JP2006045355A - 転写材、その製造方法及び転写物 - Google Patents

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Abstract

【課題】離型性ベースフィルム等の一般に低濡れ性の表面に形成される層と、その上に形成される別の層とからなる転写層が設けられた転写材において、良好な層間密着性を実現し、しかもその別の層に「はじき」や「ピンホール」等を生じさせないようにする。
【解決手段】離型性ベースフィルムとその上に設けられた転写層とを有する転写材の当該転写層を、光硬化性樹脂組成物からなる硬化樹脂層を少なくとも1層含むものから構成する。ここで、硬化性樹脂組成物は、成分(A)不飽和結合を有する有機カルボン酸の2価または3価の金属とからなる固体状光重合性金属塩、成分(B)光重合性エチレン系不飽和化合物、 および成分(C)光重合開始剤を、特定の配合比率で含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、離型性ベースフィルムとその上に設けられた転写層とを有する転写材、その製造方法及び転写物に関し、より詳しくは、離型性ベースフィルム上に、反射防止機能を有する転写層が設けられた転写材、さらに離型性ベースフィルム自体の表面もしくはその加工表面が一般的な光硬化性樹脂組成物を塗布した際に「はじき」や「ピンホール」等を発生させやすい場合であっても、「はじき」や「ピンホール」等のない均一で薄い(例えば0.01μm〜10μm厚程度)の硬化樹脂層を有する転写材、その製造方法及びその転写材から得られる転写物に関する。
近年、画像表示板における重要な要求性能の1つとして反射防止機能が挙げられるようになっており、該反射防止機能は、画像表示板に写る室内の蛍光灯などの反射光を低減し、画像をより鮮明に表示するための機能である。反射防止機能の原理は、屈折率の高い層の表面に屈折率の低い層を設けた構造の反射防止膜を形成することにより、高屈折率層で反射する光と低屈折率層で反射する光との間の光路差を利用し、相互に干渉させて反射光を低減させるものである。
このような反射防止機能を有する従来の反射防止膜は、通常、ディップ法によってプラスチック基材に高屈折率層と低屈折率層を順次積層することにより作製されていたが、この方法はバッチ式のため生産効率が低く、反射防止膜を作製する際にコストアップの一因となっていた。また、ディップ法を採用する場合には、ディップ液からプラスチック基板を引き上げる速度などによって膜厚にムラが出来易く、均一なミクロンオーダーの被膜を得ることは通常困難であった。
そこで、均一なミクロンオーダーの反射防止膜等の機能層を連続的に形成する方法として、剥離材上に成膜された機能層(転写層)を被転写体表面に熱転写あるいは感圧転写する方法(即ち、転写法)が注目されるようになってきている。
ところで、転写法では、表示素子などの被転写材に転写された転写層の層構成の順序とと正反対の順序で積層した転写層を作成する必要がある。例えば転写型反射防止層を有する転写材を作成する場合、剥離ベースフィルム上に低屈折率層、更にその上に高屈折率層を積層する必要がある。しかしながら、低屈折率層は、その屈折率を下げるためにポリオルガノシランやポリフッ化ビニリデン等の一般に濡れ性が低く、積層が困難な化合物から構成されている場合が多い。このため、ポリオルガノシラン層の表面に高屈折率層を形成するための光硬化性樹脂組成物を塗布すると、はじきやピンホールなどが発生し易いという問題があった。同様に、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂などの一般に表面張力の低い材料からなる表面を有するプラスチック基材やガラス基材などの表面に光硬化性樹脂組成物を塗布する場合も、基材に対する光硬化性樹脂組成物の濡れ性が十分でなく、はじきやピンホールが発生するという問題があった。
この問題に対しては、光硬化性樹脂組成物の粘度を増加させることが考えられるが、塗工が困難となるため均一薄膜が得られにくくなる。そこで、光硬化性樹脂組成物の主成分としてエポキシ基を有する重合性化合物とフッ素系重合体とを併用すること(特許文献1)、光硬化性樹脂組成物にフッ素系界面活性剤を添加すること(特許文献2)、また、光硬化性樹脂組成物に金属アルコキシドあるいはその分解物を配合することが提案されている(特許文献3)。
特開平6−25590号公報 特開平11−323255号公報 特開昭61−130382具公報
