JP2012168356A - 半導体光変調素子及び半導体光集積素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】LDとモノリシックに集積容易な高速・高効率な半導体光変調素子を提供する。
【解決手段】基板101の面上に、上層から基板面に向かって順に少なくともn型クラッド層113a,113b、i―コア層115a,115b、p型クラッド層117a,117bを含む半導体多層構造でなる光変調素子を備え、光変調素子の光変調導波路が基板上の逆メサ方向に形成されている。信号電極111a,111bには正の電圧をバイアス電圧として用いる。
【選択図】図1(b)

Description

本発明は半導体光変調素子及び半導体光集積素子に関し、より詳しくは半導体光変調素子、及び、LD素子と高速・高効率な半導体光変調素子を逆メサ方向にモノリシック集積した半導体光集積素子に関する。
高速大容量光通信システムに使用されるトランスミッタは、通常、レーザダイオード(LD)光源と外部変調器を組み合わせて光信号を発生させる方式を取る。この種の目的に使用される典型的な外部変調器は、LiNbO3(LN)導波路で製作されるLN変調器である。電気光学効果による屈折率の変調がその動作の基本であり、単純な光位相変調器のほかに、マッハ・ツェンダ干渉計を組んだ光強度変調器などがある。
最近、小型化の面でLN変調器よりも有利な半導体光変調器が注目されている。特にLDと同一材料で作製可能な半導体光変調器は大容量集積素子を小型かつモノリシックに集積できる点で優れている。
半導体光変調器にはヘテロpin接合を用いて、光の閉じ込めと共に導波路のコア部分に効果的に電圧が印加される様にしたInP/InGaAsP光変調器や、更なる低電圧駆動の光変調器を実現すべく両方のInPクラッド層をn型とし、電子電流を抑制するためのバリア層として薄いp型半導体の層(p型のバリア層)を挿入したnpin形の半導体光変調器構造が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。このnpin形は、光損失の要因となるp型のクラッド層を使わないため、比較的長い導波路を用いることを可能とし、駆動電圧を下げる上で優位となる。また、空乏層厚を任意に最適設計できるという自由度があるため、電気インピーダンスの整合と、電気速度/光速度の整合を同時に満足しやすく、高速化にも有利である、という特徴を持つ。
上記pin形やnpin形においては一次の電気光学効果(ポッケルス効果)の他に、半導体特有のフランツ・ケルディッシュ効果(FK効果)、さらにコア部分を多重量子井戸構造にしたことによる量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)を同時に用いることで高効率な光変調動作が可能となっている。
ここで図6に関する説明をする。図6は逆バイアスとしての電界方向が[100]方向、すなわち基板上方に向かって電界が印加された場合のポッケルス効果による屈折率楕円体変化を図示している。なお、伝搬する光の偏光はTE偏波とする。通常、InP、GaAsなどの閃亜鉛鉱形結晶は電界を印加しない場合、結晶中の屈折率は結晶方位に依らず等方的(n0)であるのに対して(図中(1)、結晶中に電界が印加されると、その印加方向に応じた結晶特有の屈折率変化が生じる(図中(2))。TE偏波光を順メサ方向に伝搬させた場合、TE偏波光はポッケルス効果によって屈折率が増大した領域を伝搬することになる。一方、逆メサ方向にTE偏波光を伝搬させた場合はポッケルス効果によって屈折率が小さくなった領域を伝搬することになる。ここで図中のr41は電気光学定数である。
上述したポッケルス効果は光の伝搬方向によって屈折率変化の増減が異なるのに対して、FK効果やQCSEは結晶に印加される電界強度のみによってその増減が変化する。すなわち、逆バイアスが印加される下では順メサ方向や逆メサ方向を問わず電界強度増大に伴いその屈折率変化は増大する方向へシフトする。図7は電圧印加に伴うFK効果及びQCSEの屈折率増大に加えて、ポッケルス効果による屈折率増減を含めた屈折率変化量の総和を規格化した図である。図7より、印加電圧に伴い屈折率変化を増大させる、すなわち高効率な変調動作を得るためにはFK効果、QCSE及びポッケルス効果を相乗させた図7中[1]に示す大きな屈折率変化特性を実現させる必要がある。
図8に一例として従来技術であるnpin形の半導体光変調器10の断面構造を示す。
図8に示すように、SI(半絶縁)―InP基板1上にはn−InGaAsコンタクト層2が配置され、コンタクト層2上には電極3が配置されている。そして、電極11a,11b、n−InGaAsコンタクト層12a,12b、n−InP層13a,13b、p−InAlAs層14a,14b、i−光閉じ込め層15a,15b、i―コア層16a,16b、i−光閉じ込め層17a,17b、n−InP層18a,18bを積層してなる半導体多層構造(光変調素子)が、基板1(コンタクト層2)上に備えられて、半導体光変調器10が構成されている。
