JP2017179253A - ポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオン液体の分散性が良好であり、帯電防止性能に優れたポリオレフィン系樹脂組成物、並びにこれを用いて得られる成形体、フィルム、シート、帯電防止靴ソール及び安全靴を提供する。【解決手段】下記成分(A)及び下記成分(B)を含み、成分(A)100重量部に対して成分(B)2〜13重量部を含むポリオレフィン系樹脂組成物による。成分(A):下記成分(A1)を含むポリオレフィン成分(A1):ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性した変性ポリオレフィン成分(B):イオン液体【選択図】なし
Description
本発明は、イオン液体の分散性が良好であり、また、イオン液体による帯電防止性能も良好なポリオレフィン系樹脂組成物に関する。また、本発明は、このポリオレフィン系樹脂組成物を用いて得られる成形体、フィルム、シート、帯電防止靴ソール及び安全靴に関する。
イオン液体は、常温で液体の性質を示す塩であり、熱安定性に優れ、非引火性で、蒸気圧が極めて低く、環境に優しい物質であり、電気化学的特性を有する等の特長を有することから、現在様々な用途で使用されている。イオン液体が用いられる具体例としては、抽出(工業用ガスの取得及び精製、石油化学又は有機合成における炭化水素の単離及び精製又は排水からの毒性物質の除去)、ガスの収着、乾燥、精製及び貯蔵、有機合成用の溶剤、触媒の不動態化、潤滑剤、圧媒液又は帯電防止剤、電解液(電気メッキの際、燃料電池、蓄電池中、センサ−及びバッテリー技術、金属加工、光起電装置又はエレクロトクロミック部材)、電気弾性材料、熱伝達又は熱貯蔵(サーモ液体又はPCM−媒体)又は特殊分析試薬(マトリックス−物質、カール−フィッシャー滴定用の溶剤又はプロテイン結晶化又は電気泳動用の媒体)等が挙げられる。イオン液体は更に、帯電防止効果を付与する添加剤としても用いられている。
イオン液体により熱可塑性樹脂に帯電防止効果を付与する例としては、例えば、特許文献1にイオン液体をポリウレタンに配合した樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、イオン液体を、極性を有する熱可塑性樹脂に配合した樹脂組成物が開示されている。
本発明者は、イオン液体は、特許文献1に開示されているポリウレタンや特許文献2に開示されている極性を有する熱可塑性樹脂以外の、ポリオレフィンのような熱可塑性樹脂では均一に混練することができないという問題を見出した。即ち、本発明の課題は、イオン液体の分散性が良好であり、帯電防止性能に優れたポリオレフィン系樹脂組成物、並びにこれを用いて得られる成形体、フィルム、シート、帯電防止靴ソール及び安全靴を提供することにある。
上記課題に対して本発明者が検討した結果、特定の変性ポリオレフィン系樹脂とイオン液体とを特定量で配合したポリオレフィン系樹脂組成物により、イオン液体の分散性が良好であり、また、イオン液体による帯電防止性能も良好なポリオレフィン系樹脂組成物が得られることを見出した。即ち本発明の要旨は以下の[1]〜[7]の通りである。
[1] 下記成分(A)及び下記成分(B)を含み、成分(A)100重量部に対して成分(B)2〜13重量部を含むポリオレフィン系樹脂組成物。
成分(A):下記成分(A1)を含むポリオレフィン
成分(A1):ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性した変性ポリオレフィン
成分(B):イオン液体
成分(A):下記成分(A1)を含むポリオレフィン
成分(A1):ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性した変性ポリオレフィン
成分(B):イオン液体
[2] 成分(B)のカチオン種がイミダゾリウム塩類、ピリジニウム塩類及びグアニジニウム塩類から選ばれる少なくとも1種である、[1]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
[3] 成分(A)における成分(A1)の含有量が5〜100重量%である、[1]又は[2]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
[3] 成分(A)における成分(A1)の含有量が5〜100重量%である、[1]又は[2]に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
[4] [1]乃至[3]のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなる成形体。
[5] [1]乃至[3]のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなるフィルム。
[6] [1]乃至[3]のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなるシート。
[7] [1]乃至[3]のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなる帯電防止靴ソール。
[8] [7]に記載の帯電防止靴ソールをスルーソール及び/又はアウトソールとして含む安全靴。
[5] [1]乃至[3]のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなるフィルム。
[6] [1]乃至[3]のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなるシート。
[7] [1]乃至[3]のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなる帯電防止靴ソール。
[8] [7]に記載の帯電防止靴ソールをスルーソール及び/又はアウトソールとして含む安全靴。
