JP5646361B2 - リワーク性粘着剤層を有する光学フィルムの製造方法 - Google Patents

リワーク性粘着剤層を有する光学フィルムの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、各種ディスプレイの表面に繰り返し貼り付け可能なリワーク性粘着剤層を有する光学フィルムの製造方法に関する。
陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶表示装置(LCD)、プロジェクションディスプレイ、エレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)といった様々な表示装置において、表面保護、反射防止、耐指紋付着防止等の為にディスプレイの表面に光学フィルムが貼合されている。これらの光学フィルムは、簡単に、外観特性の良い状態で貼り合わせでき、且つ貼合位置を変えることができることが要望されている。特許文献1には、UV硬化樹脂で中間層を形成し、その中間層を半硬化した状態で無機質材料を蒸着し、その後完全硬化することによって蒸着膜の密着性が良好な光学フィルムを形成する技術が開示されている。
特開平7−34220号公報
従来、リワーク性粘着剤は、粘着力が低い為に、基材との密着力が弱く剥離が生じる問題があった。粘着力の強い固定用粘着剤を使用した場合には貼り位置の変更ができないことや特定の貼合装置を使用しないとディスプレイ上で良好な外観を得られないことが問題であった。
本願発明は、光学フィルムの透明基材層の上に中間層を形成しリワーク性粘着剤層の剥離を防止することで、何度でも繰り返し容易にディスプレイに貼合できる(リワーク性)光学フィルムの製造方法を提供するものである。
上記目的を達成するため、リワーク性着剤層を有する光学フィルムの製造方法に、ベースフィルムに離型材料を塗工して離型層を形成する工程と、離型フィルムの上に無機酸化物を含有する中間層材料を塗工して中間層を形成工程と、中間層上に電離放射線硬化型樹脂組成物を塗工した後ラミネートフィルムで被覆し、電離放射線を照射して透明基材層を形成する工程と、中間層から離型フィルムを剥離すると共に透明基材層からラミネートフィルムを剥離し、次いで、中間層の上にリワーク性粘着剤層を形成する工程を設けた。なお、前記中間層における前記透明基材層との界面の近傍領域に前記無機酸化物が多く含有されていることを特徴としている。
本願発明によれば、基材から粘着剤層が剥離せず、ディスプレイに貼合容易なリワーク性粘着剤層を有する光学フィルムを製造することができる。
光学フィルム30を製造する方法を示す図である。 光学フィルム30の構成を模式的に示す図である。
図1は、光学フィルム30を製造する方法を示す図、図2は、光学フィルム30の構成を模式的に示す図である。
<光学フィルム30>
図2に示すように、光学フィルム30は、透明基材層4の上に、中間層3及びリワーク性粘着剤層6が順に積層されて構成されるリワーク性粘着剤層を有する光学フィルムである。
透明基材層4は、電離放射線硬化型樹脂組成物が硬化した材料からなる層であり、有機高分子セグメント及び無機セグメントを構成要素とする有機−無機共重合体で形成されていることが好ましい。透明基材層4の厚みは特に限定はないが、耐久性、可撓性などを勘案して、厚み20〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましく、100〜250μmがさらに好ましい。
このように透明基材層4は、架橋型のアクリル系樹脂をはじめとする電離放射線硬化型の樹脂で形成されるので基材の硬度が高く、特に有機高分子セグメント及び無機セグメントの両方を構成要素と含む共重合樹脂で形成することによって、鉛筆硬度3H〜9Hの高硬度基材層が得られる。また、透明基材層4は、過酷な光照射環境や高温高湿環境においても安定なので、基材劣化に起因する剥離も発生しにくい。
中間層3は、アクリル系硬化樹脂に無機材料が含有された材料からなる厚みが1μm〜10μm程度のハードコート層である。当該中間層3における透明基材層4との界面7の近傍領域には、シロキサン成分、もしくは無機酸化物としてSi、Zr、Sn、Sb、Alの1種以上を含む酸化物微粒子が多く含有されている。
ここで、中間層3における透明基材層との界面から深さ10nm以内の領域での有機成分の炭素との元素数比(Si+Zr+Sn+Sb+Al)/Cを、0.05〜0.35の範囲内に設定しておけば、中間層3における界面付近の無機酸化物成分がリッチなので、透明基材層4内の架橋部分が中間層3に対して良好に結合し、透明基材層4と中間層3との密着性がより良好となる。
