JP2007198515A - ピストン - Google Patents

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茂 小島
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Abstract

【課題】加工が容易で緩衝器に適用された際に安定した減衰力の発生を可能とするピストンを提供することである。
【解決手段】ピストンロッド2に連結されるピストン1であって、3つの円盤10,20,30を積層してなり、中間に位置する中間円盤20は同心円状に配列される複数の透孔21a,21bと外周にピストンリング3が装着される装着部22とを備えるとともに、中間円盤20の上下にそれぞれ積層される上側円盤10と下側円盤30は透孔21a,21bをピストン1外方に連通する入口孔11,31および出口孔12,32と積層面側端部13の反対側の端部14に設けられ入口孔11,31と出口孔12,32とを隔てる弁座15,35とを備えてなり、上側円盤10の入口孔11と下側円盤30の出口孔32とを一部の透孔21aを介して連通し上側円盤10の出口孔12と下側円盤30の入口孔31とを他の透孔21bを介して連通した。
【選択図】図1

Description

本発明は、ピストンの改良に関する。
この種ピストンは、複数のポートを有して緩衝器のピストンロッドの先端に装着されシリンダ内を二つの圧力室に区画している。また、このピストンの上下端部には、それぞれ、ポートの出口端を開閉するリーフバルブが積層されている。そして、緩衝器は、その伸縮時にポートを通じて上記二つの圧力室を交流する作動油の流れに上記リーフバルブで抵抗を与えて二つの圧力室内の圧力に差を生じせしめて減衰力を発生している。
また、上記したようにリーフバルブでポートを開閉する場合、ピストンの下端に積層されるリーフバルブで緩衝器が伸張する場合に作動油が通過するポート(以下、「伸側ポート」という)の出口端を開閉し、他方、ピストンの上端に積層されるリーフバルブで緩衝器が圧縮される場合に作動油が通過するポート(以下、「圧側ポート」という)の出口端を開閉するように設定されなくてはならない。
この条件を満足させるため、伸側ポートと圧側ポートとがピストンの同一円周上に配列される場合には、ピストンの上端と下端の双方におけるポートの入口端と出口端とを隔てるために、一のポートの出口端が他のポートの出口端から独立する弁座、いわゆる、花弁型の弁座を設けることになる。
この花弁型の弁座ではリーフバルブに圧力を作用させる受圧面積を大きく確保することが難しくなり、高い減衰力を発生する緩衝器には好都合であるが、リーフバルブの撓み剛性を小さくするにも耐久性等から限界があり、それより低い減衰力をも発生したい場合にはその要求に答えられない場合があるとともに各圧力室の圧力変動が大きくなりがちとなり応答性に劣るところがある。
これに対して、受圧面積を大きく確保することができるように、伸側ポートと圧側ポートをピストンの軸線に対して交差する方向から貫通させて、伸側ポートの入口端が圧側ポートの出口端より外周側に配置されるとともに、圧側ポートの入口端が伸側ポートの出口端より外周側に配置されるようにし、ピストンの上下端に環状の弁座を設けて各ポートの入口端と出口端とを隔てるようにしたピストンがある。
しかし、上記各ポートの形成にあたりピストンの軸線に対して交差する方向から貫通させる加工は、煩雑であって、ピストンを焼結成形するには向かない。
そこで、従来ピストンでは、二つの円盤を上下に積層してピストンを構成するとし、各円盤の積層面側端部の同一円周上に径方向に長い長溝を複数形成し、この長溝の一つおき毎に、長溝の内周よりの部位と積層面端部に対し反対側の端部とを連通する出口孔を設けるとともに、残った長溝の外周よりの部位と積層面端部に対し反対側の端部とを連通する入口孔を設けて、反対側の端部にあっては出口孔より外周側に入口孔が配置されるようにし、入口孔と出口孔とをピストンの上記反対側の端部に設けた環状の弁座で隔て、一方の円盤における出口孔と他方の円盤における入口孔とを上記長溝を介して連通することでポートを構成させるようにしてある(たとえば、特許文献1参照)
上記従来のピストンでは、ポートをピストンの軸線に対して交差する方向から貫通させて形成する必要は無く、各円盤を焼結成形することができ、積層面を向かい合わせて積層面側端部に設けた凹凸を利用して圧入によって円盤同士を一体化することでピストンを製造することが可能である。
