JP2012193754A - ピストン - Google Patents

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Abstract

【課題】ピストンリングの装着が不要で、かつ、リーフバルブの受圧面積を大きく確保することができるだけでなく加工が容易なピストンを提供することである。
【解決手段】樹脂で形成される樹脂ディスク4と、当該樹脂ディスク4に挟むように積層される二つの金属ディスク5,6を備えたピストンにおいて、樹脂ディスク4は、第一ポート9と第二ポート10とを有し、金属ディスク5,6は、内周ポート13,14と、内周ポート13,14の開口部を囲む環状弁座15,16と、環状弁座15,16より外周側から開口する外周ポート17,18とを有し、金属ディスク5の内周ポート13と金属ディスク6の外周ポート18を第一ポート9を介して連通し、金属ディスク5の外周ポート17と金属ディスク6の内周ポート14を第二ポート10を介して連通した。
【選択図】図1

Description

本発明は、ピストンの改良に関する。
一般的に、緩衝器に利用されるピストンは、複数のポートを有していてピストンロッドの先端に装着されて、シリンダ内を二つの圧力室に区画するようになっている。また、このようなピストンの上下端部には、それぞれ、ポートの出口端を開閉するリーフバルブが積層されていて、これにより、緩衝器は、その伸縮時にポートを通じて上記二つの圧力室を交流する作動油の流れに上記リーフバルブで抵抗を与えて二つの圧力室内の圧力に差を生じせしめて減衰力を発生することができる。
そして、ピストンは、シリンダ内を軸方向に移動することで、上記した二つの圧力室のうち一方を圧縮して差圧を生じさせるのであるが、圧力室同士がピストンの外周を通じて連通されてしまうと、狙った減衰力の発生が難しくなるため、ピストンの外周にピストンリングと称される樹脂リングを装着している。このピストンリングは、シリンダの内周に摺接して圧力室同士の連通を阻止するシールとしての機能と、ピストンのシリンダに対する軸方向の移動を抑制する摩擦を低減する役割を担っている。
特開2001−82526号公報
このようにピストンの外周にピストンリングを装着するのが一般的であるが、ピストンリングの装着に当たってピストンの外周にローレット加工を施した上でピストンリングを融着させたり、成型治具を使用して熱したピストンリングをピストンの外周にモールドさせたりすることで行っており、装着加工が面倒である。
また、上記したようにリーフバルブでポートを開閉することを考えた場合、いわゆる花弁型の弁座を用いると、リーフバルブにポート通過流体の圧力が作用する受圧面積を大きく確保することが難しくなり、高い減衰力を発生する緩衝器には好都合であるが、リーフバルブの撓み剛性を小さくするにも耐久性等から限界があり、それより低い減衰力をも発生したい場合にはその要求に答えられない場合があるとともに各圧力室の圧力変動が大きくなりがちとなり応答性に劣るところがある。この問題を解決するためには受圧面積を大きく確保することができるように、伸側ポートと圧側ポートをピストンの軸線に対して交差する方向から貫通させて、伸側ポートの入口端が圧側ポートの出口端より外周側に配置されるとともに、圧側ポートの入口端が伸側ポートの出口端より外周側に配置されるようにし、ピストンの上下端に環状の弁座を設けて各ポートの入口端と出口端とを隔てるようにする必要があるが、上記各ポートの形成にあたりピストンの軸線に対して交差する方向から貫通させる加工は煩雑である。