JP2012180063A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることのできる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ラグ溝4を挟んで対向する2つのブロック5側壁面51のうち少なくもと1つのブロック5の側壁面51には、突起7が一方の周溝21から他方の周溝23にかけてタイヤ幅方向に連続的に少なくとも1段設けられている。突起7は、タイヤ表面方向に傾斜している。突起7のタイヤ表面側の面70とブロック5の側壁面51との付根部8であって、一方の周溝21側の第1点aを含む付根部8の第1線分、および、他方の周溝23側の第2点bを含む付根部8の第2線分は、第1点aと第2点bとを結ぶ仮想直線abよりもブロック5の表面50側に位置する。この結果、ラグ溝に詰まった雪を効果的に排出することができるので、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることができる。
【選択図】図3

Description

この発明は、たとえば、トラックやバスなどの空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)に関するものである。特に、この発明は、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることができる空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)に関するものである。
空気入りタイヤは、一般的に、タイヤ周方向に設けられている複数本の周溝とタイヤ幅方向に設けられている複数本のラグ溝とにより区画形成されていて、表面が路面に接地する複数個のブロックを備えるものである。かかる空気入りタイヤにおいては、ブロックのラグ溝の側壁面の形状やブロックの周溝の側壁面の形状に、諸性能を向上させるための技術が施されている。
たとえば、特許文献1の空気入りタイヤは、湿潤路面での制動性能を向上させるために、ブロックの蹴出側壁に沿ってタイヤ幅方向に延びる蹴出側突起部が設けられているものである。
特許文献2の空気入りタイヤは、泥濘地などのオフロード走行性を向上させるために、ラグ溝の両壁面に少なくとも1段にてひだ状突起物を溝方向に有し、ひだ状突起物が壁面からタイヤ表面方向に傾斜して突起しているものである。
特許文献3の空気入りタイヤは、石噛みを防止するために、トレッド溝の溝壁に鋸歯状に連なる複数の石噛み防止用突起を設けたものである。
特許文献4の空気入りタイヤは、トレッド表面の溝によってもたらされる諸性能を犠牲にすることなく、石噛み防止性能を向上させるために、溝の側壁面に鋸刃状突起を有するものである。
特許文献5の空気入りタイヤは、氷上性能の低下を抑制するために、横溝壁面には、ステップ面を有してトレッド面から階段状にのびるステップ領域と、溝底までのびる非ステップ領域とを具えるものである。
特許文献6の空気入りタイヤは、トレッド表面に形成されたブロックの接地圧の均一化を図るために、ブロックの側壁に溝深さ方向断面三角形の溝を形成するものである。
ここで、空気入りタイヤにおいては、前記の諸性能を向上させることも重要であるが、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることも重要である。すなわち、氷上性能と雪上性能とを重視した空気入りタイヤ(スタッドレスタイヤ)において、接地時にラグ溝に形成された雪柱が路面離反後も排出されずに詰まってしまい、雪上において十分な制動動力が得づらいという問題がある。これは、雪上性能とともに氷上性能も維持する必要があるために、必要以上にラグ溝の面積(ラグ溝容積)を大きくできないことが原因の一つとしてある。そこで、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させるためには、ラグ溝の面積(ラグ溝の容積)を増す以外の手段として、ラグ溝に詰まった雪を効率良く排出するようなラグ溝形状にする必要がある。
特開2007−030718号公報 特開2004−058936号公報 特開2002−225510号公報 特開2002−036822号公報 特開平11−157308号公報 特開平11−151912号公報
この発明が解決しようとする課題は、空気入りタイヤにおいて、ラグ溝に詰まった雪を効果的に排出して、氷上性能を維持しつつ雪上性能を向上させることにある。
この発明(請求項1にかかる発明)は、ラグ溝を挟んで対向する2つのブロックの側壁面のうち少なくもと1つのブロックの側壁面には、突起が一方の周溝から他方の周溝にかけてタイヤ幅方向に連続的に少なくとも1段設けられていて、突起がタイヤ表面方向に傾斜していて、突起のタイヤ表面側の面と側壁面との付根部であって、一方の周溝側の第1点を含む付根部の第1線分、および、他方の周溝側の第2点を含む付根部の第2線分が、第1点と第2点とを結ぶ仮想直線よりもブロックの表面(トレッド面、トレッド表面)側に位置する、ことを特徴とする。
この発明(請求項2にかかる発明)は、突起のタイヤ赤道線方向の断面形状が、三角形状である、ことを特徴とする。
この発明(請求項3にかかる発明)は、突起のタイヤ赤道線方向の断面形状が、鋸刃形状であり、突起のタイヤ表面側の面と側壁面とのなす角度αが、50°≦α≦100°である、ことを特徴とする。
この発明(請求項4にかかる発明)は、突起の側壁面からの高さtが、1mm≦t≦5mmである、ことを特徴とする。