しかしながら、特許文献1の技術の場合には、フッ素系重合体を用いているため光硬化性樹脂組成物の製造コストが高く、また、重合性化合物のエポキシ基が水と反応し易いため、光硬化性樹脂組成物の保存安定性が大きく低下する虞があるという問題があった。特許文献2の技術の場合には、特許文献1の技術よりもフッ素含有成分の添加量が少ないために光硬化性樹脂組成物の製造コストが低いという利点があるものの、その樹脂組成物中にアルコキシシランの部分加水分解物が含まれているため、特許文献1と同様に、樹脂組成物中に水が混入すると加水分解反応が促進されるため、樹脂組成物の保存安定性が低下する虞があり、しかも、樹脂組成物の塗膜の熱硬化に時間を要するために硬化樹脂層の製造コストが増大することが懸念される。また、特許文献3の技術の場合には、比較的濡れ性の良好な光硬化性樹脂組成物が得られ、また、硬化時間も熱硬化性樹脂組成物に比べて短縮することが可能であるが、特許文献2の技術の場合と同様に、アルコキシシランの加水分解が必要なため、光硬化性樹脂組成物の保存安定性に問題が生ずる虞がある。
このような問題は、上述の転写型反射防止膜を有する転写材に限らず、一般に低濡れ性の層と、その上に形成される別の層とから構成される転写層を有する転写材においても大きな問題となっている。しかも、低濡れ性の層とそれに隣接する層との間の低い層間密着性も問題となっていた。
本発明は、以上の従来の技術の問題を解決しようとするものであり、離型性ベースフィルム等の一般に低濡れ性の表面に形成される層と、その上に形成される別の層とからなる転写層が設けられた転写材において、良好な層間密着性を実現し、しかもその別の層に「はじき」や「ピンホール」等を生じさせないようにすることを目的とする。
本発明者らは、不飽和結合を有する有機カルボン酸の2価または3価の金属からなる固体状光重合性金属塩と、光重合性エチレン系不飽和化合物と、光重合開始剤とを特定の配合割合で含む光硬化性樹脂組成物を低濡れ性の表面に塗工することにより、塗工後に皮膜表面のゆがみが生じず、塗工面にはじき、ピンホールが発生しないことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、離型性ベースフィルムとその上に設けられた転写層とを有する転写材において、該転写層が光硬化性樹脂組成物からなる硬化樹脂層を少なくとも1層含み、該光硬化性樹脂組成物が以下の成分(A)〜(C):
(A)不飽和結合を有する有機カルボン酸と2価または3価の金属とからなる固体状光重合性金属塩;
(B)光重合性エチレン系不飽和化合物; および
(C)光重合開始剤
を含み、成分(A)の配合量(質量部)を(Awt)とし、成分(B)の配合量(質量部)を(Bwt)としたときに下記式(1)および(2)を満足することを特徴とする転写材を提供する。



Figure 2006045355
また、本発明は、離型ベースフィルムと、その上に設けられた硬化樹脂層を含む転写層とを有する転写材の製造方法において、以下の工程(a)および(b)
(a)離型ベースフィルム上に、上述の成分(A)〜(C)を含み、成分(A)の配合量(質量部)を(Awt)とし、成分(B)の配合量(質量部)を(Bwt)としたときに前述の式(1)および(2)を満足する光硬化性樹脂組成物の膜を形成する工程; および
(b)得られた光硬化性樹脂組成物の膜に活性エネルギー線を照射することにより該膜を硬化させ、硬化樹脂層を形成する工程
を含む転写材の製造方法を提供する。
また、本発明は、被転写体の表面に、上述した転写材の転写層が転写されている転写物を提供する。
本発明の転写材によれば、その転写層形成の際に、濡れ性が不十分な表面に対しても「はじき」や「ピンホール」のない均一な薄膜(例えば、膜厚0.01μm以上10μm以下の皮膜)として転写層が得られるので、低コストで製造することが可能になる。しかも、良好な転写効率で転写が可能となるので転写物が好適に製造可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の転写材は、離型性ベースフィルムの上に転写層が設けられた構造を有する。この転写層は光硬化性樹脂組成物からなる硬化樹脂層を少なくとも1層含むものである。ここで、光硬化性樹脂組成物は、以下の成分(A)〜(C):
(A)不飽和結合を有する有機カルボン酸と2価または3価の金属とからなる固体状光重合性金属塩;
(B)光重合性エチレン系不飽和化合物; および
(C)光重合開始剤
を含み、成分(A)の配合量(質量部)を(Awt)とし、成分(B)の配合量(質量部)を(Bwt)としたときに下記式(1)および(2)
Figure 2006045355
を満足するものである。
上述の式において、「(Awt)/{(Awt)+(Bwt)}の数値が0.05未満であると基材への濡れ性が低下し、0.4以上であると成分(A)が沈殿しやすくなり、また、「(Bwt)/{(Awt)+(Bwt)}」の値が0.60未満であると相対的に成分(A)の含有量が増加し成分(A)か沈殿しやすくなり、0.95以上になると相対的に(A)の含有量が低下するため濡れ性が低下する。
