JP2012168411A - 光学フィルム用基材及び光学フィルム、その製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベースフィルム1の上に、離型剤を塗布することによって離型層2を形成する。離型層2の上に中間層材料を塗工し硬化させることによって、シロキサン成分が含有された中間層3を形成する。透明基材層材料として、電離放射線硬化型樹脂組成物を、ラミネートフィルム5で覆ってキャスト法で成膜することによって透明基材層4を形成する。中間層3から、離型層2及びベースフィルム1を剥離すると共に、透明基材層4からラミネートフィルム5を剥離する。中間層3の上に反射防止層(AR層)を形成する。
【選択図】図1
Description
この反射防止フィルムは、基材となる透明フィルム上に、単層あるいは多層の光学薄膜層が積層されて構成されていて、一般に、基材となる透明フィルムには、PETフィルムが広く用いられ、光学薄膜層は、SiO2やNbO、STOといった金属酸化物を、真空蒸着、スパッタ等の気相法やウェットコーティングで積層させて形成されている。
ところで、このような反射防止フィルムは、光学薄膜層が外側になるように表示装置に貼り付けられるが、反射防止機能と共に、表面の耐摩耗性や耐久性も併せて求められる。
例えば、特許文献1には、UV硬化樹脂で中間層を形成し、その中間層を半硬化した状態で無機質材料を蒸着し、その後完全硬化することによって蒸着膜の密着性が良好な光学フィルムを形成する技術が開示されている。
また、中間層形成工程の前に、第1基材の上に、離型材からなる離型層を形成する離型層形成工程を設け、中間層形成工程では、離型層の上に中間層を形成することが好ましい。
本発明にかかる光学フィルムの製造方法では、上記の製造方法で製造した光学フィルム用基材における中間層の上に、光学薄膜層を形成する光学薄膜層形成工程を設けた。
ここで、「光学薄膜層」は、反射防止膜をはじめとして、ITOなどで形成した透明導電膜などを含む。
ここで、透明基材層と中間層との界面における結合は、シロキサン結合や光ラジカル反応による結合で形成されていることが好ましい。
また、中間層に無機酸化物としてSi、Ti、Zr、Sn、Sb、Alの少なくともいずれかの元素を含み、中間層における透明基材層と反対側の界面から深さ10nm以内の領域での無機酸化物成分を構成する各元素の和と、有機成分の炭素との元素数比(Si+Ti+Zr+Sn+Sb+Al)/Cを、0.01〜0.60の範囲内に設定することが好ましい。
このように、電離放射線硬化型樹脂組成物を硬化させて透明基材層を作製しているので、形成される透明基材層自体も、PETフィルムのような一般的なフィルムと比べて硬度が高い上に、透明基材層と中間層との界面において両層の材料が結合するので、当該界面における密着性も良好となる。
一つ目の要因として、例えば、中間層にアクリル系の材料を用いた場合、通常アクリルモノマーは大気中で紫外線硬化を行なうと塗膜表面は大気中の酸素により反応が進行せず、中間層の表面には未反応のアクリル成分が残留する。その後、中間層上に電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布した後、電離放射線を照射して硬化させると、上記中間層の表面に残存する未反応のアクリル成分と、電離放射線硬化型樹脂組成物中のアクリル成分が、お互いに光ラジカル反応することによって、界面で結合が進むためと考えられる。
従って、上記製造方法によって製造された光学フィルム用基材は、硬度が高く、密着性も良好である。
ここで、上記透明基材層形成工程において、塗工された電離放射線硬化型樹脂組成物を第2基材で被覆してラミネートした状態で電離放射線硬化型樹脂組成物を硬化させ、剥離工程において、中間層から第1基材を剥離すると共に、透明基材層から第2基材を剥離すれば、透明基材層の膜厚を均一的に形成でき、作製される光学フィルム用基材に反りも生じにくい。
本発明の製造方法において、中間層形成工程の前に、第1基材の上に、離型材からなる離型層を形成する離型層形成工程を設け、中間層形成工程では、離型層の上に中間層を形成するようにすれば、剥離工程において、第1基材と中間層との間に離型層が介在しているので、第1基材が中間層から良好に剥離される。
ここで、透明基材層と中間層との界面における結合は、シロキサン結合や光ラジカル反応による結合で形成されるため、透明基材層と中間層との密着性をより向上できる。
<光学フィルム30>
図2に示すように、光学フィルム30は、透明基材層4の上に、中間層3及び反射防止層6が順に積層されて構成される反射防止フィルムである。
