JP2012161827A - サブマージアーク溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高速度の溶接条件においても溶接作業性が良好で、優れた機械性能の溶接金属が得られるサブマージアーク溶接方法を提供する。
【解決手段】 質量%で、SiO:8〜25%、Al:30〜50%、MgO:0.5〜8.0%、MnO:5.5〜11.0%、CaO:5〜20%、CaF:25〜48%、KO:0.10〜3.0%を含有し、その他は酸化鉄および不可避不純物からなる溶融型フラックスとC:0.03〜0.25%、Si:0.004〜1.20%、Mn:0.25〜2.80%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるソリッドワイヤとを組合せて溶接することを特徴とするサブマージアーク溶接方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、造船、鉄骨、造管、橋梁、車両などの一般構造物やLPG貯蔵タンク、低温用機器、寒冷地向け鋼構造物などの溶接に用いられるサブマージアーク溶接方法に関し、特に1m/min以上の高速度の溶接条件においても優れた機械性能の溶接金属、ビード形状および溶接作業性が得られるサブマージアーク溶接方法に関する。
サブマージアーク溶接は、高能率で安定した溶接作業性および優れた機械性能を有する溶接金属が得られることから、造船、鉄骨、造管、橋梁、車両など幅広い分野で適用されている。
近年、エネルギー産業の発展に伴い鋼材の高強度化および高靭性化、また構造物の大型化に伴う板厚の極厚化などが検討され、高強度または極厚の鋼材へのサブマージアーク溶接の適用比率が年々増加している。そこで、サブマージアーク溶接においては、溶接施工における生産性の向上や安全性、耐久性の確保のため、更なる品質向上が求められており、その中でも特に溶接の高能率化と溶接金属の高靭性化の要望が極めて大きい。
従来、サブマージアーク溶接には、溶融型のフラックスおよび焼成型のフラックスが用いられ、フラックスの成分に合わせてソリッドワイヤが主に使用されている。溶融型フラックスは、各種鉱物原材料を1500℃以上の高温度で溶融し、冷却後粉末状に粉砕したものであり、吸湿が少なく、溶接金属の拡散性水素量を低くすることができ、取扱や保管が容易であるという特徴がある。一方、焼成型フラックスは、各種原材料に水ガラス等を添加して造粒し、500℃程度で焼成したものであり、溶接金属の化学成分を自由に調整できるという優れた特徴があるが、吸湿しやすいという欠点がある。
高強度および極厚鋼材のサブマージアーク溶接には、溶接金属の高靭性化、高速度化、安定した品質確保のため、特に溶融型フラックスを適用することが多い。しかし、溶融型フラックスは溶接金属の化学成分を自由に調整することができないため、溶接金属の高靭性化のためには塩基度を高め、溶接金属の酸素量を低くしなければならない。ただし、単に塩基度を高めるだけでは高靭性化の限界があり、また、正常なビード形状および良好な溶接作業性を得ることはできない。そこで、溶接金属の化学成分を調整し、高靭性化するためにはソリッドワイヤにSi、Mn等の合金成分を含有させる必要がある。また、溶接金属の適正な引張強度および靭性を得るためには、フラックスおよびソリッドワイヤそれぞれの化学成分を考慮し、最適な組合せを選定する必要がある。
これらの点を考慮し、良好な溶接金属機械性能および溶接作業性が得られるサブマージアーク溶接用溶融型フラックスおよびサブマージアーク溶接方法の開発が試みられている。
例えば特許文献1には、高速サブマージアーク溶接における溶接ビード形状の改善およびスラグ剥離性の向上を目的に、フラックス組成中のTiOおよびZrOを限定し、溶接作業性の改善を図った技術の開示がある。一般的にTiOおよびZrOはアーク安定剤として知られており、サブマージアーク溶接用溶融型フラックスにも適用されることが多いが、ZrOは融点が高くフラックスの融点あるいは軟化溶融点を上げるので、高速溶接には不向きで良好な溶接作業性は得られない。