特開2005−188602号公報(図1)
しかしながら、上述のような従来のピストンでは、円盤同士を一体化してピストンを製造した後、その外周に、ピストンリングを装着する必要があるが、ピストンリングが装着される部位に上側の円盤と下側の円盤との境目が配置されることになり、両円盤の形成に当たり加工精度を良くしておかないと境目に段部が形成されてしまい、その外周に装着されるピストンリングの外周面に上記段部が影響して凹凸が現れてしまう恐れがある。
このピストンリングは、緩衝器のシリンダに直接摺接する部材であって、ピストンリングの外周面に凹凸ができると、緩衝器の伸縮動作に無用な抵抗を与えて緩衝器の円滑な伸縮動作を妨げる恐れがあり、これを防ぐためには、ピストンのピストンリングが装着される装着部を切削する等の後加工する必要が生じ、ピストンの加工が煩雑となる。
さらに、従来ピストンでは、上記した上下の円盤を圧入して一体化する必要があり、一方の円盤をリーフバルブが積層される端部側から他方の円盤側へ押し付けることになるので、各円盤に軸方向の力が作用する。その軸方向の力は、ピストンの最上端面あるいは最下端面となる弁座の先端部やピストンの内周部といったリーフバルブがピストンに当接する部位、いわゆるバルブシート部に作用することになるから、バルブシート部が変形する恐れがある。
そして、弁座の先端部が変形する場合にはポートがきちんと閉塞されない恐れがあり、ピストンの内周部が変形する場合には製品毎にリーフバルブの接触面圧にばらつきが生じる恐れがあり、いずれにしても、緩衝器に組み込まれた際に、緩衝器の発生減衰力にばらつきがでてしまい、また、緩衝器に狙った減衰特性(ピストン速度に対する減衰力の特性)を発現させることができないといった危惧がある。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、加工が容易で緩衝器に適用された際に安定した減衰力の発生を可能とするピストンを提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、ピストンロッドに連結されるピストンであって、3つの円盤を積層してなり、中間に位置する中間円盤は同心円状に配列される複数の透孔と外周にピストンリングが装着される装着部とを備えるとともに、中間円盤の上下にそれぞれ積層される上側円盤と下側円盤は透孔をピストン外方に連通する入口孔および出口孔と積層面側端部の反対側の端部に設けられ入口孔と出口孔とを隔てる弁座とを備えてなり、上側円盤の入口孔と下側円盤の出口孔とを一部の透孔を介して連通し上側円盤の出口孔と下側円盤の入口孔とを他の透孔を介して連通するようにした。
本発明のピストンによれば、焼結加工後にピストンリングの装着部の加工や各円盤を圧入して一体化する加工といった面倒な加工が不必要であるから加工が容易で、緩衝器に適用された際に安定した減衰力の発生させることが可能となる。
以下、本発明のバルブ構造を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態におけるピストンのYY’断面図である。図2は、一実施の形態におけるピストンの中間円盤の平面図である。図3は、一実施の形態におけるピストンの上側円盤および下側円盤を反対側の端部側から見た図(平面図)である。図4は、一実施の形態におけるピストンの上側円盤および下側円盤を積層面側端部側から見た図(背面図)である。
一実施の形態におけるピストン1は、図1に示すように、緩衝器のピストンロッド2の先端に固定されており、上側円盤10、中間円盤20および下側円盤30の三つの円盤を積層することで構成されている。
そして、ピストン1を構成する三つの円盤10,20,30のうち中間に位置する中間円盤20は、図2に示すように、同心円状に配列される複数の透孔21a,21bと外周にピストンリング3が装着される装着部22とを備えるとともに、中間円盤20の上下にそれぞれ積層される上側円盤10と下側円盤30は図1、図3および図4に示すように、透孔21a,21bをピストン1外方に連通する入口孔11,31および出口孔12,32と積層面側端部13,33の反対側の端部14,34に設けられ入口孔11,31と出口孔12,32とを隔てる弁座15,35とを備え、上側円盤10の入口孔11と下側円盤30の出口孔32とを一部の透孔21aを介して連通し上側円盤10の出口孔12と下側円盤30の入口孔31とを他の透孔21bを介して連通させている。
