以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
[実施形態1]
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。なお、本実施形態では、光源をLEDとするものもランプと称する。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図2参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136に内蔵され、そのチャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、図1に示すパチンコ機100には、下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサ(不図示)が設けられている。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射する。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。なお、図1では遊技領域124の具体的構成は図示省略してあり、その具体的構成は図3に示す。
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」と称する場合があり、特別図柄、第1特別図柄、第2特別図柄のうちの一つまたは複数を「特図」と称する場合がある。
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLumineS3ence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。これらの第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、所定の図柄表示手段である。なお、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄であり、装飾図柄表示装置208も、所定の図柄表示手段としてもよい。
普図保留ランプ216は、保留している所定の第1の変動遊技(詳細は後述する普図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、4つ)まで保留することを可能としている。
第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している所定の第2の変動遊技(詳細は後述する特図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ、第1特図用と第2特図用を合わせると8つ)まで保留することを可能としている。ここにいう保留とは、後述する始動情報に基づく各種判定処理(抽選処理等)の開始を保留することを意味する。
高確中ランプ222は、現在の図柄制御状態を示す報知を行なうためのランプ(報知手段)である。この高確中ランプ222は、電源が投入されてから大当り遊技の開始まで、現在の図柄制御状態を示す報知を行ない、それ以降は、現在の図柄制御状態を示す報知をしないように構成している。また図柄制御状態では、電源が再投入された場合には、電源が遮断される直前の図柄制御状態に復帰する。この図柄制御状態については後述するが、ここでの図柄制御状態として、通常状態、時短状態(電サポ状態)、および確変状態のうちのいずれの状態としてもよいし、特図確変ありの状態および特図確変なしの状態のうちの一方の状態としてもよい。
なお、本明細書では制御状態という遊技台(パチンコ機100)の内部における状態をさす文言を用いて説明するが、この制御状態という文言にはいわゆる遊技状態の概念が含まれる。
また、この演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として図1に示す上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230は、遊技球が進入する入り口の大きさが変化しない第一の始動領域である。第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。この第1特図始動口230は、始動領域の一つであり、自身の大きさが変化しない固定始動領域の一例に相当する。
第2特図始動口232は、本実施形態では普図始動口228の下側に1つだけ配設している。すなわち、第2特図始動口232は、遊技盤200の右側に設けられている。この第2特図始動口232の近傍には、ソレノイドによって左右に開閉自在な一対の羽根部材2321が設けられており、一対の羽根部材2321と第2特図始動口232を併せたものが、可変始動手段に相当し、一般には、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれる。一対の羽根部材2321は、第2特図始動口232への入賞の難易度を変更する部材である。すなわち、一対の羽根部材2321が閉じたままでは第2特図始動口232への入球は不可能であり、一対の羽根部材2321が閉じた態様は入賞困難な開閉態様である。一方、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に一対の羽根部材2321が所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、第2特図始動口232への球の入球が可能(入賞容易状態)になり、一対の羽根部材2321が開いた開状態は入賞容易な状態である。すなわち、第2特図始動口232は、入り口(遊技球の進入口)の大きさが小サイズ(第1の大きさに相当)と大サイズ(第2の大きさに相当)のうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化する、遊技球の進入のしやすさが可変の可変始動領域であって、第二の始動領域の一例に相当する。この大サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも大きい。一対の羽根部材2321が開いた状態では、遊技領域124に進入した遊技球のうち、固定始動領域である第1特図始動口230に進入する遊技球よりも、可変始動領域である第2特図始動口232に進入する遊技球の方が多い。一方、小サイズの大きさは、第1特図始動口230の入り口の大きさよりも小さいか、あるいは第1特図始動口230の入り口の大きさ以下である。第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、可変入賞開口と、ソレノイドによってその可変入賞開口を開閉自在な扉部材2341とを備えている。可変入賞開口は大入賞口と呼ばれることがあり、可変入賞口234はアタッカと呼ばれることがある。扉部材2341は、所定の閉状態およびその閉状態よりも遊技球の、可変入賞開口への進入が容易な開状態のうちのいずれか一方の状態からいずれか他方の状態に状態変更する。閉状態および開状態はともに静止状態であり、閉状態は所定の第1の静止状態であり、本実施形態の可変入賞口234における閉状態は、扉部材2341が遊技盤200の遊技者側の面と一致した静止状態である。一方、開状態は所定の第2の静止状態であり、本実施形態の可変入賞口234における開状態は、扉部材2341が遊技盤200に対して略垂直になるまで遊技者側に回動した静止状態である。可変入賞口234は、後述する大当り遊技が開始されるまでは閉状態を維持し、大当り遊技が開始されると、開状態と閉状態との間で状態変更を繰り返す。なお、閉状態には、完全に閉塞してしる状態の他、遊技球の進入が実質的に不可能な程度に少し開いている状態であってもよい。また、可変入賞口は、遊技球が通過したり入り込んだりすること等によって遊技球の入賞となるものであればよく、図3に示すものに限定されない。特図変動遊技に当選して第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材2341が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
上皿126に収容されている球は発射レールの発射位置に供給される。このパチンコ機100では、遊技者の球発射ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。
この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技釘238などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置246は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
図1に示すスピーカ120や枠ランプ122等の装飾ランプ、図3に示す装飾図柄表示装置208、演出可動体224、および遮蔽装置246は、演出手段に相当し、これらの中でも装飾図柄表示装置208は装飾図柄表示手段の一例に相当する。
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部660と、によって構成している。本実施形態では、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500はそれぞれ別の回路基板からなるものであるが、これら3つの制御部(300,400,500)は、共通の一つの回路基板からなるものであってもよいし、第1副制御部400と第2副制御部500が、主制御部300の回路基板とは別の共通の一つの回路基板からなるものであってもよい。したがって、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500それぞれを所定の制御手段ととらえることもできるし、これら3つの制御部(300,400,500)を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできるし、第1副制御部400および第2副制御部500を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできる。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を導出する乱数値生成回路318(この回路には3つの乱数値生成回路を内蔵しているものとする)と、本体開放センサ1041、前面枠扉センサ1061、球貯留皿付扉センサ1082、および図1に示す下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサや、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