この発明(請求項5にかかる発明)は、第1線分とタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βaが、20°≦βa≦70°であり、第2線分とタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βbが、20°≦βb≦70°である、ことを特徴とする。
この発明(請求項6にかかる発明)は、少なくとも1段の突起の第1点および第2点が、ブロックの表面からラグ溝の深さDに対して35%〜65%の領域(D×35%≦第1点および第2点≦D×65%)に位置する、ことを特徴とする。
この発明(請求項7にかかる発明)は、突起の段数が、2段以上である、ことを特徴とする。
この発明(請求項1にかかる発明)の空気入りタイヤは、突起のタイヤ表面側の面と側壁面との付根部であって、一方の周溝側の第1点を含む付根部の第1線分、および、他方の周溝側の第2点を含む付根部の第2線分が、第1点と第2点とを結ぶ仮想直線よりもブロックの表面側に位置するので、第1線分および第2線分が第1点と第2点とを結ぶ仮想直線上に位置する前記の特許文献1〜6の空気入りタイヤと比較して、ラグ溝に詰まった雪をタイヤ表面側に効果的に排出することができる。すなわち、この発明(請求項1にかかる発明)の空気入りタイヤは、突起の両端部(一方の周溝側の端部および他方の周溝側の端部)がラグ溝に詰まった雪を周溝側に効率良く排出することができ、かつ、突起の中央部(一方の周溝側の端部と他方の周溝側の端部との間の部位)がラグ溝に詰まった雪をブロックの表面側に効率良く排出することができる。
しかも、この発明(請求項1にかかる発明)の空気入りタイヤは、突起がタイヤ表面方向に傾斜しているので、ラグ溝に目詰まりした雪が、目詰まりする段階からタイヤ転動による蹴り出しまでの動きの中で、効率良くタイヤ表面側(周溝側およびブロックの表面側 )に排出される。
その上、この発明(請求項1にかかる発明)の空気入りタイヤは、ブロックのラグ溝に対向する側壁面に突起を設けるだけであるから、ラグ溝の面積(ラグ溝の容積)を必要以上に大きくするようなことがないので、ブロックの表面(トレッド面)の接地面積を有る程度大きくすることができ、これにより、氷上性能を維持することができる。
この発明(請求項2にかかる発明)の空気入りタイヤは、突起のタイヤ赤道線方向の断面形状が三角形状であるから、ラグ溝の面積を増やさずに、ラグ溝に詰まった雪をタイヤ表面側にさらに効果的に排出することができる。
この発明(請求項3にかかる発明)の空気入りタイヤは、突起のタイヤ赤道線方向の断面形状が鋸刃形状であるから、前記の請求項2の空気入りタイヤと同様に、ラグ溝の面積を増やさずに、ラグ溝に詰まった雪をタイヤ表面側にさらに効果的に排出することができる。しかも、この発明(請求項3にかかる発明)の空気入りタイヤは、鋸刃形状の突起のタイヤ表面側の面と側壁面とのなす角度αが、50°≦α≦100°であるから、雪排出(蹴り出し時の雪の押し出し)効果と、突起耐久性(突起の欠けに対する耐久性)の向上とが得られる。
この発明(請求項4にかかる発明)の空気入りタイヤは、突起のブロックの側壁面からの高さtが1mm≦t≦5mmであるから、前記の請求項3の空気入りタイヤと同様に、雪排出効果と、突起耐久性の向上とが得られる。すなわち、高さtが1mm未満では、突起の雪排出作用面の面積減により、雪排出効果が十分ではない。一方、高さtが5mmを越えると、突起耐久性の面から好ましくない。
この発明(請求項5にかかる発明)の空気入りタイヤは、第1線分とタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βaが20°≦βa≦70°であり、第2線分とタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βbが20°≦βb≦70°であるから、ラグ溝に詰まった雪をタイヤ表面側すなわち周溝側におよびブロックの表面側に効果的に排出することができる。すなわち、角度βa、βbが20°未満では、周溝側への雪排出効果が十分ではなくなる。一方、角度βa、βbが70°を超えると、ブロックの表面側への雪排出効果が十分ではなくなる。
この発明(請求項6にかかる発明)の空気入りタイヤは、少なくとも1段の突起の第1点および第2点が、ブロックの表面からラグ溝の深さDに対して35%〜65%の領域(D×35%≦第1点および第2点≦D×65%)、すなわち、接地時における変形量が大きい領域に位置するので、ラグ溝に詰まった雪をタイヤ表面側に効果的に排出することができる。
この発明(請求項7にかかる発明)の空気入りタイヤは、突起の段数が2段以上であるから、1段の突起と比較して、雪排出効果が向上され、しかも、過度の段数の突起と比較して、ラグ溝の容積を減少させるようなことが無いので、雪柱せん断力を低下させるようなことが無く、雪上性能を低下させるようなことが無い。