本発明によれば、イオン液体の分散性が良好であり、また、イオン液体による帯電防止性能も良好なポリオレフィン系樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、このポリオレフィン系樹脂組成物を用いて得られる成形体、フィルム、シート、帯電防止靴ソール及び安全靴が提供される。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。なお、本発明において、「〜」という表現を用いた場合、その前後の値を含むものとして用いるものとする。
〔ポリオレフィン系樹脂組成物〕
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、下記成分(A)及び下記成分(B)を含み、成分(A)100重量部に対して成分(B)2〜13重量部を含む。
成分(A):下記成分(A1)を含むポリオレフィン
成分(A1):ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性した変性ポリオレフィン
成分(B):イオン液体
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、下記成分(A)及び下記成分(B)を含み、成分(A)100重量部に対して成分(B)2〜13重量部を含む。
成分(A):下記成分(A1)を含むポリオレフィン
成分(A1):ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性した変性ポリオレフィン
成分(B):イオン液体
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物はイオン液体の分散性が良好であり、また、イオン液体による帯電防止性能も良好であるという効果を奏する。本発明がこのような効果を奏する理由は、成分(A)のポリオレフィンが成分(A1)を含むことにより極性基が付与され、イオン液体との相溶性が良好になることによるものと推定される。
[成分(A)]
本発明において、成分(A)は、上記のとおり、「成分(A1):ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性した変性ポリオレフィン」を含有するポリオレフィン系樹脂である。成分(A)は、成分(A1)以外の「成分(A2):ポリオレフィン系樹脂」を含んでいてもよい。
本発明において、成分(A)は、上記のとおり、「成分(A1):ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性した変性ポリオレフィン」を含有するポリオレフィン系樹脂である。成分(A)は、成分(A1)以外の「成分(A2):ポリオレフィン系樹脂」を含んでいてもよい。
本発明において、成分(A1)の原料として用いるポリオレフィン系樹脂は、オレフィン単量体単位が50重量%を超えるものであれば特に限定されない。
成分(A1)の原料として用いるポリオレフィン系樹脂の密度は特に限定されないが、通常0.87g/cm3以上、好ましくは0.88g/cm3以上であり、また、通常0.92g/cm3以下、好ましくは0.91g/cm3以下である。
なお、ここで、成分(A1)の原料として用いるポリオレフィン系樹脂及び以下の成分(A2)として用いるポリオレフィン系樹脂の密度は、JIS K7112に従い、水中置換法で測定された値である。
なお、ここで、成分(A1)の原料として用いるポリオレフィン系樹脂及び以下の成分(A2)として用いるポリオレフィン系樹脂の密度は、JIS K7112に従い、水中置換法で測定された値である。
本発明において、成分(A2)として用いるポリオレフィン系樹脂は、成分(A1)に該当せず、オレフィン単量体単位が50重量%を超えるものであれば特に限定されない。
また、成分(A2)として用いるポリオレフィン系樹脂の密度は特に限定されないが、通常0.87g/cm3以上、好ましくは0.88g/cm3以上であり、また、通常0.92g/cm3以下、好ましくは0.91g/cm3以下である。
成分(A1)の原料および成分(A2)におけるポリオレフィン系樹脂は、上記に該当するものであれば特に限定されず、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体等のプロピレンとエチレン、その他のα−オレフィン、その他のビニルモノマーとの共重合体、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、等が挙げられる。
ここで、「その他のα−オレフィン」、すなわち、プロピレン以外のα−オレフィンは特に限定されないが、通常、炭素数4〜20、好ましくは4〜10の二重結合を有する炭化水素の1種又は2種以上が挙げられる。また、「その他のビニルモノマー」も特に限定されないが、例えば、酢酸ビニル、ビニルアルコール、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン誘導体等の1種又は2種以上が挙げられる。
また、成分(A1)の原料、成分(A2)それぞれに用いるポリオレフィン系樹脂は、上記の樹脂を2種以上併用してもよい。また、成分(A1)の原料、成分(A2)として、それぞれに異なる樹脂を用いてもよいし、同一であってもよい。なお、前記の各共重合体としては、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ランダム共重合体等の何れであってもよい。
これらの中でも、成分(A1)の原料及び成分(A2)としては、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重合体、これらのブレンド物等のポリプロピレン系樹脂が好ましく、プロピレン単独重合体がより好ましい。
成分(A1)の原料及び成分(A2)のそれぞれに用いることのできるポリプロピレン系樹脂は、その立体規則性には特に制限は無く、プロピレン連鎖がアイソタクティック、シンジオタクティック、アタクティック、ステレオブロック等の何れでもよいが、プロピレン連鎖がアイソタクティックであることが好ましく、特にアイソタクティックホモポリプロピレンが好ましい。また、重合に用いる触媒も公知のものを適宜採用することができる。