特許文献2には、ニッケルスラグと溶融型フラックスを混合し、高速サブマージアーク溶接における溶接作業性の改善を図った技術の開示がある。ニッケルスラグは、ニッケルの精錬工程において、ニッケル鉱石からニッケルを溶解還元した後のスラグであり、組成はSiO:50〜60質量%、MgO:30〜40質量%を主成分とする共晶組成で、安定した原料である。しかし、ニッケルスラグと溶融型フラックスを混合しただけでは、ニッケルスラグと溶融型フラックスの粒度構成および嵩比重が異なるため、均一に混合することができず、また搬送中および使用中にニッケルスラグと溶融型フラックスが分離して偏析するので安定した溶接作業性は得られない。
また、特許文献3に、フラックスの成分、融点および粘度を限定して高速サブマージアーク溶接における溶接作業性改善を図った技術が開示されている。フラックスの塩基度と溶接作業性の影響調査を行い、さらにフラックスの融点および粘度を指標化して高速溶接における作業性改善を図っているが、SiO、CaO、CaFの組成範囲が非常に広く、SiO、CaO、CaFは、それぞれ全く異なる作用効果を呈することから、これらの組成範囲では、安定した溶接作業性は得られない。
特許文献4には、高速のサブマージアーク溶接における溶接作業性と低温靭性の改善を図った溶融型フラックスが開示されている。しかし、SiOが高いため溶接金属の酸素量が高くなり、高靭性化の要求に対しては不十分なものとなる。またMgOが高いためフラックスの軟化溶融点が高くなり、ビード表面に突起物の発生や波目が粗くなり、スラグ剥離性およびビード外観が不良となる。
また、特許文献5に、フラックスの粒度調整による溶接作業性改善や溶接金属の酸素量低減による靭性向上を図った溶融型フラックスが開示されている。しかし、Alが少量しか添加されておらず、良好なスラグ剥離性およびビード外観を得ることはできない。Alは良好なスラグ剥離性およびビード外観を得るためには極めて重要な成分であり、またアーク安定性を良好にする効果もあるため、特許文献5に記載のAl添加量ではその効果が得られない。
さらに、サブマージアーク溶接用複合ワイヤ適用した技術が特許文献6に開示されている。溶接金属の高靭化と溶接作業性改善を図っているが、このフラックス入りワイヤでは、ワイヤ中の酸素量が高いため溶接金属中の酸素量が増加して良好な低温靭性が得られない。さらに、ワイヤ断面形状は継ぎ目を有すフラックス入りワイヤであるので、大気中の水分を吸湿する。したがって、フラックスの水分量を減少しただけでは不十分であり、溶接金属中の拡散性水素量が増加して溶接後に低温割れが発生し易くなるという問題もある。
特開昭59−10496号公報 特開平2−92497号公報 特開平4−238694号公報 特開平6−285679号公報 特開平8−187593号公報 特開2006−142377号公報
本発明は、特に1m/min以上の高速度の溶接条件においても溶接作業性が良好で、優れた機械性能の溶接金属が得られるサブマージアーク溶接方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために、溶融型フラックスの化学組成および組合せるソリッドワイヤの化学成分に着目し、これらについて鋭意研究を行った。その結果、溶融型フラックスの化学組成を限定し、組合せるソリッドワイヤの化学成分を限定することにより、高速度の溶接条件においても高靭性の溶接金属を得ることができ、良好な溶接作業性およびビード形状が得られ、溶接欠陥の無い高品質の溶接部を得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、質量%で、SiO:8〜25%、Al:30〜50%、MgO:0.5〜8.0%、MnO:5.5〜11.0%、CaO:5〜20%、CaF:25〜48%、KO:0.10〜3.0%を含有し、その他は酸化鉄および不可避不純物からなる溶融型フラックスとC:0.03〜0.25%、Si:0.004〜1.20%、Mn:0.25〜2.80%を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるソリッドワイヤとを組合せて溶接することを特徴とする。
また、ソリッドワイヤにTiを0.30%以下含有することも特徴とするサブマージアーク溶接方法にある。
本発明のサブマージアーク溶接方法によれば、溶接速度が1m/min以上の高速度の溶接条件においても高靭性の溶接金属を得ることができ、良好な溶接作業性およびビード形状が得られ、溶接欠陥の無い高品質の溶接部を得ることができる。
本発明の実施例で用いたシングル多層盛溶接試験板の開先形状を示す図である。 本発明の実施例で用いたX開先両面多電極1パス溶接試験板の開先形状を示す図である。