また、硬化樹脂層の屈折率および光硬化性樹脂組成物の基材への濡れ性の観点から、光樹脂組成物は、更に以下の式(1a)および(2a)の関係を満足することが好ましい。
Figure 2006045355
本発明において、光硬化性樹脂組成物で使用する成分(A)の不飽和結合を有する有機カルボン酸の2価または3価の金属とからなる固体状光重合性金属塩は、液状の光硬化性樹脂組成物に溶解せずに固体として存在し、しかも樹脂組成物中に溶解している成分(B)の光重合性エチレン系不飽和化合物と重合可能な物質である。ここで、2価または3価の金属を使用する理由は、1価の金属では硬化樹脂膜の膜硬度が低下し、また、4価以上の金属では立体障害が大きくなり、重合性二重結合が有効に利用できず、硬化樹脂膜中に二重結合が残存する場合が考えられ、そのような場合には硬化樹脂層の耐候性が低下する可能性があるので使用できない。
成分(A)の固体状光重合性金属塩の粒径は、小さすぎるとはじきが発生し、大きすぎると光等方性が確保できなくなるので、好ましくは1nm〜10μm、より好ましくは5nm〜1μmである。
不飽和結合を有する有機カルボン酸としては、2価または3価の金属と造塩して固体状の金属塩を形成することができるものを使用でき、例えば、アクリル酸、メタクリル酸(以下、アクリル酸とメタクリル酸とを併せて(メタ)アクリル酸と称する。また、アクリロイル基とメタクリロイル基とを併せて(メタ)アクリロイル基と称する。)、クロトン酸、オレイン酸、ウンデセン酸などが挙げられる。中でも、高硬度の膜を形成するためには重合時の反応性が高いものがより好ましいという点から、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
2価の金属の具体例としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、カドミウムなどが挙げられ、3価の金属としては、コバルト、ニッケル、アルミニウムなどが挙げられる。これらは単独でもよく、複数でもよい。中でも、安全性、入手容易性の点から、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、特に亜鉛を用いることが好ましい。
成分(A)の固体状光重合性金属塩の好ましい具体例としては、(メタ)アクリル酸カルシウム、(メタ)アクリル酸亜鉛、(メタ)アクリル酸マグネシウム、(メタ)アクリル酸アルミニウムなどが挙げられる。中でも塗工液中での分散性の点から(メタ)アクリル酸亜鉛、特にアクリル酸亜鉛が好ましく挙げられる。
また、光重合性樹脂組成物は、成分(B)として光重合性エチレン系不飽和化合物を含有する。ここで、光重合性エチレン系不飽和化合物の「光重合性」とは、活性エネルギー線の照射により重合可能な性質を意味する。このような光重合性エチレン系不飽和化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビフェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、フェニルエポキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルホリン、ダイアセトンアクリルアミド、N−[2−(メタ)アクリロイルエチル]−1,2−シクロヘキサンジカルボイミド、N−[2−(メタ)アクリロイルエチル]−1,2−シクロヘキサンジカルボイミド−1−エン、N−[2−(メタ)アクリロイルエチル]−1,2−シクロヘキサンジカルボイミド−4−エン等の単官能性(メタ)アクリレート系モノマー;N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカプロラクタム、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸アリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニルなどのビニル系モノマー;1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールピバリン酸エステルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールのエチレンオキサイド変性ジアクリレート、エチレンオキサイド変性テトラブロモビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレートなどの2官能性(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンのテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性イソシアヌール酸トリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンのテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホルマール、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−ヒドラジンなどの多官能性モノマー;ウレタンアクリレート、エステルアクリレートなどのオリゴマーアクリレートが挙げられる。これらは単一種でも複数種併用してもよい。これらのうち2官能以上の多官能性モノマーが好ましく使用される。
