以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
[実施形態1]
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。なお、本実施形態では、光源をLEDとするものもランプと称する。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図2参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136に内蔵され、そのチャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、図1に示すパチンコ機100には、下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサ(不図示)が設けられている。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射する。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。なお、図1では遊技領域124の具体的構成は図示省略してあり、その具体的構成は図3に示す。
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」と称する場合があり、特別図柄、第1特別図柄、第2特別図柄のうちの一つまたは複数を「特図」と称する場合がある。
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLumineS3ence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。これらの第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、所定の図柄表示手段である。なお、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄であり、装飾図柄表示装置208も、所定の図柄表示手段としてもよい。
普図保留ランプ216は、保留している所定の第1の変動遊技(詳細は後述する普図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。
第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している所定の第2の変動遊技(詳細は後述する特図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ、第1特図用と第2特図用を合わせると8つ)まで保留することを可能としている。ここにいう保留とは、後述する始動情報に基づく各種判定処理(抽選処理等)の開始を保留することを意味する。
高確中ランプ222は、現在の図柄制御状態を示す報知を行なうためのランプ(報知手段)である。この高確中ランプ222は、電源が投入されてから大当り遊技の開始まで、現在の図柄制御状態を示す報知を行ない、それ以降は、現在の図柄制御状態を示す報知をしないように構成している。また図柄制御状態では、電源が再投入された場合には、電源が遮断される直前の図柄制御状態に復帰する。この図柄制御状態については後述するが、ここでの図柄制御状態として、通常状態、時短状態、確変状態1、および確変状態2のうちのいずれの状態としてもよいし、特図確変ありの状態および特図確変なしの状態のうちの一方の状態としてもよい。
なお、本明細書では制御状態という遊技台(パチンコ機100)の内部における状態をさす文言を用いて説明するが、この制御状態という文言にはいわゆる遊技状態の概念が含まれる。
また、この演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として図1に示す上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230は、遊技球が進入する入り口の大きさが変化しない第一の始動領域である。第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。この第1特図始動口230は、始動領域の一つであり、自身の大きさが変化しない固定始動領域の一例に相当する。
第2特図始動口232は、本実施形態では普図始動口228の下側に1つだけ配設している。すなわち、第2特図始動口232は、遊技盤200の右側に設けられている。この第2特図始動口232の近傍には、ソレノイドによって左右に開閉自在な一対の羽根部材2321が設けられており、一対の羽根部材2321と第2特図始動口232を併せたものが、可変始動手段に相当し、一般には、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれる。一対の羽根部材2321は、第2特図始動口232への入賞の難易度を変更する部材である。すなわち、一対の羽根部材2321が閉じたままでは第2特図始動口232への入球は不可能であり、一対の羽根部材2321が閉じた態様は入賞困難な開閉態様である。一方、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に一対の羽根部材2321が所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、第2特図始動口232への球の入球が可能(入賞容易状態)になり、一対の羽根部材2321が開いた開状態は入賞容易な状態である。すなわち、第2特図始動口232は、入り口(遊技球の進入口)の大きさが小サイズ(第1の大きさに相当)と大サイズ(第2の大きさに相当)のうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化する、遊技球の進入のしやすさが可変の可変始動領域であって、第二の始動領域の一例に相当する。この大サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも大きい。一対の羽根部材2321が開いた状態では、遊技領域124に進入した遊技球のうち、固定始動領域である第1特図始動口230に進入する遊技球よりも、可変始動領域である第2特図始動口232に進入する遊技球の方が多い。一方、小サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも小さいか、あるいは第1特図始動口230の入り口の大きさ以下である。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、可変入賞開口と、ソレノイドによってその可変入賞開口を開閉自在な扉部材2341とを備えている。可変入賞開口は大入賞口と呼ばれることがあり、可変入賞口234はアタッカと呼ばれることがある。扉部材2341は、所定の閉状態およびその閉状態よりも遊技球の、可変入賞開口への進入が容易な開状態のうちのいずれか一方の状態からいずれか他方の状態に状態変更する。閉状態および開状態はともに静止状態であり、閉状態は所定の第1の静止状態であり、本実施形態の可変入賞口234における閉状態は、扉部材2341が遊技盤200の遊技者側の面と一致した静止状態である。一方、開状態は所定の第2の静止状態であり、本実施形態の可変入賞口234における開状態は、扉部材2341が遊技盤200に対して略垂直になるまで遊技者側に回動した静止状態である。可変入賞口234は、後述する大当り遊技が開始されるまでは閉状態を維持し、大当り遊技が開始されると、開状態と閉状態との間で状態変更を繰り返す。なお、閉状態には、完全に閉塞してしる状態の他、遊技球の進入が実質的に不可能な程度に少し開いている状態であってもよい。また、可変入賞口は、遊技球が通過したり入り込んだりすること等によって遊技球の入賞となるものであればよく、図3に示すものに限定されない。特図変動遊技に当選して第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材2341が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
上皿126に収容されている球は発射レールの発射位置に供給される。このパチンコ機100では、遊技者の球発射ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。
この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技釘238などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置246は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
図1に示すスピーカ120や枠ランプ122等の装飾ランプ、図3に示す装飾図柄表示装置208、演出可動体224、および遮蔽装置246は、演出手段に相当し、これらの中でも装飾図柄表示装置208は装飾図柄表示手段の一例に相当する。
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部660と、によって構成している。本実施形態では、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500はそれぞれ別の回路基板からなるものであるが、これら3つの制御部(300,400,500)は、共通の一つの回路基板からなるものであってもよいし、第1副制御部400と第2副制御部500が、主制御部300の回路基板とは別の共通の一つの回路基板からなるものであってもよい。したがって、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500それぞれを所定の制御手段ととらえることもできるし、これら3つの制御部(300,400,500)を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできるし、第1副制御部400および第2副制御部500を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできる。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を導出する乱数値生成回路318(この回路には3つの乱数値生成回路を内蔵しているものとする)と、本体開放センサ1041、前面枠扉センサ1061、球貯留皿付扉センサ1082、および図1に示す下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサや、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
乱数値生成回路318は、基本回路302で使用する乱数値を生成する。この乱数値生成回路318における乱数の生成には、大別するとカウンタモードと乱数モードとの2種類の方法がある。カウンタモードでは、所定の時間間隔でカウントアップ(ダウン)する数値を取得して、その数値を乱数として導出する。乱数モードには、さらに2つの方法がある。乱数モードにおける一つ目の方法は、乱数の種を用いて所定関数(例えばモジュラス関数)による演算を行い、この演算結果を乱数として導出する。二つ目の方法は、0〜65535の範囲の数値がランダムに配列された乱数テーブルから数値を読み出し、その読み出した数値を乱数として導出する。乱数値生成回路318では、各種センサ320からセンサ回路322に入力される信号に重畳しているホワイトノイズを利用して不規則な値を取得する。乱数値生成回路318は、こうして取得した値を、カウンタモードでカウントアップ(ダウン)させるカウンタの初期値として用いたり、乱数の種として用いたり、あるいは乱数テーブルの読み出し開始位置を決定する際に用いる。
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを、各種センサ320のうちの球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、第1特図始動口230に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第1特図始動口230に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第2特図始動口232に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。さらに、乱数値生成回路318は、普図始動口228に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、普図始動口228に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、普図始動口228に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。
また、この明細書にいう球検出センサとしては、具体的には、一般入賞口226、第1特図始動口230、第2特図始動口232、可変入賞口234など所定の入賞口に入賞した球を検出するセンサや、普図始動口228を通過する球を検出するセンサがあげられる。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、制御状態を表す情報等)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。低電圧信号は、主制御部300のCPU304を動作させるための電気系統に異常があることを表す電気系統異常信号であり、電圧監視回路338は電気系統異常信号出力手段の一例に相当する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。主制御部300のCPU304は、遊技制御手段の一例に相当する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路422と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、演出可動体センサ424やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、を接続している。
さらに、第1副制御部400には、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208および遮蔽装置246の制御を行うための第2副制御部500が接続されている。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて図2に示す払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、図1に示す発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源管理部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給する。主制御部300、第1副制御部400、および発射制御部630は、払出制御部600から所定電圧の供給を受ける。また、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第1副制御部400と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
<図柄の種類>
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図5(a)は特図の停止図柄態様(第1の図柄態様)の一例を示したものである。第1特図始動口230に球が入球したことを球検出センサである第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを球検出センサである第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」(特図変動遊技)を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」(特図変動遊技)を行う。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を特図の変動停止表示と称することがある。この特図の変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」の10種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
本実施形態では、特図の停止図柄態様として、6種類の大当り図柄(「特図A」から「特図F」)が用意されている。「特図A」は15ラウンド(R)特別大当り図柄であり、「特図C」は2R特別大当り図柄であって、突然確変と称される。これらの図柄(特図A,C)が停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図高確率状態になる。「特図B」は15R大当り図柄であり、「特図D」は2R大当り図柄であって、突然時短と称される。特図Bまたは特図Dが停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図高確率状態になる。「特図E」は、隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄である。特図Eが停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図低確率状態になる。特図Fが停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図低確率状態になる。