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ピストンリングの装着が不要で、かつ、リーフバルブの受圧面積を大きく確保することができるだけでなく加工が容易なピストンを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、樹脂で形成される樹脂ディスクと、当該樹脂ディスクに挟むように積層される二つの金属ディスクを備え、上記樹脂ディスクと金属ディスクがピストンロッドにナットで固定されることで一体化され、シリンダ内に挿入されるピストンにおいて、上記樹脂ディスクは、上記シリンダ内に摺接する円板状のディスク本体と、ディスク本体の一端内周側から開口して他端外周側へ通じる第一ポートと、ディスク本体の他端内周側から開口して一端外周側へ通じる第二ポートとを有し、上記金属ディスクは、反樹脂ディスク側端から樹脂ディスク側端へ通じる内周ポートと、反樹脂ディスク側端に設けられて内周ポートの開口部を囲む環状弁座と、反樹脂ディスク側端の環状弁座より外周側から開口して樹脂ディスク側端へ通じる外周ポートとを有し、一方の金属ディスクの内周ポートと他方の金属ディスクの外周ポートを上記第一ポートを介して連通し、一方の金属ディスクの外周ポートと他方の金属ディスクの内周ポートを上記第二ポートを介して連通したことを特徴とする。
本発明のピストンによれば、ピストンリングの装着を要せずにシリンダに対して軸方向へ摺動する際の摩擦力を低減することができ、リーフバルブの受圧面積を大きく確保することができるだけでなく加工も容易となる。
一実施の形態におけるピストンの断面図である。 (A)一実施の形態におけるピストンの樹脂ディスクの平面図である。(B)一実施の形態におけるピストンの樹脂ディスクのAA断面図である。(C)一実施の形態におけるピストンの樹脂ディスクの底面図である。 (A)一実施の形態におけるピストンの金属ディスクの反樹脂ディスク側端から見た図である。(B)一実施の形態におけるピストンの金属ディスクのBB断面図である。(C)一実施の形態におけるピストンの金属ディスクの樹脂ディスク側端から見た図である。 一実施の形態の一変形例におけるピストンの金属ディスクの断面図である。
以下、本発明のバルブ構造を図に基づいて説明する。一実施の形態におけるピストン1は、図1に示すように、樹脂ディスク4と、この樹脂ディスク4の図1中上下に樹脂ディスク4を挟むように積層した金属ディスク5,6とを備えて構成されており、これらは緩衝器のピストンロッド2の先端に設けた小径な装着部2aにナット3によって固定されて一体化されている。そして、ピストン1は、シリンダ7内に摺動自在に挿入されてシリンダ7内を上室R1と下室R2とに区画していて、シリンダ7に対して軸方向となる図1中上下方向へ移動して上室R1或いは下室R2を圧縮することができるようになっている。
他方、このピストン1が適用される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ7と、シリンダ7の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド2と、ピストンロッド2の装着部2aに設けた上記ピストン1と、シリンダ7内にピストン1で隔成される2つの圧力室たる上室R1と下室R2と、シリンダ7の下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ7から出没するピストンロッド2の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ7内には作動液体が充填されている。
以下、ピストン1の各部について詳細に説明する。樹脂ディスク4は、合成樹脂材料で形成されており、図1および図2に示すように、シリンダ7の内周に摺接する円板状のディスク本体8と、ディスク本体8の一端内周側から開口して他端外周側へ通じる複数の第一ポート9と、ディスク本体8の他端内周側から開口して一端外周側へ通じる複数の第二ポート10と、一端と他端に設けた上記第一ポート9の開口端に連通される第一環状溝11a,11bと、一端と他端に設けた上記第二ポート10の開口端に連通される第二環状溝12a,12bとを備えている。