また、例えば、屈折率が1.60以上の高屈折率の硬化樹脂層を得る場合には、光重合性エチレン系不飽和化合物として、9,9−ビス(アクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(EO変性アクリロイルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(エポキシ変性アクリロイルオキシフェニル)フルオレン等のフルオレン系(メタ)アクリレート、ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシチオフェニルサルファイド)、ビス(4−ビニルチオフェニル)サルファイド等の含硫黄化合物、チタン(メタ)アクリレートトリイソプロポキサイド、チタン(メタ)アクリロイルオキシエチルアセトアセテートトリイソプロポキサイド、(2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)トリイソプロポキシチタネート等のチタンカップリング剤などの高屈折重合性化合物を使用することが好ましい。
また、光重合性樹脂組成物は、光重合性エチレン系不飽和化合物の他に、必要に応じて光重合可能なビニルエーテル系化合物、エポキシ系化合物またはオキセタン系化合物を含有することができる。
ビニルエーテル系化合物としては、エチレンオキサイド変性ビスフェノール−A−ジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノール−F−ジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性カテコールジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性レゾルシノールジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性ハイドロキノンジビニルエーテル、エチレンオキサイド変性−1,3,5,ベンゼントリオールトリビニルエーテル、エポキシ系化合物としては、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、フェノールノボラックのグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、オキセタン化合物としては3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンなどが挙げられる。
また、光硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー線の照射により重合をするために、成分(C)として光重合開始剤を含有する。その他に光増感剤や光促進剤等の光触媒化合物を一種以上含有することが好ましい。光触媒化合物としては公知の光触媒化合物から適宜選択して使用することができる。
成分(C)の光重合開始剤としては、硬化手段である活性エネルギー線の種類(紫外線、可視光線、電子線など)に応じて適宜選択することができる。
光重合開始剤の具体例としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントフルオレノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−チオキサントン、カンファーキノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等が挙げられる。また、N−アクリロイルオキシエチルマレイミドのように分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する光重合開始剤も用いることができる。
光重合開始剤の配合量は、後述する希釈剤を除いた硬化性樹脂組成物の固形分(硬化前に既に固形の成分および硬化後に固形となる成分のトータル)100質量部に対し、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは3〜5質量部である。
