JP2012189661A - オレフィン系樹脂反射材 - Google Patents

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孝之 渡邊
Yoshiki Nishikawa
良樹 西川
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大希 野澤
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正彦 河野
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Abstract

【課題】本発明の課題は、オレフィン系樹脂の溶融張力あるいは伸長粘度を適切に制御することにより、円滑な気泡形成を行い、均一で、かつ優れた反射性を有する、新たな反射材を提供する。
【解決手段】内部に空隙を有し、オレフィン系樹脂、微粉状充填材、発泡剤およびアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンを含有する樹脂組成物の発泡シート体を光反射層として有することを特徴とするオレフィン系樹脂反射材を提案する。
【選択図】なし

Description

本発明は、液晶ディスプレイ、照明器具、或いは照明看板などの構成部材として好適に使用することができる反射材、詳しくはオレフィン系樹脂を主材料の一つとするオレフィン系樹脂反射材に関する。
液晶ディスプレイをはじめ、照明器具或いは照明看板など多くの分野で反射材が使用されている。最近では、液晶ディスプレイの分野において、装置の大型化および表示性能の高度化が進み、少しでも多くの光を液晶に供給してバックライトユニットの性能を向上させることが求められるようになり、反射材に対しても、より一層優れた光反射性(単に「反射性」ともいう)が求められるようになってきている。
反射材として、例えば、芳香族ポリエステル系樹脂を主原料とする白色ポリエステルフィルムを用いた液晶ディスプレイ用の反射フィルムが知られている(特許文献1参照)。
しかし、反射材の材料として芳香族ポリエステル系樹脂を用いた場合、芳香族ポリエステル系樹脂の分子鎖中に含まれる芳香環が紫外線を吸収するため、液晶表示装置等の光源から発せられる紫外線によって、フィルムが劣化、黄変して、反射フィルムの光反射性が低下するという問題があった。
また、ポリプロピレン樹脂に充填剤を添加して形成されたフィルムを延伸することによって、フィルム内に微細な空隙を形成させ、光散乱反射を生じさせた反射材(特許文献2参照)や、オレフィン系樹脂とフィラーを含有する基材層と、オレフィン系樹脂を含む層より構成された積層構成のオレフィン系樹脂光反射体(特許文献3参照)や、発泡剤を含有する熱可塑性樹脂組成物からなる基材層に、オレフィン系樹脂及びフィラーを含有し、1軸以上の方向に延伸して成るフィルム層を積層した光反射体(特許文献4)なども知られている。
さらにまた、延伸することにより熱成形性が損なわれることを防ぐため、発泡剤により空隙を形成させて反射板としたものも知られている(特許文献5参照)。
特開平04−239540号公報 特開平11−174213号公報 特開2005−031653号公報 特開2004−309804号公報 特WO2006/115087号公報
オレフィン系樹脂反射フィルムに反射性能を持たせる場合、上述のように、フィルム内部に空隙を形成して空隙内の空気とベース樹脂との屈折率差を利用して反射性能を得ることが一般的である。
近年、特に携帯電話や携帯ゲーム機、携帯パソコンなどの携帯端末において、小型化及び薄型化が進み、これに伴って反射材にも薄型化が要求されている。そこで、この種のオレフィン系樹脂反射フィルムについて、フィルムの厚さを、従来よりも薄くしようとすると、内部に形成する空隙を小さく且つ多数形成して反射性能を稼ぐ必要がある。
このように反射材の薄型化を図るために、空隙を小さく且つ多数形成する目的を考えると、フィルムを延伸して空隙を形成した場合には空隙が引き延ばされて大きくなってしまうため、このような目的には適していない。そこで本発明は、延伸することなく、発泡剤で空隙を形成することとした。
ところが、オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物においては、微細な気泡を多数形成することによって、薄くしても優れた反射性能を得ることは容易なことではなかった。
そこで本発明の目的は、このような課題に鑑みて、オレフィン系樹脂を主材料の一つとするオレフィン系樹脂反射材において、延伸することなく発泡剤で空隙を形成し、かつ、薄くても反射性能に優れた新たな反射材を提供することにある。
本発明は、オレフィン系樹脂、微粉状充填材、発泡剤およびアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンを含有する樹脂組成物から形成された、内部に空隙を有する未延伸発泡シート体を光反射層として備えたオレフィン系樹脂反射材を提案する。
本発明は、オレフィン系樹脂と発泡剤を含む系樹脂組成物にアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンを配合することで、延伸することなく発泡剤で内部に気泡を形成する場合であっても、微細な気泡を多数均一に形成することができるようになり、その結果、薄くても優れた反射性能を得ることができるようになった。