pin形及びnpin形における高速な光変調動作にはコア層16a,16bに高電界がかかるよう逆方向バイアスを印加しておく必要があるため、この場合、電極11a及び電極11bには負のバイアス電圧を印加させる。すなわち[100]方向にバイアス電界が印加されることになりポッケルス効果による屈折率楕円変化は図6で示した通りとなる。一方で、印加電圧の増大に伴いFK効果及びQCSEに起因した屈折率変化は屈折率が高くなる方向へシフトするため、これらとポッケルス効果を相乗させ大きな屈折率変化(図7中の[1])を得るためには図6より、光変調素子(半導体多層構造)を順メサ方向に作製する必要がある。対して、逆メサ方向に作製した場合、FK効果及びQCSEによる屈折率変化の増減とポッケルス効果による増減の向きが反対となり、双方で屈折率変化を相殺し合う結果、光変調効率は低下する(図7中の[3])。
素子の信頼性が高く求められるLDにおいては発光源となる活性層の周囲をクラッド層で埋め込んだ埋め込み型構造が多く用いられる。しかし、順メサ方向LD素子に対して埋め込み再成長を行おうとした場合、上面である(100)面以外の面に対しても再成長が進んでしまう結果、所望の埋め込み構造作製が困難となっている。一方、逆メサ方向LD素子に対しては(100)面への成長レートが支配的となるため所望の埋め込み構造を作製することができる。そのことから高信頼のLD素子は逆メサ方向に作製されることが多い。
そこで例えば、順メサ方向に作製された高速大容量通信向け半導体光変調素子を、光集積素子として埋め込み型のLDと集積させる場合には、各々の素子をハイブリッド集積させる方法や、LD素子と光変調素子を直交に配置してモノリシック集積させる方法などが用いられてきた。
特開2005−099387号公報 特開2009−198881号公報 特許3230785号(特開平07−135369号公報)
J. Pamulapati et al, "Refractive index and electro-optic effect in compressive and TEnsile strained quantum wells", Journal of Applied Physics, Vol. 69, pp. 4071-4074, (1991).
しかし、LD素子と光変調素子をハイブリッド集積させる場合には素子間における光結合損失の大きさが問題となることから、光変調素子前段に半導体光アンプ(SOA)などを設けて光損失の補てんを行う必要がある(例えば、特許文献2を参照。)。LD素子と光変調素子を直交に配置してモノリシック集積させる場合には直交配置によって素子全体の面積が不必要に大きくなり、素子量産性の観点からも多くの課題が残っていた。このような背景から、依然として高速大容量通信向け半導体光集積素子は小型かつ低コストに作製するには多くの問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、LD素子と同じ逆メサ方向に高速変調動作可能なnip形又はnipn形の半導体光変調素子を作製することを目的とする。さらにLD素子と光変調素子とをモノリシックに集積させることで高速大容量の半導体光集積素子を小型かつ低コストで提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の半導体光変調素子の構成は、
閃亜鉛鉱形半導体結晶基板の(100)面と等価な基板面上に、上層から基板面に向かって順に少なくともn型クラッド層、i―コア層、p型クラッド層を含む半導体多層構造でなる光変調素子を備え、前記光変調素子の光変調導波路が基板上の逆メサ方向に形成されていることを特徴とする。
また本発明の半導体光変調素子の構成は、
閃亜鉛鉱形半導体結晶基板の(100)面と等価な基板面上に、上層から基板面に向かって順に少なくともn型クラッド層、i―コア層、p型キャリアブロック層、n型クラッド層を含む半導体多層構造でなる光変調素子を備え、前記光変調素子の光変調導波路が基板上の逆メサ方向に形成されていることを特徴とする。
また本発明の半導体光変調素子の構成は、
前記閃亜鉛鉱形半導体結晶基板の基板面上にマッハ・ツェンダ型光導波路が形成され、このマッハ・ツェンダ型光導波路に前記光変調素子が接続されていることを特徴とする。
また本発明の半導体光変調素子の構成は、
前記光変調素子には、上層から基板面に向かって逆バイアスの電界が印加されるように、信号電圧の振幅よりも大きなオフセット電圧が印加されていることを特徴とする。
また本発明の半導体光集積素子の構成は、
閃亜鉛鉱形半導体結晶基板の(100)面と等価な基板面上に、上層から基板面に向かって順に少なくともn型クラッド層、i―コア層、p型クラッド層を含む半導体多層構造でなる光変調素子を備え、前記光変調素子の光変調導波路が基板上の逆メサ方向に形成されると共に、前記基板上にレーザー素子が逆メサ方向に搭載されていることを特徴とする。
また本発明の半導体光集積素子の構成は、
閃亜鉛鉱形半導体結晶基板の(100)面と等価な基板面上に、上層から基板面に向かって順に少なくともn型クラッド層、i―コア層、p型キャリアブロック層、n型クラッド層を含む半導体多層構造でなる光変調素子を備え、前記光変調素子の光変調導波路が基板上の逆メサ方向に形成されると共に、前記基板上にレーザー素子が逆メサ方向に搭載されていることを特徴とする。
また本発明の半導体光集積素子の構成は、
前記光変調素子には、上層から基板面に向かって逆バイアスの電界が印加されるように、信号電圧の振幅よりも大きなオフセット電圧が印加されていることを特徴とする。