本発明者らは、良好な溶接作業性を維持し、溶接金属の靭性を向上するために最適な溶融型フラックスの化学組成および組合せるソリッドワイヤの化学成分などについて検討を行った。
サブマージアーク溶接での溶接速度の高速度化および溶接金属の高靭性化は、フラックスの化学組成が重要であり、非常に大きな影響を及ぼす。そこでフラックスは溶融型フラックスを適用することによって高速度の溶接が可能となり、ビード形状もフラットで波目の細かい美しい外観が得られた。しかし、溶接金属の高靭性化のためにはフラックスの塩基度を高める必要があり、塩基性の鉱物原材料の添加量を増加した結果、溶接金属の靭性は向上したが、逆にスラグ剥離性、ビード外観、アーク安定性が劣化した。
一般的にフラックスの塩基度を高めると溶接作業性が劣ることは公知であり、単に塩基度を上げるだけでは良好な溶接作業性と溶接金属機械的性能の両立は図れない。そこで、良好な溶接金属機械的性能を維持し、優れた溶接作業性を得るために新たに見出したのがAlの添加増量である。Alは良好なスラグ剥離性およびビード外観を得るための極めて重要な成分である。一般的なサブマージアーク溶接用溶融型フラックスにはAlが含有されていることは公知であるが、多量に含有されたフラックスは今までに無い。また、Alは一般的には塩基度を下げるといわれているが、中性酸化物であるため、多少添加量を増量させても溶接金属の酸素量は高くならないことが明らかとなった。
Alの添加増量により良好なスラグ剥離性およびビード外観を得ることが可能となったが、サブマージアーク溶接は1〜2電極を使用した多層盛溶接や3〜4電極を使用した多電極1パス溶接など様々な溶接施工法があり、特に多電極溶接では高速度の溶接になるので、Alの添加増量だけでは安定したアーク状態を維持することが困難であった。そこで、安定したアーク状態を確保するために見出したのが、KOの少量添加である。KOはアーク安定剤として良く知られているが、多量に添加するとビード表面の光沢が失われ外観が劣化し、さらに溶接ヒュームの発生量が著しく増加する。よって、ビード外観を劣化させず、溶接ヒュームの発生量が増加しない少量でかつ最適なKO添加量を限定することによって、高速度の溶接においても安定したアーク状態を得ることが可能となった。
フラックスの化学組成の検討だけでは、溶接金属の靭性向上に限界があり、さらなる靭性向上のため、組合せるワイヤについても検討を行った。
溶接金属の高靭性化については、溶接金属の酸素バランスおよび合金元素添加による結晶粒組織の適正化が最も重要である。そこでソリッドワイヤの合金成分について検討を行った。
まず、ワイヤ成分において強脱酸剤のMgやAlを適用し、溶接金属の酸素コントロールを行ったが、Mgはアーク雰囲気中で気化しやすく、ピットやブローホールなどの溶接欠陥が生じた。また、Alは溶接金属に粗大なAl酸化物を多量に生成させるため、アシキュラーフェライト主体の組織では、粗大な酸化物が破壊の起点となり、靭性を著しく低下させた。
次に溶接金属のフェライトマトリックス自体の靭性を向上させるためNiの添加や結晶粒組織の微細化のためにMoの添加を行った結果、溶接金属の靭性は向上し優れた性能が得られたが、ソリッドワイヤにNiおよびMoを添加した結果、ワイヤ自体が高強度となり、ワイヤ送給性の劣化や開先中心とワイヤ狙い位置のずれが起きやすく、良好なビードが得られず溶接性が低下する問題が発生した。またNiやMoを用いるとコスト高となる。
そこで、MgおよびAlに代わる脱酸剤、NiおよびMoに代わる結晶粒組織の微細化のための添加元素として見出したのがC、Si、MnおよびTiの添加である。C、SiおよびMnは脱酸剤として良く知られているが、今回開発した溶融型フラックスに最適な組合せとなる添加量およびバランスを検討した結果、溶接金属の酸素量を低く安定的にコントロールすることが可能となり、さらにTiの適正量添加によって、溶接金属組織中にTi酸化物を生成させ、これを核として微細なアシキュラーフェライトを生成させることで溶接金属の靭性を向上させることができた。
以上の結果から、溶融型フラックスの化学組成を限定し、組合せるソリッドワイヤの化学成分を限定することにより、高速度のサブマージアーク溶接において、高靭性の溶接金属を得ることができ、良好な溶接作業性およびビード形状が得られ、溶接欠陥のない高品質の溶接部を得ることができることを見出した。