さらに、上側円盤10の図1中上方には、弁座15に着座して出口孔12を開閉するリーフバルブ4が積層されるとともに、他方の下側円盤30の図1中下方には、弁座35に着座して出口孔32を開閉するリーフバルブ5が積層され、ピストン1は、ピストンロッド2の先端2aに上側円盤10が図1中上方に配置されピストンナット6で固定されている。
他方、このピストン1が適用される緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ40と、シリンダ40の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するピストンロッド2と、ピストンロッド2の先端2aに設けた上記ピストン1と、シリンダ40内にピストン1で隔成される2つの圧力室たる上室41と下室42と、シリンダ40の下端を封止する封止部材(図示せず)と、シリンダ40から出没するピストンロッド2の体積分のシリンダ内容積変化を補償する図示しないリザーバあるいはエア室とを備えて構成され、シリンダ40内には流体、具体的には作動油が充填されている。
したがって、この緩衝器の場合、シリンダ40に対してピストン1が図1中上方に移動する場合、上室41内の圧力が上昇して下側円盤30の弁座35に着座するリーフバルブ5を図1中下方に撓ませて出口孔32が開かれるので、作動油は、上記した上側円盤10の入口孔11、下側円盤30の出口孔32および中間円盤20の一部の透孔21aを通過して上室41から下室42へ移動することになり、これら入口孔11、出口孔32および一部の透孔21aは、緩衝器の伸長時に作動油が通過する伸側ポートとして機能し、また、リーフバルブ5で該伸側ポートを通過する作動油の流れに抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の伸側減衰力を発生させることになる。他方、シリンダ40に対してピストン1が図1中下方に移動する場合、下室42内の圧力が上昇して上側円盤10の弁座15に着座するリーフバルブ4を図1中上方に撓ませて出口孔12が開かれるので、作動油は、上記した上側円盤10の出口孔12、下側円盤30の入口孔31および中間円盤20の他の透孔21bを通過して下室42から下室41へ移動することになり、これら出口孔12、入口孔31および他の透孔21bは、緩衝器の圧縮時に作動油が通過する圧側ポートとして機能し、また、リーフバルブ4で該圧側ポートを通過する作動油の流れに抵抗を与えて所定の圧力損失を生じせしめて、緩衝器に所定の圧側減衰力を発生させることになる。
以下、上記したピストン1の各部について詳しく説明すると、中間円盤20は、焼結成形によって製造され、図1および図2に示すように、中心部にピストンロッド2の先端2aが挿通される挿通孔26が設けられており、また、その上端と下端には、皿状の凹部24,25が設けられ、同一円周上に等間隔に配置されて中間円盤20の上下端部、この実施の形態の場合では、上下の凹部24,25の各底部、に開通する透孔21a,21bが偶数個、図示したところでは八個、中間円板20の図1中上下方向の軸線に沿って設けられている。
この透孔21のうちの一部の透孔21a、具体的には、一つおきに配置される合計四つの透孔21aが、緩衝器の伸長時に作動油が通過する伸側ポートの一部をなし、他の透孔21b、具体的には、上記一部の透孔21a以外の透孔21bの計四つの透孔21bが、緩衝器の圧縮時に作動油が通過する圧側ポートの一部をなす。
また、上側円盤10が積層される上端に設けた凹部24の斜面を形成する側部には、各透孔21aに対向する位置に溝24aが設けられ、他方の下側円盤30が積層される下端に設けた凹部25の斜面を形成する側部には、各透孔21bに対向する位置に溝25aが設けられている。
さらに、中間円盤20の外周には、図1中上下方向となる軸方向に並べて形成される複数の環状溝23でなる装着部22が設けられており、この装着部22にはピストンリング3が装着される。
このように、中間円盤20には、その図1中上下方向となる軸線に対して交差するような透孔を設ける必要がないので、中間円盤20を容易に焼結成形によって製造することが可能である。