また、ディスク本体8は、中央にピストンロッド2の装着部2aが挿通される孔8bを備えた円板部8aと、円板部8aの外周に連なってシリンダ7の内周に摺接する筒状の摺接筒8cとを備えている。摺接筒8cは、シリンダ7に対して摺接する軸方向長さが確保されていて、ピストン1のシリンダ7に対して図1中時計回り或いは反時計回り方向へのガタつきを防止している。
第一ポート9、第二ポート10、第一環状溝11および第二環状溝12は、ディスク本体8における円板部8aに設けられている。第一ポート9は、この例では八個設けられており、円板部8aの一端となる図1中上端の内周側から開口して円板部8aの他端となる図1中下端の外周側へ通じている。そして、各第一ポート9の一端側開口部9aは、この例では、円板部8aの一端に同一円周上に等間隔を持って配置され、他端側開口部9bもまた円板部8aの他端に同一円周上に等間隔を持って配置されている。
第二ポート10は、この例では、第一ポート9と同数の八個が設けられ、各々が第一ポート9間に配置されていて、円板部8aの他端となる図1中下端の内周側から開口して円板部8aの一端となる図1中上端の外周側へ通じている。そして、各第二ポート10の一端側開口部10aは、この例では、円板部8aの一端に第一ポート9の一端側開口部9aが設けられた円周より外周側の同一円周上に等間隔を持って配置され、他端側開口部10bもまた円板部8aの他端に第一ポート9の他端側開口部9bが設けられた円周より内周側の同一円周上に等間隔を持って配置されている。なお、第一ポート9および第二ポート10の設置数は、八個に限定されるものではない。
そして、円板部8aの一端には、各第一ポート9の一端側開口端9aの全てに連通される一端側の第一環状溝11aが設けられており、また、円板部8aの他端には、各第一ポート9の他端側開口端9bの全てに連通される他端側の第一環状溝11bが設けられている。
さらに、円板部8aの一端には、各第二ポート10の一端側開口端10aの全てに連通される一端側の第二環状溝12aが設けられていて、この第二環状溝12aは、上記した第一環状溝11aの外周にこれに交わることなく設けられている。また、円板部8aの他端には、各第二ポート10の他端側開口端10bの全てに連通される他端側の第二環状溝12bが設けられていて、この第二環状溝12bは、上記した第一環状溝11bの内周にこれに交わることなく設けられている。これら第一環状溝11a,11bおよび第二環状溝12a,12bは、孔8bに同心に設けられている。
そして、この樹脂ディスク4における孔8bにピストンロッド2の装着部2aが挿入されると、樹脂ディスク4はピストンロッド2に対してガタなく装着されるようになっている。
なお、樹脂ディスク4の材料である合成樹脂材料としては、たとえば、緩衝器の作動液体がグリコール水溶液等の水系液体の場合、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタラート、ポリフェニレンサルフィド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン等を用いればよく、作動液体が油である場合には、上記以外にもフェノール樹脂を用いることが可能である。なお、ここで水系液体とは、水単体の他、本実施の形態のように、水にグリコール類等の添加剤を加えた水溶液をも含む概念であり、また、緩衝器が金属材料で構成される場合には、水に防錆剤を添加したものを使用するようにしてもよい。さらに、上記した合成樹脂材料に、重量分率が10〜50wt%の割合で炭素繊維やガラス繊維を混入して樹脂ディスク4を形成してもよく、樹脂ディスク4の強度を向上させることができるとともに高温に晒されても劣化を抑制でき、また、合成樹脂にシリコンビーズやカーボンを混入して樹脂ディスク4を形成する場合には、シリンダ7との間の摩擦をより低減でき摺動性を向上させることが可能となる。なお、炭素繊維やガラス繊維の混入割合で、この樹脂ディスク4における強度および熱膨張率を任意に設定することができる。
