JP5688708B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に弾球遊技機における遊技の進行に応じて遊技状態を制御する技術に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機は、遊技盤の略中央に設けられた液晶ディスプレイなどの表示領域に複数の図柄を変動させながら表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。この遊技機は、複数列の図柄変動を停止させたときの図柄の組合せが特定の態様となった場合に、通常遊技より多くの賞球が得られる、いわゆる大当りと呼ばれる特別遊技へと移行するものとして知られている(例えば、特許文献1参照)。表示領域における図柄の変動表示は、単に複数の図柄が変動表示されるだけでなく、いわゆるリーチ画面と呼ばれる状態のように、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態で変動表示の時間を通常よりも長くする等、遊技者の期待感を高めるための演出が図られている。また、キャラクタ画像や背景画像等を用いて図柄の変動表示にストーリーを持たせる演出を施したり、特別遊技への移行効率を高める確率変動遊技および変動時間短縮遊技、始動入賞口への入球容易性を高める入球容易状態へ移行したりする制御によっても遊技者の期待感を高めている。
すなわち、特別遊技が発生した場合であってそのときの当り停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技の終了後に確率変動遊技(以下、「確変」という)が開始される。確変には通常の確率状態より当りの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。このような確変へ移行すると比較的早期に新たな特別遊技が発生するため、遊技者の期待感が一層高められる。また、変動時間短縮遊技(以下、「時短」という)がなされる間、一定時間あたりの図柄変動および当否抽選の回数が増加し得る他、始動入賞口の拡開機構が拡開されたり、その拡開の有無を決定する抽選の確率が高められる等、始動入賞口への入球容易性が高められる。そのため時短中は始動入賞口への入球による賞球が頻繁に得られる分、遊技者は持ち玉をほとんど減らさずに当りを狙うことができるメリットがある。機種によっては、特別遊技終了後に一律に時短へ移行させるものもあれば、抽選結果に応じて時短へ移行する場合と移行しない場合を含むものもある。そして、このような確変や時短のメリットを享受できるか否かにつき遊技者の期待感を煽る機種も種々存在する。
特開2003−230714号公報
近年、大入賞口をごく短時間だけ開放することで、実質的には賞球の利益をほとんど発生させないまま特別遊技後の利益状態へ移行する、いわゆる2R大当りと呼ばれる大当りの手法が採用される機種が知られている。なお、このような2R大当りと上述した通常の大当りとを区別するために、後者を15R大当りと呼ぶこともある。2R大当りも特別遊技を発生させるため、確変を伴うことができる。すなわち、遊技者の知らないうちに確変移行がなされるいわゆる突然確変を発生させ、遊技者にインパクトを与えることができる。また、この2R大当りといった特殊な遊技と外観上は酷似した態様にて短時間だけ大入賞口を開放するも、利益状態への移行はしない、小当りと呼ばれる手法も併用される場合がある。
そして、確変を伴う2R大当り(「2R確変大当り」ともいう)、確変を伴わない2R大当り(「2R通常大当り」ともいう)、および小当りを併用することにより、遊技者の得失が異なる複数種の遊技状態を形成することができる。すなわち、2R確変大当りが発生した場合には、確変状態又は通常状態のいずれであるかにかかわらず、その特別遊技後に確変状態へ移行される。一方、確変状態から2R通常大当りが発生した場合には、通常状態(低確率状態)に転落してしまう。小当りが発生した場合には、確変状態又は通常状態のいずれであるかにかかわらず、その状態が維持される。このため、確変状態においては2R通常大当りよりも小当りが発生したほうが遊技者にとっては有利となる。このような2R大当りと小当りとを併用する機種においては、このような得失が異なるいずれの利益状態への移行がなされたか否かをできる限り明示しないことで、その煽りの効果を引き立てている。
しかしながら、小当りが発生したときには時短に関しても遊技状態は変化しない。すなわち、時短状態において小当りが発生しても、時短により始動入賞口への入球容易性が高められた状態、つまり、上述のように始動入賞口の拡開機構が拡開されたり、その拡開の有無を決定する抽選の確率が高められる状態は小当りが発生してもそのまま維持される。これに対し、時短状態において2R大当りが発生すると、その特別遊技中は通常遊技中ではないため、時短により始動入賞口への入球容易性が高められた状態が中断されるか又は終了される。すなわち、時短中に小当りが発生すると、その小当り遊技中における始動入賞口への入球容易性が高められた状態を維持するため、それが拡開機構の動作などの外観として表れると、2R大当りではなく小当りであったことが遊技者に判ってしまい、上述した煽りの効果は失われてしまうことになる。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、弾球遊技機における各当りによる利益状態の違いを担保しつつ、いずれの当りに当選したのかを分かり難くして遊技者の興味をかき立てる遊技性を効果的に実現することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球容易性を高めるよう作動可能な入球変動機構を有する始動口と、始動口への入球を契機として当否抽選を実行する当否抽選手段と、当否抽選の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、遊技領域の所定位置に設けられて当否抽選の結果に応じて開放され、遊技球の入球が賞球払い出しの契機となる大入賞口と、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する特別遊技作動条件保持手段と、当否抽選の結果が大当りとなり、特別図柄が大当りを示す態様で停止表示された場合に、特別遊技作動条件が成立したとして大入賞口を開放させることにより通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、大入賞口の開放を伴う単位遊技を1回含み、大入賞口の開放が所定の開放基準時間未満の時間だけなされる小当り遊技へ移行するための条件として小当り遊技作動条件を保持する小当り遊技作動条件保持手段と、当否抽選の結果が小当りとなり、特別図柄が小当りを示す図柄にて停止された場合に、通常遊技状態において小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、作動口への入球を契機として、入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、作動抽選の結果を示すための普通図柄が変動表示させる普通図柄表示制御手段と、作動抽選の結果が当りとなり、普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、入球変動機構を作動させる作動制御手段と、当否抽選の結果が大当りとなった場合に、その特別遊技の終了後に始動口への一定時間あたりの入球容易性を通常状態より高める入球容易状態へ移行させるか否かを決定し、入球容易状態への移行を決定した場合には、特別遊技の終了後の通常遊技状態において所定の終期に達するまで入球容易状態を維持する特定遊技実行手段と、を備える。
特別遊技作動条件保持手段は、特別遊技作動条件として、大入賞口の開放が開放基準時間以上の時間なされる通常特別遊技へ移行するための通常特別遊技移行条件と、大入賞口の開放が開放基準時間未満の時間だけなされる特定特別遊技へ移行するための特定特別遊技移行条件とを含む。特別遊技制御手段は、当否抽選が通常特別遊技への移行を示す結果となり、通常特別遊技移行条件が成立したと判定したときに通常特別遊技を実行する一方、当否抽選が特定特別遊技への移行を示す結果となり、特定特別遊技移行条件が成立したと判定したときに特定特別遊技を実行し、特定遊技実行手段は、入球容易状態において当否抽選の結果が小当りとなった場合、少なくともその小当り遊技の実行中を含む所定の限定期間は始動口への入球容易性を入球容易状態よりも低い限定入球状態に維持する。
ここで、「始動口」は、単一の始動口で構成されてもよいし、作動口に向かう第1の方向を狙った打球が入球し得る位置と、第1の方向と異なる第2の方向を狙った打球が入球し得る位置とに設けられた複数の始動口で構成されてもよい。「入球変動機構」は、非作動状態から作動状態となったときに始動口の入球容易性を高めるものでよい。「入球変動機構」は、始動口の入球容易性を高めるよう拡開する拡開機構であってもよく、作動状態となったときに始動口の開口面積を拡大するものでもよい。あるいは、遊技球を始動口へ導くガイド機構として作動するものでもよい。「大入賞口」に関しては、盤面上に設けられる大入賞口の個数が単一であってもよいし、複数であってもよい。
「入球容易状態」は、始動口への単位時間あたりの入球容易性が通常状態よりも高まる状態であり、入球変動機構の作動率が高まる状態であってよい。「入球容易状態」は、作動抽選の単位時間あたりの当選効率が高くなる状態でもよく、また普通図柄の単位時間あたりの変動効率が高くなる状態でもよく、さらに始動口への単位時間あたりの入球効率が高くなる状態でもよい。すなわち、「入球容易性の向上」は、通常状態と比較した場合に作動抽選の当選確率が高くなること、普通図柄の変動時間(1回の作動抽選あたりの変動時間)が短くなること、および入球変動機構が入球容易な状態に変化している時間(入球変動機構の作動時間)が長くなることのいずれか、または組み合わせによって実現されるものでもよい。
「所定の終期」は、特別遊技終了後に移行される入球容易状態の継続期間を意味する。この「終期」は、特別遊技終了後に新たな大当りが発生するまでの期間として設定されてもよい。あるいは、特別遊技終了後の特別図柄の変動回数として特定される「終期回数」により規定される期間として設定されてもよい。あるいは、前者と後者の双方を含むように設定されてもよい。後者の場合、「終期回数」として単一の回数が設定されてもよいし、異なる複数種の回数が選択対象として設けられてもよい。その場合、異なる終期回数と当りの種類とが対応づけられ、当否抽選が当りに該当した場合のその当りの種類に応じて終期回数を決定するようにしてもよい。
「開放基準時間」は、通常特別遊技、特定特別遊技および小当り遊技を各遊技開始から終了までの大入賞口のトータルの開放時間(各遊技の全体にわたる総開状態時間)に基づいて区別するための基準時間として設定されてもよい。その場合、特定特別遊技および小当り遊技の開始から終了までの大入賞口の総開状態時間は、通常特別遊技の開始から終了までの大入賞口の総開状態時間よりも短く設定される。あるいは、「開放基準時間」は、通常特別遊技、特定特別遊技および小当り遊技を各遊技の単位遊技における大入賞口のトータルの開放時間(単位遊技の総開状態時間)に基づいて区別するための基準時間として設定されてもよい。ここで、「単位遊技」は、遊技が継続される場合の単位となる遊技を意味する。特別遊技は複数の単位遊技からなるが、小当り遊技は単一の単位遊技からなる。その場合も、特定特別遊技および小当り遊技の開始から終了までの大入賞口の総開状態時間は、通常特別遊技の開始から終了までの大入賞口の総開状態時間よりも短く設定される。すなわち、特定特別遊技と小当り遊技とは大入賞口の総開状態時間が短い点に加え、その開放態様が略共通している点でその開閉態様が共通し、遊技者がその外観から両遊技を区別することが困難となっている。
「限定入球状態」は、始動口への入球容易性が入球容易状態よりも低い状態であればよいが、小当り遊技と特定特別遊技との区別をつき難くするという観点からは、その入球容易性が通常状態と共通又は近似したものであるのが好ましい。また、「限定期間」は、小当り遊技の実行期間であってもよい。あるいは、小当り遊技の開始から小当り遊技終了後に所定条件が成立するまでの期間であってもよい。例えば、小当り遊技後に特別図柄の変動が設定回数(1回又は複数回)実行されるまでの期間としてもよい。あるいは、小当り遊技後に特別図柄が外れ図柄で停止するなど、予め設定された図柄が停止表示されるまでの期間としてもよい。ただし、限定期間が必要以上に長くなると、入球容易状態へ移行された意義が失われる可能性があるため、小当り遊技の終了とともに終了されるか、小当り遊技後に速やかに終了されるのが好ましい。
この態様によれば、入球容易状態において当否抽選の結果が小当りとなった場合、その小当り遊技の実行中は始動口への入球容易性が低い限定入球状態となり、特定特別遊技の実行中と共通又はそれに近い状態となる。このため、小当り遊技中に始動口への入球容易性を外観上表出させる契機が訪れたとしても、それが小当り遊技であるのか特定特別遊技であるのかを遊技者に判別される可能性を低く抑えることができる。その結果、両遊技を見分け難くして遊技者の期待感を煽る遊技性をより確実に担保することができる。一方、限定期間の満了により遊技状態を元に戻すことで、入球容易状態からの転落がないという小当り本来の利益状態を担保することができる。
具体的には、特定遊技実行手段は、普通図柄の変動時間が定義された複数の変動パターンのいずれかを選択するために参照される変動パターンテーブルとして、第1変動パターンテーブルと第2変動パターンテーブルを備え、第1変動パターンテーブルとして、第2変動パターンテーブルに基づいて選択される場合と比べて変動時間の長い変動パターンの選択確率が高くなるように規定されたテーブルを保持し、第2変動パターンテーブルとして、第1変動パターンテーブルに基づいて選択される場合と比べて変動時間の短い変動パターンの選択確率が高くなるように規定されたテーブルを保持してもよい。特定遊技実行手段は、入球容易状態への移行を決定した場合、第2変動パターンテーブルを参照して普通図柄の変動時間を決定し、また入球変動機構の一定時間あたりの作動時間を通常状態よりも長く設定することにより、始動口への一定時間あたりの入球容易性を通常状態より高め、入球容易状態において当否抽選の結果が小当りとなった場合には、所定の終期に達していなくとも、小当り遊技の開始後に第1変動パターンテーブルを参照して普通図柄の変動時間を決定し、また入球変動機構の一定時間あたりの作動時間を入球容易状態よりも短く設定する(例として、通常状態の入球状態と略同一とする)ことにより限定入球状態へ移行させてもよい。