リワーク性粘着剤層6は、ウレタン系の粘着剤と硬化剤を混合配合し、離型フィルム上にコーティングによって形成し、乾燥し、ラミネートされるものである。あるいは、直接中間層上にコーティングされることで形成される。通常のリワーク性粘着剤層の厚みは10μmから100μmであり、好ましくは、20μm〜75μmである。このようなリワーク性粘着剤層は画像表示装置の表面にあり、光学フィルムを容易に貼合できるだけでなく、位置を変更でき、また、固定する機能を持つ。
<光学フィルム30の製造方法>
図1を参照しながら光学フィルム30を製造する方法を説明する。
1.図1(a)、(b)に示すように、ベースフィルム1の上に、離型材料を塗工することによって離型層2を形成する。
この離型剤としては、紫外線硬化型のフッ素系樹脂やシリコーン系樹脂からなる離型剤を用いることができる。離型剤を塗工後、UV光を照射して硬化させることによって離型層2を形成する。離型層2の表面はコロナ処理することが好ましい。以上で、ベースフィルム1上に離型層2が積層されてなる離型用基材10が作製される。なお、ベースフィルム成形時に離型剤を混入することで、ベースフィルム自体に離型性を付与してもよい。
2.図1(c)に示すように、離型用基材10における離型層2の上に中間層3を形成する。
中間層3の形成方法として、以下に2種類の方法を示す。
中間層3を形成する第1の方法:
この第1の方法では、中間層3の材料に有機ケイ素化合物を含ませておき、塗工した後に、有機ケイ素化合物を加水分解して無機酸化物(シロキサン)を形成する。
中間層3の材料として、例えば、RnSiX4(RはSiに炭素原子が直接結合する有機基、Xは水酸基又は加水分解性基、nは1又は2)で表される有機ケイ素化合物の縮合物と、金属キレート化合物と、アクリレート系紫外線硬化性化合物の硬化物とを含有する有機無機複合体を用いる。
この中間層材料を、離型用基材10における離型層2の上に、ロールコータなどで塗工し、溶媒を除去した後、高圧水銀灯等を用いてUV光を照射して硬化させることによって、中間層3を形成することができる。
このような中間層材料を用いて形成される中間層3は、アクリル系樹脂に無機物質であるシロキサンが含有された層であって、塗工膜から溶媒が蒸発する際に、塗工膜中の組成が分離して、塗工膜表面付近において無機酸化物(シロキサン)成分の割合が大きくなる。
なお、この中間層3において、表面から深さ10nm以内の領域における無機酸化物成分を構成する各元素の和と、有機成分の炭素との元素数比(Si+Zr+Sn+Sb+Al)/Cが、0.05〜0.35の範囲内になるように中間層材料の組成を設定しておくことが好ましい。
中間層3を形成する第2の方法:
アクリル系の硬化性樹脂組成物に、コロイダルシリカをはじめとして、Si、Zr、Sn、Sb、Alの1種以上を含む酸化物微粒子が分散されているものを中間層材料として用い、この中間層材料を、離型用基材10における離型層2の上に塗工し、溶媒を除去した後、UV光を照射して硬化させることによって、酸化物微粒子分散型の中間層3が形成される。
この第2の製法によっても、中間層3における透明基材層との界面から深さ10nm以内の領域での無機酸化物成分を構成する各元素の和と、有機成分の炭素との元素数比(Si+Zr+Sn+Sb+Al)/Cを、0.05〜0.35の範囲内に設定することが好ましい。
3.図1(d)に示すように中間層3の上に透明基材層4を形成する。
透明基材層4は、電離放射線硬化型樹脂組成物を塗工した後、電離放射線を照射して硬化させることによって形成する。
ここでは、透明基材材料として、紫外線硬化型のアクリル系樹脂組成物を用い、中間層3の上にキャスト法で成膜することによって透明基材層4を形成する例を示すが、透明基材材料として、電子線照射型のアクリル系樹脂組成物を用いても同様に実施できる。
透明基材材料を中間層3の上に形成する方法は一般的な方法を用いることができるが、好ましくは、中間層3上に紫外線硬化型のアクリル系樹脂組成物を塗工し、これを挟み込みむように透明なラミネートフィルム5を積層して、ローラーで圧着することによってラミネートする。そして、このようにラミネートした状態で、ラミネートフィルム5の上からUV照射して、アクリル系樹脂組成物を硬化させることによって透明基材層4が形成される。
上記のアクリル系樹脂組成物は、アクリル基を含むモノマー及びオリゴマーがブレンドされた樹脂成分に、光開始剤、充填材、安定剤、溶媒などが添加されてなる組成物であり、
