JP2012183944A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させること。
【解決手段】この発明は、ブロック5のラグ溝4の側壁面51が、タイヤ幅方向外側の領域とタイヤ幅方向内側の領域とに2分割されている。2つの領域のいずれか一方の領域の側壁面52は、タイヤ径方向に連続する凹凸形状の側壁面をなす。2つの領域のいずれか他方の領域の側壁面53は、一方の領域の側壁面52の形状と異なる形状の側壁面をなす。ブロック5のラグ溝4の側壁面51が路面接地時においてラグ溝4側に変形突出する量が、一方の領域側の側壁面52が他方の領域側の側壁面53よりも小である。この結果、この発明は、ラグ溝に詰まった雪を効果的に排出することができるので、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることができる。
【選択図】図3

Description

この発明は、たとえば、トラックやバスなどの空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)に関するものである。特に、この発明は、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることができる空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)に関するものである。
空気入りタイヤは、一般的に、タイヤ周方向に設けられている複数本の周溝とタイヤ幅方向に設けられている複数本のラグ溝とにより区画形成されていて、表面が路面に接地する複数個のブロックを備えるものである。かかる空気入りタイヤにおいては、ブロックのラグ溝の側壁面の形状やブロックの周溝の側壁面の形状に、諸性能を向上させるための技術が施されている。
たとえば、特許文献1の空気入りタイヤは、制動性能を向上させるために、蹴り出し側のブロック側壁に、制動時に路面と接触するジグザグ領域を有するものである。
特許文献2の空気入りタイヤは、溝内の流体抵抗を低減し、ウエット性能の向上を図るために、小溝を周方向溝及び横溝の溝壁に設けるものである。
特許文献3の空気入りタイヤは、トレッド表面の溝によってもたらされる諸性能を犠牲にすることなく、石噛み防止性能を向上させるために、溝の側壁面に鋸刃状突起を有するものである。
特許文献4の空気入りタイヤは、トレッド表面に形成されたブロックの接地圧の均一化を図るために、ブロックの側壁に溝深さ方向断面三角形の溝を形成するものである。
ここで、空気入りタイヤにおいては、前記の諸性能を向上させることも重要であるが、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることも重要である。すなわち、氷上性能と雪上性能とを重視した空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)において、接地時にラグ溝に形成された雪柱が路面離反後も排出されずに詰まってしまい、雪上において十分な制動動力が得づらいという問題がある。これは、雪上性能とともに氷上性能も維持する必要があるために、必要以上にラグ溝の面積(ラグ溝容積)を大きくできないことが原因の1つとしてある。そこで、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させるためには、ラグ溝の面積(ラグ溝の容積)を増す以外の手段として、ラグ溝に詰まった雪を効率良く排出するようなラグ溝形状にする必要がある。
特開2005−162026号公報 特開2002−219906号公報 特開2002−036822号公報 特開平11−151912号公報
この発明が解決しようとする課題は、空気入りタイヤにおいて、ラグ溝に詰まった雪を効果的に排出して、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることにある。
この発明(請求項1にかかる発明)は、ブロックのラグ溝の側壁面が、タイヤ幅方向外側の領域とタイヤ幅方向内側の領域とに2分割されていて、2つの領域のいずれか一方の領域の側壁面が、タイヤ径方向に少なくとも1周期以上の凹凸を有する凹凸形状の側壁面をなし、2つの領域のいずれか他方の領域の側壁面が、一方の領域の側壁面の形状と異なる形状の側壁面をなしていて、向かい合うブロックのラグ溝の側壁面の一方の領域と他方の領域との位置関係が、互い違いの位置関係にあり、1個のブロックにおいて、2つのラグ溝の側壁面の一方の領域と他方の領域との位置関係が、互い違いの位置関係にある、ことを特徴とする。
この発明(請求項2にかかる発明)は、一方の領域の凹凸のタイヤ径方向のピッチPとラグ溝の深さDとが、0.1≦P/D≦0.5の比関係を有し、一方の領域の凹凸の高さHとブロックのタイヤ周方向の長さLとが、0.05≦H/L≦0.3の比関係を有する、ことを特徴とする。
