本実施形態のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する遊技性を有する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技の遊技性を両立させるために、本実施形態のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると、第1の抽選、第2の抽選がそれぞれ実行され、その当否抽選の結果が「大当り」であった場合、大入賞口が開閉を繰り返す特別遊技が開始される。大入賞口が開放されて遊技球が入球すると、その都度所定数の賞球が払い出されることで遊技者は大きな利益を獲得できる。
一方、第1の抽選または第2の抽選が「小当り」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口の短時間の開放がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、単位遊技を1回分しか有しないため「大当り」とは区別される。大入賞口へ入球した遊技球が大入賞口内の特定領域に入球すると、「小当り」から「大当り」へと昇格し、特別遊技が実行されるため、小当り遊技は従来にいう第2種ぱちんこ遊技と実質的に同様の動作となる。第1の抽選と第2の抽選とでは、第2の抽選の方が小当りの発生確率が高確率に設定される。
特別遊技が終了すると、所定の確率でいわゆる変動時間短縮遊技(以下、「時短」という)と呼ばれる特定遊技に移行する。時短は、当否抽選の結果を示す特別図柄の変動時間を通常状態よりも短くすることで一定時間あたりの図柄変動および当否抽選の回数を増加させる。また、時短中には第2始動入賞口への一定時間あたりの入球容易性が高められるため、その第2始動入賞口への入球により賞球が得られる頻繁が増し、遊技者は持ち玉の減少を抑制しながら効率よく大当りを狙うことができる。時短は、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(「終期回数」ともいう)に達するまで継続する。
また、このように時短中においては第2始動入賞口への入球容易性が高められるため、小当りの発生可能性が高まり、その分、小当りから発展する大当り(「小当り発展大当り」ともいう)の発生可能性も高まる。なお、小当り発展大当りによる特別遊技を「発展特別遊技」ともいう。時短中に大当りが発生した場合は、通常状態から大当りが発生した場合よりも高い確率でその特別遊技終了後に新たな時短へ移行される。通常遊技の通常状態においては、第2始動入賞口への入球容易性が低いため、まずは第1始動入賞口に入球させて特別遊技を発生させ、時短に移行させた上で小当り発展大当りを繰り返す大当りの連荘を狙う遊技方法が有利に形成される。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動入賞口62および第2始動入賞口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。第1始動入賞口62と第2始動入賞口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。例えば、第1始動入賞口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、第2始動入賞口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられる。
第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。
また、第2始動入賞口63は図示するとおり遊技領域52の右側における狭い通路に設けられているので、右側を狙って強めに打球した遊技球の多くが少なくとも第2始動入賞口63の近傍に集まるので、第2始動入賞口63に入球し易くなる。これに対し、第1始動入賞口62には普通電動役物が設置されておらず、しかも狭い通路から離れた位置に設けられているため、入球可能性はそれほど高くない。ただし、第2始動入賞口63の直上には図示略の遊技釘が設けられており、拡開されていない状態においては、第2始動入賞口63そのものの入球容易性は第1始動入賞口62よりも低くなる。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は、第1の遊技および第2の遊技に共通の大入賞口として設けられ、大当りの発生により開放される。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が所定の大当り態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。
第2大入賞口92は、遊技領域52の所定位置に設けられ、入球可能な状態へ変化するよう作動可能に設けられる。したがって第2大入賞口92は、可変入球装置として機能する。第2大入賞口92は、小当り遊技に対応する大入賞口として設けられ、小当りの発生により開放される。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92の羽根を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が所定の小当り態様にて停止したときに「小当り」として開放状態となる。遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60の周囲にはセンター飾り64が設けられ、第2大入賞口92は、そのセンター飾り64の右側に取り付けられている。開放された第2大入賞口92に入球した遊技球は、センター飾り64の内部に設けられた通路31を通って内側の空間へ流入する。入賞検出装置79は、その通路31に設けられている。第2大入賞口92は、小当り遊技中にこれが開放された際に発射強度をほぼ最大にするいわゆる右打ちがなされると、遊技球が極めて高い確率で入球するようになる。
センター飾り64における第2大入賞口92の内側の空間には、特定領域(Vゾーン)が設けられており、第2大入賞口92に入球した遊技球は、その特定領域またはそれ以外の非特定領域を通過する。本実施形態では、センター飾り64の内部中央の左方に特定領域が設けられ、右方に非特定領域が設けられており、第2大入賞口92が開放された状態で遊技球が入球すると、その遊技球が約1/10の確率で特定領域を通過するように構成されている。本実施形態では、センター飾り64の内部通路の形状により特定領域への入球確率が約1/10となるよう設定されているが、変形例においては、例えば第2大入賞口92の内部に入球した遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける可動役物を設置し、その可動役物を駆動することにより遊技球を約1/10の確率にて特定領域に導くようにしてもよい。また、本実施形態では約1/10の確率としたが、特定領域への入球確率をそれよりも高確率または低確率に設定してもよい。特定領域通過検出装置93は、遊技球がこの特定領域を通過したか否かを検出するセンサであり、通過時にその通過を示す特定領域通過情報を生成する。遊技球が特定領域を通過すると、大当りとなって特別遊技が開始される。大当りの際は、第1大入賞口を用いて特別遊技を消化することができる。
演出表示装置60の左下方の左右に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71が設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、ドットマトリクス・ディスプレイや7セグメントLEDで構成される表示手段である。
演出表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192に連動する装飾図柄190または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190の変動が表示される。演出表示装置60は、例えば液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。演出表示装置60は、この実施形態では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施形態では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動入賞口63の普通電動役物65を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。この開放抽選は、普通図柄の停止図柄により普通電動役物65の作動有無、つまり第2始動入賞口63の拡開作動の有無を決定するための抽選であり、「作動抽選」あるいは「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施形態における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物65が所定時間拡開される。
センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1特別図柄表示装置70の上方には、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20が設けられている。第1特図保留ランプ20は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動入賞口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
また、第2特別図柄表示装置71の上方には、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21が設けられている。第2特図保留ランプ21も2個のランプからなる。しかし、本実施形態の第2の遊技においては、第1の遊技のような当否抽選値の保留はなされない。第2の遊技においては、第2始動入賞口63への入賞により当否抽選値が取得され、第2特図保留ランプ21を構成する1個のランプが点灯する。そして、その当否判定結果を示すための第2特別図柄193の変動表示が開始されると同時に、その第2特図保留ランプ21の1個のランプは消灯する。第2特別図柄193の変動表示中に第2始動入賞口63への入賞があった場合には、賞球の払い出しは行われるものの、当否抽選値の保留はなされず、第2特図保留ランプ21の点灯もなされない。その第2特別図柄193の変動が終了した後に第2始動入賞口63への入賞があると、当否抽選値が取得され、第2特図保留ランプ21を構成する1個のランプが再び点灯する。このように第2の遊技における保留を行わないのは、遊技者の射幸心を過剰に煽ったり、不正行為が発生したりすることを防止するためである。すなわち、第2の遊技において所定数の保留を行う構成とした場合、一旦特別遊技へ移行されると、その特別遊技中ないし時短中に保留された当否抽選値による抽選結果が特別遊技後に小当りとなり、さらに大当りに発展する可能性がある。特に本実施形態のように第2の遊技における小当りの発生確率が相当高く、その後の特定領域への入球による大当りの発生確率も比較的高い遊技機においては、特別遊技中ないし時短中に当否抽選値を上限数まで保留しておくことで小当り発展大当りの連チャンを過度に発生させてしまう可能性がある。例えば、時短を伴わない大当りが発生したにもかかわらず、その特別遊技中に保留された当否抽選値が特別遊技後に消化される過程で小当りとなり大当りに発展することも想定され、本来は有利でないはずの非時短状態で大当りの発生確率が高くなるというねじれた現象が生じうる。本実施形態では、このような想定外の過度な利益状態の偏りを防止するために、第2の遊技については実質的に保留を行わないようにしている。