図1は、この発明にかかる空気入りタイヤの実施の形態を示すタイヤ子午線方向の断面図である。 図2は、同じく、図1におけるII矢視図(トレッドパターン図)である。 図3は、同じく、図2におけるIII−III線矢視図(一部斜視図)である。 図4は、同じく、図3におけるIV−IV線断面図(一部断面図)である。 図5は、同じく、図3におけるV矢視図(ラグ溝正面視の図)である。 図6は、同じく、路面から離れた状態と路面に接地した状態とを示す図3におけるV矢視図(ラグ溝正面視の図)である。 図7は、同じく、ラグ溝に詰まった雪がタイヤ表面に排出される状態を示す説明図である。 図8は、この発明にかかる空気入りタイヤの他の実施の形態を示す一部断面図である。 図9は、この発明にかかる空気入りタイヤの他の実施の形態を示すラグ溝正面視の図である。 図10は、この発明にかかる空気入りタイヤの他の実施の形態を示す説明図である。 図11は、この発明にかかる空気入りタイヤの他の実施の形態を示す説明図である。 図12は、この発明にかかる空気入りタイヤの他の実施の形態を示す説明図である。 図13は、この発明にかかる空気入りタイヤの他の実施の形態を示す説明図である。 図14は、この実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す説明図である。
以下、この発明にかかる空気入りタイヤの発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
「空気入りタイヤ1の構成の説明」
図において、符号1は、この実施の形態における空気入りタイヤである。前記空気入りタイヤ1は、図1に示すように、ビードコア11と、ビードフィラー12と、カーカス層13と、ベルト層14と、トレッドゴム15と、サイドウォールゴム16とを備える。前記ビードコア11は、環状構造を有し、左右一対を一組として構成される。前記ビードフィラー12は、アッパーフィラー122およびローアーフィラー121から成り、前記ビードコア11のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのビード部を補強する。前記カーカス層13は、単層構造を有し、左右の前記ビードコア11、11間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。前記カーカス層13の両端部は、前記ビードフィラー12を包み込むようにタイヤ幅方向外側に折り返されて係止される。前記ベルト層14は、積層された複数のベルトプライ141〜144から成り、前記カーカス層13のタイヤ径方向外周に配置される。前記ベルトプライ141〜144は、スチール繊維材あるいは有機繊維材から成る複数のベルトコードを圧延加工して構成される。前記トレッドゴム15は、前記カーカス層13および前記ベルト層14のタイヤ径方向外周に配置されてタイヤのトレッド部を構成する。前記サイドウォールゴム16は、左右一対を一組として構成され、前記カーカス層13のタイヤ幅方向外側に配置されてタイヤのサイドウォール部を構成する。
前記空気入りタイヤ1は、図2に示すように、タイヤ周方向に延在する複数の周溝(周方向主溝21、22および周溝23)と、前記周方向主溝21、22に区画されて成る複数の陸部31〜33とを、トレッド部に備える。例えば、この実施の形態においては、前記空気入りタイヤ1が4本の前記周方向主溝21、22および5本の前記周溝23と、5本の前記陸部31〜33とを備え、これらにより、リブ状の陸部31〜33を基調とした左右対称のトレッドパターンが形成されている。ここでは、タイヤ赤道線CL上にある陸部31をセンター陸部と呼び、前記センター陸部31に隣り合う左右の陸部32、32をセカンド陸部と呼び、タイヤ幅方向の最も外側にある左右の陸部33、33をショルダー陸部と呼ぶ。
前記陸部31〜33には、複数本のラグ溝4がタイヤ幅方向に設けられている。複数本の周溝(前記周方向主溝21、22および前記周溝23)と複数本の前記ラグ溝4とにより、複数個のブロック5が画成形成されている。図7に示すように、前記ブロック5の表面(トレッド面、トレッド表面)50が路面(雪路面、氷路面)6に接地する。
図3に示すように、前記ラグ溝4を挟んで対向する2つの前記ブロック5、5の側壁面51、51には、突起7、7が一方の周溝21、22、23(この例では、周方向周溝21)から他方の周溝21、22、23(この例では、周溝23)にかけてタイヤ幅方向に連続的に1段設けられている。
図4に示すように、前記突起7は、タイヤ表面(前記周溝21、22、23側および前記ブロック5の表面50)方向に傾斜している。前記突起7のタイヤ赤道線CL方向の断面形状は、三角形状、この例では、鋸刃形状である。前記突起7の前記タイヤ表面側の面70と前記ブロック5の前記側壁面51とのなす角度αは、50°≦α≦100°、好ましくは、70°≦α≦90°である。前記突起7の前記側壁面51からの高さtは、1mm≦t≦5mmである。
図5に示すように、前記突起7の前記タイヤ表面側の面70と前記ブロック5の前記側壁面51との付根部8であって、前記一方の周溝21側の第1点aを含む付根部8の第1線分A、および、前記他方の周溝23側の第2点bを含む付根部8の第2線分Bは、前記第1点aと前記第2点bとを結ぶ仮想直線abよりも前記ブロック5の表面50側に位置する。
前記第1線分Aとタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βaは、20°≦βa≦70°である。前記第2線分Bとタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βbは、20°≦βb≦70°である。前記突起7の前記第1点aおよび前記第2点bは、前記ブロック5の表面50から前記ラグ溝4の深さDに対して35%〜65%の領域(D×35%≦前記第1点aおよび前記第2点b≦D×65%)に位置する。
「空気入りタイヤ1の作用の説明」
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