この態様によれば、既に入球容易状態にあるときに小当りが発生すると、その入球容易状態の終期に達していなくとも、小当り遊技の開始後に限定入球状態へ移行され、第1変動パターンテーブルが参照されて普通図柄の変動時間として相対的に長い時間が設定される。このため、限定入球状態として入球容易性を低く抑えることができ、上述した遊技性を具体的に実現することができる。
また、特定遊技実行手段は、入球容易状態において当否抽選の結果が小当りとなった場合には、所定の終期に達していなくとも、入球変動機構の一定時間あたりの作動時間を入球容易状態よりも短く設定する(例として、通常状態の入球状態と略同一とする)ことにより限定入球状態へ移行させてもよい。
この態様によれば、既に入球容易状態にあるときに小当りが発生すると、その入球容易状態の終期に達していなくとも、入球変動機構の一定時間あたりの作動時間が入球容易状態よりも短く設定される。このため、限定入球状態として入球容易性を低く抑えることができ、上述した遊技性を具体的に実現することができる。
特定遊技実行手段は、小当り遊技の実行中および小当り遊技後の特別図柄の所定回数の変動期間を限定期間として設定し、その限定期間が経過したときに限定入球状態への移行前の遊技状態に戻してもよい。なお、「所定回数」については適宜設定することができるが、限定入球状態を小当り遊技の終了を契機に速やかに終了するためには、その設定回数を少なく設定する(例えば1回など)のが好ましい。
あるいは、特定遊技実行手段は、小当り遊技の実行中および小当り遊技後に当否抽選の結果が外れとなったことを示す態様にて特別図柄が停止表示されるまでの期間を限定期間として設定し、その限定期間が経過したときに限定入球状態への移行前の遊技状態に戻すようにしてもよい。一般に、当否抽選の結果が外れとなる確率は大当りとなる確率よりも相当高く設定されるため、この態様によれば、限定入球状態を小当り遊技の終了を契機に速やかに終了させることができる。
特定遊技実行手段は、特別図柄の変動時間が定義された複数の変動パターンのいずれかを選択するために参照される変動パターンテーブルとして、第1特図変動パターンテーブルと第2特図変動パターンテーブルを備え、第1特図変動パターンテーブルとして、第2特図変動パターンテーブルに基づいて選択される場合と比べて変動時間の長い変動パターンの選択確率が高くなるように規定されたテーブルを保持し、第2特図変動パターンテーブルとして、第1特図変動パターンテーブルに基づいて選択される場合と比べて変動時間の短い変動パターンの選択確率が高くなるように規定されたテーブルを保持する。特定遊技実行手段は、通常状態においては第1特図変動パターンテーブルを参照する一方、限定期間においては第2特図変動パターンテーブルを参照することにより、限定期間においては特別図柄の変動時間が通常状態における平均的な変動時間よりも短くなる短縮変動状態を維持してもよい。
この態様によれば、限定期間においては特別図柄の変動時間が短くされるため、その限定期間を小当り遊技後に速やかに終了させることができ、入球容易状態による利益を担保することができる。
当否抽選の結果が外れとなったことを示す特別図柄の停止態様として複数種類の停止態様が設定される一方、入球容易状態として始動口への一定時間あたりの入球容易性が異なる複数種類の入球容易状態が設定され、複数種類の特別図柄の停止態様と複数種類の入球容易状態とが対応づけられ、特定遊技実行手段は、小当り遊技の実行中および小当り遊技後に当否抽選の結果が外れとなったことを示す態様にて特別図柄が停止表示されるまでの期間を限定期間として設定し、限定期間が終了したときに、その終了の契機となった特別図柄の停止態様に対応づけられた入球容易状態へ移行させてもよい。
この態様によれば、限定期間が終了するごとに入球容易状態の種類が変わり得る。すなわち、小当り遊技の終了を契機に入球容易状態を変化させることができるため、大入賞口の短開放遊技が終了した後にいずれの入球容易状態へ移行されるかにつき、遊技者の期待感を高める遊技性を実現することができる。また、例えば特定特別遊技後の入球容易状態についてもその契機となった大当りの図柄(特別図柄)によって同様に変化させる態様とすれば、その入球容易状態の契機となった遊技が小当り遊技であったのか又は特定特別遊技であったのかにつき、遊技者の期待感を高めることが可能になる。
当否抽選の結果が外れとなったことを示す特別図柄の停止態様として複数種類の停止態様が設定される一方、特別図柄の変動時間が定義された複数の変動パターンが設定され、複数種類の特別図柄の停止態様と複数種類の変動パターンとが対応づけられ、特定遊技実行手段は、小当り遊技の実行中および小当り遊技後に当否抽選の結果が外れとなったことを示す態様にて特別図柄が停止表示されるまでの期間を限定期間として設定し、限定期間が終了するときに、その終了の契機となる特別遊技の変動パターンとして、その特別図柄の停止態様に対応づけられた変動パターンを選択してもよい。この態様によれば、限定期間が終了するときの特別図柄の変動パターンにバリエーションをもたせることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、各当りによる利益状態の違いを担保しつつ、いずれの当りに当選したのかを分かり難くして遊技者の興味をかき立てる遊技性を効果的に実現することができる。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す図である。 当否判定テーブルを模式的に示す図である。 図柄判定テーブルの構成例を示す図である。 変動パターンテーブルを模式的に示す図である。 特別遊技および小当り遊技における大入賞口の開閉パターンと、演出表示装置に表示される演出表示との対応関係を例示するタイムチャートである。 通常大当りが発生したときの遊技過程を例示するタイミングチャートである。 小当りが発生したときの遊技過程を例示するタイミングチャートである。 普通図柄の変動時間の決定に用いられる時間決定テーブルの構成を模式的に示す図である。 第2始動入賞口の開放パターン(普通電動役物の拡開パターン)の決定に用いられる開放パターンテーブルの構成を模式的に示す図である。 ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。 図12におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図13におけるS24およびS28の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。 図13におけるS34の図柄変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。 図12におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図16におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。 図16におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。 図12におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図19におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。 図19におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。 図12におけるS18の開放抽選制御処理を詳細に示すフローチャートである。 図22におけるS334の開放抽選処理を詳細に示すフローチャートである。
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する遊技性を有する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技の遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると、第1の抽選、第2の抽選がそれぞれ実行され、その当否抽選の結果が「大当り」であった場合、大入賞口が開閉を繰り返す特別遊技が開始される。大入賞口が開放されて遊技球が入球すると、その都度所定数の賞球が払い出されることで遊技者は大きな利益を獲得できる。
本実施例では、大当りとして、通常の大当りと特定の大当りが設けられている。通常の大当りは通常の特別遊技(「通常特別遊技」という)への移行を示し、特定の大当りは特定の特別遊技(「特定特別遊技」)への移行を示す。いずれの特別遊技も複数の単位遊技(特別遊技が継続する場合の単位となる遊技)を含むが、大入賞口の開放態様(開放時間)が互いに異なっている。
通常特別遊技は、所定継続回数(15回)の単位遊技を含み、所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(30秒)の経過が各単位遊技の終了条件とされている。本実施例では、この通常特別遊技を「15R特別遊技」とも呼ぶ。また、その実行契機となる通常の大当りを「15R大当り」とも呼ぶ。一方、特定特別遊技は、所定継続回数(2回)の単位遊技を含み、所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(0.5秒)の経過が各単位遊技の終了条件とされている。後述のように、この0.5秒という極短期間には大入賞口への入球がほとんど見込めないため、実質的に出玉は期待できない。本実施例では、この特定特別遊技を「2R特別遊技」とも呼ぶ。また、その実行契機となる特定の大当りを「2R大当り」とも呼ぶ。ただし、2R大当りは15R大当りと同様確変を伴う可能性がある点で遊技者に有利となる。なお、本実施例では15R大当りは全て確変移行を伴うが、2R大当りは確変移行を伴う場合と確変移行を伴わない場合がある。以下、確変移行を伴う2R大当りを「2R確変大当り」、確変移行を伴わない(通常状態への移行を伴う)2R大当りを「2R通常大当り」とも呼ぶ。
一方、第1の抽選または第2の抽選が「小当り」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口の短時間の開放(0.5秒の開放が2回)がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、単位遊技を1回分しか有しないため「大当り」とは区別される。本実施例では小当り遊技においても大入賞口の開放時間が短いため、2R特別遊技と同様に実質的に出玉は期待できない。小当りは確変や時短等の特定遊技を伴わず、その小当り遊技前後の遊技状態を変化させない。ただし、確変状態(高確率状態)から大当りが発生した場合、その大当りが確変を伴わなければその特別遊技後の遊技状態は通常状態(低確率状態)に転落してしまうが、確変状態から小当りが発生してもその小当り遊技後の遊技状態は確変状態に維持される。したがって、小当りは、確変移行を伴わない点で2R確変大当りよりも不利であるが、確変状態から通常状態への転落がない点で2R通常大当りよりも有利となる。つまり、2R大当りと小当りとの間にはこのような得失がある。なお、本実施例では、第1の抽選と第2の抽選とでは、第2の抽選の方が小当りの発生確率が高確率に設定される。
時短は、当否抽選の結果を示す特別図柄の変動時間を通常状態よりも短くすることで一定時間あたりの図柄変動および当否抽選の回数を増加させる。また、時短中には第2始動入賞口への一定時間あたりの入球容易性が高められるため、その第2始動入賞口への入球により賞球が得られる頻度が増し、遊技者は持ち玉の減少を抑制しながら効率よく大当りを狙うことができる。本実施例における時短は、特別遊技の終了後に特別図柄の変動回数が所定回数(「終期回数」ともいう)に達するまで、または新たな大当りが発生するまで継続する。具体的には後述のように、確変移行を伴う大当りが発生した場合には、時短の終期は次の大当りが発生するまでとなり、確変移行を伴わない大当りが発生した場合には、時短の終期は所定の終期回数(100回)に達するか、それ以前に新たな大当りが発生するまでとなる。なお、確変の終期については次の大当りが発生するまでとしている。
本実施例では、2R特別遊技と小当り遊技とを大入賞口の開放態様において外観上同様にみせて両遊技の区別を困難にし、いずれの遊技であるか(2R大当りと小当りのいずれが発生したか)につき遊技者の期待感を煽る遊技性を実現する。また、時短中においては第2始動入賞口が入球容易状態となるところ、特別遊技中は時短の設定がオフにされるのに対し、小当り遊技中は時短の設定はオフにされない。このため、時短中の入球容易性に基づいて特別遊技であるか小当り遊技であるかが判別されると、上述した遊技性が担保されなくなる。本実施例ではこの点に着目し、時短中に小当りが発生した場合の入球容易状態を制御してこのような問題を解決する。以下、その詳細について説明する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動入賞口62および第2始動入賞口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。第1始動入賞口62と第2始動入賞口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。例えば、第1始動入賞口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、第2始動入賞口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられる。
第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。