普通図柄表示装置59の下方には、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22が設けられている。普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄195の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄195の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動入賞口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動入賞口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。
第1特別図柄192および第2特別図柄193は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄192または第2特別図柄193が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合も特別遊技に移行し、同様に第1大入賞口91の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
当否抽選が大当りに該当した場合は特別遊技が実行される。特別遊技は、開始デモと呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモの画面表示後に第1大入賞口91が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口91の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。以下、単位遊技を必要に応じて「ラウンド」という。第1大入賞口91の開閉ないし単位遊技が所定の複数回数、例えば16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって特別遊技が終了される。これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。上述したように、小当り遊技では第2大入賞口92が所定時間開放される。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、その特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短が開始される。第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短は、これらの変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長が実施されることにより第2始動入賞口63への入球容易性が高められる状態である。具体的には、普通電動役物65の1回の開放時間は、通常状態においては約0.1秒と短時間であるが、後述する時短中においては普通電動役物65の1回の開放時間が約6秒と通常状態よりも長く設定されるので、遊技球は第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。なお、普通電動役物65の開放時間がこれに限られないことは勿論である。
普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。開放抽選の確率変動は、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。普通電動役物65の開放延長は、普通電動役物65の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動入賞口63への入球容易性も増すため、第2始動入賞口63への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は第2特別図柄193への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施形態における入球容易状態は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動入賞口63への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40は、ぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動入賞口62、第2始動入賞口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施形態におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施形態におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、小当り遊技制御手段121、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、特図調整手段152、条件保持手段176を備える。本実施形態におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動入賞口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動入賞口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。入球判定手段110は、特定領域通過情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92内の特定領域を通過したと判断する。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、「特図抽選手段」として機能する。第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114を含み、第1始動入賞口62への入球に対応する特別図柄抽選として第1の抽選を実行する。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。一方、第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119を含み、第2始動入賞口63への入球に対応する特別図柄抽選として第2の抽選を実行する。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を演出決定手段132へ送信する。
第1抽選値取得手段112は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1の抽選のための乱数の値を第1当否抽選値(「特図抽選値」ともいう)として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2の抽選のための乱数の値を第2当否抽選値(「特図抽選値」ともいう)として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得された値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。なお、以下の説明において第1当否抽選値と第2当否抽選値とを区別しない場合には、単に「当否抽選値」ともいう。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、複数の変動パターンテーブルから、遊技状態に応じていずれかを参照して、当否抽選の結果に対応する変動パターンを選択する。変動パターンテーブルは、図柄の変動過程が定められた変動パターンと当否抽選の結果との対応関係として遊技状態ごとに定められた変動パターン選択基準として機能する。この「変動パターン選択基準」は、パラメータ同士の対応関係が定められたテーブル構造を用いて実現されてもよいし、パラメータからパラメータを導出するプログラム構造を用いて実現されてもよい。テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組み合わせで構成してもよいが、以下、限定パターン選択基準について「複数種の」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
普図抽選手段136は、「普図決定手段」として機能し、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値(「普図抽選値」ともいう)を取得することにより抽選を実行する。例えば、普図抽選値は「0」から「511」までの値範囲から取得される。普図抽選手段136が参照する当否テーブルには、当りまたは外れの判定結果と普図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。上述したように本実施形態では、入球容易状態(特定遊技中)のほうが通常状態よりも高確率で当りとなるように設定される。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄195の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄195の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには普図抽選値と普通図柄195の対応関係が定められており、普図抽選手段136は、普通図柄195の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。
普図抽選手段136は、また、普通図柄195の変動時間を決定するために参照すべき時間決定テーブルを保持し、遊技状態に応じて普通図柄195の変動時間を選択する。普図抽選手段136は、通常状態における普通図柄195の変動表示において200秒から400秒の間で比較的長い変動時間をランダムに選択する。一方、入球容易状態(特定遊技中)は通常時短状態においては1秒と通常状態よりも相当短い変動時間を選択する。時間決定テーブルには、このような遊技状態と普通図柄195の変動時間との対応関係が定められており、普図抽選手段136は、普通図柄195の変動時間を時間決定テーブルを参照して決定する。
普図抽選手段136は、普図決定手段として機能する。普通図柄195について決定された停止図柄が所定の図柄となった場合、普通図柄195が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄195の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動入賞口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施形態では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持するが、その当否抽選値の当否判定結果とともに保持してもよい。その保留数が第1特図保留ランプ20の点灯数または点滅数により表される。一方、上述のように第2の抽選については、第1の抽選のような当否抽選値の保留は行われない。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときに、その当否判定が行われるまで当否抽選値を一時的に保持する。その当否抽選値の保持の有無が、第2特図保留ランプ21の点灯の有無により表される。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。その保留数が普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄195の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。本実施形態において、特図調整手段152は、第2特別図柄193よりも第1特別図柄192の変動表示を優先的に実行する。すなわち、第1保留手段144に当否抽選値が保留されている間は、第2特別図柄193に当否抽選値が保持されていても、第1保留手段144に保留された当否抽選値の消化を優先させる。これにより、例えば第2の遊技において小当りとなった場合、第1保留手段144が保留する当否抽選値を速やかに消化し、第2始動入賞口63への入球を促進するいわゆる右打ちにより小当り発展大当りの連チャンを狙うことも可能となる。なお、本実施形態では第2の遊技における小当りの当選確率が相当高く設定されているため、第1の遊技において大当りを狙うよりも、第2の遊技において小当り発展大当りを狙うほうが特別遊技へ早期に移行される可能性が高い。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
