に設定されている。
ガス側接続部材(95)は、比較的大径の1つの配管で構成されている。ガス側接続部材(95)は、一端が第1ガス側配管(21)に接続され、他端が第1ヘッダ集合管(31)における上側空間(S53)に接続されている。ガス側接続部材(95)の他端は、第1ヘッダ集合管(31)の上端寄りの部分に開口している。
また、上記熱交換器(30)では、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)とが、それぞれの扁平管(主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b))の一端が第2ヘッダ集合管(32)によって接続されて連通し、1つの折返し流路(40)を構成している。
このような構成により、実施形態5の熱交換器(30)では、冷房運転中には、図17に示した矢印の方向に冷媒が流れる。また、暖房運転中は、図17に示した矢印とは逆方向に冷媒が流れる。また、実施形態5においても、主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)とには、異なる温度の流体が流れることとなる。
具体的には、上記熱交換器(30)が凝縮器として機能する冷房運転時には、圧縮機(11)の吐出冷媒は、ガス側接続部材(95)を介して第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S53)に流入し、該上側空間(S53)にそれぞれ連通する複数の主扁平管(33a)に分流される。各主扁平管(33a)に流入した冷媒は、該各主扁平管(33a)を通過する際に室外空気に放熱して凝縮する。第1主熱交換部(41a)の主扁平管(33a)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の第3連通空間(S52c)に流入し、第1主熱交換部(41a)と対になる第3補助熱交換部(42c)の複数の補助扁平管(33b)に分流される。第2主熱交換部(41b)の主扁平管(33a)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の第2連通空間(S52b)に流入し、第2主熱交換部(41b)と対になる第2補助熱交換部(42b)の複数の補助扁平管(33b)に分流される。第3主熱交換部(41c)の主扁平管(33a)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の第1連通空間(S52a)に流入し、第3主熱交換部(41c)と対になる第1補助熱交換部(42a)の複数の補助扁平管(33b)に分流される。各補助扁平管(33b)に流入した冷媒は、該各補助扁平管(33b)を通過する際にさらに室外空気に放熱して過冷却状態となる。過冷却状態となった冷媒は、第1ヘッダ集合管(31)の第1〜第3連通空間(S54a〜S54c)にそれぞれ流入した後、液側接続部材(90)を介して液側配管(23)に流出する。このようにして、冷房運転時には、各主熱交換部(41a,41b,41c)において凝縮した冷媒が対となる各補助熱交換部(42a,42b,42c)において過冷却状態となることによって、補助扁平管(33b)を流れる冷媒の温度が主扁平管(33a)を流れる冷媒の温度よりも低くなる。
一方、上記熱交換器(30)が蒸発器として機能する暖房運転時には、圧縮機(11)の吐出冷媒は、液側接続部材(90)を介して第1ヘッダ集合管(31)の第1〜第3連通空間(S54a〜S54c)に流入し、該各連通空間(S54a,S54b,S54c)にそれぞれ連通する複数の補助扁平管(33b)に分流される。各補助扁平管(33b)に流入した冷媒は、該各補助扁平管(33b)を通過する際に室外空気から吸熱して蒸発する。第1補助熱交換部(42a)の補助扁平管(33b)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の第1連通空間(S52a)に流入し、第1補助熱交換部(42a)と対になる第3主熱交換部(41c)の複数の主扁平管(33a)に分流される。第2補助熱交換部(42b)の補助扁平管(33b)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の第2連通空間(S52b)に流入し、第2補助熱交換部(42b)と対になる第2主熱交換部(41b)の複数の主扁平管(33a)に分流される。第3補助熱交換部(42c)の補助扁平管(33b)を通過した冷媒は、第2ヘッダ集合管(32)の第3連通空間(S32c)に流入し、第3補助熱交換部(42c)と対になる第1主熱交換部(41a)の複数の主扁平管(33a)に分流される。各主扁平管(33a)に流入した冷媒は、該各主扁平管(33a)を通過する際にさらに室外空気から吸熱して過熱状態となる。過熱状態となった冷媒は、第1ヘッダ集合管(31)の上側空間(S53)に流入して合流した後、ガス側接続部材(95)を介して第1ガス側配管(21)に流出する。このようにして、暖房運転時には、各補助熱交換部(42a,42b,42c)において蒸発した冷媒が各主熱交換部(41a,41b,41c)において過熱状態となることによって、主扁平管(33a)を流れる冷媒の温度が補助扁平管(33b)を流れる冷媒の温度よりも高くなる。
また、実施形態5においても実施形態1と同様に、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)との間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)が、下端が下側の扁平管(33)に接合される一方、上端が上側の扁平管(33)に接合されていない非接合フィン部(39)に構成され、その他の部分に設けられるフィン(36)の板状片部(36a)が、両端が上下両側の扁平管(33)にそれぞれ接合される接合フィン部(38)に構成されている。
