JP2012168411A - 光学フィルム用基材及び光学フィルム、その製造方法 - Google Patents

光学フィルム用基材及び光学フィルム、その製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透明基材上に反射防止層をはじめとする光学薄膜層を形成した光学フィルムにおいて、その表面硬度をさらに高めるとともに、耐光性などを向上させる。
【解決手段】ベースフィルム1の上に、離型剤を塗布することによって離型層2を形成する。離型層2の上に中間層材料を塗工し硬化させることによって、シロキサン成分が含有された中間層3を形成する。透明基材層材料として、電離放射線硬化型樹脂組成物を、ラミネートフィルム5で覆ってキャスト法で成膜することによって透明基材層4を形成する。中間層3から、離型層2及びベースフィルム1を剥離すると共に、透明基材層4からラミネートフィルム5を剥離する。中間層3の上に反射防止層(AR層)を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種ディスプレイの表面に設ける反射防止フィルムをはじめとする光学フィルム、及びその製造方法に関する。
陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、プロジェクションディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)といった様々な表示装置において、外光の反射を防止するためにディスプレイの表面に反射防止フィルムが貼り付けられている。
この反射防止フィルムは、基材となる透明フィルム上に、単層あるいは多層の光学薄膜層が積層されて構成されていて、一般に、基材となる透明フィルムには、PETフィルムが広く用いられ、光学薄膜層は、SiO2やNbO、STOといった金属酸化物を、真空蒸着、スパッタ等の気相法やウェットコーティングで積層させて形成されている。
この反射防止フィルムが表示装置の表面に貼付けられると、光学薄膜層による光干渉によって、画面の表面反射や映り込みが抑えられるので、コントラストの高い画像が得られる。
ところで、このような反射防止フィルムは、光学薄膜層が外側になるように表示装置に貼り付けられるが、反射防止機能と共に、表面の耐摩耗性や耐久性も併せて求められる。
そのために、反射防止フィルムを形成する際に、透明フィルム上にハードコート材料を塗布し硬化させて中間層を形成し、その上に反射防止層を薄膜形成する方法もとられている。
例えば、特許文献1には、UV硬化樹脂で中間層を形成し、その中間層を半硬化した状態で無機質材料を蒸着し、その後完全硬化することによって蒸着膜の密着性が良好な光学フィルムを形成する技術が開示されている。
また、特許文献2には、透明プラスチック基材フィルムに、中間層として、紫外線硬化型樹脂などでハードコート層が形成され、その上に、MgF2、MgOなどの無機質材料や金属材料が、蒸着、スパッタリング、プラズマCVD法で薄膜形成された反射防止フィルムが開示されている。
特開平7−34220号公報 特許3332605号公報
しかし、上記のような構成の反射防止フィルムにおいて、表面の硬度を高くするにも限界があり、基材としてPETフィルムを用いた場合、ハードコート材料で中間層を形成しても、得られる鉛筆硬度は3H程度までであり、耐摩耗性や擦傷性といった耐久性を向上させるにも限りがある。また、ハードコート材料を塗り重ねるだけでは、基材とハードコート層の密着が十分ではないため、太陽光線照射や高温高湿度環境等の影響により膜剥離が生じることもある。
本発明は、このような課題に鑑み、透明基材上に反射防止層や透明導電膜層をはじめとする光学薄膜層を形成した光学フィルムにおいて、その表面硬度をさらに高めるとともに、耐久性を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明にかかる光学フィルム用基材の製造方法では、第1基材の上に、無機酸化物が含有された材料からなる中間層を形成する中間層形成工程と、中間層上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布した後、電離放射線を照射して硬化させることによって透明基材層を形成する透明基材層形成工程と、中間層から第1基材を剥離する剥離工程とを設けた。
ここで、上記透明基材層形成工程において、塗工された電離放射線硬化型樹脂組成物を第2基材で被覆してラミネートした状態で電離放射線を照射して当該電離放射線硬化型樹脂組成物を硬化させ、剥離工程において、中間層から第1基材を剥離すると共に、透明基材層から第2基材を剥離することが好ましい。
また、中間層形成工程の前に、第1基材の上に、離型材からなる離型層を形成する離型層形成工程を設け、中間層形成工程では、離型層の上に中間層を形成することが好ましい。
上記電離放射線硬化型樹脂組成物は、架橋を形成するアクリル系樹脂、または架橋を形成するアクリル系樹脂と無機酸化物を成分とすることが好ましい。