光重合を促進させるために光重合開始剤と共に使用できる光増感剤の具体例としては、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等を挙げることができる。また、光重合を促進させるために光重合開始剤と共に使用できる光促進剤の具体例としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸2−n−ブトキシエチル、安息香酸2−ジメチルアミノエチルなどを挙げることができる。
また、光硬化性樹脂組成物には、その塗工性を改善するために、希釈剤を添加することができる。希釈剤の添加量は、形成すべき硬化層の膜厚等に応じて、適宜決定することができる。例えば、硬化層の厚みを0.1μm程度とする場合には、固形分5.25質量%に対し希釈剤94.75質量%とし、ウェット膜厚で1.9μmで塗工することが好ましい。
希釈剤としては、一般の樹脂塗工液に用いられている希釈剤を使用することができ、具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸メトキシエチルなどのエステル系化合物;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、ジオキサン等のエーテル系化合物;トルエン、キシレンなどの芳香族化合物;ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族化合物;塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン系炭化水素;メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノールなどのアルコール化合物などを挙げることができる。また、稀釈剤としては、固体状光重合性物質との間に高い親和性を示す水、低級アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等)を好ましく使用できる。
光重合性樹脂組成物には、必要に応じて、更に、無機フィラー、重合禁止剤、着色顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、分散剤、光拡散剤、可塑剤、帯電防止剤、界面活性剤、非反応性ポリマー、近赤外線吸収剤などを本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
本発明の転写材の転写層は、上述した光硬化性樹脂組成物からなる硬化樹脂層を少なくとも一層有するものであり、従って、硬化樹脂層単独であってもよいが、他の低屈折率層、高屈折率層、ポリマー層などを含む2層以上の多層構造でもよい。
例えば、転写層は、転写材の使用目的に応じて、他の低屈折率層や高屈折率層等と組み合わせて反射防止層として使用できる。また、アクリル系またはシリコーン系などのハードコート層、抗菌層等の機能層、印刷層、着色層等の装飾層、金属または金属化合物からなる蒸着層(導電層)、プライマー層なども含むことができる。
かかる転写層の層構成の具体例としては、硬化樹脂層、低屈折率層/硬化樹脂層、低屈折率層/高屈折率層/硬化樹脂層、低屈折率層/高屈折率層/蒸着層/プライマー層/硬化樹脂層、低屈折率層/高屈折率層/プライマー層/蒸着層/プライマー層/硬化樹脂層、低屈折率層/高屈折率層/プライマー層/硬化樹脂層、ハードコート層/硬化樹脂層、印刷層/硬化樹脂層、装飾層/硬化樹脂層等が挙げられる。
上記硬化樹脂層の膜厚は、特に制限はないが、通常0.5〜20μm程度の範囲から適宜選択される。また、他の層の膜厚においても、特に制限はないが、通常0.1〜50μm程度の範囲から適宜選択される。
光硬化性樹脂組成物から硬化樹脂層を形成するためには、成膜した光硬化性樹脂組成物膜に、公知の光重合性樹脂の光硬化技術に準じて、紫外線、可視光線、α線、β線、γ線、電子線、レーザーなどの広範囲の活性エネルギー線を使用することができる。これらの中でも、紫外線を用いることが好ましい。光源は点光源、線光源、面光源等の任意のものを使用することができるが、実用性の点からは線光源が一般的である。たとえば、紫外線発生源としては実用的、経済性の面から紫外線ランプが一般に用いられ、具体的には、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。なお、点光源または線光源を使用する場合には、光硬化性樹脂組成物からなる層に所定の光を照射できるように適宜操作すればよい。