ここにいうラウンドとは、所定量の遊技価値(所定球数)を獲得することができるチャンスの回数をいう。本実施形態では、図3に示す可変入賞口234の作動回数を表すものであり、15ラウンドとは、可変入賞口234の1または複数回の開閉動作を1回(1回の作動)として、この作動が15回続くことを意味する。すなわち、1回の作動が、開閉状態が第1の開閉状態(ここでは閉状態)から第2の開閉状態(ここでは開状態)に変化する特定変化の一例に相当し、可変入賞口234は、大当り遊技中に、この特定変化を複数の定数回(15ラウンドの場合であれば15回)行うものである。各ラウンドは所定のラウンド終了条件(例えば所定球数(一例として10球)の遊技球の進入、所定量の遊技価値(所定球数)の獲得、ラウンド開始から所定時間の経過などのうちのうちの1または複数)が成立することにより終了する。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと、特別大当りあるいは時短大当りとの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当りあるいは時短大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。本実施形態では、大当り遊技中には特図低確率状態へ移行し、特図A、特図C、および特図Dに当選した場合には、大当り遊技終了後、次に大当りするまで特図高確率状態が維持される。一方、特図B、特図D、および特図Fに当選した場合には、大当り遊技終了後も特図低確率状態のままである。特図低確率状態は第1の確率制御状態の一例に相当する。また、大当り遊技終了後に特図高確率状態になることを特図確変と称することもあり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)は、遊技者の有利度が高くなる制御状態であって第2の確率制御状態の一例に相当する。この特図高確率状態を確変状態と称することがある。なお、本明細書では制御状態という遊技台(パチンコ機100)の内部における状態をさす文言を用いて説明するが、この制御状態という文言にはいわゆる遊技状態の概念が含まれる。この確率制御状態の移行は主制御部300が行い、主制御部300は、確率制御状態移行手段の一例に相当する。
また、特図A〜Dに当選すると、いずれも大当り遊技終了後、電チューサポート(電サポ)有りの状態(以下、電サポ状態と称する)に移行する。電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くする等して、遊技者の有利度が非電サポ状態より高い所定状態のことをいう。この電サポ状態は、このパチンコ機100に用意された制御状態の一つであり、時短状態と称されることもある。すなわち、電サポ状態(時短状態)は、大当り遊技の終了を条件に開始される。なお、厳密にいえば、「電サポ状態」はあくまでも普図がらみの状態であり、「時短状態」は特図がらみの状態または普図および特図がらみの状態である。主制御部300のRAM308には時短フラグも用意されており、時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態であり、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に当選しやすくなる(普図確変)。例えば、普図変動遊技の当選確率が、普図低確率状態(非電サポ状態)では1/101であるのに対し、普図高確率状態(電サポ状態)では99/101に上昇する。また、電サポ状態の方が、非電サポ状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。例えば、非電サポ状態では10秒の普図変動遊技の変動時間が電サポ状態では1.2秒に短縮される。また、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321の1回の開放における開放時間が長くなりやすい(電チュー開放期間延長)。例えば、非電サポ状態では0.3秒の電チュー開放期間が電サポ状態では1.7秒に延長される。さらに、電サポ状態では非電サポ状態に比べて、一対の羽根部材2321は多く開きやすい(電チュー開放回数増加)。例えば、普図始動口228への1回の入賞につき非電サポ状態では1回しか開かない一対の羽根部材2321が、電サポ状態では3回開く(例えば、1.7秒開放することを3回繰り返し、開放と開放の間の閉鎖時間は1.6秒)。電チュー開放期間延長や電チュー開放回数増加により、第2特図始動口232に入球する確率が高まる。なお、時短フラグは、大当り遊技中にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持される。これは、大当り遊技中に電サポ状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。なお、本実施形態では、電サポ状態(時短状態)では、普図確変、普図変短、電チュー開放期間延長、および電チュー開放回数増加の総てが行われるが、これらのうちの少なくともいずれか一つが行われれば、遊技者の有利度が高い状態になり、電サポ状態(時短状態)としてもよい。あるいは、第2特図始動口232に入球する確率が高まる、電チュー開放期間延長または電チュー開放回数増加のうちのいずか一方が行われれば、電サポ状態(時短状態)としてもよい。非電サポ状態では、電サポ状態よりも遊技球が第2特図始動口232に進入し難い。上述のごとく、第2特図始動口232は、遊技球が進入する入り口の大きさが小サイズと大サイズのうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化するものである。この第2特図始動口232は、入り口が、電サポ状態では非電サポ状態よりも長期間にわたって大サイズである。本実施形態では、特図Aおよび特図Cが停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、次に大当り遊技が開始されるまで電サポ状態(普図高確率状態)が維持され、特図Bおよび特図Dが停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態が維持され、101回目には非電サポ状態(普図低確率状態)に移行する。一方、電サポ無しの大当り(特図E,特図F)に当選した場合には、大当たり遊技終了後に電サポ状態に移行しない。非電サポ状態では、第2特図始動口232は、入り口が小サイズに維持される。一方、上述のごとく、電サポ状態では、第2特図始動口232は、入り口が大サイズになり、遊技球の進入率が高められる。すなわち、非電サポ状態では、遊技球が可変始動領域である第2特図始動口232に第1の進入率で進入するのに対して、電サポ状態では、遊技球が第2特図始動口232に上記第1の進入率よりも進入率が高い第2の進入率で進入する。したがって、非電サポ状態が第一の進入率制御状態の一例に相当し、電サポ状態が第二の進入率制御状態の一例に相当する。
さらに、本実施形態では、大当り図柄の他に小当り図柄として2種類の停止図柄が用意されている。図5(a)に示す、特図Gは第1小当り図柄であり、特図Hは第2小当り図柄である。小当り遊技では、可変入賞口234の扉部材2341が所定回(例えば15回)作動し、その扉部材2341は、1回の作動につき開状態を最大で1.5秒間しか維持しない。小当りにおける扉部材2341の開放では、例えば、1回目の開放で、遊技球が所定球数(例えば10球)進入してしまうと、あるいは所定量の遊技価値(所定球数)を獲得してしまうと、2回目以降の開放は行われない。小当り遊技中には、特図低確率普図低確率状態へ移行する。小当りは、小当り遊技前後で制御状態が変化しない役であり、小当り遊技終了後には小当り遊技開始前の制御状態に復帰する。
以上説明したように、大当り遊技および小当り遊技では、可変入賞口234の扉部材2341が1または複数回の開閉動作を行い、遊技者の有利度が相対的に高い状態になる。
また、本実施形態では、ハズレ図柄も2種類用意されている。図5(a)に示す、特図Iは第1ハズレ図柄であり、特図Jは第2ハズレ図柄である。ハズレ図柄が停止表示されると、可変入賞口234の扉部材2341は開閉動作を行わず、遊技者の有利度が相対的に低い状態になる。なお、「特図I」と「特図J」以外のハズレ図柄(例えば、第3のハズレ図柄等)をさらに用意しておいてもよく、本実施形態ではハズレ図柄は複数種類の図柄を含むものである。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機100では、遊技者の有利度が高い第2の有利度の当り制御状態(大当り制御状態および小当り制御状態)と、第2の有利度よりは有利度が低い第1の有利度のハズレ制御状態とが用意され、パチンコ機100は当り制御状態(第2の制御状態)とハズレ制御状態(第1の制御状態)のうちのいずれか一方の制御状態をとる。これらの制御状態の移行も主制御部300が行い、主制御部300は、制御状態移行手段の一例にも相当する。なお、小当り制御状態は、可変入賞口234の扉部材2341が開閉動作を行うものの、可変入賞口234への入球はほとんど期待することができないため、小当り制御状態を上記第1の有利度の制御状態ととらえることもできる。
なお、本実施形態のパチンコ機100には、大当り図柄1として「特図A」以外の図柄も用意されており、大当り図柄2等の他の図柄についても同様である。
第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、当否決定結果(抽選結果)を報知する報知手段である。
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特別図柄表示装置212および第2特別図柄表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様(第2の図柄態様)を停止表示する。15R特別大当りである「特図A」や2R特別大当りである「特図C」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ2”(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾5−装飾5−装飾5」等)を停止表示する。15R大当りである「特図B」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ偶数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ1”(例えば「装飾2−装飾2−装飾2」や「装飾4−装飾4−装飾4」等)を停止表示する。また、隠れ確変である「特図E」や、突然通常である「特図F」や、小当りである「特図G」,「特図H」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾1−装飾2−装飾3」といった“装飾図柄の組合せ3”を停止表示し、突然確変である「特図C」や、突然時短である「特図D」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾1−装飾3−装飾5」といった“装飾図柄の組合せ4”を停止表示する。また、ハズレである「特図I」,「特図J」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、“装飾図柄の組合せ1”〜“装飾図柄の組合せ4”以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様(例えば、“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示するまでの一連の表示を装飾図柄の変動停止表示と称することがある。
なお、特図1や特図2の停止図柄態様(図5(a)参照)と、装飾図柄表示装置208の左中右の各図柄表示領域208a〜cに表示される一つの装飾図柄の停止図柄態様(同図(b)参照)は、装飾図柄(同図(b)参照)の方が大きい。
図5(c)は普図の停止図柄態様(第2の図柄態様)の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、ハズレ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」(普図変動遊技)を行う。そして、変動時間が経過した後に、当り図柄である「普図A」とハズレ図柄である「普図B」の内のいずれか一方の図柄を停止表示する。この図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
以下、この「普図の変動表示」を開始してから普図の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を普図の変動停止表示と称することがある。普図表示装置210は補助図柄報知手段の一例に相当する。
<主制御部メイン処理>
次に、図6を用いて、図4に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300のRAM308には、大当り用特図1乱数カウンタ、小当り用特図1乱数カウンタ、ハズレ用特図1乱数カウンタ、およびこれらのカウンタの特図2用のカウンタが設けられている。また、そのRAM308には、特図変動時間第1判定乱数値、および特図変動時間第2判定乱数値それぞれを生成するための乱数カウンタも設けられている。さらに、そのRAM308には、保留数、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、特図1当否判定結果、特図1決定結果、特図1変動時間、特図1の装飾図柄表示装置208の表示態様、およびこれらの乱数値や結果の特図2用のものがそれぞれが記憶される。またRAM308には、当否判定(抽選)の開始を保留することができる最大数(この例では4つ)の領域に区分けされた保留記憶部が特図1と特図2で別々に用意されている。特図1の保留記憶部には、後述するように、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、およびハズレ用特図1乱数値の3つの乱数値を1セットにしてこれら3つの乱数値が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。
上述したように、図4に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。
ステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660が第2副制御部500を介して主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
ステップS107では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。
具体的には、最初に、図2に示す電源基板182に設けたRAMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図4に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、大当り用特図乱数値カウンタ、小当り用特図乱数値カウンタ、およびハズレ用特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための4つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図変動時間第1判定乱数値、および特図変動時間第2判定乱数値をそれぞれ生成するための3つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、このステップS115の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約4msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種の球検出センサを含む図4に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口234、230やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS115で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、大当り用特図2乱数値、小当り用特図2乱数値、ハズレ用特図2乱数値それぞれを生成するための乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。なお、本実施形態では特図1に関する乱数値を取得するためのカウンタと特図2に関する乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
ステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特図表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口234、230や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口230に入賞があり、且つ、保留している特図1変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満である場合には、所定の始動情報を取得する。すなわち、保留数が所定数未満であれば、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、およびハズレ用特図1乱数値を取得する。ここで取得した特図1当選乱数値は、ハードウェア乱数を加工した値(ハードウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。一方、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、およびハズレ用特図1乱数値は、RAM308に設けられたソフトウェア乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。図4に示す乱数値生成回路318、RAM308に設けられたソフトウェア乱数カウンタ、および乱数加工を施す主制御部300を併せたものが、始動情報導出手段(第1の始動情報導出手段,第2の始動情報導出手段)の一例に相当する。ここで取得された各種乱数値(始動情報)は、RAM308に設けた特図1の保留記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1セットの始動情報として記憶される。この特図1の保留記憶部は、第1特図始動口230(第1の始動領域)に遊技球が進入した場合に取得した始動情報を所定の第1上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な第1の始動情報記憶手段に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図1の保留記憶部に記憶してもよく、この場合、一時領域を第1の始動情報記憶手段としてもよいし、特図1の保留記憶部および一時領域を第1の始動情報記憶手段としてもよい。また、主制御部300のCPU304は、RAM308に記憶されている特図1の保留数の値に1を加算し、特図1の保留数が1増加する。したがって、主制御部300のCPU304が保留手段の一例に相当する。また、特図2についても、特図1と同様に始動情報である各乱数値を取得し、取得した乱数値をRAM308に設けた特図2の保留記憶部に、1セットの始動情報として同様に記憶され、さらに、RAM308に記憶されている特図2の保留数の値に1を加算する。特図2の保留記憶部は、第2特図始動口232(第2の始動領域)に遊技球が進入した場合に取得した始動情報を所定の第2上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な第2の始動情報記憶手段に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図2の保留記憶部に記憶してもよく、この場合一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよいし、特図2の保留記憶部および一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよい。
また、普図始動口228を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を始動情報である普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより、第1特図始動口230、は第2特図始動口232、普図始動口228、または可変入賞口234の入賞(入球)を検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、第1特図始動口230、は第2特図始動口232、普図始動口228、および可変入賞口234の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
なお、特図の始動情報にしても普図の始動情報にしても、保留数がそれぞれの所定数以上であれば取得せずに、ステップS219に進む。
また、この入賞受付処理では、特図変動パターンテーブルや特図変動パターンテーブルが属する属性を決定する一次振り分けが実施されるが、この一次振り分けについては、詳しくは後述する。
ステップS219では、払出要求数送信処理を行う。図4に示す払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、ハズレ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびハズレ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。このようにして一対の羽根部材2321の開放制御を行う主制御部300のCPU304が、可変始動領域制御を行う可変始動領域制御手段の一例に相当する。一方、非電サポ状態であれば、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定するとともに、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)には、何ら信号を出力しない。こうすることで、羽根部材2321は閉じた状態のままになる。なお、羽根部材2321を閉じた状態に維持するための信号を必ず出力するようにしてもよい。
また、電サポ状態であった場合には、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する処理では、所定の閉鎖期間(例えば0.1秒間)、羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、電サポ状態であった場合には、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理において、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がハズレであれば、後述するように、普図ハズレフラグがオンされる。この普図ハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
続いて、ステップS223では普図関連抽選処理を実行する。普図関連抽選処理については、詳しくは後述する。
次に、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行い(ステップS225)、次いで、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当たりフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1ハズレフラグ、第2ハズレフラグ、確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、後述する特図関連抽選処理における特図決定結果(特図の停止図柄態様)に基づいて第2特図表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、2R特別大当たり図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1ハズレ図柄(特図I)、および第1ハズレ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に値がセットされている場合には、その値が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)や小当り遊技中にも、時短フラグをオフする。すなわち、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中および小当り遊技状態中(第2の制御状態中)である場合に、非電サポ状態(第一の進入率制御状態)にする。
また、後述するコマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施例では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。
以上説明したように、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中(第2の制御状態中)に、可変入賞口234の扉部材2341の開閉状態の変化制御を行う可変入賞制御手段の一例に相当する。なお、主制御部300のROM306には、可変入賞口234の扉部材2341の開閉パターンが記憶されており、主制御部300のCPU304は、そのROM306から、特図変動遊技の当否判定に応じた開閉パターンを取得する。
また、主制御部300のRAM308には時短フラグの他に確変フラグも用意されており、主制御部300のCPU304は、特図決定結果が表す停止図柄態様に基づいて、大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた確変フラグや時短フラグをオンに設定する。すなわち、主制御部300のCPU304は、後述する特図抽選処理で特図決定結果が「特図A」や「特図C」である場合には確変フラグと時短フラグの双方をオンに設定する。また、特図決定結果が「特図E」である場合には確変フラグと時短フラグのうち確変フラグのみをオンに設定する。さらに、特図決定結果が「特図B」や「特図D」である場合には確変フラグと時短フラグのうち時短フラグのみをオンに設定するとともにRAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数100回をセットする。確率フラグがオンに設定されていると、特図高確率状態(確率変動中)であり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)である。一方、確率フラグがオンに設定されていない(オフに設定されている)と、特図低確率状態である。したがって、確率変動フラグの設定状態は、当否判定(特図の抽選)の結果に影響を与える。また、時短フラグがオンに設定されていると電サポ状態であり、電チューが開きやすい(例えば当りやすい)、一回の当りに基づく開放時間が長い、一回の当りに基づく開放回数が多いなど可変始動領域制御が遊技者に有利になるように行われる。反対に、時短フラグがオフに設定されていると非電サポ状態であり、可変始動領域制御が遊技者に不利になるように行われる。したがって、時短フラグの設定状態は、可変始動領域制御にも影響を与える。よって、確変フラグおよび/または時短フラグの設定状態を表す情報は、遊技制御情報の一例に相当し、主制御部300のCPU304は遊技制御情報決定手段の一例に相当する。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がハズレであれば、ハズレフラグがオンされる。このハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次の処理に移行するようにしている。
特図2状態更新処理が終了すると、特図1状態更新処理を行う。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段の一例に相当する。特図2関連抽選処理(ステップS229)や特図1関連抽選処理(ステップS231)については詳細は後述するが、主制御部300は、最初に特図2についての処理(特図2関連抽選処理)を行い、その後、特図1についての処理(特図1関連抽選処理)を行う。このように、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、同じタイミング(所定の契機で開始した主制御部タイマ割込処理における入賞受付処理S217)で第1特図始動口230に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得し、かつ第2特図始動口232に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得した場合や、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合や、特図2変動遊技の開始条件と特図1変動遊技の開始条件の両方が成立している場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。すなわち、本実施形態のパチンコ機100は、特図2優先変動を行うものであり、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選(特図2の当否判定)を、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選(特図1の当否判定)よりも優先して行う。言い換えれば、本実施形態のパチンコ機100では、第1の特別始動領域に遊技球が進入した場合に第1の乱数値記憶領域に乱数値を最大保留数まで格納し、第2の特別始動領域に遊技球が入賞した場合に第2の乱数値記憶領域に乱数値を最大保留数まで格納する入賞記憶部と、前記第1の乱数値記憶領域および前記第2の乱数値記憶領域の両方に乱数値が記憶されている場合に、前記第1の乱数値記憶領域に前記乱数値が記憶された時期および前記第2の乱数値記憶領域に前記乱数値が記憶された時期とは無関係に該第2の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行うとともに、前記第1の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されておらず、かつ前記第2の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されている場合には、該第2の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行い、前記第2の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されておらず、かつ前記第1の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されている場合には、該第1の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行う当否判定手段を備えている。また、第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214による特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、主制御部300で行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の結果報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の結果報知よりも優先して行われ、抽選が行われていない始動情報として、特図1の始動情報と特図2の始動情報のうちの特図1の始動情報のみが残っている状態で、特図2の始動情報が新たに記憶された場合には、新たに記憶された特図2の始動情報に基づく抽選の結果の報知が、既に記憶されていた特図1の始動情報に基づく抽選の結果の報知よりも先に行われる。なお、ステップS213の特図2状態更新処理に続いて先に特図2関連抽選処理を行い、それから、ステップS215の特図1状態更新処理を行い、その後、特図1関連抽選処理を行うようにしてもよい。
ステップS231の特図1関連抽選処理に続いて行われるステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、特図保留増加コマンド、普図保留増加コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、特図停止図柄を表す情報、制御状態を表す情報(時短フラグおよび確変フラグの設定状態を表す情報)、後述する装飾図柄表示装置208の変動態様などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、制御状態を表す情報などを含み、当りラウンド数指定コマンドの場合であれば制御状態を表す情報、当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報、後述する装飾図柄表示装置208の変動態様、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。終了演出開始コマンドを受信した第1副制御部400は、その終了演出開始コマンドに基づいて第2副制御部500に終了演出制御コマンドを送信する。終了演出制御コマンドを受信した第2副制御部500は、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208に大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示させ、大当り遊技が終了する。ここにいう終了演出開始コマンドは大当り終了コマンドに相当する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している当りラウンド数、現在のラウンド数、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している現在のラウンド数、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