乱数値生成回路318は、基本回路302で使用する乱数値を生成する。この乱数値生成回路318における乱数の生成には、大別するとカウンタモードと乱数モードとの2種類の方法がある。カウンタモードでは、所定の時間間隔でカウントアップ(ダウン)する数値を取得して、その数値を乱数として導出する。乱数モードには、さらに2つの方法がある。乱数モードにおける一つ目の方法は、乱数の種を用いて所定関数(例えばモジュラス関数)による演算を行い、この演算結果を乱数として導出する。二つ目の方法は、0〜65535の範囲の数値がランダムに配列された乱数テーブルから数値を読み出し、その読み出した数値を乱数として導出する。乱数値生成回路318では、各種センサ320からセンサ回路322に入力される信号に重畳しているホワイトノイズを利用して不規則な値を取得する。乱数値生成回路318は、こうして取得した値を、カウンタモードでカウントアップ(ダウン)させるカウンタの初期値として用いたり、乱数の種として用いたり、あるいは乱数テーブルの読み出し開始位置を決定する際に用いる。
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを、各種センサ320のうちの球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、第1特図始動口230に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第1特図始動口230に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、第2特図始動口232に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。さらに、乱数値生成回路318は、普図始動口228に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、普図始動口228に対応する乱数値生成回路のそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、乱数値生成回路318に内蔵された、普図始動口228に対応する乱数値記憶用レジスタに記憶する。
また、この明細書にいう球検出センサとしては、具体的には、一般入賞口226、第1特図始動口230、第2特図始動口232、可変入賞口234など所定の入賞口に入賞した球を検出するセンサや、普図始動口228を通過する球を検出するセンサがあげられる。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、制御状態を表す情報等)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。低電圧信号は、主制御部300のCPU304を動作させるための電気系統に異常があることを表す電気系統異常信号であり、電圧監視回路338は電気系統異常信号出力手段の一例に相当する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。主制御部300のCPU304は、遊技制御手段の一例に相当する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路422と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、演出可動体センサ424やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、を接続している。
さらに、第1副制御部400には、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208および遮蔽装置246の制御を行うための第2副制御部500が接続されている。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて図2に示す払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、図1に示す発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源管理部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給する。主制御部300、第1副制御部400、および発射制御部630は、払出制御部600から所定電圧の供給を受ける。また、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第1副制御部400と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
<図柄の種類>
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図5(a)は特図の停止図柄態様(第1の図柄態様)の一例を示したものである。第1特図始動口230に球が入球したことを球検出センサである第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを球検出センサである第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。以下、第1特図始動口230に球が入球したことに基づくことを特図1と称し、第2特図始動口232に球が入球したことに基づくことを特図2と称することがある。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」(特図変動遊技)を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」(特図変動遊技)を行う。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を特図の変動停止表示と称することがある。この特図の変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
図5(a)には、図柄変動表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」の10種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
本実施形態では、特図の停止図柄態様として、6種類の大当り図柄(「特図A」から「特図F」)が用意されている。「特図A」は15ラウンド(R)特別大当り図柄であり、「特図C」は2R特別大当り図柄であって、突然確変と称される。これらの図柄(特図A,C)が停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図高確率状態になる。「特図B」は15R大当り図柄であり、「特図D」は2R大当り図柄であって、突然時短と称される。特図Bまたは特図Dが停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図高確率状態になる。「特図E」は、隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄である。特図Eが停止表示されるとその後、制御状態は特図高確率普図低確率状態になる。特図Fが停止表示されるとその後、制御状態は特図低確率普図低確率状態になる。
ここにいうラウンドとは、所定量の遊技価値(所定球数)を獲得することができるチャンスの回数をいう。本実施形態では、図3に示す可変入賞口234の作動回数を表すものであり、15ラウンドとは、可変入賞口234の1または複数回の開閉動作を1回(1回の作動)として、この作動が15回続くことを意味する。すなわち、1回の作動が、開閉状態が第1の開閉状態(ここでは閉状態)から第2の開閉状態(ここでは開状態)に変化する特定変化の一例に相当し、可変入賞口234は、大当り遊技中に、この特定変化を複数の定数回(15ラウンドの場合であれば15回)行うものである。各ラウンドは所定のラウンド終了条件(例えば所定球数(一例として10球)の遊技球の進入、所定量の遊技価値(所定球数)の獲得、ラウンド開始から所定時間の経過などのうちのうちの1または複数)が成立することにより終了する。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと、特別大当りあるいは時短大当りとの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当りあるいは時短大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。本実施形態では、大当り遊技中には特図低確率状態へ移行し、特図A、特図C、および特図Eに当選した場合には、大当り遊技終了後、次に大当りするまで特図高確率状態が維持される。一方、特図B、特図D、および特図Fに当選した場合には、大当り遊技終了後も特図低確率状態のままである。特図低確率状態は第1の確率制御状態の一例に相当する。また、大当り遊技終了後に特図高確率状態になることを特図確変と称することもあり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)は、遊技者の有利度が高くなる制御状態であって第2の確率制御状態の一例に相当する。この特図高確率状態を確変状態と称することがある。なお、本明細書では制御状態という遊技台(パチンコ機100)の内部における状態をさす文言を用いて説明するが、この制御状態という文言にはいわゆる遊技状態の概念が含まれる。この確率制御状態の移行は主制御部300が行い、主制御部300は、確率制御状態移行手段の一例に相当する。