アクリル系のモノマーについては、3官能モノマーとして、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPT)あるいはそれのEO変性、PO変性物、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET−3A)が例示できる。また、4官能モノマーとして、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、6官能モノマーとしては、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPE−6A)などが例示できる。
アクリル系オリゴマーとしては、アクリル基を含むウレタン系あるいはエポキシ系のオリゴマーが挙げられる。
一般に、オリゴマーの比率を高くすると、成膜後の可撓性が増加するが、硬度は低下する。従って、可撓性と硬度が両立して得られるように、これらモノマーとオリゴマーの比率を設定することが好ましい。
重合開始剤としては、例えばチバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製イルガキュア907(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン)やイルガキュア184などの一般的な光重合開始剤を用いることができる。
溶剤としては、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、イソブチルアルコール(IBA)、エチルアルコール、メチルアルコール、ノルマルブチルアルコール(NBA)、シクロヘキサノン(CAN)、ジアセチルアセトン(DAA)、酢酸ブチル、酢酸エチル、イソプロピルアルコール(IPA)等を用いることができる。
なお、上記のモノマーが希釈剤を兼ねることができるので、別途に溶剤を用いない場合もある。
上記アクリル系樹脂組成物を、中間層3の上に塗工して、紫外線を照射すると、樹脂組成物に含まれるラジカル開始剤がラジカルを発生し、生成したラジカルを開始点として3次元状に架橋反応が進むので、形成される透明基材層4は、3次元架橋構造を有し、硬度、耐擦傷性などの機械強度に優れたものとなる。
また、透明基材層4に架橋が形成されるときに、中間層3における界面7の近傍領域に残っている未反応基とも結合して、中間層3にもまたがって架橋部分が形成されるので、透明基材層4と中間層3との密着強度も良好となる。
特に、透明基材層4を高硬度に形成するために、透明基材層4に無機セグメントであるシロキサン結合で架橋を形成することが好ましいが、そのために、ゾル・ゲル法を利用してアクリルモノマーとシロキサンを付加重合(ハイブリッド化)させて形成した共重合樹脂のオリゴマーを用いることが好ましい。また、透明基材層4に、粒径100nm以下のシリカ微粒子(いわゆるナノシリカ)を分散させてもよい。
5.図1(e)に示すように離型用基材10とラミネートフィルム5を剥離する。
中間層3から、離型層2及びベースフィルム1を剥離すると共に、透明基材層4からラミネートフィルム5を剥離する。この剥離工程では、ベースフィルム1の上に形成されている離型層2と中間層3と間でスムーズに剥離がなされるので、剥離後の中間層3の表面状態も良好なものとなる。
以上で、透明基材層4上に中間層3が積層された光学フィルム用基材20が作製される。
6.図1(f)に示すように中間層3の上にリワーク性粘着剤層を形成する。リワーク性粘着剤層は、主剤であるウレタン系粘着剤と硬化剤を適宜配合することで、粘着力を制御できる。コーティングを行うために、これらの粘着剤に対して、希釈溶剤が用いられる。コーティングの手法に合わせて、適宜希釈されるのである。
ウレタン粘着剤としては、一方社油脂工業株式会社のUS1001、US1001改、東洋インキ製造株式会社のサイアバインSP-205が挙げられる。
硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤、金属キレート硬化剤等が挙げられる。硬化剤の含有量は、粘着剤に対して、100質量部に対して、0.001〜10質量部であり、好ましくは0.01〜5質量部である。
粘着剤組成物には、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、色調補正色素、レベリング剤、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、分散剤、難燃剤、滑剤、可塑剤、又は紫外線吸収剤等を含有していてもよい。
紫外線吸収剤の例としては、ウレタン系粘着剤に添加される紫外線吸収剤は、特に限定されるものではなく、ウレタン系粘着剤の構成成分との相溶性等を勘案し、適宜選択使用される。これらの紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の紫外線吸収剤が好適に使用される。