本発明にかかる光学フィルムの製造方法では、上記の製造方法で製造した光学フィルム用基材における中間層の上に、光学薄膜層を形成する光学薄膜層形成工程を設けた。
ここで、「光学薄膜層」は、反射防止膜をはじめとして、ITOなどで形成した透明導電膜などを含む。
また、上記目的を達成するため、本発明にかかる光学フィルム用基材は、電離放射線硬化型樹脂組成物からなる透明基材層の上に、無機酸化物が含有された材料からなる中間層が積層されてなり、当該中間層上に光学薄膜層が形成される光学フィルム用基材であって、透明基材層と中間層とが接する界面において両層が結合しているようにした。
ここで、透明基材層と中間層との界面における結合は、シロキサン結合や光ラジカル反応による結合で形成されていることが好ましい。
上記電離放射線硬化型樹脂組成物は、架橋を形成するアクリル系樹脂、または架橋を形成するアクリル系樹脂と無機酸化物を成分とすることが好ましい。
また、中間層に無機酸化物としてSi、Ti、Zr、Sn、Sb、Alの少なくともいずれかの元素を含み、中間層における透明基材層と反対側の界面から深さ10nm以内の領域での無機酸化物成分を構成する各元素の和と、有機成分の炭素との元素数比(Si+Ti+Zr+Sn+Sb+Al)/Cを、0.01〜0.60の範囲内に設定することが好ましい。
また、本発明にかかる光学フィルムは、上記の光学フィルム用基材における中間層の上に、光学薄膜層を形成した構成である。
上記本発明の光学フィルム用基材の製造方法、並びに本発明の光学フィルムの製造方法によれば、中間層形成工程で、第1基材の上に、無機酸化物が含有された材料からなる中間層を形成し、透明基材層形成工程で、中間層上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布した後、電離放射線を照射して硬化させることによって透明基材層を形成する。
このように、電離放射線硬化型樹脂組成物を硬化させて透明基材層を作製しているので、形成される透明基材層自体も、PETフィルムのような一般的なフィルムと比べて硬度が高い上に、透明基材層と中間層との界面において両層の材料が結合するので、当該界面における密着性も良好となる。
透明基材層と中間層との界面における密着性向上の要因としては、以下の2つが考えられる。
一つ目の要因として、例えば、中間層にアクリル系の材料を用いた場合、通常アクリルモノマーは大気中で紫外線硬化を行なうと塗膜表面は大気中の酸素により反応が進行せず、中間層の表面には未反応のアクリル成分が残留する。その後、中間層上に電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布した後、電離放射線を照射して硬化させると、上記中間層の表面に残存する未反応のアクリル成分と、電離放射線硬化型樹脂組成物中のアクリル成分が、お互いに光ラジカル反応することによって、界面で結合が進むためと考えられる。
二つ目の要因として、中間層の無機酸化物中に有するシラノール基が電離放射線硬化型樹脂組成物中に含まれる水酸基等の種々の官能基や含有する無機酸化物中のシラノール基が反応し、界面間でシロキサン結合等が形成されるためと考えられる。
従って、上記製造方法によって製造された光学フィルム用基材は、硬度が高く、密着性も良好である。
また、本発明の製造方法によれば、比較的柔軟性の乏しい透明基材層であっても、その透明基材層が中間層よりも後に形成されるので、ロール・ツー・ロール加工で製造する上でも有利である。
ここで、上記透明基材層形成工程において、塗工された電離放射線硬化型樹脂組成物を第2基材で被覆してラミネートした状態で電離放射線硬化型樹脂組成物を硬化させ、剥離工程において、中間層から第1基材を剥離すると共に、透明基材層から第2基材を剥離すれば、透明基材層の膜厚を均一的に形成でき、作製される光学フィルム用基材に反りも生じにくい。
また、電離放射線硬化型樹脂組成物が硬化反応において酸素阻害性のある材料の場合でも、第1基材と第2基材とで大気から隔離するため、酸素の侵入を防止できる。
本発明の製造方法において、中間層形成工程の前に、第1基材の上に、離型材からなる離型層を形成する離型層形成工程を設け、中間層形成工程では、離型層の上に中間層を形成するようにすれば、剥離工程において、第1基材と中間層との間に離型層が介在しているので、第1基材が中間層から良好に剥離される。
また、本発明にかかる光学フィルム用基材、並びに本発明の光学フィルムは、透明基材層と中間層との界面において両層の材料が結合する構成となっているので、上記製造方法で説明したのと同様の理由で、高い硬度が得られ、密着性も良好である。
ここで、透明基材層と中間層との界面における結合は、シロキサン結合や光ラジカル反応による結合で形成されるため、透明基材層と中間層との密着性をより向上できる。