また、特図A〜Dに当選すると、いずれも大当り遊技終了後、電チューサポート(電サポ)有りの状態(以下、電サポ状態と称する)に移行する。電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くする等して、遊技者の有利度が非電サポ状態より高い所定状態のことをいう。この電サポ状態は、このパチンコ機100に用意された制御状態の一つであり、時短状態と称されることもある。すなわち、電サポ状態(時短状態)は、大当り遊技の終了を条件に開始される。なお、厳密にいえば、「電サポ状態」はあくまでも普図がらみの状態であり、「時短状態」は特図がらみの状態または普図および特図がらみの状態である。主制御部300のRAM308には時短フラグも用意されており、時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態であり、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に当選しやすくなる(普図確変)。例えば、普図変動遊技の当選確率が、普図低確率状態(非電サポ状態)では1/101であるのに対し、普図高確率状態(電サポ状態)では99/101に上昇する。また、電サポ状態の方が、非電サポ状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。例えば、非電サポ状態では10秒の普図変動遊技の変動時間が電サポ状態では1.2秒に短縮される。また、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321の1回の開放における開放時間が長くなりやすい(電チュー開放期間延長)。例えば、非電サポ状態では0.3秒の電チュー開放期間が電サポ状態では1.7秒に延長される。さらに、電サポ状態では非電サポ状態に比べて、一対の羽根部材2321は多く開きやすい(電チュー開放回数増加)。例えば、普図始動口228への1回の入賞につき非電サポ状態では1回しか開かない一対の羽根部材2321が、電サポ状態では3回開く(例えば、1.7秒開放することを3回繰り返し、開放と開放の間の閉鎖時間は1.6秒)。電チュー開放期間延長や電チュー開放回数増加により、第2特図始動口232に入球する確率が高まる。なお、時短フラグは、大当り遊技中にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持される。これは、大当り遊技中に電サポ状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。なお、本実施形態では、電サポ状態(時短状態)では、普図確変、普図変短、電チュー開放期間延長、および電チュー開放回数増加の総てが行われるが、これらのうちの少なくともいずれか一つが行われれば、遊技者の有利度が高い状態になり、電サポ状態(時短状態)としてもよい。あるいは、第2特図始動口232に入球する確率が高まる、電チュー開放期間延長または電チュー開放回数増加のうちのいずか一方が行われれば、電サポ状態(時短状態)としてもよい。非電サポ状態では、電サポ状態よりも遊技球が第2特図始動口232に進入し難い。上述のごとく、第2特図始動口232は、遊技球が進入する入り口の大きさが小サイズと大サイズのうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化するものである。この第2特図始動口232は、入り口が、電サポ状態では非電サポ状態よりも長期間にわたって大サイズである。本実施形態では、特図Aおよび特図Cが停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、次に大当り遊技が開始されるまで電サポ状態(普図高確率状態)が維持され、特図Bおよび特図Dが停止表示されると、その後に行われる大当り遊技終了後、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態が維持され、101回目には非電サポ状態(普図低確率状態)に移行する。一方、電サポ無しの大当り(特図E,特図F)に当選した場合には、大当たり遊技終了後に電サポ状態に移行しない。非電サポ状態では、第2特図始動口232は、入り口が小サイズに維持される。一方、上述のごとく、電サポ状態では、第2特図始動口232は、入り口が大サイズになり、遊技球の進入率が高められる。すなわち、非電サポ状態では、遊技球が可変始動領域である第2特図始動口232に第1の進入率で進入するのに対して、電サポ状態では、遊技球が第2特図始動口232に上記第1の進入率よりも進入率が高い第2の進入率で進入する。したがって、非電サポ状態が第一の進入率制御状態の一例に相当し、電サポ状態が第二の進入率制御状態の一例に相当する。
確変状態や電サポ状態は、所定遊技状態の一例に相当し、確変状態では、非確変状態に比べて、特図の大当りになる確率が高く、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて、可変始動領域である第2特図始動口232に入球しやすく、結果として獲得可能な遊技球の数が多くなる。
さらに、本実施形態では、大当り図柄の他に小当り図柄として2種類の停止図柄が用意されている。図5(a)に示す、特図Gは第1小当り図柄であり、特図Hは第2小当り図柄である。小当り遊技では、可変入賞口234の扉部材2341が所定回(例えば15回)作動し、その扉部材2341は、1回の作動につき開状態を最大で1.5秒間しか維持しない。小当りにおける扉部材2341の開放では、例えば、1回目の開放で、遊技球が所定球数(例えば10球)進入してしまうと、あるいは所定量の遊技価値(所定球数)を獲得してしまうと、2回目以降の開放は行われない。小当り遊技中には、特図低確率普図低確率状態へ移行する。小当りは、小当り遊技前後で制御状態が変化しない役であり、小当り遊技終了後には小当り遊技開始前の制御状態に復帰する。
大当り遊技および小当り遊技では、可変入賞口234の扉部材2341が1または複数回の開閉動作を行い、遊技者の有利度が相対的に高い状態になる。
また、本実施形態では、ハズレ図柄も2種類用意されている。図5(a)に示す、特図Iは第1ハズレ図柄であり、特図Jは第2ハズレ図柄である。ハズレ図柄が停止表示されると、可変入賞口234の扉部材2341は開閉動作を行わず、遊技者の有利度が相対的に低い状態になる。なお、「特図I」と「特図J」以外のハズレ図柄(例えば、第3のハズレ図柄等)をさらに用意しておいてもよく、本実施形態ではハズレ図柄は複数種類の図柄を含むものである。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機100では、遊技者の有利度が高い第2の有利度の当り遊技状態(大当り遊技状態および小当り遊技状態)と、第2の有利度よりは有利度が低い第1の有利度のハズレ遊技状態とが用意され、パチンコ機100は当り遊技状態(第二の遊技状態)とハズレ遊技状態(第一の遊技状態)のうちのいずれか一方の制御状態をとる。これらの遊技状態の移行も主制御部300のCPU304が行い、主制御部300のCPU304は、制御状態移行手段の一例にも相当する。すなわち、制御状態移行手段の一例にも相当する主制御部300のCPU304は、当否判定の結果が特定当否判定結果(ここでは、当りの当否判定結果)であることに基づいて、遊技者に対して有利な特別遊技状態(ここでは、当り遊技状態)に制御状態を移行させる。
なお、本実施形態のパチンコ機100には、大当り図柄1として「特図A」以外の図柄も用意されており、大当り図柄2等の他の図柄についても同様である。
第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、当否判定結果(抽選結果)を報知する報知手段であって、図柄変動を開始してから当否判定の結果に対応した図柄態様(特図A〜と特図J)を停止表示するまでの図柄変動表示を行う図柄表示手段の一例に相当する。
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特別図柄表示装置212および第2特別図柄表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、装飾図柄の組合せである停止図柄態様(第2の図柄態様)を停止表示する。15R特別大当りである「特図A」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ2”(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾5−装飾5−装飾5」等)を停止表示する。15R大当りである「特図B」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ偶数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ1”(例えば「装飾2−装飾2−装飾2」や「装飾4−装飾4−装飾4」等)を停止表示する。また、隠れ確変である「特図E」や、突然通常である「特図F」や、小当りである「特図G」,「特図H」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾1−装飾2−装飾3」といった“装飾図柄の組合せ3”を停止表示する。突然確変である「特図C」や、突然時短である「特図D」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、「装飾1−装飾3−装飾5」といった“装飾図柄の組合せ4”を停止表示する。また、ハズレである「特図I」,「特図J」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、“装飾図柄の組合せ1”〜“装飾図柄の組合せ4”以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。以下、装飾図柄表示装置208において、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様(例えば、“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示するまでの一連の表示を装飾図柄の変動停止表示と称することがある。
なお、特図1や特図2の停止図柄態様(図5(a)参照)と、装飾図柄表示装置208の左中右の各図柄表示領域208a〜cに表示される一つの装飾図柄の停止図柄態様(同図(b)参照)は、装飾図柄(同図(b)参照)の方が大きい。
図5(c)は普図の停止図柄態様(第2の図柄態様)の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、ハズレ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」(普図変動遊技)を行う。そして、変動時間が経過した後に、当り図柄である「普図A」とハズレ図柄である「普図B」の内のいずれか一方の図柄を停止表示する。この図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