具体的には、図18に示すように、上下方向に配置された主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間、即ち、下から10本目の主扁平管(33a)と下から9本目の補助扁平管(33b)との間に設けられるフィン(36)の各板状片部(36a)は、下端が補助扁平管(33b)に接合される一方、上端が主扁平管(33a)に接合されていない非接合フィン部(39)に構成されている。一方、各熱交換部(41,42)の相隣る扁平管(33)の間に設けられるフィン(36)の各板状片部(36a)は、両端が上下両側の扁平管(33)にそれぞれ接合される接合フィン部(38)に構成されている。
このような構成により、実施形態5においても、実施形態1と同様に、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)を流れる流体どうしがフィン(36)を介して熱交換することを抑制することができる。従って、熱交換器(30)の性能低下を抑制することができる。
《発明の実施形態6》
図19乃至図22に示すように、実施形態6は、実施形態1の熱交換器(30)の構成を変更したものである。
実施形態6では、熱交換器(30)は、実施形態1と同様に、第1ヘッダ集合管(31)と、第2ヘッダ集合管(32)と、多数の扁平管(33)と、多数のフィン(36)とを備えている。第1ヘッダ集合管(31)と第2ヘッダ集合管(32)と扁平管(33)は、実施形態1と同様に構成されている。また、図20に示すように、実施形態6においても、実施形態1と同様に、熱交換器(30)の複数の扁平管(33)は、異なる温度の流体が流れる主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)とに区分されている。具体的には、仕切板(35)よりも上側の部分が主熱交換部(41)を構成し、仕切板(35)よりも下側の部分が補助熱交換部(42)を構成している。なお、以下では、複数の扁平管(33)のうち、主熱交換部(41)の扁平管(33)を主扁平管(33a)と称し、補助熱交換部(42)の扁平管(33)を補助扁平管(33b)と称する。
図22に示すように、実施形態6では、上記フィン(36)は、一定幅の金属板を折り曲げることによって形成された上下に蛇行するコルゲートフィンによって構成されている。図19及び図20に示すように、フィン(36)は、上下に相隣る扁平管(33)の間に配置されている。フィン(36)は、上下に相隣る扁平管(33)の一方側から他方側に延びる板状片部(36a)と、上記扁平管(33)に沿う方向に延びて該扁平管(33)を取り付けるための連結部(36b)とを複数ずつ有している。複数の板状片部(36a)と複数の連結部(36b)とは、それぞれ板状に形成され、扁平管(33)の伸長方向に沿って交互に連続するように形成されている。上記扁平管(33)は、複数の連結部(36b)に接触して、該連結部(36b)にロウ付けによって接合されることによってフィン(36)に取り付けられる。
上記板状片部(36a)は、相隣る扁平管(33)の間において該両扁平管(33)に直交する方向に延びている。一方、上記連結部(36b)は、扁平管(33)の平坦な側面に沿った板状の部分であって、左右に相隣る板状片部(36a)の上端同士または下端同士に連続している。板状片部(36a)と連結部(36b)のなす角度は、概ね直角となっている。
図21に示すように、板状片部(36a)には、複数のルーバー(50)が形成されている。各ルーバー(50)は、図24に示すように、板状片部(36a)を切り起こすことによって形成されている。つまり、各ルーバー(50)は、板状片部(36a)に複数のスリット状の切り込みを入れ、相隣る切り込みの間の部分を捩るように塑性変形させることによって形成されている。
上記ルーバー(50)は、図23に示すように、長手方向が板状片部(36a)の前縁(37)と実質的に平行となるように形成されている。つまり、各ルーバー(50)の長手方向は上下方向となっている。そして、複数のルーバー(50)は、風上側から風下側へ向かって並んで形成されている。
上記板状片部(36a)の風下側の端部には、導水用リブ(49)が形成されている。導水用リブ(49)は、板状片部(36a)の風下側の端部に沿って上下に延びる細長い凹溝である。
このように構成されたフィン(36)により、図20に示すように、熱交換器(30)では、上下に相隣る扁平管(33)の間の空間が、複数の通風路(44)に区画される。熱交換器(30)は、扁平管(33)の流体通路(34)を流れる冷媒を、通風路(44)を流れる空気と熱交換させる。
以上の構成により、実施形態6の熱交換器(30)においても、実施形態1と同様に、冷房運転中には、図1に示した矢印の方向に冷媒が流れる。また、暖房運転中は、図2に示した矢印の方向に冷媒が流れる。また、実施形態6においても、主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)とには、異なる温度の流体が流れることとなる。
また、本実施形態6においても、実施形態1と同様に、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)との間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)が、下端が下側の扁平管(33)に接合される一方、上端が上側の扁平管(33)に接合されていない非接合フィン部(39)に構成され、その他の部分に設けられるフィン(36)の板状片部(36a)が、両端が上下両側の扁平管(33)にそれぞれ接合される接合フィン部(38)に構成されている。
具体的には、図20に示すように、上下方向に配置された主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間、即ち、下から4本目の主扁平管(33a)と下から3本目の補助扁平管(33b)との間に設けられるフィン(36)の各板状片部(36a)は、下端が補助扁平管(33b)に接合される一方、上端が主扁平管(33a)に接合されていない非接合フィン部(39)に構成されている。一方、主熱交換部(41)及び補助熱交換部(42)のそれぞれにおいて相隣る扁平管(33)の間に設けられるフィン(36)の各板状片部(36a)は、両端が上下両側の扁平管(33)にそれぞれ接合される接合フィン部(38)に構成されている。