中間層3は、アクリル系硬化樹脂等に無機材料が含有された材料からなる厚みが1μm〜10μm程度のハードコート層である。当該中間層3における透明基材層4との界面7の近傍領域には、シロキサン成分、もしくは無機酸化物としてSi、Ti、Zr、Sn、Sb、Alの1種以上を含む無機ナノ粒子が多く含有されている。
ここで、中間層3における透明基材層4と反対側の表面(反射防止層6との界面)から深さ10nm以内の領域での有機成分の炭素との元素数比(Si+Ti+Zr+Sn+Sb+Al)/Cを、0.01〜0.60の範囲内に設定しておけば、中間層3における反射防止層6との界面付近の無機酸化物成分がリッチなので、反射防止層6と中間層3との密着性がより良好となる。これは、無機成分からなる反射防止層6との親和性が高まるためと考えられる。
このような反射防止フィルムは、透明基材層4側が画像表示装置の表面に貼り付けられる。そして、反射防止層6の外側から入射されて、画像表示装置の表面で反射される反射光を光学干渉によって打消し合い、反射光強度を弱める機能を持つ。
<光学フィルム30の製造方法>
図1を参照しながら光学フィルム30を製造する方法を説明する。
1.図1(a),(b)に示すように、ベースフィルム1の上に、離型剤を塗布することによって離型層2を形成する。
紫外線硬化型の離型性HC材料を塗工し、UV光を照射して硬化させることによって離型層2を形成する。
離型層2の表面をコロナ処理することが好ましい。
なお、ベースフィルム成型時に離型剤を混入することで、ベースフィルム自体に離型性を付与してもよい。
2.図1(c)に示すように、離型用基材10における離型層2の上に中間層3を形成する。
中間層3を形成する第1の方法:
この第1の方法では、中間層3の材料に有機ケイ素化合物を含ませておき、塗布した後に、有機ケイ素化合物を加水分解して無機酸化物(シロキサン)を形成する。
中間層3の材料として、例えば、RnSiX4(RはSiに炭素原子が直接結合する有機基、Xは水酸基又は加水分解性基、nは1又は2)で表わされる有機ケイ素化合物の縮合物と、金属キレート化合物と、アクリレート系紫外線硬化性化合物の硬化物とを含有する有機無機複合体を用いる。なお、このような有機無機複合体については、WO2008/69217号公報に開示されている。
このような中間層材料を用いて形成される中間層3は、アクリル系樹脂に無機物質であるシロキサンが含有された層であって、塗膜から溶媒が蒸発する際に、塗膜中の組成が分離して、塗膜における離型層2との界面および表面付近において無機酸化物(シロキサン)成分の割合が大きくなる。
シロキサン等の無機酸化物骨格を有する熱硬化性樹脂組成物を中間層材料として用い、この中間層材料を、離型用基材10における離型層2の上に塗工し、溶媒を除去した後、熱硬化させることによって、無機酸化物骨格を有する中間層3が形成される。
この第2の製法によっても、中間層3における離型層2との界面から深さ10nm以内の領域での無機酸化物成分を構成する各元素の和と、有機成分の炭素との元素数比(Si+Ti+Zr+Sn+Sb+Al)/Cを、0.01〜0.60の範囲内に設定することが好ましい。
透明基材層4は、電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布した後、紫外線や電子線等を照射して硬化させることによって形成する。
ここでは、透明基材層材料として、紫外線硬化型のアクリル系樹脂組成物を用い、中間層3の上にキャスト法で成膜することによって透明基材層4を形成する例を示すが、透明基材層材料として、電子線硬化型のアクリル系樹脂組成物を用いても同様に実施できる。
アクリル系のモノマーについては、3官能モノマーとして、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPT)あるいはそれのEO変性、PO変性物、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET−3A)が例示できる。また、4官能モノマーとして、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、6官能モノマーとしては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPE−6A)などが例示できる。
一般に、オリゴマーの比率を高くすると、成膜後の可撓性が増加するが、硬度は低下する。従って、可撓性と硬度が両立して得られるように、これらモノマーとオリゴマーの比率を設定することが好ましい。
溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、イソブチルアルコール(IBA)、エチルアルコール、メチルアルコール、ノルマルブチルアルコール(NBA)、シクロヘキサノン(CAN)、ジアセチルアセトン(DAA)、酢酸ブチル、酢酸エチル、イソプロピルアルコール(IPA)等を用いることができる。
上記アクリル系樹脂組成物を、中間層3の上に塗工して、紫外線を照射すると、樹脂組成物に含まれるラジカル開始剤がラジカルを発生し、生成したラジカルを開始点として3次元状に架橋反応が進むので、形成される透明基材層4は、3次元架橋構造を有し、硬度、耐擦傷性などの機械強度に優れたものとなる。
特に、透明基材層4を高硬度に形成するために、透明基材層4に無機セグメントであるシロキサン結合で架橋を形成することが好ましいが、そのために、ゾル・ゲル法を利用してアクリルモノマーとシロキサンを付加重合(ハイブリッド化)させて形成した共重合樹脂のオリゴマーを用いることが好ましい。
また、透明基材層4に、粒径100nm以下のシリカ微粒子(いわゆるナノシリカ)を分散させてもよい。
5.図1(e)に示すようにフィルム1,5を剥離する。
以上で、透明基材層4上に中間層3が積層された光学フィルム用基材20が作製される。
反射防止層6は、TiO2、Nb2O5、Zr2O3、SiN、Ta2O5、ITO、IZO、GZO、AZO等の高屈折率材料と、SiO2等の低屈折率材料とを、スパッタ法、蒸着法、あるいはCVD法で、順に成膜することによって形成できる。
(上記製法による効果)
なお、上記1〜6の各工程は、ロール・ツー・ロール加工で連続的に行うこともでき、それによって、反射防止フィルムを効率よく製造することができる。
上記実施の形態では、ベースフィルム1の上に、離型剤を塗布することによって離型層2を形成し、離型層2の上に中間層3を形成したが、ベースフィルム1の上に中間層3を直接形成してもよい。ただし、離型層2を形成しておく方が、剥離工程においてベースフィルム1を容易に剥離できる。
上記実施の形態では、光学フィルム用基材20に反射防止層6を形成して、反射防止フィルムを作製したが、上記のように作製した光学フィルム用基材20は、反射防止フィルムに限らず、無機材料で薄膜を形成して各種の光学フィルムを作製するのに利用できる。
1.ベースフィルム1として、二軸延伸PETフィルム(東洋紡績株式会社製「コスモシャイン A4100」厚み100μm)を用意する。
2.離型層2を形成する工程:
ベースフィルム1の上に、離型剤として、チッソ株式会社製ハードコートU1006を塗布し、UV光を照射して硬化することによって、離型層2を形成する。形成した離型層2の表面をコロナ処理する。
3.中間層3の形成
3−1 第1の方法(有機ケイ素化合物を加水分解してシロキサンを形成する方法)で中間層3を製造する例。
ジイソプロポキシビスアセチルアセトナートチタン(日本曹達株式会社製、T−50、酸化チタン換算固形分量:16.5重量%)30.3gをエタノール/酢酸エチル/2−ブタノール=60/20/20の混合溶媒58.4gに溶解後、攪拌しながらイオン交換水11.3g(酸化チタンに対してモル比で10倍)をゆっくり滴下し、加水分解させる。1日後に溶液を濾過し、黄色透明な酸化チタン換算濃度5重量%の酸化チタンナノ分散液[A−1]を得る。得られた分散液において、酸化チタンの平均粒径は、例えば4.1nmであって単分散性である。
有機ケイ素化合物として、ビニルトリメトキシシラン[B−1](信越化学工業株式会社製、KBM−1003)を用い、 元素比(Ti/Si=1/9)になるように、上記[A−1]と[B−1]を混合した混合液[C−1]を作製する。混合液[C−1]における固形分は例えば27重量%程度である。
紫外線硬化性化合物として、ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業株式会社製、紫光UV7600B)を30重量%となるようにエタノール/酢酸エチル/2−ブタノール=60/20/20の混合溶媒に溶解させる。この溶液に光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(和光純薬工業株式会社製)をウレタンアクリレートオリゴマーの固形分に対して4重量%となるように溶解させ、溶液[D−1]を得る。
上記[C−1]混合液と[D−1]溶液とを混合する。ここで、混合比率は、[C−1]液の固形分/[D−1]液の固形分の割合が10重量%/90重量%となるように設定する。得られた混合液を中間層材料とする。
この中間層材料を、マイヤーバー(#10)で離型用基材10に塗布する。その後、80℃にて有機溶媒を揮発させ、高圧水銀ランプで紫外線を照射する。それによって、厚さ約5μmの中間層3が形成される。