また、このステップS215では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、特図保留増加コマンドのコマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、制御状態を表す情報を設定する。
さらに、このステップS215では一般コマンド普図保留増加処理も行われる。この一般コマンド普図保留増加処理では、普図保留増加コマンドのコマンドデータに、制御状態を表す情報等を設定する。また、主制御部300から第1副制御部400には、普図絡みのコマンドとして、普図の変動表示が開始した(する)ことを表す普図変動開始コマンドも送信される。なお、主制御部300から第1副制御部400には、普図の変動表示が停止した(する)ことを表す普図変動停止コマンドや、一対の羽根部材2321が開放を開始した(する)ことを表す電チュー開放開始コマンドや、一対の羽根部材2321が閉鎖した(する)ことを表す電チュー閉鎖コマンドを送信するようにしてもよい。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。また、第1副制御部400では、コマンドに含まれている当りラウンド数と現在のラウンド数に基づき、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数を取得する。
また、このコマンド設定送信処理では、図4に示す払出制御部600にもコマンドを送信する。払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
以上、各種コマンドの送信設定について説明したが、ステップS233のコマンド設定送信処理についてはさらに後述する。
ステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップ205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、ガラス枠開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、図4に示す各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報をI/O310の出力ポートを介して第1副制御部400に出力する。
ステップS239では、電源の遮断(電断)を検出したか否かを判定するために、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進み、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進む。
ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断時処理を行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
図8を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、ステップS301の初期設定が実行される。この初期設定では、図4に示すI/Oポート410の初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS311では、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS313では、S309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS315では、S309で読み出した演出データの中に各種ランプ418の駆動回路420への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップS317では、S309で読み出した演出データの中に演出可動体224の駆動回路422への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS319では、S309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S303へ戻る。
次に、図8(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。図8(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶し、このコマンド受信割込処理が終了する。
次に、図8(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。図8(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、図8(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS343では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行い、このタイマ割込処理が終了する。
<第2副制御部500の処理>
第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置208の制御を実行する。第2副制御部500には、装飾図柄表示装置208に画像を表示する画像制御部が接続されている。この画像制御部は、VRAM(ビデオRAM)およびGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)を有する。GPUは、第2副制御部500のROMに記憶された絵柄情報等を第2副制御部500のCPUからの信号に基づいて読み出してVRAMの表示領域(ワークエリア)を使用して表示画像を生成し装飾図柄表示装置208に画像を表示する。
より具体的に説明すると、第2副制御部500のCPUは、最初に、画像データの転送指示を行う。ここでは、まず、VRAMの表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPUは、GPUのアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROMの転送元アドレス)、VRAM座標(VRAMの転送先アドレス)などを設定した後、ROMからVRAMへの画像データの転送開始を指示する命令を設定する。GPUは、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROMからVRAMに転送する。その後、GPUは、転送終了割込信号をCPUに対して出力する。
次いで、GPUからの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合は、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPUは、VRAMに転送した画像データに基づいてVRAMの表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAMの座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をGPUに指示する。GPUはアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。一方、GPUからの転送終了割込信号が未入力の場合は、転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
続いて、描画指示を行う。この描画指示では、CPUは、GPUに画像の描画開始を指示する。GPUは、CPUの指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
描画指示が行われると、画像の描画終了に基づくGPUからの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が未入力の場合には、生成終了割込み信号が入力されるのを待ち、生成終了割込み信号が入力された場合には、RAMの所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタを、インクリメント(+1)して処理を終了する。
また、第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンドに基づいて、遮蔽装置246の制御も実行する。
<入賞受付処理における一次振り分け>
続いて、図7に示す主制御部タイマ割込処理の入賞受付処理(ステップS217)で実行される、特図変動パターンテーブルあるいは特図変動パターンテーブルが属する属性をを決定する一次振り分けについて説明する。まず、入賞受付処理(ステップS217)では、取得した始動情報のうちの特図1当選乱数値あるいは特図2当選乱数値を先読みして、特図の当否判定を事前判定する。ここでの事前判定は、後述する特図関連抽選処理における当否判定と同じように行われるため、詳しい説明は省略し、特図関連抽選処理の中で詳しく説明する。なお、入賞受付処理(ステップS217)で特図の当否判定を事前判定しても、後述する特図関連抽選処理では、始動情報を再度取り出し、当否判定を改めて行う。特図の当否判定の事前判定を行うことで、大当りか小当りかハズレかが事前に判明する。
入賞受付処理(ステップS217)における一次振り分けでは、主制御部300のCPU304は、特図変動時間第1判定乱数値(取り得る数値範囲は0〜255)を取得し、その特図変動時間第1判定乱数値に基づいて、特図の変動時間を表す情報を複数含む複数種類の特図変動パターンテーブル、あるいはその特図変動パターンテーブルが属する属性を決定する。すなわち、入賞時に、複数種類の変動パターンテーブル、あるいはその特図変動パターンテーブルが属する属性を決定しておく。なお、複数種類の変動パターンテーブルの中には、特図の変動時間を表す情報を一つだけ含むテーブルがあってもよい。本実施形態では、この変動パターンテーブルとして、テーブルN、テーブルSS、テーブルSL、テーブル1〜6が用意されている。特図変動パターンテーブルは期間情報テーブルの一例に相当する。特図変動パターンテーブルは主制御部300のROM306に記憶されており、主制御部300のROM306が期間情報テーブル記憶手段の一例に相当する。
図9(a)は、当否判定の事前判定結果が大当りである場合に用いられる、特図変動パターンテーブル決定テーブルを示す図である。この特図変動パターンテーブル決定テーブルは、主制御部300のROM306に記憶されている。
本実施形態では、特図の変動パターンテーブルを決定するにあたり、現在の制御状態が電サポ状態か否かにも基づく場合があるが、当否判定の事前判定結果が大当りである場合や小当りである場合には電サポ状態か否かに関係なく変動パターンテーブルが決定される。すなわち、当否判定の事前判定結果が大当りである場合には、図9(a)に示す特図変動パターンテーブル決定テーブルを用いて、テーブルN、テーブルSS、およびテーブルSLの3種類の変動パターンテーブルの中から1種類の変動パターンテーブルが選択される。テーブルNは、ノーマル系に属するテーブルであり、テーブルSSはショート系スーパーリーチに属するテーブルであり、テーブルSLはロング系スーパーリーチに属するテーブルである。予告演出の一種であるリーチ演出による大当りの信頼度は、ロング系スーパーリーチが相対的に高く、ノーマル系が相対的に低く、ショート系スーパーリーチがそれらの中間の信頼度である。図9(a)に示すように、テーブルNは2/255の確率で選択され、テーブルSSは25/255の確率で選択され、テーブルSLは228/255の確率で選択される。また、当否判定の事前判定結果が大当りである場合には、現在の制御状態が電サポ状態であっても非電サポ状態であって決定結果に影響が出ない。さらに、特図1と特図2とで区別して決定することもない。
一方、当否判定の事前判定結果が小当りである場合には、現在の制御状態が電サポ状態であっても非電サポ状態であっても、また、特図1と特図2とで区別せずに、必ず(255/255の確率で)、テーブル4が選択される。このテーブル4はノーマル系に属するテーブルである。
図9(b)は、当否判定の事前判定結果がハズレである場合に用いられる、特図変動パターンテーブル決定テーブルを示す図である。この特図変動パターンテーブル決定テーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。
当否判定の事前判定結果がハズレである場合には、図9(b)に示す特図変動パターンテーブル決定テーブルを用いて、テーブル1〜6の6種類の変動パターンテーブルの中から1種類の変動パターンテーブルが選択されるか、あるいはその特図変動パターンテーブルが属する属性が決定される。テーブル1〜4は、ノーマル系に属するテーブルであり、テーブル5はショート系スーパーリーチに属するテーブルであり、テーブル6はロング系スーパーリーチに属するテーブルである。図9(b)に示すように、ノーマル系に属するテーブルは222/255の確率で選択され、ショート系スーパーリーチに属するテーブルは25/255の確率で選択され、ロング系スーパーリーチに属するテーブルは8/255の確率で選択される。
ノーマル系のうち、テーブル1とテーブル2は、選択時の制御状態が電サポ状態であって、特図2の始動情報を先読みした場合に選択されるものであり、テーブル1を選択するかテーブル2を選択するかは、後述する特図2関連抽選処理の中で決定される。すなわち、電サポ状態において、特図2に関する当否判定の事前判定結果がハズレである場合には、入賞時には、変動パターンテーブルを選択するまでは行わず、その特図変動パターンテーブルが属する属性を決定するに留まり、変動パターンテーブルは変動開始に決定される。一方、電サポ状態において、特図1に関する当否判定の事前判定結果がハズレである場合には、テーブル3が選択され、非電サポ状態では、特図1と特図2に関係なく、テーブル4が選択される。ここで選択されたテーブル3やテーブル4も、主制御部300のRAM308における所定領域に設定される。
属性がショート系スーパーリーチやロング系スーパーリーチの場合には、電サポ状態と非電サポ状態に関係なく、また、特図1と特図2にも関係なく、変動パターンテーブルが選択され、ショート系スーパーリーチの場合にはテーブル5が選択され、ロング系スーパーリーチの場合にはテーブル6が選択される。
ここで決定された変動パターンテーブルや特図変動パターンテーブルが属する属性は、主制御部300のRAM308における所定領域に設定される。
なお、本実施形態では一次振り分けを入賞時の処理のである入賞受付処理(ステップS217)で行ったが、変動開始時の処理である特図関連抽選処理で行うようにしてもよいい。
<普図関連抽選処理>
次に、図7に示す主制御部タイマ割込処理の普図関連処理(ステップS223)について詳述する。
図10は、図7に示す主制御部タイマ割込処理の普図関連抽選処理(ステップS223)の流れを示すフローチャートである。
主制御部300のCPU304は、まず、普図変動遊技が行われているか、あるいは第2特図始動口232の開閉制御が行われているか(普図の状態が作動中)を判定し(ステップS223a)、いずれか一方でも行われている場合は、図7に示す主制御部タイマ割込処理に復帰し、いずれも行われていない場合は、ステップS223bに進む。ステップS223bでは、保留している普図変動遊技の数が1以上であるか否かを判定し、0であれば図7に示す主制御部タイマ割込処理に復帰し、1以上であれば、今度は、時短フラグがオンされているか否かを判定する(ステップS223c)。すなわち、現在の制御状態が電サポ状態であるか否かを判定する。時短フラグがオフされていれば(非電サポ状態であれば)、当り確率が1/101である低確率テーブルを用いて普図の当否判定を行い(ステップS223d)、その当否判定結果が当りであったか否かを判定し(ステップS223e)、当りであればステップS223hに進み、反対にハズレであればステップS223jに進む。時短フラグがオンされていれば(電サポ状態であれば)、当り確率が99/101である高確率テーブルを用いて普図の当否判定を行い(ステップS223f)、その当否判定結果が当りであったか否かを判定し(ステップS223g)、当りであればステップS223hに進み、反対にハズレであればステップS223iに進む。ステップS223hでは、RAM308に用意された普図の当りフラグをオン状態にセットし、ステップS223jに進む。
