JP2012167251A - 導電性樹脂成形体 - Google Patents

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【課題】導電性に優れた炭素繊維強化ポリオレフィン系樹脂成形体を提供すること。
【解決手段】全組成を100重量%として、
(A)平均繊維直径が1〜20μm、成形品中の重量平均繊維長が0.3〜10mmである炭素繊維10〜40重量%
(B)帯電防止剤0.1〜20重量%
(C)(A)以外の導電性フィラー0.1〜5重量%
(D)ポリオレフィン系樹脂35〜79.8重量%
を含み、成形体の体積抵抗率が0.1Ω・cm以下であることを特徴とする導電性樹脂成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は炭素繊維で強化されたポリオレフィン系樹脂成形体に関するものであり、特に導電性に優れた導電性樹脂成形体に関する。
ポリオレフィン系樹脂は、機械的特性、靭性、熱的特性、静電性などに優れた特性を有しており、汎用プラスチックとして好適な性質を有していることから、射出成形用を中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動車部品などの用途に広く使用されている。
また、近年、高剛性で軽量な材料として、ポリオレフィン系樹脂を無機フィラーで強化したFRP素材が注目されている。特にポリオレフィン系樹脂を炭素繊維で強化した熱可塑性CFRPは、軽量化と高剛性および制電性を兼ね備えた材料として特に電気機器のシャーシ部品や自動車用の準構造部材として適用され始めている。
炭素繊維で強化した熱可塑性材料は優れた導電性材料となるが、炭素繊維で強化したポリオレフィン系樹脂の体積抵抗率は、他の熱可塑性樹脂、例えばナイロン、ABS、PCと比較して10Ω・cm以上高い。例えば、炭素繊維で強化したポリオレフィン系樹脂を電気部品収納容器などの電磁波シールド性が必要な構造体として用いた場合、十分な導電性が得られず、シールド性能に影響する場合がある。また、十分な導電性が得られないと、漏電事故の際にアース側に電流が流れず、感電する可能性もある。
炭素繊維で強化した熱可塑性樹脂の導電性樹脂組成物としては、特許文献1に炭素繊維とナイロン樹脂と気相成長炭素繊維および/またはナノチューブからなる樹脂組成物が記載されているが、ナイロン樹脂はポリオレフィン系樹脂と比較して比重が高く、例えば自動車部品のような軽量化が要求される用途には適さない可能性がある。特許文献2、および特許文献3には炭素繊維とポリオレフィン系樹脂とカーボンブラックからなる樹脂組成物について記載されているが、他の熱可塑性樹脂組成物(例えば特許文献1)と比較すると体積抵抗率が2桁以上高い。
以上のように、導電性に優れたポリオレフィン系樹脂成形体は提案されていないのが現状である。
:特開2002−226713号公報 :特開2006-241254号公報 :特公昭62−48982号公報
本発明の目的は、上述の従来技術の課題を解決することにあり、特に導電性に優れた炭素繊維強化ポリオレフィン系樹脂成形体を提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、上記課題を達成することができ
る、次の導電性樹脂成形体を見出した。
(1)全組成を100重量%として、
(A)平均繊維直径が1〜20μm、成形品中の重量平均繊維長が0.3〜10mmである炭素繊維10〜40重量%
(B)帯電防止剤0.1〜20重量%
(C)(A)以外の導電性フィラー0.1〜5重量%
(D)ポリオレフィン系樹脂35〜79.8重量%
を含む樹脂組成物を成形してなる成形体であって、成形体の体積抵抗率が0.1Ω・cm以下であることを特徴とする導電性樹脂成形体。
(2)前記(A)炭素繊維の体積抵抗率が2.0×10−3Ω・cm以下であることを特徴とする(1)に記載の導電性樹脂成形体。
(3)(B)帯電防止剤が(B−1)高分子型帯電防止剤、(B−2)イオン性液体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(2)のいずれかに記載の導電性樹脂成形体。
(4)(C)(A)以外の導電性フィラーがカーボンブラック、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の導電性樹脂成形体。
(5)(D)ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン樹脂であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の導電性樹脂成形体。
(6)(D)ポリオレフィン系樹脂が未変性ポリプロピレン樹脂と変性ポリプロピレン樹脂の混合物であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の導電性樹脂成形体。