本発明の転写材は、離型ベースフィルムとその上に上述の転写層とを有するものであるから、かかる転写材の層構成の具体例としては、離型ベースフィルム/硬化樹脂層、離型ベースフィルム/低屈折率層/硬化樹脂層、離型ベースフィルム/低屈折率層/高屈折率層/硬化樹脂層、離型ベースフィルム/低屈折率層/高屈折率層/蒸着層/プライマー層/硬化樹脂層、離型ベースフィルム/低屈折率層/高屈折率層/プライマー層/蒸着層/プライマー層/硬化樹脂層、離型ベースフィルム/低屈折率層/高屈折率層/プライマー層/硬化樹脂層、離型ベースフィルム/ハードコート層/硬化樹脂層、離型ベースフィルム/印刷層/硬化樹脂層、離型ベースフィルム/装飾層/硬化樹脂層等が挙げられる。
本発明の転写材に用いる離型性ベースフィルムとしては、特に制限はなく、例えば、20℃での40dyn/cm以下の表面張力を示すような離型性を有し、充分な自己保持性を有する通常の転写材に用いられるフィルムであれば用いることができる。本発明にかかる離型ベースフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリフッ化ビニリデンフィルム、ポリフッ化ビニルフィルム、ポリヘキサフルオロプロピレンフィルム、ポリヘプタフルオロイソプロピル(メタ)アクリレートフィルム等のフッ素系樹脂フィルム、ポリオキシジメチルシリレン、ポリオキシメチルシリレン、ポリオキシジメチルシリレン−α、ω−ジブタン酸、ポリオキシビニルシリレン等のケイ素含有重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、セルロースアセテートフィルムなどの人造樹脂フィルム、セロハン紙、グラシン紙などの洋紙、和紙、これらの複合フィルム状物、それらに離型処理を施したもの等が挙げられる。
離型性ベースフィルムの厚さは、特に限定されないが、しわや亀裂の発生を抑制するために、通常4〜150μmの範囲であることが好ましく、12〜100μmの範囲であることがより好ましく、30〜100μmの範囲であることがさらに好ましい。
上記離型性ベースフィルムの離型性が不十分な場合は、離型性ベースフィルムの少なくとも片面にさらに離型処理を行うことができる。かかる離型処理は、離型性ポリマーやワックスなどを適宜選択して公知の方法で行うことができる。かかる離型処理に用いる処理剤としては、例えば、パラフィンワックス等の離型性ワックス;シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、尿素−メラミン系樹脂、セルロース系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂などの離型性樹脂;各種界面活性剤などを、単独で又は溶剤などと混合して、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法などの通常の印刷法に従って離型性ベースフィルム上に塗布し、乾燥し、更に必要に応じて硬化(加熱、紫外線照射、電子線照射、放射線照射)させて形成することができる。
本発明の転写材には、前述のように、多層構造の転写層中の層間にプライマー層を設けることができる。かかるプライマー層は、本発明の転写材における層と層の両者に接着性のよいポリマー成分を主とする組成物の塗布層であり、厚さは0.5〜5μm程度の範囲が好ましい。プライマー層の具体例としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等の層が挙げられる。これらの層は、例えば上記樹脂を溶剤に溶解後、上記印刷法などにより塗布し、乾燥して形成することができる。
また、本発明の転写材を構成する転写層には、前述のように、低屈折率層を形成するシロキサン結合主体の層を含むことができる。かかるシロキサン結合主体の層としては、好ましくは屈折率が1.5以下、より好ましくは1.2以上1.4以下の低屈折率のもので、且つ透明性に優れ、しかも塗膜形成後の鉛筆硬度がH以上のものであることが好ましい。
上記シロキサン結合主体の層の具体例としては、シロキサン系樹脂のシロキサン結合の一部が水素原子、水酸基、不飽和基、アルコキシル基等で置換された化合物等から形成されたものが挙げられる。前記の化合物に予めSiOの微粒子等の低屈折率化剤を含有せしめて樹脂化された層として形成したものでもよい。シロキサン結合主体の層の厚さは、通常0.05μmから10μmの範囲であり、より好ましくは0.09μmから3μmの範囲である。
本発明の転写材は、以下に説明するように工程(a)と工程(b)とからなる製造方法に従って製造することができる。
工程(a)
離型べースフィルム上に、成分(A)〜(C)を含み、式(1)および(2)の式を満足する光重合性樹脂組成物を塗布して光硬化性樹脂膜を形成する。離型べースフィルム、光硬化性樹脂組成物については、既に説明したとおりである。光硬化性樹脂組成物の塗布方法としては、ディップ法、凸版印刷法、平版印刷法、凹版印刷法、スプレー法、カーテンフロー法、ロールコート法等の公知の塗工方法を採用することができる。光硬化性樹脂組成物に稀釈剤が含有されている場合には、その塗工膜を加熱炉や遠赤外炉、超遠赤外炉中で加熱し乾燥することが好ましい。