よって、本発明が提案するオレフィン系樹脂反射材は、例えば液晶ディスプレイ、照明器具、或いは照明看板などの反射材として好適に用いることができる。
以下、本発明の実施形態の一例としての反射材(「本反射材」と称する。)について説明する。但し、本発明が、この本反射材に限定されるものではない。
<本反射材>
本反射材は、オレフィン系樹脂、微粉状充填材、発泡剤およびアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンを含有するオレフィン系樹脂組成物(以下「本オレフィン系樹脂組成物」とも称する)から形成される未延伸発泡シート体を光反射層として備えたオレフィン系樹脂反射材である。
(オレフィン系樹脂)
本反射材を形成するオレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂や、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂や、エチレン−環状オレフィン共重合体等のシクロオレフィン系樹脂(上述したシクロオレフィン系樹脂を含む。)や、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等のオレフィン系エラストマーから選ばれた1種又は2種類以上のポリオレフィン系樹脂を挙げることができる。
これらの中でも、機械的性質、柔軟性などから、ポリプロピレン系樹脂やポリエチレン系樹脂が好ましい。その中でも、融点が高く耐熱性に優れており、また、弾性率等の機械特性が高いという観点から、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の中でも、押出成形性の観点から、メルトフローレート(「MFR」と称する、JISK−7210、230℃、荷重21.18N)が0.1g/10min以上、20g/10min以下、特に0.2g/10min以上、10g/10min以下、中でも特に0.5g/10min以上、5g/10min以下であるポリプロピレン系樹脂が特に好ましい。
(微粉状充填剤)
本反射材は、優れた光反射性を得るために、微粉状充填剤を含有することが重要である。微粉状充填剤を含有することで、屈折率差による屈折散乱などから光反射性を得ることができる。
微粉状充填剤としては、例えば無機質微粉体、有機質微粉体等を例示することができる。
無機質微粉体としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレー、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライト、珪酸白土等を挙げることができる。これらは、いずれか1種または2種以上を混合して用いることができる。これらの中でも、シートを構成する樹脂との屈折率差を考慮すると、屈折率の大きいものが好ましいから、屈折率が1.6以上の無機質微粉体、すなわち炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンまたは酸化亜鉛などが特に好ましい。
中でも、酸化チタンは、他の無機質微粉体に比べて屈折率が顕著に高く、オレフィン系樹脂との屈折率差を顕著に大きくすることができるため、他の無機質微粉体を使用した場合よりも少ない配合量で優れた反射性を得ることができる。酸化チタンを用いることにより、反射材の厚みを薄くしても高い光反射性を得ることができる。従って、少なくとも酸化チタンを含む充填剤を用いるのがより好ましく、この場合、酸化チタンの含有量は、無機質微粉体の合計質量の30%以上、または有機質微粉体と無機質微粉体とを組み合わせて使用する場合はその合計質量の30%以上とするのが好ましい。
本反射材に用いる酸化チタンとしては、アナターゼ型やルチル型のような結晶型の酸化チタンが好ましく、その中でもオレフィン系樹脂との屈折率差が大きいという観点から、屈折率が2.7以上の酸化チタンが好ましい。この点で、ルチル型酸化チタンが好ましい。
また、酸化チタンの中でも純度の高い高純度酸化チタンを用いるのが特に好ましい。ここで、高純度酸化チタンとは、可視光に対する光吸収能が小さい酸化チタン、すなわち、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素の含有量が少ない酸化チタンの意である。
高純度酸化チタンとしては、例えば塩素法プロセスにより製造されるものを挙げることができる。
塩素法プロセスでは、酸化チタンを主成分とするルチル鉱を1000℃程度の高温炉で塩素ガスと反応させて、先ず四塩化チタンを生成させ、次いでこの四塩化チタンを酸素で燃焼させることにより、高純度酸化チタンを得ることができる。酸化チタンの工業的な製造方法としては硫酸法プロセスもあるが、この方法によって得られる酸化チタンには、バナジウム、鉄、銅、マンガン、ニオブ等の着色元素が多く含まれるので、可視光に対する光吸収能が大きくなる。従って、硫酸法プロセスでは高純度酸化チタンは得られ難い。
また、オレフィン系樹脂への無機質微粉体の分散性を向上させるために、微粉状充填剤の表面に、シリコン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理を施したものを使用してもよい。
