JP2012163041A - ベーンポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 キャビテーションを低減することができるベーンポンプを提供すること。
【解決手段】 複数のベーン7と共に複数のポンプ室rを形成するポンプボディ4の軸方向端面410に、ロータ6の回転に応じてポンプ室rの容積が拡大する吸入領域に開口する吸入ポート43と、ロータ6の回転に応じてポンプ室rの容積が縮小する吐出領域に開口する吐出ポート44と、を設け、吐出ポート44に連通すると共に、ポンプ室rが吸入領域から吐出領域へ移行する際にこのポンプ室rと連通する絞り部(吐出ポート始端部85)を、互いに対向するカムリング8の軸方向端面83とポンプボディ4の軸方向端面410との間に設けた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ベーンポンプに関する。
従来、ロータのスリット溝にベーンを出没可能に収容し、カムリング内周面とロータ外周面とベーンとの間に形成したポンプ室の容積を変化させるベーンポンプが知られている。例えば、特許文献1に記載のベーンポンプは、ポンプ室をポンプ軸方向から閉塞するポンプボディの面に、ポンプ室内の作動油を給排するための溝(吸入ポートや吐出ポート)を設けている。また、上記面に対してベーンの端面が移動し、ポンプ室が上記溝に連通する際、急激な圧力変動を抑制するため、上記溝に連通しかつ流路断面積が上記溝よりも小さい溝を上記面に設け、これにより絞り部を構成している。そして、ポンプの作動に応じて、ポンプ室が先ず絞り部と連通するようにしている。
特開2004−92395号公報
しかし、特許文献1に記載のベーンポンプでは、キャビテーションが発生して騒音が生じるおそれがあった。本発明の目的とするところは、騒音を低減することができるベーンポンプを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のベーンポンプは、好ましくは、ポンプ室が吐出領域へ移行する際に該ポンプ室と連通する絞り部の周壁において、ベーンにより構成される周壁部分の割合を減らした。
よって、騒音を低減することができる。
ベーンポンプが適用されるCVTのブロック図である。 ベーンポンプの内部を回転軸方向から見た断面図である。 ポンプボディのプレートを回転軸方向から見た図である。 リアボディを回転軸方向から見た図である。 カムリングの斜視図である。 カムリングの軸方向端面における吐出ポート始端部の斜視図である。 カムリングの軸方向部分断面図である。(図6のA−A視断面)。 ポンプボディに設置されたカムリングを回転軸方向から見た図である。 絞り部における作動油の速度分布を模式的に示した図であり、(a)は従来例、(b)は実施例1を示す。
[実施例1]
[構成]
ベーンポンプ1(以下、単に「ポンプ1」という。)は、自動車の油圧式アクチュエータ、具体的にはベルト式の連続可変トランスミッション(CVT100)への油圧供給源として使用される。図1は、CVT100の一例を示すブロック図である。コントロールバルブ200内には、CVTコントロールユニット300により制御される各種のバルブ201〜213が設けられている。ポンプ1から吐出された作動油は、コントロールバルブ200を介してCVT100の各部(プライマリプーリ101、セカンダリプーリ102、フォワードクラッチ103、リバースブレーキ104、トルクコンバータ105、潤滑・冷却系106等)に供給される。なお、他の油圧式アクチュエータ、例えばパワーステアリングシステムの油圧供給源としてポンプ1を使用しても良い。ポンプ1は内燃機関のクランクシャフトにより駆動され、作動流体を吸入・吐出する。作動流体として作動油、具体的にはATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)を用いる。作動油(ATF)は、弾性係数が比較的小さく、僅かな容積変化に対して圧力が大きく変化する性質を有している。
図2は、ポンプ1の内部を回転軸方向から見た一部断面図である。説明の便宜上、三次元直交座標系を設け、ポンプ1の径方向にx軸及びy軸、ポンプ1の回転軸方向にz軸を設定する。ポンプ1の回転軸O上にz軸を設け、回転軸Oに対してカムリング8の中心軸Pが揺動する方向にx軸を設け、x軸及びz軸に直交する方向にy軸を設ける。図2の紙面上方をz軸正方向とし、Oに対してPが離れる側(第2閉じ込み領域に対する第1閉じ込み領域の側。図3参照。)をx軸正方向とし、吸入領域に対して吐出領域の側をy軸正方向とする。 ポンプ1は、吐出容量(1回転当たりに吐出する流体量。以下、ポンプ容量という。)を可変にできる可変容量形であり、作動油を吸入・吐出するポンプ部2と、吐出容量を制御する制御部3とを、ポンプハウジングとしてのポンプボディ4内に一体のユニットとして有している。
ポンプ部2は主な構成要素として、クランクシャフトにより駆動される駆動軸(回転軸)5と、駆動軸5により回転駆動されるロータ6と、ロータ6の外周に形成された複数のスリット61のそれぞれに突没可能に収容されたベーン7と、ロータ6を囲んで配置されるカムリング8と、カムリング8を囲んで配置されるアダプタリング9とを有している。ポンプボディ4は、収容凹部40b内にロータ6、ベーン7及びカムリング8を収容するリアボディ40と、リアボディ40の収容凹部40bの底部40cに収容されると共に、カムリング8及びロータ6の軸方向一側面に配置され、ロータ6、ベーン7及びカムリング8と共に複数のポンプ室rを形成するプレート(サイドプレート)41と、リアボディ40の収容凹部40bの開口を閉塞するとともに、カムリング8及びロータ6の軸方向他側面に配置され、ロータ6、ベーン7及びカムリング8とともに複数のポンプ室rを形成するフロントボディ(ポンプカバー)42と、を有している。
(ポンプ部2の構成)
リアボディ40には、z軸方向に延びる有底円筒状の収容凹部40bが形成されている。収容凹部40bの内周には、円環状のアダプタリング9が設置されている。アダプタリング9の内周面は、z軸方向に延びる略円筒状の収容孔90を構成している。収容孔90のx軸正方向側には、yz平面と略平行な第1平面部91が形成されている。収容孔90のx軸負方向側には、yz平面と略平行な第2平面部92が形成されている。第2平面部92のz軸方向略中央には、段差部920がx軸負方向側に形成されている。収容孔90のy軸正方向側であって回転軸Oに対して若干x軸正方向寄りには、z軸と略平行な第3平面部93が形成されている。第3平面部93には、z軸方向から見て半円状の溝(凹部930)が形成されている。凹部930を挟んだ両側には、アダプタリング9を径方向に貫通する第1,第2連通路931,932が形成されている。凹部930のx軸正方向側における第3平面部93には第1連通路931が開口し、第3平面部93のx軸負方向側に隣接して第2連通路932が開口している。収容孔90のy軸負方向側には、xz平面と略平行な第4平面部94が形成されている。第4平面部94には、z軸方向から見て矩形状の溝(凹部940)が形成されている。
アダプタリング9はカムリング8を取り囲むように配置されており、アダプタリング9の収容孔90内には、円環状のカムリング8が揺動自在に設置されている。z軸方向から見て、カムリング8の内周面(カムリング内周面)80及び外周面(カムリング外周面)81は略円形であり、カムリング8の径方向幅は略一定である。図5は、カムリング8の斜視図である。カムリング8のz軸正方向端面82及びz軸負方向端面83には、夫々、z軸方向所定深さまで薄溝が形成されており、これにより後述する吐出ポート始端部84,85が構成されている。端面82の吐出ポート始端部84は、端面82の内径側に、カムリング内周面80に沿って周方向所定長さで延びるように形成されている。端面83の吐出ポート始端部85も同様であり、z軸方向から見て、端面82の吐出ポート始端部84と略重なる形状に設けられている。y軸正方向側のカムリング外周面81には、z軸方向から見て半円状の溝(凹部810)が形成されている。x軸負方向側のカムリング外周面81には、x軸方向に軸を有する略円筒状の2つの凹部811が所定深さまで穿設されている。アダプタリング内周の凹部930とカムリング外周の凹部810との間には、z軸方向に延びるピンPINが、これらの凹部930,810に挟み込まれるように、各凹部930,810に当接して設置される。アダプタリング内周の凹部940には、シール部材S1が設置される。シール部材S1は、カムリング外周面81のy軸負方向側に当接する。アダプタリング内周の段差部920には、弾性部材としてのスプリングSPGの一端が設置される。スプリングSPGはコイルスプリングである。カムリング外周の凹部811には、スプリングSPGの他端が嵌挿される。スプリングSPGは圧縮状態で設置され、アダプタリング9に対してカムリング8をx軸正方向側に常時付勢する。