有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン系、メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール等のアルコール系、ヘキサン等の炭化水素系、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
粘着剤のコーティングの方法として、特に限定はしないが、厚みを考慮すると、ナイフコーター、コンマコーター、リップコーター、ダイコーター、バーコーターが好ましい。得られた粘着剤溶液を離型フィルム(重剥離)上にコーティングし、乾燥を行う。その後、コーティングした離型フィルムよりも剥離の軽いもの(軽剥離)をコーティング面に対してラミネートを行う。これは、剥離バランスに差をつけることで、スムーズに剥離できるようにする為である。一方の離型フィルム(軽剥離)を剥がし、これらを中間層側に貼り付けるのである。
また、中間層に直接リワーク性粘着剤をコーティング・乾燥し、得られたリワーク粘着剤層に離型フィルムをラミネートする方法もある。本方法の方が、中間層への投錨効果や中間層と粘着剤が化学結合し、より中間層との密着力が強固なものとなる。
(上記製法による効果)
なお、上記1〜6の各工程は、ロール・ツー・ロール加工で連続的に行うこともでき、それによって、リワーク性粘着剤層を有する光学フィルムを効率よく製造することができる。
ところで、ロール・ツー・ロール加工を行う場合、透明基材層4は中間層3と比べて厚みが大きく柔軟性に乏しいので、透明基材層4を形成する工程をできるだけ後で行う方が有利であるが、上記製法によれば、中間層3よりも透明基材層4の方が後で形成されるので、ロール・ツー・ロール加工で光学フィルム用基材20を製造する上でメリットがある。
上記実施の形態では、ベースフィルム1の上に、離型剤を塗工することによって離型層2を形成し、離型層2の上に中間層3を形成したが、ベースフィルム1の上に中間層3を直接形成してもよい。ただし、離型層2を形成しておく方が、剥離工程においてベースフィルム1を容易に剥離できる。
一方、剥離工程において、透明基材層4からラミネートフィルム5を容易に剥離できるように、予めラミネートフィルム5に離型層を形成しておいてもよい。
上記実施の形態では、光学フィルム用基材20にリワーク性粘着層6を形成して、リワーク性粘着を有する光学フィルムを作製したが、リワーク性粘着層とは反対面に反射防止、耐指紋付着防止機能などの各種の光学機能を付与できる。
実施の形態で説明した光学フィルム30の製造方法に関して、その具体例を以下に述べる。
1.ベースフィルム1として、二軸延伸PETフィルム(東洋紡績株式会社製「コスモシャイン A4100」厚み100μm)を用意する。
2.離型層2を形成する工程:
ベースフィルム1の上に、離型剤として、チッソ株式会社製ハードコートU1006を塗工し、UV光を照射して硬化することによって、離型層2を形成する。形成した離型層2の表面をコロナ処理する。
以上で、ベースフィルム1上に離型層2が積層されてなる離型用基材10が作製される。
3.中間層3の形成
3−1 第1の方法(有機ケイ素化合物を加水分解してシロキサンを形成する方法)
(1)光感応性化合物
ジイソプロポキシビスアセチルアセトナートチタン(日本曹達株式会社製、T−50、酸化チタン換算固形分量:16.5重量%)30.3gをエタノール/酢酸エチル/2−ブタノール=60/20/20の混合溶媒58.4gに溶解後、攪拌しながらイオン交換水11.3g(酸化チタンに対してモル比で10倍)をゆっくり滴下し、加水分解させる。1日後に溶液を濾過し、黄色透明な酸化チタン換算濃度5重量%の酸化チタンナノ分散液[A−1]を得る。得られた分散液において、酸化チタンの平均粒径は、例えば4.1nmであって単分散性である。
(2)(光感応性化合物+シラン化合物加水分解縮合物)混合溶液
有機ケイ素化合物として、ビニルトリメトキシシラン[B−1](信越化学工業株式会社製、KBM−1003)を用い、 元素比(Ti/Si=1/9)になるように、上記[A−1]と[B−1]を混合した混合液[C−1]を作製する。混合液[C−1]における固形分は例えば27重量%程度である。
(3)紫外線硬化性化合物溶液
紫外線硬化性化合物として、ウレタンアクリレートオリゴマー(日本合成化学工業株式会社製、紫光UV7600B)を30重量%となるようにエタノール/酢酸エチル/2−ブタノール=60/20/20の混合溶媒に溶解させる。この溶液に光重合開始剤として、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(和光純薬工業株式会社製)をウレタンアクリレートオリゴマーの固形分に対して4重量%となるように溶解させ、溶液[D−1]を得る。