(7)電気部品収納容器であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の導電性樹脂成形体。
(8)(B)耐電防止剤が(B−1)高分子型耐電防止剤と(B−2)イオン性液体の2種類を用いており、その割合が(B−1)/(B−2)=1/1〜4/1である(3)〜(7)いずれかに記載の導電性樹脂成形体。
(9)高分子型耐電防止剤の数平均分子量が10,000〜50,000である(3)〜(8)いずれかに記載の導電性樹脂成形体。
(10)未変性ポリプロピレン樹脂および/または変性ポリプロピレン樹脂がブロックポリプロピレンである(6)〜(9)いずれかに記載の導電性樹脂成形体。
(11)(A)の重量平均繊維長が0.8〜2.0mmである(1)〜(10)いずれかに記載の導電性樹脂成形体。
本発明の導電性樹脂成形体は、優れた導電性を有することから、電磁波シールド性やアースを取ることが必要な電気部品収納容器に好適に使用することが出来る。
電気抵抗値の測定方法を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における(A)炭素繊維としては、例えばポリアクリロニトリル(PAN)系、ピッチ系、セルロース系などがあるが、これらの中でも、強度や弾性率などに優れるPAN系炭素繊維を使用するのが好ましい。
これらPAN系炭素繊維の平均繊維直径は1〜20μmであることが好ましく、3〜17μmであることがより好ましく、4〜12μmであることが更に好ましい。平均繊維直径が1μm以上であると、樹脂の炭素繊維束への含浸を容易に行うことができ、成形体中での炭素繊維の分散不良などの問題を生じることがない。一方平均繊維直径が20μm以下のものを用いることで、炭素繊維の力学特性が優れ、所望の電気特性や補強効果を得ることができる。
ここで、炭素繊維の平均繊維直径は、以下の方法により計測した値である。まず、炭素繊維束をロービングより切り出し、切断面が底面になるように包埋リング中に設置し、包埋リング中にエポキシ樹脂を流し込んで硬化させて、観察用サンプルを作成した。次に、観察用サンプルの底面をバフ研磨して顕微鏡観察を行い、任意に選んだ100個の繊維直径を計測し、下式により平均繊維直径を算出した。
平均繊維直径=ΣXi/n
Xi:繊維直径(μm)
n:計測した繊維の数。
かかるPAN系炭素繊維の紡糸方法としては、湿式紡糸、乾湿式紡糸などが挙げられ、所望の特性により任意の紡糸方法を選択することができる。
本発明の成形体中の炭素繊維の繊維長は成形体中の重量平均繊維長で0.3〜10mmが好ましい。重量平均繊維長が0.3mm未満では十分な導電性が得られず、さらに補強強化も小さく経済性に劣る樹脂成形体となる。10mmを越えると繊維の分散性が悪く、成形性が悪くなり、成形サイクルが長くなることから経済性に劣ることがあり、好ましくない。より好ましくは、0.6〜6mmであり、0.8〜2.0mmであるとさらに好ましい。
ここで、炭素繊維の成形体中の重量平均繊維長は、成形体を500℃で2時間灰化処理し、成形体中の炭素繊維を取り出し、取り出した炭素繊維を水中に分散させた後乾燥させ、写真を撮り約1000本の長さ計測し、下式により求めた値である。
重量平均繊維長=Σ(Mi×Ni)/Σ(Mi×Ni)
Mi:繊維長(mm)
Ni:個数。
本発明の炭素繊維の含有量は導電性樹脂成形体を構成する樹脂組成物の全組成100重量%に対して、10〜40重量%の範囲内である。10重量%未満では強度と導電性が劣り、40重量%を超えると増粘により成形性が低下する可能性がある。より好ましくは、15〜35重量%であり、20〜30重量%であるとさらに好ましい。
本発明で用いる炭素繊維の体積抵抗率は2.0×10−3Ω・cm以下が好ましい。体積抵抗率が2.0×10−3Ω・cmを超えると十分な導電性が得られない可能性がある。炭素繊維の体積抵抗率の下限は特に限定されるものではないが、通常0.1×10−3Ω・cm以上である。
ここで、炭素繊維の体積抵抗率は、ロービングより切り出した炭素繊維束の電気抵抗値を測定し、下式により求めた値である。
体積抵抗率=R×w×t/l
R:抵抗値(Ω)
w:炭素繊維束幅(mm)
t:炭素繊維束厚み(mm)
l:炭素繊維束長さ(mm)。
本発明では、成形体を構成する樹脂組成物に(B)帯電防止剤を配合することが重要である。帯電防止剤としては、例えば(B−1)高分子型帯電防止剤、(B−2)イオン性液体などが例として挙げられる。
(B−1)高分子型帯電防止剤としては、ポリエーテル、4級アンモニウム塩、スルホン酸塩等の導電性ユニットをブロックあるいはランダムに組み込んだ高分子、あるいは高分子電荷移動型結合体などを用いることが出来る。
これらの中でも、ポリエーテル系帯電防止剤がマトリックス樹脂との分散性の点で好ましく、具体的には、ポリエチレンオキシド、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、エチレンオキシド―エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート共重合体、特開2001−278985に記載のポリオレフィンのブロックと親水性ポリマーのブロックとの共重合体などが挙げられるが、ポリオレフィン樹脂との分散性の点からポリオレフィン系ブロックと親水性ポリマーのブロック共重合体がより好ましい。