他方、有機質微粉体としては、ポリマービーズ、ポリマー中空粒子等が挙げられ、これらは、いずれか1種または2種以上を混合して用いることができる。また、無機質微粉体と有機質微粉体とを組み合わせて用いてもよい。
微粉状充填剤は、粒径が0.05μm以上15μm以下であることが好ましく、より好ましくは粒径が0.1μm以上10μm以下である。充填剤の粒径が0.05μm以上であれば、オレフィン系樹脂への分散性が低下することがないので、均質な反射材が得られる。また粒径が15μm以下であれば、オレフィン系樹脂と微粉状充填剤との界面が緻密に形成されて、高反射性の反射材が得られる。
微粉状充填剤の含有量に関しては、微粉状充填剤の含有量が10質量%以上であれば、オレフィン系樹脂と微粉状充填剤との界面の面積を充分に確保することができ、反射材に高反射性を付与することができる。微粉状充填剤の含有量が70質量%以下であれば、反射材に必要な機械的強度を確保することができる。
かかる観点から、微粉状充填剤の含有量は、反射材の光反射性、機械的強度、生産性等を考慮すると、樹脂組成物の全体質量に対して10〜70質量%であるのが好ましく、中でも20質量%以上或いは60質量%以下であるのがさらに好ましい。
(発泡剤)
内部に空隙を形成する手段としては、例えば発泡剤による方法や、ガスを注入しておいて低圧化させる方法、延伸による方法など様々な方法があるが、発泡剤により空隙を形成すると、内部空隙は球状もしく楕円球状となり、微細な空隙を均一に多数形成することが可能であるため、本反射材では、延伸することなく、発泡剤で空隙を形成する方法を採用している。
発泡剤としては、化学発泡剤、物理的発泡剤のいずれも使用可能であり、両者を併用することも可能である。
化学発泡剤としては、加熱分解型発泡剤が好ましく、無機系化学発泡剤および有機系化学発泡剤のいずれも使用可能である。
化学発泡剤としては、無機系発泡剤として、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどの炭酸塩を挙げることができる。また、有機系発泡剤として、例えばアゾ化合物(例えばアゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロジニトリル、アゾジアミノベンゼン、アゾヘキサヒドロベンゾニトリル、バリウムアゾジカルボキシレート等)、ニトロソ化合物(例えばN,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミド、t−ブチルアミノニトリル等)、ヒドラジド化合物[例えばp−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等]、ヒドラゾン化合物(例えばp−トルエンスルホニルアセトンヒドラゾン等)などを挙げることができる。これらのうちの1種または2種以上を併用して使用することができる。
但し、有機系化学発泡剤の多くは窒素を含んでおり、黄色味を呈していたり、経時的に黄変したりして反射性能が低下する可能性があるため、無機系化学発泡剤の方がより好ましい。
さらに言えば、無機系化学発泡剤の中でも、分解温度が160℃付近にあるものは、その分解温度が、例えばポリプロピレンの加工温度よりも若干低いため、ベース樹脂としてポリプロピレンを使用した場合には、ベース樹脂が溶融しないうちに発泡剤が発泡してガスが抜けてしまう可能性がある。そのため、ベース樹脂が溶融してから発泡剤が分解するように、無機系化学発泡剤としては、少なくともベース樹脂の加工温度よりも高い分解温度を有する無機系化学発泡剤を使用若しくは併用することが好ましい。かかる観点から、分解温度が200℃以上、特に220℃以上の無機系化学発泡剤を使用又は併用するのが好ましい。
物理的発泡剤としては、不活性ガスまたは不活性気体よりなる発泡剤が好ましい。具体的には、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、プロパン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロブタンなどの脂環式炭化水素類、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、クロロメタン、ジクロロメタン、クロロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロトリフルオロエタン、パーフルオロシクロブタン等のハロゲン化炭化水素類等の1種または2種以上があげられる。また、水、二酸化炭素、加圧空気等の無機系化合物類を挙げることもできる。
発泡剤の含有量は、製造を目的とする反射材の発泡倍率(空隙率)、発泡剤のガス発生量などに応じて調節するのが好ましい。発泡剤の含有量が0.05質量部以上ならば、空隙の形成が十分となり、反射性に優れた発泡シート体が得られやすい。一方、発泡剤の含有量が20質量部以下ならば、過発泡状態による気泡の崩れ、粗大気泡の発生などが起こることなく、均一で微細な気泡を有する発泡シート体が得られやすくなる。
このような観点から、発泡剤の含有量は、オレフィン系樹脂100質量部に対して0.001〜20質量部とするのが好ましく、より好ましくは0.01質量部以上或いは10質量部以下である。
(アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン)