空気入りタイヤ1のブロック5は、ブロック5の表面50が路面6に接地していない状態の時には、図6中の実線で示す状態にあり、ブロック5の表面50が路面6に接地している状態の時には、変形して、図6中の点線で示す状態にある。
図7に示すように、ラグ溝4に目詰まりした雪Sが、目詰まりする段階から空気入りタイヤ1の転動により蹴り出しまでの動きの中で、突起7の作用により、効率良くタイヤ表面側(周溝21、22、23側およびブロック5の表面50側 )に排出(吐出、取出)される。
「空気入りタイヤ1の効果の説明」
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、突起7のタイヤ表面側の面70とブロック5の側壁面51との付根部8であって、一方の周溝21側の第1点aを含む付根部8の第1線分A、および、他方の周溝23側の第2点bを含む付根部8の第2線分Bが、第1点aと第2点bとを結ぶ仮想直線よりもブロック5の表面50側に位置するので、第1線分Aおよび第2線分Bが第1点aと第2点bとを結ぶ仮想直線上に位置する前記の特許文献1〜6の空気入りタイヤと比較して、ラグ溝4に詰まった雪Sをタイヤ表面側に効果的に排出することができる。すなわち、この実施の形態における空気入りタイヤ1は、突起7の両端部(一方の周溝21側の端部(第1線分A)および他方の周溝23側の端部(第2線分B))がラグ溝4に詰まった雪Sを周溝21、22、23側に効率良く排出することができ、かつ、突起7の中央部(一方の周溝21側の端部と他方の周溝23側の端部との間の部位)がラグ溝4に詰まった雪Sをブロック5の表面50側に効率良く排出することができる。
しかも、この実施の形態における空気入りタイヤ1は、突起7がタイヤ表面方向に傾斜しているので、ラグ溝4に目詰まりした雪Sが、目詰まりする段階からタイヤ転動による蹴り出しまでの動きの中で、効率良くタイヤ表面側(周溝21、22、23側およびブロック5の表面50側 )に排出される。
その上、この実施の形態における空気入りタイヤ1は、ブロック5のラグ溝4に対向する側壁面51に突起7を設けるだけであるから、ラグ溝4の面積(ラグ溝の容積)を必要以上に大きくするようなことがないので、ブロック5の表面(トレッド面)50の接地面積を有る程度大きくすることができ、これにより、氷上性能を維持することができる。
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、突起7のタイヤ赤道線CL方向の断面形状が三角形状、すなわち、鋸刃形状であるから、ラグ溝4の面積を増やさずに、ラグ溝4に詰まった雪Sをタイヤ表面側にさらに効果的に排出することができる。
しかも、この実施の形態における空気入りタイヤ1は、鋸刃形状の突起7のタイヤ表面側の面70とブロック5の側壁面51とのなす角度αが、50°≦α≦100°、好ましくは、70°≦α≦90°であるから、雪排出(蹴り出し時の雪の押し出し)効果と、突起耐久性(突起7の欠けに対する耐久性)の向上とが得られる。
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、突起7のブロック5の側壁面51からの高さtが1mm≦t≦5mmであるから、雪排出効果と、突起耐久性の向上とが得られる。すなわち、高さtが1mm未満では、突起7の雪排出作用面の面積減により、雪排出効果が十分ではない。一方、高さtが5mmを越えると、突起耐久性の面から好ましくない。
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、第1線分Aとタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βaが20°≦βa≦70°であり、第2線分Bとタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βbが20°≦βb≦70°であるから、ラグ溝4に詰まった雪Sをタイヤ表面側すなわち周溝21、22、23側におよびブロック5の表面50側に効果的に排出することができる。すなわち、角度βa、βbが20°未満では、周溝21、22、23側への雪排出効果が十分ではなくなる。一方、角度βa、βbが70°を超えると、ブロック5の表面50側への雪排出効果が十分ではなくなる。
この実施の形態における空気入りタイヤ1は、突起7の第1点aおよび第2点bが、ブロック5の表面50からラグ溝4の深さDに対して35%〜65%の領域(D×35%≦第1点aおよび第2点b≦D×65%)、すなわち、接地時における変形量が大きい領域に位置するので、ラグ溝4に詰まった雪Sをタイヤ表面側に効果的に排出することができる。なお、突起7の第1点aおよび第2点bがブロック5の表面50からラグ溝4の深さDに対して35%〜65%の領域(D×35%≦第1点および第2点≦D×65%)に位置していれば、突起7の第1点aおよび第2点b以外の点がブロック5の表面50からラグ溝4の深さDに対して35%〜65%以外の領域に位置しても良い。
「他の実施の形態の説明」
図8は、この発明にかかる空気入りタイヤの他の実施の形態を示す一部断面図である。
前記の発明の実施の形態における空気入りタイヤ1は、ラグ溝4を挟んで対向する2つのブロック5、5の側壁面51、51に突起7、7を設けたものである。これに対して、図8に示す他の実施の形態の空気入りタイヤ1は、ラグ溝4を挟んで対向する2つのブロック5、5の側壁面51、51のうち1つのブロック5の側壁面51に突起7を設けるものである。