この発明(請求項3にかかる発明)は、他方の領域の側壁面が、少なくとも1箇所の角度変化点を有し、角度変化点が、ブロックの表面(トレッド面、トレッド表面)とラグ溝の側壁面との角と、ラグ溝の側壁面とラグ溝の底壁面との角とを結ぶ直線よりもラグ溝側に位置する、ことを特徴とする。
この発明(請求項4にかかる発明)は、一方の領域の凸先端を結ぶ直線が、ブロックの表面に対して垂直な線(トレッド法線)と平行であり、他方の領域の角度変化点Nとラグ溝の深さDとが、0.3≦N/D≦0.7の比関係を有する、ことを特徴とする。
この発明(請求項1にかかる発明)の空気入りタイヤは、ブロックの表面が路面(雪路面、氷路面)に接地して、ブロックのラグ溝の側壁面がラグ溝側に変形突出する際に、一方の領域の変形突出量が他方の領域の変形突出量よりも小さい。このために、この発明(請求項1にかかる発明)の空気入りタイヤは、一方の領域の変形突出量と他方の領域の変形突出量との違い(差)により、蹴り出しの際にラグ溝中に詰まった雪に回転力(捩れ力)が作用するので、ラグ溝中に詰まった雪がラグ溝から排出(吐出、取出)される。すなわち、接地した際に発生する変形量差が起因となって、ブロックにねじりが加わる。そして、蹴り出しの際にはすべりが発生するので、ブロックはねじりが戻るような動きをする。このブロックのねじり戻りの動きがラグ溝中に詰まった雪(雪柱)に回転力として伝わる。この結果、ラグ溝中に詰まった雪がラグ溝から排出(吐出、取出)される。これにより、この発明(請求項1にかかる発明)の空気入りタイヤは、雪上性能を向上させることができる。一方、この発明(請求項1にかかる発明)の空気入りタイヤは、他方の領域の変形突出量が一方の領域の変形突出量よりも大きいので、氷上性能を維持することができる。
この発明(請求項2にかかる発明)の空気入りタイヤは、一方の領域の凹凸のタイヤ径方向のピッチPとラグ溝の深さDとの比を0.1≦P/D≦0.5の関係とし、一方の領域の凹凸の高さHとブロックのタイヤ周方向の長さLとの比を0.05≦H/L≦0.3の関係とすることにより、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることができる。すなわち、一方の領域の凹凸のタイヤ径方向のピッチPとラグ溝の深さDとの比が前記の範囲(0.1≦P/D≦0.5)から外れると、雪柱排出機能(ラグ溝中に詰まった雪をラグ溝から排出する機能)が十分に得られない。
この発明(請求項3にかかる発明)の空気入りタイヤは、他方の領域の側壁面の形状が簡単であるから、製造コストを安価にすることができる。しかも、この発明(請求項3にかかる発明)の空気入りタイヤは、簡単な形状で、他方の領域の変形突出量を一方の領域の変形突出量よりも確実に大きくすることができるので、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることができる。
この発明(請求項4にかかる発明)の空気入りタイヤは、一方の領域の凸先端を結ぶ直線がブロックの表面に対して垂直な線と平行であるから、一方の領域の変形突出量をある程度小さく抑制することができ、その結果、溝面積(溝容積)をある程度大きくすることができるので、雪上性能をさらに向上させることができる。しかも、この発明(請求項4にかかる発明)の空気入りタイヤは、他方の領域の角度変化点Nとラグ溝の深さDとの比を0.3≦N/D≦0.7の関係とすることにより、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることができる。すなわち、他方の領域の角度変化点Nとラグ溝の深さDとの比が前記の範囲(0.3≦N/D≦0.7)から外れると、他の領域の角度変化点Nが十分に変化しない(他方の領域の変形突出量が十分ではない)。
図1は、この発明にかかる空気入りタイヤの実施の形態を示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、同じく、図1におけるII矢視図(トレッドパターン図)である。 図3は、同じく、図2におけるIII−III線矢視図(一部斜視図)である。 図4は、同じく、路面に接地した状態を示す図2におけるIII−III線矢視図(一部斜視図)である。 図5は、同じく、図3におけるV矢視図(一部側面図)である。 図6は、同じく、路面に接地した状態を示す図3におけるV矢視図(一部側面図)である。 図7は、同じく、一方の領域の変形突出量と他方の領域の変形突出量との違いを示す説明図である。 図8は、同じく、一方の領域の寸法比および他方の領域の寸法比を示す説明図である。 図9は、同じく、図3におけるIX矢視図(一部平面図)である。 図10は、この発明にかかる空気入りタイヤの変形例1を示す一部斜視図である。 図11は、この発明にかかる空気入りタイヤの変形例2を示す一部斜視図である。 図12は、この実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す説明図である。