(4)有機無機複合体形成用組成物の調製
上記[C−1]混合液と[D−1]溶液とを混合する。ここで、混合比率は、[C−1]液の固形分/[D−1]液の固形分の割合が10重量%/90重量%となるように設定する。得られた混合液を中間層材料とする。
この中間層材料を、マイヤーバー(#10)で離型用基材10に塗工する。その後、80℃にて有機溶媒を揮発させ、高圧水銀ランプで紫外線を照射する。それによって、厚さ約5μmの中間層3が形成される。
3−2 第2の方法(酸化物微粒子分散型の中間層3を形成する方法)
中間層材料は、紫外線(UV)硬化樹脂組成物、酸化物微粒子材料、重合開始剤などが、溶媒に分散されてなる分散液である。
紫外線硬化樹脂組成物は、骨格中にビニル基を含むオリゴマーとモノマーが含まれる。
3官能モノマーとしてトリメチロールプロパントリアクリレートあるいはそれのEO変性、PO変性物、4官能モノマーとしてはペンタエリスリトールテトラアクリレート、6官能モノマーとしてはジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが例示できる。
酸化物微粒子は、Si、Zr、Sn、Sb、Alのいずれかの元素を含む酸化物であって、一次粒径は、5nm〜40nm程度である。
溶媒は、MEK、MIBK、イソブチルアルコール(IBA)、エチルアルコール、メチルアルコール、ノルマルブチルアルコール(NBA)、シクロヘキサノン(CAN)、ジアセチルアセトン(DAA)、酢酸ブチル、イソプロピルアルコール(IPA)等から選択される。
重合開始剤としては、例えばチバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製イルガキュア907(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン)などを用いる。
このような中間層材料を塗工して紫外線を照射して硬化させることによって、酸化物微粒子分散型の中間層3が形成される。
なお、形成される中間層3内において、塗工膜中での重量%濃度で50重量%以上90重量%の範囲となるように、中間層材料中における酸化物微粒子の添加濃度を調整しておく。
4.透明基材層4の形成工程
4−1: 3Hタイプの透明基材層4を形成する方法
紫外線硬化型アクリル樹脂材料として、UV7600B(日本合成化学工業株式会社製)を用意した。
光重合開始剤イルガキュア184(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)を5重量部、メチルエチルケトンを5重量部先に混合した溶液を、このUV7600Bに添加混合して紫外線硬化塗料を作製する。
この樹脂組成物を、マイヤーバー(#200)を用いて、中間層3上に塗工する。塗工したフィルムを、乾燥オーブンにて80℃で5分間処理し、塗工膜中の溶媒を除去した。得られた塗工膜の表面にPETフィルムを設置・貼合して、外部より高圧水銀ランプ(管長1200mm、出力電力15kW)を用い、紫外線を約10秒間照射して塗工膜を硬化して透明基材層4を形成する。
この製法で作製した透明基材層4の表面は鉛筆硬度3Hを有していることが確認できた。
4−2: 9Hタイプの透明基材層4を形成する方法
紫外線硬化型アクリル系樹脂材料として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET−3A)75重量部に対して、3官能ウレタンアクリレート(ニューフロンティアR1302)(第一工業製薬株式会社製)25重量部を混合したものを用意する。これに光重合開始剤イルガキュア184(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)を5重量部混合することにより、樹脂組成物を作製する。
この樹脂組成物を、マイヤーバー(#200)を用いて、中間層3上に塗工する。
得られた塗工膜の表面にPETフィルムを貼合する。ラミネートフィルム5は、ベースフィルム1と同様のPETフィルムである。
この貼合を行う際に、塗工膜に気泡が入らないように留意し、塗工膜の厚みが一定に保たれるように低い押圧力でラミネートフィルム5をローラーで圧着しながら貼合する。
このようにラミネートした状態の積層体に対し、外部から高圧水銀ランプ(管長1200mm、出力電力15kW)で紫外線を約10sec間照射して塗工膜を硬化する。