以下、この「普図の変動表示」を開始してから普図の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を普図の変動停止表示と称することがある。普図表示装置210は補助図柄報知手段の一例に相当する。
<主制御部メイン処理>
次に、図6を用いて、図4に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300のRAM308には、大当り用特図1乱数カウンタ、小当り用特図1乱数カウンタ、ハズレ用特図1乱数カウンタ、およびこれらのカウンタの特図2用のカウンタが設けられている。また、そのRAM308には、特図変動時間第1判定乱数値、および特図変動時間第2判定乱数値それぞれを生成するための乱数カウンタも設けられている。さらに、そのRAM308には、特図1の保留数、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、特図1当否判定結果、特図1決定結果、特図1変動時間、およびこれらの、保留数や乱数値や結果の特図2用のものがそれぞれが記憶される。またRAM308には、当否判定(抽選)の開始を保留することができる最大数(この例では4つ)の領域に区分けされた保留記憶部が特図1と特図2で別々に用意されている。特図1の保留記憶部には、後述するように、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値の5つの乱数値を1セットにしてこれら5つの乱数値が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。
上述したように、図4に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。
ステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660が第2副制御部500を介して主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
ステップS107では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。
具体的には、最初に、図2に示す電源基板182に設けたRAMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図4に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
ステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、大当り用特図乱数値カウンタ、小当り用特図乱数値カウンタ、およびハズレ用特図乱数値カウンタの初期値をそれぞれ生成するための4つの初期値生成用乱数カウンタと、普図タイマ乱数値、特図1変動時間決定用乱数値、および特図2変動時間決定用乱数値をそれぞれ生成するための3つの乱数カウンタを更新する。例えば、普図タイマ乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた普図タイマ乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。他の初期値生成用乱数カウンタ、乱数カウンタもそれぞれ同様に更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、このステップS115の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図7を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約4msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種の球検出センサを含む図4に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口234、230やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS207およびステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS115で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値、普図タイマ乱数、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、特図1変動時間決定用乱数値、大当り用特図2乱数値、小当り用特図2乱数値、ハズレ用特図2乱数値、および特図2変動時間決定用乱数値それぞれを生成するための乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。なお、本実施形態では特図1に関する乱数値を取得するためのカウンタと特図2に関する乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けたが、同一のカウンタを用いてもよい。
ステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特図表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口234、230や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口230に入賞があり、且つ、保留している特図1変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満である場合には、所定の始動情報を取得する。すなわち、保留数が所定数未満であれば、特図1当選乱数値、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値を取得する。ここで取得した特図1当選乱数値は、ハードウェア乱数を加工した値(ハードウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。一方、大当り用特図1乱数値、小当り用特図1乱数値、ハズレ用特図1乱数値、および特図1変動時間決定用乱数値は、RAM308に設けられたソフトウェア乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。図4に示す乱数値生成回路318、RAM308に設けられたソフトウェア乱数カウンタ、および乱数加工を施す主制御部300を併せたものが、始動情報を生成して導出するものであり、始動情報導出手段(第1の始動情報導出手段,第2の始動情報導出手段)の一例に相当する。ここで取得された各種乱数値(始動情報)は、RAM308に設けた特図1の保留記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1セットの始動情報として記憶される。この特図1の保留記憶部は、第1特図始動口230(第1の始動領域)に遊技球が進入した場合に取得した始動情報を所定の第1上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な第1の始動情報記憶手段に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図1の保留記憶部に記憶してもよく、この場合、一時領域を第1の始動情報記憶手段としてもよいし、特図1の保留記憶部および一時領域を第1の始動情報記憶手段としてもよい。また、主制御部300のCPU304は、RAM308に記憶されている特図1の保留数の値に1を加算し、特図1の保留数が1増加する。したがって、主制御部300のCPU304が保留手段の一例に相当する。また、特図2についても、特図1と同様に始動情報である各乱数値を取得し、取得した乱数値をRAM308に設けた特図2の保留記憶部に、1セットの始動情報として同様に記憶され、さらに、RAM308に記憶されている特図2の保留数の値に1を加算する。特図2の保留記憶部は、第2特図始動口232(第2の始動領域)に遊技球が進入した場合に取得した始動情報を所定の第2上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な第2の始動情報記憶手段に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図2の保留記憶部に記憶してもよく、この場合一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよいし、特図2の保留記憶部および一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよい。
また、普図始動口228を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を始動情報である普図当選乱数値として取得し、RAM308に設けた特図用とは別の乱数値記憶領域に記憶する。また、この入賞受付処理では、所定の球検出センサにより、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228、または可変入賞口234の入賞(入球)を検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228、および可変入賞口234の入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
なお、特図の始動情報にしても普図の始動情報にしても、保留数がそれぞれの所定数以上であれば取得せずに、ステップS219に進む。