以下、この発明にかかる空気入りタイヤの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
「空気入りタイヤ1の構成の説明」
図において、符号1は、この実施の形態における空気入りタイヤである。前記空気入りタイヤ1は、図1に示すように、ビードコア11と、ビードフィラー12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、サイドウォールゴム16とを備える。前記ビードコア11は、環状構造を有し、左右一対を一組として構成される。前記ビードフィラー12は、アッパーフィラー122およびローアーフィラー121から成り、前記ビードコア11のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのビード部を補強する。前記カーカス層13は、単層構造を有し、左右の前記ビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。前記カーカス層13の両端部は、前記ビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に折り返されて係止される。前記ベルト層14は、積層された複数のベルトプライ141〜144から成り、前記カーカス層13のタイヤ径方向外周に配置される。前記ベルトプライ141〜144は、スチール繊維材あるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードを圧延加工して構成される。前記トレッドゴム15は、前記カーカス層13および前記ベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。前記サイドウォールゴム16は、左右一対を一組として構成され、前記カーカス層13のタイヤ幅方向外側に配置されてタイヤのサイドウォール部を構成する。
前記空気入りタイヤ1は、図2に示すように、タイヤ周方向に延在する複数の周溝(周方向主溝)21、22と、前記周方向主溝21、22に区画されて成る複数の陸部31〜33とを、トレッド部に備える。例えば、この実施の形態においては、前記空気入りタイヤ1が4本の前記周方向主溝21、22と、5本の前記陸部31〜33とを備え、これらにより、リブ状の陸部31〜33を基調とした左右対称のトレッドパターンが形成されている。ここでは、タイヤ赤道線CL上にある陸部31をセンター陸部と呼び、前記センター陸部31に隣り合う左右の陸部32、32をセカンド陸部と呼び、タイヤ幅方向の最も外側にある左右の陸部33、33をショルダー陸部と呼ぶ。
前記陸部31〜33には、複数本のラグ溝4がタイヤ幅方向に設けられている。複数本の前記周方向主溝21、22と複数本の前記ラグ溝4とにより、複数個のブロック5が画成形成されている。前記ブロック5の表面(トレッド面、トレッド表面)50が図示しない路面(雪路面、氷路面)に接地する。
前記ブロック5の前記ラグ溝4の側壁面51は、タイヤ幅方向外側の領域とタイヤ幅方向内側の領域とに2分割されている。前記2つの領域のいずれか一方の領域の側壁面52は、タイヤ径方向に少なくとも1周期以上の凹凸を有する凹凸形状の側壁面、たとえば、タイヤ径方向に連続する波状(円弧状、曲面状)の凹凸形状の側壁面をなす。
前記2つの領域のいずれか他方の領域の側壁面53は、前記一方の領域の側壁面52の形状と異なる形状の側壁面をなす。すなわち、図8に示すように、前記他方の領域の側壁面53は、少なくとも1箇所この例では1箇所の角度変化点(角度変化線)54を有する。前記角度変化点54は、前記ブロック5の表面50と前記ラグ溝4の側壁面51との角Cと、前記ラグ溝4の側壁面51と前記ラグ溝4の底壁面55との角Eとを結ぶ直線Aよりも前記ラグ溝4側に位置する。前記角度変化点54を挟む前記他方の領域の側壁面53の前記ラグ溝4側の角度αは、180°以上250°以下である。250°より大きくなると溝容積が減少し、十分な雪上性能が得られなくなる。
図7に示すように、前記ブロック5の前記ラグ溝4の側壁面51(52、53)が路面接地時において前記ラグ溝4側に変形突出する量は、前記一方の領域側が前記他方の領域側よりも小である。なお、図7において、実線で示すブロック5は、路面に接触していない状態のブロック、すなわち、変形していない状態のブロックである。点線で示すブロック5は、路面に接触している状態のブロック、すなわち、変形している状態のブロックである。前記一方の領域の側壁面52の変形突出量Fは、前記他方の領域の側壁面53の変形突出量Gよりも小である。
向かい合う前記ブロック5、5の前記ラグ溝4の側壁面51の前記一方の領域と前記他方の領域との位置関係は、互い違いの位置関係にある。すなわち、一の前記ブロック5の前記一方の領域の側壁面52と、他の前記ブロック5の前記他方の領域の側壁面53とは、前記ラグ溝4を挟んで対向する。また、一の前記ブロック5の前記他方の領域の側壁面53と、他の前記ブロック5の前記一方の領域の側壁面52とは、前記ラグ溝4を挟んで対向する。