アダプタリング9の収容孔90のx軸方向寸法、すなわち第1平面部91と第2平面部92との間の距離は、カムリング外周面81の直径よりも大きく設けられている。カムリング8は、アダプタリング9に対して平面部93で支持され、平面部93を支点にxy平面内で揺動自在に設置されている。ピンPINはアダプタリング9に対するカムリング8の位置ズレ(相対回転)を抑制する。カムリング8の揺動は、x軸正方向側では、カムリング外周面81がアダプタリング9の第1平面部91に当接することで規制され、x軸負方向側では、カムリング外周面81がアダプタリング9の第2平面部92に当接することで規制される。カムリング8の中心軸Pの回転軸Oに対する偏心量をδとする。カムリング外周面81が第2平面部92に当接する位置(最小偏心位置)では、偏心量δが最小値となる。カムリング外周面81が第1平面部91に当接する図2の位置(最大偏心位置)では、偏心量δが最大となる。カムリング8が揺動する際には、平面部93がカムリング外周面81に摺接するとともに、シール部材S1がカムリング外周面81に摺接する。
ポンプボディ4(リアボディ40、プレート41、フロントボディ42)には駆動軸5が回転自在に軸支されている。駆動軸5のz軸正方向側は、チェーンを介して内燃機関のクランクシャフトに結合されており、クランクシャフトに同期して回転する。駆動軸5の外周には、ロータ6が同軸に固定(セレーション結合)されている。ロータ6は、駆動軸5とともに、回転軸Oの周りに、図2の時計回り方向に回転する。ロータ6は略円柱状であり、カムリング8の内周側に設置されている。言い換えると、カムリング8は、ロータ6を取り囲むように配置されている。ロータ6の外周面(ロータ外周面)60とカムリング内周面80とプレート41、フロントボディ42との間に、環状室R0が形成されている。
ロータ6には、複数の溝(スリット61)が放射状に形成されている。各スリット61は、z軸方向から見て、ロータ外周面60から回転軸Oに向かって所定深さまで、ロータ径方向に延びて直線状に設けられており、ロータ6のz軸方向全範囲にわたって形成されている。スリット61は、ロータ6を周方向に等分割する位置に11箇所、形成されている。各スリット61の回転軸Oに向かう側(以下、「内径側」という。)の端部(スリット基端部610)は、略円筒状に形成されており、z軸方向から見て、ロータ周方向におけるスリット本体部611の幅よりも大径の略円形である。なお、スリット基端部610を特に円筒状に形成しなくてもよく、例えばスリット本体部611と同様の溝形状としてもよい。ベーン7は、略矩形状の板部材(羽根)であり、複数(11枚)設けられ、各スリット61に1枚ずつ出没可能に収容されている。ベーン7の回転軸Oから離れる側(以下、「外径側」という。)の先端部(ベーン先端部70)は、カムリング内周面80に対応して緩やかな曲面状に形成されている。ベーン7のz軸方向端面(ベーン端面72)は略平面状に形成されており、ポンプボディ4(プレート41、フロントボディ42)のz軸方向端面に僅かな隙間を介して対向配置される。なお、スリット61とベーン7の数は11に限らない。スリット基端部610と、このスリット61に収容されたベーン7の内径側の端部(受圧部としてのベーン基端部71)との間には、このベーン7を外径側へ付勢する油圧を発生する圧力室としての背圧室brが形成されている。
環状室R0は、複数のベーン7によって、複数(11個)のポンプ室(容積室)rに区画されている。以下、ロータ6の回転方向(図2の時計回り方向。以下、単に「回転方向」といい、ロータ6の逆回転方向を「回転負方向」という。)において隣り合うベーン7同士の間(2つのベーン7の側面間)の距離を、1ピッチという。1つのポンプ室rの回転方向幅は、1ピッチであり不変である。カムリング8の中心軸Pが回転軸Oに対して(x軸正方向側に)偏心した状態では、x軸負方向側からx軸正方向側に向かうにつれて、ロータ外周面60とカムリング内周面80との間のロータ径方向距離(ポンプ室rの径方向寸法)が大きくなる。この距離の変化に応じ、ベーン7がスリット61から出没することで、各ポンプ室rが隔成されるとともに、x軸正方向側のポンプ室rのほうが、x軸負方向側のポンプ室rよりも、容積が大きくなる。このポンプ室rの容積の差異により、x軸を境としてy軸負方向側では、ロータ6の回転方向(図2の時計回り方向)であるx軸正方向側に向かうにつれて、ポンプ室rの容積が拡大する一方、x軸を境としてy軸正方向側では、ロータ6の回転方向(図2の時計回り方向)であるx軸負方向側に向かうにつれて、ポンプ室rの容積が縮小する。
ロータ外周面60には、各ベーン7に対応する位置に、z軸方向から見て略台形状の突出部62が設けられている。突出部62は、ロータ6のz軸方向全範囲にわたって、ロータ外周面60から所定高さまで突出するように形成されている。突出部62の略中央位置には、各スリット61の開口部が設けられている。スリット61のロータ径方向長さ(突出部62及びスリット基端部610を含む)は、ベーン7のロータ径方向長さと略同じに設けられている。突出部62を設けることで、スリット61のロータ径方向長さが所定以上確保され、例えば第1閉じ込み領域でベーン7がスリット61から最大限突出したとしてもスリット61におけるベーン7の保持性が確保されている。言い換えると、突出部62によりベーン7の保持性を向上しつつ、ロータ外周面60から突出部62以外の肉を除いているため、この除肉分だけポンプ室rの容積を大きくしてポンプ効率を向上し、かつロータ6全体を軽量化して動力損失を軽減している。
(制御部3の構成)
制御部3は、リアボディ40に設けられており、制御弁30と第1、第2通路31,32と制御室R1,R2とを有している。アダプタリング内周面90とカムリング外周面81との間の空間は、そのz軸負方向側がプレート41に、z軸正方向側がフロントボディ42により封止される一方、平面部93とシール部材S1とにより、2つの制御室R1,R2に液密に隔成されている。x軸正方向側には第1制御室R1が形成され、x軸負方向側には第2制御室R2が形成されている。なお、上記規制位置で、カムリング外周とアダプタリング内周との間には所定の隙間が確保されており、第1、第2制御室R1,R2の容積は所定以上でありゼロとならない。第1制御室R1にはアダプタリング9の第1連通路931が開口し、第2制御室R2には第2連通路932が開口している。リアボディ40に形成された第1通路31は第1連通路931と連通して第1制御油路を構成し、第2通路32は第2連通路932と連通して第2制御油路を構成している。制御弁30は油圧制御弁(スプール弁)であり、リアボディ40内のバルブ収容孔40aに収容されたスプール302を、ソレノイド301により駆動することで、第1通路31(第1制御室R1)及び第2通路32(第2制御室R2)への作動油の供給を切り替える。制御弁30の作動は、CVTコントロールユニット300により、例えば内燃機関の回転数とスロットルバルブ開度とに基づき制御される。
(ポンプボディ4の構成)
図3は、プレート41をz軸正方向側から見た平面図である。プレート41には、吸入ポート43と、吐出ポート44と、吸入側背圧ポート45と、吐出側背圧ポート46と、ピン設置孔47と、貫通孔48とが形成されている。ピン設置孔47にはピンPINが挿入され固定設置される。貫通孔48には駆動軸5が挿入され回転自在に設置される。各ポート43〜46等は、プレート41のz軸正方向側の面410に形成されている。
吸入ポート43は、外部から吸入側のポンプ室rに作動油を導入する際の入り口となる部分であり、図3に示すように、ロータ6の回転に応じてポンプ室rの容積が拡大するy軸負方向側の区間に設けられている。吸入ポート43は、吸入側円弧溝430と吸入孔431と連通孔432とを有している。吸入側円弧溝430は、プレート41の面410に形成され、ポンプ吸入側の油圧が導入される溝であって、吸入側のポンプ室rの配置に沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成されている。吸入側円弧溝430に対応する角度範囲、すなわち回転軸Oに対して吸入側円弧溝430のx軸負方向側の始点Aとx軸正方向側の終点Bとがなす略4.5ピッチ分に相当する角度αの範囲に、ポンプ1の吸入領域が設けられている。吸入側円弧溝430の始点A及び終点Bは、x軸に対して略0.5ピッチに相当する角度βだけy軸負方向側に離れた回転方向位置に設けられている。吸入側円弧溝430の回転方向略中央には、吸入孔431が開口している。吸入側円弧溝430には、吸入孔431に隣接して回転負方向寄り(始点A側)に、連通孔432が開口している。