結局、上記目的を達成するために、本発明に係る半導体光変調素子は、基板側に向かって上層からn-i-p又はn-i-p-nの順に積層させた半導体ウエハに対し、逆メサ方向に光変調素子の光変調導波路を作製する。さらに逆方向バイアスを印加すべく信号電極には正の電圧をバイアス電圧として用いることで、印加電圧増加に伴うFK効果、QCSE、及びポッケルス効果の屈折率増減の向きを等しくさせることとした。
Figure 2012168356
通常、InP、GaAsなどの閃亜鉛鉱形結晶は電界を印加しない場合、結晶中の屈折率は結晶方位に依らず等方的(n0)であるのに対して(図中(1))、結晶中に電界が印加されると、その印加方向に応じた結晶特有の屈折率変化が生じる(図中(2))。TE偏波光を順メサ方向に伝搬させた場合、TE偏波光はポッケルス効果によって屈折率が小さくなった領域を伝搬することになる。一方、逆メサ方向にTE偏波光を伝搬させた場合はポッケルス効果によって屈折率増大した領域を伝搬することになる。すなわち図9の場合には、逆メサ方向に光変調素子の光変調導波路を作製することでFK効果、QCSEにポッケルス効果を相乗させた屈折率変化を得ることができる(図7中の[1])。
本発明によれば、従来から高速高効率光変調器として用いられてきたnpin形及びpin形光変調器と同特性の半導体光変調素子を逆メサ方向にも作製することが可能となる。これにより、逆メサ方向に作製されるLDと半導体光変調素子とをモノリシック集積して小型で高速大容量の半導体光集積素子を低損失かつ量産的に作製することができる。
実施形態1の半導体光変調素子を示す上面図。 実施形態1の半導体光変調素子の変調領域を示す拡大断面図。 変調信号の印加時に順バイアス方向に電圧印加がされた場合の、バイアス電圧と信号電圧との関係を示す特性図。 変調信号の印加時に逆バイアス方向に電圧印加がされた場合の、バイアス電圧と信号電圧との関係を示す特性図。 本実施形態2の半導体光変調素子を示す上面図。 本実施形態2の半導体光変調素子の変調領域を示す拡大断面図。 本実施形態3の半導体光集積素子を示す上面図。 本実施形態3の半導体光集積素子の変調領域を示す拡大断面図。 本実施形態4の半導体光集積素子を示す上面図。 基板上方に向かって電界が印加された場合のポッケルス効果による屈折率楕円体変化を示す特性図。 電圧印加に伴うFK効果及びQCSEの屈折率増大に加えて、ポッケルス効果による屈折率増減を含めた屈折率変化量の総和を規格化して示す特性図。 従来技術であるnpin形の半導体光変調器の一例の断面構造を示す断面図。 逆バイアスとしての電界方向が基板下方に向かって印加された場合のポッケルス効果による屈折率楕円体変化を示す特性図。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すとする。
図1(a)は、本実施形態の半導体光変調素子100の上面図であり、図1(b)はその変調領域における断面図である。
図1(a),(b)に示すように、SI(半絶縁)―InP基板101上にはn―バッファ層102が配置され、バッファ層102上にはp−InGaAsコンタクト層103が配置され、コンタクト層103上には電極104が配置されている。そして、上層から基板面に向かって、電極111a,111b、n−InGaAsコンタクト層112a,112b、n−InP層113a,113b、i−光閉じ込め層114a,114b、i―コア層115a,115b、i−光閉じ込め層116a,116b、p−InP層117a,117bを積層してなる半導体多層構造(光変調素子)が、基板101(コンタクト層103)上に備えられて、実施例1に係る半導体光変調素子100が構成されている。
このように本例では、上層から基板面に向かってnipの順に積層した半導体多層構造(光変調素子)を備えており、しかも、光変調素子の光変調導波路が逆メサ方向に形成されている。
なお、120は光導波路、121はMMIカプラである。
結晶成長は、結晶再成長プロセスに適した有機金属気相成長(MOVPE)法によって行い、基板結晶は(100)面方位基板を用いる。光変調領域におけるコア層115a、115bはノンドープ層であり、動作光波長で電気光学効果が有効に作用しかつ光吸収が問題とならないようにコア層115a、115bのバンドギャップ波長や構造を決定している。例えば、1.55μm帯のデバイスとする場合には、量子井戸層とバリア層にはInGaAlAs、InAlAsといったバンドギャップの異なる半導体材料を用いるが、材料はInGaAlAs、InAlAsに限定されず、例えば、量子井戸層、バリア層にInGaAlAs、InGaAs、InGaAsP、InPなどを用いてもよい。
光変調領域におけるコア層115a、115bの上面と下面には、光吸収で発生したキャリアがヘテロ界面でトラップされないようにするために、コア層のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する、InGaAsPなどの組成の光閉じ込め層114a,116a,114b,116bが設けられている。光閉じ込め層114a,114bの上面には例えばn型InPクラッド層113a,113b、信号電極コンタクト用のn型InGaAs112a,112b、及び光閉じ込め層116a,116bの下面には、例えば接地電極コンタクト用のp型InGaAs103、p型InPクラッド層117a,117bが順次積層されている。