条件保持手段176は、特別遊技作動条件保持手段178および小当り遊技作動条件保持手段180を含む。特別遊技作動条件保持手段178は、第1大入賞口91の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件保持手段178は、当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となり、特別図柄が所定の大当たり態様で停止されること、もしくは、第2大入賞口92の特定領域への入球があることをその特別遊技作動条件として保持する。
小当り遊技作動条件保持手段180は、小当り遊技へ移行するための条件である小当り作動条件を保持する。小当り遊技作動条件保持手段180は、当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となり、特別図柄が所定の大当たり態様で停止されることを小当り作動条件として保持する。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否抽選結果が大当りであった場合に、特別遊技作動条件が成立したとして第1大入賞口91を長期間開放させることにより通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する。特別遊技は、第1大入賞口91の開閉動作を伴う単位遊技を複数回含む。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が所定の上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技が所定回数を消化した場合に特別遊技を終了させる。本実施形態では、特別遊技として16回の単位遊技を含む16R特別遊技、および5回の単位遊技を含む5R特別遊技のいずれかが実行される。特別遊技制御手段120は、16R特別遊技では、単位遊技を16回繰り返し、1回の単位遊技において第1大入賞口91を約30秒間開放させる。特別遊技制御手段120は、5R特別遊技では、単位遊技を5回繰り返し、1回の単位遊技において第1大入賞口91を約30秒間開放させる。特別遊技における大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)は、長期開放遊技と短期開放遊技とを区別するために予め定めた開放基準時間(本実施形態では2秒)以上となっている。
具体的には、特別遊技制御手段120は、後述するように、当否抽選の結果が大当りとなり、図柄抽選値が所定の値となった場合に16R特別遊技を実行する。一方、特別遊技制御手段120は、当否抽選の結果が大当りとなり、図柄抽選値が別の所定の値となった場合に5R特別遊技を実行する。さらに特別遊技制御手段120は、当否抽選の結果が小当りとなり且つ図柄抽選値が所定の値となって第2大入賞口92が拡開して特定領域に入球した場合に、16R特別遊技を実行する。また、特別遊技制御手段120は、当否抽選の結果が小当りとなり且つ図柄抽選値が別の所定の値となって第2大入賞口92が拡開して特定領域に入球した場合に、5R特別遊技を実行する。なお、特別遊技制御手段120が実行する特別遊技の種類の数や各特別遊技における単位遊技の回数がこれに限られないことは勿論である。
小当り遊技制御手段121は、当否抽選が小当り遊技への移行を示す結果となって小当り作動条件が成立したときに短期開放遊技として小当り遊技を実行する。小当り遊技制御手段121は、小当り遊技として単位遊技を1回だけ実行し、例えば、その単位遊技において第2大入賞口92を0.5秒、0.5秒の2回にわたって開放する。小当り遊技における大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間:本実施形態では0.5×2=1秒)は上記開放基準時間未満となる。本実施形態の特別遊技制御手段120は、第2の抽選の結果として小当りが発生し、その小当り遊技において第2大入賞口92に入球した遊技球がさらにその内部に設けられた特定領域を通過した場合にも、特別遊技作動条件が成立したとして特別遊技を実行する。
特定遊技実行手段122は、第2始動入賞口63への一定時間あたりの入球容易性を通常状態より高める入球容易状態である時短状態(入球容易状態)における通常遊技を制御する。具体的には、特定遊技実行手段122は、第1始動入賞口62または第2始動入賞口63への入球を契機として時短へ移行させるか否かを決定する。時短へ移行することを決定した場合、特定遊技実行手段122は、特別遊技の実行終了後の通常遊技において時短とし、決定された終期回数に到達するまで時短を継続する。特定遊技実行手段122は、その終期回数に到達するまでに当否抽選が大当りとなれば一旦時短状態を終了する。
時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。また、入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、普通電動役物ソレノイド76を含む第2始動入賞口63の拡開機構(「入球変動機構」として機能する)の開放延長が実施される。なお、本実施形態に係るぱちんこ遊技機10では、確変へ移行する機能が設けられていなくてもよい。時短に移行させてから第2大入賞口92を拡開させて特定領域に入球させるという遊技形態では、時短は単に入球容易性を高めるだけでなく次回の特別遊技の実行を早期に獲得させることに繋がるため、確変に移行させることなく遊技者を高揚させることが可能だからである。
特定遊技実行手段122は、第2始動入賞口63への入球を契機として、第2始動入賞口63への一定時間あたりの入球容易性を通常状態より高める入球容易状態である時短へ移行させるか否かを決定する。したがって特定遊技実行手段122は、入球容易状態決定手段として機能する。
開閉制御手段124は、「作動制御手段」として機能し、第2始動入賞口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄195が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、入球容易状態においては普通電動役物65を通常状態に比べて長い時間作動させ、第2始動入賞口63を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行する。第2始動入賞口63の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉の減少を抑制しつつ遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段124は、特別遊技においては大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、第1大入賞口91を開放させる。開閉制御手段124は、小当り遊技においては大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第2大入賞口92を所定の短期間開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄の変動パターンとして複数の変動パターンデータを保持する。演出決定手段132は、第1抽選手段126または第2抽選手段128により決定された装飾図柄190の変動パターンをパターン記憶手段130から選択する。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄の組合せを第1抽選手段126または第2抽選手段128から受け取る特別図柄の停止図柄および変動パターンに基づいて決定する。
演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、時短へ移行された場合には、その旨を報知または示唆する演出内容を決定する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、第1特別図柄192や第2特別図柄193と同じ数字が選ばれるのが好ましい。例えば、第1特別図柄192または第2特別図柄193が「3」の場合は装飾図柄190が「333」となる。第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。また、当否判定結果が小当り遊技への移行を示す場合には、小当りを示す第1特別図柄192や第2特別図柄193の種類に応じて、「135」や「246」のように3つの図柄が連続する奇数または偶数となる組合せが選択される。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄組合せと装飾図柄の変動パターンデータを演出表示制御手段134へ送る。
装飾図柄の変動パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動パターンを選択する。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。第1演出制御手段168は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって装飾図柄190として演出表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第2演出制御手段170は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって装飾図柄190として演出表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、それ以前の第1の抽選または第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
また本実施形態のパターン記憶手段130は、図柄大当りもしくは小当り発展大当りに伴う特別遊技中に演出表示装置60に表示させるべき演出(以下、「デモ演出」とも呼ぶ。)のデータをさらに保持する。演出表示制御手段134は、演出決定手段132により選択されたデモ演出を、特別遊技の実行中、演出表示装置60に表示させる。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定において図示の当否判定テーブルを参照する。
本実施形態においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。図示の例では、第1の抽選においては、第1当否抽選値が65000〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。一方、第2の抽選においては、第2当否抽選値が6554〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。つまり、本実施形態では、第1始動入賞口62への入球を契機とする第1の抽選よりも第2始動入賞口63への入球を契機とする第2の抽選のほうが相当高い確率(本実施形態では約90%)で小当りとなる。したがって、通常時短により入球容易性が高まった状態で第2始動入賞口63への入球を狙えば、相当高い確率で小当りを発生させることができ、小当り発展大当りを狙うことが可能となる。なお、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。なお、小当りを外れに含めることなく特定の当りとし、当否判定テーブルに個別の範囲を設けてもよい。