また、第2始動入賞口63は図示するとおり遊技領域52の右側における狭い通路に設けられているので、右側を狙って強めに打球した遊技球の多くが少なくとも第2始動入賞口63の近傍に集まるので、第2始動入賞口63に入球し易くなる。これに対し、第1始動入賞口62には普通電動役物が設置されておらず、しかも狭い通路から離れた位置に設けられているため、入球可能性はそれほど高くない。ただし、第2始動入賞口63の直上には図示略の遊技釘が設けられており、拡開されていない状態においては、第2始動入賞口63そのものの入球容易性は第1始動入賞口62よりも低くなる。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は、15R特別遊技に対応する大入賞口として設けられ、15R大当りの発生により開放される。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が所定の大当り態様(15R大当り態様)にて停止したときに「15R大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。
一方、第2大入賞口92は、2R特別遊技および小当り遊技に対応する大入賞口として設けられ、2R大当りまたは小当りの発生により開放される。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92の羽根を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が所定の大当り態様(2R大当り態様)にて停止したときに「2R大当り」として開放状態となる。また、第2大入賞口92は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が所定の小当り態様にて停止したときに「小当り」として開放状態となる。
遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60の周囲にはセンター飾り64が設けられ、第2大入賞口92は、そのセンター飾り64の右側に取り付けられている。開放された第2大入賞口92に入球した遊技球は、センター飾り64の内部に設けられた通路31を通って内側の空間へ流入する。入賞検出装置79は、その通路31に設けられている。
演出表示装置60の左下方の左右に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71が設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、ドットマトリクス・ディスプレイや7セグメントLEDで構成される表示手段である。第1特別図柄192および第2特別図柄193はそれぞれ「1」〜「9」の9種類の数字や、「A」〜「C」,「−」等の文字や、その他の記号で表される。
演出表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192に連動する装飾図柄190または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190の変動が表示される。演出表示装置60は、例えば液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動入賞口63の普通電動役物65を拡開させるか否かを決定する普通図柄抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。この普通図柄抽選は、普通図柄の停止図柄により普通電動役物65の作動有無、つまり第2始動入賞口63の拡開作動の有無を決定するための抽選であり、「作動抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物65が所定時間拡開される。
センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1特別図柄表示装置70の上方には、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20が設けられている。第1特図保留ランプ20は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動入賞口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
また、第2特別図柄表示装置71の上方には、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21が設けられている。第2特図保留ランプ21も2個のランプからなる。第2特図保留ランプ21は、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中または特別遊技の実行中に第2始動入賞口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
普通図柄表示装置59の下方には、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22が設けられている。普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄195の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄195の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動入賞口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動入賞口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。
第1特別図柄192および第2特別図柄193は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄192または第2特別図柄193が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合も特別遊技に移行し、同様に第1大入賞口91の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
当否抽選が大当りに該当した場合は特別遊技が実行される。15R特別遊技は、開始デモと呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモの画面表示後に第1大入賞口91が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口91の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。第1大入賞口91の開閉ないし単位遊技が15回繰り返された後、終了デモと呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。
また、2R特別遊技も開始デモの表示によって開始される。その開始デモの画面表示後に第2大入賞口92が開放され、その開放が約0.5秒間続いた後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第2大入賞口92の開放から閉鎖までが単位遊技となる。第2大入賞口92の開閉ないし単位遊技が2回繰り返された後、終了デモの表示によって特定特別遊技が終了される。
これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技(2R特別遊技)と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。本実施例では上述したように、小当り遊技では第2大入賞口92が2R特別遊技と同様の態様で複数回短開放される。すなわち、小当り遊技も、開始デモの表示によって開始される。その開始デモの画面表示後の単位遊技において第2大入賞口92の約0.5秒間の短開放が2回繰り返される。その2回の短開放の後、終了デモと呼ばれる演出画面の表示によって小当り遊技が終了される。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、その特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短が開始される。第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短は、これらの変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、普通図柄抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長が実施されることにより第2始動入賞口63への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。通常状態における普通図柄195の変動表示において30秒から60秒の間で比較的長い変動時間が設定されるのに対し、時短状態では1秒と通常状態よりも相当短い変動時間が設定される。ただし、時短状態であっても後述する小当り遊技開始後の限定期間においては普通図柄の変動時間が30秒から60秒の範囲で設定される。すなわち、小当り遊技中の入球容易状態が明らかになって2R大当りではなく小当りであることは判明することを防止するものである。
普通図柄抽選の確率変動は、普通図柄抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。通常状態では1/256の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。一方、時短状態では通常状態よりも高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。具体的には、通常時短においては250/256の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。
普通電動役物65の開放延長は、普通電動役物65の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。すなわち、普通電動役物65の作動1回あたりの開放時間は、通常状態においては0.5秒の1回開放(通常開放パターン1)、1秒の1回開放(通常開放パターン2)、2秒の1回開放(通常開放パターン3)の3種類が設けられており、それらの通常開放パターン1,2,3の選択確率が約90%,7%,3%となっている。一方、時短中においては普通電動役物65の作動1回あたりの開放時間が2秒の3回開放に設定され、通常状態よりも長いので、遊技球は第2始動入賞口63に入球しやすくなる。
ただし、時短状態であっても後述する小当り遊技開始後の限定期間に決定される普通電動役物65の作動態様については、その作動1回あたりの開放時間が通常状態と同様に0.5秒の1回開放(特殊開放パターン1)、1秒の1回開放(特殊開放パターン2)、2秒の1回開放(特殊開放パターン3)の3種類が設けられており、それらの特殊開放パターン1,2,3の選択確率が約90%,7%,3%となっている。すなわち、普通電動役物65の作動を見ても通常状態と見分けがつき難くされている。
時短による入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動入賞口63への入球容易性も増すため、第2始動入賞口63への入球数が増加する可能性も高まる。したがって、第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は第2始動入賞口63への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉の減少を抑制しつつ遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、普通図柄抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動入賞口63への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40は、ぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動入賞口62、第2始動入賞口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、小当り遊技制御手段121、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、特図調整手段152、条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動入賞口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動入賞口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、「特図抽選手段」として機能する。第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114を含み、第1始動入賞口62への入球に対応する特別図柄抽選として第1の抽選を実行する。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。一方、第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119を含み、第2始動入賞口63への入球に対応する特別図柄抽選として第2の抽選を実行する。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を演出決定手段132へ送信する。
第1抽選値取得手段112は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1の抽選のための乱数の値を第1当否抽選値(「特図抽選値」ともいう)として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2の抽選のための乱数の値を第2当否抽選値(「特図抽選値」ともいう)として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得された値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。なお、以下の説明において第1当否抽選値と第2当否抽選値とを区別しない場合には、単に「当否抽選値」ともいう。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルを保持する。当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定において図示の当否判定テーブルを参照する。図4(a)は通常時に参照されるテーブルであり、図4(b)は確変時に参照されるテーブルである。