ステップS219では、払出要求数送信処理を行う。図4に示す払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、ハズレ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびハズレ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。このようにして一対の羽根部材2321の開放制御を行う主制御部300のCPU304が、可変始動領域制御を行う可変始動領域制御手段の一例に相当する。一方、非電サポ状態であれば、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定するとともに、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)には、何ら信号を出力しない。こうすることで、羽根部材2321は閉じた状態のままになる。なお、羽根部材2321を閉じた状態に維持するための信号を必ず出力するようにしてもよい。
また、電サポ状態であった場合には、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する処理では、所定の閉鎖期間(例えば0.1秒間)、羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、電サポ状態であった場合には、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理において、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がハズレであれば、後述するように、普図ハズレフラグがオンされる。この普図ハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
続いて、ステップS223では普図関連抽選処理を実行する。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
続いて、特図先読み処理(ステップS224)が実行される。この特図先読み処理については後述する。
次に、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行い(ステップS225)、次いで、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当たりフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1ハズレフラグ、第2ハズレフラグ、確変フラグ、および時短フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、後述する特図関連抽選処理における特図決定結果(特図の停止図柄態様)に基づいて第2特図表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、2R特別大当たり図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1ハズレ図柄(特図I)、および第1ハズレ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に値がセットされている場合には、その値が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中や小当り遊技中にも、時短フラグをオフする。すなわち、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中および小当り遊技状態中(第二の制御状態中)である場合に、非電サポ状態(第一の進入率制御状態)に移行させる。
また、後述するコマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施例では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。
以上説明したように、主制御部300のCPU304は、大当り遊技状態中に、可変入賞口234の扉部材2341の開閉状態の変化制御を行う可変入賞制御手段の一例に相当する。なお、主制御部300のROM306には、可変入賞口234の扉部材2341の開閉パターンが記憶されており、主制御部300のCPU304は、そのROM306から、特図変動遊技の当否判定に応じた開閉パターンを取得する。
また、主制御部300のCPU304は、特図決定結果が表す停止図柄態様に基づいて、大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた確変フラグや時短フラグをオンに設定する。すなわち、主制御部300のCPU304は、後述する特図抽選処理で特図決定結果が「特図A」や「特図C」である場合には確変フラグと時短フラグの双方をオンに設定する。また、特図決定結果が「特図E」である場合には確変フラグと時短フラグのうち確変フラグのみをオンに設定する。さらに、特図決定結果が「特図B」や「特図D」である場合には確変フラグと時短フラグのうち時短フラグのみをオンに設定するとともにRAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数100回をセットする。確変フラグがオンに設定されていると、特図高確率状態(確率変動中)であり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態(特図高確率状態)である。一方、確変フラグがオンに設定されていない(オフに設定されている)と、特図低確率状態である。したがって、確変フラグの設定状態は、当否判定(特図の抽選)の結果に影響を与える。また、時短フラグがオンに設定されていると電サポ状態であり、電チューが開きやすい(例えば当りやすい)、一回の当りに基づく開放時間が長い、一回の当りに基づく開放回数が多いなど可変始動領域制御が遊技者に有利になるように行われる。反対に、時短フラグがオフに設定されていると非電サポ状態であり、可変始動領域制御が遊技者に不利になるように行われる。したがって、時短フラグの設定状態は、可変始動領域制御にも影響を与える。よって、確変フラグおよび/または時短フラグの設定状態を表す情報は、遊技制御情報の一例に相当し、主制御部300のCPU304は遊技制御情報決定手段の一例に相当する。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がハズレであれば、ハズレフラグがオンされる。このハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次の処理に移行するようにしている。
特図2状態更新処理が終了すると、特図1状態更新処理を行う。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段の一例に相当する。主制御部300は、最初に特図2についての処理(特図2関連抽選処理)を行い、その後、特図1についての処理(特図1関連抽選処理)を行う。このように、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、同じタイミングで、第1特図始動口230に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得し、かつ第2特図始動口232に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得した場合や、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合や、特図2変動遊技の開始条件と特図1変動遊技の開始条件の両方が成立している場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。すなわち、本実施形態のパチンコ機100は、特図2優先変動を行うものであり、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選(特図2の当否判定)を、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選(特図1の当否判定)よりも優先して行う。言い換えれば、本実施形態のパチンコ機100では、第1の特別始動領域に遊技球が進入した場合に第1の乱数値記憶領域に乱数値を最大保留数まで格納し、第2の特別始動領域に遊技球が入賞した場合に第2の乱数値記憶領域に乱数値を最大保留数まで格納する入賞記憶部と、前記第1の乱数値記憶領域および前記第2の乱数値記憶領域の両方に乱数値が記憶されている場合に、前記第1の乱数値記憶領域に前記乱数値が記憶された時期および前記第2の乱数値記憶領域に前記乱数値が記憶された時期とは無関係に該第2の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行うとともに、前記第1の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されておらず、かつ前記第2の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されている場合には、該第2の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行い、前記第2の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されておらず、かつ前記第1の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されている場合には、該第1の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて当否判定を行う当否判定手段を備えている。また、第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214による特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、主制御部300で行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく当否判定の結果報知が、第1特図始動口230への入賞に基づく当否判定の結果報知よりも優先して行われ、当否判定が行われていない始動情報として、特図1の始動情報と特図2の始動情報のうちの特図1の始動情報のみが残っている状態で、特図2の始動情報が新たに記憶された場合には、新たに記憶された特図2の始動情報に基づく当否判定の結果の報知が、既に記憶されていた特図1の始動情報に基づく当否判定の結果の報知よりも先に行われる。また、始動情報を取得する始動情報取得手段は、第1の始動情報記憶手段および第2の始動情報記憶手段のうちの両方に始動情報が記憶されている場合には、該第2の始動情報記憶手段から始動情報を取得し、該第1の始動情報記憶手段および該第2の始動情報記憶手段のうちの一方に始動情報が記憶されている場合には、始動情報が記憶されている始動情報記憶手段から始動情報を取得するものである。なお、ステップS225の特図2状態更新処理に続いて先に特図2関連抽選処理を行い、それから、ステップS227の特図1状態更新処理を行い、その後、特図1関連抽選処理を行うようにしてもよい。