図5(a)は、第1特別図柄192の停止図柄を決定するときに参照される図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図5(b)は、第2特別図柄193の停止図柄を決定するときに参照される図柄判定テーブルを模式的に示す図である。これらの図柄判定テーブルには、第1特別図柄192および第1特別図柄192のいずれの停止図柄を決定する場合においても、当否抽選の結果が大当りの場合、「1」、「3」、「5」、「7」の数字で表される特別図柄のいずれかが選択されるよう、これらの特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、図柄抽選値がいずれの範囲に含まれるかに応じて特別図柄「1」、「3」、「5」、「7」のうちいずれかを選択する。
本実施形態では、特別図柄「1」、「3」、「5」が選択された場合は、単位遊技が5回繰り返される5R特別遊技が実行される。以下、特別図柄「1」、「3」、「5」が選択された場合を必要に応じて「5R大当り」という。特別図柄「7」が選択された場合は、単位遊技が16回繰り返される16R特別遊技が実行される。以下、特別図柄「7」が選択された場合を必要に応じて「16R大当り」という。
また、これらの図柄判定テーブルには、第1特別図柄192および第1特別図柄192のいずれの停止図柄を決定する場合においても、当否抽選の結果が小当りの場合、「2」、「4」、「6」、「8」の数字で表される特別図柄のいずれかが選択されるよう、これらの特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、図柄抽選値がいずれの範囲に含まれるかに応じて特別図柄「2」、「4」、「6」、「8」のうちいずれかを選択する。
本実施形態では、当否抽選の結果が小当りとなって特別図柄「2」、「4」、「6」が選択された場合は、その小当りにより第2大入賞口92が開放されて特定領域に入球したときに、単位遊技が5回繰り返される5R特別遊技が実行される。当否抽選の結果が小当りとなって特別図柄「8」が選択された場合は、その小当りにより第2大入賞口92が開放されて特定領域に入球したときに、単位遊技が16回繰り返される16R特別遊技が実行される。
本実施形態では、16R特別遊技が実行される特別図柄には、100回の時短終期回数が対応付けられている。したがって16R特別遊技が実行された場合、時短終期回数が100回の時短が実行される。なお、16R特別遊技が実行された場合においても、複数種類の時短終期回数のいずれかが選択されるよう各図柄判定テーブルが設けられていてもよい。さらに、5R特別遊技が実行される3種類の特別図柄には、それぞれ5回、10回、および100回の時短終期回数が対応付けられている。したがって5R特別遊技が実行された場合、時短終期回数が5回、10回、および100回のいずれかの時短終期回数の時短が実行される。このように本実施形態では、特別遊技が実行終了後に常に時短が実行されるよう、図柄判定テーブルにおいて図柄抽選値と時短終期回数が対応付けられている。なお、特別遊技が実行終了後に時短が実行される場合と実行されない場合が生じるよう、図柄判定テーブルにおいて図柄抽選値と時短終期回数が対応付けられていてもよい。
図5(a)および図5(b)に示すように、本実施形態では、当否抽選の結果が大当りのときに、最大の時短終期回数である100回に対応する特別図柄が選択される確率が、第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が高くなるよう各図柄判定テーブルが設けられている。また、当否抽選の結果が小当りのときにおいても、最大の時短終期回数である100回に対応する特別図柄が選択される確率が、第1特別図柄よりも第2特別図柄の方が高くなるよう各図柄判定テーブルが設けられている。換言すれば、各図柄判定テーブルは、当否抽選の結果が大当りのときにおいても小当りのときにおいても、選択される時短終期回数の平均回数が第1特別図柄選択時よりも第2特別図柄選択時の方が高くなるよう、各時短終期回数と図柄抽選値とが対応付けられている。このため、遊技者は第1始動入賞口62よりも第2始動入賞口63を狙った方が、特別遊技の実行終了後により多い時短終期回数で時短を開始させることができ、連チャンさせる可能性を高めることができる。
ここで、上述のように特定遊技実行手段122は、当否抽選の結果が小当りとなったときに時短へ移行させるか否かを決定する。時短へ移行することを決定し且つ小当りとなったことで第2大入賞口92が入球可能な状態へ変化したときに第2大入賞口92に入球し且つ特定領域に入球した場合、特定遊技実行手段122は、特定領域への当該入球によって実行される特別遊技の実行終了後に時短へ移行させる。しかしながら、選択される時短終期回数の種類が例えば1種類の場合、時短中に大当りなどにならない限り時短終期回数が終了するまで時短が継続するため、時短中における遊技への期待に変化を持たせることは困難であり、時短中にもかかわらず遊技が単調なものとなりかねない。
このため本実施形態では、特定遊技実行手段122は、時短へ移行させるときに複数種類の時短期間のいずれかを選択し、特別遊技の終了後から選択された時短期間が終了するまで時短へ移行させる。具体的には、特定遊技実行手段122は、時短へ移行させる場合、複数種類の時短終期回数のいずれかを選択し、特別遊技の終了後から選択された時短終期回数だけ特別図柄が変動するまで時短を継続させる。これにより、時短となった場合においても、選択された時短終期回数が多いか少ないかによって遊技への期待を異ならせることができ、遊技が単調となることを回避できる。なお、時短の終了が特別遊技実行終了後からの経過時間によって定められていてもよい。この場合、特定遊技実行手段122は、時短へ移行させるときに複数種類の時短時間のいずれかを選択し、特別遊技の終了後から選択された時短時間が終了するまで時短へ移行させる。
図5(a)に示すように、いずれの特別図柄が選択された場合においても時短が伴う。なお、所定の特別図柄が選択された場合には、特定遊技実行手段122は、特別遊技の実行終了後に時短に移行させずに通常状態としてもよい。本実施形態では、各特別図柄には、特別遊技実行終了後から時短が終了するまでの特別図柄の変動回数である時短終期回数が定められている。当否抽選の結果が大当りであって特別図柄が「5」、「7」の場合、および当否抽選の結果が小当りであって特別図柄が「6」、「8」の場合、時短終期回数は100回に設定される。一方、当否抽選の結果が大当りであって特別図柄が「3」の場合、および当否抽選の結果が小当りであって特別図柄が「4」の場合、時短終期回数は10回に設定される。また、当否抽選の結果が大当りであって特別図柄が「1」の場合、および当否抽選の結果が小当りであって特別図柄が「2」の場合、時短終期回数は5回に設定される。
特定遊技実行手段122は、このように5回、10回、100回の3種類の時短終期回数から、図柄抽選値に対応する時短終期回数を選択する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後から、選択された時短終期回数だけ特別図柄が変動するまで時短を継続させる。なお、時短終期回数の回数や種類数がこれに限られないことは勿論である。
本実施形態では、特定遊技が実行されるときに100回の時短終期回数が選択される可能性が、第1始動入賞口62に入球したときよりも第2始動入賞口63に入球した方が高くなるよう、第1特別図柄192および第2特別図柄193の各々の図柄判定テーブルが設けられている。このため、時短中でなければ第2始動入賞口63への入球が困難となり、少ない時短終期回数となる可能性が高い第1始動入賞口62を狙って左打ちすることになる。一方、時短中で第2始動入賞口63への入球容易状態となっているときには、第2始動入賞口63を狙って右打ちした方が、当否抽選の結果が小当りとなる確率を高くすることができ、第2大入賞口92が高頻度で開放されることから結果として特定領域への入球確率も高めることができる。図5(a)および図5(b)に示したように、第2始動入賞口63へ入球させた方が100回の時短終期回数が選択される確率が高い。したがって、いったん時短に移行すれば、第2始動入賞口63を狙って高い確率で特別遊技を実行させ且つ多い時短終期回数で時短を開示させることができるため、いわゆる「連チャン」の可能性を高めることができる。なお、図5(a)に示す第1特別図柄192の図柄判定テーブルと、図5(b)に示す第2特別図柄193の図柄判定テーブルとが同一のテーブルとなっていてもよい。
図6(a)は、通常変動パターンテーブルを示す図であり、図6(b)は、通常演出パターンテーブルを示す図である。通常変動パターンテーブルとは、通常状態において変動パターンの選択時の参照先として通常設定されている変動パターンテーブルをいう。また、通常演出パターンテーブルとは、通常状態において演出パターンの選択時の参照先として通常設定されている演出パターンテーブルをいう。
パターン記憶手段130は、特別図柄の変動表示中に実行すべき演出内容が各々定められた複数の演出パターンを保持する。また、パターン記憶手段130は、変動パターンと演出パターンとの対応関係が各々定められた複数の演出パターンテーブルを保持する。演出決定手段132は、この複数の演出パターンテーブルのうち一つを参照して、当否抽選の結果を示す特別図柄の変動表示中に実行すべき演出パターンを選択する。通常演出パターンテーブルは、パターン記憶手段130に保持される複数の演出パターンの一つであり、通常状態において演出パターン選択時の参照先として通常設定されている演出パターンテーブルをいう。演出表示制御手段134は演出実行手段として機能し、演出決定手段132によって選択された演出パターンにしたがって、特別図柄変動中に演出を実行する。
図7(a)は、第1特殊変動パターンテーブルを示す図であり、図7(b)は、第1特定演出パターンテーブルを示す図である。第1特殊変動パターンテーブルは、パターン記憶手段130に保持される複数の変動パターンテーブルの一つであり、大当りの終了後に時短とするときに、変動パターン選択時の参照先として設定される変動パターンテーブルである。16R大当りとなった場合は、16R特別遊技の実行終了後から、特別図柄の変動回数が時短終期回数に達するまで、この第1特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンが選択される。一方、5R大当りとなった場合は、まず特有の傾向の演出が実行される第1特定演出状態Aとなり、次に別の特有の傾向の演出が実行される第2特定演出状態Bとなる。第1特殊変動パターンテーブルは、この第1特定演出状態Aにおいて変動パターンの選択のために参照される。
この第1特殊変動パターンテーブルは時短用変動パターンテーブルであり、当否抽選の結果が外れとなったときに最も高い頻度で選択される変動パターンである変動パターンJの変動時間が、通常変動パターンテーブルにおける当否抽選の結果が外れとなったときに最も高い頻度で選択される変動パターンである変動パターンGの変動時間よりも短くなっている。このため、時短中は通常状態よりも第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
第1特定演出状態Aでは、時短中であるため「チャンスモード」という共通の観念での関連性を互いに有する演出が頻繁に実行されるものとなっている。なお、特定演出状態が「チャンスモード」に限られないことは勿論であり、他の観念での関連性を互いに有する演出が頻繁に実行されるものであってもよい。この「チャンスモード」を実現するため、第1特定演出パターンテーブルは、通常演出パターンテーブルとは変動パターンの選択傾向が異なるよう変動パターンと演出パターンの対応関係が定められている。