すなわち、各当否判定手段による当否抽選においては、通常時には当否抽選値が0〜163の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜163の範囲に該当する場合だけでなく、164〜1639の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1の抽選と第2の抽選とで大当りに該当する確率は等しい。大当りに該当した場合、それが確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。図示の例では、第1の抽選においては確変状態の有無にかかわらず、第1当否抽選値が65455〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。一方、第2の抽選においては確変状態の有無にかかわらず、第2当否抽選値が65208〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。つまり、本実施例では、第1始動入賞口62への入球を契機とする第1の抽選よりも第2始動入賞口63への入球を契機とする第2の抽選のほうが高い確率で小当りとなる。したがって、通常時短により入球容易性が高まった状態で第2始動入賞口63への入球を狙えば、比較的高い確率で小当りを発生させることができる。なお、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。なお、小当りを外れに含めることなく特定の当りとし、当否判定テーブルに個別の範囲を設けてもよい。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、図柄の変動開始に先だち、別途取得する乱数値である図柄抽選値と当否判定の結果とに応じて特別図柄の停止図柄を決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数種の図柄判定テーブルを保持する。
図5は、図柄判定テーブルの構成例を示す。ここでは、図柄抽選値は「0」から「255」までの値範囲であることとする。この図柄判定テーブルには、図柄抽選値に対し、第1特別図柄192および第2特別図柄193の停止態様(停止図柄)、確変移行の有無、時短移行の有無、時短の終期がそれぞれ対応づけられている。図5(a)および(b)は当否抽選の結果が大当りであった場合に参照されるテーブルであり、図5(c)は当否抽選の結果が外れであった場合に参照されるテーブルであり、図5(d)は当否抽選の結果が小当りであった場合に参照されるテーブルである。
第1当否判定手段113は、第1の抽選の結果が大当りとなった場合、図5(a)の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルには、「1」〜「9」の数字で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。各特別図柄には、確変を伴うか否か、時短を伴うか否か、時短を伴う場合の終期が定められている。第1当否判定手段113は、図柄抽選値がいずれの範囲に含まれるかに応じて特別図柄「1」〜「9」のうちいずれかを選択する。そして、特別図柄「1」〜「3」が選択された場合に15R大当りと判定し、特別図柄「4」〜「6」が選択された場合に2R確変大当りと判定し、特別図柄「7」〜「9」が選択された場合に2R通常大当りと判定する。なお、本実施例では上述のように、15R大当りは全て確変を伴う大当りとなる。本実施例では図示のように、大当りのうち約80%の確率で確変を伴う当りとなる。約50%が15R大当りとなり、約30%が2R確変大当りとなる。これらの大当りは、確変と同様に次の大当りまでを終期とする時短を伴う。一方、約20%の2R通常大当りは、特別図柄の変動回数100回を終期回数とする時短を伴う。
一方、第2当否判定手段117は、第2の抽選の結果が大当りとなった場合、図5(b)の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルには、「1」〜「3」および「7」〜「9」の特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。すなわち、第2始動入賞口63への入球を契機とする第2の抽選においては2R確変大当りは発生しない設定となっている。第2当否判定手段117は、特別図柄「1」〜「3」が選択された場合に15R大当りと判定し、特別図柄「7」〜「9」が選択された場合に2R通常大当りと判定する。図示のように、大当りのうち約80%の確率で確変を伴う15R大当りとなり、約20%の確率で確変を伴わない2R通常大当りとなる。15R大当りは、確変と同様に次の大当りまでを終期とする時短を伴う。一方、2R通常大当りは、特別図柄の変動回数100回を終期回数とする時短を伴う。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否抽選の結果が外れの場合、図5(c)の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルには、外れの特別図柄として特別図柄「−」のみが全範囲の図柄抽選値に割り当てられる。図5(c)の図柄判定テーブルを参照して図柄を決定する場合には、大当りではないため確変、時短に関する遊技状態の変更の契機とはならない。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否抽選の結果が小当りの場合、図5(d)の図柄判定テーブルを参照する。図5(d)の図柄判定テーブルには、「A」〜「C」の文字で表される特別図柄と図柄抽選値との対応関係が定められている。この図柄判定テーブルを参照して図柄を決定する場合には、大当りではないため確変、時短に関する遊技状態の変更の契機とはならない。ただし、特別図柄「A」〜「C」のいずれが選択されるかによって限定期間における普通電動役物65の開放時間が異なる。その詳細については後述する。
なお、限定期間終了後の普通電動役物65の開放態様についても複数種類設け、小当り遊技の契機となった特別図柄(停止図柄)に応じて変化させるようにしてもよい。さらに、2R特別遊技後の普通電動役物65の開放態様についても複数種類設け、その2R特別遊技の契機となった特別図柄(停止図柄)に応じて変化させるようにしてもよい。そして、普通電動役物65が開放された際に小当りおよび2R大当りのいずれであったかにつき遊技者の期待感を煽るようにしてもよい。
具体的には、普通電動役物65の開放態様(第2始動入賞口63の開放パターン)に関して2R確変大当り、2R通常大当りおよび小当りに共通の選択対象として、入球容易性の高いものから開放パターンA,B,Cを設けてもよい。そして、2R特別遊技の契機となった特別図柄が2R確変大当りを示す図柄であった場合、開放パターンA,B,Cの選択確率が約50%,34%,16%となるように設定してもよい。また、2R特別遊技の契機となった特別図柄が2R通常大当りを示す図柄であった場合、開放パターンA,B,Cの選択確率が約33%,34%,33%となるように設定してもよい。さらに、小当り遊技の契機となった小当りを示す図柄であった場合、開放パターンA,B,Cの選択確率が約16%,34%,50%となるように設定してもよい。このように設定することで、開放パターンによって限定期間終了後の遊技状態(確変か否か)に対する期待度が変わるようになる。例えば、開放パターンCの開放がなされた場合、約50%の確率で確変状態、約50%の確率で通常状態となる。このような設定により、限定期間終了後の遊技状態につき、遊技者の期待感を煽る遊技性を実現することができる。
図3に戻り、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、図柄の変動開始に先だち、当否抽選の結果に応じて複数種の変動パターンからいずれかの変動パターンを選択する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照すべき変動パターンテーブルを保持する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、決定した変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118、演出決定手段132へ送出する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつとともに、その変動時間にて複数の図柄で構成される装飾図柄による図柄変動も実行されることを前提として規定される。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄および装飾図柄の変動が停止される。
図6は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。変動パターンテーブルには、パターン抽選値と変動パターンとが対応づけられている。ここでは、パターン抽選値は「0」から「255」までの値範囲であることとする。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図6(a)に示される外れ用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当りのときは図6(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図6(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。また、後述する小当り遊技開始後の初回の図柄変動に対しては、図6(d)に示される限定変動パターンテーブルを参照する。
図6(a)に示すように、外れ用の変動パターンテーブルにおいては、パターン抽選値「0〜10」に「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「11〜20」に「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値「21〜255」に「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。
図6(b)に示すように、15R大当り用の変動パターンテーブルにおいては、パターン抽選値「0〜120」に「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「121〜240」に「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値「241〜250」に「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値「251〜255」に「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図6(c)に示すように、2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルにおいては、パターン抽選値「0〜122」に「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「123〜255」に「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図6(d)に示すように、限定変動パターンテーブルにおいては、パターン抽選値「0〜255」に変動時間が短い超短縮の限定変動パターン(リーチなし)が対応付けられている。このように限定期間においては、特別図柄の変動時間が極めて短く設定される。なお、小当り遊技直後の(次の)図柄変動により示す当否抽選結果が大当りである場合には、その特別図柄の変動時間を長く設定してもよい。
図3に戻り、普図抽選手段136は、「普図決定手段」として機能し、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値(「普図抽選値」ともいう)を取得することにより普通図柄抽選を実行する。例えば、普図抽選値は「0」から「511」までの値範囲から取得される。普図抽選手段136が参照する当否テーブルには、当りまたは外れの判定結果と普図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。上述したように本実施例では、時短中(入球容易状態)のほうが通常状態よりも高確率で当りとなるように設定される。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄195の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄195の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには普図抽選値と普通図柄195の対応関係が定められており、普図抽選手段136は、普通図柄195の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。
普図抽選手段136は、また、普通図柄195の変動時間を決定するために参照すべき時間決定テーブルを保持し、遊技状態に応じて普通図柄195の変動時間を選択するためのパターン抽選を実行する。普図抽選手段136は、通常状態における普通図柄195の変動表示において30秒から60秒の間で比較的長い変動時間をランダムに選択する。一方、入球容易状態(特定遊技中)は通常時短状態においては1秒と通常状態よりも相当短い変動時間を選択する。時間決定テーブルには、このような遊技状態と普通図柄195の変動時間との対応関係が定められており、普図抽選手段136は、普通図柄195の変動時間を時間決定テーブルを参照して決定する。この時間決定テーブルの具体例については後述する。