形成される透明基材層4は、無機セグメントと有機高分子セグメントを構成要素とする有機−無機共重合体からなり、ガラスと樹脂の中間的性質を有し、表面の鉛筆硬度は9Hである。
透明基材層4の厚みは、200μmである。
5.剥離工程
中間層3と離型層2との間を剥離すると共に、透明基材層4とラミネートフィルム5との間を剥離する。
以上で、透明基材層4上に中間層3が積層された光学フィルム用基材20が作製される。
以上の製法で作製された光学フィルム用基材20は、適度な屈曲性を有すると共に、高硬度であることも確認した。
6.リワーク性粘着剤層の形成
6−1:転写方式
ウレタン粘着剤US1001改(一方社油脂工業株式会社製 固形分濃度35.5%)100重量部に対して、架橋剤N(一方社油脂工業株式会社製)1.68重量部を添加し、酢酸エチルで希釈して、固形分濃度30重量%のウレタン粘着溶液を得た。
得られたウレタン粘着溶液をナイフコーターを用いて、PETセパレーターVO厚み38μm(ニッパ株式会社製)上にコーティングし、90℃にて乾燥後、上からPETセパレーターE7006厚み38μm(東洋紡績株式会社製)でラミネートし、40℃×3日間保持してリワーク性粘着剤層を得た。この片側のセパレーターを剥離して、中間層に貼合した。
6−2:コーティング方式
前記ウレタン粘着溶液をナイフコーターにより、中間層に直接コーティングして、90℃にて乾燥後、上からPETセパレーターE7006(東洋紡績株式会社製)でラミネートして、40℃×3日間保持してリワーク性粘着剤層を得た。
表1中No.13おいては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤SEESORB107(シプロ化成株式会社製)をウレタン固形分に対して2%添加して、リワーク性粘着剤層を形成した。
(密着性・リワーク性)
リムーバブル粘着層を有する光学フィルムにおいて、25mm×100mmの試験片を作製し、50mm×150mmのガラスにローラーにて貼り付け、24h放置後、繰り返し、手で剥離と貼り付けを100回繰り返して、粘着層と中間層のとの間の剥がれ及びガラスへの密着性を目視にて評価した。
<密着性評価> ◎:全く剥離なし、○:微少な部分で剥離有り、△:部分的に剥離、×:中間層から全面剥離
<リワーク性> ◎:初期と変わらずガラスと密着、○:微少な部分で密着不可有り、△:部分的にガラスと密着、×:ガラスと密着せず
(濡れ速度試験)
幅10mm×100mmの短冊状の光学フィルムを50mm×150mmのガラスの一部に貼り付け、光学フィルムをガラス上に軽く平行に設置し、一部をガラスに圧着させた後、圧着起点から10mmの地点でガラスに密着するに要した時間を測定した。
(耐久性試験)
光学フィルムを50mm×40mmのガラスにローラー(2kg)を用いて貼り付け、60℃90%、及び80℃環境下に1000時間保存し、その時の剥がれ、気泡発生を目視にて評価した。
上記製造方法で得られた光学フィルムの評価結果を表1に示す。なお、「中間層」欄のAは上記3−1で説明した第1の方法で作製したものであることを示し、Bは上記3−2で説明した第2の方法で作製したものであることを示す。
Figure 0005646361
本発明にかかる光学フィルムは、表面保護等の為にディスプレイの表面に貼合される。本光学フィルムは、貼り合せの際、貼合装置の必要がなく、簡単に外観特性の良い状態でディスプレイ上に設置できる。貼合位置を何度でも変えることができかつ、耐久性を兼ね備えたものである。
1 ベースフィルム
2 離型層
3 中間層
4 透明基材層
5 ラミネートフィルム
6 リワーク性粘着剤層
10 離型用基材
20 光学フィルム用基材
30 光学フィルム

Claims (1)

  1. リワーク性粘着剤層を有する光学フィルムを製造する方法であって、
    ベースフィルムに離型材料を塗工して離型層を有する離型用基材を形成する工程と、
    離型用基材の離型層の上に無機酸化物を含有する中間層材料を塗工して中間層を形成する工程と、
    中間層上に電離放射線硬化型樹脂組成物を塗工した後ラミネートフィルムで被覆し、電離放射線を照射して透明基材層を形成する工程と、
    中間層から離型フィルムを剥離すると共に透明基材層からラミネートフィルムを剥離し、光学フィルム用基材を形成する工程と、
    光学フィルム用基材の中間層の上にリワーク性粘着層を形成する工程とを備え
    前記中間層における前記透明基材層との界面の近傍領域に前記無機酸化物が多く含有されていることを特徴とするリワーク性粘着層を有する光学フィルムの製造方法。
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