本発明において、成分(A1)の原料及び成分(A2)それぞれに用いるポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は特に限定されないが、これらがポリプロピレン系樹脂(プロピレン単量体単位が50重量%を超えるもの)である場合、JIS K7210−1990(230℃、荷重21.2N)の条件で、通常0.5g/10分以上、好ましくは1g/10分以上、より好ましくは2g/10分であり、また、通常100g/10分以下、好ましくは80g/10分以下、より好ましくは60g/10分であり、更に好ましくは40g/10分以下である。また、これらがポリエチレン系樹脂(エチレン単量体単位が50重量%を超えるもの)である場合、JIS K7210−1990(190℃、荷重21.2N)の条件で、通常0.5g/10分以上、好ましくは1g/10分以上、より好ましくは2g/10分であり、また、通常100g/10分以下、好ましくは80g/10分以下、より好ましくは60g/10分であり、更に好ましくは40g/10分以下である。
MFRが上記下限値以上であると、単独での凝集力が強くなることがなく他の成分との均一混合性が十分になる傾向があり、また、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を製造する際のエネルギー負荷が抑えられる傾向がある。また、MFRが上記上限値以下であると、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の流動性が高くなりすぎず(溶融粘度および溶融張力が向上し)、混練不良、成形不良が防止される傾向がある。
成分(A1)の原料及び(A2)それぞれに用いるポリオレフィン系樹脂は市販品として入手することができる。ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、日本ポリプロ社製ノバテック(登録商標)PPシリーズ、ウィンテック(登録商標)シリーズ等が挙げられ、これらの中から該当品を適宜選択して使用することができる。また、ポリエチレン系樹脂としては、例えば、日本ポリエチレン社製ノバテック(登録商標)シリーズ、旭化成ケミカルズ社製クレオレックス(登録商標)シリーズ等が挙げられ、これらの中から該当品を適宜選択して使用することができる。
<成分(A1)>
本発明において、成分(A1)は、前記のポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性した変性ポリオレフィンである。不飽和カルボン酸としては、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸が好ましい。具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が挙げられる。誘導体としては、これらの不飽和カルボン酸の酸無水物、カルボン酸エステル等が挙げられ、更には、酸ハロゲン化物、アミド、イミド等の誘導体であってもよい。これらの誘導体としては、酸無水物が好ましい。
本発明において、成分(A1)は、前記のポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性した変性ポリオレフィンである。不飽和カルボン酸としては、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸が好ましい。具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等が挙げられる。誘導体としては、これらの不飽和カルボン酸の酸無水物、カルボン酸エステル等が挙げられ、更には、酸ハロゲン化物、アミド、イミド等の誘導体であってもよい。これらの誘導体としては、酸無水物が好ましい。
これらの中で、特にマレイン酸および/又はその無水物が好適である。また、これらの化合物は、1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合せ及び比率で用いてもよい。更には、ビニルトリメトキシシラン等のいわゆるビニルシラン類等を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体とともに併用することもできる。
成分(A1)を得るための変性は如何なる方法を用いてもよく、熱のみの反応でも得ることができるが、反応の際にラジカルを発生させる有機過酸化物等をラジカル発生剤として添加してもよい。また、反応させる手法としては、溶媒中で反応させる溶液変性法や溶媒を使用しない溶融変性法等が挙げられ、更には、懸濁分散反応法等その他の方法を用いてもよい。
溶液変性法としては、ポリオレフィン系樹脂を有機溶剤等に溶解して、これにラジカル発生剤と不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体とを添加してグラフト共重合させる方法を使用することができる。有機溶剤としては、特に限定されるものではなく、例えばアルキル基置換芳香族炭化水素やハロゲン化炭化水素を使用することができる。
溶融変性法としては、ポリオレフィン系樹脂と不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体と、必要により後述するラジカル発生剤とを予め混合した上で、混練機中で溶融混練して反応させる方法や、混練機中で溶融したポリプロピレン系樹脂に、ラジカル発生剤と不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体との混合物を装入口から添加して反応させる方法等を用いることができる。混合には通常、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等が使用され、溶融混練には通常、単軸又は二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、ブラベンダーミキサー等を使用することができる。