中間層に無機酸化物としてSi、Ti、Zr、Sn、Sb、Alの少なくともいずれかの元素を含み、中間層における透明基材層と反対側の表面から深さ10nm以内の領域での無機酸化物成分を構成する各元素の和と、有機成分の炭素との元素数比(Si+Ti+Zr+Sn+Sb+Al)/Cを、0.01〜0.60の範囲内に設定しておけば、この中間層の表面上に光学薄膜層を形成するときに、中間層との密着性がより良好となる。これは、中間層の表面付近の無機酸化物成分がリッチであるため、無機成分からなる光学薄膜層との親和性が高まるためと考えられる。
光学フィルム30を製造する方法を示す図である。 光学フィルム30の構成を模式的に示す図である。
図1は、光学フィルム30を製造する方法を示す図、図2は、光学フィルム30の構成を模式的に示す図である。
<光学フィルム30>
図2に示すように、光学フィルム30は、透明基材層4の上に、中間層3及び反射防止層6が順に積層されて構成される反射防止フィルムである。
透明基材層4は、電離放射線硬化型樹脂組成物が硬化した材料からなる層であり、有機高分子セグメント及び無機セグメントを構成要素とする有機−無機共重合体で形成されていることが好ましい。透明基材層4の厚みは特に限定はないが、耐久性、可撓性などを勘案して、厚み20〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましく、100〜250μmがさらに好ましい。
このように透明基材層4は、架橋型のアクリル系樹脂をはじめとする電離放射線硬化型の樹脂で形成されるので基材の硬度が高く、特に有機高分子セグメント及び無機セグメントの両方を構成要素と含む共重合樹脂で形成することによって、鉛筆硬度3H〜9Hの高硬度基材層が得られる。
中間層3は、アクリル系硬化樹脂等に無機材料が含有された材料からなる厚みが1μm〜10μm程度のハードコート層である。当該中間層3における透明基材層4との界面7の近傍領域には、シロキサン成分、もしくは無機酸化物としてSi、Ti、Zr、Sn、Sb、Alの1種以上を含む無機ナノ粒子が多く含有されている。
そして、透明基材層4の中に形成されている架橋構造は、中間層3における界面7の近傍に存在する官能基にも結合している。
ここで、中間層3における透明基材層4と反対側の表面(反射防止層6との界面)から深さ10nm以内の領域での有機成分の炭素との元素数比(Si+Ti+Zr+Sn+Sb+Al)/Cを、0.01〜0.60の範囲内に設定しておけば、中間層3における反射防止層6との界面付近の無機酸化物成分がリッチなので、反射防止層6と中間層3との密着性がより良好となる。これは、無機成分からなる反射防止層6との親和性が高まるためと考えられる。
反射防止層6は、屈折率の異なる複数の無機誘電体薄膜が積層された層であって、各層は、TiO2、Nb25、Zr2、SiN、Ta25、ITO、IZO、GZO、AZO等の高屈折率材料と、SiO2等の低屈折率材料とで形成されている。反射防止層6の膜厚は数十〜数百nmである。
このような反射防止フィルムは、透明基材層4側が画像表示装置の表面に貼り付けられる。そして、反射防止層6の外側から入射されて、画像表示装置の表面で反射される反射光を光学干渉によって打消し合い、反射光強度を弱める機能を持つ。
また、透明基材層4は、過酷な光照射環境や高温高湿環境においても安定なので、基材劣化に起因する剥離も発生しにくい。
<光学フィルム30の製造方法>
図1を参照しながら光学フィルム30を製造する方法を説明する。
1.図1(a),(b)に示すように、ベースフィルム1の上に、離型剤を塗布することによって離型層2を形成する。
この離型剤としては、フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂からなる離型剤を用いることができる。
紫外線硬化型の離型性HC材料を塗工し、UV光を照射して硬化させることによって離型層2を形成する。
離型層2の表面をコロナ処理することが好ましい。
以上で、ベースフィルム1上に離型層2が積層されてなる離型用基材10が作製される。
なお、ベースフィルム成型時に離型剤を混入することで、ベースフィルム自体に離型性を付与してもよい。
2.図1(c)に示すように、離型用基材10における離型層2の上に中間層3を形成する。
中間層3の形成方法として、以下に2種類の方法を示す。
中間層3を形成する第1の方法:
この第1の方法では、中間層3の材料に有機ケイ素化合物を含ませておき、塗布した後に、有機ケイ素化合物を加水分解して無機酸化物(シロキサン)を形成する。
中間層3の材料として、例えば、RnSiX4(RはSiに炭素原子が直接結合する有機基、Xは水酸基又は加水分解性基、nは1又は2)で表わされる有機ケイ素化合物の縮合物と、金属キレート化合物と、アクリレート系紫外線硬化性化合物の硬化物とを含有する有機無機複合体を用いる。なお、このような有機無機複合体については、WO2008/69217号公報に開示されている。
この中間層材料を、離型用基材10における離型層2の上に、ロールコータなどで塗工し、溶媒を除去した後、高圧水銀灯等を用いてUV光を照射して硬化させることによって、中間層3を形成することができる。