これらの層のドーピング濃度は、ノンドープ層で効率良く電圧降下が生じるようにn型及びp型InPクラッド層が5×1017cm-3以上及び、十分なオーミック接触が得られるように電極コンタクト用のn型及びp型InGaAs電極コンタクト層が1×1019cm-3以上とすることが望ましい。例えば、n型及びp型InPクラッド層のドーピング濃度を1×1018cm-3とし、n型及びp型InGaAs電極コンタクト層のドーピング濃度をそれぞれ2×1018cm-3及び1×1019cm-3とする。また、半絶縁性InP基板とp型InGaAs層の間にはバッファ層として、例えばn型InP層を積層する。
なお、電極コンタクト用に積層される層は十分な伝導性が確保できれば問題ないため、n型及びp型の不純物がドーピングされる半導体は上記InGaAsに限定されず例えば、InGaAsPなどを用いてもよい。
上記n-i-p層を堆積後、半導体光変調素子を光導波路として機能させるべく、逆メサ方向に導波路形状が模られた、例えばSiO2マスクを用いてドライエッチングによりp型InGaAs電極コンタクト層103が露出するまで加工し、メサ構造を作製する。これにより、光変調素子の光変調導波路が、逆メサ方向に形成される。またその際、電圧印加に寄与しない領域においてはp型InGaAs電極コンタクト層103を含めてドライエッチング加工により除去し、半絶縁性InP基板101を露出させる。SiO2マスクを除去後、図1(b)に示す通りp型、n型InGaAs電極コンタクト層103上に例えばTiを介したAu電極104を形成する。
なお、半導体光変調素子100に用いられる信号電極は進行波型電極構造であることが望ましいが、この他にも例えば集中定数型及び共振型の電極構造でもよい。
なお、光電子導波路(光変調導波路)として機能させるためには、図1(b)に示したような断面のメサ構造を含む、例えば2つのMMIカプラを搭載した図1(a)に示すマッハ・ツェンダ(MZ)導波路構造とし、その逆メサ方向に形成された導波路に光を伝搬させた状態で電極111a、電極111bに逆バイアス電圧、及び信号電圧を入力する。即ち、基板101(コンタクト層103)上に、マッハ・ツェンダ(MZ)型の光導波路120及びMMIカプラ121を備え、光導波路120に光変調素子を接続し、逆バイアス電圧を印加する。なおノンドープ層に対して高電界をかけるには逆バイアス方向への電圧印加が必要である。n-i-p層構造の場合には図1(b)中の矢印に示した通り、基板側下方に向かってバイアス電圧を印加させることが逆バイアス電圧に対応する。また、仮に変調信号の印加時に順バイアス方向(図1(b)中の[100]方向)へ電圧が印加されてしまうと所望の電圧降下が起こらないのみでなく、ノンドープ層に対してキャリアが注入されてしまうため、そもそも光変調素子としての機能を果たさなくなる(図2(a))。そこで信号電圧の振幅によって順バイアス方向へ電界が生じるのを防ぐために、それよりも大きな逆バイアスによって変調動作点をシフトさせて、常に逆バイアスへの電界が印加された状態で変調を行う(図2(b))。例えば信号電圧の振幅を±2Vで駆動させた場合、逆バイアス電圧は2V以上印加させることになる。
また、低消費動作及び変調チャーピング抑制のためにMZ光変調素子においてはプッシュ・プル駆動の変調動作が求められる。そのため変調信号としては同一強度かつ電界変位方向が真逆の信号電圧を同タイミングで電極101a及び電極101bにそれぞれ入力させる。
なお、MZ導波路構造を有さない、例えば位相変調素子として直線導波路構造のみからなる場合においても本実施例の有用性があることは明らかである。
このように本発明によれば、逆バイアスとして電界が基板下方向へ印加されるため逆メサ方位に作製された光変調素子に対してもFK効果及びQCSEに加えてポッケルス効果を相乗させることができるため、図7中の[1]に示す大きな屈折率変化及び良好な変調特性を得ることができる。
Figure 2012168356
Figure 2012168356
ここで基板材料はInP以外にも同構造を有する、例えばGaAs、GaP、ZnS、ZnSeを用いた場合においてもその有用性は変わらないことは明らかである。
なお、本実施例においては、1.55μm波長帯に対応する半導体光変調素子を用いたが1.3μm波長帯に対応するものを用いてもよい。
また例えばGaAsを用いれば0.6〜1.3μm波長帯にも対応できる。
光の伝搬損失低減などを目指して、実施例1で記した光変調領域における半導体層をn-i-p構造からn-i-p-n構造に変更した、実施例2に係る半導体光変調素子100aについて説明する。図3(a)は、本実施形態の半導体光変調素子100aにおける上面図、及び図3(b)は光変調領域の断面図である。
図3(a),(b)に示すように、SI(半絶縁)―InP基板101上には、n−InGaAsコンタクト層105が配置され、コンタクト層105上には電極104が配置されている。そして、上層から基板面に向かって、電極111a,111b、n−InGaAsコンタクト層112a,112b、n−InP層113a,113b、i−光閉じ込め層114a114b、i―コア層115a,115b、i−光閉じ込め層116a,116B、p−InAlAs層121a,121b、n−InP層122a,122bを積層してなる半導体多層構造(光変調素子)が、基板101(コンタクト層105)上に備えられて、実施例2に係る半導体光変調素子100aが構成されている。
