JP2012172043A - 白色ポリエステル組成物およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】不活性無機粒子が、組成物の重量を基準として、5〜70重量%の範囲で添加された白色ポリエステル組成物を製造するに際し、含水率500ppm以下の不活性無機粒子をタンデム型二軸混練押出機により混練分散させることを特徴とする白色ポリエステル組成物の製造方法およびそれによって得られた白色ポリエステル組成物。
【選択図】なし
Description
すなわち本発明は、不活性無機粒子を、その含水率500ppm以下になるまで乾燥させ、その状態で組成物の重量を基準として、5〜70重量%の含有量になるようにポリエステルに溶融混練する白色ポリエステル組成物の製造方法およびそれによって得られた白色ポリエステル組成物である。
[ポリエステル樹脂]
本発明におけるポリエステルは、単独重合体でも共重合体であってもよい。共重合体の場合、共重合成分の割合は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に制限されないが、繰り返し単位を基準として、30モル%以下、さらに20モル%以下であることが好ましい。
また、本発明におけるポリエステルには、それ自体公知の各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤が添加されていても良い。
本発明における不活性無機粒子は、本発明の目的を損なわなければ特に限定されるものではないが、白色性を効率良く達成し得るとの観点から、白色無機粒子であることが好ましい。
白色無機粒子としては、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、二酸化ケイ素などが好ましく挙げられ、これらの中でも硫酸バリウムが特に好ましい。これらは単独であっても良いし、2種以上の白色無機粒子を併用して使用しても構わない。
本発明におけるタンデム型二軸混練押出機は、第1段目混練機と第2段目混練機を直列に連結した構造を持つものである。第1段目混練機は二軸混練機であり、高い混練分散性を得られることから、スクリューまたはローターの回転速度が400〜800rpmの高速回転ができる構造としたものであることが好ましい。スクリューまたはローターの回転速度が400rpm未満では、白色ポリエステル組成物を製造する際、不活性無機粒子の分散性が不十分となりやすい。一方、スクリューまたはローターの回転速度が800rpmを超えると、混練の際の剪断発熱が大きくなりすぎるため、ポリエステル樹脂が熱劣化を起こして機械特性が悪化したり、色相が悪化したりする恐れがある。
更に、第1段目混練機の樹脂出口部には、シリンダー内の樹脂充満率を調整できることから、絞り機構を備えていることが好ましい。シリンダー内の樹脂充満率を調整することにより、滞留時間をある程度調整することが可能である。
本発明の白色ポリエステル組成物の製造方法について以下に説明する。本発明では前述のとおり、不活性無機粒子を、含水率500ppm以下になるまで乾燥させてから、タンデム型の二軸押出機などを使用し、組成物の重量を基準として、5〜70重量%の含有量になるよう不活性無機粒子をポリエステルに溶融混練することを特徴とする。
不活性無機粒子の乾燥は、前述のとおり、真空乾燥機を用いて、高温真空条件下で数時間熱処理することが好ましい。
ポリエステルをオルトクロロフェノール50ml中に、加熱溶解した後、一旦冷却させ、不溶分を取り除いた後、その溶液をオストワルド式粘度管にて35℃の温度条件で測定した溶液粘度から算出した。
白色ポリエステル組成物を285℃、真空下で10分間溶融し、これをアルミニウム板上で厚さ3.0±1.0mmのプレートに成形後ただちに氷水中で急冷し、該プレートを140℃、1時間乾燥結晶化処理を行った。その後、色差計調整用の白色標準プレート上に置き、プレート表面のハンターL*、b*を、ミノルタ社製ハンター型色差計(CR−200型)を用いて測定した。L*は明度を示し、その数値が大きいほど明度が高いことを示し、b*はその値が大きいほど黄着色の度合いが大きいことを示す。また他の詳細な操作はJIS Z−8729に準じて行った。
(ア)白色ポリエステルフィルムの製造
得られた白色ポリエステル組成物をペレット状にカッティングし、このペレットを280℃に加熱された押出機に供給してダイスよりシート状に押し出した後、表面温度25℃の冷却ドラム上で冷却固化して未延伸フィルムを得る。得られた未延伸フィルムを回転金属ロールで搬送しながら赤外線ヒーター加熱により100℃の延伸温度で縦方向に2.9倍延伸する。次いで、フィルムの両端をクリップで保持しながらテンターに導き熱風加熱により120℃の延伸温度で横方向に3.6倍延伸する。更にテンター内で210℃の温度で熱固定して厚さ100μmの白色ポリエステルフィルムを得た。
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO4白板を100%とした時の反射率を、得られた白色ポリエステルフィルムについて波長400〜700nmにわたって測定する。得られたチャートより2nm間隔で反射率を読み取った。上記の範囲内で平均値を求めた上、次の基準で判定した。