具体的には、図7(b)に示すように、リーチ演出の演出パターンが選択される変動パターンの種類は通常変動パターンテーブルより少なくなっている。スーパーリーチH1、H2、H3は、メインキャラクタAが登場する点とメインキャラクタAがある動作をする点で共通している。同様に、スーパーリーチI1、I2、I3は、メインキャラクタAが登場する点とメインキャラクタAがある別の動作をする点で共通している。
なお、5R大当りとなったときに設定される第1特殊変動パターンテーブルは、16R大当りとなったときに設定される第1特殊変動パターンテーブルに比べ、リーチの変動演出パターンが選択されやすいよう設けられていてもよい。これにより、16R大当りよりも少ない賞球しか獲得できない5R大当りとなった場合においても、遊技者の落胆を抑制することができる。
なお、第1特定演出状態Aでは、時短終期回数が示唆も報知もされない演出が実行される。具体的には、第1特定演出パターンテーブルに含まれる演出パターンは、いずれも時短終期回数が示唆も報知もされない演出内容が定められている。さらに、通常演出パターンテーブルにも、時短終期回数が示唆も報知もされない演出内容が定めらた演出パターンのみが含められている。これにより、時短となる契機となった当否抽選の結果を示す特別図柄の変動中においても、その時短の時短終期回数が示唆も報知もされない演出が実行される。
図8(a)は、第2特殊変動パターンテーブルを示す図であり、図8(b)は、第2特定演出パターンテーブルを示す図である。第2特殊変動パターンテーブルは、パターン記憶手段130に保持される複数の変動パターンテーブルの一つであり、第2特定演出状態Bにおいて変動パターンの選択時に参照されるテーブルである。第2特定演出状態Bでは、当否抽選の結果が小当りまたは外れであった場合に、時短終期回数を示唆または報知する演出が実行される。
本実施形態では、第2特定演出状態Bでは「バトルモード」の演出が実行されるものとなっている。なお、特定演出状態が「バトルモード」に限られないことは勿論であり、他の観念での演出が実行されるものであってもよい。具体的には、図8(b)に示すように、まず当否抽選の結果が外れであった場合においても、リーチなしの変動パターンやノーマルリーチの変動パターンは選択されず、スーパーリーチの変動演出パターンが選択される変動パターンのみが選択可能となっている。このため、第2特定演出状態Bでは常にスーパーリーチの演出が実行される。このスーパーリーチの演出において、「バトルモード」の演出が実行される。なお、第2特定演出状態Bにおいてスーパーリーチ以外の演出が実行されてもよい。
図8(b)に示すように、第2特殊変動パターンテーブルは、リーチ演出の演出パターンが選択される変動パターンの種類は通常変動パターンテーブルより少なくなっている。スーパーリーチH4、H51、H52は、当否抽選の結果が5R大当りまたは16R大当りか否かを示唆するため、メインキャラクタAと敵キャラクタBとが戦う点で共通している。スーパーリーチH4は、当否抽選の結果が5R大当りまたは16R大当りであるため、最後にメインキャラクタAが勝利する演出が実行されるよう設けられている。スーパーリーチH51およびスーパーリーチH52は、当否抽選の結果が5R大当りおよび16R大当りでないため、敵キャラクタBが勝利してメインキャラクタAが敗北する演出が実行されるよう設けられている。
また、スーパーリーチH51およびスーパーリーチH52は、今度は時短が継続するか終了するかを示唆するため、メインキャラクタAが再び立ち上がり敵キャラクタBと戦う演出が実行されるよう設けられている。その後の特別図柄の変動においても時短が継続する場合は、スーパーリーチH51が選択される。スーパーリーチH51は、敵キャラクタBとの再戦においてメインキャラクタAが勝利することで、時短が継続する旨を示唆する演出が実行される。一方、その特別図柄の変動において時短が終了する場合は、スーパーリーチH52が選択される。スーパーリーチH52は、敵キャラクタBとの再戦においてメインキャラクタAが再び敗北することで、時短が終了する旨を示唆する演出が実行される。
同様に、スーパーリーチI4、I51、およびI52は、メインキャラクタAと戦うのが敵キャラクタCとなっている以外は、スーパーリーチH4、H51、およびH52と同様である。したがって、スーパーリーチI4は、当否抽選の結果が5R大当りまたは16R大当りであるため、最後にメインキャラクタAが勝利する演出が実行されるよう設けられている。スーパーリーチI51およびスーパーリーチI52は、当否抽選の結果が5R大当りおよび16R大当りでないため、敵キャラクタCが勝利してメインキャラクタAが敗北する演出が実行されるよう設けられている。
また、スーパーリーチI51およびスーパーリーチI52は、今度は時短が継続するか終了するかを示唆するため、メインキャラクタAが再び立ち上がり敵キャラクタCと戦う演出が実行されるよう設けられている。その後の特別図柄の変動においても時短が継続する場合は、スーパーリーチI51が選択される。スーパーリーチI51は、敵キャラクタCとの再戦においてメインキャラクタAが勝利することで、時短が継続する旨を示唆する演出が実行される。一方、その特別図柄の変動において時短が終了する場合は、スーパーリーチI52が選択される。スーパーリーチI52は、敵キャラクタCとの再戦においてメインキャラクタAが再び敗北することで、時短が終了する旨を示唆する演出が実行される。
なお、演出決定手段132は、メイン基板102から受信する特別図柄を示すデータに基づいて、時短終期回数が何回かを判定する。演出決定手段132もまた特別図柄の変動回数を計数しており、特別遊技実行終了後からの特別図柄の変動回数が時短終期回数に達しているか否かにより、時短がその変動で終了するか否かを判定する。これにより演出決定手段132は、スーパーリーチH51とH52、またはスーパーリーチI51とI52のいずれを選択すべきかを判定する。
図9(a)〜図9(d)は、特別図柄の種類と、特別遊技実行終了後の演出と時短の終期回数との関係を示す図である。まず、図9(a)は、当否抽選の結果が16R大当りであり、特別図柄に「7」が選択されたとき、および当否抽選の結果が小当りであり特別図柄に「8」が選択されたときの時短終期回数および時短中の演出状態を示す図である。この場合、時短終期回数は100回に設定される。また、時短中は第1特定演出状態Aが継続し、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、この間は第1特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する。
図9(b)は、当否抽選の結果が5R大当りであり特別図柄に「5」が選択されたとき、および当否抽選の結果が小当りであり特別図柄に「6」が選択されたときの時短終期回数および時短中の演出状態を示す図である。この場合、時短終期回数は100回に設定され、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が1〜4回、6〜9回、11〜100回の間は第1特定演出状態Aとなり、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が5回および10回のときは第2特定演出状態Bとなる。特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が101回以降は、図6(b)に示す通常演出パターンテーブルを参照して演出パターンが選択される通常演出状態となる。
図9(c)は、当否抽選の結果が5R大当りであり、特別図柄に「3」が選択されたとき、および当否抽選の結果が小当りであり特別図柄に「4」が選択されたときの時短終期回数および時短中の演出状態を示す図である。この場合、時短終期回数は10回に設定され、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が1〜4回、6〜9回の間は第1特定演出状態Aとなり、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が5回および10回のときは第2特定演出状態Bとなる。特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が11回以降は、通常演出状態となる。
図9(d)は、当否抽選の結果が5R大当りであり、特別図柄に「1」が選択されたとき、および当否抽選の結果が小当りであり特別図柄に「2」が選択されたときの時短終期回数および時短中の演出状態を示す図である。この場合、時短終期回数は5回に設定され、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が1〜4回の間は第1特定演出状態Aとなり、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が5回のときは第2特定演出状態Bとなる。特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が6回以降は、通常演出状態となる。
このように本実施形態では、第1の時短終期回数と、第1の時短終期回数よりも長い第2の時短終期回数が設定可能となっており、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、第1の時短終期回数および第2の時短終期回数のいずれが選択された場合においても、特別遊技の実行終了後の特別図柄の変動回数が第1の時短終期回数に達したときに、第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する。これにより、第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択しているときに、時短が継続するか否かを示唆する演出を実行することができる。
例えば、5回、10回、100回のいずれの時短終期回数が選択された場合においても、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が5回に達したときに、第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する。上述のように第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択すると、当否抽選の結果が5R大当りまたは16R大当りでない場合に、所定の演出によって遊技者を煽ったあと、時短が継続するか終了するかを示唆する演出が実行される変動パターンが選択される。この場合、演出決定手段132は、時短終期回数として5回が選択された場合は、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が5回に達したときに実行すべき変動演出パターンとして時短が終了することを示唆する演出が実行される変動演出パターンを選択する。なお、時短が終了することを直接報知する演出が実行される変動演出パターンが選択されてもよい。一方、演出決定手段132は、時短終期回数として10回または100回が選択された場合は、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が5回に達したときに実行すべき変動演出パターンとして時短が継続されることを示唆する演出が実行される変動演出パターンを選択する。なお、時短が継続されることを直接報知する演出が実行される変動演出パターンが選択されてもよい。