1個の前記ブロック5(図9中の左側のブロック5、あるいは、図9中の右側のブロック5)において、2つの前記ラグ溝4の側壁面51の一方の領域の側壁面52と他方の領域の側壁面53との位置関係も互い違いの位置関係にある。すなわち、一方の前記ラグ溝4における一方の領域の側壁面52と他方の前記ラグ溝4における一方の領域の側壁面52とは、対角線上に位置し、かつ、一方の前記ラグ溝4における他方の領域の側壁面53と他方の前記ラグ溝4における他方の領域の側壁面53とは、対角線上に位置する。
前記一方の領域の側壁面52の凹凸のタイヤ径方向のピッチPと、前記ラグ溝4の深さDとは、0.1≦P/D≦0.5の比関係を有し、この例では、P/D=0.3である。前記一方の領域の側壁面52の凹凸の高さHと、前記ブロック5のタイヤ周方向の長さLとは、0.05≦H/L≦0.3、好ましくは、0.05≦H/L≦0.2の比関係を有し、この例では、H/L=0.2である。
前記一方の領域の側壁面52の凸先端を結ぶ直線Bは、前記ブロック5の表面50に対して垂直な線(トレッド法線)Iと、平行である。前記他方の領域の側壁面53の前記角度変化点Nと、前記ラグ溝4の深さDとは、0.3≦N/D≦0.7の比関係を有し、この例では、N/D=0.5である。
前記一方の領域の側壁面52のタイヤ幅方向の長さ(前記ラグ溝4の幅方向の長さ)と、前記他方の領域の側壁面53のタイヤ幅方向の長さ(前記ラグ溝4の幅方向の長さ)とは、前記ブロック5のタイヤ幅方向の長さWに対して、30%〜50%、70%〜50%、好ましくは、35%〜45%、65%〜55%であり、この例では、50%、50%である。すなわち、一方の領域の側壁面52のタイヤ幅方向の長さは、前記他方の領域の側壁面53のタイヤ幅方向の長さよりも短い(小さい)。逆に、一方の領域の側壁面52のタイヤ幅方向の長さが前記他方の領域の側壁面53のタイヤ幅方向の長さよりも長く(大きく)なると、接地した際に溝壁が大きく変形する領域(非凹凸領域、他方の領域)が減ることになり、雪柱に十分な回転力を伝えられなくなり、雪の排出効果が低下する。
「空気入りタイヤ1の作用の説明」
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
空気入りタイヤ1のブロック5は、ブロック5の表面50が路面に接地していない状態の時には、図3、図5、図7中の実線で示す状態にあり、ブロック5の表面50が路面に接地している状態の時には、変形して、図4、図6、図7中の点線で示す状態にある。
この時、空気入りタイヤ1のブロック5の一方の領域の側壁面52の変形突出量Fは、他方の領域の側壁面53の変形突出量Gよりも小である。この結果、一方の領域の側壁面52の変形突出量Fと他方の領域の側壁面53の変形突出量Gとの違い(差)により、空気入りタイヤ1のブロック5において、回転力(捩れ力)が作用するので、ラグ溝4中に詰まった雪(図示せず)がラグ溝4から排出(吐出、取出)される。
「空気入りタイヤ1の効果の説明」
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、ブロック5の表面50が路面(雪路面、氷路面)に接地して、ブロック5のラグ溝4の側壁面51、52、53がラグ溝4側に変形突出する際に、一方の領域の側壁面52の変形突出量Fが他方の領域の側壁面53の変形突出量Gよりも小さい。このために、この実施の形態における空気入りタイヤ1は、一方の領域の側壁面52の変形突出量Fと他方の領域の側壁面53の変形突出量Gとの違い(差)により、蹴り出しの際にラグ溝4中に詰まった雪(図示せず)に回転力(捩れ力)が作用するので、ラグ溝4中に詰まった雪がラグ溝4から排出(吐出、取出)される。すなわち、接地した際に発生する変形量差が起因となって、ブロック5にねじりが加わる。そして、蹴り出しの際にはすべりが発生するので、ブロック5はねじりが戻るような動きをする。このブロック5のねじり戻りの動きがラグ溝4中に詰まった雪(雪柱)に回転力として伝わる。この結果、ラグ溝4中に詰まった雪がラグ溝から排出(吐出、取出)される。これにより、この実施の形態における空気入りタイヤ1は、雪上性能を向上させることができる。一方、この実施の形態における空気入りタイヤ1は、他方の領域の側壁面53の変形突出量Gが一方の領域の側壁面52の変形突出量Fよりも大きいので、氷上性能を維持することができる。
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、向かい合うブロック5、5のラグ溝4の側壁面51の一方の領域の側壁面52と他方の領域の側壁面53との位置関係が互い違いであるから、ラグ溝4中に詰まった雪に回転方向として同じ方向の回転力が作用するので、ラグ溝4中に詰まった雪がラグ溝4から確実に排出される。これにより、この実施の形態における空気入りタイヤ1は、雪上性能をさらに向上させることができる。