普図抽選手段136は、普図決定手段として機能する。普通図柄195について決定された停止図柄が所定の図柄となった場合、普通図柄195が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄195の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動入賞口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。普図抽選手段136は、普通図柄195の変動時間および停止図柄を決定する際に、普通電動役物65の開放態様についても決定するための開放態様抽選を実行する。普図抽選手段136は、普通電動役物65の開放態様を開放パターンテーブルを参照して決定する。この開放パターンテーブルの具体例については後述する。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持するが、その当否抽選値の当否判定結果とともに保持してもよい。その保留数が第1特図保留ランプ20の点灯数または点滅数により表される。また、第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持するが、その当否抽選値の当否判定結果とともに保持してもよい。その保留数が第2特図保留ランプ21の点灯数または点滅数により表される。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。その保留数が普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄195の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。本実施例において、特図調整手段152は、第1特別図柄192よりも第2特別図柄193の変動表示を優先的に実行する。すなわち、第2保留手段146に当否抽選値が保留されている間は、第1保留手段144に当否抽選値が保留されていても、第2保留手段146に保留された当否抽選値の消化を優先させる。これにより、第2特別図柄193の変動終了時には既に第2保留手段146により当否抽選値が保留されているという状態を維持するかぎり、第2の抽選を継続的に実行させることが可能になる。その結果、出玉のある大当りを早期に発生させやすくなる。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当り態様で停止されたときはその停止表示を継続し、他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
条件保持手段176は、特別遊技作動条件保持手段178および小当り遊技作動条件保持手段180を含む。特別遊技作動条件保持手段178は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件保持手段178は、当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となり、特別図柄が所定の大当り態様で停止されることをその特別遊技作動条件として保持する。すなわち、特別遊技作動条件保持手段178は、当否抽選の結果が15R大当りとなり、特別図柄が15R大当りを示す図柄で停止されることを15R特別遊技の作動条件として保持する。特別遊技作動条件保持手段178は、当否抽選の結果が2R大当りとなり、特別図柄が2R大当りを示す図柄で停止されることを2R特別遊技の作動条件として保持する。
小当り遊技作動条件保持手段180は、小当り遊技へ移行するための条件である小当り作動条件を保持する。小当り遊技作動条件保持手段180は、当否抽選が小当り遊技への移行を示す結果となり、特別図柄が所定の小当り態様で停止されることを小当り作動条件として保持する。すなわち、遊技作動条件保持手段180は、当否抽選の結果が小当りとなり、特別図柄が小当りを示す図柄で停止されることを小当り遊技の作動条件として保持する。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否抽選結果が大当りであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技が所定回数を消化した場合に特別遊技を終了させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選の結果が15R大当りとなって特別遊技作動条件が成立したときに長期開放遊技として15R特別遊技を実行する。すなわち、15R特別遊技として単位遊技を15回繰り返し、1回の単位遊技において第1大入賞口91を約30秒間開放させる。15R特別遊技における大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)は、長期開放遊技と短期開放遊技とを区別するために予め定めた開放基準時間(本実施例では2秒)以上となっている。特別遊技制御手段120は、また、当否抽選の結果が2R大当りとなって特別遊技作動条件が成立したときに短期開放遊技として2R特別遊技を実行する。すなわち、2R特別遊技として単位遊技を2回繰り返し、1回の単位遊技において第2大入賞口92を約0.5秒間開放させる。2R特別遊技における大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間:本実施例では0.5×2=1秒)は上記開放基準時間未満となる。
小当り遊技制御手段121は、当否抽選の結果が小当りとなって小当り作動条件が成立したときに短期開放遊技として小当り遊技を実行する。小当り遊技制御手段121は、小当り遊技として単位遊技を1回だけ実行し、例えば、その単位遊技において第2大入賞口92を0.5秒、0.5秒の2回にわたって開放する。小当り遊技における大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間:本実施例では0.5×2=1秒)は上記開放基準時間未満となる。
特定遊技実行手段122は、確変状態および時短状態(入球容易状態)における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、確変状態を次の大当りが発生するまで継続する。特定遊技実行手段122は、時短状態を予め定められた終期に到達するまで継続するが、その終期に到達するまでに当否抽選が大当りとなれば一旦時短状態を終了する。時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。また、入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、第2始動入賞口63の拡開機構(「入球変動機構」として機能する)の開放延長が実施される。
開閉制御手段124は、「作動制御手段」として機能し、第2始動入賞口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄195が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、入球容易状態においては普通電動役物65を通常状態に比べて長い時間作動させ、第2始動入賞口63を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行する。第2始動入賞口63の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉の減少を抑制しつつ遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段124は、15R特別遊技においては大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、第1大入賞口91を開放させる。開閉制御手段124は、2R特別遊技および小当り遊技においては大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第2大入賞口92を所定の短期間開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄の変動パターンとして複数の変動パターンデータを保持する。演出決定手段132は、第1抽選手段126または第2抽選手段128により決定された装飾図柄190の変動パターンをパターン記憶手段130から選択する。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄の組合せを第1抽選手段126または第2抽選手段128から受け取る特別図柄の停止図柄および変動パターンに基づいて決定する。パターン記憶手段130は、特別遊技中に演出表示装置60に表示させるべき演出や、小当り遊技中に演出表示装置60に表示させるべき演出のデータをさらに保持する。
演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、また、特別遊技の実行に先立って、その特別遊技中に表示される開始デモおよび終了デモを含む大当り演出の内容を決定する。演出決定手段132は、さらに、小当り遊技の実行に先立って、その小当り遊技中に表示される開始デモおよび終了デモを含む小当り演出の内容を決定する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が15R特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択される。すなわち、2R大当りや小当りの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄組合せと装飾図柄の変動パターンデータを演出表示制御手段134へ送る。
装飾図柄の変動パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動パターンを選択する。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。第1演出制御手段168は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって装飾図柄190として演出表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第2演出制御手段170は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって装飾図柄190として演出表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、それ以前の第1の抽選または第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
次に、本実施例における特徴的な遊技の進行制御の内容について説明する。本実施例では上述のように、2R特別遊技と小当り遊技とを大入賞口の開放態様において外観上同様にみせて両遊技の区別を困難にし、いずれの遊技であるか(2R大当りと小当りのいずれが発生したか)につき遊技者の期待感を煽る遊技性を実現する。その際、時短中の入球容易性に基づいて特別遊技であるか小当り遊技であるかが判別されないよう、時短中に小当りが発生した場合に、その小当り遊技開始からの限定期間、入球容易性を通常状態と同程度に低くするよう特定遊技を制御する。
図7は、特別遊技および小当り遊技における大入賞口の開閉パターンと、演出表示装置に表示される演出表示との対応関係を例示するタイムチャートである。同図(a)は15R大当りの場合を示し、同図(b)は2R大当りの場合を示し、同図(c)は小当りの場合を示している。
図7(a)に示すように、当否抽選結果が15R大当りになると、その結果を示す図柄変動(図示せず)が表示された後、15R特別遊技が開始されて大入賞口の長期開放が開始される。図示の例では、時刻t1にて15R特別遊技の実行開始を示す開始デモ演出が開始されている。そして、時刻t2から1回目の単位遊技(第1ラウンド:1R)が開始され、第1大入賞口91の開放および大当り演出が開始されている。15R特別遊技においては単位遊技が上限回数(15回)に到るまで繰り返し実行され、しかもその第1大入賞口91の開放時間が約30秒間と長く設定されているため、遊技者は多くの賞球を期待することができる。この通常特別遊技については、そのように多くの出玉が期待されることを遊技者に認知させるために、2R特別遊技および小当り遊技とは異なる大入賞口を開放させ、その開放期間も長く設定している。また、同様の趣旨から本実施例では開始デモ演出、当り演出および終了デモ演出の演出内容およびその組み合わせとして、2R特別遊技および小当り遊技のそれと異なるものが選択される。なお、先の単位遊技にて第1大入賞口91が閉鎖されてから次の単位遊技にて第1大入賞口91が開放されるまでのインターバル期間は2秒間に設定されている。
図7(b)に示すように、当否抽選結果が2R大当りになると、その結果を示す図柄変動(図示せず)が表示された後、2R特別遊技が開始されて大入賞口の短期開放が開始される。図示の例では、時刻t1にて特定特別遊技の実行開始を示す開始デモ演出が開始されている。そして、時刻t2から1回目の単位遊技(第1ラウンド:1R)にかかる第2大入賞口92の開放が開始されている。この2R特別遊技が継続される場合、各単位遊技における第2大入賞口92の開放時間は約0.5秒間とされ、さらに約2秒間のインターバル期間をおいて時刻t3から2回目の単位遊技(第2ラウンド:2R)が開始されている。そして、その2回目の開放終了(閉鎖)から約2秒間のインターバル期間をおいて時刻t4にて2R特別遊技の実行終了を示す終了デモ演出が開始されている。時刻t2と時刻t4の間には所定の大当り演出が表示される。