このように本例では、上層から基板面に向かってnipnの順に積層した半導体多層構造(光変調素子)を備えており、しかも、光変調素子の光変調導波路が逆メサ方向に形成されている。
なお、120は光導波路、121はMMIカプラである。
ここで実施例1におけるノンドープのコア層、光閉じ込め層の構成条件は同様であるため、以下では光変調領域におけるドーピング層の構造について説明する。
光閉じ込め層114a,114bの上面には例えばn型InPクラッド層113a,113bとn型InGaAs信号電極コンタクト層112a,112bを順次積層させる。また光閉じ込め層116a,116bの下面には、例えばn型InGaAs接地電極コンタクト層105、n型InPクラッド層122a,122b、及びp型InAlAsキャリアブロック層121a,121bを順次積層させることで、動作状態で使用する印加電圧範囲において、p型InAlAs の全領域及びn型InP の一部領域又は全領域を空乏化させる。
このような空乏化領域のバンドのポテンシャル変化が十分に大きくなる様、すなわち、電子に対する充分なポテンシャルバリアが誘起されるべく、これらの層のドーピング濃度プロファイル及びp型InAlAsの膜厚が決定される。これらの層のドーピング濃度は、n型層が2×1017cm-3以上であり、p型層が1×1018cm-3以上とすることが望ましい。例えば、n型層のドーピング濃度を5×1017cm-3とし、p型層のドーピング濃度を1×1018cm-3、及び膜厚を50 nmとする。
また、キャリアブロック層として機能させるためのp型層はInAlAsに限定されず、例えばInGaAlAsやInPなどでもよい。
なお、電極コンタクト用に積層される層は十分な伝導性が確保できれば問題ないため、n型の不純物がドーピングされる半導体は上記InGaAsに限定されず例えば、InGaAsPなどを用いてもよい。
上記n-i-p-n層を堆積後、半導体光変調素子を光導波路として機能させるべく、逆メサ方向に導波路形状が模られた、例えばSiO2マスクを用いてドライエッチングによりn型InGaAs電極コンタクト層105が露出するまで加工し、メサ構造を作製する。これにより、光変調素子の光変調導波路が、逆メサ方向に形成される。またその際、電圧印加に寄与しない領域においてはn型InGaAs電極コンタクト層105を含めてドライエッチング加工により除去し、半絶縁性InP基板101を露出させる。SiO2マスクを除去後、図3(b)に示す通りn型InGaAs電極コンタクト層105上に例えばTiを介したAu電極104を形成する。
なお、半導体光変調素子100aに用いられる信号電極は進行波型電極構造であることが望ましいが、この他にも例えば集中定数型及び共振型の電極構造でもよい。
なお、光電子導波路(光変調導波路)として機能させるためには、図3(b)に示したような断面のメサ構造を含む、例えば2つのMMIカプラを搭載した図3(a)に示すマッハ・ツェンダ(MZ)導波路構造とし、その逆メサ方向に形成された導波路に光を伝搬させた状態で電極111a、電極111bに逆バイアス電圧、及び信号電圧を入力する。即ち、基板101(コンタクト層105)上に、マッハ・ツェンダ(MZ)型の光導波路120及びMMIカプラ121を備え、光導波路120に光変調素子を接続し、逆バイアス電圧を印加する。なおノンドープ層に対して高電界をかけるには逆バイアス方向への電圧印加が必要である。n-i-p-n層構造の場合には図3(b)中の矢印に示した通り、基板側下方に向かってバイアス電圧を印加させることが逆バイアス電圧に対応する。また、仮に順バイアス方向(図3(b)中の[100]方向)へ電圧が印加されてしまうと所望の電圧降下が起こらないため、そもそも光変調素子としての機能を果たさなくなる(図2(a))。そこで信号電圧の振幅によって順バイアス方向へ電界が生じるのを防ぐために、それよりも大きな逆バイアスによって変調動作点をシフトさせて、常に逆バイアスへの電界が印加された状態で変調を行う(図2(b))。例えば信号電圧の振幅を±2Vで駆動させた場合、逆バイアス電圧は2V以上印加させることになる。
また、低消費動作及び変調チャーピング抑制のためにMZ光変調素子においてはプッシュ・プル駆動の変調動作が求められる。そのため変調信号としては同一強度かつ電界変位方向が真逆の信号電圧を同タイミングで電極111a及び電極111bにそれぞれ入力させる。
なお、MZ導波路構造を有さない、例えば位相変調素子として直線導波路構造のみからなる場合においても本実施例の有用性があることは明らかである。
このように本発明によれば、逆バイアスとして電界が基板下方向へ印加されるため逆メサ方位に作製された変調素子に対してもFK効果及びQCSEに加えてポッケルス効果を相乗させることができるため、図7中の[1]に示す大きな屈折率変化及び良好な変調特性を得ることができる。さらに実施例1に示したn-i-p層構造の半導体光変調素子と比べて、光導波路内を伝搬する光の損失が低減されるため、変調素子長をより長く作製することができる。そのため例えば信号電極として進行波型電極を用いることで、高速動作においても良好な変調特性を得ることができる。
Figure 2012168356
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ここで基板材料はInP以外にも同構造を有する、例えばGaAs、GaP、ZnS、ZnSeを用いた場合においてもその有用性は変わらないことは明らかである。