吐出ポート44は、吐出側のポンプ室rから外部へ作動油を吐出する際の出口となる部分であり、ロータ6の回転に応じてポンプ室rの容積が縮小するy軸正方向側の区間に設けられている。吐出ポート44は、吐出側円弧溝440と吐出孔442を有している。吐出側円弧溝440は、面410に形成され、ポンプ吐出側の油圧が導入される溝であって、吐出側のポンプ室rの配置に沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成されている。吐出側円弧溝440の始点Eは、x軸に対して略2ピッチ強に相当する回転方向角度だけy軸正方向側に離れた位置に設けられ、吐出側円弧溝440の終点Dは、x軸に対して略0.5ピッチ分に相当する角度βだけy軸正方向側に離れた回転方向位置に設けられている。吐出側円弧溝440の回転方向側の終端部444には、吐出孔442が開口している。
プレート41の面410に対向するカムリング8のz軸負方向端面83には、後述する絞り部としての吐出ポート始端部85が周方向に略円弧状に延びて設けられている。吐出ポート始端部85の始点Cは、x軸に対して略0.5ピッチ分に相当する角度βだけy軸正方向側に離れた回転方向位置に設けられ、吐出ポート始端部85の終点は、略1.5〜2ピッチ分に相当する角度εだけy軸正方向側に離れ、吐出側円弧溝440の始点Eと略重なる回転方向位置に設けられている。吐出ポート始端部85及び吐出側円弧溝440に対応する角度範囲、すなわち回転軸Oに対して吐出ポート始端部85のx軸正方向側の始点Cと吐出側円弧溝440のx軸負方向側の終点Dとがなす角度αの範囲に、ポンプ1の吐出領域が設けられている。
第1閉じ込み領域及び第2閉じ込み領域は、この領域内にあるポンプ室rの作動油を閉じ込め、吐出側円弧溝440(又は吐出ポート始端部)と吸入側円弧溝430とが連通することを抑制する領域であり、x軸に跨る区間に設けられている。吸入側円弧溝430の終点Bと吐出ポート始端部の始点Cとがなす角度2βの範囲に第1閉じ込み領域が設けられ、吐出側円弧溝440の終点Dと吸入側円弧溝430の始点Aとがなす角度2βの範囲に第2閉じ込み領域が設けられている。
プレート41には、ベーン7の根元(背圧室br、スリット基端部610)に連通する背圧ポート45,46が、吸入側と吐出側でそれぞれ分離して設けられている。吸入側背圧ポート45は、吸入領域の大部分に位置する複数のベーン7の背圧室brと吸入ポート43とを連通するポートである。ベーン7が「吸入領域に位置する」とは、z軸方向から見て、ベーン7のベーン先端部70が吸入ポート43(吸入側円弧溝430)と重なっていることをいう。吸入側背圧ポート45は、吸入側背圧円弧溝450と連通孔451とを有している。吸入側背圧円弧溝450は、面410に形成され、ポンプ吸入側の油圧が導入される溝であって、ベーン7の背圧室br(ロータ6のスリット基端部610)の配置に沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成されている。吸入側背圧円弧溝450には、径方向で吸入側円弧溝430の連通孔432と略重なる位置に、連通孔451が開口している。
吐出側背圧ポート46は、吐出領域、第1閉じ込み領域、及び第2閉じ込み領域の大半に位置する複数のベーン7の背圧室brに連通するポートである。ベーン7が「吐出領域等に位置する」とは、z軸方向から見て、ベーン7のベーン先端部70が吐出ポート44(吐出ポート始端部)等と重なっていることをいう。吐出側背圧ポート46は、吐出側背圧円弧溝460と連通孔461とを有している。吐出側背圧円弧溝460は、面410に形成され、ポンプ吐出側の油圧が導入される溝であって、ベーン7の背圧室br(スリット基端部610)の配置に沿って、回転軸Oを中心とする略円弧状に形成されている。吐出側背圧円弧溝460には、y軸と略重なる位置に、連通孔461が開口している。また、吐出側背圧円弧溝460の回転負方向寄り(始点c側)は、回転方向において第1閉じ込み領域と重なり、吐出側背圧円弧溝460の回転方向寄り(終点d側)は、第2閉じ込み領域の大半と重なっている。
図4は、リアボディ40をz軸正方向側から見た平面図である。リアボディ40の内部には、低圧室40e、高圧室40f、及び吐出室40gが形成され、収容凹部40bの底部40cに開口している。低圧室40eは、作動油を貯留しポンプ1へ供給可能なリザーバRESと連通している。低圧室40eのz軸正方向側の(底部40cにおける)開口部は、プレート41のz軸負方向端面における連通孔432,451の開口部を覆うように設けられており、低圧室40eは連通孔432を介して吸入ポート43に連通し、連通孔451を介して吸入側背圧ポート45に連通している。吐出室40gのz軸正方向側の(底部40cにおける)開口部は、プレート41のz軸負方向端面における吐出孔442の開口部を覆うように設けられており、吐出ポート44は吐出孔442を介して吐出室40gに連通している。吐出室40gは、メータリングオリフィスORを介してポンプ1の外部のCVT100に吐出圧を供給する吐出通路に連通している。高圧室40fのz軸正方向側の(底部40cにおける)開口部は、プレート41のz軸負方向端面における連通孔461の開口部を覆うように設けられており、吐出側背圧ポート46は、連通孔461を介して高圧室40fに連通している。高圧室40fは、リアボディ40内の連通路を介して、吐出室40gに連通している。(底部40cにおける)高圧室40fと吐出室40gの開口部の外周には環状のシール部材S2が設置されてプレート41に密着し、これにより高圧室40fと吐出室40gが液密に保たれ、シール部材S2の外周側の低圧領域と内周側の高圧領域とが画成されている。
フロントボディ42のz軸負方向端面には、ピン設置孔及び駆動軸保持孔と、吸入ポート及び吐出ポートと、吸入側背圧ポート及び吐出側背圧ポートとが、夫々、プレート41に形成されたピン設置孔47及び貫通孔48と、吸入ポート43及び吐出ポート44と、吸入側背圧ポート45及び吐出側背圧ポート46とに対して、略対応するz軸方向位置及び形状で形成されている。また、フロントボディ42のz軸負方向端面には、揺動するカムリング8との間に潤滑用の油を吐出ポート等から供給する溝が複数設けられている。フロントボディ42の内部には、リアボディ40内の低圧室40eに連通する低圧室が形成され、フロントボディ42の吸入ポート及び吸入側背圧ポートに連通している。フロントボディ42の吐出ポートは、吐出孔が設けられておらず、リアボディ40の吐出ポート44(吐出孔442)を介して吐出室40gに連通している。吐出側背圧ポートは、連通孔が設けられておらず、リアボディ40の吐出側背圧ポート46(連通孔461)を介して高圧室40fに連通している。
次に、プレート41の各ポート43〜46等、及びカムリング8の吐出ポート始端部84の詳細について説明する。
(プレート41の吸入ポートの構成)
吸入側円弧溝430の径方向幅は、回転方向全範囲で略等しく設けられており、カムリング8が最小偏心位置にあるときの環状室R0の径方向幅と略等しい(図2参照)。吸入側円弧溝430の内径側の縁437は、ロータ外周面60(突出部62を除く)よりも若干外径側に位置する。吸入側円弧溝430の外径側の縁438は、最小偏心位置にあるカムリング8のカムリング内周面80よりも若干外径側に位置し、その終端側で、最大偏心位置にあるカムリング8のカムリング内周面80よりも僅かに外径側に位置する。カムリング8の偏心位置に関わらず、吸入側の各ポンプ室rは、z軸方向から見て吸入側円弧溝430と重なり、吸入側円弧溝430と連通している。吸入孔431は、z軸方向から見て略長円状であり、径方向幅が吸入側円弧溝430と略等しく、回転方向における長さが略1ピッチである。吸入孔431は、プレート41を貫通して形成された凹部であり、y軸と重なる位置に形成されている。連通孔432は、吸入孔431と同様の形状で、プレート41を貫通して形成された凹部である。吸入側円弧溝430の始端部435には、回転負方向に凸の略半円弧状に形成された本体始端部433と、本体始端部433に連続するノッチ434とが形成されている。ノッチ434は、本体始端部433からポンプ回転方向と回転負方向に延びるように、略0.5ピッチの長さだけ形成されており、その先端は始点Aと一致している。ノッチ434は、z軸方向から見て、回転方向に向かうにつれて徐々に径方向幅が大きくなる略鋭三角形状に設けられている。ノッチ434の径方向幅の最大値は、吸入側円弧溝430の幅よりも小さく設けられている。ノッチ434の(z軸方向)深さは、回転方向に向かうにつれてゼロから徐々に増加する。すなわち、ノッチ434の流路断面積は、吸入側円弧溝430の本体部よりも小さく、ノッチ434は、回転方向に流路断面積が徐々に大きくなる絞り部を構成している。本体始端部433から連通孔432までの間は、傾斜が設けられており、回転方向に徐々に深くなるように形成されている。吸入側円弧溝430の終端部436は、回転方向に凸の略半円弧状に形成されている。吸入孔431から終端部436までの間は、傾斜が設けられており、回転方向に徐々に浅くなるように形成されている。
(プレート41の吐出ポートの構成)