図7(c)に示すように、当否抽選結果が小当りになると、その結果を示す図柄変動(図示せず)が表示された後、小当り遊技が開始されて大入賞口の短期開放が行われる。図示の例では、時刻t1にて小当り遊技の実行開始を示す開始デモ演出が開始されている。そして、時刻t2から第2大入賞口92が2回開放される単位遊技(1ラウンド:1R)が開始されている。その1回あたりの開放時間は約0.5秒間とされ、1回目の開放終了(閉鎖)から約2秒間のインターバル期間をおいて時刻t3に2回目の開放が開始されている。すなわち、小当り遊技においては、単位遊技において第2大入賞口92が2回開放される。そして、その2回目の開放終了(閉鎖)から約2秒間のインターバル期間をおいて時刻t4にて小当り遊技の実行終了を示す終了デモ演出が開始されている。時刻t2と時刻t4の間には所定の小当り演出が表示される。
本実施例では、小当り遊技における開始デモ演出、当り演出、終了デモ演出の各演出内容、およびその組み合わせとして2R特別遊技のそれと同じものが選択される。一方、図示のように小当り遊技の大入賞口の開放態様は2R特別遊技と共通する。すなわち、大入賞口の外観上の開放態様が同様となり、演出内容も同一であるため、2R特別遊技と小当り遊技との見分けがつき難くなる。
図8は、2R通常大当りが発生したときの遊技過程を例示するタイミングチャートである。同図(a)はその2R特別遊技中に実行された普通図柄抽選が外れであった場合を示し、同図(b)はその2R特別遊技中に実行された普通図柄抽選が当りであった場合を示している。各図には、その上段から特別図柄(第1特別図柄192または第2特別図柄193)の変動状態、遊技状態(確変の有無)、第2大入賞口92の開閉状態、普通図柄195の変動状態、第2始動入賞口63の開閉状態が、それぞれ示されている。図中の「入球:高」は第2始動入賞口63の入球容易性が高い入球容易状態を示し、「入球:低」は第2始動入賞口63の入球容易性が低い通常状態を示している。
すなわち、図8(a)の示す例では、確変状態における時刻t1にて2R通常大当りが発生し、特別図柄の変動表示が開始されている。そして、その特別図柄の変動が停止した時刻t2にて2R特別遊技へ移行され、第2大入賞口92の2回の短開放が行われている。そして、この2R特別遊技中に普通図柄抽選があったため、時刻t3からその普通図柄抽選の結果を示す変動が開始されている。この2R特別遊技中は通常遊技ではないため確変および時短の設定は事実上オフとなる。このため、普通図柄195の変動パターンとして変動時間が比較的長いものが設定されている。また、2R通常大当りであったため、時刻t4にて2R特別遊技が終了すると非確変状態に転落している。一方、特別遊技の終了により時短へ移行され、再び入球容易状態となっている。ただし、非確変状態であるため、時短の終期回数として100回が設定されている。
図示の例では、2R特別遊技中の普通図柄抽選の結果が外れであったため、その抽選結果を示す図柄変動停止時に第2始動入賞口63の開放は行われていない。そして、時刻t5から次の普通図柄抽選の結果を示す変動が開始されているが、時短中であるため、普通図柄195の変動パターンとして変動時間が比較的短いものが設定されている。図示の例では、その普通図柄抽選の結果が当りであったため、その抽選結果を示す図柄変動が停止した時刻t6に第2始動入賞口63の開放が行われている。このとき、時短中であるため、第2始動入賞口63の開放延長がなされている。
一方、図8(b)の示す例では、2R特別遊技中の普通図柄抽選の結果が当りであったため、その抽選結果を示す図柄変動が停止した時刻t42に第2始動入賞口63の開放が行われている。このとき、時短中であるものの、第2始動入賞口63の開放態様は2R特別遊技中に決定されるため、その開放延長はなされていない。すなわち、2R通常大当りが発生した場合、その2R特別遊技中に普通図柄抽選のタイミングが訪れると、図8(a)または(b)のような過程を経る場合が想定される。なお、本実施例においては、第2始動入賞口63の開放態様の決定タイミングを普通図柄抽選と同様に普通図柄195の変動開始前としたが、変形例においては、第2始動入賞口63の開放態様の決定タイミングを普通図柄195の変動停止時に設定してもよい。その場合、図8(b)の示す例では時刻t42に入球容易状態にあるため、第2始動入賞口63の開放延長がなされるようになる。
図9は、小当りが発生したときの遊技過程を例示するタイミングチャートである。同図(a)はその小当り遊技中に実行された普通図柄抽選が外れであった場合を示し、同図(b)はその小当り遊技中に実行された普通図柄抽選が当りであった場合を示している。同図(c)は比較例として、従来のように限定入球状態を設けない場合において小当り遊技中に実行された普通図柄抽選が当りであった場合を示している。
すなわち、図9(a)の示す例では、確変状態における時刻t1にて小当りが発生し、特別図柄の変動表示が開始されている。そして、その特別図柄の変動が停止した時刻t2にて小当り遊技へ移行され、第2大入賞口92の2回の短開放が行われている。そして、この小当り遊技中に普通図柄抽選があったため、時刻t3からその普通図柄抽選の結果を示す変動が開始されている。この小当り遊技中は遊技状態が維持されるため、確変および時短の設定はオンのままとされる。
ただし、本実施例では小当り遊技開始からその終了後の初回の特別図柄の変動が停止するまでの期間を限定期間とし、第2始動入賞口63への入球容易性を限定入球状態とする。この「限定入球状態」は、小当りの発生を契機とする限定期間において例外的にその入球容易性を入球容易状態より低く設定するものであり、本実施例では通常状態と同じ設定とされている。つまり、限定入球状態では、普通図柄195の変動時間が通常状態と同様に長く、普通図柄抽選が当りとなっても第2始動入賞口63の開放時間が通常状態と同様に短くされる。なお、本実施例では普通図柄抽選の当選確率については入球容易状態のままとしているが、その当選確率についても通常状態と同様に低く設定してもよい。このようにすることで、限定期間に普通図柄抽選の結果が当りとなるか否か(つまり、普通電動役物65が拡開するか否か)に基づいても小当りの発生なのか又は2R大当りの発生なのかを分かり難くでき、いずれの遊技であるかにつき遊技者の期待感を煽ることができる。
このように限定期間を設定して限定入球状態としたため、小当り遊技中であるものの、普通図柄195の変動パターンとして変動時間が比較的長いものが設定されている。ただし、小当りであったため、確変状態はそのまま維持されている。そして限定期間が満了すると、入球容易状態へ戻されている。つまり、小当り遊技中の入球容易性が2R特別遊技中と同様となり、図8(a)に示した2R通常大当りの場合と同様の遊技状態が実現されている。一方、図9(b)には、小当り遊技中の普通図柄抽選の結果が当りであった場合が例示されているが、図8(b)に示した2R通常大当りの場合と同様の遊技状態が実現されている。すなわち、限定期間を設定して限定入球状態とすることにより、小当り遊技と2R特別遊技との区別がその実行中においても困難となっている。
これに対し、図9(c)に示す比較例では小当りを契機とした限定入球状態を設けていないため、小当り遊技中に入球容易状態がそのまま維持されている。その結果、普通図柄195の変動時間が時短状態を反映して短縮されている。また、普通図柄抽選が当りとなったために第2始動入賞口63の開放延長がなされている。このため、遊技者はその普通図柄195の変動時間が短いことや、第2始動入賞口63の開放時間が長いことを認識することで、小当り遊技であること(小当りが発生したこと)を容易に認識できるようになる。言い換えれば、本実施例では、図9(a)および(b)に示すように限定入球状態を設定したために、そのような認識がなされることを難しくし、2R大当り又は小当りのいずれが発生したかにつき遊技者の期待感を煽る遊技性を担保している。
図10は、普通図柄の変動時間の決定に用いられる時間決定テーブルの構成を模式的に示す図である。同図(a)は通常用いられる通常テーブルを示し、同図(b)は限定期間に用いられる限定テーブルを示している。普図抽選手段136は、遊技状態に応じていずれかの時間決定テーブルを参照し、普通図柄195の変動時間を決定する。
普図抽選手段136は、当否抽選の結果が小当りとなった場合の限定期間を除き、図10(a)に示す通常テーブルを参照する。この通常テーブルにおいては、現在の遊技状態と変動時間とが対応づけられている。図示のように、時短状態でなければ(非時短状態であれば)30秒,40秒,60秒と比較的長い時間が設定され、時短状態であれば1秒と相当短い変動時間が設定される。普図抽選手段136は、その普通図柄195の変動表示に先立って抽選値を「0〜255」の範囲から取得する。そして、非時短状態であれば、取得した抽選値が「0〜80」の範囲にあれば30秒、「81〜160」の範囲にあれば40秒、「161〜255」の範囲にあれば60秒を普図変動時間として設定する。一方、時短状態であれば、取得した抽選値が「0〜255」のいずれであっても1秒を普図変動時間として設定する。
一方、普図抽選手段136は、当否抽選の結果が小当りとなった場合に、その小当り遊技の開始からの限定期間(小当り遊技終了後の初回の特別図柄の変動が停止するまでの期間)、図10(b)に示す限定テーブルを参照する。普図抽選手段136は、その普通図柄195の変動表示に先立って抽選値を「0〜255」の範囲から取得する。そして、取得した抽選値が「0〜160」の範囲にあれば30秒、「161〜220」の範囲にあれば40秒、「221〜255」の範囲にあれば60秒を普図変動時間として設定する。すなわち、普図変動時間として非時短の場合と同様に比較的長い時間が選択対象として設定されている。ただし、限定入球状態はあくまで例外的措置によるものであるため、本来は時短中であることを考慮し、非時短の場合よりも相対的に短い時間が選択されやすくなっている。なお、本実施例では、通常テーブルと限定テーブルとを個別に設け、その内容を互いに異なるようにしたが、変形例においては通常テーブルの一部を限定テーブルとして用いるようにしてもよい。具体的には、限定期間においても図10(a)の非時短状態のテーブルを参照するようにしてもよい。
図11は、第2始動入賞口の開放パターン(普通電動役物の拡開パターン)の決定に用いられる開放パターンテーブルの構成を模式的に示す図である。同図(a)は通常用いられる通常パターンテーブルを示し、同図(b)は限定期間に用いられる限定パターンテーブルを示している。普図抽選手段136は、遊技状態に応じていずれかの開放パターンテーブルを参照し、普通図柄195の変動時間を決定する。
普図抽選手段136は、当否抽選の結果が小当りとなった場合の限定期間を除き、図11(a)に示す通常パターンテーブルを参照する。この通常パターンテーブルにおいては、現在の遊技状態と変動時間とが対応づけられている。図示のように、時短状態でなければ(非時短状態であれば)0.5秒の1回開放(通常開放パターン1)、1秒の1回開放(通常開放パターン2)、2秒の1回開放(通常開放パターン3)のいずれかが選択対象となり、時短状態であれば2秒の3回開放(特定開放パターン)のみが選択対象とされる。普図抽選手段136は、その普通図柄195の変動表示に先立って抽選値を「0〜255」の範囲から取得する。そして、非時短状態であれば、取得した抽選値が「0〜230」の範囲にあれば通常開放パターン1、「231〜246」の範囲にあれば通常開放パターン2、「247〜255」の範囲にあれば通常開放パターン3を設定する。なお、この非時短状態においては、最も開放時間が短い通常開放パターン1の選択確率が相当高く設定されている。一方、時短状態であれば、取得した抽選値が「0〜255」のいずれであっても特定開放パターンを設定する。
一方、普図抽選手段136は、当否抽選の結果が小当りとなった場合の限定期間においては、図11(b)に示す限定テーブルを参照する。普図抽選手段136は、その小当りを示す特別図柄(図5(d)参照)が「A」であれば0.5秒の1回開放(特殊開放パターン1)、「B」であれば1秒の1回開放(特殊開放パターン2)、「C」であれば2秒の1回開放(特殊開放パターン3)を設定する。なお、図示のように、最も開放時間が短い特殊開放パターン1の選択確率が相当高く設定されており、非時短状態と区別がつき難くなっている。なお、本実施例では、図11(b)と図5(d)との対比からも分かるように、限定期間における各開放パターンの選択確率と、図11(a)に示す非時短状態における各開放パターンの選択確率とを同一としたが、これらを互いに異なるように設定してもよい。
図12は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合の処理を実行する(S10)。そして、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行する(S17)。そして、第1始動入賞口62の開放態様を決定するための開放抽選制御処理を実行し(S18)、S10からS18までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S19)。なお、S16の特別遊技とS17の小当り遊技は同時に実行されることはなく、一方が実行されるときは他方は作動回避される。
図13は、図12におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S20のN)、第2特別図柄193の変動表示タイミングであれば(S22のY)、第2抽選手段128が第2保留手段146から第2当否抽選値を読み出して当否判定処理を実行する(S24)。そして、第2特別図柄193および装飾図柄190の図柄変動が開始される(S29)。一方、第2特別図柄193の変動表示タイミングでなく(S22のN)、第1特別図柄192の変動表示タイミングであれば(S26のY)、第1抽選手段126が第1保留手段144から第1当否抽選値を読み出して当否判定処理を実行する(S28)。そして、第2特別図柄193および装飾図柄190の図柄変動が開始される(S29)。
なお、第1特別図柄192の変動表示タイミングであるか、第2特別図柄193の変動表示タイミングであるかは、第2保留手段146に抽選値が保留されているか否かに加え、図柄変動中であるか否か応じて決定される。本実施例では上述のように、第2保留手段146が保留する抽選値を第1保留手段144が保留する抽選値よりも優先的に消化し、第1特別図柄192よりも第2特別図柄193の変動表示を優先的に実行する。したがって、第2保留手段146が抽選値を保留していれば、次の変動表示タイミングには第2特別図柄193の変動表示が開始されることになる。第2保留手段146が抽選値を保留しておらず、第1保留手段144のみが抽選値を保留している場合、次の変動表示タイミングには第1特別図柄192の変動表示が開始されることになる。第2特別図柄193の変動表示タイミングでなく、第1特別図柄192の変動表示タイミングでもなければ(S26のN)、本図のフローを終了する。一方、既に図柄変動表示が開始されている場合は(S20のY)、図柄変動表示処理を実行し(S30)、図柄変動の停止タイミングに達していれば(S32のY)、図柄変動の停止処理を実行する(S34)。図柄変動の停止タイミングに達していないときは、S34をスキップする(S32のN)。