なお、本実施例においては、1.55μm波長帯に対応する半導体光変調素子を用いたが1.3μm波長帯に対応するものを用いてもよい。
また例えばGaAsを用いれば0.6〜1.3μm波長帯にも対応できる。
図4(a)は、本実施形態の半導体光集積素子200の上面図である。結晶成長は、結晶再成長プロセスに適した有機金属気相成長(MOVPE)法によって行い、基板結晶は(100)面方位基板を用いる。図4(b)は実施例1の半導体光変調素子100と集積されるLD領域150の断面図である。半導体基板101は、光変調に用いられる高周波回路設計の観点から望ましくは半絶縁性のInP基板を用いて作製を行う。
実施例3の半導体光集積素子200は、SI−InP基板101上に、実施例1の半導
体多層構造(光変調素子)を備え、しかも、この光変調素子の光導波路とレーザー素子を逆メサ方向に形成したモノリシック集積素子である。つまり、半導体光集積素子200のMZ型光変調領域130は、実施例1の半導体光変調素子100と同構成になっている。
LD領域150では、基板101上にn−InGaAsコンタクト層158を配置し、この基板101(コンタクト層158)上に、電極151,p−InGaAsコンタクト層152,p−InP層153,i―光閉じ込め層154,i―活性層155,i―光閉じ込め層156,n−InP層157を積層してなる半導体多層構造が備えられている。
LD領域150における活性層155は多重量子井戸構造を有し、量子井戸層及びバリア層として例えば、ノンドープのInGaAsP及びInPをそれぞれ用いる。その上下には活性層155とクラッドの大よそ中間のバンドギャップに対応した光閉じ込め層154,156をそれぞれ積層する。また光閉じ込め領域に回折構造を設けることで所望の単一波長で発振可能な分布帰還形LDを作製する。光閉じ込め層154の上面にはp型InPクラッド層153、p型InGaAs電極コンタクト層152が順次積層されており、また下面にはn型InGaAs電極コンタクト層158、 n型InPクラッド層157が順次積層されたp-i-n構造を作製する(例えば特許文献3を参照。)。なおLDの発振波長は1.55μmである。
上記p-i-n層構造を作製後、光変調素子が作製される領域を模ったSiO2マスクを用いて例えば誘導結合プラズマ(ICP)ドライエッチングにより積層された結晶層を除去した後、実施例1と同条件のn-i-p層構造を結晶再成長により積層する。
LD領域150におけるp-i-n層及び光変調領域130におけるn-i-p層を堆積後、LD素子及び光変調素子を光導波路として機能させるべく、逆メサ方向に導波路形状が模られた、例えばSiO2マスクを用いてドライエッチングによりn型及びp型InGaAs電極コンタクト層103,158が露出するまで加工し、メサ構造を作製する。これにより逆メサ方向に光変調導波路が形成される。またその際、電圧印加に寄与しない領域においてはn型及びp型InGaAs電極コンタクト層103,158を含めてドライエッチング加工により除去し、半絶縁性InP基板101を露出させる。
その後、LD素子に対しては結晶再成長によりメサ構造の両側を半絶縁性InPで埋め込み、再度、所望の電極コンタクト領域をSiO2マスクで模り、ドライエッチング加工を施して図4(b)に示したようなn型InGaAs電極コンタクト層158を露出させる。
そして、LD領域150及び光変調領域130のp型、n型InGaAs電極コンタクト層158,103上に例えばTiを介したAu電極159,104を形成する。
なお、半導体光変調素子に用いられる信号電極は進行波型電極構造であることが望ましいが、この他にも例えば集中定数型及び共振型の電極構造でもよい。
なお、光電子導波路(光変調導波路)として機能させるためには、図1(b)に示したような断面のメサ構造を含む、例えば2つのMMIカプラを搭載した図4(a)に示すマッハ・ツェンダ(MZ)導波路構造とし、図4(b)に示す、同じ逆メサ方向LD素子から発振された光を伝搬させた状態で電極111a、電極111bに逆バイアス電圧、及び信号電圧を入力する。ここでLDの注入電流値は50mAである。なおノンドープ層に対して高電界をかけるには逆バイアス方向への電圧印加が必要である。n-i-p層構造の場合には図1(b)中の矢印に示した通り、基板側下方に向かってバイアス電圧を印加させることが逆バイアス電圧に対応する。また、仮に順バイアス方向(図1(b)中の[100]方向)へ電圧が印加されてしまうと所望の電圧降下が起こらないのみでなく、ノンドープ層に対してキャリアが注入されてしまうため、そもそも光変調素子としての機能を果たさなくなる(図2(a))。そこで信号電圧の振幅によって順バイアス方向へ電界が生じるのを防ぐために、それよりも大きな逆バイアスによって変調動作点をシフトさせて、常に逆バイアスへの電界が印加された状態で変調を行う(図2(b))。例えば信号電圧の振幅を±2Vで駆動させた場合、逆バイアス電圧は2V以上印加させることになる。
また、低消費動作及び変調チャーピング抑制のためにMZ光変調素子においてはプッシュ・プル駆動の変調動作が求められる。そのため変調信号としては同一強度かつ電界変位方向が真逆の信号電圧を同タイミングで電極A及び電極Bにそれぞれ入力させる。
なお、MZ導波路構造を有さない、例えば位相変調素子として直線導波路構造のみからなる場合においても本実施例の有用性があることは明らかである。