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、一方の領域の側壁面52の凹凸のタイヤ径方向のピッチPとラグ溝4の深さDとの比をP/D=0.3とし、一方の領域の側壁面52の凹凸の高さHとブロック5のタイヤ周方向の長さLとの比をH/L=0.2とすることにより、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることができる。
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、他方の領域の側壁面53の形状が簡単であるから、製造コストを安価にすることができる。しかも、この実施の形態における空気入りタイヤ1は、簡単な形状で、他方の領域の側壁面53の変形突出量Gを一方の領域の側壁面52の変形突出量Fよりも確実に大きくすることができるので、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることができる。
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、一方の領域の側壁面52の凸先端を結ぶ直線Bがブロック5の表面50に対して垂直な線(トレッド法線)Iと平行であるから、一方の領域の側壁面52の変形突出量Fをある程度小さく抑制することができ、その結果、溝面積(溝容積)をある程度大きくすることができるので、雪上性能をさらに向上させることができる。しかも、この実施の形態における空気入りタイヤ1は、他方の領域の側壁面53の角度変化点Nとラグ溝4の深さDとの比をN/D=0.5とすることにより、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることができる。
「変形例の説明」
図10は、この発明にかかる空気入りタイヤの変形例1を示す一部斜視図である。図11は、この発明にかかる空気入りタイヤの変形例2を示す一部斜視図である。前記の発明の実施の形態における空気入りタイヤ1は、一方の領域の側壁面52がタイヤ径方向に連続する波状(円弧状、曲面状)の凹凸形状の側壁面をなすものである。
これに対して、変形例1における空気入りタイヤ1は、一方の領域の側壁面56がタイヤ径方向に連続する三角形状の凹凸形状の側壁面をなすものである。変形例2における空気入りタイヤ1は、一方の領域の側壁面57がタイヤ径方向に連続する矩形状の凹凸形状の側壁面をなすものである。なお、一方の領域の側壁面の凹凸の形状は、任意の形状である。たとえば、波状と三角形状との組み合わせ、波状と矩形状との組み合わせ、三角形状と矩形状との組み合わせ、などである。
図12は、この実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す説明図(表)である。この実施例では、相互に異なる複数の空気入りタイヤについて、雪上制動性、氷上制動性、ラグ溝の目詰まりに関する性能試験が行われた。
試験タイヤは、12R22.5を使用した。試験条件は、規定リム、規定空気圧、規格最大荷重である。雪上制駆動性は、フィーリング評価である。氷上制駆動性は、フィーリング評価である。ラグ目詰まりは、雪によるラグ溝の目詰まりの面積である。性能指数は、雪上制駆動性、氷上制駆動性、ラグ目詰まりであって、従来例を100(基準)として、数値が大きいほど良い。以下、詳細に説明する。
雪上制動性・氷上制動性評価は、雪上・氷上路おいて、初速度40km/hから制動を開始したときの制動距離を測定し、その評価結果について従来タイヤを100とする指数で示した。この指数値が大きいほど制動性が優れている。
雪上駆動性・氷上駆動性評価は、雪上・氷上路おいて、車両停止状態から発進・走行し、テストドライバーのフィーリングにて評価し、その評価結果について従来タイヤを100とする指数で示した。この指数値が大きいほど駆動性が優れている。
目詰まり評価は、雪上路を一定時間走行後、雪が詰まっているラグ溝の総表面積を算出し、その評価結果について従来タイヤを100とする指数で示した。この指数値が大きいほど制動性が優れている。
また、規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、ただし、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
従来例と比較例1、2と実施例1、2、3、4、5、6、7、8との効果の差異を、図12に示すように、規定内容(1)〜(8)および規定範囲(1)〜(8)に基づいて説明する。