吐出側円弧溝440の径方向幅は、回転方向全範囲で略等しく設けられており、吸入側円弧溝430の径方向幅よりも若干小さい。吐出側円弧溝440の内径側の縁446は、(突出部62を除く)ロータ外周面60よりも若干外径側に位置する。吐出側円弧溝440の外径側の縁447は、最小偏心位置にあるカムリング8のカムリング内周面80と略重なる。吐出側の各ポンプ室rは、カムリング8の偏心位置に関わらず、z軸方向から見て吐出側円弧溝440と重なり、吐出側円弧溝440と連通している。吐出孔442は、プレート41を貫通して形成された凹部であり、z軸方向から見て略長円状であって、ロータ径方向における幅が吐出側円弧溝440と略等しく、回転方向における長さが略1ピッチよりも若干長い。吐出孔442の回転方向側縁は、回転方向に凸の略半円弧状に形成されており、終端部444の回転方向側縁と一致している。吐出側円弧溝440の回転負方向側縁は、回転負方向に凸の略半円弧状に形成されており、その先端Eは、吐出ポート始端部の始点Cから回転方向に略2ピッチ弱の距離をおいた位置にある。
(カムリング8の吐出ポート始端部の構成)
図6は、図5における吐出ポート始端部84の近傍の拡大図である。図7は、図6のA−A視断面図である。吐出ポート始端部84は、カムリング端面82の径方向幅のほぼ半分の幅lを有し、回転方向に略1.5〜2ピッチ分の長さ(角度範囲ε)だけ延びるように設けられた溝であり、浅溝部840と深溝部841を有している。幅lは、吐出側円弧溝440の径方向幅と略等しく設けられている。
浅溝部840は、吐出ポート始端部84の本体部であり、端面82に所定のz軸方向深さh1まで設けられている。深さh1は、プレート41における吐出側円弧溝440の溝深さよりも浅く設けられている。浅溝部840は、カムリング内周面80においてポンプ室rに開口し、このポンプ室rと吐出ポート44(吐出側円弧溝440)との間での作動油の流通を制限するオリフィス溝であり、絞り機能を実現する。浅溝部840の径方向長さl1は、吐出ポート始端部84の径方向幅lの2/3強であり、ベーン7の厚さ(ベーン端面72の周方向寸法)よりも大きく設けられている。(回転方向で吸入側円弧溝430の終点Bと対向する)浅溝部840の始端部843は、z軸方向から見て略矩形状に形成されており、始点Cを含んで径方向に延びる縁を有している。浅溝部840は、始点Cから吐出側円弧溝440の始点Eの近傍まで延びて形成され、その終端部844は、z軸方向から見て鋭角三角形状に設けられ、径方向に対して傾いた勾配を有している。言い換えると、浅溝部840の終端部844は、回転方向に向かうにつれてその幅l1が徐々に小さくなる。カムリング内周面80に開口する浅溝部840の内径側の縁には面取り部842が設けられている。面取り部842は、内径側に向かうにつれて徐々にz軸方向深さが深くなるテーパ形状である。言い換えると、浅溝部840の内径側の縁は、端面82に対して角度ζを有して傾く平面状に形成されている。
深溝部841は、端面82に、吐出ポート始端部84(浅溝部840)の外径側の縁に沿って、所定のz軸方向深さh2まで設けられている。深さh2は、浅溝部840の深さh1の十数倍だけ深く設けられている。深溝部84の径方向幅l2は、吐出ポート始端部84の径方向幅lの1/3弱だけ設けられている。幅l2は深さh2よりも小さく設けられている。深溝部841の底部を周方向(深溝部841が延びる方向)から見た形状は略半円弧状である。深溝部841の回転負方向側の始端部845は、浅溝部840の始端部843よりも若干回転方向側の位置から端面82に対して傾斜しつつ回転方向側に延びるように設けられている。深溝部841は、始端部845においては、回転方向に向かうにつれて徐々に深さが深くなり、始端部845よりも回転方向側では、その深さh2が略一定となる。なお、始端部845の深さは任意であり、例えば一定であってもよい。深溝部841の回転方向側の終端部846は、z軸方向から見て、浅溝部840の終端部844の外径側縁に沿った形状であり、径方向に対して傾いて延び、カムリング内周面80に開口している。深溝部841は、その内径側で浅溝部840に連通すると共に、終端部844の回転方向側端でポンプ室r(吐出側円弧溝440)に連通して、浅溝部840と吐出側円弧溝440との間での作動油の流通を円滑化し、また浅溝部840における作動油の流れを径方向に整流するための接続部である。カムリング8のz軸負方向端面83における吐出ポート始端部85(浅溝部850、深溝部851、面取り部852等)も、吐出ポート始端部84(浅溝部840、深溝部841、面取り部842等)と同様に形成されている。図8は、ポンプボディ4に設置されたロータ6、ベーン7、及びカムリング8をz軸正方向側から見たものであり、ポンプ室rや吐出ポート44等に対する吐出ポート始端部84,85の位置関係を示す。
図3に戻って説明する。プレート41の面410において、吸入側円弧溝430の終点Bと吐出ポート始端部の始点Cとの間の面410には溝が設けられておらず、この区間に対応する角度範囲、すなわち回転軸Oに対して終点Bと始点Cとがなす角度2βの範囲に、ポンプ1の第1閉じ込み領域が設けられている。第1閉じ込み領域の角度範囲は、略1ピッチ分に相当する。同様に、吐出側円弧溝440の終点Dと吸入側円弧溝430の始点Aとの間の面410には溝が設けられておらず、この区間に対応する角度範囲、すなわち回転軸Oに対して終点Dと始点Aとがなす角度2βの範囲に、第2閉じ込み領域が設けられている。第2閉じ込み領域の角度範囲は、略1ピッチ分に相当する。
(プレート41の吸入側背圧ポートの構成)
吸入側背圧円弧溝450の径方向寸法(溝幅)は、回転方向全範囲で略等しく設けられており、吸入側円弧溝430と略等しく、スリット基端部610のロータ径方向寸法と略等しい。吸入側背圧円弧溝450の内径側の縁454は、スリット基端部610の内径側縁よりも若干内径側に位置する。吸入側背圧円弧溝450の外径側の縁455は、スリット基端部610の外径側縁よりも僅かに内径側に位置する。カムリング8の偏心位置に関わらず、z軸方向から見て、吸入側背圧円弧溝450は、スリット基端部610(背圧室br)と大部分重なるロータ径方向位置に設けられており、スリット基端部610(背圧室br)と重なるとき、これと連通する。吸入側背圧円弧溝450は、略4ピッチ分に相当する角度の範囲(吸入側円弧溝430よりも狭い範囲)で形成されている。吸入側背圧円弧溝450の始点aは、吸入側円弧溝430(ノッチ434)の始点Aよりも若干回転方向側であって本体始端部433の回転方向側に隣接する位置にある。吸入側背圧円弧溝450の終点bは、吸入側円弧溝430の終点Bよりも回転負方向側に略0.5ピッチ分に相当する角度だけ離れた位置にある。連通孔451は、プレート41を貫通して形成された凹部であり、z軸方向から見て略長円状であって、ロータ径方向における幅が吸入側背圧円弧溝450と略等しく、回転方向における長さが略1ピッチである。吸入側背圧円弧溝450において、始点aから連通孔451までの間には、始端部452が設けられている。z軸方向から見て、始端部452の先端は、回転負方向に凸の略半円弧状に形成されている。吸入側背圧円弧溝450の終端部453は、回転方向に凸の略半円弧状に形成されている。連通孔451から終端部453までの区間には傾斜が設けられており、連通孔451から終点bへ向かうにつれて徐々に浅くなる。終端部453の(z軸方向)深さは、始端部452の深さよりも浅く設けられている。
(プレート41の吐出側背圧ポートの構成)
吐出側背圧円弧溝460の径方向寸法(溝幅)は、回転方向全範囲で略等しく設けられており、吐出側円弧溝440よりも僅かに小さく、スリット基端部610の径方向寸法よりも若干小さい。吐出側背圧円弧溝460の内径側の縁464は、スリット基端部610の内径側縁よりも若干外径側に位置する。吐出側背圧円弧溝460の外径側の縁465は、スリット基端部610の外径側縁よりも僅かに内径側に位置する。カムリング8の偏心位置に関わらず、z軸方向から見て、吐出側背圧円弧溝460は、スリット基端部610(背圧室br)と大部分重なる径方向位置に設けられており、スリット基端部610(背圧室br)と重なるとき、これと連通する。吐出側背圧円弧溝460は、略6.5ピッチ弱に相当する角度の範囲(吐出側円弧溝440よりも広い範囲)で形成されている。吐出側背圧円弧溝460の始点cは、吐出領域の始点Cよりも回転負方向側に略1ピッチに相当する角度だけ離れており、第1閉じ込み領域の始端部付近に位置している。吐出側背圧円弧溝460の終点dは、吐出側円弧溝440の終点Dよりも回転方向側に1ピッチ弱に相当する角度だけ離れており、第2閉じ込み領域の終端部近くに位置している。連通孔461は、プレート41を貫通して形成された凹部であって、z軸方向から見た開口断面は略円形状であり、その直径は吐出側背圧円弧溝460の径方向幅と略等しい。
[作用]