このように本発明によれば、実施例1で示した半導体光変調素子100と同じ逆メサ方向にLD素子を小型かつモノリシックに集積させることができるため、LD素子と半導体光変調素子間の光結合損失、直交配置による不必要な基板面積の消費などの問題を解決することができる。その結果として、例えば、大容量通信で不可欠とされるMZ光変調素子とLD素子とを搭載した半導体光集積素子を小型かつ、量産的に作製することが可能となる。
Figure 2012168356
Figure 2012168356
ここで基板材料はInP以外にも同構造を有する、例えばGaAs、GaP、ZnS、ZnSeを用いた場合においてもその有用性は変わらないことは明らかである。
なお、本実施例においては、1.55μm波長帯に対応する半導体光変調素子を用いたが1.3μm波長帯に対応するものを用いてもよい。
また例えばGaAsを用いれば0.6〜1.3μm波長帯にも対応できる。
実施例3で記した半導体光集積素子に対し、更なる光の伝搬損失低減、高速変調動作などを目的として本実施例では、実施例2で記したn-i-p-n層構造の半導体光変調素子を具備した半導体光集積素子200aについて図5を参照して説明する。結晶成長は、結晶再成長プロセスに適した有機金属気相成長(MOVPE)法によって行い、基板結晶は(100)面方位基板を用いる。半導体基板はn型ドープのInP基板又は半絶縁性(Semi-Insulating)のInP基板を用いることができるが、光変調に用いられる高周波回路設計の観点から望ましくは半絶縁性InP基板を用いて作製を行う。
実施例4の半導体光集積素子200aは、SI−InP基板101上に、実施例2の半
導体多層構造(光変調素子)を備え、しかも、この光変調素子の光導波路とレーザー素子を逆メサ方向に形成したモノリシック集積素子である。つまり、半導体光集積素子200aのMZ型光変調領域130aは、実施例2の半導体光変調素子100aと同構成になっている。
LD領域150では、実施例3と同様に、基板101上にn−InGaAsコンタクト層158を配置し、この基板101(コンタクト層158)上に、電極151,p−InGaAsコンタクト層152,p−InP層153,i―光閉じ込め層154,i―活性層155,i―光閉じ込め層156,n−InP層157を積層してなる半導体多層構造が備えられている。
LD領域150における活性層155は多重量子井戸構造を有し、量子井戸層及びバリア層として例えば、ノンドープのInGaAsP及びInPをそれぞれ用いる。その上下には活性層155とクラッドの大よそ中間のバンドギャップに対応した光閉じ込め層154,156をそれぞれ積層する。また光閉じ込め領域に回折構造を設けることで所望の単一波長で発振可能な分布帰還形LDを作製する。光閉じ込め層154の上面にはp型InPクラッド層153、p型InGaAs電極コンタクト層152が順次積層されており、また下面にはn型InGaAs電極コンタクト層158、 n型InPクラッド層157が順次積層されたp-i-n構造を作製する(例えば特許文献3を参照。)。
上記p-i-n層構造を作製後、光変調素子が作製される領域を模ったSiO2マスクを用いて例えば誘導結合プラズマ(ICP)ドライエッチングにより積層された結晶層を除去した後、実施例2と同条件のn-i-p-n層構造を結晶再成長により積層する。
LD領域150におけるp-i-n層及び光変調領域130aにおけるn-i-p-n層を堆積後、LD素子及び光変調素子を光導波路として機能させるべく、逆メサ方向に導波路形状が模られた、例えばSiO2マスクを用いてドライエッチングによりn型InGaAs電極コンタクト層105,158が露出するまで加工し、メサ構造を作製する。これにより逆メサ方向に光変調導波路が形成される。またその際、電圧印加に寄与しない領域においてはn型InGaAs電極コンタクト層105,158を含めてドライエッチング加工により除去し、半絶縁性InP基板101を露出させる。なお、光伝搬損失の小さいn-i-p-n層を具備した光変調素子においては低消費駆動を実現すべくその素子長を長尺化させることが容易であるため、例えば素子長を5mm以上にして低消費駆動化を図る。なお、素子長が5mm以下の場合においても本実施例に有用性があることは明らかである。
その後、LD素子に対しては結晶再成長によりメサ構造の両側を半絶縁性InPで埋め込み、再度ドライエッチング加工を施してn型InGaAs電極コンタクト層を露出させる。
そして、LD領域150及び光変調領域130aのn型InGaAs電極コンタクト層158,105上に例えばTiを介したAu電極159,104を形成する。
なお、半導体光変調素子に用いられる信号電極は進行波型電極構造であることが望ましいが、この他にも例えば集中定数型及び共振型の電極構造でもよい。