まず、規定内容においては、規定内容(1)−「ブロック5のラグ溝4の側壁面51の形状」、規定内容(2)−「向かい合うブロック5のラグ溝4の側壁面51の一方の領域52と他方の領域53との位置関係」、規定内容(3)−「他方の領域の側壁面53の角度変化点54の数」、規定内容(4)−「角度変化点54の位置」、規定内容(5)−「角度変化点54を挟む他方の領域の側壁面53のラグ溝4側の角度α」、規定内容(6)−「凹凸のピッチPとラグ溝4の深さDとの比P/D」、規定内容(7)−「凹凸の高さHとブロック5のタイヤ周方向の長さとの比H/L」、規定内容(8)−「角度変化点54の深さNとラグ溝4の深さDとの比N/D」である。
また、規定範囲においては、規定範囲(1)−「一方の領域52の凹凸形状他方の領域53の異なる形状」、規定範囲(2)−「互い違い」、規定範囲(3)−「1つ以上」、規定範囲(4)−「直線Aよりもラグ溝4側」、規定範囲(5)−「180°≦α≦250°」、規定範囲(6)−「0.1≦P/D≦0.5」、規定範囲(7)−「0.05≦H/L≦0.3、好ましくは、0.05≦H/L≦0.2」、規定範囲(8)−「0.3≦N/D≦0.7」である。
前記の規定内容(1)〜(8)および前記の規定範囲(1)〜(8)に基づいて、「雪上制動性」、「雪上駆動性」、「氷上制動性」、「氷上駆動性」、「ラグ溝の目詰まり」、について確認した。
従来例の空気入りタイヤは、ブロックのラグ溝の側壁面の形状が全面平面をなすものである。従来例の空気入りタイヤは、雪上制動性が100であり、氷上制動性が100であり、ラグ溝の目詰まりが100である。
比較例1の空気入りタイヤは、前記の特許文献1の空気入りタイヤであって、蹴り出し側のブロック側壁に、制動時に路面と接触するジグザグ領域を有し、凹凸のピッチとラグ溝の深さとの比P/Dが0.15〜0.3である。比較例1の空気入りタイヤは、雪上制動性が100であり、氷上制動性が100であり、ラグ溝の目詰まりが98である。
比較例2の空気入りタイヤは、前記の特許文献2、3、4の空気入りタイヤであって、小溝を周方向溝及び横溝の溝壁に設けるものである。なお、凹凸のピッチとラグ溝の深さとの比P/D、および、凹凸の高さとブロックのタイヤ周方向の長さとの比H/Lにおいては、規定違いであるが、設定する可能性がある。比較例2の空気入りタイヤは、雪上制動性が100であり、氷上制動性が100であり、ラグ溝の目詰まりが98である。
これに対して、実施例1〜8の空気入りタイヤ1は、規定内容(1)の「ブロック5のラグ溝4の側壁面51の形状」において、規定範囲(1)の「一方の領域の側壁面52、56、57がタイヤ径方向に少なくとも1周期以上の凹凸を有する凹凸形状をなし、他方の領域の側壁面53が一方の領域の側壁面52、56、57の形状と異なる形状」をなしている。また、実施例1〜8の空気入りタイヤ1は、規定内容(2)の「向かい合うブロック5、5のラグ溝4の側壁面51の一方の領域の側壁面52、56、57と他方の領域の側壁面53との位置関係」が規定範囲(2)の「互い違いの関係」にある。
実施例1の空気入りタイヤ1は、請求項1にかかる発明の空気入りタイヤに相当し、規定内容(3)の「他方の領域の側壁面の角度変化点の数」が規定範囲(3)の「0」である。すなわち、他方の領域の側壁面が1つの平面からなる。また、実施例1の空気入りタイヤ1は、規定内容(6)の「一方の領域の側壁面52の凹凸のタイヤ径方向のピッチPとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(6)の「P/D=0.05」とし、規定内容(7)の「一方の領域の側壁面52の凹凸の高さHとブロック5のタイヤ周方向の長さLとの比」を規定範囲(7)の「H/L=0.02」とするものである。この結果、実施例1の空気入りタイヤ1は、雪上制動性が103であり、雪上駆動性が103であり、氷上制動性が100であり、氷上駆動性が100であり、ラグ溝の目詰まりが103である効果が得られる。
実施例2〜7の空気入りタイヤ1は、規定内容(3)の「他方の領域の側壁面の角度変化点の数」が規定範囲(3)の「1つ」である。すなわち、他方の領域の側壁面が2つの平面からなる。また、実施例2〜8の空気入りタイヤ1は、規定内容(4)の「角度変化点54の位置」が規定範囲(4)の「直線Aよりラグ溝4側」に位置する。さらに、実施例2〜8の空気入りタイヤ1は、規定内容(5)の「角度変化点54を挟む他方の領域の側壁面53のラグ溝4側の角度α」が規定範囲(5)の「200°」である。
さらに、実施例2の空気入りタイヤ1は、請求項3(請求項1を引用)にかかる発明の空気入りタイヤにほぼ相当し、規定内容(6)の「一方の領域の側壁面52の凹凸のタイヤ径方向のピッチPとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(6)の「P/D=0.05」とし、規定内容(7)の「一方の領域の側壁面52の凹凸の高さHとブロック5のタイヤ周方向の長さLとの比」を規定範囲(7)の「H/L=0.02」とし、規定内容(8)の「他方の領域の側壁面53の角度変化点Nとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(8)の「N/D=0.2」とするものである。この結果、実施例2の空気入りタイヤ1は、雪上制動性が104であり、雪上駆動性が104であり、氷上制動性が100であり、氷上駆動性が100であり、ラグ溝の目詰まりが104である効果が得られる。