次に、実施例1のポンプ1の作用を説明する。以下、プレート41の各ポート43等を用いて説明するが、フロントボディ42の側についても同様である。
(ポンプ作用)
カムリング8を回転軸Oに対してx軸正方向に偏心して配置した状態でロータ6を回転させることにより、ポンプ室rは回転軸周りに回転しつつ周期的に拡縮する。ポンプ室rが回転方向に拡大するy軸負方向側で、吸入ポート43からポンプ室rに作動油を吸入する。ポンプ室rが回転方向に縮小するy軸正方向側で、ポンプ室rから吐出ポート44へ上記吸入した作動油を吐出する。具体的には、あるポンプ室rに着目すると、吸入領域において、このポンプ室rの回転負方向側のベーン7(以下、「後側ベーン7」という。)が吸入側円弧溝430の終点Bを通過するまで、言い換えると、回転方向側のベーン7(以下、「前側ベーン7」という。)が吐出ポート始端部84,85の始点Cを通過するまで、当該ポンプ室rの容積は増大する。この間、当該ポンプ室rは吸入側円弧溝430と連通しているため、作動油を吸入ポート43から吸入する。第1閉じ込み領域において、当該ポンプ室rの後側ベーン7(の回転方向側の面)が吸入側円弧溝430の終点Bと一致し、前側ベーン7(の回転負方向側の面)が吐出ポート始端部84,85の始点Cと一致する回転位置では、当該ポンプ室rは吸入ポート43(吸入側円弧溝430)とも吐出ポート始端部84,85とも連通せず、液密に保たれる。当該ポンプ室rの後側ベーン7が吸入側円弧溝430の終点Bを通過(前側ベーン7が吐出ポート始端部84,85の始点Cを通過)した後は、吐出領域において、回転に応じて当該ポンプ室rの容積は減少し、吐出ポート始端部84,85ないし吐出ポート44(吐出側円弧溝440)と連通するため、ポンプ室rから作動油を吐出ポート44へ吐出する。同様に、第2閉じ込み領域において、当該ポンプ室rの後側ベーン7(の回転方向側の面)が吐出側円弧溝440の終点Dと一致し、前側ベーン7(の回転負方向側の面)が吸入側円弧溝430の始点Aと一致する位置では、当該ポンプ室rは吐出側円弧溝440とも吸入側円弧溝430とも連通せず、液密に保たれる。
本実施例1では、第1、第2閉じ込み領域の範囲がそれぞれ1ピッチ分(1つのポンプ室rの分)だけ設けられているため、吸入領域と吐出領域とが連通することを抑制しつつ両領域をできるだけ拡大し、これによりポンプ効率を向上することができる。なお、閉じ込み領域(吸入ポート43と吐出ポート始端部84,85ないし吐出ポート44との間隔)を1ピッチ以上の範囲にわたって設けることとしてもよい。言い換えると、閉じ込み領域の角度範囲は、吐出領域と吸入領域を連通させない範囲であれば、任意に設定可能である。
(容量可変作用)
カムリング8がx軸正方向側に揺動して偏心量δがゼロでないとき、y軸負方向側では、ポンプ室rの容積はロータ6が回転するにつれて拡大し、ポンプ室rがx軸正方向側でx軸上に位置するとき最大となる。y軸正方向側では、ポンプ室rの容積はロータ6が回転するにつれて縮小し、ポンプ室rがx軸負方向側でx軸上に位置するとき最小となる。図2に示す最大偏心位置で、ポンプ室rの縮小時と拡大時の容積差は最大となり、ポンプ容量も最大となる。一方、カムリング8がx軸負方向側に揺動して偏心量δが最小(ゼロ)となる最小偏心位置では、y軸負方向側でもy軸正方向側でも、ロータ6の回転につれてポンプ室rの容積は拡大も縮小もしない。言い換えると、ポンプ室r間の容積差は最小(ゼロ)となり、ポンプ容量も最小となる。このように、カムリング8の揺動量に応じて容積差が変化し、これに対応してポンプ容量も変化する。具体的には、吐出領域のポンプ室rで圧縮された作動油(及び吐出領域のベーン基端部71の背圧室brで圧縮された作動油)は、吐出ポート44(及び吐出側背圧ポート46)を経て吐出室40gに供給される。吐出室40gの作動油は、制御弁30を通って第1、第2制御室R1,R2に供給され、また吐出通路を通ってCVT100に供給される。ここで第1制御室R1への供給通路と第2制御室R2への供給通路との間にはメータリングオリフィスORが設けられている。よって、第1制御室R1と第2制御室R2とに供給される作動油の圧力は差圧を持つこととなり、この差圧の大きさによってカムリング8の揺動量が決められる。
より具体的には、第1、第2制御室R1,R2に作動油が供給されていない状態で、カムリング8はスプリングSPGによりx軸正方向側に付勢され、偏心量δは最大となっている。第1制御室R1には、制御弁30から第1制御油路(第1連通路931)を介して作動油が供給される。供給された作動油圧は、スプリングSPGの付勢力に抗してカムリング8をx軸負方向側に向かって押圧する第1油圧力を発生する。第2制御室R2には、制御弁30から第2制御油路(第2連通路932)を介して作動油が供給される。供給された作動油圧は、スプリングSPGの付勢力に加勢してカムリング8をx軸正方向側に向かって押圧する第2油圧力を発生する。CVTコントロールユニット300は、制御弁30の作動を制御し、第1、第2制御室R1,R2に供給する作動油(カムリング8に作用する第1、第2油圧力)を適宜変化させることで、カムリング8が揺動し、偏心量δを変化させる。これにより、ポンプ容量を可変制御する。具体的には、第1制御室R1の作動油圧が高くなると、第1油圧力が大きくなる。また、第2制御室R2の作動油の圧力が高くなると、第2油圧力が大きくなる。第1、第2油圧力の合計がカムリング8をx軸負方向側に押す方向である場合、この油圧力よりも、スプリングSPGによる(カムリング8をx軸正方向側に押す)付勢力が小さいと、カムリング8はx軸負方向側に移動する。すると、偏心量δが小さくなり、ポンプ室rの縮小時と拡大時の容積差が小さくなるため、ポンプ容量が減少する。逆に、第1、第2油圧力の合計がカムリング8をx軸負方向側に押す方向である場合であって、この油圧力よりもスプリングSPGによる付勢力が大きいときや、上記油圧力の合計がカムリング8をx軸正方向側に押す方向である場合には、カムリング8はx軸正方向側に移動する。すると、偏心量δが大きくなり、ポンプ室rの縮小時と拡大時の容積差が大きくなるため、ポンプ容量が増える。なお、第2制御室R2を設けず、第1制御室R1の油圧力のみにより制御してもよい。また、カムリング8を付勢する弾性部材として、コイルスプリング以外のものを利用してもよい。ポンプ1は、所定の高回転域では、このようにポンプ容量を可変制御することで、駆動に必要なトルク(駆動トルク)を低減し、出力を必要最低限に抑える。これにより、固定容量ポンプに比べて損失トルク(動力損失)を低減することができる。
(動力損失の低減)
ロータ6の回転時、ベーン7には遠心力(ベーン7を外径方向へ移動させる力)が作用するため、回転数が十分に高い等、所定の条件が整えば、ベーン7の先端部70はスリット61から突出し、カムリング8の内周面80に摺接する。ベーン先端部70がカムリング内周面80に当接することで、ベーン7の外径方向の移動が規制される。ベーン7がスリット61から突出するとベーン7の背圧室brの容積が拡大し、ベーン7がスリット61へ没入する(収納される)とベーン7の背圧室brの容積が縮小する。カムリング8が回転軸Oに対してx軸正方向に偏心した状態でロータ6が回転すると、カムリング内周面80に摺接する各ベーン7の背圧室brは、回転軸Oの周りで回転しながら周期的に拡縮する。ここで、背圧室brが拡大するy軸負方向側(吸入領域)では、背圧室brに作動油が供給されないと、ベーン7の突出(飛び出し)が阻害され、ベーン先端部70がカムリング内周面80に当接せず、ポンプ室rの液密性が確保されないおそれがある。一方、背圧室brが縮小するy軸正方向側(吐出領域)では、背圧室brから作動油が円滑に排出されないと、ベーン7のスリット61への収納(引込み)が阻害され、ベーン先端部70とカムリング内周面80との摺動抵抗が増加する。これに対し、ポンプ1では、吸入領域では、吸入側背圧ポート45から背圧室brに作動油を供給する。これにより、ベーン7の飛び出し性を向上する。吐出領域では、背圧室brから吐出側背圧ポート46へ作動油を排出する。これにより、ベーン7の摺動抵抗を低減する。
具体的には、y軸負方向側の吸入領域では、ベーン7の先端部70に吸入ポート43内の圧力が作用し、ベーン基端部71(根元)に吸入側背圧ポート45内の圧力が作用する。吸入側背圧ポート45と吸入ポート43は共に低圧室40eに連通しているため、吸入ポート43内の圧力と吸入側背圧ポート45内の圧力は共に低圧である。よって、ベーン先端部70に作用する圧力とベーン基端部71に作用する圧力との差は大きくない。ポンプ1の駆動時には吸入領域では作動油は吸入され続けているため、吸入ポート43内の圧力(吸入圧Pi)は負圧、すなわち大気圧以下となっている。一方、吸入側背圧ポート45は、低圧室40eを介して吸入ポート43と連通しているため、吸入側背圧ポート45にも吸入圧Piの作動油が供給されることとなる。したがって、例えば背圧室brに吐出側のポートから高圧の作動油を供給した場合に比べて、ベーン先端部70がカムリング内周面80に遠心力以外の油圧力により不必要に強く押し付けられることが抑制され、ベーン7がカムリング内周面80に摺接する際の摩擦による損失トルクが低く抑えられる。言い換えると、ベーン先端部70のカムリング内周面80への摺動抵抗が軽減され、吸入領域における全てのベーン基端部71に高圧のポンプ吐出側圧力を作用させる場合に比べ、動力損失を低減できる。