該親水性樹脂としては、ポリエーテルジオール,ポリエーテルジアミン,及びこれらの変性物等のポリエーテル、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステルアミド,ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルアミドイミド,ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオールのセグメントを有するポリエーテルエステル、ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルアミド,ポリエーテルセグメント形成成分としてポリエーテルジオールまたはポリエーテルジアミンのセグメントを有するポリエーテルウレタン等のポリエーテル含有親水性樹脂、非イオン性分子鎖で隔てられたカチオン性基を分子内に有するカチオン性ポリマー、及びスルホニル基を有するジカルボン酸とジオール又はポリエーテルとを必須構成単位とし、好ましくは、スルホニル基を有するアニオン性ポリマー、四級アンモニウム塩基含有のカチオン性ポリマー、アミド基を含む非イオン性ポリマーが使用できる。
また(B−1)高分子型帯電防止剤としては、優れた帯電防止効果を与えると共に、物性低下を抑制する効果を得るために、ポリオレフィン系樹脂と同種或いは相溶性の高い樹脂をブロック共重合させたものが好ましく、例えば、ポリオレフィンのブロックと、上記親水性樹脂のブロックとが、繰り返し交互に結合した構造を有する数平均分子量(Mn)が2,000〜60,000のブロック共重合体が挙げられる。これらの中でも、ポリエーテルとポリオレフィンとのブロック共重合体が前記相溶性にも優れているので好ましい。
尚、上記ポリオレフィンのブロックと親水性樹脂のブロックとは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、イミド結合から選ばれる少なくとも1種の結合を介して繰り返し交互に結合した構造を有する。
また、(B−1)高分子型帯電防止剤として好ましく用いられる前記共重合体のポリオレフィンのブロックとしては、カルボキシル基をポリマーの両末端に有するポリオレフィン、カルボニル基をポリマーの片末端に有するポリオレフィンが好ましい。
本発明で用いる(B−1)高分子型帯電防止剤の数平均分子量は樹脂物性および帯電防止性の観点から2,000〜1,000,000であることが好ましい。2,000未満では、成形品をもろくすることがあり、1,000,000を越えると粘度が高く、成形性を低下させることがあり、好ましくない。より好ましくは、8,000〜100,000であり、10,000〜50,000であるとさらに好ましい。
ここで、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて求められる。例えば、オルトジクロロベンゼンを溶媒として、試料濃度3mg/mlとし、ポリスチレンを基準物質として、カラム温度135℃の条件にて測定される値である。なお、溶媒の種類、カラム温度は、(B−1)高分子型耐電防止剤の種類に応じて適宜変更される。
このような(B−1)高分子型帯電防止剤は、例えばスルホニル基を有するアニオン性ポリマーを有する三井・デュポンポリケミカル株式会社製「SD100」、アミド基を含む非イオン性ポリマーを有する三洋化成工業株式会社製「ペレスタット300」などを用いることが出来る。
(B−2)イオン性液体としては、常温で液体のイミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、アンモニウム塩およびホスホニウム塩等の有機化合物塩などであって、常温で液体のものが好ましく用いられる。
イミダゾリウム塩である(B−2)イオン性液体としては、例えば、1,3−ジメチルイミダゾリウム・メチルスルファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロエチルスルホニル)イミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ブロミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムナイトレイト、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロフォスフェイト、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・クロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ニトラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロホスファート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・トシラート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・トリフルオロメタンスルホナート、1−n−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・トリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ブロミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・クロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロホスファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・2−(2−メトキシエトキシ)エチルスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・メチルスルファート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボラート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム・クロリド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロホスファート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム・テトラフルオロボラート、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム・クロリド、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム・テトラフルオロボラート、1,2−ジメチル−3−プロピルオクチルイミダゾリウム・トリス(トリフルオロメチルスルフォニル)メチド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・クロリド、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・ヘキサフルオロホスファート、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム・テトラフルオロボラート、1−メチル−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)イミダゾリウム・ヘキサフルオロホスファート、および1−ブチル−3−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)イミダゾリウム・ヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
ピリジニウム塩である(B−2)イオン性液体としては、例えば、3−メチル−1−プロピルピリジニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチル−3−メチルピリジニウム・ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−プロピル−3−メチルピリジニウム・トリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−3−メチルピリジニウム・トリフルオロメタンスルホナート、1−ブチル−4−メチルピリジニウム・ブロミド、1−ブチル−4−メチルピリジニウム・クロリド、1−ブチル−4−メチルピリジニウム・ヘキサフルオロホスファートおよび1−ブチル−4−メチルピリジニウム・テトラフルオロボラート等が挙げられる。
アンモニウム塩である(B−2)イオン性液体としては、例えば、テトラブチルアンモニウム・ヘプタデカフルオロオクタンスルホナート、テトラブチルアンモニウム・ノナフルオロブタンスルホナート、テトラペンチルアンモニウム・メタンスルホナート、テトラペンチルアンモニウム・チオシアナート、およびメチル−トリ−n−ブチルアンモニウム・メチルスルファート等が挙げられる。