このような中間層材料を用いて形成される中間層3は、アクリル系樹脂に無機物質であるシロキサンが含有された層であって、塗膜から溶媒が蒸発する際に、塗膜中の組成が分離して、塗膜における離型層2との界面および表面付近において無機酸化物(シロキサン)成分の割合が大きくなる。
なお、この中間層3において、離型層2との界面は、反射防止層6が形成される面である。この離型層2側の界面から深さ10nm以内の領域における無機酸化物成分を構成する各元素の和と、有機成分の炭素との元素数比(Si+Ti+Zr+Sn+Sb+Al)/Cが、0.01〜0.60の範囲内になるように中間層材料の組成を設定しておくことが好ましい。
中間層3を形成する第2の方法:
シロキサン等の無機酸化物骨格を有する熱硬化性樹脂組成物を中間層材料として用い、この中間層材料を、離型用基材10における離型層2の上に塗工し、溶媒を除去した後、熱硬化させることによって、無機酸化物骨格を有する中間層3が形成される。
この第2の製法によっても、中間層3における離型層2との界面から深さ10nm以内の領域での無機酸化物成分を構成する各元素の和と、有機成分の炭素との元素数比(Si+Ti+Zr+Sn+Sb+Al)/Cを、0.01〜0.60の範囲内に設定することが好ましい。
3.図1(d)に示すように中間層3の上に透明基材層4を形成する。
透明基材層4は、電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布した後、紫外線や電子線等を照射して硬化させることによって形成する。
ここでは、透明基材層材料として、紫外線硬化型のアクリル系樹脂組成物を用い、中間層3の上にキャスト法で成膜することによって透明基材層4を形成する例を示すが、透明基材層材料として、電子線硬化型のアクリル系樹脂組成物を用いても同様に実施できる。
透明基材層材料を中間層3の上に塗布する方法は一般的な塗布方法を用いることができるが、好ましくは、中間層3上に紫外線硬化型のアクリル系樹脂組成物を塗布し、これを挟み込みむように透明なラミネートフィルム5を積層して、ローラーで圧着することによってラミネートする。そして、このようにラミネートした状態で、ラミネートフィルム5の上からUV照射して、アクリル系樹脂組成物を硬化させることによって透明基材層4が形成される。
上記のアクリル系樹脂組成物は、アクリル基を含むモノマー及びオリゴマーがブレンドされた樹脂成分に、光開始剤、充填材、安定剤、溶媒などが添加されてなる組成物であり、
アクリル系のモノマーについては、3官能モノマーとして、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPT)あるいはそれのEO変性、PO変性物、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET−3A)が例示できる。また、4官能モノマーとして、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、6官能モノマーとしては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPE−6A)などが例示できる。
アクリル系オリゴマーとしては、アクリル基を含むウレタン系あるいはエポキシ系のオリゴマーが挙げられる。
一般に、オリゴマーの比率を高くすると、成膜後の可撓性が増加するが、硬度は低下する。従って、可撓性と硬度が両立して得られるように、これらモノマーとオリゴマーの比率を設定することが好ましい。
重合開始剤としては、例えばチバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製イルガキュア907(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン)やイルガキュア184などの一般的な光重合開始剤を用いることができる。
溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、イソブチルアルコール(IBA)、エチルアルコール、メチルアルコール、ノルマルブチルアルコール(NBA)、シクロヘキサノン(CAN)、ジアセチルアセトン(DAA)、酢酸ブチル、酢酸エチル、イソプロピルアルコール(IPA)等を用いることができる。
なお、上記のモノマーが希釈剤を兼ねることができるので、別途に溶剤を用いない場合もある。
上記アクリル系樹脂組成物を、中間層3の上に塗工して、紫外線を照射すると、樹脂組成物に含まれるラジカル開始剤がラジカルを発生し、生成したラジカルを開始点として3次元状に架橋反応が進むので、形成される透明基材層4は、3次元架橋構造を有し、硬度、耐擦傷性などの機械強度に優れたものとなる。
また、透明基材層4に架橋が形成されるときに、中間層3における界面7の近傍領域に残っている未反応基とも結合して、中間層3にもまたがって架橋部分が形成されるので、透明基材層4と中間層3との密着強度も良好となる。