特図2関連抽選処理では、特図2についての、当否判定(抽選)の実行、停止表示する特図の決定、ならびに変動時間の決定を行う。特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段の一例に相当する。特図2関連抽選処理では、最初に、所定条件を充足したか否かを判定する。ここでの判定では、まず、所定の当否判定禁止条件が不成立であるか否かの判定を行う。すなわち、第2特図表示装置214が特図変動表示中であるか、または停止表示中であるか否かを判定し、いずれかの表示中である場合には主制御部タイマ割込処理に戻り、いずれの表示中でもない場合には、特図作動中に設定されているか特図非作動中に設定されているかを判定し、特図作動中に設定されていれば主制御部タイマ割込処理に戻り、特図非作動中に設定されていれば、当否判定禁止条件が不成立であったことになり、今度は、所定の当否判定条件が成立しているか否かの判定を行う。当否判定条件についての判定は、RAM308に設けた特図2の保留記憶部を参照し、特図2変動遊技の保留数が0より大きいか否かを判定する。保留数が0であれば、主制御部タイマ割込処理に戻る。反対に、保留数が1以上であれば、所定の当否判定条件が成立していることになり、RAM308に設けられた特図2の保留記憶部から、最も過去に格納した始動情報である1セット分の乱数値(特図2当選乱数値、大当り用特図2乱数値、小当り用特図2乱数値、ハズレ用特図2乱数値、および特図2変動時間決定用乱数値)を取り出し、その保留記憶部にまだ格納されている始動情報(乱数値のセット)を、今記憶されている領域から隣の領域に移し替える。すなわち、最も過去に格納した始動情報を特図2の保留記憶部から取り出し、さらに特図2の保留記憶部に始動情報が格納されていれば、N番目に古い始動情報を特図2の保留記憶部におけるN−1番目に古い始動情報として設定したことになる。また、RAM308に記憶している保留数を1減算する。RAM308の特図2の保留記憶部から1セット分の乱数値(特図2当選乱数値、大当り用特図2乱数値、小当り用特図2乱数値、ハズレ用特図2乱数値、および特図2変動時間決定用乱数値)を取り出す処理を行う主制御部300のCPU304が、第2の始動情報取得手段の一例に相当する。
図8(a)は当否判定用高確率テーブルを示す図であり、同図(b)は当否判定用低確率テーブルを示す図である。これらの当否判定テーブルは、主制御部300のROM306に記憶されている。また、これらの当否判定テーブルは、特図2の当否判定および特図1の当否判定に共通して用いられる。なお、特図2優先変動であるため、特図1で用いる当否判定テーブルに比べて特図2で用いる当否判定テーブルの方が、特図Aに当選する確率が高くなっていてもよい。
主制御部300のCPU304は、RAM308の保留記憶部から始動情報を取り出すと、確変フラグを参照し、確変フラグがオンであれば特図高確率状態であるため、特図2当選乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)が同図(a)に示す当否判定用高確率テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図2当否判定結果として「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出する。一方、確変フラグがオフであれば特図低確率状態であるため、特図2当選乱数値が同図(b)に示す当否判定用高確率テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図2当否判定結果として「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出する。「大当り」、「小当り」または「ハズレ」を導出することが当否判定に相当する。
次いで、特図2当否判定結果に基づいて特図2の図柄を決定する。
図8(c)は、特図決定用テーブルを示す図である。このテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。この特図決定用テーブルは、当否判定結果ごとに特図の停止図柄態様(図5(a)参照)に対応した乱数範囲が規定されている。
主制御部300のCPU304は、特図2当否判定結果が大当りの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの大当り用特図2乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(c)に示す特図決定用テーブル中の、当否判定結果が大当りのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図2決定結果として「特図A」〜「特図F」を決定する。同図(c)には、乱数振り分けとして振り分け確率が示されているが、当否判定結果が大当りの場合には、最も高い確率(ここでは50%の確率)で特図Aが選択され、次に高い確率(ここでは20%の確率)で特図Bが選択される。すなわち、当否判定結果が大当りの場合には、15R大当りである特図Aと特図Bが最も選択されやすい。また、特図2当否判定結果が小当りの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの小当り用特図2乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(c)に示す特図決定用テーブル中の、当否判定結果が小当りのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図2決定結果として「特図G」または「特図H」を決定する。さらに、特図2当否判定結果がハズレの場合であれば、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちのハズレ用特図2乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が、同図(c)に示す特図決定用テーブル中の、当否判定結果がハズレのうちのいずれの乱数範囲に属するかを判定し、特図2決定結果として「特図I」または「特図J」を決定する。当否判定結果がハズレの場合には、高確率(ここでは97%の確率)で特図Iが選択され、低確率(ここでは3%の確率)で特図Bが選択される。すなわち、ほとんどの場合、特図Iが選択され、まれに特図Jが選択される。ここで決定した特図2決定結果は、第2特図表示装置214によって停止表示されることになる特図2の図柄態様を表す情報である。
続いて、特図2決定結果に基づいて特図2の図柄変動表示における図柄の変動時間(特図2の変動時間)を決定する。ここでの変動時間の決定には、RAM308の保留記憶部から先に取得した1セット分の乱数値のうちの特図2変動時間決定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)が用いられる。
図9は、各変動時間抽選テーブルを示す図である。各変動時間抽選テーブルも、主制御部300のROM306に記憶されており、これらのテーブルは、特図2関連抽選処理と特図1関連抽選処理とで共通して使用される。
各変動時間抽選テーブルには、変動時間と、特図2変動時間決定用乱数値の乱数選択範囲との対応関係が規定されている。また、この図9に示す各変動時間抽選テーブルには、各変動時間に対応した装飾図柄表示装置208における演出態様を表す変動パターンの名称も参考までに示されている。本実施形態では、特図の変動時間と装飾図柄表示装置208の演出態様は、1対1に対応付けられている。主制御部300が、特図の変動時間に対応した装飾図柄表示装置208の演出態様まで決定してもよいが、本実施形態では、ここで決定された変動時間を表す情報を、第1副制御部400に送信し、第1副制御部400が、変動時間に対応した装飾図柄表示装置208における演出態様を決定する。本実施形態では、11種類の変動パターンが用意されている。これらの変動パターンには、リーチ演出を伴う変動パターンと、リーチ演出を伴わない変動パターンとがある。本実施形態では、リーチ演出として、ノーマルリーチ、スーパーリーチA、およびスーパーリーチBが用意されている。ノーマルリーチとは、一般に2つの図柄表示領域(例えば、図3に示す左右図柄表示領域208a、208c)が等しい装飾図柄を停止表示し、残りの1つの図柄表示領域(例えば中図柄表示領域208b)が変動表示している状態(リーチ状態)のこと、すなわち、変動表示している図柄表示領域が特定の図柄(停止表示している図柄表示領域と等しい図柄)を停止表示すれば所定の大当り図柄の組合せ(図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ1”や“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示することとなる状態のことである。
スーパーリーチAやスーパーリーチBは、ノーマルリーチにさらに特殊な変動表示等を加味して演出効果を向上させたリーチの一種であり、特定キャラクタが登場する。後述の具体例で示すように、スーパーリーチAでは奥方のキャラクタが登場し、スーパーリーチBではお姫様のキャラクタが登場する。
なお、スーパーリーチとしては、ロングリーチ、ノーマル逆転リーチ、ダブルラインリーチ等が知られており、さらには、特別マルチラインリーチ、全回転リーチ、特別全回転リーチ等のスペシャルリーチも知られている。本明細書で単にリーチというときには、ノーマルリーチとスーパーリーチとスペシャルリーチを含んだ装飾図柄の変動態様を意味する。このリーチは、特図の当否判定(抽選)の結果が当りの判定結果になることを、その当否判定を行った後であってその当否判定の結果を報知する前に遊技者に予告する演出であり、リーチを行うか否かは、その当否判定を行った後に決定される。リーチなしは、特図の変動時間が相対的に短く、スーパーリーチは特図の変動時間が相対的に長く、ノーマルリーチは特図の変動時間がリーチなしとスーパーリーチの間の時間になる。