一方、y軸正方向側の吐出領域では、ベーン先端部70に吐出ポート44内の圧力が作用し、ベーン基端部71に吐出側背圧ポート46内の圧力が作用する。吐出側背圧ポート46と吐出ポート44は共に高圧室40fに連通しており、吐出ポート44内の圧力と吐出側背圧ポート46内の圧力は共に高圧である。よって、ベーン先端部70に作用する圧力とベーン基端部71に作用する圧力との差は大きくない。具体的には、ポンプ1の駆動時には吐出領域ではポンプ作用により作動油の圧力が上昇するため、吐出ポート44内の圧力は大気圧よりも高い吐出圧Pdとなる。一方、吐出側背圧ポート46は、高圧室40fを介して吐出ポート44と連通しているため、吐出圧Pdに近い高圧となる。したがって、ベーン先端部70がカムリング内周面80に不必要に強く押し付けられることが抑制され、ベーン7がカムリング内周面80と摺接する際の摩擦による損失トルクが低く抑えられる。
このように、ポンプ1では、ベーン7の背圧室brと連通する背圧ポートを吸入側と吐出側とで分離し、吸入工程と吐出工程の両方で、ベーン7のベーン先端部70とベーン基端部71に(吐出圧Pdと吸入圧Piとの差のように大きな)圧力差が発生することを抑制している。このため、遠心力によりベーン7を適度にカムリング8に押し付けつつ、摺動抵抗を低減することができる。よって、摩耗を低減できるとともに、ロータ6を回転させるために余分な駆動トルクが浪費されることがないため、動力損失を低減できる。言い換えると、ポンプ1は、回転数に対する駆動トルクが低く、高効率な(すなわち動力損失を低減して燃費を向上できる)、いわゆる低トルク式ポンプであり、通常の可変容量ベーンポンプに比べ、同一体格でも吐出量が大きい(すなわち小型化できる)という特長を有している。なお、必ずしも低トルク式に限らなくてもよい。
(圧力変動の抑制)
以下、図8を参照しつつ説明する。前側ベーン7(の回転負方向側の面)が第1閉じ込み領域から吐出領域へ移行するとき、吐出ポート始端部84,85の絞り作用により、ポンプ室rと吐出ポート44との連通が急激に行われないため、吐出ポート44及びポンプ室rの圧力の変動が抑制される。例えばz軸負方向側についてみると、ベーン7(の回転負方向側の面)が吐出ポート始端部85の始点Cを越えて回転方向に移動すると、このベーン7を前側ベーンとし、(他のポンプ室rよりも容積が大きい)最大容積であるポンプ室r(以下、「ポンプ室r*」という。)は、容積減少を開始するとともに、吐出ポート始端部85(浅溝部850)との連通を開始する。その後、前側ベーン7が吐出側円弧溝440の始点Eを越えてポンプ室r*が吐出ポート44との連通を開始するまでの間、ポンプ室r*は、その容積を減少しつつ、カムリング内周面80において吐出ポート始端部85の浅溝部850と連通する。前側ベーン7が始点Cを越えた当初は、ポンプ室r*の容積減少量(圧縮量)は小さく、ポンプ室r*内は低圧である(吸入圧Piに近い)。このため、ポンプ室r*内の圧力は吐出ポート始端部85(浅溝部850)内の圧力よりも低い。よって、ポンプ室r*内へは吐出ポート始端部85(浅溝部850)から作動油が流入する。すなわち、作動油は、吐出ポート44に連通する他のポンプ室r(ポンプ室r*よりも回転方向側にあり深溝部851の終端部856が開口するポンプ室)から深溝部851へ流れ、深溝部851から浅溝部850を通ってポンプ室r*へ流れる。例えば、吸入領域においてポンプ室r*に吸入された作動油が空気を含んでいた場合、浅溝部850と連通したポンプ室r*には、吐出ポート44からの高圧の作動油が、浅溝部850とプレート41の面410との間の隙間を通ってポンプ室r*に逆流し、ポンプ室r*内の空気を圧縮する。一方、前側ベーン7が始点Eに近づくまで移動すると、それまでのポンプ室r*への吐出ポート始端部85(浅溝部850)からの作動油の供給と、ポンプ室r*の容積減少とにより、ポンプ室r*内の圧力が吐出ポート始端部85(浅溝部850)内の圧力よりも高くなる場合がある。この場合、ポンプ室r*内の作動油は、浅溝部850を通って深溝部851へ流れ、深溝部851を通ってその終端部856のカムリング内周面80における開口部から他のポンプ室r(ポンプ室r*よりも回転方向側にあり終端部856が開口するポンプ室)へ流れ、(この他のポンプ室rに連通する)吐出ポート44へ流れる。
ここで、浅溝部850の深さh1は、吐出ポート44(吐出側円弧溝440)の溝深さよりも浅く設けられているため、例えば吐出側円弧溝440を始点Cの位置まで延長した場合と比べ、吐出ポート44とポンプ室r*との間を流通する作動油の流路断面積が絞られる。よって、例えば、高圧の吐出ポート44から低圧のポンプ室rへ作動油が急激に流入することが抑制されるため、吐出ポート44における圧力変動を抑制でき、吐出ポート44から吐出孔442を介して接続された外部の配管に供給される作動油量の急激な減少を抑制し、この配管における圧力変動(油撃)を抑制することができる。また、ポンプ室r*に供給される流量の急激な増加が抑制されるため、ポンプ室r*における圧力変動も抑制することができる。
また、前側ベーン7(の回転負方向側の面)が第2閉じ込み領域から吸入領域へ移行するとき、ノッチ434の絞り作用により、ポンプ室rと吸入側円弧溝430の連通が急激に行われないため、吸入ポート43及びポンプ室rの圧力の変動が抑制される。すなわち、ポンプ室rの容積が一気に増大することが抑制され、高圧のポンプ室rから低圧の吸入ポート43へ作動油が急激に流出することが抑制されるため、例えば気泡の発生(キャビテーション)を抑制することができる。なお、ノッチ434を適宜省略することとしてもよい。
(キャビテーションの抑制)
従来のベーンポンプでは、ポンプ室をポンプ軸方向から閉塞するポンプボディ(プレート)の面であってこれに対してベーンの端面が対向しつつ移動する面に、ポンプ室内の作動油を給排するための溝(吸入ポートや吐出ポート)を設けている。また、上記面に対してベーンの端面が移動し、ポンプ室が上記溝に連通する際、急激な圧力変動を抑制するため、上記溝に連通しかつ流路断面積が上記溝よりも小さい溝を上記面に設け、これにより絞り部を構成している。そして、ポンプの回転に応じて、ポンプ室が上記溝(吸入ポートや吐出ポート)よりも前に先ず絞り部と連通するようにしている。例えば、あるポンプ室が吸入領域から吐出領域へ移行する際、(吐出ポートに連通する)絞り部と連通したポンプ室には、吐出ポートからの高圧の作動油が、絞り部を構成する溝とベーン端面との間の隙間を通ってポンプ室に逆流する。このような作動油の逆流による圧力変化を抑制するため、絞り部として、回転方向に流路断面積が徐々に変化するノッチではなく、ベーンの回転に応じて絞り部の流路断面積の変化が少ない(深さや幅が略一定の)薄溝を設けることも考えられる。しかし、従来のベーンポンプでは、絞り部において作動油の通路(流路周壁)を構成するベーン端面に対して作動油の相対速度が大きくなるため、キャビテーションが発生して騒音が生じるおそれがあった。特に、吸入領域においてポンプ室に吸入された作動油が空気を含んでいた場合、高圧の作動油が急激にポンプ室に逆流(してポンプ室内の空気を圧縮)し、絞り部における作動油の流速が高くなるため、キャビテーションが発生するおそれが高くなる。
図9(a)は、従来のベーンポンプにおいて、ポンプボディ(プレート)の面に設けられた薄溝に対してベーンの端面が対向しつつ移動する際、上記薄溝とベーン端面との間の隙間(絞り部)を通って逆流する作動油の速度分布を模式的に示したものである。図9(a)に示すように、絞り部の周壁は、薄溝(ポンプボディ)とベーンの端面とにより構成されており、これらで囲まれる隙間内を作動油が流れる。作動油の速度は、周壁に近づくほど壁面との外部摩擦によって遅くなり、周壁から離れるほど速くなる。よって、作動油の速度は周壁からの遠近に応じた傾き(速度勾配Δ)を有しており、周壁に近づくほど速度勾配Δが大きくなる。このように、周壁の一部分(ベーン端面)がポンプボディに対して固定されておらず移動する場合、周壁(ベーン端面)から見た作動油の平均移動速度は変化する。言い換えると、周壁(ベーン端面)に対する作動油の相対速度は変化する。ここで、周壁(ベーン端面)の移動方向が作動油の流れる方向と逆であるときは、作動油の相対速度が、周壁(ベーン端面)の移動速度分だけ、大きくなる。具体的には、ベーンは、作動油の流れる方向とは逆に移動しているため、(周壁を構成する)ベーン端面から見た作動油の速度、すなわちベーン端面に対する作動油の平均移動速度は、ベーンの移動速度の分だけ大きくなる。よって、キャビテーションが発生するおそれが高くなる。すなわち、周壁が固定されている場合、この周壁(ポンプボディ)の近傍において、作動油の速度勾配は比較的小さい(これをΔ0とする。)が、移動する周壁(ベーン端面)の近傍における作動油の速度勾配(これをΔ1とする。)は、Δ0よりも大きくなる(Δ0→Δ1)。速度勾配Δが大きくなるということは、この部位において、作動油の内部に作用する内部摩擦、すなわち作動油に作用する剪断応力が大きくなり、局部的に圧力の低下が起こるということである。よって、キャビテーションが発生してしまう。また、ポンプの回転速度によって作動油の速度勾配Δが変わってしまうので、作動油の移動速度(逆流速度)が変化してしまい、薄溝(ポンプボディ)とベーン端面との間の最適な隙間面積が、ポンプ回転速度によって変わってしまう。