他方、金属ディスク5,6は、図1および図3に示すように、円板状であって、同一円周上に設けられて反樹脂ディスク側端(樹脂ディスク4に面しない端部であって、図1中上方側に配置される金属ディスク5にあっては図1中上端となり、図1中下方側に配置される金属ディスク6にあっては図1中下端となる)から樹脂ディスク側端(樹脂ディスク4に面する端部であって、図1中上方側に配置される金属ディスク5にあっては図1中下端となり、図1中下方側に配置される金属ディスク6にあっては図1中上端となる)へ通じる八個の内周ポート13,14と、反樹脂ディスク側端に設けられて内周ポート13,14の開口部を囲む環状弁座15,16と、反樹脂ディスク側端の環状弁座15,16より外周側から開口して樹脂ディスク側端へ通じる八個の外周ポート17,18とを備えている。なお、外周ポート17,18は、金属ディスク5,6の外周を切り欠くことで形成されてもよい。
また、金属ディスク5,6の樹脂ディスク側端は、平面とされており、樹脂ディスク4へこれらを積層した際に、樹脂ディスク4の円板部8aに密着するようになっている。
さらに、金属ディスク5,6は、中央にピストンロッド2の装着部2aを挿入する孔19,20を備えており、この孔19,20の内径は、装着部2aの外径よりも大径に設定されていて、当該装着部2aに若干の遊びを持って装着されるようになっている。
そして、これら金属ディスク5,6を樹脂ディスク4の円板部8aへ積層すると、金属ディスク5,6の外周の一部が摺接筒8cの内周に当接して嵌合し、樹脂ディスク4に対して径方向へ位置決めされるようになっている。
このように樹脂ディスク4に対して金属ディスク5,6が径方向に位置決めされ、樹脂ディスク4が上記したようにピストンロッド2の装着部2aにガタなく装着され、金属ディスク5,6が当該装着部2aに遊嵌されるようになっているので、金属ディスク5,6は、樹脂ディスク4を介してピストンロッド2に位置決めされることになり、樹脂ディスク4と金属ディスク5,6をピストンロッド2の装着部2aへ組み付けた際に径方向の位置ずれを生じることがない。
また、金属ディスク5を樹脂ディスク4に積層すると、金属ディスク5の内周ポート13が樹脂ディスク4の金属ディスク側を向く一端の内周に開口する第一ポート9に連通され、外周ポート17が樹脂ディスク4の金属ディスク側を向く一端の外周に開口する第二ポート10に連通される。
詳しくは、金属ディスク5が樹脂ディスク4に積層されると、この金属ディスク5の内周ポート13の全ては、樹脂ディスク4の一端側の第一環状溝11aに対向し、金属ディスク5の外周ポート17の全ては、樹脂ディスク4の一端側の第二環状溝12aに対向するようになっている。
つまり、この金属ディスク5の内周ポート13と樹脂ディスク4の第一ポート9との連通は一端側の第一環状溝11aを介して行われ、金属ディスク5の外周ポート17と樹脂ディスク4の第二ポート10との連通は一端側の第二環状溝12aを介して行われ、金属ディスク5と樹脂ディスク4とが周方向へ相対回転しても内周ポート13と第一ポート9の連通および外周ポート17と第二ポート10の連通が確保されるようになっている。さらに、樹脂ディスク4が合成樹脂材料で形成されているので、金属ディスク5の樹脂ディスク側端に密着して内周ポート13、第一ポート9、外周ポート17および第二ポート10が金属ディスク5と樹脂ディスク4との間を介して相互に連通されることを抑制でき、また、摺接筒8cに金属ディスク5が嵌合されるので、内周ポート13、第一ポート9、外周ポート17および第二ポート10が金属ディスク5と樹脂ディスク4との間を介して上室R1に連通してしまうことも抑制することができる。
つづいて、金属ディスク6を樹脂ディスク4に積層すると、金属ディスク6の内周ポート14が樹脂ディスク4の金属ディスク側を向く他端の内周に開口する第二ポート10に連通され、外周ポート18が樹脂ディスク4の金属ディスク側を向く他端の外周に開口する第一ポート9に連通される。