まず、以下に本発明に用いるサブマージアーク溶接用溶融型フラックス成分組成の限定理由について説明する。なお、以下成分についての%は、質量%を示す。
SiOは、良好な溶接ビードを形成するための重要な成分であるが、過多になると溶接金属中の酸素量が増加して靭性が劣化する。SiOが8%未満ではビード趾端部のなじみが悪くなり、スラグ剥離性が劣化し、また特に高速度の溶接においてはアンダーカットも生じる。一方、25%を超えると溶接金属の酸素量が増加して靭性が劣化する。したがって、SiOは8〜25%とする。
Alは、高速度の溶接で良好なスラグ剥離性およびビード外観を得るためには極めて重要な成分である。また、アーク安定性を良好にする効果もある。Alが30%未満ではその効果が得られない。一方、50%を超えると凸ビードとなりスラグ剥離性も不良になる。したがって、Alは30〜50%とする。
MgOは、スラグの耐火性および塩基度を向上させる効果がある。MgOが0.5%未満ではフラックスの塩基度が低くなり、溶接金属中の酸素量が増加して靭性が劣化する。一方、8.0%を超えるとフラックスの軟化溶融点が高くなり、ビード表面に突起物の発生や波目が粗くなり、スラグ剥離性およびビード外観が不良となる。したがって、MgOは0.5〜8.0%とする。
MnOは、スラグの粘性、流動性および融点の調整をするのに有効な成分である。MnOが5.5%未満ではスラグの粘度が低下して流動性が劣化し、特に高速度の溶接においてはビード蛇行およびアンダーカットが生じる。一方、11.0%を超えるとスラグの粘度が高くなりすぎてスラグ巻き込み、焼き付きが発生してスラグ剥離性が劣化する。したがって、MnOは5.5〜11.0%とする。
CaOは、スラグの融点および流動性を調整するために重要な成分である。CaOが5%未満ではビード趾端部のなじみが悪くビード外観が不良となり、高速度の溶接ではアンダーカットも生じる。一方、20%を超えるとスラグ流動性が不良となり、ビード高さが不均一でスラグ剥離性も不良になる。したがって、CaOは5〜20%とする。
CaFは、靭性改善に効果があるが、融点が低いため過多になるとビードの平滑性が損なわれる。CaFが25%未満では靭性改善の効果がなく、48%を超えるとビード外観が不良となる。したがって、CaFは25〜48%とする。
Oは、高速度の溶接において安定したアーク状態を得るためには極めて重要な成分である。KOが0.10%未満ではその効果が得られない。一方、3.0%を超えるとビード表面の光沢が失われ外観が劣化し、さらに溶接ヒュームの発生量が著しく増加する。したがって、KOは0.10〜3.0%とする。
なお、フラックスの粒度構成は、溶融金属の大気とのシールド性およびガス抜けを考慮して1.4×0.21mmで、粒径が0.21mm未満のフラックスが12%以下であることが好ましい。
溶融型フラックスの化学組成のその他は、酸化鉄(FeO等)およびP、S等の不可避不純物であり、PおよびSは共に低融点の化合物を生成して靭性を低下させるので、できるだけ低いことが好ましい。
次に、溶融型フラックスと組合せるソリッドワイヤの成分組成について述べる。
Cは、固溶強化により溶接金属の強度を確保する重要な元素であると共に、アーク中の酸素と反応しアーク雰囲気および溶接金属の酸素量を低減する効果がある。Cが0.03%未満では前記脱酸および強度確保の効果が不十分であり、靭性も低下する。一方、0.25%を超えると溶接金属のCが高くなるためマルテンサイト主体の組織となり、強度が高く靭性が低下する。したがって、Cは0.03〜0.25%とする。
Siは、溶接金属の強度および靭性向上に重要な元素であり、溶接中に酸素と結合しスラグ成分となるため、溶接金属の酸素量を低減する効果がある。ワイヤ成分のSiの添加量は少なくても他の脱酸剤元素であるCおよびMn、Tiが添加されているため溶接金属の酸素量は低く、良好な溶接金属靭性は得られるが、より良好な溶接金属靭性を得るためにSiは0.004%以上とする。一方、1.20%を超えると溶接金属のマトリックスを固溶強化するが、フェライト結晶粒を粗大化させるため著しく靭性が低下する。したがって、Siは0.004〜1.20%とする。
Mnは、焼入れ性を向上させて強度を高めるのに有効な成分である。ワイヤ成分のMnが0.25%未満では、焼入れ性が不足して強度が低くなる。一方、2.80%を超えると焼入れ性が過多となり、溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。したがって、Mnは0.25〜2.80%とする。