また、例えば、10回と100回のいずれの時短終期回数が選択された場合においても、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が10回に達したときに、第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する。この場合、演出決定手段132は、時短終期回数として10回が選択された場合は、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が10回に達したときに実行すべき変動演出パターンとして時短が終了することを示唆する演出が実行される変動演出パターンを選択する。一方、演出決定手段132は、時短終期回数として100回が選択された場合は、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が10回に達したときに実行すべき変動演出パターンとして時短が継続されることを示唆する演出が実行される変動演出パターンを選択する。
なお、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、第1の時短終期回数および第1の時短終期回数よりも多い第2の時短終期回数のいずれが選択された場合においても、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が、第1の時短終期回数の所定回数前から第1の時短終期回数に達するまでの限定的な期間において、第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択してもよい。例えば第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、時短終期回数として5回と10回のいずれが選択された場合においても、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が3回から5回までの限定的な期間において第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択してもよい。さらに、時短の終了が特別遊技実行終了後からの経過時間によって定められていてもよい。この場合、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、第1の時短期間および第2の時短期間のいずれが選択された場合においても、第1の時短期間の終了時、または第1の時短期間が終了する所定期間前から第1の時短期間が終了するまでの限定的な期間において、特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択してもよい。
図10は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合の処理を実行する(S10)。そして、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行し(S17)、S10からS17までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。なお、S16の特別遊技とS17の小当り遊技は同時に実行されることはなく、一方が実行されるときは他方は作動回避される。
図11は、図10におけるS14の通常遊技制御処理の手順を示すフローチャートである。メイン基板102では、選択された変動パターンを用いて特別図柄を変動させるための特別図柄変動処理が実行される(S20)。サブ基板104では、演出表示装置60に表示される演出などを制御するための演出制御処理が実行される(S22)。
図12は、図11におけるS20の特別図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。メイン表示制御手段118は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が変動開始済か否かを判定する(S250)。
変動開始済の場合(S250のY)、メイン表示制御手段118は、選択された変動ーパターンに規定された変動時間に変動開始からの経過時間が達したか否かを判定することにより、変動中の第1特別図柄192または第2特別図柄193の停止タイミングか否かを判定する(S252)。停止タイミングの場合(S252のY)、メイン表示制御手段118は、後述する変動停止処理を実行する(S254)。停止タイミングでない場合(S252のN)、S254の処理はスキップされる。次にメイン表示制御手段118は、後述する開放抽選制御処理を実行する(S256)。
第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動表示がまだ開始されていない場合(S250のN)、第1特図制御手段148は、第1保留手段144に第1当否抽選値が保留されているか否かを判定することにより、第1特別図柄192の変動タイミングか否かを判定する(S258)。本実施形態では上述のように、第1保留手段144が保留する抽選値を第2保留手段146が保留する抽選値よりも優先的に消化し、第2特別図柄193よりも第1特別図柄192の変動表示を優先的に実行する。したがって、第1保留手段144が抽選値を保留していれば、次の変動表示タイミングには第1特別図柄192の変動表示が開始されることになる。第1特別図柄192の変動タイミングの場合(S258のY)、第1抽選手段126は、第1保留手段144から第1当否抽選値を読み出して当否判定処理を実行し(S260)、第1特図制御手段148は、第1特別図柄192の変動表示を開始させる(S262)。
第1特別図柄192の変動タイミングでない場合(S258のN)、第2特図制御手段150は、第2保留手段146に第2当否抽選値が保留されているか否かを判定することにより、第1特別図柄192の変動タイミングか否かを判定する(S264)。第2特別図柄193の変動タイミングの場合(S264のY)、第2抽選手段128は、第2保留手段146から第2当否抽選値を読み出して当否判定処理を実行し(S260)、第2特図制御手段150は、第2特別図柄193の変動表示を開始させる(S262)。第1特別図柄192、第2特別図柄193いずれの変動タイミングでない場合(S264のN)、または第1特別図柄192、第2特別図柄193のいずれかが変動中の場合、本フローチャートにおける処理を終了する。
図13は、図12におけるS254の図柄変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。まず図柄変動を停止する処理を実行し(S300)、当否抽選の結果が大当りであった場合(S302のY)、時短(入球容易状態)を伴う図柄であれば(S304のY)、時短の設定をオンする(S306)。時短を伴う図柄でなければ(S304のN)、S306の処理をスキップする。特定遊技実行手段122は、時短の終期を判定するために、時短が開始されてからの特別図柄の変動回数を時短の継続回数Nとしてその変動停止ごとにカウントする。そのカウント値は、RAM上の所定の記憶領域ににて更新される。すなわち、当否抽選の結果が大当りではなかった場合(S302のN)、時短中であれば(S312のY)、時短の継続回数Nを1アップカウントする(S314)。このとき、その時短の継続回数Nが終期回数Nsetに達した場合は(S316のY)、その継続回数Nのカウント値をゼロクリアし(S318)、時短の設定をオフにして時短を終了する(S320)。時短中でない場合には(S312のN)、S314以降の処理をスキップする。また、継続回数Nが終期回数Nsetに達していない場合は(S316のN)、S318以降の処理をスキップする。
図14は、図12におけるS256の開放抽選制御処理を詳細に示すフローチャートである。開放抽選の抽選値が保留されている場合であって(S330のY)、普通図柄が変動表示中でなければ(S332のN)、普図抽選手段136が開放抽選を実行し(S334)、その抽選結果に応じて普通図柄表示制御手段156が普通図柄の変動表示を開始する(S336)。S330において開放抽選の抽選値が保留されていなかった場合は(S330のN)、S332からS336までの処理がスキップされ、S332において普通図柄が変動表示中であった場合は(S332のY)、S334とS336の処理がスキップされる。続いて、普通図柄の変動表示がすでに開始されていれば(S338のY)、普通図柄表示制御手段156が普通図柄の変動表示処理を実行し(S340)、普通図柄の変動表示を終了させるべきタイミングに達していれば(S342のY)、普通図柄の変動表示を停止させる(S344)。
このとき開放抽選が当りであれば(S346のY)、第2始動入賞口63の拡開機構を開放させ(S348)、当りでなければ(S346のN)、S348の処理をスキップする。S338において、普通図柄の変動表示が開始されていなければ、S340からS348までの処理をスキップし(S338のN)、S342において、普通図柄の変動終了タイミングに達していない場合は(S342のN)、S344からS348までの処理をスキップする。また、第2始動入賞口63の拡開機構(普通電動役物65)が開放中の場合であって(S350のY)、その閉鎖タイミングに到達していれば(S352のY)、開閉制御手段124は拡開機構を閉鎖する(S354)。閉鎖タイミングに達していなければ(S352のN)、S354をスキップし、第2始動入賞口63の拡開機構が開放されていないときは(S350のN)、S352およびS354をスキップする。
図15は、図12におけるS260の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。第1特別図柄192の変動タイミングの場合、まず、第1当否判定手段113が第1当否抽選値を読み出して(S380)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S382)。第1当否判定手段113は、当否判定結果に基づいて第1特別図柄192の停止図柄を決定する(S384)。第1パターン決定手段114は、第1特別図柄192の変動パターンを選択するための変動パターン選択処理を実行する(S386)。
同様に、第2特別図柄193の変動タイミングの場合、まず、第2当否判定手段117が第2当否抽選値を読み出して(S380)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S382)。第2当否判定手段117は、当否判定結果に基づいて第2特別図柄193の停止図柄を決定する(S384)。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄193の変動パターンを選択するための変動パターン選択処理を実行する(S386)。
図16は、図15におけるS386の変動パターン選択処理の実行手順を詳細に示すフローチャートである。演出表示制御手段134は、5Rまたは16R特別遊技終了後か否かを判定する(S400)。5Rまたは16R特別遊技終了後の場合(S400のY)、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、その特別遊技が実行されたときの特別図柄に応じてテーブル切り替え態様を決定する(S402)。
具体的には、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、特別遊技が実行されたときの特別図柄が「7」または「8」のときは、変動パターン選択時の参照先が、特別図柄の変動回数が時短終期回数に達するまで第1特殊変動パターンテーブルのまま維持し、その後、通常変動パターンテーブルに切り替えるテーブル切り替え態様を決定する。これにより、図9(a)に示すように、特別図柄の変動回数が時短終期回数に達するまで第1特定演出状態Aが継続され、その後、通常演出状態に切り替えられる。