また、RAM308には強制フラグも用意されており、ステップS223iでは、その強制フラグをオン状態にセットして、ステップS223jに進む。すなわち、電サポ状態中に普図の当否判定にハズレた場合には、強制フラグがオン状態にセットされる。特図2優先変動の場合には、特図1の保留に比べて特図2の保留が消化されやすい。電サポ状態であっても、普図の当否判定にハズレれば、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321は開かない。しかし、電サポ状態であれば、普図の当否判定に当りやすく、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321は開きやすい。一対の羽根部材2321が開けば、第2特図始動口232への入賞が期待でき、特図2の保留が貯まりやすい。本実施形態のパチンコ機100では、優先的に消化される特図2の保留が途切れることがないようにしたい。また、本実施形態のパチンコ機100では、第一の始動領域の一例に相当する第1特図始動口230に入賞して特定の当否判定結果である大当りに当選した場合と、第二の始動領域の一例に相当する第2特図始動口232に入賞して特定の当否判定結果である大当りに当選した場合とで、遊技者に対する有利度は変わらなかったが、これらの場合で遊技者に対する有利度に差を設けてもよく、例えば、後者の場合の方が前者の場合よりも遊技者に対する有利度が高いようにしてもよい。すなわち、優先して変動する方の特図(ここでは特図2)の方が有利度が高いようにしてもよい。具体的には、ラウンド数が多い大当り(例えば、特図高確率普図高確率状態へ移行する15Rの大当り図柄1)と少ない大当り(例えば、同じく特図高確率普図高確率状態へ移行するが2Rの大当り図柄3)とのうち、特図2の方がラウンド数が多い大当り(15Rの大当り図柄1)に当選しやすく、特図1の方がラウンド数が少ない大当り(2Rの大当り図柄3)に当選しやすくするようにして、特図1と特図2に有利度の差を設けてもよい。このような、優先変動側の特図を非優先側の特図よりも有利度を高くしたパチンコ機では、特に、特図2の保留が途切れることがないようにしたい。そのため、電サポ状態であれば、特図2の変動時間を長めにして特図2の保留消化の速度を抑え、普図の当否判定でいずれ当ること、すなわち第2特図始動口232の一対の羽根部材2321が開き出すのを待てるようにするため、ここで強制フラグをオンにセットする。なお、非電サポ状態中に普図の当否判定にハズレても、強制フラグはオン状態にセットされない。これは、非電サポ状態であれば、普図の当否判定に当りにくく、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321が開き出すことがさほど期待できないからである。
ステップS223jでは、上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。また、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、ステップS223jに続くステップS223kでは、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。さらに、ステップS223kに続くステップS223mでは、当否判定に使用した乱数値を消去し、その後、図7に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。
<コマンド送信処理>
次いで、特図関連抽選処理を説明する前に、図7に示す主制御部タイマ割込処理のコマンド送信処理(ステップS233)について詳述する。
図11は、図7に示す主制御部タイマ割込処理のコマンド設定送信処理(ステップS233)の流れを示すフローチャートである。
ステップS233aでは、上述した各種コマンドの送信設定を行い、ステップS233bでは、ステップS233aで送信設定した各種コマンドを第1副制御部400に送信する。次いで、上記ステップS233bにおいて第1副制御部400に、大当り終了コマンドに相当する終了演出開始コマンドを送信したか否かを判定し、送信していなければ、図7に示す主制御部タイマ割込処理に復帰し、送信していれば、RAM308に用意された上述の強制フラグがオフ状態であればオン状態にセットし(ステップS233d)、その後、図7に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。上述のごとく、大当り遊技中は非電サポ状態である。このため、第2特図始動口232への入賞はさほど期待することができず、特図2の保留は貯まる数よりも消化される数の方が多い。しかも、非電サポ状態中の大当り遊技の終了直前で、普図の変動停止表示が開始されると、大当り遊技が終了して電サポ状態にたとえ移行しても、非電サポ状態で開始された普図の変動停止表示は、変動時間が長くなりやすい上にハズレであることが多く、特図2の保留数の増加はほとんど期待することができない。このため、大当り遊技終了直後は、特図2の保留数が少なくなっていることが多く、また、特図2の保留数の増加もあまり期待することができない。そのため、大当り遊技終了直後から、特図2の変動時間を長めにして特図2の保留消化の速度を抑え、普図の当否判定でいずれ当ること、すなわち第2特図始動口232の一対の羽根部材2321が開き出すのを待てるようにするため、大当り終了直後も強制フラグをオンにセットする。言い換えれば、本実施形態では、大当り終了後の、最初の特図2の変動停止表示からテーブル2に基づいて特図2の変動停止表示の変動時間を決定するようにしている。
以上説明したように、強制フラグは、大当り遊技の終了に基づいてもオン状態にセットされる。なお、上述のステップS223iでオン状態にセットする強制フラグと、このステップS233dでオン状態にセットする強制フラグを異ならせたものにしてもよい。
<特図関連抽選処理>
次に、図7に示す主制御部タイマ割り込み処理におけるステップS229の特図2関連抽選処理について説明する。図12は、主制御部300のCPU304が実行する特図2関連抽選処理の前半部分の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS2101では、所定の当否判定禁止条件が成立しているか否かの判定を行う。ここでは、第2特図表示装置214および第1特図表示装置212が特図変動表示中であるかあるいは停止表示中であるか、または、特図作動中に設定されているか特図非作動中に設定されているかを判定する。第2特図表示装置214および第1特図表示装置212が特図変動表示中あるいは停止表示中である場合、または特図作動中に設定されている場合には、所定の当否判定禁止条件が成立しており、主制御部タイマ割り込み処理に戻る。一方、第2特図表示装置214および第1特図表示装置212が特図変動表示中あるいは停止表示中でなく、かつ特図非作動中に設定されている場合には、所定の当否判定禁止条件が不成立であり、今度は、所定の当否判定条件が成立しているか否かの判定を行う。ここでの判定は、RAM308に設けた特図2の保留記憶部を参照し、特図2変動遊技の保留数が0より大きいか否かを判定する(ステップS2102)。保留数が0であれば(保留がなければ)、所定の当否判定条件が不成立であり、主制御部タイマ割り込み処理に戻る。反対に、保留数が1以上であれば(保留があれば)、所定の当否判定条件が成立していることになり、ステップS2103に進む。
次いで、RAM308に設けられた確変フラグがオンされた状態にあるか否かを判定し(ステップS2103)、オンされた状態であればステップS2104へ進み、オフされた状態であればステップS2105へ進む。
図13(a)は当否判定用高確率テーブルを示す図であり、同図(b)は当否判定用低確率テーブルを示す図である。これらのテーブルは、主制御部300のROM306に記憶されている。
ステップS2104では、RAM308に設けられた保留記憶部から、最も過去に格納した始動情報である1セット分の乱数値(特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、およびハズレ用特図1乱数値)を取り出し、その保留記憶部にまだ格納されている始動情報(乱数値のセット)を、今記憶されている領域から隣の領域に移し替える。すなわち、最も過去に格納した始動情報を保留記憶部から取り出し、さらに保留記憶部に始動情報が格納されていれば、N番目に古い始動情報を保留記憶部におけるN−1番目に古い始動情報として設定したことになる。また、RAM308に記憶している保留数を1減算する。RAM308の保留記憶部から1セット分の乱数値(特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、およびハズレ用特図1乱数値)を取り出す処理を行う主制御部300のCPU304が、始動情報取得手段の一例に相当する。主制御部300のCPU304は、RAM308の保留記憶部から、始動情報を取り出すと、まず、特図1当選乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)が同図(a)に示す当否判定用高確率テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、当否決定結果として「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出する。
また、ステップS2105でも、ステップS2104と同様にして、RAM308の保留記憶部から、始動情報である1セット分の乱数値を取り出し、特図1当選乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)が、ここでは同図(b)に示す当否判定用低確率テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、当否決定結果として「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出する。
ステップS2104およびステップS2105において、「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出することが抽選(当否判定)に相当する。ステップS2104の実行が完了した場合にも、ステップS2105の実行が完了した場合にも、ステップS2106へ進む。
ステップS2106では、当否決定結果が「大当り」であったか否かを判定し、大当りであれば、大当り図柄を決定する(ステップS2107)。
図13(c)は、特図決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。
ステップS2107では、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの大当り用特図1乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(c)に示す特図決定用テーブル中の、当否判定結果が大当りのうちのいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図決定結果として「特図A」〜「特図F」を導出する。ステップS2107の実行が完了すると、ステップS2111へ進む。
当否決定結果が「大当り」でなければ、今度は、当否決定結果が「小当り」であったか否かを判定し(ステップS2108)、小当りであれば、小当り図柄を決定する(ステップS2109)。ステップS2109では、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの小当り用特図1乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(c)に示す特図決定用テーブル内の、当否判定結果が小当りである2種類の乱数範囲のどちらに属するかに基づいて、特図決定結果として「特図G」又は「特図H」を導出する。ステップS2109の実行が完了した場合にも、ステップS2111へ進む。
一方、当否決定結果が「小当り」でなければ、当否判定結果はハズレであることになり、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちのハズレ用特図1乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(c)に示す特図決定用テーブル内の、当否判定結果がハズレである2種類の乱数範囲のどちらに属するかに基づいて、特図決定結果として「特図I」又は「特図J」を導出する(ステップS2110)。ステップS2110の実行が完了すると、ステップS2112へ進む。ステップS2107、ステップS2109、およびステップS2110において決定した特図決定結果は、第2特図表示装置214によって停止表示されることになる図柄を表す情報である。
なお、特図1関連抽選処理においても図10に示す各種テーブルを用いるが、特図2の大当りの方を特図1の大当りよりも遊技者に有利にする場合には、特図1関連抽選処理において使用する特図決定用テーブルを図13(c)に示すものとは異なるもの(例えば、特図Aの選択確率を29/100としたテーブル)にすればよい。
ステップS2112では、主制御部300のRAM308における所定領域に、特図変動パターンテーブルが属する属性がノーマル系であることが設定されているか否かを判定し、設定されていなければ、その所定領域には、テーブル5かテーブル6が設定されていることになり、ステップS2111に進む。一方、ノーマル系であることが設定されていれば、時短フラグがオン状態であるか否か、すなわち現在の制御状態が電サポ状態であるか否かを判定し(ステップS2113)、時短フラグがオン状態(電サポ状態)であればステップS2114へ進み、時短フラグがオフ状態(非電サポ状態)であれば、主制御部300のRAM308における所定領域にはテーブル4が設定されており(図9(b)参照)、ステップS2111に進む。
ステップS2111では、特図決定結果の図柄に応じて特図の変動時間を決定する。本実施形態では、特図の変動時間に応じて、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄の変動態様も定まっている。ここにいう装飾図柄の変動態様とは、特図の変動停止表示に合わせて図柄変動する装飾図柄の変動態様の種類を表すものである。すなわち、変動態様は、特図の変動表示が開始されてから終了するまでの間に装飾図柄表示装置208に表示される演出の態様の種類を表すものである。本実施形態では、変動態様として、リーチなし、ノーマルリーチ、スーパーリーチが用意されている。ノーマルリーチとは、一般に2つの図柄表示領域(例えば、図3に示す左右図柄表示領域208a、208c)が等しい装飾図柄を停止表示し、残りの1つの図柄表示領域(例えば中図柄表示領域208b)が変動表示している状態のこと、すなわち、変動表示している図柄表示領域が特定の図柄(停止表示している図柄表示領域と等しい図柄)を停止表示すれば所定の大当り図柄の組合せ(図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ1”や“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示することとなる状態のことである。スーパーリーチは、ノーマルリーチにさらに特殊な変動表示等を加味して演出効果を向上させたもの(ロングリーチ、ノーマル逆転リーチ、ダブルラインリーチ等)である。なお、リーチにはこの他、特別マルチラインリーチ、全回転リーチ、特別全回転リーチ等のスペシャルリーチもあり、単にリーチというときには、ノーマルリーチとスーパーリーチとスペシャルリーチを含んだ装飾図柄の変動態様を意味する。このリーチは、特図の当否判定(抽選)の結果が特定の当否判定結果(大当りの判定結果)になることを、その当否判定を行った後であってその当否判定の結果を報知する前に遊技者に事前に報知する予告演出であり、リーチを行うか否かは、その当否判定を行った後に決定される。詳しくは後述するように、リーチなしは、特図の変動時間が相対的に短く、スーパーリーチは特図の変動時間が相対的に長く、ノーマルリーチは特図の変動時間がリーチなしとスーパーリーチの間の時間になる。
ステップS2111では、主制御部300のCPU304は、特図変動時間第2判定乱数値(取り得る数値範囲は0〜65521)を取得する。また、入賞受付処理(ステップS217)における一次振り分けで選択された変動パターンテーブルは、主制御部300のRAM308における所定領域に設定されている。ステップS2111では、特図変動時間第2判定乱数値と一次振り分けの結果に基づいて二次振り分けを行い、特図の変動時間を決定する。
図14は、当否判定結果が大当りである場合に用いられる特図変動時間決定テーブルを示す図である。この特図変動時間決定テーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。