ホスホニウム塩である(B−2)イオン性液体としては、例えば、テトラブチルホスホニウム・メタンスルホナート、テトラブチルホスホニウムニウム・p−トルエンスルホナート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム・ビス(トリフルオロエチルスルホニル)イミド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム・ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィナート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム・ブロミド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム・クロリド、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム・デカノアート、トリヘキシルテトラデシルホスホニウム・ヘキサフルオロホスフィナート、トリエチルテトラデシルホスホニウム・テトラフルオロボラートおよびトリブチルメチルホスホニウム・トシラート等が挙げられる。
本発明の(B−2)イオン性液体は市販品をそのまま用いることも可能であり、例えばCIL−313(1−ブチル−3−メチルピリジン−1−イウムトリフルオロメタンスルホナート:日本カーリット社製)、CIL−312(N−ブチル−3−メチルピリジニウム・ビストリフルオロメタンスルホニルイミド:日本カーリット社製)などが挙げられる。
これら(B)帯電防止剤の配合量は、導電性樹脂成形体を構成する樹脂組成物の全組成100重量%に対して0.1〜20重量%の範囲内である。0.1重量%未満であると十分な導電性を得ることができず、20重量%を超えると成形体の機械特性や耐熱性の低下を引き起こす可能性がある。また、(B−1)高分子型帯電防止剤を選択する場合には5〜20重量%が好ましく、より好ましくは、10〜18重量%であり、さらに好ましくは、10〜15重量%である。(B−2)イオン性液体を選択する場合には、0.1〜5重量%の範囲内であることがより好ましい。より好ましくは、1〜5重量%であり、さらに好ましくは、3〜5重量%である。
また、耐電防止剤は、(B−1)高分子型耐電防止剤と(B−2)イオン性液体の2種類を用いることで、より導電性を高めることができるため、好ましく、(B−1)/(B−2)=1/1〜4/1で用いることが好ましい。
本発明における(C)導電性フィラーとしては、前記(A)炭素繊維以外のものを用いることができ、例えばカーボンブラック、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブなどが例として挙げられる。
カーボンブラックとしては、例えばファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック等が挙げられる。
気相成長炭素繊維とは、炭化水素、例えばベンゼン、トルエンなどを気相化して高温の炉内で結晶を成長させる製造方法により得られる平均繊維直径10〜200nmの微細炭素繊維であり、気相成長炭素繊維としては、例えば昭和電工社のVGCFが挙げられる。
カーボンナノチューブとしては、例えば、たとえば気相成長法、アーク放電法、レーザー蒸発法などにより得られる平均直径0.4〜50nmの単層ナノチューブや多層ナノチューブが挙げられ、これらは、針状、コイル状、チューブ状の形態など任意の形態をとることができる。
これら導電性フィラーの配合量は、導電性樹脂成形体を構成する樹脂組成物の全組成100重量%に対して0.1〜5重量%の範囲内である。より好ましくは、1〜5重量%であり、さらに好ましくは、3〜5重量%である。0.1重量%未満であると十分な導電性を得ることができず、5重量%を超えると樹脂組成物の増粘により、成形性が低下する可能性がある。
本発明における構成要素(D)のポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル・コポリマー、エチレン、ビニルアルコール・コポリマー、エチレン・シクロオレフィンコポリマー、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などが挙げられるが、密度や機械特性の点からポリプロピレン樹脂が好ましく、さらに(A)炭素繊維との密着性を向上させ、機械特性を向上できることから、未変性ポリプロピレンと変性ポリプロピレンのブレンドがより好ましい。
ポリプロピレン樹脂としては、特に制限はなく、プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、ホモポリプロピレン以外にプロピレン成分を70重量%以上含む他のオレフィン成分とのプロピレンランダム共重合体(例えばプロピレン・エチレンランダム共重合体)、プロピレンブロック共重合体(プロピレン・エチレンランダム共重合体など)が挙げられる。中でも、機械特性のバランスに優れることからプロピレンブロック共重合体が好ましい。
かかる未変性ポリプロピレン樹脂の粘度は特に制限は無いが、JIS K 7210−1999に準拠した230℃、2.16kgの条件下でのMFR値が1〜300g/10分、より好ましくは5〜200g/10分である。成形性の点で、MFR値が1g/10分以上のものが好ましく、成形品中の繊維破断、強度の低下、電気抵抗値の上昇を防ぐことができる。MFRが600g/10分以下のものをもちいることで、衝撃強度の低下、繊維分散不良による電気抵抗値のばらつきを防ぐことができるので好ましい。