特に、透明基材層4を高硬度に形成するために、透明基材層4に無機セグメントであるシロキサン結合で架橋を形成することが好ましいが、そのために、ゾル・ゲル法を利用してアクリルモノマーとシロキサンを付加重合(ハイブリッド化)させて形成した共重合樹脂のオリゴマーを用いることが好ましい。
より具体的には、「プラスチックハードコート材料の最新技術」(シーエムシー出版、2008)を参照することができる。
また、透明基材層4に、粒径100nm以下のシリカ微粒子(いわゆるナノシリカ)を分散させてもよい。
5.図1(e)に示すようにフィルム1,5を剥離する。
中間層3から、離型層2及びベースフィルム1を剥離すると共に、透明基材層4からラミネートフィルム5を剥離する。この剥離工程では、ベースフィルム1の上に形成されている離型層2と中間層3と間でスムースに剥離がなされるので、剥離後の中間層3の表面状態も良好なものとなる。
以上で、透明基材層4上に中間層3が積層された光学フィルム用基材20が作製される。
6.図1(f)に示すように中間層3の上に反射防止層(AR層)形成する。
反射防止層6は、TiO2、Nb25、Zr2、SiN、Ta25、ITO、IZO、GZO、AZO等の高屈折率材料と、SiO2等の低屈折率材料とを、スパッタ法、蒸着法、あるいはCVD法で、順に成膜することによって形成できる。
(上記製法による効果)
なお、上記1〜6の各工程は、ロール・ツー・ロール加工で連続的に行うこともでき、それによって、反射防止フィルムを効率よく製造することができる。
ところで、ロール・ツー・ロール加工を行う場合、透明基材層4は中間層3と比べて厚みが大きく柔軟性に乏しいので、透明基材層4を形成する工程をできるだけ後で行う方が有利であるが、上記製法によれば、中間層3よりも透明基材層4の方が後で形成されるので、ロール・ツー・ロール加工で光学フィルム用基材20を製造する上でメリットがある。
(実施の形態の変形など)
上記実施の形態では、ベースフィルム1の上に、離型剤を塗布することによって離型層2を形成し、離型層2の上に中間層3を形成したが、ベースフィルム1の上に中間層3を直接形成してもよい。ただし、離型層2を形成しておく方が、剥離工程においてベースフィルム1を容易に剥離できる。
一方、剥離工程において、透明基材層4からラミネートフィルム5を容易に剥離できるように、予めラミネートフィルム5に離型層を形成しておいてもよい。
上記実施の形態では、光学フィルム用基材20に反射防止層6を形成して、反射防止フィルムを作製したが、上記のように作製した光学フィルム用基材20は、反射防止フィルムに限らず、無機材料で薄膜を形成して各種の光学フィルムを作製するのに利用できる。
例えば光学フィルム用基材20の中間層3の上に、ITO導電膜を形成して透明導電性フィルムを形成することもできる。
実施の形態で説明した光学フィルム30の製造方法に関して、その具体例を以下に述べる。
1.ベースフィルム1として、二軸延伸PETフィルム(東洋紡績株式会社製「コスモシャイン A4100」厚み100μm)を用意する。
2.離型層2を形成する工程:
ベースフィルム1の上に、離型剤として、チッソ株式会社製ハードコートU1006を塗布し、UV光を照射して硬化することによって、離型層2を形成する。形成した離型層2の表面をコロナ処理する。
以上で、ベースフィルム1上に離型層2が積層されてなる離型用基材10が作製される。
3.中間層3の形成
3−1 第1の方法(有機ケイ素化合物を加水分解してシロキサンを形成する方法)で中間層3を製造する例。
(1)光感応性化合物
ジイソプロポキシビスアセチルアセトナートチタン(日本曹達株式会社製、T−50、酸化チタン換算固形分量:16.5重量%)30.3gをエタノール/酢酸エチル/2−ブタノール=60/20/20の混合溶媒58.4gに溶解後、攪拌しながらイオン交換水11.3g(酸化チタンに対してモル比で10倍)をゆっくり滴下し、加水分解させる。1日後に溶液を濾過し、黄色透明な酸化チタン換算濃度5重量%の酸化チタンナノ分散液[A−1]を得る。得られた分散液において、酸化チタンの平均粒径は、例えば4.1nmであって単分散性である。
(2)(光感応性化合物+シラン化合物加水分解縮合物)混合溶液
有機ケイ素化合物として、ビニルトリメトキシシラン[B−1](信越化学工業株式会社製、KBM−1003)を用い、 元素比(Ti/Si=1/9)になるように、上記[A−1]と[B−1]を混合した混合液[C−1]を作製する。混合液[C−1]における固形分は例えば27重量%程度である。
(3)紫外線硬化性化合物溶液
紫外線硬化性化合物として、ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業株式会社製、紫光UV7600B)を30重量%となるようにエタノール/酢酸エチル/2−ブタノール=60/20/20の混合溶媒に溶解させる。この溶液に光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(和光純薬工業株式会社製)をウレタンアクリレートオリゴマーの固形分に対して4重量%となるように溶解させ、溶液[D−1]を得る。