さらに、実施例3の空気入りタイヤ1は、請求項3(請求項2を引用)にかかる発明の空気入りタイヤにほぼ相当し、規定内容(6)の「一方の領域の側壁面52の凹凸のタイヤ径方向のピッチPとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(6)の「P/D=0.1」とし、規定内容(7)の「一方の領域の側壁面52の凹凸の高さHとブロック5のタイヤ周方向の長さLとの比」を規定範囲(7)の「H/L=0.05」とし、規定内容(8)の「他方の領域の側壁面53の角度変化点Nとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(8)の「N/D=0.1」とするものである。この結果、実施例3の空気入りタイヤ1は、雪上制動性が105であり、雪上駆動性が105であり、氷上制動性が100であり、氷上駆動性が100であり、ラグ溝の目詰まりが105である効果が得られる。
さらに、実施例4の空気入りタイヤ1は、請求項3(請求項2を引用)にかかる発明の空気入りタイヤに相当し、規定内容(6)の「一方の領域の側壁面52の凹凸のタイヤ径方向のピッチPとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(6)の「P/D=0.3」とし、規定内容(7)の「一方の領域の側壁面52の凹凸の高さHとブロック5のタイヤ周方向の長さLとの比」を規定範囲(7)の「H/L=0.2」とし、規定内容(8)の「他方の領域の側壁面53の角度変化点Nとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(8)の「N/D=0.2」とするものである。この結果、実施例4の空気入りタイヤ1は、雪上制動性が106であり、雪上駆動性が106であり、氷上制動性が100であり、氷上駆動性が100であり、ラグ溝の目詰まりが106である効果が得られる。
さらにまた、実施例5の空気入りタイヤ1は、請求項4にかかる発明の空気入りタイヤに相当し、規定内容(6)の「一方の領域の側壁面52の凹凸のタイヤ径方向のピッチPとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(6)の「P/D=0.1」とし、規定内容(7)の「一方の領域の側壁面52の凹凸の高さHとブロック5のタイヤ周方向の長さLとの比」を規定範囲(7)の「H/L=0.1」とし、規定内容(8)の「他方の領域の側壁面53の角度変化点Nとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(8)の「N/D=0.3」とするものである。この結果、実施例5の空気入りタイヤ1は、雪上制動性が106であり、雪上駆動性が106であり、氷上制動性が100であり、氷上駆動性が100であり、ラグ溝の目詰まりが106である効果が得られる。
さらにまた、実施例6の空気入りタイヤ1は、請求項4にかかる発明の空気入りタイヤに相当し、規定内容(6)の「一方の領域の側壁面52の凹凸のタイヤ径方向のピッチPとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(6)の「P/D=0.3」とし、規定内容(7)の「一方の領域の側壁面52の凹凸の高さHとブロック5のタイヤ周方向の長さLとの比」を規定範囲(7)の「H/L=0.2」とし、規定内容(8)の「他方の領域の側壁面53の角度変化点Nとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(8)の「N/D=0.5」とするものである。この結果、実施例6の空気入りタイヤ1は、雪上制動性が107であり、雪上駆動性が107であり、氷上制動性が100であり、氷上駆動性が100であり、ラグ溝の目詰まりが107である効果が得られる。
さらにまた、実施例7の空気入りタイヤ1は、請求項4(請求項1を引用する請求項3を引用)にかかる発明の空気入りタイヤに相当し、規定内容(6)の「一方の領域の側壁面52の凹凸のタイヤ径方向のピッチPとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(6)の「P/D=0.5」とし、規定内容(7)の「一方の領域の側壁面52の凹凸の高さHとブロック5のタイヤ周方向の長さLとの比」を規定範囲(7)の「H/L=0.5」とし、規定内容(8)の「他方の領域の側壁面53の角度変化点Nとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(8)の「N/D=0.7」とするものである。この結果、実施例7の空気入りタイヤ1は、雪上制動性が104であり、雪上駆動性が104であり、氷上制動性が98であり、氷上駆動性が98であり、ラグ溝の目詰まりが104である効果が得られる。