図9(a)には、特図決定結果が特図Aあるいは特図Bであった場合に用いられる変動時間抽選テーブルが示されている。この図9(a)に示す変動時間抽選テーブルは、特図変動時間決定時の制御状態(電サポ状態であるか否か)や、特図の保留数には関係なく、特図決定結果が特図Aあるいは特図Bであった場合には一律に使用されるテーブルである。
特図Aあるいは特図Bは、ともに電サポ付きの15Rの大当り図柄であり、装飾図柄表示装置208ではリーチ演出が必ず行われる。すなわち、特図決定結果が15Rの大当り図柄(特図A,B)であった場合には、図9(a)の変動時間抽選テーブルに示すように、65秒の最長変動時間(スーパーリーチB大当りが行われる変動パターン)が最も選ばれやすく、25秒の変動時間(ノーマルリーチ大当りが行われる変動パターン)が最も選ばれにくい。また、45秒の変動時間(スーパーリーチA大当りが行われる変動パターン)は19000/65536の確率で選ばれる。
図9(b)には、特図決定結果が特図C〜Hであった場合に用いられる変動時間抽選テーブルが示されている。この図9(b)に示す変動時間抽選テーブルも、特図変動時間決定時の制御状態(電サポ状態であるか否か)や、特図の保留数には関係なく、特図決定結果が、2R大当り図柄(特図C〜特図F)あるいは小当り図柄(特図G,H)であった場合に、一律に使用されるテーブルである。
特図2決定結果が特図C〜特図Hであった場合には、12秒の変動時間が一律に選ばれる。この場合、装飾図柄表示装置208では、リーチなしの変動後に停止表示された装飾図柄の組合せ(図5(b)に示す装飾図柄の組合せ3,装飾図柄の組合せ4)を一旦消灯させる、いわゆるチャンス目変動が行われる。
図9(c)には、特図決定結果が特図Iあるいは特図Jであった場合に用いられる変動時間抽選テーブルが示されている。
この図9(c)に示す変動時間抽選テーブルでは、最短変動時間の1秒、短変動時間の3秒、および12秒の変動時間を一括りにして、対応する特図変動時間決定用乱数値の乱数選択範囲を0〜60000で規定しているが、特図変動時間決定時の制御状態が電サポ状態であって、特図2の保留数が1〜3である場合には、1秒の最短変動時間(超短縮のはずれ変動1が行われる変動パターン)が最も選択されやすく、特図変動時間決定時の制御状態が電サポ状態であって、特図2の保留数が0である場合には、3秒の短変動時間(短縮のはずれ変動2が行われる変動パターン)が最も選択されやすく、特図変動時間決定時の制御状態が電サポ状態であるときの特図1(保留数は無関係)、あるいは非電サポ状態であるとき(特図1,2の別は無関係であり保留数も無関係)には、12秒の変動時間(はずれ変動3が行われる変動パターン)が最も選択されやすいように、特図変動時間決定用乱数値の乱数選択範囲が定められている。なお、特図関連抽選処理では、RAM308に設けられた特図の保留記憶部から始動情報を取得すると、RAM308に記憶している保留数を1減算するため、ここにいう保留数の3は、特図2の保留の上限数である4から1減算された後の数になり、この時点における特図2の最大保留数に相当する。
また、特図変動時間決定時の制御状態(電サポ状態であるか否か)や、特図の保留数には関係なく、特図変動時間決定用乱数値が、60001〜63000であった場合には15秒の変動時間(ノーマリーチ1はずれが行われる変動パターン)が選択され、63001〜65000であった場合には20秒の変動時間(ノーマリーチ2はずれが行われる変動パターン)が選択され、65001〜65500であった場合には40秒の変動時間(スーパーリーチAはずれが行われる変動パターン)が選択され、65501〜65535であった場合には60秒の変動時間(スーパーリーチBはずれが行われる変動パターン)が選択される。
以上説明したようにして、特図2変動時間決定用乱数値に基づいて特図2変動時間を決定し、特図2関連抽選処理(ステップS229)は終了する。
続いて、図7に示す特図1関連抽選処理(ステップS231)を行う。この特図1関連抽選処理で行う各処理は、上述の特図2関連抽選処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、説明は省略する。
特図2関連抽選処理(ステップS229)および特図1関連抽選処理(ステップS231)を実行する主制御部300のCPU304が当否判定手段の一例に相当する。
ステップS231の特図1関連抽選処理に続いて行われるステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンド、特図保留増加コマンド、普図保留増加コマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、特図停止図柄を表す情報、制御状態を表す情報(時短フラグおよび確変フラグの設定状態を表す情報)、図9に示す変動パターンなどを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを含み、入賞演出開始コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、制御状態を表す情報などを含み、当りラウンド数指定コマンドの場合であれば制御状態を表す情報、当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報、特図変動時間を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。
上述の一般コマンド入賞演出開始設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。入演出開始コマンドを受信した第1副制御部400は、その入演出開始コマンドに基づいて第2副制御部500に入賞演出制御コマンドを送信する。入賞演出制御コマンドを受信した第2副制御部500は、装飾図柄表示装置208に、大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する画像を所定のオープニング演出期間(例えば3秒間)表示させ、大当り遊技が開始する。
上述の一般コマンド終了演出開始設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。終了演出開始コマンドを受信した第1副制御部400は、その終了演出開始コマンドに基づいて第2副制御部500に終了演出制御コマンドを送信する。終了演出制御コマンドを受信した第2副制御部500は、装飾図柄表示装置208に大当りを終了することを遊技者に報知する画像を所定の終了演出期間(例えば3秒間)表示させ、大当り遊技が終了する。
上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している当りラウンド数、現在のラウンド数、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している現在のラウンド数、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。
また、このステップS215では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、特図保留増加コマンドのコマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数や制御状態を表す情報、事前判定した特図1あるいは特図2の情報を設定する。
さらに、このステップS215では一般コマンド普図保留増加処理も行われる。この一般コマンド普図保留増加処理では、普図保留増加コマンドのコマンドデータに、制御状態を表す情報等を設定する。また、主制御部300から第1副制御部400には、普図絡みのコマンドとして、普図の変動表示が開始した(する)ことを表す普図変動開始コマンドも送信される。なお、主制御部300から第1副制御部400には、普図の変動表示が停止した(する)ことを表す普図変動停止コマンドや、一対の羽根部材2321が開放を開始した(する)ことを表す電チュー開放開始コマンドや、一対の羽根部材2321が閉鎖した(する)ことを表す電チュー閉鎖コマンドを送信するようにしてもよい。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。また、第1副制御部400では、コマンドに含まれている当りラウンド数と現在のラウンド数に基づき、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数を取得する。
また、このコマンド設定送信処理では、図4に示す払出制御部600にもコマンドを送信する。払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
次に、図7に示す主制御部タイマ割込処理では、外部出力信号設定処理(ステップS235)を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
ステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、上述のステップ205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、ガラス枠開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、図4に示す各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報をI/O310の出力ポートを介して第1副制御部400に出力する。
ステップS239では、電源の遮断(電断)を検出したか否かを判定するために、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS241に進み、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進む。
ステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断時処理を行い、その後、図6に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<第1副制御部400の処理>