工程(b)
工程(a)で得られた光硬化性樹脂膜に、紫外線、可視光線、レーザー、電子線、エックス線等の、既に説明したような活性エネルギー線を照射すると、光硬化性樹脂膜は硬化して硬化樹脂層となる。これにより、本発明の光硬化性樹脂組成物からなる硬化樹脂層を有する転写材が得られる。なお、紫外線を使用する場合の光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。
このようにして得られる転写材は、離型フィルムベースと硬化樹脂層との2層構造に限られず、熱可塑性、熱硬化性、光硬化性の材料の層を予め設けていてもよく、あるいは硬化層形成後に改めて設けてもよい。
本発明の転写材は、画像表示装置、ヘルメットシールド等の被転写体の表面に、はじき跡やピンホールのない転写層を手軽に低コストで良好な転写効率で転写させることができる。従って、得られる転写物は、はじき跡やピンホールのない転写層を有する良好な外観の転写物となる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1〜6、比較例1〜5
リリース処理を施した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのリリース処理面上に、シリカ微粉末(平均粒径20nm)3部、メチルトリエトキシシラン3部、酢酸0.2部、イソプロピルアルコール54部、エタノール40部からなる溶液をグラビアコーティング法により塗布、乾燥して厚さ0.09μmのシロキサン結合主体の層を形成した。このシロキサン結合主体の層上に、表1に示す配合(質量部)の組成物を、バーコータで固形分膜厚0.1μmになるように塗布し、140℃で30秒乾燥後、80W高圧水銀灯(コンベア速度1m/min、光源と被照射物の距離10cm、ウシオ電機(株)製)でUV照射を2回行うことにより硬化させて転写層を形成し、転写材を得た。
得られた転写材の転写層を100マスになるよう区切り、硬化性樹脂層の被覆面積を測定した。なお表1「被膜面積(%)」は、はじきやピンホールの発生が観察されない完全に光硬化性樹脂に覆われているマス目の数を数え、その百分率を表示した。
Figure 2006045355
Figure 2006045355
*1: 50ml三ツ口フラスコを窒素置換した後、エタノール30gを加えた後、塩化亜鉛4.1g(Mw.136.29 30mmol)、p−スチレンスルホン酸ナトリウム6.8g(Mw.206.20 35mmol)を投入し、3時間室温にて攪拌した後得られた沈殿物をろ過後、24時間真空乾燥機にて乾燥させた後、組成物に用いた。
*2: APTMS:γ−アクリロイルキシプロピルトリメトキシシラン(商品名 KBM5103 信越化学工業株式会社製)
*3: ATIT:(2−アクリルオキシ)トリイソプロポキシチタネート
50ml三ツ口フラスコを窒素置換した後、テトライソプロポキシチタネート10.0g(Mw.284.25 35.2mmol)を投入し、室温にてアクリル酸2.5g(Mw.72.06 35.2mmol)とイソプロパノール 8.3gの混合溶液を30分間かけて添加した後、一晩室温にて攪拌しATITの50質量%溶液を得、組成物に用いた。
*4: Mw10万(商品名 パラペットHR−L、株式会社クラレ製)
*5: エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート(商品名 ビスコート#540、大阪有機化学工業株式会社製)
*6: エチレンオキサイド変性イソシアヌール酸トリアクリレート(商品名 M315、東亞合成株式会社製)
*7: ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシチオフェニル)サルファイド(商品名 MPSMA 住友精化株式会社製)
*8: 1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン(商品名 イルガキュア184、チバスペシャリティーケミカルズ社製)
*9: 固形分が分離したので塗工できず
実施例7〜11