なお、ピストンリング3は、図示するところでは、すでに中間円盤20の装着部22に装着されており、筒状とされているが、装着部22へ装着する前は、環板状に形成されており、この環板状のピストンリング3を上方あるいは下方から徐々に中間円盤20の外周に設けた装着部22に押し付け塑性変形させて中間円盤20の外周に装着するようにしている。この加工の際には、中間円盤20をピストンリング3に対して軸方向に相対移動させることになるので、中間円盤20に軸方向の力が作用するが、中間円盤20には、リーフバルブ4,5が直接積層されることが無いので、このような加工を行っても、リーフバルブ4,5がそれぞれ当接する上側円盤10および下側円盤30のバルブシート部が変形する恐れがないのである。なお、ピストンリング3を上記のような工程以外の方法で装着することも当然可能であるが、中間円盤20の外周にピストンリング3が装着される装着部22を予め設けておくことで、バルブシート部の変形が抑制されるから、上述の工程を採用する余地ができ、ピストンリング3の装着加工における加工方法の選択の幅が広がるのである。
つづき、上側円盤10および下側円盤30について説明する。なお、上側円盤10と下側円盤30は同一形状とされているので、便宜上、共通の図をもって説明する。上側円盤10および下側円盤30は、ともに同形状であって中間円盤20の外径より小径とされて焼結成形によって製造され、図1、図3および図4に示すように、中心部にピストンロッド2の先端2aが挿通される挿通孔16,36が設けられており、また、上側円盤10の図1中下端外周、すなわち、積層面側端部13の外周は、それぞれ、面取りされた形状とされて、図1中下端は、中間円盤20の上端に設けた凹部24に符合する形状となっており、下側円盤30の図1中上端外周、すなわち、積層面側端部33の外周は、それぞれ、面取りされた形状とされて、図1中上端は、中間円盤20の下端に設けた凹部25に符合する形状となっている。
したがって、上側円盤10は、その図1中下端となる積層側端部13を下にして中間円盤20の図1中上端に積層すると、その積層側端部13が中間円盤20の凹部24にフィットして径方向に位置決められるようになっている。
これと同様に、下側円盤30は、その図1中上端となる積層側端部33を中間円盤20の図1中下端に積層すると、その積層側端部33が中間円盤20の凹部25にフィットして径方向に位置決められるようになっている。
そして、上側円盤10および下側円盤30には、同一円周上に等間隔に配置されて上側円盤10および下側円盤30の上下端部となる積層面側端部13,33と反対側の端部14,34に開通する出口孔12,32が透孔21a,21bの数の半分の個数である四個、図3,4中紙面を垂直に貫く方向となる上側円盤10および下側円盤30の軸線に沿って設けられている。
上側円盤10の出口孔12は、上側円盤10を中間円盤20に積層した際に、透孔21a,21bの一つおきに連通する、すなわち、上述した四つの他の透孔21bに連通するように上側円盤10に配置されて設けられており、上記出口孔12は、上記四つの他の透孔21bをピストン1外方である上室41に連通するようになっている。
他方の下側円盤30の出口孔32は、下側円盤30を中間円盤20に積層した際に、透孔21a,21bの一つおきに連通する、すなわち、上述した四つの一部の透孔21aに連通するように下側円盤10に配置されて設けられており、上記出口孔32は、上記四つの一部の透孔21aをピストン1外方である下室42に連通するようになっている。
さらに、上側円盤10および下側円盤30には、同一円周上に等間隔をもって、かつ、出口孔12,32の中間に配置され、上側円盤10および下側円盤30の図1中下端部となる積層面側端部13,33から上側円盤10および下側円盤30の外周にかけて形成した溝で構成される入口孔11,31が透孔21a,21bの数の半分の個数である四個設けられている。
そして、上側円盤10の入口孔11は、上側円盤10を中間円盤20に積層した際に、透孔21a,21bの一つおきに連通する、すなわち、上述した四つの一部の透孔21aに連通するように上側円盤10に配置されて設けられており、上記入口孔11は、上記四つの一部の透孔21aをピストン1外方である上室41に連通するようになっている。