(4)有機無機複合体形成用組成物の調製
上記[C−1]混合液と[D−1]溶液とを混合する。ここで、混合比率は、[C−1]液の固形分/[D−1]液の固形分の割合が10重量%/90重量%となるように設定する。得られた混合液を中間層材料とする。
この中間層材料を、マイヤーバー(#10)で離型用基材10に塗布する。その後、80℃にて有機溶媒を揮発させ、高圧水銀ランプで紫外線を照射する。それによって、厚さ約5μmの中間層3が形成される。
3−2.第2の方法(熱硬化型のシロキサン系樹脂を用いて中間層3を形成する方法)
熱硬化型のシロキサン系樹脂として、NSC2451(日本精化株式会社製)を用意する。
この塗料を中間層材料として、マイヤーバー(#14)で離型用基材10に塗布する。
その後、120℃にて有機溶媒を揮発させるとともに樹脂を硬化させて、厚さ約5μmの中間層3を形成する。
3−3.第3の方法(無機酸化物が入っていない中間層3を形成する方法)
無機酸化物を含有しない紫外線硬化型アクリルレート塗料として、ノプコキュアSHC-017R(サンノプコ株式会社製)を用意する。
この塗料を中間層材料として、マイヤーバー(#10)で離型用基材10に塗布する。
その後、80℃にて有機溶媒を揮発させ、高圧水銀ランプで紫外線を照射することによって、厚さ約5μmの中間層3を形成する。
4.透明基材層4の形成工程
4−1: 9Hタイプの透明基材層4を形成する例
紫外線硬化型アクリル系樹脂材料として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET−3A)75重量部に対して、3官能ウレタンアクリレート(第一工業製薬株式会社製ニューフロンティアR1302)25重量部を混合したものを用意する。これに光重合開始剤(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製イルガキュア184)を5重量部混合することにより、樹脂組成物を作製する。
この樹脂組成物を、マイヤーバー(#200)を用いて、中間層3上に塗布する。
得られた塗布膜の表面にPETフィルムを貼合する。ラミネートフィルム5は、ベースフィルム1と同様のPETフィルムである。
この貼合を行う際に、塗布膜に気泡が入らないように留意し、塗膜の厚みが一定に保たれるように低い押圧力でラミネートフィルム5をローラーで圧着しながら貼合する。
このようにラミネートした状態の積層体に対し、外部から高圧水銀ランプ(管長1200mm、出力電力15kW)で紫外線を約10秒間照射して塗布膜を硬化する。
形成される透明基材層4は、無機セグメントと有機高分子セグメントを構成要素とする有機−無機共重合体からなり、ガラスと樹脂の中間的性質を有し、表面の鉛筆硬度は9Hである。
透明基材層4の厚みは、200μmである。
4−2: 3Hタイプの透明基材層4を形成する例
紫外線硬化型アクリル樹脂材料として、UV7600B(日本合成化学工業株式会社製)を用意した。
光重合開始剤(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製イルガキュア184)を5重量部、メチルエチルケトンを5重量部先に混合した溶液を、このUV7600Bに添加混合して紫外線硬化塗料を作製する。
この樹脂組成物を、マイヤーバー(#200)を用いて、中間層3上に塗布する。塗布したフィルムを、乾燥オーブンにて80℃で5分間処理し、塗布膜中の溶媒を除去した。得られた塗布膜の表面にPETフィルムを設置・貼合して、外部より高圧水銀ランプ(管長1200mm、出力電力15kW)を用い、紫外線を約10秒間照射して塗布膜を硬化して透明基材層4を形成する。
この製法で作製した透明基材層4の表面は鉛筆硬度3Hを有していることが確認できた。
5.剥離工程
中間層3と離型層2との間を剥離すると共に、透明基材層4とラミネートフィルム5との間を剥離する。
以上で、透明基材層4上に中間層3が積層された光学フィルム用基材20が作製される。
以上の製法で作製された光学フィルム用基材20は、適度な屈曲性を有すると共に、高硬度であることも確認した。
6.反射防止層(AR層)形成
光学フィルム用基材20の中間層3上に反射防止層6を形成する。
反射防止層6を構成する各層は、TiO2、Nb25、SiN、Ta25、ITO、IZO、GZO、AZO等の材料を用い、スパッタ法で成膜することができる。
例えば、アンカーSi層(0.5nm)/NbO層(13nm)/SiO2層(28nm)/NbO層(112nm)/SiO2層(90nm)である。
以上で、反射防止フィルムが作製される。
(鉛筆硬度試験、テープ剥離試験)
上記実施例に基づいて、表1に示すように、中間層3及び透明基材層4を製造する条件を変えながら光学フィルム用基材20及び光学フィルム30を作製した。また、比較例として、PET基材、並びに透明基材層4の材料を硬化させて作製した透明基材層の上に中間層材料を直接塗布して中間層を形成した光学フィルム用基材も作製した。