これに対し、本実施例1のポンプ1では、ポンプ室rが吸入領域から吐出領域へ移行する際に連通する絞り部を構成する周壁(吐出ポート始端部84,85)において、ポンプボディ4(フロントボディ42及びプレート41)に対して移動する周壁部分の割合(ベーン7が占める割合)を減らした。よって、絞り部において、その周壁に対して作動油の相対速度が大きい範囲が狭くなる。言い換えると、絞り部において、その周壁に対する作動油の相対速度が低下して速度勾配Δが小さくなる領域が広くなる。よって、上記問題を解決し、キャビテーションの発生(及びこれによる騒音)を抑制できる。具体的には、絞り部の周壁(吐出ポート始端部84,85)を、ポンプボディ4(フロントボディ42及びプレート41)に対して移動する移動部材(ベーン7の端面72)により構成するのではなく、移動部材(ベーン7)を収容する収容部材(カムリング8及びポンプボディ4)により構成した。言い換えると、絞り部の周壁を、ポンプ1の回転に応じて移動する部材(ベーン7等の回転部材)により構成するのではなく、回転部材(ロータ6やベーン7)を収容する収容部材(カムリング8及びポンプボディ4)により構成した。ここで、ポンプボディ4に対するベーン端面72の速度はポンプ1の回転速度が高いほど高くなるため、ポンプ1が高回転であるほど効果的に、上記効果を発揮できる。なお、本実施例1では、絞り部を構成する周壁の全てを収容部材(カムリング8及びポンプボディ4)により構成したが、移動部材(ベーン7)が周壁を部分的に構成してもよい。例えば、カムリング8の端面82,83に設けた溝とフロントボディ42又はプレート41のz軸方向端面における(ベーン端面72が対向して移動する領域に設けた)溝との組み合わせにより、絞り部の周壁(吐出ポート始端部)を構成することとしてもよい。本実施例1では、絞り部の周壁の全てを収容部材により構成したため、ベーン端面72の移動によるキャビテーションの発生をより効果的に抑制できる。
図9(b)は、実施例1のポンプ1において、カムリング8の面82に設けられた吐出ポート始端部84と、これに対向配置されたポンプボディ4(フロントボディ42)との間の隙間(絞り部)を通って逆流する作動油の速度分布を模式的に示したものである。図9(b)に示すように、絞り部の周壁は、薄溝(吐出ポート始端部84)とフロントボディ42の端面とにより構成されており、これらで囲まれる隙間内を作動油が流れる。このように、(カムリング8の揺動を無視すると、)周壁(吐出ポート始端部84)がポンプボディ4(フロントボディ42)に対して固定されて移動しないため、周壁に対する作動油の平均移動速度(相対速度)は変化しない。なお、カムリング8はポンプボディ4(フロントボディ42及びプレート41)に対して揺動するが、この揺動速度は作動油の流速に比べて極めて小さいため、作動油が流通する絞り部の周壁という観点からは、カムリング8に設けられた吐出ポート始端部84は、ポンプボディ4に対して「固定」されていると見なすことができる。よって、ベーン端面72の移動方向が作動油の流れる方向と逆であっても、絞り部における作動油の相対速度が変化せず、大きくならないため、キャビテーションの発生を抑制することができる。すなわち、周壁が固定されているため、周壁の近傍において、周壁に対する作動油の速度勾配は比較的小さいΔ0のままである。したがって、作動油に作用する剪断応力が大きくなること、すなわち局部的に圧力の低下が起こることが抑制され、キャビテーションの発生が抑制される。また、ポンプの回転速度によって作動油の速度勾配Δが変わらないため、吐出ポート始端部84とフロントボディ42の端面との間の隙間面積を、ポンプ回転速度に関わらず最適な大きさに設定することができる。
吐出ポート始端部84は、ポンプボディ4(フロントボディ42及びプレート41)における吐出ポート44(吐出側円弧溝440)の溝深さよりも浅くカムリング8の軸方向端面82に設けられ、その内径側でカムリング内周面80に開口する浅溝部840と、浅溝部840の溝深さよりも深くカムリング8の軸方向端面82に設けられ、浅溝部840の外径側に連通すると共に、回転方向側端でカムリング内周面80に開口する深溝部841を有している。よって、ポンプ室r*内へ吐出ポート始端部84から作動油が流入する際、作動油は、吐出ポート44に連通する他のポンプ室r(ポンプ室r*よりも回転方向側にあり深溝部841が開口するポンプ室)から先ず深溝部841へ流れ、深溝部841から浅溝部840を通ってポンプ室r*へ流れる。このとき、深溝部841は浅溝部840の外径側に連通しているため、作動油は、浅溝部840において、外径側(深溝部841の側)から内径側(ポンプ室r*の側)へ径方向に流れる(径方向に整流される)こととなる。このように、本実施例1では、絞り部(吐出ポート始端部84)に作動油の整流手段を設けたため、ベーン先端部70がカムリング内周面80における浅溝部840の開口部を塞ぐように移動しても、この移動方向は周方向であり、絞り部(吐出ポート始端部84)における作動油の流通方向とは異なる(直交する)。よって、ベーン先端部70が絞り部(吐出ポート始端部84)における作動油の流路周壁を構成する事態が回避されるため、キャビテーションの発生をより効果的に抑制することができる。
また、深溝部841を設けない場合に比べ、浅溝部840における作動油の流れが径方向に整流されるため、例えば浅溝部840の径方向寸法を調整することで、絞り部(浅溝部840)の流路長をより長く設けることが可能であり、これにより吐出ポート始端部84における作動油の流速をより低減することができる。すなわち、浅溝部840とポンプボディ4(フロントボディ42及びプレート41)との間の隙間において、作動油の流れ方向(径方向)の周壁の長さを長くとることにより、作動油と周壁面との外部摩擦による流速低減効果を向上し、絞り効果を向上することができる。本実施例1では、カムリング8の径方向における浅溝部840の寸法l1は、ベーン7の厚さ(ベーン端面72の周方向寸法)よりも大きく設けられている。よって、ポンプボディに設けた薄溝とベーンの端面とにより絞り部の周壁を構成した場合に比べ、絞り部(浅溝部840)の流路長をより長く設け、これにより絞り部における作動油の流速をより低減することができる。したがって、キャビテーションの発生をより効果的に抑制することができる。なお、本実施例1では浅溝部840の深さh1を一定としたが、必ずしも一定でなくてもよく、浅溝部840は回転方向や径方向に徐々に深さが変化するように設けてもよい。また、本実施例1では浅溝部840の内径側の縁がその全範囲に亘ってカムリング内周面80に開口することとしたが、浅溝部840の内径側の縁が部分的にカムリング内周面80に開口することとしてもよい。
本実施例1では、カムリング内周面80に開口する浅溝部840の内径側の縁に、面取り部842を設けた。言い換えると、カムリング8の軸方向端面82の内周において、浅溝部840が設けられた周方向部位に、テーパ状の角部を設けた。よって、浅溝部840からカムリング8の内周側(ポンプ室r)へ流入する作動油の急激な拡散が抑制される。すなわち、作動油が浅溝部840からポンプ室rへ流入する際、面取り部842において作動油の流路断面積が徐々に拡大するため、作動油の急激な体積膨張(断熱膨張)による圧力低下が起こることが抑制されるため、キャビテーションをより確実に低減することができる。なお、面取り部842の面取り角度ζは任意に設定可能である。面取り部842の形状も、平面に限らず例えば円弧状でもよい。また面取り部842を省略することとしてもよい。
図8に示すように、本実施例1では、深溝部841の回転方向側の端部(終端部846)は、回転方向に向かうにつれて内径側にオフセット(偏倚)して延びるように、径方向に対して傾いて設けられている。よって、吐出ポート44から作動油が(回転負方向側へ)逆流して吐出ポート始端部84へ流入する際、深溝部841(終端部846)の開口部から深溝部841の回転負方向側部分へ向かおうとする作動油の移動を円滑化できる。よって、深溝部841の全体に容易に作動油を行き渡らせることができ、これにより深溝部841から浅溝部840を通る作動油の流通を円滑化できる。すなわち、吐出ポート始端部84の絞り機能を向上することができる。