オレフィン系樹脂を含むオレフィン系樹脂組成物にアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンを配合することで、該オレフィン系樹脂組成物に適切な溶融張力或いは伸長粘度を付与することができるため、発泡剤を使用して該樹脂組成物を発泡させる際、より均一で微細な気泡を形成することができる。
これは、オレフィン系樹脂を含むオレフィン系樹脂組成物にアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンを配合して発泡成形すると、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンがオレフィン系樹脂組成物と緻密な疑似架橋するために伸びを十分に抑制し、気泡が大きくなるのを十分に抑えることができるためであると考えられる。ちなみに、アクリル変性しないポリテトラフルオロエチレンでは、オレフィン系樹脂組成物への分散性やなじみが不十分であるため、疑似架橋が粗くなり、その結果、気泡が大きくなってしまう。
アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンは、共重合成分としてアクリルを含有するポリテトラフルオロエチレンであればよい。
このようなアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンは、オレフィン系樹脂、特にポリプロピレン樹脂の加工温度(約200℃)付近で成形可能であり、オレフィン系樹脂との親和性にも優れるという特性を備え、かつ樹脂組成物の溶融時の伸長粘度の増大などによる加工性の改良効果を発現することで、均一で微細な気泡を形成することに寄与するという極めて優れた性質を備えている。
本反射材に用いることのできるアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンの市販品の代表例として、例えばメタブレンA3000(三菱レイヨン社製)を挙げることができる。
アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンの含有量に関しては、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンの含有量が発泡剤に対して5質量部以上であれば、発泡剤により気泡を形成する場合であっても、該気泡を小さく且つ均一に形成することができる。他方、200質量部以下であれば、溶融時の樹脂粘度が過剰に高くなることがなく、加工性が維持されるので好ましい。
かかる観点から、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンの含有量は、発泡剤(2種類以上の場合にはその合計)100質量部に対して5〜200質量部であるのが好ましく、10質量部以上或いは150質量部以下とするのがより好ましく、15質量部以上或いは100質量部以下とするのがさらに好ましく、中でも、30質量部以上或いは70質量部以下とするのが最も好ましい。
(その他の成分)
本オレフィン系樹脂組成物は、以上説明したオレフィン系樹脂、微粉状充填材、発泡剤およびアクリル変性ポリテトラフルオロエチレン以外にも、必要に応じて、その他の樹脂を含有してもよい。また、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、分散剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、相溶化剤、滑剤、およびその他の添加剤を含有してもよい。
(本オレフィン系樹脂組成物)
本オレフィン系樹脂組成物の溶融時の伸長粘度が10,000(Pa・s)以上であれば、発泡を円滑に行わせて、より均一で微細な気泡を形成させるために充分な加工性改良の効果が得られるので好ましい。また、伸長粘度が200,000(Pa・s)以下であれば、溶融時の伸長粘度が過剰に高くなることがなく、加工性が維持されるので好ましい。
かかる観点から、本オレフィン系樹脂組成物の溶融時の伸長粘度は、10,000(Pa・s)〜200,000(Pa・s)の範囲内であるのが好ましく、中でも20,000(Pa・s)以上或いは50,000(Pa・s)以下であるのがより一層好ましい。
なお、ここでの伸長粘度は、200℃、伸長速度100(1/秒)における値である。
また、本オレフィン系樹脂組成物の溶融時の伸長粘度は、主にアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンの含有量、特に発泡剤に対するアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンの含有量によって調整可能である。
(未延伸発泡シート体)
本反射材は、本オレフィン系樹脂組成物から形成される未延伸発泡シート体を光反射層として備えたオレフィン系樹脂反射材である。
フィルムを延伸して空隙を形成すると、どうしても空隙が大きくなってしまう。そのため、本反射材では、微細な空隙を多数形成することにより、薄くても優れた反射性能を得るために、延伸することなく、発泡剤で空隙を形成することとしている。
未延伸発泡シート体(以下「発泡シート体」とも称する)の空隙率は、反射性能を確保する観点から、内部に10%以上60%以下の範囲で微細な空隙を有することが好ましい。言い換えれば、発泡シート体の空隙率、すなわち発泡シート体に占める空隙の体積割合は、10%以上60%以下であるのが好ましく、特に20%以上或いは50%以下であるのが好ましい。このような範囲の空隙を設けることで、発泡シート体の白化が十分に進行するので高い光反射性を達成することができ、また、反射材の機械的強度が低下して、破断することがない。