リリース処理を施した厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのリリース処理面上に、シリカ微粉末(平均粒径20nm)3部、メチルトリエトキシシラン3部、酢酸0.2部、イソプロピルアルコール54部、エタノール40部からなる溶液をグラビアコーティング法により塗布、乾燥して厚さ0.09μmのシロキサン結合主体の層を形成した。このシロキサン結合主体の層上に、表1の実施例1〜5に示す配合(質量部)の光硬化性樹脂組成物を、バーコータで固形分膜厚0.1μmになるように塗布し、140℃で30秒乾燥後、80W高圧水銀灯(コンベア速度1m/min、光源と被照射物の距離10cm、ウシオ電機株式会社製)でUV照射を2回行うことにより硬化させて硬化樹脂層を形成した。得られた硬化樹脂層上に、更にエポキシ変性BisフェノールAジアクリレート5質量%(商品名#540 大阪有機化学工業株式会社製)トリアジントリアクリレート2質量%(商品名M315、東亜合成株式会社製)、エポキシ変性フェノキシアクリレート4質量%(商品名M600A、共栄社化学株式会社製)、γ−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン4質量%(商品名KBM5103 信越化学工業株式会社製)、ポリメチルメタアクリレート5質量%(商品名 パラペット 株式会社クラレ社製)、光重合開始剤1質量%(商品名 イルガキュア184 日本チバガイギー株式会社製)メチルエチルケトン79質量%からなる硬化性樹脂組成物を固形分膜厚が5μmになるように塗工し、140℃で30秒乾燥後、80W高圧水銀灯(コンベア速度1m/min、光源と被照射物の距離10cm、ウシオ電機株式会社製)でUV照射を2回行うことにより硬化させて硬化樹脂層を形成した。これにより、2層構造の硬化樹脂層からなる転写層を有する転写材を得た。
得られた転写材の転写層を、板温90℃、ロール温度160℃、板送り速度1m/minの条件下に板厚2mmのメタクリル樹脂板に転写し、転写層が転写された転写物を得た。得られた転写物について、鉛筆光度と反射率とを以下に説明するように評価した。得られた結果を表3に示す。
鉛筆硬度
転写物の表面の鉛筆硬度を、JIS K5600−5−4に準じて測定した。
転写物の表面の反射率は、5°正面反射率を測定し、400nm〜700nmにおける最低値(%)を求めた。
Figure 2006045355
表1〜3に示すように、実施例1〜6及び実施例7〜11の結果から、(A)成分を使用した場合には被覆率が100%であり、硬化樹脂層が基材上で、はじきやピンホールを発生させることなく均一に形成されていることが分かる。
本発明の転写材によれば、その転写層形成の際に、濡れ性が不十分な表面に対しても「はじき」や「ピンホール」のない均一な薄膜(例えば、膜厚0.01μm以上10μm以下の皮膜)として転写層が得られるので、低コストで製造することが可能になる。しかも、良好な転写効率で転写が可能となるので転写物が好適に製造可能である。従って、ラミネート箔や画像表示画面保護板、ヘルメットシールド等の物品に有利に利用することができる。

Claims (6)

  1. 離型性ベースフィルムとその上に設けられた転写層とを有する転写材において、該転写層が光硬化性樹脂組成物からなる硬化樹脂層を少なくとも1層含み、該光硬化性樹脂組成物が以下の成分(A)〜(C):
    (A)不飽和結合を有する有機カルボン酸と2価または3価の金属とからなる固体状光重合性金属塩;
    (B)光重合性エチレン系不飽和化合物; および
    (C)光重合開始剤
    を含み、成分(A)の配合量(質量部)を(Awt)とし、成分(B)の配合量(質量部)を(Bwt)としたときに下記式(1)および(2)
    Figure 2006045355
    を満足することを特徴とする転写材。
  2. 該硬化樹脂層が反射防止機能を有する請求項1記載の転写材。
  3. (A)成分が、(メタ)アクリル酸との、カルシウム、亜鉛、マグネシウムおよびアルミニウムの中から選択されるいずれか1つの金属との塩である請求項1または2項記載の転写材。
  4. (A)成分がアクリル酸亜鉛であり、且つ該硬化樹脂層の屈折率が1.60以上である請求項1〜3いずれかに記載の転写材。
  5. 離型ベースフィルムと、その上に設けられた硬化樹脂層を含む転写層とを有する転写材の製造方法において、以下の工程(a)および(b)
    (a)離型ベースフィルム上に、以下の成分(A)〜(C):
    (A)不飽和結合を有する有機カルボン酸と2価または3価の金属とからなる固体状光重合性金属塩;
    (B)光重合性エチレン系不飽和化合物; および
    (C)光重合開始剤
    を含み、成分(A)の配合量(質量部)を(Awt)とし、成分(B)の配合量(質量部)を(Bwt)としたときに下記式(1)および(2)
    Figure 2006045355
    を満足する光硬化性樹脂組成物の膜を形成する工程; および
    (b)得られた光硬化性樹脂組成物の膜に活性エネルギー線を照射することにより該膜を硬化させ、硬化樹脂層を形成する工程
    を含む転写材の製造方法。
  6. 被転写体の表面に、請求項1〜4のいずれかに記載の転写材の転写層が転写されている転写物。

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