なお、本実施例1では、絞り部を構成する周壁(吐出ポート始端部84,85)としての溝をカムリング8に設けたが、カムリング8の軸方向端面82,83とz軸方向で対向するポンプボディ4(フロントボディ42・プレート41)の面に溝を設け、これとカムリング8の面82,83との間で絞り部を構成することとしてもよい。この場合、カムリング8の揺動に関わらず絞り部の溝がポンプ室と連通できるように溝の開口をベーン端面72の軌跡(ベーン端面72がポンプボディの面を掃く領域)の側に若干オフセットして設ける必要があり、また、絞り部の流量調整が容易でないおそれがある。これに対し本実施例1では、吐出ポート始端部84としての溝(浅溝部840等)をカムリング8の面82,83に設け、絞り部の周壁を上記溝とポンプボディ4(フロントボディ42・プレート41)の面とにより構成することとした。よって、ポンプボディ4の側に絞り部の溝を設けた上記場合に比べ、カムリング8を揺動させるポンプ構成であっても絞り部の流量調整が容易であると共に、絞り部(吐出ポート始端部84)の溝とベーン端面72との間で周壁が構成される事態を回避し、キャビテーションをより確実に抑制することができる。
なお、吐出ポート始端部を、カムリング8のフロント側とリア側の端面82,83の一方に設けることとしてもよい。本実施例1では、両方の端面82,83に吐出ポート始端部84,85を設けたため、吐出ポート44及びポンプ室rの圧力変動をより効果的に抑制しつつ、キャビテーションを抑制することができる。また、本実施例1では、カムリング8の端面82,83に薄溝(吐出ポート始端部84,85)を設けることで、絞り部の周壁において移動部材が占める割合(ベーン7が摺接する領域の割合)を減らしたが、カムリング8の内部に(吐出ポート始端部84をそのままz軸方向に平行移動させたような)溝を周方向に延びるように設け、これをカムリング内周面80に開口させることとしてもよい。また、ポンプボディ4のz軸方向端面410等に、開口幅が(例えば吐出ポート始端部84の深さh1であって)狭く、z軸方向深さが(例えば吐出ポート始端部84の径方向寸法lであって)大きい溝を周方向に延びるように設けることとしてもよい。これらの場合も、周壁が略カムリング8のみで構成されてベーン7が摺接する面積が小さい絞り部を構成することができる。本実施例1では、カムリング8の端面82,83に薄溝を設けることとしたため、加工コストを低減できる。また、深溝部841等の構成を容易に設けることができるため、流量や流通経路(流れ方向等)の設計自由度を向上することができる。
[効果]
以下、実施例1から把握される本発明のポンプ1の効果を列挙する。
(1)駆動軸5により回転駆動されるロータ6と、ロータ6の外周に形成された複数のスリット61の夫々に突没可能に収容されたベーン7と、ロータ6を囲んで配置されるカムリング8と、カムリング8、ロータ6、及びベーン7を内部に収容するポンプボディ4(プレート41、フロントボディ42)と、を備え、ポンプボディ4は、カムリング8及びロータ6の軸方向端面に対向して配置されてカムリング8、ロータ6、及びベーン7と共に複数のポンプ室rを形成する軸方向端面410を有し、ポンプボディ4の軸方向端面410には、ロータ6の回転に応じてポンプ室rの容積が拡大する吸入領域に開口する吸入ポート43と、ロータ6の回転に応じてポンプ室rの容積が縮小する吐出領域に開口する吐出ポート44と、が設けられたベーンポンプにおいて、吐出ポート44に連通すると共に、ポンプ室rが吐出領域へ移行する際にこのポンプ室rと連通する絞り部(吐出ポート始端部85)を、互いに対向するカムリング8の軸方向端面83とポンプボディ4の軸方向端面410との間に設けた。
よって、ポンプ室rが吐出領域へ移行する際にキャビテーションの発生を抑制し、これによる騒音を低減できる。
(2)絞り部は、カムリング8の軸方向端面82,83に設けられた溝(吐出ポート始端部84,85)を有することとした。
よって、絞り部の流量等の調整や加工が容易である。
(3)溝(吐出ポート始端部84)は、吐出ポート44(吐出側円弧溝440)よりも浅く、内径側でカムリング内周面80に開口する浅溝部840と、浅溝部840よりも深く、浅溝部840の外径側に連通すると共に、ポンプ回転方向側端でカムリング内周面80に開口する深溝部841と、を有することとした。
よって、絞り部(浅溝部840)における作動油の流れ方向がベーン先端部70の移動方向と平行になることを抑制してキャビテーションの発生をより効果的に抑制し、かつ、絞り部(浅溝部840)における流路長を長くして絞り効果を向上することができる。
(4)カムリング内周面80に開口する浅溝部840の内径側の縁に、面取り部842を設けた。
よって、キャビテーションをより効果的に低減することができる。
(5)深溝部841のポンプ回転方向側の端部(終端部846)は、ポンプ回転方向に向かうにつれて内径側に偏倚するように設けられている。
よって、絞り部(吐出ポート始端部84)の絞り機能を向上することができる。
〔他の実施例〕
以上、本発明を実施例1に基づいて説明してきたが、各発明の具体的な構成は実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。例えば、作動流体として、油(ATF)以外の流体を用いることも可能である。実施例1では、ベーン7(スリット61)を、ロータ径方向に沿って延びるように設けたが、ロータ径方向に対して傾斜して設けてもよい。実施例1では、カムリング内周が円筒状でありカムリングが揺動することでポンプ室の容積を変化させるタイプのベーンポンプを例にしたが、カムリングの内周が異形(非円筒状)でありカムリングがポンプボディに固定されたままカムリング内周の形状に沿ってベーンが摺接することでポンプ室の容積を変化させるタイプのベーンポンプに本発明を適用することとしてもよい。この場合、ポンプ吐出量を可変制御するために流量制御装置を別途設けることが可能である。また実施例1では、プレート41とフロントボディ42の両方に吸入ポート、吐出ポート、吸入側背圧ポート、吐出側背圧ポートを形成したが、一方側にのみ設けるようにしてもよい。
1 ベーンポンプ
4 ポンプボディ
43 吸入ポート
44 吐出ポート
410 軸方向端面
5 駆動軸
6 ロータ
61 スリット
7 ベーン
8 カムリング
82,83 軸方向端面
84,85 吐出ポート始端部(絞り部)
840 浅溝部
841 深溝部
r ポンプ室

Claims (5)

  1. 駆動軸により回転駆動されるロータと、
    前記ロータの外周に形成された複数のスリットの夫々に突没可能に収容されたベーンと、
    前記ロータを囲んで配置されるカムリングと、
    前記カムリング、前記ロータ、及び前記ベーンを内部に収容するポンプボディと、を備え、
    前記ポンプボディは、前記カムリング及び前記ロータの軸方向端面に対向して配置されて前記カムリング、前記ロータ、及び前記ベーンと共に複数のポンプ室を形成する軸方向端面を有し、
    前記ポンプボディの前記軸方向端面には、前記ロータの回転に応じて前記ポンプ室の容積が拡大する吸入領域に開口する吸入ポートと、前記ロータの回転に応じて前記ポンプ室の容積が縮小する吐出領域に開口する吐出ポートと、が設けられたベーンポンプにおいて、
    前記吐出ポートに連通すると共に、前記ポンプ室が吐出領域へ移行する際に該ポンプ室と連通する絞り部を、互いに対向する前記カムリングの前記軸方向端面と前記ポンプボディの前記軸方向端面との間に設けた
    ことを特徴とするベーンポンプ。
  2. 請求項1に記載のベーンポンプにおいて、
    前記絞り部は、前記カムリングの前記軸方向端面に設けられた溝を有する
    ことを特徴とするベーンポンプ。
  3. 請求項2に記載のベーンポンプにおいて、
    前記溝は、
    前記吐出ポートよりも浅く、内径側で前記カムリングの内周面に開口する浅溝部と、
    前記浅溝部よりも深く、前記浅溝部の外径側に連通すると共に、ポンプ回転方向側端で前記カムリングの内周面に開口する深溝部と、を有する
    ことを特徴とするベーンポンプ。
  4. 請求項3に記載のベーンポンプにおいて、
    前記カムリングの内周面に開口する前記浅溝部の内径側の縁に面取り部を設けたことを特徴とするベーンポンプ。
  5. 請求項3又は4に記載のベーンポンプにおいて、
    前記深溝部のポンプ回転方向側の端部は、ポンプ回転方向に向かうにつれて内径側に偏倚するように設けられていることを特徴とするベーンポンプ。
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