本実施形態では、特図の変動時間を決定するにあたり、変動開始時の保留数にも基づく場合がある。ただし、当否判定結果が大当りである場合や小当りである場合には保留数に関係なく変動時間が決定される。すなわち、テーブルNには、特図の変動時間を表す情報として13秒の期間情報と、15秒の期間情報が含まれており、一次振り分けの結果としてテーブルNが選択されている場合には、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、5521/65521の確率で変動時間は13秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はノーマルリーチAになる。また、60000/65521の確率で変動時間は15秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はノーマルリーチBになる。テーブルSSには、特図の変動時間を表す情報として40秒の期間情報と、50秒の期間情報が含まれており、一次振り分けの結果としてテーブルSSが選択されている場合には、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、5521/65521の確率で変動時間は40秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はスーパーリーチAのショートタイプになる。また、60000/65521の確率で変動時間は50秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はスーパーリーチBのショートタイプになる。テーブルSLには、特図の変動時間を表す情報として100秒の期間情報と、120秒の期間情報が含まれており、一次振り分けの結果としてテーブルSLが選択されている場合には、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、5521/65521の確率で変動時間は100秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はスーパーリーチAのロングタイプになる。また、60000/65521の確率で変動時間は120秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はスーパーリーチBのロングタイプになる。
図15は、当否判定結果がハズレである場合に用いられる特図変動時間決定テーブルを示す図である。この特図変動時間決定テーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。
当否判定結果がハズレである場合にステップS2111が実行されるのは、特図変動パターンテーブルが、テーブル4〜6の場合である。また、当否判定結果がハズレである場合には、特図変動時間第2判定乱数値の他に、変動開始時の保留数にも基づく場合がある。テーブル4には、特図の変動時間を表す情報として3.5秒の期間情報と、8.0秒の期間情報と、10.0秒の期間情報が含まれている。特図変動パターンテーブルがテーブル4の場合であって、特図2の保留数が0〜1であれば、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、1/65521の確率で変動時間は3.5秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの短縮ハズレ変動になり、60000/65521の確率で変動時間は8.0秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの単なるハズレ変動かノーマルリーチハズレになる。なお、リーチ無しの単なるハズレ変動にするかノーマルリーチハズレにするかは、第1副制御部400によって決定される(以降の説明においても同じ)。また、520/65521の確率で変動時間は10.0秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はノーマルリーチハズレになる。一方、特図2の保留数が2〜3であれば、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、65000/65521の確率で変動時間は3.5秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの短縮ハズレ変動になり、500/65521の確率で変動時間は8.0秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの単なるハズレ変動かノーマルリーチハズレになり、21/65521の確率で変動時間は10.0秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はノーマルリーチハズレになる。なお、ここでの保留数が0〜3であるのは、上述のステップS2104において、始動情報である1セット分の乱数値を取り出すと、RAM308に記憶している保留数を1減算するからである。
特図変動パターンテーブルがテーブル5あるいはテーブル6である場合には、特図2の保留数に基づくことはない。テーブル5には、特図の変動時間を表す情報として35秒の期間情報と、45秒の期間情報が含まれている。特図変動パターンテーブルがこのテーブル5の場合には、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、55521/65521の確率で変動時間は35秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はスーパーリーチAのショートタイプのハズレ変動になる。また、10000/65521の確率で変動時間は45秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はスーパーリーチBのショートタイプのハズレ変動になる。テーブル6には、特図の変動時間を表す情報として95秒の期間情報と、115秒の期間情報が含まれている。特図変動パターンテーブルがこのテーブル6の場合には、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、55521/65521の確率で変動時間は95秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はスーパーリーチAのロングタイプのハズレ変動になる。また、10000/65521の確率で変動時間は115秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はスーパーリーチBのロングタイプのハズレ変動になる。
また、当否判定結果が小当りである場合には、一次振り分けの結果はテーブル4であり、当否判定結果がハズレである場合のテーブル4と同じ取り扱いになる。
ステップS2111の実行が完了した場合には、図7に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。
図16は、主制御部300のCPU304が実行する特図2関連抽選処理の後半部分の流れを示すフローチャートである。
当否判定結果がハズレであって、特図変動パターンテーブルが属する属性がノーマル系であり、変動開始時の制御状態が電サポ状態である場合に、ステップS2114が実行される。この場合には、図9(b)に示すように、特図2の場合は特図変動パターンテーブルは必然的にテーブル1かテーブル2になる。ステップS2114では、上述の強制フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する。上述のごとく、強制フラグは、主制御部300のRAM308に用意されたものであり、大当り遊技が終了した場合、および電サポ状態中に普図の当否判定にハズレた場合にオンされるものである。強制フラグがオン状態にセットされていれば、主制御部300のRAM308における所定領域にテーブル2を設定し、図15に示す特図変動時間決定テーブルを用いて、特図の変動時間を決定し(ステップS2115)、その後、強制フラグをオフ状態に設定して(ステップS2117)、ステップS2118に進む。すなわち、主制御部300のCPU304は、特図2の保留数が、後述する所定値以下であっても所定値を超えた状態であっても、制御状態を大当り制御状態に移行させた後の特図の変動停止表示では後述する所定条件の成立の有無に関らず、変動パターンテーブル2を設定する。なお、ここで設定された変動パターンテーブル2は、特図2関連抽選処理が実行される度に再設定される場合がある。言い換えれば、第2の期間情報テーブルの一例に相当する変動パターンテーブル2は、一又は複数回の図柄変動停止表示が行われる間、設定し続けられる場合がある。このステップS2115でも、特図変動時間第2判定乱数値を取得し、取得した特図変動時間第2判定乱数値と、変動開始時の特図2の保留数に基づいて、特図の変動時間を決定する。テーブル2には、特図の変動時間を表す情報として8.0秒の期間情報と、3.5秒の期間情報と、1.5秒の期間情報が含まれている。8.0秒の期間情報は、本発明にいう所定の長期間の期間情報の一例に相当し、テーブル2は、本発明にいう第2の期間情報テーブルの一例に相当する。特図2の保留数が0であれば、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、65519/65521の確率で変動時間は8.0秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの単なるハズレ変動かノーマルリーチハズレになる。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第2特図表示装置214に表示される停止図柄がハズレ図柄であって、かつ、特図の変動時間を本発明にいう長期間の一例に相当する8.0秒に決定した場合には、ハズレリーチ演出の一種であるノーマルリーチハズレの装飾図柄の変動表示を行う。また、1/65521の確率で変動時間は3.5秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの短縮ハズレ変動になり、同じく1/65521の確率で変動時間は1.5秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの超短縮ハズレ変動になる。一方、特図2の保留数が1〜3であれば、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、1/65521の確率で変動時間は8.0秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの単なるハズレ変動かノーマルリーチハズレになる。また、特図2の保留数が1であれば、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、65519/65521の確率で変動時間は3.5秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの短縮ハズレ変動になり、1/65521の確率で変動時間は1.5秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの超短縮ハズレ変動になる。さらに、特図2の保留数が2〜3であれば、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、1/65521の確率で変動時間は3.5秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの短縮ハズレ変動になり、65519/65521の確率で変動時間は1.5秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの超短縮ハズレ変動になる。
反対に、強制フラグがオフ状態にセットされていれば、現在設定されている変動パターンテーブルから、図15に示す特図変動時間決定テーブルを用いて、特図の変動時間を決定し(ステップS2116)、ステップS2118に進む。このステップS2116でも、特図変動時間第2判定乱数値を取得し、取得した特図変動時間第2判定乱数値と、変動開始時の特図2の保留数に基づいて、特図の変動時間を決定する。例えば、テーブル1が設定されていれば、図15に示すように、そのテーブル1には、特図の変動時間を表す情報として6.0秒の期間情報と、1.5秒の期間情報が含まれている。6.0秒の期間情報は、本発明にいう所定の短期間の期間情報の一例に相当し、テーブル1は、本発明にいう第1の期間情報テーブルの一例に相当する。特図2の保留数が0であれば、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、65520/65521の確率で変動時間は6.0秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの単なるハズレ変動になり、1/65521の確率で変動時間は1.5秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの超短縮ハズレ変動になる。一方、特図2の保留数が1〜3であれば、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、1/65521の確率で変動時間は6.0秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの単なるハズレ変動になり、65520/65521の確率で変動時間は1.5秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの超短縮ハズレ変動になる。
ステップS2111、ステップS2125、ステップS2126を実行する主制御部300のCPU304は、変動期間決定手段の一例に相当する。すなわち、主制御部300のCPU304は、後述する所定値以下の特図2の保留数、ハズレの当否判定の結果、および設定された特図変動パターンテーブルに基づいて特図の変動時間を、複数の所定期間の中からいずれか一つの期間に決定する。
ステップS2118では、時短フラグがオン状態であるか否か、すなわち現在の制御状態が電サポ状態であるか否かを判定し、時短フラグがオフ状態(非電サポ状態)であれば図7に示す主制御部タイマ割込処理に復帰し、時短フラグがオン状態(電サポ状態)であればステップS2119へ進む。ステップS2119では、変動パターンテーブル1が設定されているか否かを判定し、変動パターンテーブル1以外のテーブルが設定されていればステップS2125へ進み、変動パターンテーブル1が設定されていれば、特図2の保留数が所定値(ここでは“0”)か否かを判定する(ステップS2120)。この所定値は、本発明にいう所定数の一例に相当する。ここで、特図2の保留数が所定値でなければ(ここでは1以上であれば)、主制御部300のRAM308における所定領域に変動パターンテーブル1を設定し(ステップS2121)、図7に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。一方、特図2の保留数が所定値であれば(ここでは‘0’であれば)、今度は、上述のステップS2110で決定した特図2決定結果、すなわちハズレ図柄が、所定のハズレ図柄(ここでは「特図I」)であるか否かを判定し(ステップS2122)、「特図I」(第1ハズレ図柄)でなければ、先に決定された特図の変動時間が所定時間であるか否か、すなわち所定の変動態様であるか否かを判定する(ステップS2123)。ここでは6.0秒であるか否か、すなわち単なるハズレ変動であるか否かを判定する。この所定のハズレ図柄は本発明にいう特定のハズレ図柄態様の一例に相当し、所定時間は本発明にいう特定の変動表示期間の一例に相当する。なお、本実施形態では、ステップS2122の判定およびステップS2123の判定の双方を実行しているが、いずれか一方の判定だけであてもよい。特図の変動時間が所定時間でなければ、ステップS2121へ進んでRAM308の所定領域に変動パターンテーブル1を設定する。この場合のステップS2121の実行は、複数種類の変動パターンテーブル(例えば、テーブル1〜6)のうち第2の期間情報テーブル(テーブル2)を除いた、第1の期間情報テーブル(テーブル1)を含む一又は複数の期間情報テーブルの中から期間情報テーブル(ここではテーブル1である第1の期間情報テーブル)を設定することに相当する。反対に、特図の変動時間が所定時間であれば、RAM308の所定領域に変動パターンテーブル2を設定して(ステップS2124)、図7に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。また、ステップS2122における判定結果が、「特図I」(第1ハズレ図柄)である場合にも、ステップS2124に進む。ハズレ図柄が所定のハズレ図柄であること(ステップS2122の肯定)や、先に決定された特図の変動時間が所定時間であること、すなわち所定の変動態様であること(ステップS2123の肯定)は、本発明にいう所定条件の成立の一例に相当し、本実施形態では、電サポ状態(ステップS2118の肯定)かつ所定数以下の状態(ステップS2120の肯定)で所定条件が成立した場合に、本発明にいう第2の期間情報テーブルの一例に相当する変動パターンテーブル2を設定する(ステップS2124)。ここで設定された変動パターンテーブル2は、次回の特図2関連抽選処理においてステップS2116が実行されることで、次の特図の変動停止表示における変動時間の決定に用いられ、所定条件が成立している間は変動パターンテーブル2が設定され続ける。なお、ここにいう変動パターンテーブル2が設定され続けるとは、特図2関連抽選処理が実行される度に変動パターンテーブル2の設定を更新していくこと(いわゆる再設定)も含まれる。一方、特図2の保留数が0であっても、所定条件が不成立である場合には、本発明にいう第1の期間情報テーブルの一例に相当する変動パターンテーブル1を設定し(ステップS2121)、所定条件が不成立の間は第1の期間情報テーブルが設定され続ける。なお、テーブル1が設定されている状態とテーブル2が設定されている状態とを比較すると、保留数が相対的に多い場合(ここでは保留が2以上の場合)には、変動時間は同じ時間に決定されるが、保留数が相対的に少ない場合(ここでは保留が2未満の場合)には、テーブル2が設定されている状態の方が、テーブル1が設定されている状態よりも変動時間は長くなる。