詳しくは、金属ディスク6が樹脂ディスク4に積層されると、この金属ディスク6の内周ポート14の全ては、樹脂ディスク4の他端側の第二環状溝12bに対向し、金属ディスク6の外周ポート18の全ては、樹脂ディスク4の他端側の第一環状溝11bに対向するようになっている。
つまり、この金属ディスク6の内周ポート14と樹脂ディスク4の第二ポート10との連通は他端側の第二環状溝12bを介して行われ、金属ディスク6の外周ポート18と樹脂ディスク4の第一ポート9との連通は他端側の第一環状溝11bを介して行われるので、金属ディスク6と樹脂ディスク4とが周方向へ相対回転しても内周ポート14と第二ポート10の連通および外周ポート18と第一ポート9の連通が確保されるようになっている。さらに、樹脂ディスク4が合成樹脂材料で形成されているので、金属ディスク6の樹脂ディスク側端に密着して内周ポート14、第二ポート10、外周ポート18および第一ポート9が金属ディスク6と樹脂ディスク4との間を介して相互に連通されることを抑制でき、また、摺接筒8cに金属ディスク6が嵌合されるので、内周ポート14、第二ポート10、外周ポート18および第一ポート9が金属ディスク6と樹脂ディスク4との間を介して下室R2に連通してしまうことも抑制することができる。
このように金属ディスク5,6を樹脂ディスク4に積層すると、金属ディスク5における内周ポート13が第一ポート9を介して金属ディスク6における外周ポート18へ連通され、金属ディスク5における外周ポート17が第二ポート10を介して金属ディスク6における内周ポート14へ連通されるようになる。
なお、第一環状溝11a,11bおよび第二環状溝12a,12bを介して、内周ポート13と外周ポート18とを第一ポート9に連通するとともに、内周ポート14と外周ポート17を第二ポート10に連通するようにしているので、内周ポート13,14および外周ポート17,18の設置数は第一ポート9および第二ポート10の設置数に一致させずともよい。また、この実施の形態では、樹脂ディスク4に第一環状溝11a,11bと第二環状溝12a,12bを設けているが、第一環状溝11a,11bと第二環状溝12a,12bを設ける代わりに、図4に示すように、金属ディスク5,6の樹脂ディスク側端に、内周ポート13,14の全てに連通する内周環状溝30,31と、外周ポート17,18の全てに連通する外周環状溝32,33とを設けて、この内周環状溝30と外周環状溝33を第一ポート9へ対向させ、内周環状溝31と外周環状溝32を第二ポート10へ連通するようにしてもよい。
このように構成されたピストン1は、上記のように樹脂ディスク4に金属ディスク5,6を積層して構成され、このピストン1の図1中上下に積層したリーフバルブ22,23とともにピストンロッド2の装着部2aへ装着され、ナット3によって当該装着部2aに固定される。より詳細には、装着部2aの先端となる図1中下端には螺子部2bが設けられており、ピストンロッド2の装着部2aより上方は大径となっていて段部2cが形成されている。ピストン1を上記したリーフバルブ22,23とともに装着部2aへ組み付けたのち、ナット3を螺子部2bへ螺着すると、ピストン1は上記段部2cとナット3とによって上下から挟持され装着部2aに固定されるとともに、樹脂ディスク4と金属ディスク5,6とが一体化されてピストンとして機能することになる。
ピストン1の図1中上方に積層したリーフバルブ22は、ピストン1と同じくナット3によってピストンロッド2の装着部2aに内周側が固定されて、外周が金属ディスク5の環状弁座15に着座している。ピストン1の図1中下方に積層したリーフバルブ23は、ピストン1と同じくナット3によってピストンロッド2の装着部2aに内周側が固定されて、外周が金属ディスク6の環状弁座16に着座している。