特別遊技が実行されたときの特別図柄が「5」または「6」のときは、変動パターン選択時の参照先が第1特殊変動パターンテーブル、第2特殊変動パターンテーブル、第1特殊変動パターンテーブル、第2特殊変動パターンテーブル、第1特殊変動パターンテーブル、通常変動パターンテーブルの順に切り替えられるテーブル切り替え態様を決定する。これにより、図9(b)に示すように、第1特定演出状態A、第2特定演出状態B、第1特定演出状態A、第2特定演出状態B、第1特定演出状態A、通常演出状態の順に演出状態が切り替えられる。特別遊技が実行されたときの特別図柄が「3」または「4」のときは、変動パターン選択時の参照先が第1特殊変動パターンテーブル、第2特殊変動パターンテーブル、第1特殊変動パターンテーブル、第2特殊変動パターンテーブル、通常変動パターンテーブルの順に切り替えられるテーブル切り替え態様を決定する。これにより、図9(c)に示すように、第1特定演出状態A、第2特定演出状態B、第1特定演出状態A、第2特定演出状態B、通常演出状態の順に演出状態が切り替えられる。特別遊技が実行されたときの特別図柄が「1」または「2」のときは、変動パターン選択時の参照先が第1特殊変動パターンテーブル、第2特殊変動パターンテーブル、通常変動パターンテーブルの順に切り替えられるテーブル切り替え態様を決定する。これにより、図9(d)に示すように、第1特定演出状態A、第2特定演出状態B、通常演出状態の順に演出状態が切り替えられる。
特別図柄に応じてテーブル切り替え態様が決定されると、演出表示制御手段134は、変動パターン選択のための参照先として第1特殊変動パターンテーブルを設定し、特定演出状態を開始する(S404)。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、設定された第1特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する(S406)。
特定遊技実行手段122は、特別遊技の実行終了後の特別図柄の変動回数を変動回数カウンタにてカウントしている。5Rまたは16R特別遊技終了後でない場合(S400のN)、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動回数カウンタが時短終期回数に達しているか否かを判定することにより時短中か否かを判定する(S408)。時短中でない場合(S408のN)、以下のS410およびS412はスキップされる。
時短中の場合(S408のY)、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、テーブル切り替えタイミングか否かを判定する(S410)。テーブル切り替えタイミングの場合(S410のY)、演出表示制御手段134は、設定された切り替え態様にしたがって変動パターンテーブルを切り替える(S412)。
例えば特別図柄「1」が選択されて5R特別遊技が実行された場合、または特別図柄「2」が選択されて小当り遊技が実行された場合、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、特別遊技実行終了後からの特別図柄の変動回数が、テーブル切り替えタイミングである5回または6回に達したか否かを判定する。5回に達した場合、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターン選択時の参照先を第1特殊変動パターンテーブルから第2特殊変動パターンテーブルに切り替える。6回に達した場合、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターン選択時の参照先を第2特殊変動パターンテーブルから通常変動パターンテーブルに切り替える。
特別図柄「3」が選択されて5R特別遊技が実行された場合、または特別図柄「4」が選択されて小当り遊技が実行された場合、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、特別遊技実行終了後からの特別図柄の変動回数が、テーブル切り替えタイミングである5回、6回、10回、および11回に達したか否かを判定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、切り替えタイミングに達したときに図9(c)および図9(b)に示す特定演出状態となるよう変動パターン選択時の参照先の変動パターンテーブルを切り替える。
特別図柄「5」が選択されて5R特別遊技が実行された場合、または特別図柄「6」が選択されて小当り遊技が実行された場合、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、特別遊技実行終了後からの特別図柄の変動回数が、テーブル切り替えタイミングである5回、6回、10回、11回、および101回に達したか否かを判定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、切り替えタイミングに達したときに図9(c)および図9(b)に示す特定演出状態となるよう変動パターン選択時の参照先の変動パターンテーブルを切り替える。
テーブル切り替えタイミングでない場合(S410のN)、S412がスキップされ、現在設定されている変動パターンテーブルが変動パターン選択時の参照先として維持される。こうして変動パターン選択時の参照先である変動パターンテーブルが設定されると、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、設定された変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する(S406)。
図17は、図11におけるS22の演出制御処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S430のY)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S432)、変動演出パターンを決定する(S434)。なお、予告抽選に当選して、予告演出の実行を決定した場合は、予告演出パターンをあわせて決定する。その後、装飾図柄の変動表示および予告演出の表示を開始する(S436)。変動開始コマンドを未受信であれば(S430のN)、S432からS436をスキップする。すでに装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S438のY)、その図柄変動や予告演出の表示処理を実行し(S440)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S442のY)、S432で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S444)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときはS444をスキップし(S442のN)、変動表示が開始済みでないときはS440からS444をスキップする(S438のN)。
図18は、図10におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、第1大入賞口91が開放済でなければ(S98のN)、第1大入賞口91の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。第1大入賞口91が開放済みであれば(S98のY)、第1大入賞口91の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、第1大入賞口91が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、特定遊技終了判定処理へ移行する(S105)。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S105の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合(S92のN)、特別遊技中に表示させるべきデモ演出の内容を決定する(S93)。そして、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降の処理をスキップする。
図19は、図18におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく第1大入賞口91の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S124)、第1大入賞口91を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図20は、図18におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく第1大入賞口91の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は第1大入賞口91を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、第1大入賞口91を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、この特別遊技における入球数による終了条件は第1大入賞口91への9球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、第1大入賞口91の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。本実施形態においては、その開放開始から30秒の経過である。このとき、単位遊技の繰り返し数が継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施形態においては16R特別遊技のみが設定されているため、この継続上限回数は16回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図21は、図18におけるS105の特別遊技終了判定処理の手順を詳細に示すフローチャートである。特別遊技終了判定処理においては、デモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、特別遊技終了条件が満たされたか否かを判定する(S108)。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、特別遊技終了条件が満たされることになる。特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了する(S118)。そして、時短などの特定遊技への移行が決定されている場合には、特定遊技実行手段122が特定遊技を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。
図22は、図10におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、第2大入賞口92が開放済でなければ(S158のN)、第2大入賞口92の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、第2大入賞口92の閉鎖処理を実行する(S162)。このとき、特定領域通過情報が入力されれば(S163のY)、その旨を表すためにRAM上の所定領域に設定された通過フラグをオンにする(S164)。特定領域通過情報の入力がない場合は(S163のN)、S164の処理をスキップする。なお、本実施形態では、通過情報記憶処理を小当り遊技中においてのみ実行するようにしたが、変形例においては図10に示す基本処理と並行して別処理として所定の周期にて繰り返し実行するようにしてもよい。
そして、第2大入賞口92が閉鎖状態になっていれば(S165のY)、小当り遊技終了判定処理へ移行する(S166)。閉鎖状態でなければ(S165のN)、S166をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始して(S154)、開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。小当りでない場合は(S150のN)、S152以降のフローをスキップする。