なお、発泡シート体の空隙率は、次の式によって求めることができる。
未発泡シートの密度(「未発泡シート密度」と表記する)と、発泡後のシートの密度(「発泡シート密度」と表記する)を測定し、下記式に代入して発泡シート体の空隙率(%)を求める。
空隙率(%)={(未発泡シート密度−発泡シート密度)/未発泡シート密度}×100
<積層構成>
本反射材は、本オレフィン系樹脂組成物から形成される未延伸発泡シート体を光反射層として備えたオレフィン系樹脂反射材であり、該未延伸発泡シート体のみからなる単層の反射材であってもよいし、また、該未延伸発泡シート体を金属板又は樹脂板に積層してなる構成を備えた反射材であってもよい。
好ましい積層構成として、例えば、未延伸発泡シート体の両側に透明樹脂シートを積層してなる2種3層構成を備えた構成を挙げることができる。この構成においては、未延伸発泡シート体によって反射性能を得ることができ、両側の透明樹脂シートによって剛性を高めることができるから、反射性能と剛性の両方を備えたものとすることができる。
<本反射材の物性等>
次に、本反射材の物性等について説明する。
(厚み)
本反射材の厚みは、特に限定するものではなく、例えば100μm〜1500μmであるのが好ましく、特に、実用面における取り扱い性を考慮すると200μm〜1000μm程度であるのが好ましい。
例えば、液晶ディスプレイ用途の反射材としては、厚みが150μm〜700μmであるのが好ましく、例えば、照明器具、照明看板用途の反射材としては、厚みが100μm〜1000μmであるのが好ましい。
(反射率)
本反射材は、少なくとも片面の反射率が、波長550nmの光に対して95%以上とすることができる。このような反射性能を有するものであれば、反射材として良好な反射特性を示し、この反射材を組み込んだ液晶ディスプレイ等はその画面が十分な明るさを実現することができる。
<本反射材の製造方法>
本反射材の製造方法としては、特に制限されるものではなく、公知の方法を採用することができる。以下に、反射材の製造方法について、一例を挙げて説明するが、下記製造方法に何ら限定されるものではない。
オレフィン系樹脂は、一般に約120〜300℃の温度に加熱することにより溶融することから、溶融成形や加熱加工が可能である。
成形方法に特に制限はないが、例えば押出成形、射出成形、カレンダー成形、プレス成形、注型などの任意の成形方法によって、種々の形状や構造の発泡成形品または発泡性成形品(発泡前の成形品)に成形することができる。本反射材の場合には、押出発泡成形や射出発泡成形により発泡シート体を形成するのが好ましい。
成形・加工と同時に発泡を行わせる場合は、成形・加工の少なくともある段階で発泡剤の分解温度以上の温度に加熱して、成形・加工を行えばよい。具体的には、発泡剤の種類によって発泡温度は異なるが、例えば加熱分解型発泡剤(化学発泡剤)は一般に150〜250℃の範囲で分解するので、発泡剤を分解させて発泡シート体を製造するには、150〜250℃又はそれ以上の温度に加熱して発泡させるとよい。
他方、未発泡状態で成形した後、加熱して発泡させて得ることもできる。この場合は、成形加工が可能な温度であって且つ発泡剤が分解しない温度で成形・加工した後、未発泡状態の成形品等を発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡させることにより発泡シート体を得ることができる。
ここで、本反射材の好適な製法の一例を紹介する。
先ず、オレフィン系樹脂などに、微粉状充填剤、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン、およびその他の添加剤等を必要に応じて配合した配合物を作製する。
具体的には、主成分とするオレフィン系樹脂に微粉状充填剤等を必要に応じて加えてリボンブレンダー、タンブラー、ヘンシェルミキサー等で混合した後、バンバリーミキサー、一軸または二軸押出機等を用いて、樹脂の融点以上の温度(例えば、190℃〜270℃)で混練することにより配合物を得ることができる。
または、オレフィン系樹脂、微粉状充填剤等を別々のフィーダー等により所定量を添加することにより配合物を得ることができる。
また、微粉状充填剤、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン、その他の添加剤等を予めオレフィン系樹脂に高濃度に配合した、いわゆるマスターバッチを作っておきこのマスターバッチとオレフィン系樹脂とを混合して所望の濃度の配合物とすることもできる。
次に、このようにして得られた配合物を乾燥させた後、加熱分解型発泡剤(化学発泡剤)を所定量添加して樹脂組成物とし、次に、押出機に供給し、所定の温度以上に加熱して溶融させる。
押出温度等の条件は、加熱分解型発泡剤は一般に150〜250℃の範囲で分解するので、発泡剤を分解させて発泡シート体を形成させるには150〜250℃、またはそれ以上の温度とする。
その後、溶融した樹脂組成物をTダイのスリット状の吐出口からシート状に押出し、冷却ロールに密着固化させて未延伸発泡シート体を形成するようにすればよい。