3−2.第2の方法(熱硬化型のシロキサン系樹脂を用いて中間層3を形成する方法)
熱硬化型のシロキサン系樹脂として、NSC2451(日本精化株式会社製)を用意する。
この塗料を中間層材料として、マイヤーバー(#14)で離型用基材10に塗布する。
その後、120℃にて有機溶媒を揮発させるとともに樹脂を硬化させて、厚さ約5μmの中間層3を形成する。
3−3.第3の方法(無機酸化物が入っていない中間層3を形成する方法)
無機酸化物を含有しない紫外線硬化型アクリルレート塗料として、ノプコキュアSHC-017R(サンノプコ株式会社製)を用意する。
その後、80℃にて有機溶媒を揮発させ、高圧水銀ランプで紫外線を照射することによって、厚さ約5μmの中間層3を形成する。
4.透明基材層4の形成工程
4−1: 9Hタイプの透明基材層4を形成する例
紫外線硬化型アクリル系樹脂材料として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET−3A)75重量部に対して、3官能ウレタンアクリレート(第一工業製薬株式会社製ニューフロンティアR1302)25重量部を混合したものを用意する。これに光重合開始剤(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製イルガキュア184)を5重量部混合することにより、樹脂組成物を作製する。
得られた塗布膜の表面にPETフィルムを貼合する。ラミネートフィルム5は、ベースフィルム1と同様のPETフィルムである。
この貼合を行う際に、塗布膜に気泡が入らないように留意し、塗膜の厚みが一定に保たれるように低い押圧力でラミネートフィルム5をローラーで圧着しながら貼合する。
形成される透明基材層4は、無機セグメントと有機高分子セグメントを構成要素とする有機−無機共重合体からなり、ガラスと樹脂の中間的性質を有し、表面の鉛筆硬度は9Hである。
4−2: 3Hタイプの透明基材層4を形成する例
紫外線硬化型アクリル樹脂材料として、UV7600B(日本合成化学工業株式会社製)を用意した。
光重合開始剤(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製イルガキュア184)を5重量部、メチルエチルケトンを5重量部先に混合した溶液を、このUV7600Bに添加混合して紫外線硬化塗料を作製する。
5.剥離工程
中間層3と離型層2との間を剥離すると共に、透明基材層4とラミネートフィルム5との間を剥離する。
以上の製法で作製された光学フィルム用基材20は、適度な屈曲性を有すると共に、高硬度であることも確認した。
6.反射防止層(AR層)形成
光学フィルム用基材20の中間層3上に反射防止層6を形成する。
例えば、アンカーSi層(0.5nm)/NbO層(13nm)/SiO2層(28nm)/NbO層(112nm)/SiO2層(90nm)である。
以上で、反射防止フィルムが作製される。
上記実施例に基づいて、表1に示すように、中間層3及び透明基材層4を製造する条件を変えながら光学フィルム用基材20及び光学フィルム30を作製した。また、比較例として、PET基材、並びに透明基材層4の材料を硬化させて作製した透明基材層の上に中間層材料を直接塗布して中間層を形成した光学フィルム用基材も作製した。
No.10〜14は、実施例にかかる光学フィルムであって、No.10〜12は、中間層の上に鉛筆硬度3Hの透明基材層(3Hタイプ)を塗布形成したもの、No.13,14は、中間層の上に鉛筆硬度9Hの透明基材層(9Hタイプ)を塗布形成したものであり、透明基材層形成後に、中間層の上に反射防止層(AR層)を形成している。
No.16は、比較例にかかる光学フィルムであって、鉛筆硬度9Hの透明基材層(9Hタイプ)の上に反射防止層(AR層)を直接形成したものである。
各サンプルの表面の鉛筆硬度を測定した。また、セロテープ(登録商標)で剥離試験を行った。
テープ剥離試験は、各サンプルの表面にニチバン株式会社製「セロテープ(登録商標)」を貼り、膜面に対し垂直方向にテープを瞬時にひき剥がし、目視にて剥離の有無を観察した。
クロスカット剥離試験は、各サンプルの膜面をカッターで10×10にクロスカットした後に、同様にしてひき剥がし、目視にて剥離の有無を観察した。
特に比較例にかかるNo.5と実施例にかかるNo.9とを比べると、No.5は透明基材層自体の硬度が9Hであるにもかかわらず、中間層の表面硬度は3Hと低いが、No.9では、中間層の表面硬度も9Hである。