さらにまた、実施例8の空気入りタイヤ1は、請求項4にかかる発明の空気入りタイヤに相当し、規定内容(3)の「他方の領域の側壁面の角度変化点の数」が規定範囲(3)の「2つ」、すなわち、他方の領域の側壁面が3つの平面からなり、規定内容(6)の「一方の領域の側壁面52の凹凸のタイヤ径方向のピッチPとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(6)の「P/D=0.3」とし、規定内容(7)の「一方の領域の側壁面52の凹凸の高さHとブロック5のタイヤ周方向の長さLとの比」を規定範囲(7)の「H/L=0.3」とし、規定内容(8)の「他方の領域の側壁面53の角度変化点Nとラグ溝4の深さDとの比」を規定範囲(8)の「N/D=0.4、N/D=0.6」とするものである。この結果、実施例8の空気入りタイヤ1は、雪上制動性が107であり、雪上駆動性が107であり、氷上制動性が100であり、氷上駆動性が100であり、ラグ溝の目詰まりが107である効果が得られる。
以上から、明らかなように、実施例1〜8の空気入りタイヤ1は、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることができる。
1 空気入りタイヤ
11 ビードコア
12 ビードフィラー
121 ローアーフィラー
122 アッパーフィラー
13 カーカス層
14 ベルト層
141、142、143、144 ベルトプライ
15 トレッドゴム
16 サイドウォールゴム
21、22 周方向主溝(周溝)
31、32、33 陸部
4 ラグ溝
5 ブロック
50 表面(トレッド面)
51 側壁面
52 一方の領域の側壁面
53 他方の領域の側壁面
54 角度変化点
55 底壁面
56 三角形状の一方の領域の側壁面
57 矩形状の一方の領域の側壁面
A 角Cと角Eとを結ぶ直線
B 一方の領域の凸先端を結ぶ直線
C ブロックの表面とラグ溝の側壁面との角
D ラグ溝の深さ
E ラグ溝の側壁面とラグ溝の底壁面との角
F 一方の領域の側壁面の変形突出量
G 他方の領域の側壁面の変形突出量
H 一方の領域の凹凸の高さ
I ブロックの表面に対して垂直な線(トレッド法線)
P 一方の領域の凹凸のタイヤ径方向のピッチ
CL タイヤ赤道線
α 角度変化点を挟む他方の領域の側壁面のラグ溝側の角度

Claims (4)

  1. タイヤ周方向に設けられている複数本の周溝とタイヤ幅方向に設けられている複数本のラグ溝とにより区画形成されていて、表面が路面に接地する複数個のブロックを備える空気入りタイヤにおいて、
    前記ブロックの前記ラグ溝の側壁面は、タイヤ幅方向外側の領域とタイヤ幅方向内側の領域とに2分割されていて、
    前記2つの領域のいずれか一方の領域の側壁面は、タイヤ径方向に少なくとも1周期以上の凹凸を有する凹凸形状の側壁面をなし、
    前記2つの領域のいずれか他方の領域の側壁面は、前記一方の領域の側壁面の形状と異なる形状の側壁面をなしていて、
    向かい合う前記ブロックの前記ラグ溝の側壁面の前記一方の領域と前記他方の領域との位置関係は、互い違いの位置関係にあり、
    1個の前記ブロックにおいて、2つの前記ラグ溝の側壁面の前記一方の領域と前記他方の領域との位置関係は、互い違いの位置関係にある、
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記一方の領域の凹凸のタイヤ径方向のピッチPと、前記ラグ溝の深さDとは、0.1≦P/D≦0.5の比関係を有し、
    前記一方の領域の凹凸の高さHと、前記ブロックのタイヤ周方向の長さLとは、0.05≦H/L≦0.3の比関係を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記他方の領域の側壁面は、少なくとも1箇所の角度変化点を有し、
    前記角度変化点は、前記ブロックの表面と前記ラグ溝の側壁面との角と、前記ラグ溝の側壁面と前記ラグ溝の底壁面との角とを結ぶ直線よりも前記ラグ溝側に位置する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記一方の領域の凸先端を結ぶ直線は、前記ブロックの表面に対して垂直な線と、平行であり、
    前記他方の領域の前記角度変化点Nと、前記ラグ溝の深さDとは、0.3≦N/D≦0.7の比関係を有する、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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