図8に示す他の実施の形態の空気入りタイヤ1は、前記の発明の実施の形態における空気入りタイヤ1の作用効果とほぼ同様の作用効果を達成することができる。
図9は、この発明にかかる空気入りタイヤの他の実施の形態を示すラグ溝正面視の図である。
前記の発明の実施の形態における空気入りタイヤ1は、第1線分Aとタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βaと、第2線分Bとタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βbとがほぼ同一角度であり、突起7の中央部のタイヤ表面側の面70とブロック5の表面50とがほぼ平行である。これに対して、図9に示す他の実施の形態の空気入りタイヤ1は、第1線分Aとタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βaが第2線分Bとタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βbより小さい角度であり、突起7の中央部のタイヤ表面側の面70がブロック5の表面50に対して第1線分A側から第2線分B側にかけて下り勾配をなす。
図9に示す他の実施の形態の空気入りタイヤ1は、前記の発明の実施の形態における空気入りタイヤ1の作用効果とほぼ同様の作用効果を達成することができる。なお、突起7の中央部のタイヤ表面側の面70の下り勾配側(第2線分B側)を空気入りタイヤ1のタイヤ赤道線CL方向に対して外側にすると、雪排出効果が向上する。
図10は、この発明にかかる空気入りタイヤの他の実施の形態を示す説明図である。図10(A)は、一部斜視図である。図10(B)は、図10(A)におけるXB−XB線断面図である。
前記の発明の実施の形態における空気入りタイヤ1は、1段の突起7を設けたものである。これに対して、図10に示す他の実施の形態の空気入りタイヤ1は、2段の突起7、7を設けたものである。また、図示はしないが突起の段数は好ましくは、2〜4段である。
図10に示す他の実施の形態の空気入りタイヤ1は、前記の発明の実施の形態における空気入りタイヤ1の作用効果とほぼ同様の作用効果を達成することができる。特に、図10に示す他の実施の形態の空気入りタイヤ1は、前記の発明の実施の形態における空気入りタイヤ1の1段の突起7と比較して、雪排出効果が向上される。なお、過度の段数の突起7を設けると、ラグ溝4の容積が減少し、雪柱せん断力が低下し、雪上性能が低下するので、突起7は、2〜4段が好ましい。また、2〜4段の突起7の場合においては、少なくとも1段の突起7の第1点aおよび前記第2点bが、ブロック5の表面50からラグ溝4の深さDに対して35%〜65%の領域(D×35%≦前記第1点aおよび前記第2点b≦D×65%)に位置すれば良い。
図11は、この発明にかかる空気入りタイヤの他の実施の形態を示す説明図である。図11(A)は、一部斜視図である。図11(B)は、図11(A)におけるXIB矢視図(ラグ溝正面視の図)である。図12は、この発明にかかる空気入りタイヤの他の実施の形態を示す説明図である。図12(A)は、一部斜視図である。図12(B)は、図12(A)におけるXIIB矢視図(ラグ溝正面視の図)である。図13は、この発明にかかる空気入りタイヤの他の実施の形態を示す説明図である。図13(A)は、一部斜視図である。図13(B)は、図13(A)におけるXIIIB矢視図(ラグ溝正面視の図)である。
前記の発明の実施の形態における空気入りタイヤ1は、突起7が、直線状の第1線分Aと、直線状の第2線分Bと、ブロック5の表面50に対してほぼ平行である中間部と、からなるものである。これに対して、図11に示す他の実施の形態の空気入りタイヤ1は、突起7が、直線状の第1線分Aと、直線状の第2線分Bと、からなるものである。図12に示す他の実施の形態の空気入りタイヤ1は、突起7が、曲線状の第1線分Aと、曲線状の第2線分Bと、からなるものである。図13に示す他の実施の形態の空気入りタイヤ1は、突起7が、直線状の第1線分Aと、直線状の第2線分Bと、ジグザグ形状の中間部と、からなるものである。
図11、図12、図13に示す他の実施の形態の空気入りタイヤ1は、前記の発明の実施の形態における空気入りタイヤ1の作用効果とほぼ同様の作用効果を達成することができる。このように、この発明においては、第1線分Aおよび第2線分Bの線形状、および、第1線分Aと第2線分Bとの間の線分の線形状を特に限定しない。
図14は、この実施の形態にかかる空気入りタイヤの性能試験の結果を示す説明図(表)である。この実施例では、相互に異なる複数の空気入りタイヤについて、ラグ溝の雪目詰まりに関する性能試験が行われた。
試験タイヤは、11R22.5を使用した。試験条件は、規定リム、規定空気圧、規格荷重、2−D4車両装着である。性能指数は、ラグ溝の雪の目詰まりであって、雪上走行後の目詰まり面積(従来例を100(基準)として、数値が大きいほど良い)である。
また、規定リムとは、JATMAに規定される「適用リム」、TRAに規定される「Design Rim」、あるいはETRTOに規定される「Measuring Rim」をいう。また、規定内圧とは、JATMAに規定される「最高空気圧」、ただし、乗用車用タイヤの場合には、規定内圧が空気圧180[kPa]であり、規定荷重が最大負荷能力の88[%]である。TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「INFLATION PRESSURES」をいう。また、規定荷重とは、JATMAに規定される「最大負荷能力」、TRAに規定される「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」の最大値、あるいはETRTOに規定される「LOAD CAPACITY」をいう。