また、下側円盤30の入口孔31は、下側円盤30を中間円盤20に積層した際に、透孔21a,21bの一つおきに連通する、すなわち、上述した四つの他の透孔21bに連通するように下側円盤30に配置されて設けられており、上記入口孔31は、上記四つの他の透孔21bをピストン1外方である下室42に連通するようになっている。
すなわち、上側円盤10の入口孔11の入口端は、ピストン1の外方から見て出口孔12の出口端が設けられている位置より外周側に配置され、これは下側円盤30においても同様に、入口孔31の入口端は、ピストン1の外方から見て出口孔32の出口端より外周側に配置されている。
さらに、上側円盤10の図1中上端となる反対側の端部14には、出口孔12に連なる環状の凹部で構成される環状窓17が設けられており、この環状窓17の外縁には、環状の弁座15が入口孔11と出口孔12との間に配置されるように設けられており、この弁座15で入口孔11と出口孔12とを隔てている。他方の下側円盤30にあっても、図1中下端となる反対側の端部14には、出口孔32に連なる環状の凹部で構成される環状窓37が設けられており、この環状窓37の外縁には、環状の弁座35が入口孔31と出口孔32との間に配置されるように設けられており、この弁座35で入口孔31と出口孔32とを隔てている。
すなわち、上側円盤10および下側円盤30を中間円盤20に積層すると、上側円盤10の入口孔11、一部の透孔21aおよび下側円盤30の出口孔32が連通されて伸側ポートとなり、上側円盤10の出口孔12、他の透孔21bおよび下側円盤30の入口孔31が連通されて圧側ポートとして機能することになる。
また、図1および図4に示すように、上側円盤10の図1中下端となる積層面側端部13の外周における面取り部分の任意の出口孔12に対向する位置に凹部24の側部に設けた溝24aに符合する突起13aが設けられ、下側円盤30の図1中上端となる積層面側端部33の外周における面取り部分の任意の出口孔32に対向する位置に凹部25の側部に設けた溝25aに符合する突起33aが設けられている。
したがって、中間円盤20に上側円盤10および下側円盤30を上述のように積層する際には、突起13aを溝24aの一つに、突起33aと溝25aの一つにそれぞれ符合させると、上側円盤10および下側円盤30は中間円盤20に対して円周方向に位置決められるようになっている。したがって、この実施の形態においては、位置決め手段は、突起13a,33aと溝24a,25aとで構成されており、上記突起13a,33aを溝24a,25aのうちの一つに符合させることで、中間円盤20に対して上側円盤10および下側円盤30を、中間円盤20の透孔20a,20bと各入口孔11,31および出口孔12,32とが上述したごとくの連通状態となるようにして位置決められることになる。
また、上記溝24a,25aの数を、出口孔12,32の数と同数となるように設けておくようにしているので、上側円盤10および下側円盤30を中間円盤30に積層する作業の際の溝24a,25aと突起13a,33aとの符合が容易となる。すなわち、この実施の形態の場合、出口孔12,32の数はそれぞれ四つであるから、溝24a,25aと突起13a,33aとを符合させるのに最大でも45度の範囲内で回転させるのみとなるので上側円盤10および下側円盤30を中間円盤30に積層する作業の際に非常に便利となる。
なお、上述したところでは、溝24a,25を中間円盤20に、各突起13a,33aを上側円盤20と下側円盤30におのおの設けているが、溝を上側円盤20と下側円盤30に設けて各突起を中間円盤20の上下端に設けるようにしてもよい。また、溝24a,25aの数は一つとされてもよいが、上記のように出口孔12,32の数と同数としておくほうが上記利点を享受することができるので好ましい。
ところで、ピストン1の各部を成す上側円盤10、中間円盤20および下側円盤30は、以上のように構成されるが、このピストン1にあっては、上側円盤10、中間円盤20および下側円盤30で構成されるとともに中間円盤20の外周に装着部22を設けてあるから、特に、上側円盤10、中間円盤20および下側円盤30を圧入等によって一体化する必要がない。
つまり、図1中に示したように、バルブストッパ7,リーフバルブ4、上側円盤10、中間円盤20、下側円盤30、リーフバルブ5、バルブストッパ8の順にこれら緩衝器のピストン部を構成する各部材をピストンロッド2の先端2aに組み付け、その後、上記先端2aに設けた螺子部2bにピストンナット6を螺子結合して、上記ピストン部を構成する各部材をピストンナット6で締め付けてピストンロッド2に固定することで、上側円盤10、中間円盤20および下側円盤30が一体化されてピストン1として機能することになる。