未変性ポリプロピレン樹脂の製造方法については特に制限はなく、ラジカル重合、チーグラー・ナッタ触媒を用いた配位重合、アニオン重合、メタロセン触媒を用いた配位重合などいずれの方法でも用いることができる。
また未変性ポリプロピレン樹脂は市販品を用いることも可能であり、例えばJ37G(ホモポリプロピレン:プライムポリマー社製)、MA1B(ホモポリプロピレン:日本ポリプロ社製)、J226T(ランダムポリプロピレン:プライムポリマー社製)、J707G(ブロックポリプロピレン:プライムポリマー社製)などが挙げられる。
変性ポリプロピレンは、分子中にカルボキシル基や無水カルボン酸基を有するポリプロピレン樹脂であり、ポリプロピレンを不飽和カルボン酸、その無水物またはその誘導体から選ばれる少なくとも1種類の化合物で変性をして用いることが好ましい。
変性したポリプロピレンを用いることにより、繊維の分散が良好となり機械特性に優れた組成物を得ることが出来る。変性剤として使用される不飽和カルボン酸、その酸無水物またはその誘導体から選ばれる化合物の例を挙げると、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、メチルマレイン酸、メチルフマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸およびこれらカルボン酸の金属塩、マレイン酸水素メチル、イタコン酸水素メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ヒドロキシエチル、メタアクリル酸アミノエチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、エンドビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸、エンドビシクロ−(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物、マレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジル、シトラコン酸グリシジル、および5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸などである。これらの中では、不飽和ジカルボン酸およびその酸無水物が好適であり、特にマレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸またはこれらの酸無水物が好適である。
また、これらの不飽和カルボン酸、その酸無水物またはその誘導体から選ばれる化合物をポリプロピレンに導入する方法は特に制限なく、予め主成分であるポリプロピレンと不飽和カルボン酸、その酸無水物またはその誘導体から選ばれる化合物を共重合せしめたり、未変性ポリプロピレン樹脂に不飽和カルボン酸、その酸無水物またはその誘導体から選ばれる化合物をラジカル開始剤を用いてグラフト導入するなどの方法を用いることができる。変性剤成分の導入量は変性ポリプロピレン樹脂中のオレフィンモノマ全体に対して好ましくは0.001〜40モル%、より好ましくは0.01〜35モル%の範囲内であることが適当である。
本発明に用いる変性ポリプロピレン樹脂の粘度は特に制限は無いが、前記の方法で測定したMFR値が0.5〜600g/10分、より好ましくは1〜200g/10分である。MFR値が0.5g/10分未満では繊維の分散不良が生じ、MFRが600g/10分以上にでは衝撃強度の低下が生じ好ましくない。
また変性ポリプロピレン樹脂は市販品を用いることも可能であり、例えばQE800(酸変性ポリプロピレン:三井化学社製)、QE500(酸変性ポリプロピレン:三井化学社製)などが挙げられる。
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂は未変性のポリオレフィン樹脂と変性されたポリプロピレンの混合物であることが好ましく、その比率は、ポリオレフィン系樹脂を100重量部として、未変性のポリオレフィン樹脂が、92〜80重量部、変性されたポリプロピレンが8〜20重量部であることが好ましい。変性されたポリプロピレンを20重量部以下とすることで、好ましい導電性を有する成形体を得ることができ、8重量部以上とすることで機械特性に優れた成形体を得ることができる。
本発明の樹脂成形体を構成する樹脂組成物の製造方法は、例えば、炭素繊維のロービングを(B)帯電防止剤、(C)導電性フィラー、(D)ポリプロピレン樹脂を溶融混錬した樹脂組成物で満たした含浸ダイに導き、フィラメント間に該樹脂組成物を均一に含浸させた後ノズルを通して引き抜き、冷却固化後所定の長さにペレタイズして樹脂組組成物を得る方法が挙げられる。