従来例と比較例1、2と実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9との効果の差異を、図14に示すように、規定内容(1)〜(11)および規定範囲(1)〜(11)に基づいて説明する。
まず、規定内容においては、規定内容(1)−「ラグ溝4を挟んで対向する2つのブロック5、5の側壁面51、51への突起7、7の配置」、規定内容(2)−「突起7のタイヤ赤道線CL方向の断面形状」、規定内容(3)−「突起7の傾斜方向」、規定内容(4)−「突起7の付根部8の第1線分Aおよび第2線分Bの位置」、規定内容(5)−「突起7のタイヤ表面側の面70とブロック5の側壁面51とのなす角度α[°]」、規定内容(6)−「突起7のブロック5の側壁面51からの高さt[mm]」、規定内容(7)−「第1線分Aとタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βa[°]」、規定内容(8)−「第2線分Bとタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βb[°]」、規定内容(9)−「突起7の付根部8の第1点aの位置であって、ブロック5の表面50からラグ溝4の深さDに対する位置[%]」、規定内容(10)−「突起7の付根部8の第2点bの位置であって、ブロック5の表面50からラグ溝4の深さDに対する位置[%]」、規定内容(11)−「突起7の段数」である。
また、規定範囲においては、規定範囲(1)−「少なくとも一方」、規定範囲(2)−「鋸刃状」、規定範囲(3)−「タイヤ表面方向」、規定範囲(4)−「突起7の付根部8の第1線分Aおよび第2線分Bが仮想線abよりブロック5の表面50(タイヤ表面)側に位置する」、規定範囲(5)−「50°≦α≦100°」、規定範囲(6)−「1mm≦t≦5mm」、規定範囲(7)−「20°≦βa≦70°」、規定範囲(8)−「20°≦βb≦70°」、規定範囲(9)−「ブロック5の表面50からラグ溝4の深さDに対して35%〜65%の位置」、規定範囲(10)−「ブロック5の表面50からラグ溝4の深さDに対して35%〜65%の位置」、規定範囲(11)−「2段以上」である。
前記の規定内容(1)〜(11)および前記の規定範囲(1)〜(11)に基づいて、ラグ溝雪目詰まり、について確認した。
従来例の空気入りタイヤは、ブロックの側壁面に突起が設けられていない。このために、規定内容(1)〜(11)および規定範囲(1)〜(11)において事項や数値の記載が無い。従来例の空気入りタイヤは、ラグ溝雪目詰まりが100である。
比較例1の空気入りタイヤは、前記の特許文献1、2、4、5、6の空気入りタイヤに相当する。比較例1の空気入りタイヤ1は、規定内容(1)および規定範囲(1)において「片側」、規定内容(2)および規定範囲(2)において「鋸刃状」、規定内容(3)および規定範囲(3)において「タイヤ表面方向」、規定内容(4)および規定範囲(4)において「突起の付根部の第1線分Aおよび第2線分Bが仮想線ab上に位置し、かつ、第1線分Aおよび第2線分Bおよび仮想線abが水平な直線をなす」、規定内容(5)および規定範囲(5)において「45°」、規定内容(6)および規定範囲(6)において「0.5」、規定内容(7)および規定範囲(7)において「0°」、規定内容(8)および規定範囲(8)において「0°」、規定内容(9)および規定範囲(9)において「30%」、規定内容(10)および規定範囲(10)において「30%」、規定内容(11)および規定範囲(11)において「1」である。この結果、比較例1の空気入りタイヤ1は、ラグ溝雪目詰まりが「102」である効果が得られる。
比較例2の空気入りタイヤは、前記の特許文献1、3、6の空気入りタイヤに相当する。比較例2の空気入りタイヤ1は、規定内容(1)および規定範囲(1)において「片側」、規定内容(2)および規定範囲(2)において「鋸刃状」、規定内容(3)および規定範囲(3)において「タイヤ表面方向」、規定内容(4)および規定範囲(4)において「突起の付根部の第1線分Aおよび第2線分Bが仮想線ab上に位置し、かつ、第1線分Aおよび第2線分Bおよび仮想線abが傾斜した直線をなす」、規定内容(5)および規定範囲(5)において「45°」、規定内容(6)および規定範囲(6)において「0.5」、規定内容(7)および規定範囲(7)において「0°」、規定内容(8)および規定範囲(8)において「0°」、規定内容(9)および規定範囲(9)において「20%」、規定内容(10)および規定範囲(10)において「40%」、規定内容(11)および規定範囲(11)において「1」である。この結果、比較例2の空気入りタイヤ1は、ラグ溝雪目詰まりが「103」である効果が得られる。