ポリオレフィン系樹脂に対する不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の配合割合は特に限定されないが、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、通常0.01重量部以上、好ましくは0.05重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上であり、また、通常30重量部以下、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下である。
ラジカル発生剤は特に限定されないが、具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエ−ト)ヘキシン−3、ラウロイルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエ−ト、tert−ブチルペルイソブチレ−ト、tert−ブチルペルピバレ−ト、クミルペルピバレ−ト等の有機ペルオキシドや有機ペルエステル、あるいは、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレ−ト等のアゾ化合物等を使用することができる。
これらのラジカル発生剤は、原料のポリオレフィン系樹脂の種類やMFR、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体の種類、並びに反応条件等に応じて適宜選択することができ、1種のみを用いても、2種以上を任意の組み合せ及び比率で併用してもよい。
ラジカル発生剤の配合量は特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、通常0.001〜20重量部、好ましくは0.005〜10重量部、より好ましくは0.01〜5重量部、特に好ましくは0.01〜3重量部である。
本発明において、成分(A1)は、上記に該当する変性ポリオレフィンを単独で用いることもできるし、2種以上を任意の組み合せ及び比率で併用することもできる。
成分(A1)のMFR(JIS K7210−1990(180℃、荷重21.2N))は特に限定されないが、通常0.1g/10分以上、好ましくは1g/分以上、より好ましくは5g/分以上であり、また、通常10,000g/10分以下、好ましくは5,000g/10分以下、より好ましくは3,000g/10分以下、さらに好ましくは1,000g/10分以下である。
成分(A1)における不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体によるグラフト率(変性量)は特に限定されないが、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上、更に好ましくは0.3重量%以上であり、また、好ましくは10重量%以下、より好ましくは7.5重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。
成分(A1)における不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体による変性量が上記下限値以上であると、成分(B)との相溶性が向上する傾向がある。また、該変性量が上記上限値以下であると熱安定性が向上するほか、他の成分との相溶性が向上する傾向がある。
ここでグラフト率(変性量)とは、赤外分光測定装置で測定した際の、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体成分の含有率を意味する。例えば、厚さ100μm程度のシート状にプレス成形したサンプル中の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体特有の吸収、具体的には1,900〜1,600cm-1(C=O伸縮振動帯)のカルボニル基特有の吸収を測定することにより求めることができる(以下の記載においても同様である。)。なお、不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体による変性は、100%が反応に供されずに、ポリオレフィン系樹脂と反応していない不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体も変性ポリオレフィン中に残留している場合があるが、本発明におけるグラフト率(変性量)は、上記の方法で測定した際の値を意味するものとする。
成分(A)が成分(A2)を含有することは任意であり、成分(A1)および成分(A2)の配合比率は特に限定されないが、成分(A)全体に対して成分(A1)の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上である。成分(A)全体における成分(A1)の含有量の上限は特に限定されず、100重量%である。成分(A1)の含有量を上記下限値以上とすることにより、成分(B)との相溶性が向上する傾向にある。
また、成分(A)中の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体によるグラフト率(変性量)は、通常0.01量%以上、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上であり、また、通常10重量%以下、好ましくは7.5重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
成分(A)中の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体によるグラフト率(変性量)が上記下限値以上であると、成分(B)のイオン液体との相溶性が向上する傾向がある。また、該変性量が上限値以下であると熱安定性が向上する傾向がある。