リーフバルブ22が着座する環状弁座15の内周に配置された内周ポート13は、樹脂ディスク4の第一ポート9を介して金属ディスク6の外周ポート18へ通じていて、外周ポート18はピストン1の下方に積層されたリーフバルブ23に閉塞されないので、常に下室R2に臨んでいる。リーフバルブ23が着座する環状弁座16の内周に配置された内周ポート14は、樹脂ディスク4の第二ポート10を介して金属ディスク5の外周ポート17へ通じていて、外周ポート17はピストン1の上方に積層されたリーフバルブ22に閉塞されないので、常に上室R1に臨んでいる。
したがって、このピストン1の場合、内周ポート13、第一ポート9および外周ポート18でピストン1が下室R2を圧縮する際に作動液体の流れを共用する圧側ポートを形成しており、内周ポート14、第二ポート10および外周ポート17でピストン1が上室R1を圧縮する際に作動液体の流れを共用する伸側ポートを形成している。
そして、ピストン1がシリンダ7に対して図1中下方へ移動して下室R2を圧縮すると、下室R2内の作動液体が内周ポート13、第一ポート9および外周ポート18とで形成される圧側ポートを通ってリーフバルブ22の外周を押圧して撓ませ上室R1へ移動し、この作動液体の流れにリーフバルブ22が抵抗を与えて下室R2と上室R1とに差圧を生じせしめて、緩衝器は圧側減衰力を発揮する。
反対に、ピストン1がシリンダ7に対して図1中上方へ移動して上室R1を圧縮すると、上室R1内の作動液体が内周ポート14、第二ポート10および外周ポート17とで形成される伸側ポートを通ってリーフバルブ23の外周を押圧して撓ませ下室R2へ移動し、この作動液体の流れにリーフバルブ23が抵抗を与えて上室R1と下室R2とに差圧を生じせしめて、緩衝器は伸側減衰力を発揮する。
このように本発明のピストン1は、シリンダ7の内周に摺接する樹脂ディスク4を備えているので、ピストンリングの装着を要せずにシリンダ7に対して軸方向へ摺動する際の摩擦力を低減することができる。
また、樹脂ディスク4が一端内周側から開口して他端外周側へ通じる第一ポート9と、ディスク本体の他端内周側から開口して一端外周側へ通じる第二ポート10とを有し、金属ディスク5,6が反樹脂ディスク側端から樹脂ディスク側端へ通じる内周ポート13,14と、反樹脂ディスク側端に設けられて内周ポート13,14の開口部を囲む環状弁座15,16と、反樹脂ディスク側端の環状弁座15,16より外周側から開口して樹脂ディスク側端へ通じる外周ポート17,18とを有し、一方の金属ディスク5の内周ポート13と他方の金属ディスク6の外周ポート18を第一ポート9を介して連通し、一方の金属ディスク5の外周ポート17と他方の金属ディスク6の内周ポート14を第二ポート10を介して連通したので、伸側ポートと圧側ポートをピストン1に対して斜めに穿設する加工を要せず、これに加えて、樹脂ピストン4に金属ディスク5,6を圧入等によって一体化する必要がなく、ピストンロッド2にナット3で固定することでこれらが一体化することが可能となり、製造および組み立ての加工が容易となる。さらに、環状弁座15,16内に内周ポート13,14が配置されるので、リーフバルブ22,23の受圧面積を大きく設定すること可能であるので、リーフバルブ22,23が撓んで環状弁座15,16から離座する開弁圧をより低く設定することができるので、緩衝器の応答性を向上できるとともに、ピストン速度が高速となる場合における減衰力を低く抑えることも可能となる。
したがって、本発明のピストン1によれば、ピストンリングの装着を要せずにシリンダ7に対して軸方向へ摺動する際の摩擦力を低減することができ、リーフバルブ22,23の受圧面積を大きく確保することができるだけでなく加工も容易となる。
なお、伸側ポートと圧側ポートの流路面積を大きく設定することが可能となるので、緩衝器の伸長時における上室R1と下室R2とを行き交う作動液体量を多くしたい場合にも、ピストン1の外径を不必要に大きく設定する必要がなくなる。