なお、光電子導波路(光変調導波路)として機能させるためには、図3(b)に示したような断面のメサ構造を含む、例えば2つのMMIカプラを搭載した図4(a)に示すマッハ・ツェンダ導波路構造とし、図4(c)に示す、同じ逆メサ方向LD素子から発振された光を伝搬させた状態で電極111a、電極111bに逆バイアス電圧、及び信号電圧を入力する。ここでLDの注入電流値は50mAである。なおノンドープ層に対して高電界をかけるには逆バイアス方向への電圧印加が必要である。n-i-p-n層構造の場合には図3(b)に示した通り基板側下方に向かってバイアス電圧を印加させることが逆バイアス電圧に対応している。仮に順バイアス方向(図3(b)中の[100]方向)へ電圧が印加されてしまうと所望の電圧降下が起こらないため、そもそも光変調素子としての機能を果たさなくなる(図2(a))。そこで信号電圧の振幅によって順バイアス方向へ電界が生じるのを防ぐために、それよりも大きな逆バイアスによって変調動作点をシフトさせて、常に逆バイアスへの電界が印加された状態で変調を行う(図2(b))。例えば信号電圧の振幅を±2Vで駆動させた場合、逆バイアス電圧は2V以上印加させることになる。
また、低消費動作及び変調チャーピング抑制のためにMZ光変調素子においてはプッシュ・プル駆動の変調動作が求められる。そのため変調信号としては同一強度かつ電界変位方向が真逆の信号電圧を同タイミングで電極111a及び電極111bにそれぞれ入力させる。
なお、マッハ・ツェンダ導波路構造を有さない、例えば位相変調素子として直線導波路構造のみからなる場合においてもその有用性があることは明らかである。
このように本発明によれば、実施例2で示した半導体光変調素子100aと同じ逆メサ方向にLD素子を小型かつモノリシックに集積させることができるため、LD素子と半導体光変調素子間の光結合損失、直交配置による不必要な基板面積の消費などの問題を解決することができる。
さらに実施例3で記したn-i-p層構造の半導体光変調素子を具備した光集積素子において課題とされた半導体光変調素子の長尺化も可能となることから、例えば信号電極として進行波型電極を用いることで、さらに高速動作においても良好な変調特性を得ることができる。その結果として、例えば、従来LN外部変調器が担っていたテラビット級の巨大容量伝送用トランスミッタを半導体光集積素子においてもより小型且つ量産的に作製することが可能となる。
Figure 2012168356
Figure 2012168356
ここで基板材料はInP以外にも同構造を有する、例えばGaAs、GaP、ZnS、ZnSeを用いた場合においてもその有用性は変わらないことは明らかである。
なお、本実施例においては、1.55μm波長帯に対応する半導体光変調素子を用いたが1.3μm波長帯に対応するものを用いてもよい。
また例えばGaAsを用いれば0.6〜1.3μm波長帯にも対応できる。
100,100a 半導体光変調素子
101 基板
102 バッファ層
103 コンタクト層
104 電極
105コンタクト層
111a,111b 電極
112a,112b コンタクト層
113a,113b クラッド層
114a,114b 光閉じ込め層
115a,115b コア層
116a,116b 光閉じ込め層
117a,117b クラッド層
121a,121b キャリアブロック層
122a,122b クラッド層
130,130a MZ型光変調領域
150 LD領域
200,200a 半導体光集積素子

Claims (7)

  1. 閃亜鉛鉱形半導体結晶基板の(100)面と等価な基板面上に、上層から基板面に向かって順に少なくともn型クラッド層、i―コア層、p型クラッド層を含む半導体多層構造でなる光変調素子を備え、前記光変調素子の光変調導波路が基板上の逆メサ方向に形成されていることを特徴とする半導体光変調素子。
  2. 閃亜鉛鉱形半導体結晶基板の(100)面と等価な基板面上に、上層から基板面に向かって順に少なくともn型クラッド層、i―コア層、p型キャリアブロック層、n型クラッド層を含む半導体多層構造でなる光変調素子を備え、前記光変調素子の光変調導波路が基板上の逆メサ方向に形成されていることを特徴とする半導体光変調素子。
  3. 前記閃亜鉛鉱形半導体結晶基板の基板面上にマッハ・ツェンダ型光導波路が形成され、このマッハ・ツェンダ型光導波路に前記光変調素子が接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体光変調素子。
  4. 前記光変調素子には、上層から基板面に向かって逆バイアスの電界が印加されるように、信号電圧の振幅よりも大きなオフセット電圧が印加されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項の半導体光変調素子。
  5. 閃亜鉛鉱形半導体結晶基板の(100)面と等価な基板面上に、上層から基板面に向かって順に少なくともn型クラッド層、i―コア層、p型クラッド層を含む半導体多層構造でなる光変調素子を備え、前記光変調素子の光変調導波路が基板上の逆メサ方向に形成されると共に、前記基板上にレーザー素子が逆メサ方向に搭載されていることを特徴とする半導体光集積素子。
  6. 閃亜鉛鉱形半導体結晶基板の(100)面と等価な基板面上に、上層から基板面に向かって順に少なくともn型クラッド層、i―コア層、p型キャリアブロック層、n型クラッド層を含む半導体多層構造でなる光変調素子を備え、前記光変調素子の光変調導波路が基板上の逆メサ方向に形成されると共に、前記基板上にレーザー素子が逆メサ方向に搭載されていることを特徴とする半導体光集積素子。
  7. 前記光変調素子には、上層から基板面に向かって逆バイアスの電界が印加されるように、信号電圧の振幅よりも大きなオフセット電圧が印加されていることを特徴とする請求項5または至請求項6の半導体光集積素子。
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