また、成分(A1)又は成分(A)は、未反応の不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体を除く処理を行ったものでもよい。この処理方法は特に限定されないが、具体的な例としては、装置下部より気体が吹き込める構造を有する貯蔵タンクに成分(A1)又は成分(A)を入れて、ヒーターあるいは熱媒油で装置を100℃程度に加熱し、装置下部より窒素等の不活性気体あるいは空気を吹き込み、6〜24時間処理するという方法がある。本発明において成分(A)は、予め成分(A1)及び成分(A2)を溶融混練等で樹脂組成物としておいてもよいが、これらを独立に用いて、後述する他の成分と配合してもよい。
[成分(B)]
成分(B)のイオン液体は常温(25℃)で液体の塩であれば特に制限されない。本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、成分(B)の分散性が良好であり、このために帯電防止性能も良好である。
成分(B)のイオン液体は常温(25℃)で液体の塩であれば特に制限されない。本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、成分(B)の分散性が良好であり、このために帯電防止性能も良好である。
成分(B)のカチオン種としては特に制限されないが、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,3,4−ジメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,3−ジブチル−2−メチルイミダゾリウム、1,3−ジブチルイミダゾリウム、1,2−ジメチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ベンジル−3−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−エチル−5−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−エチルイミダゾリウム、1−ブチル−2−メチルイミダゾリウム、1−ブチル−3,4,5−トリメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−エチルイミダゾリウム、1−ブチル−4−メチルイミダゾリウム、1−ブチルイミダゾリウム、1−デシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ドデシル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキサデシル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキサデシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−メチル−2−エチルイミダゾリウム、1−メチル−3−オクチルイミダゾリウム、1−メチルイミダゾリウム、1−ペンチル−3−メチルイミダゾリウム、1−フェニルプロピル−3−メチルイミダゾリウム、1−プロピル−2,3−ジエメチルイミダゾリウム、1−テトラデシル−3−メチルイミダゾリウム、2,3−ジメチルイミダゾリウム、2−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、3,4−ジメチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩類;1,2−ジメチルピリジニウム等のピリジニウム塩類;グアニジニウム、ヘキサメチルグアニジニウム、N,N,N',N'−テトラメチル−N”−エチルグアニジニウム、N−ペンタメチル−N−イソプロピルグアニジニウム、N−ペンタメチル−N−プロピルグアニジニウム等のグアニジウム塩類から選ばれるものが好ましい。これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
成分(B)のアニオン種としては特に制限されないが、酢酸塩、ビス(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸塩、ビス(マロナート)ホウ酸塩、ビス(オキサレート)ホウ酸塩、ビス(ペンタフルオロエチル)ホスフィン酸塩、ビス(フタラート)ホウ酸塩、ビス(サリシラート)ホウ酸塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミデート、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)メタン、ビス(トリフルオロメチル)イミデート、ホウ酸塩、臭化物、臭素アルミン酸塩、炭酸塩、クロロアルミン酸塩、デシルベンゼンスルホン酸塩、ジクロロカプレート、ジシアナミド、ジデシルベンゼンスルホン酸塩、ジドデシルベンゼンスルホン酸塩、ジエチルリン酸塩、リン酸二水素塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、エチル硫酸塩、スルホン酸エチル、フッ化物、ヘキサフルオロリン酸塩、炭酸水素塩、リン酸水素塩、硫酸水素塩、亜硫酸水素塩、ヨウ化物、メチル硫酸塩、スルホン酸メチル、硝酸塩、亜硝酸塩、リン酸塩、亜硫酸塩、テトラシアンホウ酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、テトラキス(水素スルファト)ホウ酸塩、テトラキス(メチルスルホネート)ホウ酸塩、チオシアネート、トシレート、トリクロロ亜鉛酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリフルオロスルホン酸メチル、トリス(ヘプタフルオロプロピル)トリフルオロリン酸塩、トリス(ノナフルオロブチル)トリフルオロリン酸塩、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩、トリス(ペンタフルオロエチルスルホニル)トリフルオロリン酸塩等が挙げられる。これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