好ましくは、クロスヘッドダイを用いて(A)炭素繊維ロービングに、(B)帯電防止剤、(C)導電性フィラー、(D)ポリプロピレン樹脂を溶融混錬した樹脂組成物を含浸被覆した後、冷却固化して所定の長さにペレタイズして樹脂成形体を得る方法である。このような方法で得られた樹脂組成物を成形体とすることで、成形体中の炭素繊維の重量平均繊維長が0.3mm以上であるものを得ることができるため好ましい。
樹脂組成物のペレット形状は特に制限はないが、ペレット長が通常3〜15mmの範囲である。ペレット長が短すぎると、繊維が短くなり強度、衝撃、導電性が低下する恐れがあり、ペレット長が長すぎると成形機での噛み込み不良を生じる場合がある。ペレット長は3〜12mmが好ましく、6〜10mmが更に好ましい。
本発明の成形体を構成する樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤、例えば分散剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、金属不活性剤、結晶化促進剤、発泡剤、着色剤、架橋剤、抗菌剤、など公知の添加剤を使用することができる。
本発明の成形体を構成する樹脂組成物は、公知の方法により成形し、本発明の成形体を得ることができる。成形方法としては射出成形、プレス成形、トランスファー成形や、これらの組合せ等が挙げられる。特に、予め金型を所定量開けておき、樹脂を金型内に充填後に型締めを完了するインジェクションプレス成形が、充填圧力の低減、繊維の破断防止、ソリの低減の観点から好ましい。
本発明の成形体の体積抵抗率は、0.1Ω・cm以下であることが好ましい。0.1Ω・cmを超えると、電磁波シールド性が不足することがある。より好ましくは、0.08Ω・cm以下であり、さらに好ましくは、0.05Ω・cm以下である。測定法は、特に限定しないが、4端子法が挙げられる。
本発明の成形体の用途としては、電子・電気機器用、OA機器用、精密機器用、自動車用の部材などが挙げられ、導電性を有し、かつ機械的特性にも優れることから、携帯用の電子・電気機器部品や自動車の電気部品収納容器に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。材料特性評価については下記の方法に従って行った。
また、本実施例および比較例に用いた(A)炭素繊維は以下の通りである。
(A):直径7μm PAN系炭素繊維(東レ社製 T700S、体積抵抗率1.6×10−3Ω・cm)
同様に、(B)帯電防止剤は以下の通りである。
(B−1):高分子型帯電防止剤(三洋化成社製 ペレスタット300 数平均分子量30,000)
(B−2):イオン性液体(日本カーリット社製 CIL−313)
同様に、(C)導電性フィラーは以下の通りである。
(C−1):ファーネスブラック(三菱化学社製 三菱カーボンブラックMA100、平均粒子径24nm)
(C−2):気相成長炭素繊維(昭和電工社製 VGCF、平均繊維直径150nm)
同様に、(D)ポリオレフィン系樹脂は以下の通りである。
(D−1):ホモポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製 J137)
(D−2):ブロックポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製 J707G)
参考例1.(D−3)変性ホモポリプロピレンの合成
ホモポリプロピレン(プライムポリマー社製“プライムポリプロ”J137) 99.6質量部、無水マレイン酸 0.4質量部、および重合開始剤としてパーヘキシ25B(日本油脂(株)製)0.4質量部を混合し、加熱温度160℃、2時間で変性を行って、(c−2)酸変性ポリプロピレン樹脂(酸含有量=0.08ミリモル当量)を得た。
参考例2.(D−4)変性ブロックポリプロピレンの合成
ブロックポリプロピレン(プライムポリマー社製“プライムポリプロ”J707G) 99.6質量部、無水マレイン酸 0.5質量部、および重合開始剤としてパーヘキシ25B(日本油脂(株)製)0.4質量部を混合し、加熱温度160℃、2時間で変性を行って、(c−2)酸変性ポリプロピレン樹脂(酸含有量=0.10ミリモル当量)を得た。
[電気抵抗値]
前記方法にて作成したペレットを用いて射出成形(日本製鋼所社製J110AD、シリンダー温度230℃、金型温度60℃)を行い、縦80mm、横80mm、厚さ3mmの角板を作成した。得られた角板の両端10mmを帯ノコで切断し、切断面を荒さ400番のサンドペーパーで平滑化し、電気抵抗測定用試験片を得た。
得られた試験片を図1に示す4端子法で試験片の電気抵抗値(体積抵抗率)を測定した。得られた抵抗値と試験片の寸法より、体積抵抗率を算出した。計算式は以下の通り。
体積抵抗率=R×w×t/l
R:抵抗値(Ω)
w:試験片幅(mm)
t:試験片厚み(mm)
l:試験片長さ(mm)。
[繊維長分布]