図17は、主制御部300のCPU304が実行する特図2関連抽選処理のうち、ステップS2125からの部分の流れを示すフローチャートである。
変動パターンテーブル1以外のテーブルが設定されている場合に実行されるステップS2125では、特図2の保留数が第2の所定値以上(ここでは2または3)であるか否かを判定し、特図2の保留数が第2の所定値未満(ここでは0または1)であれば、主制御部300のRAM308における所定領域に変動パターンテーブル2を設定し(ステップS2126)、図7に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。一方、特図2の保留数が第2の所定値以上であれば、今度は、上述のステップS2110で決定した特図2決定結果、すなわちハズレ図柄が、第2の所定のハズレ図柄(ここでは「特図J」)であるか否かを判定し(ステップS2127)、「特図J」(第2ハズレ図柄)でなければ、先に決定された特図の変動時間が第2の所定時間であるか否か、すなわち第2の所定の変動態様であるか否かを判定する(ステップS2128)。ここでは1.5秒であるか否か、すなわち超短縮ハズレ変動であるか否かを判定する。なお、本実施形態では、ステップS2127の判定およびステップS2128の判定の双方を実行しているが、いずれか一方の判定だけであてもよい。特図の変動時間が第2の所定時間でなければ、ステップS2126へ進んでRAM308の所定領域に変動パターンテーブル2を設定し、反対に第2の所定時間であれば、RAM308の所定領域に変動パターンテーブル1を設定して(ステップS2129)、図7に示す主制御部タイマ割込処理に復帰する。また、ステップS2127における判定結果が、「特図J」(第2ハズレ図柄)である場合にも、ステップS2129に進む。ハズレ図柄が第2の所定のハズレ図柄であること(ステップS2127の肯定)や、先に決定された特図の変動時間が第2の所定時間であること、すなわち第2の所定の変動態様であること(ステップS2128の肯定)は、本発明にいう第2の所定条件の成立の一例に相当し、本実施形態では、特図2の保留数が上記所定数を超えた状態(ステップS2127の肯定)で第2の所定条件が成立した場合に、本発明にいう第1の期間情報テーブルの一例に相当する変動パターンテーブル1を設定する(ステップS2126)。ここで設定された変動パターンテーブル1は、次回の特図2関連抽選処理においてステップS2116が実行されることで、次の特図の変動停止表示における変動時間の決定に用いられ、第2の所定条件が成立している間は変動パターンテーブル1が設定され続ける。なお、ここにいう変動パターンテーブル1が設定され続けるとは、特図2関連抽選処理が実行される度に第2の期間情報テーブルの設定を更新していくこと(いわゆる再設定)も含まれる。
なお、「特図J」は、特図2の保留数が3つ貯まっている状態では、保留数が0の場合よりも出現しすくしてもよい。例えば、ハズレ図柄決定の際の、保留数が0の場合の「特図J」の選択確率が50%であるのに対して、保留数が3の場合の「特図J」の選択確率は100%にすればよい。こうすることで、確実に変動パターテーブル1へ移行させることができる。
また、テーブル1使用中は「特図I」を相対的に出現しやすくし、テーブル2使用中は「特図J」を相対的に出現しやすくしてもよい。こうすることで、より確実にテーブル移行させることができ、保留を貯めつつ効率的に保留を消化する効果を高めることが可能である。
ステップS2121、ステップS2124、ステップS2126、ステップS2129を実行する主制御部300のCPU304は、入賞受付処理(S217)における一次振り分けを行う主制御部300のCPU304とともに、期間情報テーブル設定手段の一例に相当する。
ここで、図15に示す、当否判定結果がハズレ時の特図変動時間決定テーブルのうち、灰色に色付けした部分を参照しながら以下、説明する。本実施形態では、電サポ状態であって特図2の保留数が0の場合に、特図のハズレ図柄が停止表示され、かつ変動パターンテーブル1が設定されているとき(6.0秒の変動が行われたとき)には、別テーブルである変動パターンテーブル2が設定される。この変動パターンテーブル2は、特図2の保留が少ない場合には、特図2の保留消化の速度を抑えるテーブルである。変動パターンテーブル2が設定されたことにより、8.0秒の変動時間から特図の変動停止表示がスタートすることになり、保留が少ない場合には、特図2の変動時間を長め(6.0秒に対して長め)にして特図2の保留消化の速度を抑えつつ、特図2の長めの変動の間に、普図の当否判定で当選して、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321が開き出すのを長く待つことができる。また、特図2の保留が0の状態における変動ですぐに特図2の保留が複数たまるとは限らない。このため、特図2の保留が1つだけ貯まった状態でも、変動パターンテーブル1が設定されているとき(1.5秒の変動)よりも長い3.5秒の変動時間を確保し、特図2の保留消化の速度を抑えつつ、一対の羽根部材2321が開き出すのをさらに待つことができる。やがて、特図2の保留が2個まで貯まると、保留の消化効率を優先した変動パターンテーブル1が設定され、効率よく特図2の保留が消化されるようになる。したがって、本実施形態のパチンコ機100によれば、保留されている特図2の権利が無くなってしまうことを極力防止しつつ、保留されている特図2の権利を効率よく消化することができる。
次いで、特図2関連抽選処理の後に実行される特図1関連抽選処理(ステップS231)について、特図2関連抽選処理との相違点を中心に説明する。
図18は、図7に示す主制御部タイマ割り込み処理におけるステップS231の特図1関連抽選処理の流れを示すフローチャートである。
入賞受付処理(ステップS217)における一次振り分けでは、図9(b)に示すように、特図1に関する当否判定の事前判定結果がハズレである場合には、主制御部300のRAM308における所定領域に、電サポ状態であればテーブル3が設定され、非電サポ状態であればテーブル4が設定される。すなわち、特図1では、テーブル1やテーブル2が使用されることはない。図18に示す特図1関連抽選処理では、特図決定結果としてハズレ図柄の「特図I」又は「特図J」を導出するステップS1110が行われた後には、特図決定結果の図柄に応じて特図の変動時間を決定するステップS1111が一律に実行される。ステップS1111でも、主制御部300のCPU304は、特図変動時間第2判定乱数値(取り得る数値範囲は0〜65521)を取得し、特図変動時間第2判定乱数値と一次振り分けの結果である設定された特図変動パターンテーブルに基づいて二次振り分けを行い、特図の変動時間を決定する。ここでも、当否判定結果がハズレである場合には、図15に示す特図変動時間決定テーブルが用いられる。図15に示すように、テーブル3には、特図の変動時間を表す情報として8.0秒の期間情報と、10.0秒の期間情報が含まれている。テーブル3である場合には、特図2の保留数に基づくことはなく、取得した特図変動時間第2判定乱数値に基づいて、60000/65521の確率で変動時間は8.0秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はリーチ無しの単なるハズレ変動かノーマルリーチハズレになり、5521/65521の確率で変動時間は10.0秒に決定され、装飾図柄表示装置208の変動態様はノーマルリーチハズレになる。
なお、以上説明した実施形態のパチンコ機200は、特図が2種類あるものであったが、特図が1種類のものであってもよい。この場合には、上述の説明において「特図2」を単なる「特図」と読み替えて、特図2に関する処理と同じ処理が行われる。
また、本発明にいう所定数以下の状態として、特図2の保留数が0である状態を例にあげて説明したが、特図1と特図2を有するパチンコ機100で、特図2優先変動ではなく、入賞順変動の場合には、上述の説明における「特図2」を「特図1」と読み替えて、特図2に関する処理に代えて「特図1」に関する処理を行ってもよい。この場合には、本発明にいう所定数以下の状態は、特図1の保留数が0である状態になる。
さらに、特図1に関する処理を、特図2に関する処理と同様に行うようにしてもよい。この場合には、本発明にいう所定数以下の状態を、特図1の保留数と特図2の保留数の合計数としてもよい。
以上の説明では、『当否判定の結果が第1の当否判定結果(例えば、大当り)である場合には、遊技者に対する有利度が第1の有利度である第1の制御状態(ハズレ制御状態)から該第1の有利度よりも該有利度が高い第2の有利度である第2の制御状態(大当り制御状態)に制御状態を移行させる遊技台において、
遊技球が始動領域(例えば、第2特図始動口232)に進入した場合に、始動情報(例えば、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、およびハズレ用特図1乱数値)を導出する始動情報導出手段(例えば、乱数値生成回路318、RAM308に設けられたソフトウェア乱数カウンタ、および乱数加工を施す主制御部300)と、
前記始動情報導出手段が導出した始動情報を所定の上限数(例えば、4つ)まで記憶可能な始動情報記憶手段(例えば、RAM308に設けた特図2の保留記憶部)と、
前記始動情報記憶手段から始動情報を取得する始動情報取得手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、
前記始動情報取得手段が取得した始動情報に基づいて前記当否判定を行う当否判定手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、
1または複数の期間情報(例えば、特図の変動時間を表す情報)を含む複数種類の期間情報テーブル(例えば、特図変動パターンテーブル)を記憶した期間情報テーブル記憶手段(例えば、主制御部300のROM306)と、
前記期間情報テーブル記憶手段に記憶された複数種類の期間情報テーブルの中から選択された期間情報テーブルを設定する期間情報テーブル設定手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、
前記当否判定の結果および前記期間情報テーブル設定手段が設定した期間情報テーブルに基づいて図柄の変動表示期間(例えば、特図の変動時間)を決定する変動期間決定手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、
前記変動期間決定手段が決定した図柄の変動表示期間に亘って図柄を変動表示させた後に、前記当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を行なう図柄表示手段(例えば、第2特図表示装置214)とを備え、
前記期間情報テーブル記憶手段は、前記複数種類の期間情報テーブルとして、所定の短期間の期間情報(例えば、6.0秒の期間情報)を含む第1の期間情報テーブル(例えば、テーブル1)と、該短期間よりも長い所定の長期間の期間情報(例えば、8.0秒の期間情報)を含む第2の期間情報テーブル(例えば、テーブル2)を記憶したものであり、
前記期間情報テーブル設定手段は、前記始動情報記憶手段における始動情報の記憶数が所定数(例えば、0)以下の状態で行われる前記図柄変動停止表示における所定条件の成立(例えば、S2122の肯定やS2123の肯定)を契機に、前記第2の期間情報テーブルを設定するものであることを特徴とする遊技台。』について説明がなされている。
この遊技台によれば、保留記憶を途切れにくくしつつ、遊技者には図柄の変動消化に対して不満を抱かせることを防止可能である。
ここで、前記当否判定手段は、所定の当否判定禁止条件が不成立である場合に前記始動情報取得手段が取得した始動情報に基づいて前記当否判定を行うものであり、
前記始動情報記憶手段は、前記当否判定禁止条件が成立している場合には前記始動情報導出手段が導出した始動情報を所定の上限数まで記憶して、前記当否判定を行う権利を該上限数まで保留可能であり、
前記当否判定手段は、保留している権利がなくなるまで、前記抽選禁止条件が不成立になる度に、保留している一権利に基づく1回の当否判定を行うものであってもよい。
またこれまでの説明においては、『前記始動領域は、第1の始動領域(例えば、第1特図始動口230)と第2の始動領域(例えば、第2特図始動口232)を有し、
前記始動情報導出手段は、遊技球が前記第1の始動領域に進入した場合に第1の始動情報を導出する第1の始動情報導出手段と、遊技球が前記第2の始動領域に進入した場合に第2の始動情報を導出する第2の始動情報導出手段とを有するものであって、
前記始動情報記憶手段は、前記第1の始動情報を所定の上限数まで記憶可能な第1の始動情報記憶手段(例えば、特図1の保留記憶部)と、前記第2の始動情報を所定の上限数まで記憶可能な第2の始動情報記憶手段(例えば、特図2の保留記憶部)とを備え、
前記図柄表示手段は、前記第1の始動情報に基づく前記当否判定手段による当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を行なう第1の図柄表示手段(例えば、第1特図表示装置212)と、前記第2の始動情報に基づく前記当否判定手段による当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を行なう第2の図柄表示手段(例えば、第2特図表示装置214)とを備えたものであって、
前記期間情報テーブル設定手段は、前記第1の始動情報記憶手段における第1の始動情報の記憶数、前記第2の始動情報記憶手段における第2の始動情報の記憶数、および前記第1の始動情報記憶手段における第1の始動情報の記憶数と前記第2の始動情報記憶手段における第2の始動情報の記憶数の合計数のうちの少なくとも一つが前記所定数以下の状態で行われる前記図柄変動停止表示における所定条件の成立を契機に、前記第2の期間情報テーブルを設定するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
この遊技台によれば、特図2種類の遊技機においても保留を途切れにくくすることが可能になる。特に特図2種類の場合は、特図1種類よりも記憶可能な保留数が多いため、図柄変動が途切れることは遊技者によい印象を与えない。前述のように保留を途切れにくくすることで、図柄の変動消化に対して不満を抱かせることを防止可能である。
またこれまでの説明においては、『前記始動情報取得手段は、前記第1の始動情報記憶手段および前記第2の始動情報記憶手段のうちの両方に始動情報が記憶されている場合には、該第2の始動情報記憶手段から始動情報を取得し、該第1の始動情報記憶手段および該第2の始動情報記憶手段のうちの一方に始動情報が記憶されている場合には、始動情報が記憶されている始動情報記憶手段から始動情報を取得し、
前記期間情報テーブル設定手段は、前記第2の始動情報記憶手段における第2の始動情報の記憶数が前記所定数以下の状態で行われる前記図柄変動停止表示における所定条件の成立を契機に、前記第2の期間情報テーブルを設定するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
この遊技台によれば、特図2の優先変動の構成においては、特図2の保留を途切れにくくすることが可能である。また、特図2の優先変動を採用する遊技機には、特図1の変動による大当りに付加価値に対して、特図2の変動による大当りに付加価値の方が相対的に高い場合がある。このような場合には、特に図柄の変動消化に対して不満を抱かせることを防止可能となっている。
ここで、前記始動情報取得手段は、前記第1の始動情報記憶手段および前記第2の始動情報記憶手段のうちの両方に前記始動情報が記憶されている場合には、前記第1の始動情報記憶手段および前記第2の始動情報記憶手段に始動情報を記憶させた時期に関わらず、前記第2の始動情報記憶手段から始動情報を取得するものであってもよい。
またこれまでの説明においては、『前記始動領域への遊技球の進入率を、第1の進入率制御状態(例えば、非電サポ状態)から該第1の進入率制御状態よりも該進入率が高い第2の進入率制御状態(例えば、電サポ状態)へ移行させる始動領域制御手段を備え、
前記期間情報テーブル設定手段は、前記第2の進入率制御状態(例えば、ステップS2118の肯定)かつ前記始動情報記憶手段における始動情報の記憶数が前記所定数以下の状態(例えば、ステップS2120の肯定)で行われる前記図柄変動停止表示における所定条件の成立を契機に、前記第2の期間情報テーブルを設定するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
いわゆる確変・時短状態においては図柄の変動消化効率も求められている。消化効率を妨げずに、保留を極力途切れにくくすることが望まれる。