Figure 2012168411
表1において、中間層の種類と形成方法の欄に、A〜Cが記載されているが、中間層3を形成するにあたって、上記3−1で説明した第1の方法で作製したものがAであり、上記3−2で説明した第2の方法で作製したものがBであり、上記3−3で説明した第3の方法で作製したものがCである。
No.1〜5は、いずれも透明基材層の上に中間層3を直塗りで形成した比較例にかかる光学フィルム用基材であって、No.1,2は、PET基材の上に中間層を直塗りしたもの、No.3、4は鉛筆硬度3Hの透明基材層(3Hタイプ)の上に、またNo.5は鉛筆硬度9Hの透明基材層(9Hタイプ)の上に、中間層を直塗りで形成したものである。
No.6〜9は、実施例にかかる光学フィルム用基材であって、No.6〜8は、中間層の上に鉛筆硬度3Hの透明基材層(3Hタイプ)を塗布形成したもの、No.9は、中間層の上に鉛筆硬度9Hの透明基材層(9Hタイプ)を塗布形成したものである。
No.10〜14は、実施例にかかる光学フィルムであって、No.10〜12は、中間層の上に鉛筆硬度3Hの透明基材層(3Hタイプ)を塗布形成したもの、No.13,14は、中間層の上に鉛筆硬度9Hの透明基材層(9Hタイプ)を塗布形成したものであり、透明基材層形成後に、中間層の上に反射防止層(AR層)を形成している。
No.15は、比較例にかかる光学フィルムであって、第3の方法で形成した中間層の上に、鉛筆硬度9Hの透明基材層(9Hタイプ)を塗布形成したものであり、透明基材層形成後に、中間層の上に反射防止層(AR層)を形成している。
No.16は、比較例にかかる光学フィルムであって、鉛筆硬度9Hの透明基材層(9Hタイプ)の上に反射防止層(AR層)を直接形成したものである。
なお、実施例において、No.6,10,13は、中間層を半硬化させた状態で透明基材層を形成し、No.7,8,9,11,12,14,15は、中間層を完全硬化させた状態で透明基材層を形成した。ここで半硬化とは、中間層塗布後に有機溶媒を揮発させたのみで、紫外線を照射せず、実質的な硬化反応はさせていない状態をいう。
各サンプルの表面の鉛筆硬度を測定した。また、セロテープ(登録商標)で剥離試験を行った。
鉛筆硬度の測定は、「JIS K5400 8.4.1 鉛筆引っかき値 試験機法」に基づき実施した。
テープ剥離試験は、各サンプルの表面にニチバン株式会社製「セロテープ(登録商標)」を貼り、膜面に対し垂直方向にテープを瞬時にひき剥がし、目視にて剥離の有無を観察した。
クロスカット剥離試験は、各サンプルの膜面をカッターで10×10にクロスカットした後に、同様にしてひき剥がし、目視にて剥離の有無を観察した。
各試験結果は表1に示すとおりであって、比較例にかかるNo.1〜5は、いずれも鉛筆硬度が3H以下であるのに対して、実施例にかかるNo.6〜14は、透明基材層自体の硬度と同等以上の鉛筆硬度を示しており、全般的に実施例の方が表面硬度は高い。
特に比較例にかかるNo.5と実施例にかかるNo.9とを比べると、No.5は透明基材層自体の硬度が9Hであるにもかかわらず、中間層の表面硬度は3Hと低いが、No.9では、中間層の表面硬度も9Hである。
また、比較例にかかるNo.3,4は、クロスカット剥離が0/100であるのに対して、実施例にかかるNo.6〜8はクロスカット剥離が100/100である。
この結果は、透明基材層上に中間層材料を塗布して中間層を形成した比較例にかかるNo.3,4と比べて、中間層上に透明基材層を塗布形成した実施例にかかるNo.6〜8の方が、中間層と透明基材層との間の密着性が良好であることを示している。
このように実施例で中間層と透明基材層との間の密着性が良好になったのは、実施例では、中間層の上に透明基材層材料を塗布して硬化させることによって、透明基材層と中間層とが接する界面において両層が結合しているためと考えられる。
(UV耐光性試験)
実施例にかかるNo.11〜14の光学フィルム、及び比較例にかかるNo.15,16の光学フィルムについて、UV耐光性試験を行った。
各サンプルについて、スガ試験機株式会社製の紫外線フェードメーター(光源はカーボンアーク)を用いて所定時間にわたり紫外線照射処理を施した後、ニチバン株式会社製「セロテープ(登録商標)」を貼り、膜面に対し垂直方向にテープを瞬時にひき剥がし、目視にて膜剥離の有無を観察した。膜剥離が生じていない場合のみを良好とした。
中間層を介さずに、直接透明基材層上に反射防止層を設けたNo.16では、96時間後のテープ剥離試験において反射防止層の剥離が見られた。これに対し、中間層を第1または第2の方法で作製したNo.11〜14では、UV照射時間が1248時間以上経過しても、光学フィルムに劣化は見られず良好であった。一方、中間層を第3の方法で作製した比較例にかかるNo.15では、96時間後のテープ剥離試験において反射防止層の剥離が見られた。