これに対して、実施例1の空気入りタイヤ1は、請求項1の事項に請求項3の「鋸刃形状」の事項を加えた空気入りタイヤに相当する。実施例1の空気入りタイヤ1は、規定内容(1)および規定範囲(1)において「片側」、規定内容(2)および規定範囲(2)において「鋸刃状」、規定内容(3)および規定範囲(3)において「タイヤ表面方向」、規定内容(4)および規定範囲(4)において「突起7の付根部8の第1線分Aおよび第2線分Bが仮想線abよりブロック5の表面50(タイヤ表面)側に位置する」、規定内容(5)および規定範囲(5)において「45°」、規定内容(6)および規定範囲(6)において「0.5」、規定内容(7)および規定範囲(7)において「15°」、規定内容(8)および規定範囲(8)において「15°」、規定内容(9)および規定範囲(9)において「30%」、規定内容(10)および規定範囲(10)において「30%」、規定内容(11)および規定範囲(11)において「1」である。この結果、実施例1の空気入りタイヤ1は、ラグ溝雪目詰まりが「105」である効果が得られる。
実施例2の空気入りタイヤ1は、請求項1の事項に請求項3の「鋸刃形状」の事項を加えた空気入りタイヤに相当する。この実施例2の空気入りタイヤ1は、規定内容(1)および規定範囲(1)において「両側」であり、その他の規定内容(2)〜(11)および規定範囲(2)〜(11)において、前記の実施例1の空気入りタイヤ1と同一である。この結果、実施例2の空気入りタイヤ1は、ラグ溝雪目詰まりが「107」である効果が得られる。
実施例3の空気入りタイヤ1は、請求項3にかかる発明の空気入りタイヤに相当する。この実施例3の空気入りタイヤ1は、規定内容(5)および規定範囲(5)において「60°」であり、かつ、規定内容(9)、(10)および規定範囲(9)、(10)において「35%」であり、規定内容(1)および規定範囲(1)において前記の実施例2の空気入りタイヤ1と同一であり、その他の規定内容(2)〜(4)、(6)〜(8)、(11)および規定範囲(2)〜(4)、(6)〜(8)、(11)において、前記の実施例1、2の空気入りタイヤ1と同一である。この結果、実施例3の空気入りタイヤ1は、ラグ溝雪目詰まりが「109」である効果が得られる。
実施例4の空気入りタイヤ1は、請求項3にかかる発明の空気入りタイヤに相当する。この実施例4の空気入りタイヤ1は、規定内容(5)および規定範囲(5)において「90°」であり、かつ、規定内容(7)、(8)および規定範囲(7)、(8)において「20°」であり、規定内容(1)および規定範囲(1)において前記の実施例2、3の空気入りタイヤ1と同一であり、規定内容(9)、(10)および規定範囲(9)、(10)において前記の実施例3の空気入りタイヤ1と同一であり、その他の規定内容(2)〜(4)、(6)、(11)および規定範囲(2)〜(4)、(6)、〜(11)において、前記の実施例1〜3の空気入りタイヤ1と同一である。この結果、実施例4の空気入りタイヤ1は、ラグ溝雪目詰まりが「110」である効果が得られる。
実施例5の空気入りタイヤ1は、請求項4にかかる発明の空気入りタイヤに相当する。この実施例5の空気入りタイヤ1は、規定内容(6)および規定範囲(6)において「2mm」であり、かつ、規定内容(9)、(10)および規定範囲(9)、(10)において「40%」であり、規定内容(5)、(7)、(8)および規定範囲(5)、(7)、(8)において前記の実施例4の空気入りタイヤ1と同一であり、規定内容(1)および規定範囲(1)において前記の実施例2〜4の空気入りタイヤ1と同一であり、その他の規定内容(2)〜(4)、(11)および規定範囲(2)〜(4)、(11)において、前記の実施例1〜4の空気入りタイヤ1と同一である。この結果、実施例5の空気入りタイヤ1は、ラグ溝雪目詰まりが「112」である効果が得られる。
実施例6の空気入りタイヤ1は、請求項5にかかる発明の空気入りタイヤに相当する。この実施例6の空気入りタイヤ1は、規定内容(7)および規定範囲(7)において「30°」であり、規定内容(8)および規定範囲(8)において「30°」であり、規定内容(6)および規定範囲(6)において前記の実施例5の空気入りタイヤ1と同一であり、規定内容(5)および規定範囲(5)において前記の実施例4、5の空気入りタイヤ1と同一であり、規定内容(1)および規定範囲(1)において前記の実施例2〜5の空気入りタイヤ1と同一であり、規定内容(9)、(10)および規定範囲(9)、(10)において前記の実施例5の空気入りタイヤ1と同一であり、その他の規定内容(2)〜(4)、(11)および規定範囲(2)〜(4)、(11)において、前記の実施例1〜5の空気入りタイヤ1と同一である。この結果、実施例6の空気入りタイヤ1は、ラグ溝雪目詰まりが「114」である効果が得られる。
実施例7の空気入りタイヤ1は、請求項6にかかる発明の空気入りタイヤに相当する。この実施例7の空気入りタイヤ1は、規定内容(6)および規定範囲(6)において「4mm」であり、規定内容(9)および規定範囲(9)において「50%」であり、規定内容(10)および規定範囲(10)において「50%」であり、規定内容(7)、(8)および規定範囲(7)、(8)において前記の実施例6の空気入りタイヤ1と同一であり、規定内容(5)および規定範囲(5)において前記の実施例4〜6の空気入りタイヤ1と同一であり、規定内容(1)および規定範囲(1)において前記の実施例2〜6の空気入りタイヤ1と同一であり、その他の規定内容(2)〜(4)、(11)および規定範囲(2)〜(4)、(11)において、前記の実施例1〜6の空気入りタイヤ1と同一である。この結果、実施例7の空気入りタイヤ1は、ラグ溝雪目詰まりが「117」である効果が得られる。