より具体的には、下から4本目の主扁平管(33a)と下から3本目の補助扁平管(33b)との間に設けられるフィン(36)は、左右に相隣る板状片部(36a)の下端同士を連結する連結部(36b)が下側の補助扁平管(33b)にロウ付けによって接合される一方、左右に相隣る板状片部(36a)の上端同士を連結する連結部(36b)が上側の主扁平管(33a)にロウ付けによって接合されないように構成されている。一方、主熱交換部(41)及び補助熱交換部(42)のそれぞれにおいて相隣る扁平管(33)の間に設けられるフィン(36)は、左右に相隣る板状片部(36a)の下端同士を連結する連結部(36b)が下側の補助扁平管(33b)にロウ付けによって接合されると共に、左右に相隣る板状片部(36a)の上端同士を連結する連結部(36b)が上側の主扁平管(33a)にロウ付けによって接合されるように構成されている。
このような構成により、実施形態6においても、実施形態1と同様に、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)を流れる流体どうしがフィン(36)を介して熱交換することを抑制することができる。従って、熱交換器(30)の性能低下を抑制することができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態2〜6の各熱交換器(30)について、実施形態1の変形例で説明したように、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)が連結されて構成される折返し流路(40)の流体の出入口領域(A1)のみに非接合フィン部(39)を設けることとしてもよい。
また、上記各実施形態では、非接合フィン部(39)を、下端が下側の扁平管(33)に接合される一方、上端が上側の扁平管(33)に接合されないように構成していた。しかしながら、各実施形態において、非接合フィン部(39)は、上端が上側の扁平管(33)に接合される一方、下端が下側の扁平管(33)に接合されないように構成されていても勿論よい。
また、上記各実施形態では、非接合フィン部(39)を、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)に対向する両端のうちの一端のみが対向する扁平管(33)に接合されないように構成していた。しかしながら、実施形態1〜5では、非接合フィン部(39)は、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)に対向する両端が共に対向する扁平管(33)に接合されないように構成されていてもよい。
上記構成は、以下のようにしてロウ付けを行うことによって形成される。図25に示すように、まず、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)との間、即ち、相隣る主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)との間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)を除く全ての板状片部(36a)とその両側の扁平管(33)との間にロウ材を配置する一方、相隣る主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)との間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)とその両側の扁平管(33)との間にロウ材を配置しない状態でロウ付けを行う。これにより、相隣る主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)との間に設けられたフィン(36)の板状片部(36a)が、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)に対向する両端が両扁平管(33a,33b)に接合されない非接合フィン部(39)に構成され、それ以外の板状片部(36a)が接合フィン部(38)に構成されることとなる。
上記構成によれば、非接合フィン部(39)の両側の扁平管(33a,33b)の内部の流体の熱が非接合フィン部(39)に伝達され難くなる。そのため、非接合フィン部(39)の両側の扁平管(33)の内部を流れる流体どうしの熱交換が抑制される。よって、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)の内部を流れる流体どうしの熱交換を抑制することができる。つまり、非接合フィン部(39)を、相隣る主扁平管(33a)及び補助扁平管(33b)に対向する両端が両扁平管(33a,33b)に接合されないように構成することとしても、上記実施形態1〜5と同様の効果を奏することとなる。
また、上記各実施形態では、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)とが折返し流路(40)を構成していたが、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)とは、このように折返し流路(40)を構成しないものであってもよい。例えば、主熱交換部(41)と補助熱交換部(42)とは、主扁平管(33a)と補助扁平管(33b)とが連通しないように構成されて、両扁平管(33a,33b)のそれぞれに異なる温度の流体が流れるように構成されたものであってもよい。
なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。