成分(B)のイオン液体としては以上に挙げたカチオン種とアニオン種を組み合わせたものが挙げられるが、より具体的には、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムスルホン酸メチル、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチル硫酸塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロリン酸塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムジエチルリン酸塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム臭化物、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムp−トルエンスルホン酸塩、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムメタンスルホン酸塩、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジシアナミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムエチル硫酸塩、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムジメチルリン酸塩、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム臭化物、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムp−トルエンスルホン酸塩、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロホウ酸塩、及び1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロリン酸塩等が好ましい。これらは1種のみで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物において、成分(B)の含有量は成分(A)100重量部に対して2〜13重量部である。成分(B)の含有量が上記下限値以上であることが、成分(B)を配合することによる帯電防止効果を得るために必要であり、この観点からは成分(B)の含有量は4重量部以上であることが好ましい。また、成分(B)の含有量が上記上限値以下であることが、成分(A)と成分(B)との相溶性の観点から必要であり、この観点からは成分(B)の含有量は9重量部以下であることが好ましい。
[その他の成分]
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には本発明の効果を著しく妨げない範囲で、上述の成分(A)及び成分(B)以外の添加剤やその他の樹脂等の成分を必要に応じて用いてもよい。その他の成分は、1種類のみを用いても2種類以上を任意の組合せと比率で用いてもよい。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には本発明の効果を著しく妨げない範囲で、上述の成分(A)及び成分(B)以外の添加剤やその他の樹脂等の成分を必要に応じて用いてもよい。その他の成分は、1種類のみを用いても2種類以上を任意の組合せと比率で用いてもよい。
その他の樹脂としては、成分(A)以外の樹脂であれば限定されないが、具体的には、ポリフェニレンエーテル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ナイロン6,6、ナイロン11等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレート系樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン等のスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂やスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
成分(B)以外の添加剤としては特に限定されないが、具体的には、各種の熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、造核剤、可塑剤、衝撃改良剤、相溶化剤、消泡剤、増粘剤、架橋剤、界面活性剤、滑剤、離型剤、ブロッキング防止剤、加工助剤、成分(B)以外の帯電防止剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤等が挙げられる。熱安定剤及び酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物等が挙げられる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物には充填材を用いてもよい。充填材は限定されないが、具体的には、クレイ、ウィスカ、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、シリカ、アルミナ、ホウ酸亜鉛、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、金属繊維、チタン酸カリウム、窒化ホウ素、グラファイト、炭素繊維、ガラス繊維等の無機充填材;澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ等の天然由来のポリマーやこれらの変性品等の有機充填材が挙げられる。
[ポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上述の各原料成分を混合することにより得ることができる。混合の方法については、原料成分が均一に分散すれば特に制限はない。即ち、上述の各原料成分を同時に又は任意の順序で混合することにより、各成分が均一に分散した樹脂組成物を得ることができる。また、より均一に混合、分散するために上記原料成分を溶融混練することが好ましく、例えば、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の各原料成分を任意の順序で混合してから加熱してもよいし、全原料成分を順次溶融させながら混合してもよいし、目的とする成形品を製造する際の成形時に各原料成分を予めドライブレンドした後に溶融混練してもよい。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、上述の各原料成分を混合することにより得ることができる。混合の方法については、原料成分が均一に分散すれば特に制限はない。即ち、上述の各原料成分を同時に又は任意の順序で混合することにより、各成分が均一に分散した樹脂組成物を得ることができる。また、より均一に混合、分散するために上記原料成分を溶融混練することが好ましく、例えば、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の各原料成分を任意の順序で混合してから加熱してもよいし、全原料成分を順次溶融させながら混合してもよいし、目的とする成形品を製造する際の成形時に各原料成分を予めドライブレンドした後に溶融混練してもよい。
混合方法や混合条件は、各原料成分が均一に混合されれば特に制限はないが、生産性の点からは、例えばタンブラーブレンダー、Vブレンダー、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー等を用いて原料を混合し、単軸押出機や二軸押出機のような連続混練機及びミルロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等のバッチ式混練機で溶融混練する方法が好ましい。これらの方法で樹脂組成物を製造する際の製造条件は限定されず、周知の条件で適宜設定することができる。溶融混練時の温度は、各原料成分の少なくとも一つが溶融状態となる温度であればよいが、通常は用いる全成分が溶融する温度が選択され、一般には150〜250℃で行うことができる。
[成形体及び用途]
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して成形体を得ることができる。本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形する方法としては、押出成形、圧縮成形、射出成形等の方法をいずれも用いることができる。成形温度はポリオレフィン系樹脂組成物が溶融する温度より高温であれば特に限定されないが、通常80〜250℃、好ましくは100〜230℃である。成形体の形状は特に制限されず、フィルム形状であってもシート形状であってもよく、その他の各種立体形状であってもよい。後述の包装材等の用途ではシート、フィルムであることが好ましい。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形して成形体を得ることができる。本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を成形する方法としては、押出成形、圧縮成形、射出成形等の方法をいずれも用いることができる。成形温度はポリオレフィン系樹脂組成物が溶融する温度より高温であれば特に限定されないが、通常80〜250℃、好ましくは100〜230℃である。成形体の形状は特に制限されず、フィルム形状であってもシート形状であってもよく、その他の各種立体形状であってもよい。後述の包装材等の用途ではシート、フィルムであることが好ましい。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物の用途は特に限定するものではないが、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物が優れた帯電防止性を有することから、帯電防止靴ソール、安全靴、特に安全靴のスルーソール及び/又はアウトソール、電子部品、電子機器、電子機器等の包装材又は各種フィルム類の帯電防止対策に用いることができ、特に包装材、フィルムの帯電防止対策に好適である。更には、ほこり付着を嫌う家電等にも使用することができる。なお、本発明のポリオレフィン系樹脂組成物はマスターバッチとして用いることも可能であり、任意の樹脂を混合して樹脂組成物とすることができる。
以下、実施例により本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
≪評価方法≫
[帯電防止性能の評価(アッシュテスト(摩擦帯電灰付着高さ測定法))]
吸いたてのタバコの灰を紙の上に広げた。試験片をガーゼで5回擦り、擦った面を10cm以上上から灰に近づけ、灰の付着する高さを測定し、以下の基準で評価した。
〇:灰が付着しない。
△:距離を5cm以内に近づけると灰が数点付着する。
×:5cm以上でも灰が付着する。
[帯電防止性能の評価(アッシュテスト(摩擦帯電灰付着高さ測定法))]
吸いたてのタバコの灰を紙の上に広げた。試験片をガーゼで5回擦り、擦った面を10cm以上上から灰に近づけ、灰の付着する高さを測定し、以下の基準で評価した。
〇:灰が付着しない。
△:距離を5cm以内に近づけると灰が数点付着する。
×:5cm以上でも灰が付着する。
[相溶性(分散状態)の評価]
目視で黒点、ムラが無いかを確認することにより相溶性(分散状態)を評価した。評価基準は以下の通りである。
〇:均一であり、黒点無し。
△:少量のムラ、黒点がある。
×:ムラ、黒点がある。
目視で黒点、ムラが無いかを確認することにより相溶性(分散状態)を評価した。評価基準は以下の通りである。
〇:均一であり、黒点無し。
△:少量のムラ、黒点がある。
×:ムラ、黒点がある。
≪原料≫
[成分(A)]
(成分(A1))
A1−1:無水カルボン酸グラフト変性ポリプロピレン
(市販のポリプロピレン単独重合体(密度:0.90g/cm3、MFR[JIS K7210−1990(230℃、荷重21.2N)]:0.5g/10分)5kgに対し、無水マレイン酸100g及び有機化酸化物(日本油脂社製、パーブチルO)125gを加えて混合し、予め230℃に設定した二軸押出機に投入し、溶融混合して得られたもの)