図14は、図13におけるS24およびS28の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。S24の当否判定処理においては、まず、第2当否判定手段117が第2当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。そして、当否判定結果に基づいて第2特別図柄193の停止図柄を決定し(S46)、第2パターン決定手段119が第2特別図柄193の変動パターンを選択する(S48)。演出決定手段132は、当否判定結果および第2特別図柄193に基づいて装飾図柄190の停止図柄組合せを決定し(S50)、第2特別図柄193の変動パターンに応じて装飾図柄190の変動演出パターンを選択する(S52)。
同様に、S28の当否判定処理においては、まず、第1当否判定手段113が第1当否抽選値を読み出して(S42)、その当否抽選値に基づいて当否を判定する(S44)。そして、当否判定結果に基づいて第1特別図柄192の停止図柄を決定し(S46)、第1パターン決定手段114が第1特別図柄192の変動パターンを選択する(S48)。演出決定手段132は、当否判定結果および第1特別図柄192に基づいて装飾図柄190の停止図柄組合せを決定し(S50)、第1特別図柄192の変動パターンに応じて装飾図柄190の変動演出パターンを選択する(S52)。
図15は、図13におけるS34の図柄変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。まず図柄変動を停止する処理を実行し(S300)、当否抽選の結果が大当りであった場合(S302のY)、時短(入球容易状態)を伴う図柄であれば(S304のY)、時短の設定をオンする(S306)。時短を伴う図柄でなければ(S304のN)、S306の処理をスキップする。さらに確変を伴う図柄であれば(S308のY)、確変の設定をオンし(S310)、確変を伴う図柄でなければ(S308のN)、確変の設定をオフする(S312)。そして、特別遊技へ移行する(S314)。15R大当りである場合は15R特別遊技へ移行し、2R大当りである場合には2R特別遊技へ移行する。なお、ここで設定された確変のオンおよび時短のオンは、特別遊技の終了後に有効となる。
一方、大当りでなかった場合には(S302のN)、後述する小当り終了フラグがオンであれば(S316のY)、その小当り終了フラグをオフにし(S318)、さらに後述する限定フラグをオフにする(S320)。小当り終了フラグがオフであれば(S316のN)、S318およびS320の処理をスキップする。ここで、「小当り終了フラグ」は、小当り遊技が終了したときに設定されるフラグであり、「限定フラグ」は上述した限定期間であることを示すフラグである。上述のように、小当り遊技終了後の特別図柄の初回の変動が終了するまでが限定期間とされているため、その限定期間は、小当り遊技終了後に外れを示す特別図柄が停止されたときに終了する。小当り遊技終了後に連続して小当りとなった場合には、限定期間を一旦終了させたうえで再度開始する。このため、小当り終了フラグがオンであることは、その小当り遊技終了後の初回の特別図柄の変動が外れまたは小当りとなったことを表すため、これをオフにして限定期間を終了するものである。
そして、時短中であれば(S322のY)、その時短の終期となっていれば(S324のY)、時短の設定をオフにする。既に述べたように、時短の終期は、確変の終期と同じかまたは終期回数(100回)に到達したことである。時短の終期となっていなければ(S324のN)、S326の処理をスキップする。時短中でなければ(S322のN)、S324およびS326の処理をスキップする。そして、小当りであった場合には(S328のY)、小当り遊技へ移行する(S329)。小当りでなかった場合、つまり外れであった場合には(S328のN)、S329の処理をスキップする。
図16は、図12におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口(第1大入賞口91または第2大入賞口92)が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。大入賞口が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合(S92のN)、特別遊技中に表示させるべきデモ演出の内容を決定する。そして、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
S106においては、デモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、特別遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、特別遊技終了条件が満たされることになる。特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了する(S118)。そして、確変や時短などの特定遊技への移行が決定されている場合には、特定遊技実行手段122が特定遊技を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降の処理をスキップする。
図17は、図16におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図18は、図16におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、この特別遊技における入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。15R特別遊技であれば第1大入賞口91の開放開始から30秒の経過であり、2R特別遊技であれば第2大入賞口92の開放開始から0.5秒の経過である。このとき、単位遊技の繰り返し数が継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。この継続上限回数は15R特別遊技であれば15回であり、2R特別遊技であれば2回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図19は、図12におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、第2大入賞口92が開放済でなければ(S158のN)、第2大入賞口92の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、第2大入賞口92の閉鎖処理を実行する(S162)。そして、第2大入賞口92が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、まず限定フラグをオンにする(S153)。そして、小当り遊技を開始して(S154)、開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。
S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。このとき、小当り終了フラグをオンにしておく(S179)。終了デモ演出が終了していない場合には(S176のN)、S178以降の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、S152以降のフローをスキップする。
図20は、図19におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく第2大入賞口92の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、第2大入賞口92の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図21は、図19におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく第2大入賞口92の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、第2大入賞口92を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、例えば、第2大入賞口92の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
図22は、図12におけるS18の開放抽選制御処理を詳細に示すフローチャートである。普図抽選値が保留されている場合であって(S330のY)、普通図柄が変動表示中でなければ(S332のN)、普図抽選手段136が普通図柄抽選を実行する(S334)。そして、その抽選結果に応じて普通図柄表示制御手段156が普通図柄の変動表示を開始する(S336)。S330において普図抽選値が保留されていなかった場合は(S330のN)、S332からS336までの処理がスキップされ、S332において普通図柄が変動表示中であった場合は(S332のY)、S334とS336の処理がスキップされる。続いて、普通図柄の変動表示がすでに開始されていれば(S338のY)、普通図柄表示制御手段156が普通図柄の変動表示処理を実行し(S340)、普通図柄の変動表示を終了させるべきタイミングに達していれば(S342のY)、普通図柄の変動表示を停止させる(S344)。
このとき普通図柄抽選が当りであれば(S346のY)、S334の開放抽選処理にて決定された開放パターンにしたがって第2始動入賞口63の拡開機構を開放させ(S348)、当りでなければ(S346のN)、S348の処理をスキップする。S338において、普通図柄の変動表示が開始されていなければ、S340からS348までの処理をスキップし(S338のN)、S342において、普通図柄の変動終了タイミングに達していない場合は(S342のN)、S344からS348までの処理をスキップする。また、第2始動入賞口63の拡開機構(普通電動役物65)が開放中の場合であって(S350のY)、その閉鎖タイミングに到達していれば(S352のY)、開閉制御手段124は拡開機構を閉鎖する(S354)。閉鎖タイミングに達していなければ(S352のN)、S354をスキップし、第2始動入賞口63の拡開機構が開放されていないときは(S350のN)、S352およびS354をスキップする。
図23は、図22におけるS334の開放抽選処理を詳細に示すフローチャートである。まず、限定フラグがオンであれば(S360のY)、限定テーブルを設定し(S362)、限定フラグはオフであれば(S360のN)、通常テーブルを設定する(S364)。ここで、限定テーブルは、図10(b)および図11(b)に示したテーブルである。通常テーブルは、図10(a)および図11(a)に示したテーブルである。そして、普通図柄抽選の当否判定を実行し(S366)、パターン抽選により普通図柄195の変動時間を設定し(S368)、開放態様抽選により第2始動入賞口63の開放パターンを設定する(S370)。
以上に説明したように、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、時短中に小当りが発生した場合、その小当り遊技の実行中は第2始動入賞口63への入球容易性が低い限定入球状態となり、2R特別遊技の実行中と共通の状態となる。このため、小当り遊技中に第2始動入賞口63への入球容易性を外観上表出させる契機が訪れたとしても、それが小当り遊技であるのか2R特別遊技であるのかを遊技者に判別困難とすることができる。その結果、2R特別遊技と小当り遊技(2R大当りと小当り)を見分け難くして遊技者の期待感を煽る遊技性の効果を確保することができる。一方、小当り遊技後の初回の図柄変動が終了すると(限定期間が満了すると)、限定入球状態から入球容易状態に戻されるので、入球容易状態からの転落がないという小当り本来の利益状態を担保することができる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
上記実施例においては、図5(c)および(d)に示したように、小当りおよび外れについては、第1の遊技と第2の遊技とで共通の図柄判定テーブルを用いる例を示した。変形例においては、小当りおよび外れの少なくとも一方について、第1の遊技と第2の遊技のそれぞれについて個別の図柄判定テーブルを設けてもよい。例えば、小当りについて第1の遊技と第2の遊技のそれぞれについて個別の図柄判定テーブルを設け、図11(b)に示す限定テーブルとして、第2始動入賞口63の開放態様の選択対象または選択確率が両遊技で異なるようにしてもよい。
(変形例2)
上記実施例では、大入賞口の短開放が行われる特定特別遊技のラウンド数を2ラウンドのみとし、単位遊技あたりの大入賞口の開放時間を0.5秒とする例を示した。変形例においては、特定特別遊技としてラウンド数の異なる特別遊技を設けてもよい。例えば特定特別遊技のラウンド数も通常特別遊技と同様に15ラウンドとし、単位遊技あたりの大入賞口の開放時間を0.1秒としてもよい。その場合、特定特別遊技の開始から終了までにおける大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)が予め定める開放基準時間(例えば2秒)未満となるようにする。そして、小当り遊技として、単位遊技において大入賞口の0.1秒の開放を15回実行するようにし、小当り遊技の開始から終了までにおける大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)も開放基準時間未満となるようにする。このような構成においても特定特別遊技と小当り遊技とが大入賞口の開閉態様において共通するため、両者の区別をつき難くして遊技者の期待感を煽る遊技性を実現でき、上記実施例の作用効果を発揮させることができる。また、このように構成することで特別遊技のラウンド数を特定特別遊技であるか通常特別遊技であるかによらず共通とすることで、いわゆるラウンド表示灯を設ける必要がなくなり、上記実施例の作用効果をより顕著に発揮させることが可能となる。具体的には、通常特別遊技および特定特別遊技をいずれも15R特別遊技に統一し、小当り遊技における単位遊技での大入賞口の開放回数を15回とすると、特別遊技のラウンド数を区別するためのラウンド表示灯(小当り遊技表示灯:単位遊技表示灯を含む)が不要となる。そのため、ラウンド表示灯の点灯態様を判別することによる当りの判別がより困難となり、上記実施例の作用効果をより顕著に発揮させることが可能となる。