Tiは、溶接金属組織中にTi酸化物を生成させ、これを核として微細なアシキュラーフェライトを生成させる結晶粒組織を微細化する。しかし、Tiが添加されていなくても、C、SiおよびMnの添加により溶接金属の酸素量は低く、良好な溶接金属靭性は得られるが、多電極を用いた入熱の高い1パス溶接を行う場合、冷却速度の低下により結晶粒組織が粗大化する傾向にあるため、結晶粒組織の粗大化防止の観点から、その含有量を0.005%以上添加することが望ましい。一方、0.30%を超えると焼入れ性が過多となり、溶接金属の強度が高くなり靭性が低下する。したがって、Tiは0.30%以下とする。
ソリッドワイヤの成分組成のその他は、Feおよび不可避不純物であり、代表的不可避不純物としてのPおよびSは共に低融点の化合物を生成して、靭性を低下させるため、できるだけ低いことが好ましい。
本発明の高能率サブマージアーク溶接方法は、安定したアーク、ワイヤ送給性、溶着効率向上を可能とした溶接をするために、組合せるワイヤ径は2.0〜4.8mmとすることが好ましい。
以下、実施例により本発明の効果をさらに詳細に説明する。
表1に示す各種成分の溶融型フラックスと表2に示す各種ソリッドワイヤを試作し、これらを組合せてシングル多層盛溶接の溶接金属機械性能評価および溶接作業性評価として、表3に示す板厚25mmの鋼板を、図1に示すように、開先角度1を30°、ルート間隔2を13mmの開先形状に鋼板3を加工し、表4に示す溶接条件で溶接試験を実施した。
また、高速度の溶接条件における溶接金属機械性能評価および溶接作業性評価をするため、X開先両面多電極1パス溶接試験を表3に示す板厚25mmの鋼板を用いて、図2に示すように、表側Aの開先角度1を60°、開先深さ4を10mm、裏側の開先角度1を60°、開先深さ4を9mm、ルートフェイス5を6mmの開先形状に鋼板3を加工し、表5に示す溶接条件で溶接試験を実施した。
なお、表1に示す溶融型フラックスは、各種鉱物原材料を1500℃以上の高温度で溶融し、冷却後粉末状に粉砕して1.4×0.21mm(12×70mesh)の粒度に整粒したものを用いた。
また、表2に示すソリッドワイヤは各種化学成分に調整した原線を縮径、焼鈍、酸洗、メッキして素線とした。さらに、それらの素線を4.0mmおよび4.8mm径まで伸線して用いた。
Figure 2012161827
Figure 2012161827
Figure 2012161827
Figure 2012161827
Figure 2012161827
表6に各種試作溶融型フラックスと各種試作ソリッドワイヤの組合せを示す。各試験の評価は、シングル多層盛溶接およびX開先両面多電極1パス溶接時のアーク安定性、溶接後のビード外観・形状、スラグ剥離性、アンダーカットの有無およびX線透過試験による溶接欠陥の有無を調査し、さらに溶接金属の引張強度、靭性および溶接金属酸素量を調査した。
Figure 2012161827
溶接金属の機械性能評価は、シングル多層盛溶接試験体およびX開先両面多電極1パス溶接試験体の鋼板板厚の中央を中心にシャルピー衝撃試験片(JIS Z2202 4号)を採取した。また、引張試験片をシングル多層盛溶接試験体は鋼板板厚の中央を中心に(JIS Z 2201 A1号)採取し、X開先両面多電極1パス溶接試験体は表側ビードから鋼板表面下5mmを中心に(JIS Z 2201 A2号)を採取して、機械試験を実施した。靭性の評価は、シングル多層盛溶接試験体については−60℃におけるシャルピー衝撃試験により行い、各々繰返し数3本の平均により評価した。また、X開先両面多電極1パス溶接試験体については−40℃におけるシャルピー衝撃試験により行い、各々繰返し数3本の平均により評価した。なお、シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーはそれぞれ100J以上を良好とした。引張強度の評価はそれぞれ490MPa以上を良好とした。これらの調査結果を表6にまとめて示す。
表6中試験記号T1〜T10が本発明例、試験記号T11〜T20は比較例である。本発明例である試験記号T1〜T10は、フラックス記号MF1〜MF10および組合せたワイヤ記号W1〜W5が本発明の構成要件を満足しているので、シングル多層盛溶接およびX開先両面多電極1パス溶接ともに溶接作業性が良好で、溶接部に欠陥が無く、溶接金属の機械性能も優れており、極めて満足な結果であった。