そして、このようにして得られた未延伸発泡シート体をそのまま反射材としてもよいし、他の材料を基材とし、これと積層させたり、或いは、基材と積層以外の方法で組み合わせて複合化させたりした上で、反射材としてもよい。
この場合の基材としては、例えば、プラスチックやゴムからなるフィルム、シート、板、その他の形状物、あるいは金属からなる箔、シート、板、その他の形状物などを挙げることができる。
発泡シート体と基材との複合方法としては、例えば、発泡シート体を製造した後に該発泡シート体を基材と一体複合化してもよい。また、樹脂組成物を発泡させる際に、同時に基材との一体複合化を行ってもよい。また、発泡前に基材と一体複合化しておき、その後に発泡を行ってもよい。
このような複合一体化に当たっては、複合化する間の親和性、接着性などに応じて、例えば加熱圧着、接着剤による接着、押出ラミネートのような成形と同時に積層を行う方法などの任意の方法を使用することができる。
(用途)
本反射材は、そのまま反射材として使用することも可能であるが、本反射材を金属板または樹脂板に積層してなる構成として使用することも可能である。例えば、液晶ディスプレイ等の液晶表示装置、照明器具、照明看板等に用いられる反射板として有用である。
この際、本反射材を積層する金属板としては、例えば、アルミ板やステンレス板、亜鉛メッキ鋼板などを挙げることができる。
金属板または樹脂板に本反射材を積層する方法としては、例えば接着剤を使用する方法、接着剤を使用せずに、熱融着する方法、接着性シートを介して接着する方法、押出しコーティングする方法等を挙げることができる。但し、これらの方法に限定するものではない。
より具体的には、金属板または樹脂板(まとめて「金属板等」という)の反射材を貼り合わせる側の面に、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系等の接着剤を塗布し、反射材を貼り合わせることができる。
かかる方法においては、リバースロールコーター、キスロールコーター等の一般的に使用されるコーティング設備を使用し、反射材を貼り合わせる金属板等の表面に、乾燥後の接着剤膜厚が2μm〜4μm程度となるように接着剤を塗布する。
次いで、赤外線ヒーターおよび熱風加熱炉により塗布面の乾燥および加熱を行い、金属板等の表面を所定の温度に保持しつつ、直ちにロールラミネーターを用いて、反射材を被覆、冷却することにより、反射板を得ることできる。
本反射材の用途としては、液晶ディスプレイ等の液晶表示装置、照明器具、照明看板等に用いられる反射部材として有用である。
一般に液晶ディスプレイは、液晶パネル、偏光反射シート、拡散シート、導光板、反射シート、光源、光源リフレクタ等から構成されている。
本反射材は、光源からの光を効率よく液晶パネルや導光板へ入射させる役割をする反射材として使用することもできるし、エッジ部に配置された光源からの照射光を集光し導光板に入射させる役割を有する光源リフレクタとして使用することもできる。
<用語の説明>
一般的に「フィルム」とは、長さおよび幅に比べて厚みが極めて小さく、最大厚みが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいい(日本工業規格JISK6900)、一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚みが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいう。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとし、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとする。
本発明において、「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」および「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
以下に実施例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
<測定および評価方法>
先ず、実施例・比較例で得たサンプルの各種物性値の測定方法および評価方法について説明する。
(伸長粘度)
高化式フローテスタ(「CFT−500C」、島津製作所(株)製)を用いて、次の条件で伸長粘度を測定した。
使用ノズル:直径1mm×長さ10mm、および0mm
予熱時間:5分
測定温度:200℃
伸長速度:100(1/秒)
(空隙率)
未発泡シートの密度(「未発泡シート密度」と表記する)と、発泡後のシートの密度(「発泡シート密度」と表記する)を測定し、下記式に代入して発泡シート体の空隙率(%)を求めた。
空隙率(%)={(未発泡シート密度−発泡シート密度)/未発泡シート密度}×100
(反射率)
分光光度計(「U―3900H」、(株)日立製作所製)に積分球を取付け、波長550nmの光に対する反射率を測定した。
なお、測定前に、アルミナ白板の反射率が100%になるように光度計を設定した。
(実施例1)
ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP FY6HA」、密度(JISK−7112):0.9g/cm、MFR(230℃、21.18N、JISK−7210):2.4g/10min)のペレットと、酸化チタン(KRONOS社製、商品名「KRONOS2230」、密度4.2g/cm、ルチル型酸化チタン、Al,Si表面処理、TiO含有量96.0%、製造法:塩素法)、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン(三菱レイヨン社製、商品名「メタブレンA3000」)とを、59:40:1の質量割合で混合した後、270℃で加熱された二軸押出機を用いてペレット化した。このペレットと化学発泡剤(三協化成社製、商品名「セルマイクMB3094」、分解温度180〜220℃)とを、98:2の質量割合で混合して樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物を、230℃に加熱された押出機に供給し、押出機において溶融混練した後、170℃に設定したTダイに供給してシート状に押出し、冷却固化して厚み400μmの未延伸発泡シート体を形成し、これを反射材(サンプル)とした。
得られた反射材(サンプル)について、空隙率、反射率の評価を行った。また、樹脂組成物については伸長粘度の評価を行った。
(実施例2)
ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP FY6HA」)のペレットと、酸化チタン(KRONOS社製、商品名「KRONOS2230」)、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン(三菱レイヨン社製、商品名「メタブレンA3000」)とを、68.5:30:1.5の質量割合で混合した後、270℃で加熱された二軸押出機を用いてペレット化した。このペレットと化学発泡剤(三協化成社製、商品名「セルマイクMB3094」、分解温度180〜220℃)とを、98:2の質量割合で混合して樹脂組成物とした。
上記樹脂組成物を、230℃に加熱された押出機に供給し、押出機において溶融混練したところに、炭酸ガス(二酸化炭素)をオレフィン系樹脂100質量部に対して0.005質量部の割合で圧入して、さらに溶融混練した後、170℃に設定したTダイに供給してシート状に押出し、冷却固化して厚み400μmの未延伸発泡シート体を形成させて、これを反射材(サンプル)とした。得られた反射材(サンプル)および樹脂組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例3)
ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP FY6HA」)のペレットと、酸化チタン(KRONOS社製、商品名「KRONOS2230」)、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン(三菱レイヨン社製、商品名「メタブレンA3000」)とを、68.5:30:1.5の質量割合で混合した後、270℃で加熱された二軸押出機を用いてペレット化し樹脂組成物を作製した。
上記樹脂組成物を、230℃に加熱された押出機に供給し、押出機において溶融混練したところに、炭酸ガス(二酸化炭素)をオレフィン系樹脂100質量部に対して0.005質量部の割合で圧入して、さらに溶融混練した後、170℃に設定したTダイに供給してシート状に押出し、冷却固化して厚み400μmの未延伸発泡シート体を形成させて、これを反射材(サンプル)とした。得られた反射材(サンプル)および樹脂組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
(実施例4)
実施例1の樹脂組成物の作製において、ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP FY6HA」)のペレットと、酸化チタン(KRONOS社製、商品名「KRONOS2230」)、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン(三菱レイヨン社製、商品名「メタブレンA3000」)とを、59.7:40:0.3の質量割合で混合した点を除いて、実施例1と同様にして、厚み400μmの未延伸発泡シート体を形成させて、これを反射材(サンプル)とした。
得られた反射材(サンプル)および樹脂組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
(比較例1)
ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP FY6HA」)のペレットと、酸化チタン(KRONOS社製、商品名「KRONOS2230」)とを、60:40の質量割合で混合した後、270℃で加熱された二軸押出機を用いてペレット化した。このペレットと化学発泡剤(三協化成社製、商品名「セルマイクMB3094」、分解温度180〜220℃)とを、98:2の質量割合で混合して樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物を、230℃に加熱された押出機に供給し、押出機において溶融混練した後、170℃に設定したTダイに供給してシート状に押出し、冷却固化して厚み400μmの発泡シート体を形成させて、これを反射材(サンプル)とした。
得られた反射材(サンプル)および樹脂組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
(比較例2)
ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP FY6HA」)のペレットと化学発泡剤(三協化成社製、商品名「セルマイクMB3094」、分解温度180〜220℃)とを、97:3の質量割合で混合して樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物を、230℃に加熱された押出機に供給し、押出機において溶融混練した後、170℃に設定したTダイに供給してシート状に押出し、冷却固化して厚み400μmの発泡シート体を形成させて、これを反射材(サンプル)とした。
得られた反射材(サンプル)および樹脂組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
(比較例3)
ポリプロピレン系樹脂(日本ポリプロ社製、商品名「ノバテックPP FY6HA」)のペレットと、アクリル変性ポリテトラフルオロエチレン(三菱レイヨン社製、商品名「メタブレンA3000」)とを、98.3:1.7の質量割合で混合した後、270℃で加熱された二軸押出機を用いてペレット化した。このペレットと化学発泡剤(三協化成社製、商品名「セルマイクMB3094」、分解温度180〜220℃)とを、97:3の質量割合で混合して樹脂組成物を得た。
上記樹脂組成物を、230℃に加熱された押出機に供給し、押出機において溶融混練した後、170℃に設定したTダイに供給してシート状に押出し、冷却固化して厚み400μmの発泡シート体を形成させて、これを反射材(サンプル)とした。
得られた反射材(サンプル)および樹脂組成物について、実施例1と同様の評価を行った。
Figure 2012189661
実施例1−4の反射材と比較例1―2の反射材を顕微鏡観察により比較すると、実施例1−4の反射材は、比較例1―2の反射材に比べて、内部の気泡が微少でかつ均一であることが顕著な差として確認できた。
表1から明らかなように、実施例1〜3の反射材は、波長550nmの光に対する反射率が95%以上で、高い光反射性を有していることが分かった。一方で、比較例1〜3の反射材の反射率は、実施例のそれに及ばず、光反射性の点で劣ることがわかった。
これらの点からすると、少なくともオレフィン系樹脂、微粉状充填材、発泡剤およびアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンを含有してなる樹脂組成物では、伸長粘度が10,000(Pa・s)以上に制御されて発泡が円滑に行われることにより空隙率が向上するとともに、オレフィン系樹脂と微粉状充填材との界面での屈折散乱効果と合わせて、高い光反射性を得ることができるものと考えられる。


Claims (10)

  1. オレフィン系樹脂、微粉状充填材、発泡剤およびアクリル変性ポリテトラフルオロエチレンを含有する樹脂組成物から形成された、内部に空隙を有する未延伸発泡シート体を光反射層として備えたオレフィン系樹脂反射材。
  2. 前記発泡剤が、化学発泡剤、又は物理的発泡剤、又はこれら両方であることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン系樹脂反射材。
  3. 発泡剤の含有量が、オレフィン系樹脂100質量部に対して0.001〜20質量部の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオレフィン系樹脂反射材。
  4. アクリル変性ポリテトラフルオロエチレンの含有量が、発泡剤100質量部に対して5〜200質量部の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のオレフィン系樹脂反射材。
  5. 前記未延伸発泡シート体の空隙率が10〜60%であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のオレフィン系樹脂反射材。
  6. 前記微粉状充填材が、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、および酸化チタンからなる群より選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のオレフィン系樹脂反射材。
  7. 微粉状充填材の含有量が、樹脂組成物の全体質量に対して10〜70質量%であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のオレフィン系樹脂反射材。
  8. 光反射層を構成する樹脂組成物の溶融時の伸長粘度が10,000(Pa・s)〜200,000(Pa・s)の範囲内であることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のオレフィン系樹脂反射材。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載のオレフィン系樹脂反射材を、金属板又は樹脂板に積層してなる構成を備えた反射板。
  10. 液晶ディスプレイ、照明器具、或いは照明看板の構成部材として使用することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のオレフィン系樹脂反射材。
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