また、市場の遊技機では確変・時短状態において、保留記憶を途切れにくくすべく、保留0や保留1で保留2や3の変動よりも少し長い時間で演出を行っている場合がある。優良な遊技店では、いったんたとえば保留0(所定条件の所定値以下)になった場合には、次変動から保留記憶を増やすことができるように、遊技釘の調整が行われている場合がある。しかしながら、普段はあまり保留記憶が所定値以下とならない優良店であっても、遊技球の挙動(ムラ)によっては、保留が途切れそうになる場合がある。上述した実施形態のように特図変動パターンテーブル(期間情報テーブル)を変更せず(または1テーブルで)保留0の変動時間を長くすることで、保留記憶の途切れは防止可能ではあるが、保留0の変動ですぐに保留が複数たまるとは限らない。また、保留0の長変動に戻ってきてしまい、消化効率がかえって低下してしまう場合がある。これらのことから、本実施形態ではいったん保留が途切れそうになった場合には、次変動から(当該変動からでは当該変動分の長時間が効率低下の要因となる)別テーブルを使用して確実に保留記憶数を増やした状態とすることが可能となっている。このため、もともとのテーブルの所定値以下の図柄変動時間を必要以上に長くしなくてもよい。一方、優良店でない場合であっても、保留が途切れそうになった場合は、別テーブルにより保留を記憶させることが可能である。
ここで、前記第2の始動領域は、遊技球の進入率が可変の始動領域であり、例えば、自身の大きさが可変の始動領域であってもよい。この場合、前記始動領域制御手段は、前記第2の始動領域への遊技球の進入率を、前記第1の進入率制御状態(例えば第2の始動領域の大きさを第1の大きさにした状態)から前記第2の進入率制御状態(例えば第2の始動領域の大きさを第1の大きさよりも大きい第2の大きさにした状態)へ移行させるものであってもよい。
またこれまでの説明においては、『前記第1の当否判定結果が当りの判定結果であり、
前記所定の条件は、前記当否判定手段の判定結果がハズレの場合に前記変動期間決定手段が特定の変動表示期間(例えば、6.0秒)を決定したことを条件にすることを特徴とする遊技台。』や、『前記第1の当否判定結果が当りの判定結果であり、
前記所定の条件は、前記当否判定手段の判定結果がハズレの場合に前記図柄表示手段に特定のハズレ図柄態様(例えば、「特図I」)が停止表示されることを条件にすることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
これらの遊技台によれば、所定の条件について、アタッカの開放を伴わない。変動時間は遊技者の体感によるものであり、ハズレ図柄自体には遊技者が興味を抱く可能性が極めて低い。これらのことから、期間情報テーブルの変更自体を遊技者に悟られにくくすることが可能である。また、アタッカの開放時間自体の時間も不要となるため、効率よく図柄の変動消化を行っているように遊技者に見せることが可能である。
またこれまでの説明においては、『前記第1の当否判定結果が当りの判定結果であり、
前記期間情報テーブル設定手段は、前記始動情報記憶手段における始動情報の記憶数が前記所定数以下の状態であっても該状態で行われる前記図柄変動停止表示において前記所定条件が不成立である場合には、前記複数種類の期間情報テーブルのうち前記第2の期間情報テーブルを除いた、前記第1の期間情報テーブルを含む一又は複数の期間情報テーブルの中から期間情報テーブルを設定する(例えば、ステップS2121の実行)ものであり、
前記変動期間決定手段は、前記始動情報記憶手段による始動情報の記憶数に基づいても図柄の変動表示期間を決定するものであり、前記所定数以下の始動情報の記憶数、ハズレの当否判定の結果、および前記期間情報テーブル設定手段が設定した期間情報テーブルに基づいて図柄の変動表示期間を、前記所定の短期間および前記所定の長期間を含む複数の所定期間の中からいずれか一つの期間に決定する(例えば、ステップS2124の実行)ことを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
この遊技台によれば、保留記憶数が所定値以下の場合に変動時間を変えているため、所定値を超える場合はいずれの期間情報テーブルであっても図柄の変動消化を優先させることが可能である。
またこれまでの説明においては、『前記期間情報テーブル設定手段は、前記始動情報記憶手段による始動情報の記憶数が前記所定数(例えば、0)を超えた状態で行われる前記図柄変動停止表示における第2の所定条件の成立(例えば、S2127の肯定やS2128の肯定)を契機に、前記第1の期間情報テーブルを設定するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
この遊技台によれば、保留記憶数が所定値よりも大きい場合に第1の期間情報テーブルに戻すことで、保留記憶を貯めた状態で、消化効率のよいテーブルへと移行させることが可能である。
またこれまでの説明においては、『前記第1の当否判定結果が当りの判定結果であり、
前記図柄表示手段に停止表示される図柄態様に基づいて、複数の図柄列の変動表示を行う装飾図柄表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208)を備え、
前記装飾図柄表示手段は、前記図柄表示手段に停止表示される図柄態様がハズレ図柄であって、かつ、前記変動時間決定手段が図柄の変動表示期間を前記長期間に決定した場合に、ハズレリーチ演出(例えば、ノーマルリーチハズレ)で複数の図柄列の変動表示を行うことを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
この遊技台によれば、上記長時間でハズレリーチ演出を行い得るようにしたことで、上記短時間との時間差ギャップを埋めて、遊技者に違和感のない演出を提供可能である。
またこれまでの説明においては、『前記期間情報テーブル設定手段は、前記始動情報記憶手段における始動情報の記憶数が、前記所定数以下の状態であっても該所定数を超えた状態であっても、制御状態を前記第2の制御状態(例えば、大当り制御状態)に移行させた後の図柄変動停止表示(例えば、ステップS2114の肯定)では前記所定条件の成立の有無に関らず、前記第2の期間情報テーブルを一又は複数回の図柄変動停止表示が行われる間、設定し(例えば、ステップS2115)続けるものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
この遊技台によれば、大当り後は、第2の期間情報テーブルからスタートするので、保留が少ない場合には、第2の期間情報テーブルにて保留記憶を貯めやすい状態としてスタートすることが可能である。保留が多い場合は消化効率を優先する第1の期間情報テーブルに移行する可能性があるが、移行しなかった場合であっても、大当り終了後の状態として以下の2点が想定されるため、有効な場合がある。1点目は、大当り中は普通図柄の状態が低確率状態(当選確率が低く、普通図柄の変動時間も相対的に長い状態)であるため、最初の普通電動役物の開放までの時間がかかる場合がある点であり、2点目は、特に特図2優先変動(普通電動役物開放により第2の始動入賞領域への遊技球の進入が許容される)において、大当り中は普通電動役物が開放しにくい状態であるため、大当り終了後に特図2の保留記憶が少ない場合がある点である。
以下、これまで説明したことも含めて付記する。
(付記1)
遊技球が始動領域に進入した場合に、始動情報を導出する始動情報導出手段と、
前記始動情報導出手段が導出した始動情報を所定の上限数まで記憶可能な始動情報記憶手段と、
前記始動情報記憶手段から前記始動情報を取得する始動情報取得手段と、
前記始動情報取得手段が取得した始動情報に基づいて当否判定を行なう当否判定手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が特定の当否判定結果である場合に、遊技者に対する有利度が第1の有利度である第1の制御状態から該第1の有利度より有利度が高い第2の有利度である第2の制御状態に制御状態を移行させる制御状態移行手段と、
複数種類の前記期間情報テーブルを記憶した期間情報テーブル記憶手段と、
前記期間情報テーブル記憶手段から図柄の変動表示期間を決定するための前記期間情報テーブルを取得する期間情報テーブル取得手段と、
前記取得した期間情報テーブルおよび前記当否判定の結果に基づいて、図柄の変動表示時間を決定する変動時間決定手段と、
前記決定した図柄の変動表示期間に亘って図柄を変動表示させた後、前記始動情報に基づく前記当否判定手段による当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を行なう図柄表示手段と、
を備えた遊技台であって、
前記複数の期間情報テーブルは、前記図柄表示手段での図柄の変動表示時間が第1の時間となる情報を含む第1の期間情報テーブルと、前記第1の時間よりも長い第2の時間となる情報を含む第2の期間情報テーブルを備え、
前記期間情報テーブル取得手段は、前記始動情報の記憶数が所定値以下の状態で行われる図柄変動における所定条件の成立を契機に、前記第2の期間情報テーブルを取得し、
前記変動時間決定手段は、前記第2の期間情報テーブルに基づいて以降の前記図柄表示手段における図柄の変動時間を決定することを特徴とする遊技台。
(付記2)
付記1に記載の遊技台であって、
前記始動情報導出手段は、遊技球が前記始動領域のうち第1の始動領域に進入した場合に第1の始動情報を導出する第1の始動情報導出手段と、遊技球が前記始動領域のうち第2の始動領域に進入した場合に第2の始動情報を導出する第2の始動情報導出手段と、
前記始動情報記憶手段として、前記第1の始動情報を所定の上限数まで記憶可能な第1の始動情報記憶手段と、前記第2の始動情報を所定の上限数まで記憶可能な第2の始動情報記憶手段と、
前記図柄表示手段として、前記第1の始動情報に基づく前記当否判定手段による当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示する前記図柄変動停止表示を行なう第1の図柄表示手段と、前記第2の始動情報に基づく前記当否判定手段による当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示する前記図柄変動停止表示を行なう第2の図柄表示手段を備え、
前記期間情報テーブル取得手段は、前記始動情報の記憶数として、前記第1の始動情報の記憶数、第2の始動情報の記憶数、および前記第1の始動情報の記憶数と前記第2の始動記憶数の合計数のうちの少なくとも1つが前記所定値以下の状態における前記所定条件の成立を契機に、前記第2の期間情報テーブルを取得することを特徴とする遊技台。
(付記3)
付記2に記載の遊技台であって、
前記始動情報取得手段は、前記第1の始動情報記憶手段および前記第2の始動情報記憶手段のうちの両方に前記始動情報が記憶されている場合には、前記第1の始動情報記憶手段および前記第2の始動情報記憶手段に始動情報を記憶させた時期に関わらず、前記第2の始動情報記憶手段から始動情報を取得し、
前記第1の始動情報記憶手段および前記第2の始動情報記憶手段のうちの一方に前記始動情報が記憶されている場合には、前記始動情報が記憶されている始動情報記憶手段から始動情報を取得し、
前記期間情報テーブル取得手段は、前記第2の始動情報の記憶数が所定値以下の状態で行われる図柄変動における前記所定条件の成立を契機に、前記第2の期間情報テーブルを取得することを特徴とする遊技台。
(付記4)
付記1から3に記載の遊技台であって、
前記制御状態移行手段が前記第2の制御状態に制御状態を移行させたことに関連して、前記始動領域への遊技球の進入率を、第1の進入率制御状態から当該第1の進入率制御状態よりも遊技者にとって有利となる第2の進入率制御状態へ移行させる始動領域制御手段をさらに備え、
前記期間情報テーブル取得手段は、前記始動領域制御手段が前記第2の進入率制御状態に制御している状態で、前記所定条件の成立を契機に前記第2の期間情報テーブルを取得することを特徴とする遊技台。
(付記5)
付記1〜4に記載の遊技台であって、
前記所定の条件は、前記当否判定手段の判定結果がはずれの場合に前記変動時間決定手段が特定の変動表示時間を決定する、または、前記図柄表示手段に特定のはずれ図柄が表示されることを特徴とする遊技台。
(付記6)
付記1〜5に記載の遊技台であって、
前記第1の時間および第2の時間は、前記変動時間決定手段が、前記当否判定手段の判定結果がはずれであって、前記始動情報記憶手段による始動情報の記憶数が前記所定値以下の場合に選択可能とされていることを特徴とする遊技台。
(付記7)
付記1〜6に記載の遊技台であって、
前記期間情報テーブル取得手段は、前記始動情報記憶手段による始動情報の記憶数が前記所定値よりも大きい場合であって、前記所定の条件の成立を契機に、前記第1の期間情報テーブルを取得し、前記変動時間決定手段は、前記第1の期間情報テーブルに基づいて以降の前記図柄表示手段における図柄の変動時間を決定することを特徴とする遊技台。
(付記8)
付記1〜7に記載の遊技台であって、
前記図柄表示手段に停止表示される図柄に基づいて、複数列の図柄列の変動表示を行う装飾図柄表示手段を備え、
前記図柄表示手段に停止表示される図柄がはずれ図柄、かつ、前記変動時間決定手段が図柄の変動表示時間を前記第2の時間に決定した場合に、前記装飾図柄表示手段ではずれリーチ演出を行うことを特徴とする遊技台。
(付記9)
付記1〜8に記載の遊技台であって、
前記期間情報テーブル取得手段は、前記制御状態移行手段が前記第2の制御状態に制御状態を移行させた後の図柄変動において、前記所定条件の成立の有無に関らず前記第2の期間情報テーブルを取得することを特徴とする遊技台。
(付記10)
付記1〜9に記載の遊技台であって、
前記第1の期間情報テーブル(例えば、変動パターンテーブル1)では、前記始動情報の記憶数が前記所定値よりも大きい場合に前記第1の時間(例えば、8.0秒)よりも短い第3の時間(例えば、1.5秒)となる情報を含んで構成されている一方、前記第2の期間情報テーブル(例えば、変動パターンテーブル2)では、前記始動情報の記憶数が前記所定値よりも1大きい場合に前記第1の時間よりも短い時間であって、前記第3の時間よりも長い第4の時間(例えば、3.5秒)となる情報を含み、かつ、前記始動情報の記憶数が前記所定値よりも2以上大きい場合は前記第3の時間となる情報を含んで構成されることを特徴とする遊技台。
この遊技台によれば、第1の期間情報テーブルは消化を優先としたテーブルで、第2の期間情報テーブルは保留記憶を貯めつつ、貯まった場合は効率よく消化するテーブルとし、第2の期間情報テーブルを利用して、消化効率と保留記憶の貯留のバランスを保つことが可能である。
(付記11)
付記10に記載の遊技台であって、
前記第1の時間と前記第2の時間の差と、前記第3の時間と前記第4の時間の差が等しく設定されてなることを特徴とする遊技台。
この遊技台によれば、第2の期間情報テーブルが必ずしも時間効率を低減しているテーブルではないことがわかる。仮に、図15に示す当否判定結果がハズレ時の特図変動時間決定テーブルを用いて、テーブル1のみで保留が途切れることを防止するために保留0の時間を、テーブル2の時間である8.0sとした場合で検討する。保留が途切れそうになって、保留0→保留0→保留1となった場合の変動時間は、17.5秒(=8.0秒+8.0秒+1.5秒)である。一方、付記11記載の遊技台は、17.5秒(=6.0秒+8.0秒+3.5秒)で変わらない。なお、他の例でも合計時間は等しくなる。つまりテーブルを2つ用いることで時間効率を妨げることなく、保留記憶を貯めることが可能である。
(付記12)
付記4に記載の遊技台であって、
前記始動領域制御手段は、前記第2始動領域への遊技球の進入率を、第1の進入率制御状態から当該第1の進入率制御状態よりも遊技者にとって有利となる第2の進入率制御状態へ移行させることを特徴とする遊技台。
(付記13)
付記4に記載の遊技台であって、
第1および第2の期間情報テーブルは特図2の図柄変動時間の情報を含んだテーブルであってもよい。
また、付記5にいう図柄表示手段は第2の図柄表示手段であってもよく、付記6にいう始動情報の記憶数は第2の始動情報の記憶数であってもよく、付記7にいう図柄表示手段は第2の図柄表示手段であってもよい。
(付記14)
付記4に記載の遊技台であって、
前記始動領域は、その入り口の大きさを大きく変化可能となっており、
所定の当否判定条件が成立した場合に、当否判定を行なう補助当否判定手段を備え、
前記始動領域制御手段は、前記補助当否判定手段の判定結果が特定の判定結果となった場合に、前記始動領域の入り口を大きくなるように制御するよう構成され、
前記期間情報テーブル取得手段は、前記図柄変動中に当該図柄変動における前記所定の条件成立前に前記補助図柄表示手段に前記補助当否判定手段の判定結果がはずれとなる場合は、前記所定の条件の成立可否に関わらず、前記第2の期間情報テーブルを取得することを特徴とする遊技台。
ここにいう、前記始動領域の入り口を大きくなるように制御するよう構成されとは、「第2の進入率制御状態」とは別で、例えば、普通電動役物(電チュー)の開放自体のことを意味する。
この遊技台によれば、電サポ中においては、ほぼ毎回普通電動役物が開放するので1回の補助当否判定がハズレになることで変動消化に影響が出やすくなっており、このような場合は、特図側の所定条件の成立可否に関わらず第2の期間情報テーブルへ移行させて保留記憶を貯めやすい状態を作ることが可能である。
(付記15)
付記3に記載の遊技台であって、
前記期間情報テーブル取得手段は、前記第2の始動情報の記憶がなく、前記第1の始動情報に基づく図柄変動において特定のハズレ図柄が停止表示されることを契機に、前記第2の期間情報テーブルを取得することを特徴とする遊技台。