また、リーフバルブ22,23が当接するのは金属ディスク5,6であるので、環状弁座15,16やリーフバルブ22,23の内周が接触する部位における変形が防止されることから、伸側および圧側ポートがきちんと閉塞されないといった不具合や、製品毎にリーフバルブ22,23の接触面圧にばらつきが生じる不具合が無いので、緩衝器の発生減衰力にばらつきがでてしまうことがなく、緩衝器に狙い通りの均一で安定した減衰力を発現させることができる。
そしてさらに、この実施の形態では、シリンダ7の内周に摺接する摺接筒8cを設けているので、ピストン1のシリンダ7に対する図1中時計回り或いは反時計回り方向へのガタつきを防止できるとともに、樹脂ディスク4に対して金属ディスク5,6を径方向に位置決めすることができ、内周ポート13と外周ポート18と第一ポート9の連通、内周ポート14と外周ポート17と第二ポート10の連通を確実に行うことができる。
樹脂ディスク4が上記したようにピストンロッド2の装着部2aにガタなく装着され、金属ディスク5,6が当該装着部2aに遊嵌されるようになっているので、金属ディスク5,6は、樹脂ディスク4を介してピストンロッド2に位置決めされることになり、樹脂ディスク4と金属ディスク5,6をピストンロッド2の装着部2aへ組み付けた際に径方向の位置ずれを生じることがない。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の緩衝器は、たとえば、車両の制振用途に利用することができる。
1 ピストン
2 ピストンロッド
3 ナット
4 樹脂ディスク
5,6 金属ディスク
7 シリンダ
8 ディスク本体
8c 摺接筒
9 第一ポート
10 第二ポート
11a,11b 第一環状溝
12a,12b 第二環状溝
13,14 内周ポート
15,16 環状弁座
17,18 外周ポート
30,31 内周環状溝
32,33 外周環状溝

Claims (4)

  1. 樹脂で形成される樹脂ディスクと、当該樹脂ディスクに挟むように積層される二つの金属ディスクを備え、上記樹脂ディスクと金属ディスクがピストンロッドにナットで固定されることで一体化され、シリンダ内に挿入されるピストンにおいて、
    上記樹脂ディスクは、上記シリンダ内に摺接する円板状のディスク本体と、ディスク本体の一端内周側から開口して他端外周側へ通じる第一ポートと、ディスク本体の他端内周側から開口して一端外周側へ通じる第二ポートとを有し、
    上記金属ディスクは、反樹脂ディスク側端から樹脂ディスク側端へ通じる内周ポートと、反樹脂ディスク側端に設けられて内周ポートの開口部を囲む環状弁座と、反樹脂ディスク側端の環状弁座より外周側から開口して樹脂ディスク側端へ通じる外周ポートとを有し、
    一方の金属ディスクの内周ポートと他方の金属ディスクの外周ポートを上記第一ポートを介して連通し、一方の金属ディスクの外周ポートと他方の金属ディスクの内周ポートを上記第二ポートを介して連通したことを特徴とするピストン。
  2. 上記ディスク本体は、外周に上記シリンダの内周に摺接する摺接筒を備え、上記金属ディスクが外周を摺接筒の内周に嵌合して上記樹脂ディスクに位置決めされることを特徴とする請求項1に記載のピストン。
  3. 上記樹脂ディスクは、一端と他端に設けられ上記第一ポートの開口端に連通される第一環状溝と、一端と他端に設けられ上記第二ポートの開口端に連通される第二環状溝とを備え、上記第一ポートと第二ポートをそれぞれ上記第一環状溝および第二環状溝を介して上記内周ポートと外周ポートに連通したことを特徴とする請求項1または2に記載のピストン。
  4. 上記金属ディスクは、樹脂ディスク側端に設けられ内周ポートの開口部に連通される内周環状溝と、樹脂ディスク側端に設けられ外周ポートの開口部に連通される外周環状溝とを備え、上記内周ポートと外周ポートをそれぞれ内周環状溝および外周環状溝を介して上記第一ポートと第二ポートに連通したことを特徴とする請求項1または2に記載のピストン。
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