また、以下表2に、No.7および8の中間層表面における元素の組成比率の測定結果、および無機酸化物成分を構成する各元素の和と有機成分の炭素との元素数比を示す。
Figure 2012168411
元素の組成比率の測定は、X線光電子分光法(XPS)を用いて行った。中間層3の透明基材層側の界面の測定は、図1(c)に示すように、ベースフィルム1および離型層2の上に中間層3を設けた後に、中間層の露出面(透明基材層側の界面)の元素の組成比率を測定した。同様に、中間層3の反射防止層側の界面の測定は、図1(e)に示すように、透明基材層の形成し、ベースフィルム1およびラミネートフィルムを剥離した後に、中間層の露出面(反射防止層側の界面)の元素の組成比率を測定した。
これらの結果から、無機酸化物を含む中間層を介在させることが、UV耐光性(反射防止層の密着性)に寄与していることが確認された。
本発明にかかる光学フィルムは、ディスプレイの表面に貼り付ける反射防止フィルムなどに利用でき、特に、ディスプレイ表面の耐久性が必要となる場合に適している。
1 ベースフィルム
2 離型層
3 中間層
4 透明基材層
5 ラミネートフィルム
6 反射防止層
10 離型用基材
20 光学フィルム用基材
30 光学フィルム

Claims (11)

  1. 表面に光学薄膜層を積層して光学フィルムを形成するための光学フィルム用基材を製造する方法であって、
    第1基材の上に、
    無機酸化物が含有された材料からなる中間層を形成する中間層形成工程と、
    前記中間層上に、電離放射線硬化型樹脂組成物を塗布した後、電離放射線を照射して硬化させることによって透明基材層を形成する透明基材層形成工程と、
    前記中間層から前記第1基材を剥離する剥離工程とを備えることを特長とする光学フィルム用基材の製造方法。
  2. 前記透明基材層形成工程において、
    前記塗工された電離放射線硬化型樹脂組成物を第2基材で被覆してラミネートした状態で電離放射線を照射して当該電離放射線硬化型樹脂組成物を硬化させ、
    前記剥離工程において、
    前記中間層から前記第1基材を剥離すると共に、前記透明基材層から前記第2基材を剥離することを特徴とする請求項1記載の光学フィルム用基材の製造方法。
  3. 前記中間層形成工程の前に、前記第1基材の上に、離型材からなる離型層を形成する離型層形成工程を備え、
    前記中間層形成工程では、前記離型層の上に前記中間層を形成することを特徴とする請求項1又は2記載の光学フィルム用基材の製造方法。
  4. 前記電離放射線硬化型樹脂組成物が、架橋を形成するアクリル系樹脂、または架橋を形成するアクリル系樹脂と無機酸化物を成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の光学フィルム用基材の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれか記載の製造方法で製造した光学フィルム用基材における中間層の上に、光学薄膜層を形成する光学薄膜層形成工程を備えることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  6. 請求項1から4のいずれか記載の製造方法で製造され、
    電離放射線硬化型樹脂組成物からなる透明基材層の上に、
    無機酸化物が含有された材料からなる中間層が積層されてなる光学フィルム用基材。
  7. 電離放射線硬化型樹脂組成物からなる透明基材層の上に、
    無機酸化物が含有された材料からなる中間層が積層されてなり、
    当該中間層上に光学薄膜層が形成される光学フィルム用基材であって、
    前記透明基材層と前記中間層とが接する界面において両層が結合していることを特徴とする光学フィルム用基材。
  8. 前記透明基材層と前記中間層とが接する界面における結合は、シロキサン結合、及び/または光ラジカル反応による結合で形成されていることを特徴とする請求項7記載の光学フィルム用基材。
  9. 前記電離放射線硬化型樹脂組成物が、架橋を形成するアクリル系樹脂、または架橋を形成するアクリル系樹脂と無機酸化物を成分とすることを特徴とする請求項6〜8のいずれか記載の光学フィルム用基材。
  10. 前記中間層に前記無機酸化物としてSi、Ti、Zr、Sn、Sb、Alの少なくともいずれかの元素を含み、
    前記中間層における前記透明基材層と反対側の表面から深さ10nm以内の領域での無機酸化物成分を構成する各元素の和と、有機成分の炭素との元素数比(Si+Ti+Zr+Sn+Sb+Al)/Cが0.1〜0.60の範囲内であることを特徴とする請求項6〜9のいずれか記載の光学フィルム用基材。
  11. 請求項6〜10のいずれか記載の光学フィルム用基材における中間層の上に、光学薄膜層が形成されてなる光学フィルム。
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