前記方法にて作成した射出成形品を0.8g、500℃で2時間灰化処理して、成形品中の炭素繊維を取り出した。取り出した炭素繊維を3リッターの水とともにビーカーに入れ、超音波洗浄機を用い炭素繊維を水に均一分散させた。先端8Φのスポイトで炭素繊維が均一分散した水溶液を1cc吸い取り、10×10mmの窪みを持つシャーレにサンプリンリングした後乾燥させた。シャーレ中の炭素繊維の写真を撮り、約1000本の長さを計測して平均繊維長を算出した。計算式は下記の通り。
重量平均繊維長=Σ(Mi×Ni)/Σ(Mi×Ni)
Mi:繊維長(mm)
Ni:個数。
[実施例1]
まず構成要素(A)である連続した炭素繊維を200℃に過熱しながら開繊させ、構成要素(B−1)、(C−1)、(D−1)を20:5:60の重量比率でブレンドして押出機のホッパーに投入し、溶融混錬した状態で含浸ダイに押出すと同時に、前記の開繊した炭素繊維を前記含浸ダイ中に連続して供給することにより、構成要素(B−1)、(C−1)、(D−1)、(D−2)からなる樹脂組成物を前記の炭素繊維に含浸し、押出機の吐出量と炭素繊維の供給量を調整しCF含有量が15重量%の連続繊維強化樹脂ストランドを得た。
その後、前記連続繊維強化樹脂組ストランドを100℃以下まで冷却・固化させ、カッターを用いて6.0mm長に切断して長繊維ペレットを得た。
その後、前記のペレットを用いて射出成形(日本製鋼所社製J110AD、シリンダー温度230℃、金型温度60℃)を行い、縦80mm、横80mm、厚さ3mmの角板を作成し、前記の方法で電気抵抗値を測定し、体積抵抗率を算出した。
[実施例2〜10および比較例1]
含浸ダイに投入する炭素繊維、および樹脂組成物を表1、表2に示す比率、成分とした以外は実施例1と同様に成形し、評価を行った。本成形品の評価結果を表1、表2に示す。
[比較例2]
構成要素(B−1)、(C−1)、(D−1)を20:5:44:11の重量比率でブレンドして2軸押出機のホッパーに投入し、構成要素(A)の連続繊維を押出機のサイドからCF含有量20wt%となる量を供給し、230℃で溶融混錬した後ガット状に押出し、冷却・固化させ、カッターを用いて3.0mm長に切断して短繊維ペレットを得た。
実施例1〜10について体積抵抗率を測定した結果を表1に示すが、いずれも0.1Ω・cm未満の優れた導電性を示した。
一方、比較例1〜2について体積抵抗率を測定した結果を表2に示すが、いずれも0.1Ω・cmを超える体積抵抗率を示した。
Figure 2012167251
Figure 2012167251
1.試験片
2.電極
3.電流計
4.電圧計

Claims (11)

  1. 全組成を100重量%として、
    (A)平均繊維直径が1〜20μm、成形品中の重量平均繊維長が0.3〜10mmである炭素繊維10〜40重量%
    (B)帯電防止剤0.1〜20重量%
    (C)(A)以外の導電性フィラー0.1〜5重量%
    (D)ポリオレフィン系樹脂35〜79.8重量%
    を含む樹脂組成物を成形してなる成形体であって、成形体の体積抵抗率が0.1Ω・cm以下であることを特徴とする導電性樹脂成形体。
  2. 前記(A)炭素繊維の体積抵抗率が2.0×10−3Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性樹脂成形体。
  3. (B)帯電防止剤が高分子型帯電防止剤、イオン性液体から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の導電性樹脂成形体。
  4. (C)(A)以外の導電性フィラーがカーボンブラック、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性樹脂成形体。
  5. (D)ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電性樹脂成形体。
  6. (D)ポリオレフィン系樹脂が未変性ポリプロピレン樹脂と変性ポリプロピレン樹脂の混合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の導電性樹脂成形体。
  7. 電気部品収納容器であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の導電性樹脂成形体。
  8. (B)耐電防止剤が(B−1)高分子型耐電防止剤と(B−2)イオン性液体の2種類を用いており、その割合が(B−1)/(B−2)=1/1〜4/1である請求項3〜7いずれかに記載の導電性樹脂成形体。
  9. 高分子型耐電防止剤の数平均分子量が10,000〜50,000である請求項3〜8いずれかに記載の導電性樹脂成形体。
  10. 未変性ポリプロピレン樹脂および/または変性ポリプロピレン樹脂がブロックポリプロピレンである請求項6〜9いずれかに記載の導電性樹脂成形体。
  11. (A)の重量平均繊維長が0.8〜2.0mmである請求項1〜10いずれかに記載の導電性樹脂成形体。
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