(変形例3)
上記実施例では図9に示したように、限定期間中に決定された第2始動入賞口63の開放態様がその限定期間の経過後に反映される例を示したが、限定期間として普通図柄195の図柄変動よりも長い時間が設定された場合には、その開閉態様が限定期間内に反映されるようになることは言うまでもない。なお、変形例においては、普通図柄抽選および普通図柄195の変動時間を決定するためのパターン抽選と、第2始動入賞口63の開放態様を決定するための開放態様抽選とを異なるタイミングで実行するようにしてもよい。例えば、普通図柄抽選が当りとなった場合の普通図柄195の変動停止のタイミングで開放態様抽選を実行するようにしてもよい。そして、普通図柄抽選およびパターン抽選が限定期間前に実行されたとしても、開放態様抽選の実行タイミングが限定期間中である場合には、その開放時間が相対的に短くなる(入球容易性が低くなる)ようにしてもよい。
(変形例4)
上記実施例では、小当り遊技終了後に当否抽選の結果が外れとなったことをもって限定期間を終了させる設定とした。変形例においては、小当り遊技終了後に特別図柄が特定の停止図柄にて停止されたことをもって限定期間を終了させるようにしてもよい。例えば、外れを示す特別図柄を複数種類設定し、そのいずれかが停止表示されたことをもって限定期間を終了させるようにしてもよい。あるいは、小当り遊技終了後に特別図柄が所定回数変動したことをもって(所定回数目の変動停止をもって)限定期間を終了させるようにしてもよい。その場合、所定回数を1回に設定してもよいし、複数回に設定してもよい。あるいは、小当り遊技の終了をもって限定期間を終了させるようにしてもよい。
(変形例5)
上記実施例では、2R特別遊技(特定特別遊技)における演出と、小当り遊技における演出とを共通とした。変形例においては、2R特別遊技および小当り遊技の双方において表示されうる演出を複数種類設定し、2R大当りおよび小当りを示す特別図柄の種類に応じていずれかの演出が選択されるようにしてもよい。その場合、各演出の選択確率が、2R大当りの場合と小当りの場合とで異なるように設定してもよい。
(変形例6)
上記実施例では述べなかったが、限定期間が終了した後の時短中の第2始動入賞口63の開放態様を、その終了の契機となった特別図柄の停止図柄に応じて決定してもよい。例えば、図5(c)に示した外れの図柄判定テーブルとして、複数種類の特別図柄を選択対象として設定してもよい。一方、図11に示す開放パターンテーブルに加え、限定期間終了後の第2始動入賞口63の開放パターンを複数種類設定し、その複数種類の特別図柄に対応づけるようにしてもよい。そして、限定期間が終了したときに、その終了契機となった特別図柄の停止図柄に応じていずれかの開放パターンを設定してもよい。
(変形例7)
上記実施例では述べなかったが、図5(c)に示した外れの図柄判定テーブルとして、複数種類の特別図柄を選択対象として設定してもよい。一方、図6(d)に示す限定変動パターンテーブルとして、特別図柄の変動パターン(変動時間)を複数種類設定し、その複数種類の特別図柄に対応づけるようにしてもよい。そして、限定期間が終了する契機となる特別図柄の停止図柄に応じていずれかの変動パターンを設定してもよい。
(変形例8)
上記実施例では、第2当否抽選値を優先的に消化させる構成としたが、第1当否抽選値を優先的に消化させる構成としてもよい。すなわち、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているときには、第1当否抽選値を優先的に消化させて第1特別図柄192を連続的に変動表示させるようにしてもよい。
あるいは、特図調整手段152は、第1始動入賞口62および第2始動入賞口63のうちいずれに遊技球が入球したかの順序にしたがって第1特別図柄192と第2特別図柄193とを選択的に変動表示させてもよい。その場合、例えば第1始動入賞口62、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63の順序で入球したときは、第1特別図柄192、第1特別図柄192、第2特別図柄193の順序で変動表示される。特図調整手段152は保留制御手段116を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。それにより、どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段116における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすくなる。
あるいは、特図調整手段152は、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた調整規則(消化順序設定)に基づいた順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方が保留されているとき、第1特別図柄192と第2特別図柄193とが交互に変動表示される。それにより、いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすくなる。
(変形例9)
上記実施例では、15R特別遊技において開放される第1大入賞口91と、2R特別遊技および小当り遊技において開放される第2大入賞口92とを設ける例を示した。変形例においては、例えば第2大入賞口92を省略していずれの遊技においても第1大入賞口91を開放させるようにするなど、共用の大入賞口を1つ設けるようにしてもよい。あるいは、第1大入賞口91を普通の15R特別遊技、2R特別遊技および小当り遊技において開放される大入賞口とし、第2大入賞口92を特定の15R特別遊技において開放される大入賞口として設けてもよい。すなわち、第1大入賞口91の周囲の釘調整等により、普通の15R特別遊技において第1大入賞口91への入球を狙ってもその入球確率が30%〜50%に抑えられるようにする一方、特定の15R特別遊技において第2大入賞口92が開放されると、いわゆる右打ちにより第2大入賞口92への入球を狙うことによりその入球確率が90%以上となるように設計してもよい。
(変形例10)
上記実施例では、単位遊技あたりの大入賞口の開放時間が30秒と比較的長い長開放特別遊技として15R特別遊技のみを設ける例を示した。変形例においては、このような長開放特別遊技として例えば8ラウンドや12ラウンドといったようにラウンド数の異なる特別遊技を追加的に設けてもよい。また、上記実施例では、15R大当りに確変移行が確保される例を示したが、15R大当り等の長開放特別遊技への移行契機となる大当りに確変移行を伴わない通常大当りを含めるようにしてもよい。
(変形例11)
上記実施例では、本発明を従来にいう第1種ぱちんこ遊技機を複数混在させたような遊技機に適用した例を示したが、第1種ぱちんこ遊技機の機能を一つ備えた遊技機に適用することもできる。その場合、始動入賞口として、普通電動役物を備えたものを一つ設けるようにしてもよい。
(変形例12)
上記実施例では、遊技領域52における相対的に左側に第1始動入賞口62を配置し、相対的に右側に第2始動入賞口63を配置することにより、2つの始動入賞口への入球を打ち分け可能な配置構成とする例を示した。変形例においては、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63とを遊技領域52の中央に配置するなど、遊技球の流下通路に沿って並べるように設けてもよい。その場合、第1始動入賞口62の直下に第2始動入賞口63を設け、第2始動入賞口63が拡開していない通常状態においては第1始動入賞口62のほうが入球容易性が高く、第2始動入賞口63が拡開した入球容易状態においては、第2始動入賞口63のほうが入球容易性が高くなるようにしてもよい。このような構成でも、実施例と同様の遊技性を実現することが可能である。
(変形例13)
上記実施例では述べなかったが、時短かつ確変時において発生する2R大当りについては確変移行を伴う2R確変大当りを設定せず、通常状態への移行を伴う2R通常大当りのみを設定し、それ以外の大当りを15R大当りとしてもよい。そして、時短かつ確変時において2R大当りが発生すると必ず2R通常大当りとなってしまうような仕様としてもよい。このような仕様においても上記実施例の構成とすることで、遊技者に2R通常大当りではなく小当りかもしれないという期待感を抱かせることが可能となる。つまり、遊技者にとって小当りを2R通常大当りよりも有利な存在、つまり2R確変大当りのような存在として認識させることが可能となる。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 59 普通図柄表示装置、 60 演出表示装置、 62 第1始動入賞口、 63 第2始動入賞口、 65 普通電動役物、 68 作動口、 70 第1特別図柄表示装置、 71 第2特別図柄表示装置、 72 一般入賞口、 91 第1大入賞口、 92 第2大入賞口、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 104 サブ基板、 113 第1当否判定手段、 114 第1パターン決定手段、 117 第2当否判定手段、 118 メイン表示制御手段、 119 第2パターン決定手段、 120 特別遊技制御手段、 121 小当り遊技制御手段、 122 特定遊技実行手段、 126 第1抽選手段、 128 第2抽選手段、 130 パターン記憶手段、 132 演出決定手段、 134 演出表示制御手段、 136 普図抽選手段、 156 普通図柄表示制御手段、 178 特別遊技作動条件保持手段、 180 小当り遊技作動条件保持手段、 190 装飾図柄、 192 第1特別図柄、 193 第2特別図柄、 195 普通図柄。

Claims (1)

  1. 遊技領域が形成された遊技盤と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球容易性を高めるよう作動可能な入球変動機構を有する始動口と、
    前記始動口への入球を契機として当否抽選を実行する当否抽選手段と、
    前記当否抽選の結果を示すための特別図柄を変動表示させる特別図柄表示制御手段と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられて前記当否抽選の結果に応じて開放され、遊技球の入球が賞球払い出しの契機となる大入賞口と、
    前記大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する特別遊技作動条件保持手段と、
    前記当否抽選の結果が大当りとなり、前記特別図柄が大当りを示す態様で停止表示された場合に、前記特別遊技作動条件が成立したとして前記大入賞口を開放させることにより通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
    前記大入賞口の開放を伴う単位遊技を1回含み、前記大入賞口の開放が所定の開放基準時間未満の時間だけなされる小当り遊技へ移行するための条件として小当り遊技作動条件を保持する小当り遊技作動条件保持手段と、
    前記当否抽選の結果が小当りとなり、前記特別図柄が小当りを示す図柄にて停止された場合に、前記通常遊技状態において前記小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
    前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
    前記作動口への入球を契機として、前記入球変動機構を作動させるか否かを決定するための作動抽選を実行する作動抽選手段と、
    前記作動抽選の結果を示すための普通図柄が変動表示させる普通図柄表示制御手段と、
    前記作動抽選の結果が当りとなり、前記普通図柄が当りを示す態様で停止表示された場合に、前記入球変動機構を作動させる作動制御手段と、
    前記当否抽選の結果が大当りとなった場合に、その特別遊技の終了後に前記始動口への一定時間あたりの入球容易性を通常状態より高める入球容易状態へ移行させるか否かを決定し、前記入球容易状態への移行を決定した場合には、前記特別遊技の終了後の前記通常遊技状態において所定の終期に達するまで前記入球容易状態を維持する特定遊技実行手段と、
    を備え、
    前記特別遊技作動条件保持手段は、前記特別遊技作動条件として、前記大入賞口の開放が前記開放基準時間以上の時間なされる通常特別遊技へ移行するための通常特別遊技移行条件と、前記大入賞口の開放が前記開放基準時間未満の時間だけなされる特定特別遊技へ移行するための特定特別遊技移行条件とを含み、
    前記特別遊技制御手段は、前記当否抽選が前記通常特別遊技への移行を示す結果となり、前記通常特別遊技移行条件が成立したと判定したときに前記通常特別遊技を実行する一方、前記当否抽選が前記特定特別遊技への移行を示す結果となり、前記特定特別遊技移行条件が成立したと判定したときに前記特定特別遊技を実行し、
    前記特定遊技実行手段は、
    前記入球容易状態において前記当否抽選の結果が小当りとなった場合、少なくともその小当り遊技の実行中を含む所定の限定期間は前記始動口への入球容易性を前記入球容易状態よりも低い限定入球状態に維持し、
    前記小当り遊技の実行中および前記小当り遊技後の前記特別図柄の所定回数の変動期間を前記限定期間として設定し、その限定期間が経過したときに前記限定入球状態への移行前の遊技状態に戻すことを特徴とする弾球遊技機。
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