したがって、このピストン1にあっては、上側円盤10、中間円盤20および下側円盤30を焼結成形した後に、これらを一体化するといった後加工をする必要が無い。
しかも、ピストン1が上側円盤10、中間円盤20および下側円盤30の三つの円盤で構成されて、中間円盤20の外周に装着部22を設けてあり、この装着部22にピストンリング3が装着されるので、ピストンリング3の外周面に凹凸ができてしまうといった不具合も無いので、緩衝器の伸縮動作に抵抗を与えてしまう危惧も無く、また、二つの円盤を一体化する従来のピストンのように比較して装着部を精密に加工する必要がないから、ピストン1の加工が容易となり、ピストン1の製造の際の加工工数を低減することができ、製造コストも低減させることが可能である。
さらに、上述したように、このピストン1にあっては、上側円盤10、中間円盤20および下側円盤30を焼結成形した後に、これらを一体化するといった後加工をする必要が無いので、さらに、ピストン1の製造の際の加工工数を低減することができ、製造コストも低減させることが可能である。
また、上記したように、ピストン1における上側円盤10、中間円盤20および下側円盤30の三つの円盤を圧入等で一体化する必要が無いので、ピストンロッド2の先端2aにピストン1を組み付ける工程以外ではピストン1に図1中上下方向となる軸方向の力が作用する工程が無いことから、組み付け工程以前に、上側円盤10および下側円盤30におけるリーフバルブ4,5が当接するバルブシート部である弁座15,35の先端および環状窓17,37より内側となる内周部を痛めて変形させてしまうことが無い。
したがって、リーフバルブ4,5が当接するバルブシート部の変形が防止されることから、伸側および圧側ポートがきちんと閉塞されないといった不具合や、ピストンの内周部が変形して製品毎にリーフバルブ4,5の接触面圧にばらつきが生じる不具合が無いので、緩衝器の発生減衰力にばらつきがでてしまうことがなく、緩衝器に狙い通りの均一で安定した減衰力を発現させることができる。
つまり、本発明のピストン1によれば、焼結加工後にピストンリングの装着部の加工や各円盤を圧入して一体化する加工といった面倒な加工が不必要であるから加工が容易で、緩衝器に適用された際に安定した減衰力の発生をさせることが可能となるのである。
また、上側円盤10および下側円盤30を中間円盤20より小径に設定するとともに、入口孔11,31を上側円盤10および下側円盤30の積層面側端部13,33から上側円盤10および下側円盤30の外周にかけて形成した溝とすることで、入口孔11,31の開口端を上側円盤10および下側円盤30の側部に設けるようにしており、弁座15,35の設置範囲を上側円盤10および下側円盤30の反対側の端部14,34の外周縁までとすることができるので、入口孔11,31および出口孔12,32の両方を反対側の端部14,34に連通する構成に比較して、伸側ポートと圧側ポートの流路面積を大きく設定することができる。
したがって、本実施の形態においては、伸側ポートと圧側ポートの流路面積を大きく設定することが可能となるので、緩衝器の伸長時における上室41と下室42とを行き交う作動油量を多くしたい場合にも、ピストン1の外径を不必要に大きく設定する必要がなくなる。
また、このことは、弁座15,35の径の設定範囲が大きくなるということであるとともに、リーフバルブ4,5を環状窓17,37の縁で切り取った面積となるリーフバルブ4,5の受圧面積を大きく設定すること可能であるので、リーフバルブ4,5が撓んで弁座15,35から離座し出口孔12,32を開く開弁圧をより低く設定することができるので、緩衝器の応答性を向上できるとともに、ピストン速度が高速となる場合における減衰力を低く抑えることが可能となる、
さらに、透孔21a,21bの総数を偶数個として、上側円盤10に設けられる入口孔11と出口孔12の数は、ともに、上記透孔21a,21bの総数の半数に設定され、下側円盤30に設けられる入口孔31と出口孔32の数は、ともに、上記透孔21a,21bの総数の半数に設定されることで、上側円盤10と下側円盤30の形状を同形状に設定することが可能であるので、この場合には、中間円盤20の他に一種類の形状の円盤を製造すればよくなり、製造コストを一層低減できるとともに、加工が煩雑とならずにすむ。