○:全測定領域において反射率90%以上
△:全測定領域において反射率85%以上〜90%未満
×:全測定領域において反射率が85%未満
テレフタル酸ジメチル89部およびイソフタル酸ジメチル11部とエチレングリコール70部の混合物に、トリメリット酸チタン(全酸成分に対し、Ti元素として8モル%)を加圧反応が可能なSUS製容器に仕込み、0.08MPaの加圧を行い140℃から240℃に昇温しながらエステル交換反応させた後常圧に戻し、リン酸トリメチルとエチレングリコールの反応物を全酸成分に対し、P元素として10モル%添加し、エステル交換反応を終了させた。
その後混合物を重合容器に移し、常法にて高真空のもと重縮合反応を行い、最終内温が290℃まで昇温して反応を終了させ、極限粘度0.71、融点が226℃のポリエステル樹脂Aを得た。
不活性無機粒子として、硫酸バリウム粒子B−1(堺化学社製)(平均粒径:0.7μm)を真空乾燥機にて200℃、10KPaの条件で4時間乾燥したものと、参考例1で作成したポリエステル樹脂Aとを、神戸製鋼所製タンデム型二軸混錬押し出し機NEX−T60型機にそれぞれ定量性を持つスクリューフィーダーより連続定量供給し、第1段目二軸混練機(L/D=7)でローター回転速度600rpm、シリンダー温度240℃の条件にて混錬処理した。続いて溶融状態の白色ポリエステル組成物を第2段目単軸混練押出機に供給し、スクリュー回転速度115rpm、シリンダー温度230℃の条件にてストランド状に押し出し、これをカッティングして、硫酸バリウム粒子濃度59.5%の白色ポリエステル組成物からなるペレットを得た。このときの生産能力(速度)は120Kg/Hrとした。得られた白色ポリエステル組成物の特性を表1に示す。
不活性無機粒子として、硫酸バリウム粒子B−1(平均粒径:0.7μm)を真空乾燥機にて200℃、10KPaの条件で3時間乾燥したものを使用する以外は実施例1と同様の条件で白色ポリエステル組成物を作製した。特性を表1に示す。
不活性無機粒子として、硫酸バリウム粒子B−1(平均粒径:0.7μm)を真空乾燥機にて200℃、10KPaの条件で2時間乾燥したものを使用する以外は実施例1と同様の条件で白色ポリエステル組成物を作製した。特性を表1に示す。
不活性無機粒子として、硫酸バリウム粒子B−2(平均粒径:1.2μm)を真空乾燥機にて200℃、10KPaの条件で2時間乾燥したものを使用する以外は実施例1と同様の条件で白色ポリエステル組成物を作製した。特性を表1に示す。
白色ポリエステル組成物中の硫酸バリウム粒子の濃度を、表1に示す濃度に変更する以外は、実施例1と同様の操作で白色ポリエステル組成物を得た。得られた白色ポリエステル組成物の特性を表1に示す。
白色ポリエステル組成物中の硫酸バリウム粒子の濃度を、表1に示す濃度に変更する以外は、実施例1と同様の操作で白色ポリエステル組成物を得た。得られた白色ポリエステル組成物の特性を表1に示す。
不活性無機粒子として、硫酸バリウム粒子B−1(平均粒径:0.7μm)を乾燥せずに使用する以外は実施例1と同様の条件で白色ポリエステル組成物を作製した。特性を表1に示す。
不活性無機粒子として、硫酸バリウム粒子B−1(平均粒径:0.7μm)を真空乾燥機にて200℃、10KPaの条件で1時間乾燥したものを使用する以外は実施例1と同様の条件で白色ポリエステル組成物を作製した。特性を表1に示す。
実施例1と同様で未乾燥の不活性無機粒子およびポリエステル樹脂を、タンデム型ではない二軸混練押出機:神戸製鋼所製KTX−46型機(L/D=53)にそれぞれ定量性を持つスクリューフィーダーより連続定量供給し、スクリュー回転速度400rpm、シリンダー温度230℃、真空度50Paの条件にて混練処理後、ストランド状に押し出し、これをカッティングして、硫酸バリウム粒子濃度60%の白色ポリエステル組成物からなるペレットを得た。このときの生産能力(速度)は50kg/hrとした。得られた白色ポリエステル組成物の特性を表1に示す。
不活性無機粒子として、硫酸バリウム粒子B−2(堺化学社製)(平均粒径:1.2μm)を乾燥せずに使用する以外は実施例1と同様の条件で白色ポリエステル組成物を作製した。特性を表1に示す。
不活性無機粒子として、硫酸バリウム粒子B−1(平均粒径:0.7μm)を真空乾燥機にて200℃、10KPaの条件で4時間乾燥したものを、硫酸バリウム粒子の含有量が75重量%になる条件で白色ポリエステル組成物を作製した。特性を表1に示す。
不活性無機粒子として、硫酸バリウム粒子B−1(平均粒径:0.7μm)を乾燥せずに使用し、ポリエステル樹脂を140℃で6時間事前に乾燥する以外は実施例1と同様の条件で白色ポリエステル組成物を作製した。特性を表1に示す。
Claims (3)
- 不活性無機粒子を、含水率500ppm以下になるまで乾燥させ、その状態で組成物の重量を基準として、5〜70重量%の含有量になるようにポリエステルと溶融混練することを特徴とする白色ポリエステル組成物の製造方法。
- 溶融混練をタンデム型二軸混練押出機で行う請求項1記載の白色ポリエステル組成物の製造方法。
- 請求項1または2に記載の製造方法で得られた白色ポリエステル組成物。
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