比較例中の試験記号T11は、フラックス記号MF11のSiOが高いので、シングル多層盛溶接およびX開先両面多電極1パス溶接ともに溶接金属の酸素量が多く吸収エネルギーが低値であった。また、Alが低いのでスラグ剥離性およびビード外観が不良となり、さらにアーク状態も不安定であった。
試験記号T12は、フラックス記号MF12のSiOが低いので、シングル多層盛溶接およびX開先両面多電極1パス溶接ともにビード外観およびスラグ剥離性が不良でアンダーカットも発生した。また、組合せたワイヤ記号W7のCが高いので溶接金属の引張強度が高く、吸収エネルギーが低値であった。
試験記号T13は、フラックス記号MF13のAlが高いので、シングル多層盛溶接およびX開先両面多電極1パス溶接ともにビード形状およびスラグ剥離性が不良であった。また、MgOが低いので溶接金属の酸素量が多く吸収エネルギーが低値であった。
試験記号T14は、フラックス記号MF14のMgOが高いので、シングル多層盛溶接およびX開先両面多電極1パス溶接ともにビード外観およびスラグ剥離性が不良であった。また、CaFが低いので溶接金属の吸収エネルギーが低値であった。
試験記号T15は、フラックス記号MF15のMnOが高いので、シングル多層盛溶接およびX開先両面多電極1パス溶接ともにスラグ剥離性が不良で、スラグ巻き込み欠陥が生じた。また、KOが高いのでビード表面の光沢が失われ外観が劣化し、また溶接ヒュームの発生量が多かった。さらに組合せたワイヤ記号W6のSiが高いのでフェライト結晶粒が粗大化し、溶接金属の吸収エネルギーが低値であった。
試験記号T16は、フラックス記号MF16のMnOが低いので、シングル多層盛溶接およびX開先両面多電極1パス溶接ともにビードが蛇行してアンダーカットも生じた。また、組合せたワイヤ記号W8のCが低いので溶接金属の引張強度が低く、酸素量が多くなって吸収エネルギーが低値であった。
試験記号T17は、フラックス記号MF17のCaOが低いので、シングル多層盛溶接およびX開先両面多電極1パス溶接ともにビード外観が不良でアンダーカットも生じた。また、組合せたワイヤ記号W11のTiが高いので焼入れ性が過多となり、溶接金属の強度が高くなり吸収エネルギーが低値であった。
試験記号T18は、フラックス記号MF18のCaOが高いので、シングル多層盛溶接およびX開先両面多電極1パス溶接ともにビード外観およびスラグ剥離性が不良であった。また、組合せたワイヤ記号W9のMnが低いので溶接金属の引張強度が低く、酸素量が多く吸収エネルギーが低値であった。
試験記号T19は、フラックス記号MF19のCaFが高いので、シングル多層盛溶接およびX開先両面多電極1パス溶接ともにビード形状が不良であった。また、組合せたワイヤ記号W10のMnが高いので溶接金属の引張強度が高く吸収エネルギーが低値であった。
試験記号T20は、フラックス記号MF20のKOが低いので、シングル多層盛溶接およびX開先両面多電極1パス溶接ともにアーク状態が不安定となり、ビード形状が劣化した。
1 開先角度
2 ルート間隙
3 鋼板
4 開先深さ
5 ルートフェイス
A 表側
B 裏側

Claims (2)

  1. 質量%で、
    SiO:8〜25%、
    Al:30〜50%、
    MgO:0.5〜8.0%、
    MnO:5.5〜11.0%、
    CaO:5〜20%、
    CaF:25〜48%、
    O:0.10〜3.0%
    を含有し、その他は酸化鉄および不可避不純物からなる溶融型フラックスと
    C:0.03〜0.25%、
    Si:0.004〜1.20%、
    Mn:0.25〜2.80%
    を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなるソリッドワイヤとを組合せて溶接することを特徴とするサブマージアーク溶接方法。
  2. さらに、ソリッドワイヤにTiを0.30%以下含有することを特徴とする請求項1に記載のサブマージアーク溶接方法。
JP2011025386A 2011-02-08 2011-02-08 サブマージアーク溶接方法 Active JP5627493B2 (ja)

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