この結果は、透明基材層上に中間層材料を塗布して中間層を形成した比較例にかかるNo.3,4と比べて、中間層上に透明基材層を塗布形成した実施例にかかるNo.6〜8の方が、中間層と透明基材層との間の密着性が良好であることを示している。
(UV耐光性試験)
実施例にかかるNo.11〜14の光学フィルム、及び比較例にかかるNo.15,16の光学フィルムについて、UV耐光性試験を行った。
中間層を介さずに、直接透明基材層上に反射防止層を設けたNo.16では、96時間後のテープ剥離試験において反射防止層の剥離が見られた。これに対し、中間層を第1または第2の方法で作製したNo.11〜14では、UV照射時間が1248時間以上経過しても、光学フィルムに劣化は見られず良好であった。一方、中間層を第3の方法で作製した比較例にかかるNo.15では、96時間後のテープ剥離試験において反射防止層の剥離が見られた。
2 離型層
3 中間層
4 透明基材層
5 ラミネートフィルム
6 反射防止層
10 離型用基材
20 光学フィルム用基材
30 光学フィルム
Claims (11)
- 表面に光学薄膜層を積層して光学フィルムを形成するための光学フィルム用基材を製造する方法であって、
第1基材の上に、
無機酸化物が含有された材料からなる中間層を形成する中間層形成工程と、
前記中間層上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布した後、電離放射線を照射して硬化させることによって透明基材層を形成する透明基材層形成工程と、
前記中間層から前記第1基材を剥離する剥離工程とを備えることを特長とする光学フィルム用基材の製造方法。 - 前記透明基材層形成工程において、
前記塗工された電離放射線硬化型樹脂組成物を第2基材で被覆してラミネートした状態で電離放射線を照射して当該電離放射線硬化型樹脂組成物を硬化させ、
前記剥離工程において、
前記中間層から前記第1基材を剥離すると共に、前記透明基材層から前記第2基材を剥離することを特徴とする請求項1記載の光学フィルム用基材の製造方法。 - 前記中間層形成工程の前に、前記第1基材の上に、離型材からなる離型層を形成する離型層形成工程を備え、
前記中間層形成工程では、前記離型層の上に前記中間層を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の光学フィルム用基材の製造方法。 - 前記電離放射線硬化型樹脂組成物が、架橋を形成するアクリル系樹脂、または架橋を形成するアクリル系樹脂と無機酸化物を成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の光学フィルム用基材の製造方法。
- 請求項1から4のいずれか記載の製造方法で製造した光学フィルム用基材における中間層の上に、光学薄膜層を形成する光学薄膜層形成工程を備えることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
- 請求項1から4のいずれか記載の製造方法で製造され、
電離放射線硬化型樹脂組成物からなる透明基材層の上に、
無機酸化物が含有された材料からなる中間層が積層されてなる光学フィルム用基材。 - 電離放射線硬化型樹脂組成物からなる透明基材層の上に、
無機酸化物が含有された材料からなる中間層が積層されてなり、
当該中間層上に光学薄膜層が形成される光学フィルム用基材であって、
前記透明基材層と前記中間層とが接する界面において両層が結合していることを特徴とする光学フィルム用基材。 - 前記透明基材層と前記中間層とが接する界面における結合は、シロキサン結合、及び/または光ラジカル反応による結合で形成されていることを特徴とする請求項7記載の光学フィルム用基材。
- 前記電離放射線硬化型樹脂組成物が、架橋を形成するアクリル系樹脂、または架橋を形成するアクリル系樹脂と無機酸化物を成分とすることを特徴とする請求項6〜8のいずれか記載の光学フィルム用基材。
- 前記中間層に前記無機酸化物としてSi、Ti、Zr、Sn、Sb、Alの少なくともいずれかの元素を含み、
前記中間層における前記透明基材層と反対側の表面から深さ10nm以内の領域での無機酸化物成分を構成する各元素の和と、有機成分の炭素との元素数比(Si+Ti+Zr+Sn+Sb+Al)/Cが0.1〜0.60の範囲内であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか記載の光学フィルム用基材。 - 請求項6〜10のいずれか記載の光学フィルム用基材における中間層の上に、光学薄膜層が形成されてなる光学フィルム。
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