MFR[JIS K7210−1990(180℃、荷重21.2N)]:43g/10分
(成分(A2))
A2−1:ホモポリプロピレン(日本ポリプロ社製「ノバテック(登録商標) MA3Q」)
MFR[JIS K7210−1990(230℃、荷重21.2N)]:11/10分
[成分(A)]
(成分(A1))
A1−1:無水カルボン酸グラフト変性ポリプロピレン
(市販のポリプロピレン単独重合体(密度:0.90g/cm3、MFR[JIS K7210−1990(230℃、荷重21.2N)]:0.5g/10分)5kgに対し、無水マレイン酸100g及び有機化酸化物(日本油脂社製、パーブチルO)125gを加えて混合し、予め230℃に設定した二軸押出機に投入し、溶融混合して得られたもの)
MFR[JIS K7210−1990(180℃、荷重21.2N)]:43g/10分
(成分(A2))
A2−1:ホモポリプロピレン(日本ポリプロ社製「ノバテック(登録商標) MA3Q」)
MFR[JIS K7210−1990(230℃、荷重21.2N)]:11/10分
[成分(B)]
B−1:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルフィド(BASFジャパン社製「LQ−01」)
B−1:1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルフィド(BASFジャパン社製「LQ−01」)
[その他の成分]
C−1:ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバジャパン社製イルガノックス(登録商標)1010)
C−1:ヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバジャパン社製イルガノックス(登録商標)1010)
≪試験片作成≫
上記原料を用い、表−1に示す配合でマイクロコンパウンダー(レオ・ラボ株式会社「Micro15ccTwinScrewCompounder」)にて温度200℃、回転数200rpmで1分間混練した。得られた樹脂組成物を本機器付属の射出ユニットにより、30mm×80mm×2mmの射出試験片を作製した。射出成形の際の射出筒の温度は200℃、金型温度は40℃に設定した。また、射出条件はSTEP1が圧力3.0bar、5秒、STEP2が圧力6.0bar、10秒、STEP3が圧力6.0bar、10秒で行った。
上記原料を用い、表−1に示す配合でマイクロコンパウンダー(レオ・ラボ株式会社「Micro15ccTwinScrewCompounder」)にて温度200℃、回転数200rpmで1分間混練した。得られた樹脂組成物を本機器付属の射出ユニットにより、30mm×80mm×2mmの射出試験片を作製した。射出成形の際の射出筒の温度は200℃、金型温度は40℃に設定した。また、射出条件はSTEP1が圧力3.0bar、5秒、STEP2が圧力6.0bar、10秒、STEP3が圧力6.0bar、10秒で行った。
[評価結果]
実施例1〜6を比較例1〜6と比較すると、実施例1〜6では相溶性と帯電防止性能を両立していることがわかる。これに対して、成分(B)を配合していない比較例1、4及び成分(B)の配合量が少ない比較例2では帯電防止性能が得られなかった。また、成分(B)の配合量が多い比較例3では相溶性が悪かった。更に、成分(A1)を配合せず、成分(B)の配合量が少ない比較例5及び成分(A1)を配合していない比較例6では相溶性及び帯電防止性能の両方が悪かった。
実施例1〜6を比較例1〜6と比較すると、実施例1〜6では相溶性と帯電防止性能を両立していることがわかる。これに対して、成分(B)を配合していない比較例1、4及び成分(B)の配合量が少ない比較例2では帯電防止性能が得られなかった。また、成分(B)の配合量が多い比較例3では相溶性が悪かった。更に、成分(A1)を配合せず、成分(B)の配合量が少ない比較例5及び成分(A1)を配合していない比較例6では相溶性及び帯電防止性能の両方が悪かった。
Claims (8)
- 下記成分(A)及び下記成分(B)を含み、成分(A)100重量部に対して成分(B)2〜13重量部を含むポリオレフィン系樹脂組成物。
成分(A):下記成分(A1)を含むポリオレフィン
成分(A1):ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体で変性した変性ポリオレフィン
成分(B):イオン液体 - 成分(B)のカチオン種がイミダゾリウム塩類、ピリジニウム塩類及びグアニジニウム塩類から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
- 成分(A)における成分(A1)の含有量が5〜100重量%である、請求項1又は2に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなる成形体。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなるフィルム。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなるシート。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリオレフィン系樹脂組成物からなる帯電防止靴ソール。
- 請求項7に記載の帯電防止靴ソールをスルーソール及び/又はアウトソールとして含む安全靴。
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-
2016
- 2016-03-31 JP JP2016072069A patent/JP2017179253A/ja active Pending
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190917 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200310 |