実施例8の空気入りタイヤ1は、請求項7にかかる発明の空気入りタイヤに相当する。この実施例8の空気入りタイヤ1は、規定内容(6)および規定範囲(6)において「5mm」であり、規定内容(7)、(8)および規定範囲(7)、(8)において「70°」であり、規定内容(9)、(10)および規定範囲(9)、(10)において「65%」であり、規定内容(11)および規定範囲(11)において「2」であり、規定内容(5)および規定範囲(5)において前記の実施例4〜7の空気入りタイヤ1と同一であり、規定内容(1)および規定範囲(1)において前記の実施例2〜7の空気入りタイヤ1と同一であり、その他の規定内容(2)〜(4)および規定範囲(2)〜(4)において、前記の実施例1〜7の空気入りタイヤ1と同一である。この結果、実施例8の空気入りタイヤ1は、ラグ溝雪目詰まりが「122」である効果が得られる。
実施例9の空気入りタイヤ1は、請求項7にかかる発明の空気入りタイヤに相当する。この実施例9の空気入りタイヤ1は、規定内容(6)および規定範囲(6)において「2mm」であり、規定内容(7)、(8)および規定範囲(7)、(8)において「30°」であり、規定内容(11)および規定範囲(11)において「4」であり、規定内容(9)、(10)および規定範囲(9)、(10)において前記の実施例8の空気入りタイヤ1と同一であり、規定内容(5)および規定範囲(5)において前記の実施例4〜8の空気入りタイヤ1と同一であり、規定内容(1)および規定範囲(1)において前記の実施例2〜8の空気入りタイヤ1と同一であり、その他の規定内容(2)〜(4)および規定範囲(2)〜(4)において、前記の実施例1〜8の空気入りタイヤ1と同一である。この結果、実施例9の空気入りタイヤ1は、ラグ溝雪目詰まりが「127」である効果が得られる。
以上から、明らかなように、実施例1〜9の空気入りタイヤ1は、ラグ溝4に詰まった雪Sをタイヤ表面側に効果的に排出することができる。
「変形例の説明」
前記の実施の形態および前記の実施例1〜9においては、突起の断面形状が鋸刃形状をなすものである。ところが、この発明においては、突起の断面形状が鋸刃形状以外の形状、たとえば、三角形状、矩形形状、半円形状、その他の形状であっても良い。
1 空気入りタイヤ
11 ビードコア
12 ビードフィラー
121 ローアーフィラー
122 アッパーフィラー
13 カーカス層
14 ベルト層
141、142、143、144 ベルトプライ
15 トレッドゴム
16 サイドウォールゴム
21、22 周方向主溝(周溝)
23 周溝
31、32、33 陸部
4 ラグ溝
5 ブロック
50 表面(トレッド面)
51 側壁面
6 路面(雪路面、氷路面)
7 突起
70 タイヤ表面側の面
8 付根部
a 第1点
b 第2点
A 第1線分
B 第2線分
S 雪
CL タイヤ赤道線
α 突起のタイヤ表面側の面と側壁面とのなす角度
t 突起の側壁面からの高さ
βa 第1線分とタイヤ幅方向の水平線とのなす角度
βb 第2線分とタイヤ幅方向の水平線とのなす角度
D ブロックの表面からラグ溝の深さ

Claims (7)

  1. タイヤ周方向に設けられている複数本の周溝とタイヤ幅方向に設けられている複数本のラグ溝とにより区画形成されていて、表面が路面に接地する複数個のブロックを備える空気入りタイヤにおいて、
    前記ラグ溝を挟んで対向する2つの前記ブロックの側壁面のうち少なくもと1つの前記ブロックの側壁面には、突起が一方の周溝から他方の周溝にかけてタイヤ幅方向に少なくとも1段設けられていて、
    前記突起は、タイヤ表面方向に傾斜していて、
    前記突起の前記タイヤ表面側の面と前記側壁面との付根部であって、前記一方の周溝側の第1点を含む付根部の第1線分、および、前記他方の周溝側の第2点を含む付根部の第2線分は、前記第1点と前記第2点とを結ぶ仮想直線よりも前記ブロックの表面側に位置する、
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記突起のタイヤ赤道線方向の断面形状は、三角形状である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記突起の前記タイヤ表面側の面と前記側壁面とのなす角度αは、50°≦α≦100°である、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記突起の前記側壁面からの高さtは、1mm≦t≦5mmである、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記第1線分とタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βaは、20°≦βa≦70°であり、
    前記第2線分とタイヤ幅方向の水平線とのなす角度βbは、20°≦βb≦70°である、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 少なくとも1段の前記突起の前記第1点および前記第2点は、前記ブロックの表面から前記ラグ溝の深さDに対して35%〜65%の領域(D×35%≦前記第1点および前記第2点≦D×65%)に位置する、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記突起の段数は、2段以上である、
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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