図23は、図22におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく第2大入賞口92の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、第2大入賞口92の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図24は、図22におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく第2大入賞口92の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、第2大入賞口92を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、例えば、第2大入賞口92の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
図25は、図22におけるS166の小当り遊技終了判定処理の手順を示すフローチャートである。小当り遊技終了判定処理においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S168のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S171)、終了デモ演出の表示を開始する(S172)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S168にてデモ演出中であると判定され(S168のY)、終了デモ演出が終了した場合(S175のY)、小当り遊技を終了する(S176)。このとき、通過フラグがオンになっていれば(S177のY)、この小当り遊技において第2大入賞口92の特定領域への入球があったことになるため、その通過フラグをオフにしたうえで(S178)、特別遊技へ移行する(S179)。すなわち小当り発展大当りが発生する。通過フラグがオンになっていなければ(S177のN)、小当り遊技中に第2大入賞口92の特定領域への入球がなかったことになるため、S178以降の処理をスキップする。終了デモ演出が終了していない場合には(S175のN)、S176以降の処理をスキップする。
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
上記実施形態では、普通電動役物65の一回の作動制御につき一回拡開させる例を示した。変形例においては、一回の作動制御につき複数回拡開させるようにしてもよい。例えば、通常時短における6秒の開放時間を2秒間の拡開を3回繰り返す開閉パターンとして実現してもよい。このように第2始動入賞口63の開閉パターンにバリエーションを持たせることでその入球容易性を変化させることもでき、上記実施形態の遊技性の幅を広げることが可能となる。
(変形例2)
上記実施形態では、第2当否抽選値については実質的に保留をせず、第1当否抽選値についてのみ所定上限数まで保留する構成とした。一方、第2当否抽選値についても第2保留手段146や第2特図保留ランプ21を設けるようにした。変形例においては、第2当否抽選値については保留(保持)を全く行わず、第2保留手段や保留ランプを設けない構成としてもよい。例えば、第1当否抽選値が優先的に消化される間には第2始動入賞口63に入球しても抽選されず、その入球による賞球の払い出しのみが行われるようにしてもよい。つまり、保留された第1当否抽選値の全てが消化し終わり、かつ第1特別図柄192および第2特別図柄193のいずれの変動も行われていない場合にのみ、第2当否抽選値に基づく抽選が行われるようにしてもよい。
また、別の変形例においては、第2当否抽選値についても第1当否抽選値と同様に所定上限数まで保留するようにしてもよい。そして、第2当否抽選値を優先的に消化させる構成としてもよい。すなわち、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているときには、第2当否抽選値を優先的に消化させて第2特別図柄193を連続的に変動表示させるようにしてもよい。それにより、一旦大当りが発生して入球容易状態へ移行されると、第2始動入賞口に積極的に遊技球を打ち出すことにより小当り発展大当りを効率的に引き当てられるようになる。また、第2当否抽選値についても所定上限数まで保留するようにする一方で、時短を伴わない大当りによる特別遊技後は、その保留された第2当否抽選値の全ての結果を強制的に外れとしてもよい。あるいは、その保留された第2当否抽選値の全ての結果を特別遊技中に消化させるようにしてもよい。
あるいは、特図調整手段152は、第1始動入賞口62および第2始動入賞口63のうちいずれに遊技球が入球したかの順序にしたがって第1特別図柄192と第2特別図柄193とを選択的に変動表示させてもよい。その場合、例えば第1始動入賞口62、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63の順序で入球したときは、第1特別図柄192、第1特別図柄192、第2特別図柄193の順序で変動表示される。特図調整手段152は保留制御手段116を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。それにより、どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段116における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすくなる。
あるいは、特図調整手段152は、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた調整規則(消化順序設定)に基づいた順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄192と第2特別図柄193とが交互に変動表示される。それにより、いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすくなる。
(変形例3)
上記実施形態では、特別遊技において開放される第1大入賞口91と、小当り遊技において開放される第2大入賞口92とを設ける例を示した。変形例においては、例えば第2大入賞口92を省略していずれの遊技においても第1大入賞口91を開放させるようにするなど、共用の大入賞口を1つ設けるようにしてもよい。その場合、共用の大入賞口内に特定領域を設け、小当り遊技中の特定領域への入球については有効とし、特別遊技中の特定領域への入球については無効とすればよい。具体的には、特定領域通過検出装置により特定領域への入球が検出された場合、その検出タイミングが小当り遊技中であればその特定領域通過情報を有効とし、その検出タイミングが特別遊技中であればその特定領域通過情報を無効とするようにしてもよい。すなわち、特別遊技中に遊技球が特定領域を通過しても新たな特別遊技へ移行されないようにすればよい。
(変形例4)
上記実施形態では、特別遊技のラウンド数を5ラウンドおよび16ラウンドのみとし、単位遊技あたりの大入賞口の開放時間を30秒とする例を示した。変形例においては、大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)が異なる複数種の特別遊技を設けてもよい。その場合、特別遊技の開始から終了までにおける大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)が予め定める開放基準時間以上となる長開放特別遊技と、特別遊技の開始から終了までにおける大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)がその開放基準時間未満となる短開放特別遊技とを設けてもよい。また、単位遊技あたりの大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)が予め定める開放基準時間以上となる長開放特別遊技と、単位遊技あたりの大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)がその開放基準時間未満となる短開放特別遊技とを設けてもよい。また、その短開放特別遊技と大入賞口の開放態様が近似または同一となる小当り遊技を設けるようにしてもよい。
(変形例5)
上記実施形態では、本発明を従来にいう第1種ぱちんこ遊技機を複数混在させたような遊技機に適用した例を示したが、第1種ぱちんこ遊技機の機能を一つ備えた遊技機に適用することもできる。その場合、始動入賞口として、普通電動役物を備えたものを一つ設けるようにしてもよい。
(変形例6)
上記実施形態では、遊技領域52における相対的に左側に第1始動入賞口62を配置し、相対的に右側に第2始動入賞口63を配置することにより、2つの始動入賞口への入球を打ち分け可能な配置構成とする例を示した。変形例においては、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63とを遊技領域52の中央に配置するなど、遊技球の流下通路に沿って並べるように設けてもよい。その場合、第1始動入賞口62の直下に第2始動入賞口63を設け、第2始動入賞口63が拡開していない通常状態においては第1始動入賞口62のほうが入球容易性が高く、第2始動入賞口63が拡開した入球容易状態においては、第2始動入賞口63のほうが入球容易性が高くなるようにしてもよい。このような構成でも、実施形態と同様の遊技性を実現することが可能である。
(変形例7)
上記実施形態では、第1の遊技であるか第2の遊技であるかにかかわらず、第2大入賞口92を小当り遊技専用の大入賞口とする例を示した。変形例においては、第1の遊技において小当り遊技が実行される場合には特定領域を有しない第1大入賞口91を開放し、第2の遊技において小当り遊技が実行される場合には特定領域を有する第2大入賞口92を開放するようにしてもよい。そして、第1の遊技において小当りが発生しても、遊技球が特定領域を通過しないために大当りへの昇格はない(つまり、第1の遊技では小当り発展大当りが発生しない)構成としてもよい。あるいは、上記実施形態と同様に第1の遊技において小当り遊技が実行される場合には第2大入賞口92を開放するものの、遊技球が特定領域を通過しても大当りへ昇格しない構成としてもよい。すなわち、第1特別図柄192が小当りを示す図柄で停止された場合、その小当りは大当りへ発展しないものとしてもよい。
(変形例8)
上記実施形態では述べなかったが、第1の遊技における小当りをいわゆるフェイク当りとし、2R確変特別遊技、2R時短特別遊技、2R特定特別遊技、2R通常特別遊技の少なくともいずれかと小当り遊技との大入賞口の開放態様を同一または近似させ、いずれの遊技であるかにつき、遊技者の期待感を煽る遊技性を実現してもよい。2R確変特別遊技および2R特定特別遊技と小当り遊技とは確変移行を伴うか否かについて得失があり、2R時短特別遊技および2R特定特別遊技と小当り遊技とは時短移行を伴うか否かについて得失がある。また、2R通常特別遊技と小当り遊技とは、その遊技後に確変状態や時短状態から通常状態への転落があるか否かについて得失がある。例えば、確変状態において2R通常特別遊技へ移行されると、その終了後に非確変状態に転落するが、確変状態において小当り遊技へ移行されても、その終了後は確変状態が維持される。また、時短状態において2R通常特別遊技へ移行されると、その終了後に非時短状態に転落するが、時短状態において小当り遊技へ移行されても、その終了後は時短状態が維持される。各遊技の外観を共通とすることで、このような得失に基づく遊技者の期待感を煽ることができる。
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。