なお、上側円盤10と下側円盤30の形状を同一に設定しなくともよい場合には、上記利点を享受することができなくなるが、透孔21a,21bの総数を奇数とし、各入口孔11,31の設けられる数と各出口孔12,32に設けられる数を同数となる透孔21a,21bの半数以外の数に設定されるようにしてもよい。
またさらに、透孔21a,21bは中間円盤20の円周上に等間隔をもって設けられるとともに、入口孔11,31と出口孔12,32は上側円盤10と下側円盤30のそれぞれに円周方向に等間隔を持って互い違いに配置されるように設けられるようにしたので、リーフバルブ4,5の全周にわたり均一に上室41あるいは下室42の圧力を作用させることが可能であり、リーフバルブ4,5が円周方向に撓むような無理な圧力を作用させずにすむ。
以上で本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態におけるピストンのYY’断面図である。 一実施の形態におけるピストンの中間円盤の平面図である。 一実施の形態におけるピストンの上側円盤および下側円盤を反対側の端部側から見た図(平面図)である。 一実施の形態におけるピストンの上側円盤および下側円盤を積層面側端部側から見た図(背面図)である。
符号の説明
1 ピストン
2 ピストンロッド
2a ピストンロッドの先端
2b 螺子部
3 ピストンリング
4,5 リーフバルブ
6 ピストンナット
7,8 バルブストッパ
10 上側円盤
11,31 入口孔
12,32 出口孔
13,33 積層面側端部
13a,33a 突起
14,34 反対側の端部
15,35 弁座
16,26,36 挿通孔
17,37 環状窓
20 中間円盤
21a,21b 透孔
22 装着部
23 環状溝
24,25 凹部
24a,25a 溝
30 下側円盤
40 シリンダ
41 上室
42 下室

Claims (7)

  1. ピストンロッドに連結されるピストンであって、3つの円盤を積層してなり、中間に位置する中間円盤は同心円状に配列される複数の透孔と外周にピストンリングが装着される装着部とを備えるとともに、中間円盤の上下にそれぞれ積層される上側円盤と下側円盤は透孔をピストン外方に連通する入口孔および出口孔と積層面側端部の反対側の端部に設けられ入口孔と出口孔とを隔てる弁座とを備えてなり、上側円盤の入口孔と下側円盤の出口孔とを一部の透孔を介して連通し上側円盤の出口孔と下側円盤の入口孔とを他の透孔を介して連通したことを特徴とするピストン。
  2. 入口孔は出口孔より外周側から開口されるとともに、弁座は環状であって入口孔と出口孔との間に設けられることで入口孔と出口孔とを隔てることを特徴とする請求項1に記載のピストン。
  3. 透孔は偶数個設けられ、入口孔と出口孔が設けられる数は、上側円盤および下側円盤のそれぞれで透孔の数の半分に設定されてなることを特徴とする請求項1または2に記載のピストン。
  4. 透孔は中間円盤の円周上に等間隔をもって設けられるとともに、入口孔と出口孔は上側円盤と下側円盤のそれぞれに円周方向に等間隔を持って互い違いに配置されるように設けられることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のピストン。
  5. 上側円盤および下側円盤は、中間円盤の直径より小径とされて中間円盤と同心となるように積層されるとともに、入口孔は上側円盤および下側円盤の外周部から開口して透孔に連通されてなることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のピストン。
  6. 入口孔は、上側円盤および下側円盤の積層面側端部から外周にかけて形成した溝で構成されてなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のピストン。
  7. 上側円盤と下側円盤とを中間円盤に対し円周方向に位置決める位置決め手段を備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のピストン。
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