図10を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、ステップS301の初期設定が実行される。この初期設定では、図4に示すI/Oポート410の初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。また、この演出制御処理では、始動入賞時サブ先読み処理、および変動開始時サブ予告処理も行われる。これらの各処理については詳しくは後述する。
ステップS311では、図1に示すチャンスボタン136の操作を検出し、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理等を行う。
ステップS313では、S309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS315では、S309で読み出した演出データの中に各種ランプ418の駆動回路420への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップS317では、S309で読み出した演出データの中に演出可動体224の駆動回路422への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS319では、S309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S303へ戻る。
次に、図10(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。図10(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶し、このコマンド受信割込処理が終了する。
次に、図10(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。図10(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、図10(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS343では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行い、このタイマ割込処理が終了する。
<第2副制御部500の処理>
第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置208の制御を実行する。第2副制御部500には、装飾図柄表示装置208に画像を表示する画像制御部が接続されている。この画像制御部は、VRAM(ビデオRAM)およびGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)を有する。GPUは、第2副制御部500のROMに記憶された絵柄情報等を第2副制御部500のCPUからの信号に基づいて読み出してVRAMの表示領域(ワークエリア)を使用して表示画像を生成し装飾図柄表示装置208に画像を表示する。
より具体的に説明すると、第2副制御部500のCPUは、最初に、画像データの転送指示を行う。ここでは、まず、VRAMの表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が装飾図柄表示装置208に表示される。次に、CPUは、GPUのアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROMの転送元アドレス)、VRAM座標(VRAMの転送先アドレス)などを設定した後、ROMからVRAMへの画像データの転送開始を指示する命令を設定する。GPUは、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROMからVRAMに転送する。その後、GPUは、転送終了割込信号をCPUに対して出力する。
次いで、GPUからの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合は、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPUは、VRAMに転送した画像データに基づいてVRAMの表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAMの座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をGPUに指示する。GPUはアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。一方、GPUからの転送終了割込信号が未入力の場合は、転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
続いて、描画指示を行う。この描画指示では、CPUは、GPUに画像の描画開始を指示する。GPUは、CPUの指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
描画指示が行われると、画像の描画終了に基づくGPUからの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が未入力の場合には、生成終了割込み信号が入力されるのを待ち、生成終了割込み信号が入力された場合には、RAMの所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタを、インクリメント(+1)して処理を終了する。
また、第2副制御部500では、第1副制御部400から送信されてきた制御コマンドに基づいて、遮蔽装置246の制御も実行する。
<特図先読み処理>
次いで、図7に示す主制御部タイマ割込処理における特図先読み処理(ステップS224)について詳述する。
図11は、特図先読み処理のうち特図2に関する処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300のCPU304は、RAM308の時短フラグを参照し、電サポ中か否かを判定する(ステップS224a)。時短フラグがオフ状態にあり非電サポ中であった場合には、特図1に関する処理のステップS224iに進み、時短フラグがオン状態にあり電サポ中であった場合には、ステップS224bに進む。ステップS224bでは、第2特図始動口232に入賞があったか否かを判定する。ここでの判定では、RAM308の特図2の保留記憶部における保留が増加したか否かを判定することによって実行される。すなわち、特図2の保留記憶の上限数(ここでは4個)以内になる第2特図始動口232への入賞があったか否かを判定する。ステップS224bにおける判定で入賞があった(特図2の保留数増加)と判定されればステップS224cへ進み、入賞がなかったと判定されれば特図先読み処理は終了になる。
ステップS224cでは、まず、RAM308に設けられた特図2の保留記憶部から、先の入賞受付処理(ステップS217)で取得した1セットの始動情報を先読みする。すなわち、第2特図始動口232への入賞を契機にして、その入賞に基づいて生成された始動情報を先読みする。したがって、最も新しい始動情報が、当該始動情報に基づく当否判定(特図2関連抽選処理)が行われる前に先読みされる。この先読みを行う主制御部300のCPU304が始動情報先読み手段の一例に相当する。ここでの先読みは、入賞分(保留増加分)だけを先読みしたが総てを先読みしてもよい。なお、ここでの先読みとは始動情報を当否判定(本抽選)の前に先に読むことを意味するが、以降の説明では、先読みという言葉を、先(当否判定(本抽選)の結果)を読むという意味で使用することがある。
主制御部300のROM306には、図8(a)に示す当否判定用高確率テーブルの内容と同じ内容の事前判定用高確率テーブルや、同図(b)に示す当否判定用低確率テーブルの内容と同じ内容の事前判定用低確率テーブルが用意されている。ステップS224cでは、確変フラグを参照し、事前判定用高確率テーブルと事前判定用低確率テーブルのうちのいずれか一方のテーブルを選択し、選択したテーブルを用いて、先読みした始動情報のうちの特図2当選乱数値に基づいて当否判定の結果が当りの当否判定結果(特定当否判定結果)になるか否かを事前判定する。すなわち、第2特図始動口232への入賞を契機にして、その入賞に基づいて生成された始動情報に基づく当否判定結果が大当りの当否判定結果になるか否かを事前判定する。したがって、この事前判定は、当該始動情報に基づく当否判定(特図2関連抽選処理)が行われる前に実行され、この事前判定を行う主制御部300のCPU304が事前判定手段の一例に相当し、ここで事前判定した結果は特図2当否事前判定結果として扱われる。
事前判定の結果が大当りの当否判定結果であれば、ステップS224eに進む。一方、大当りの当否判定結果でなければ、選択したテーブルを用いて、今度は、当否判定の結果が小当りの当否判定結果になるか否かを事前判定し(ステップS224d)、ここでの事前判定の結果が小当りの当否判定結果であればステップS224fに進み、そうでなければステップS224gに進む。
主制御部300のROM306には、図8(c)に示す特図決定用テーブルの内容と同じ内容の特図事前判定用テーブルも用意されている。その特図事前判定用テーブルを用いて、ステップS224eでは、先読みした始動情報のうちの大当り用特図2乱数値に基づいて大当り図柄の事前判定を行い、ステップS224fでは、小当り用特図2乱数値に基づいて小当り図柄の事前判定を行い、ステップS224gでは、ハズレ用特図2乱数値に基づいてハズレ図柄の事前判定を行う。ステップS224e〜gにおける特図の事前判定も、先読みした始動情報に基づく当否判定(特図2関連抽選処理)が行われる前に実行され、ここで事前判定した結果は特図2事前判定結果として扱われる。
ステップS224e〜gに続いて、ステップS224hが実行される。主制御部300のROM306には、図9に示す変動時間抽選テーブルの内容と同じ内容の変動時間事前判定テーブルも用意されている。その変動時間事前判定用テーブルを用いて、ステップS224eでは、先読みした始動情報のうちの特図2変動時間決定用乱数値に基づいて特図変動時間の事前判定を行う。ステップS224hにおける変動時間の事前判定も、先読みした始動情報に基づく当否判定(特図2関連抽選処理)が行われる前に実行され、ここで判定した結果は特図2変動時間事前判定結果として扱われる。なお、具体的な特図2の変動時間は事前判定せずに、変動時間が所定時間以上になるか否かを事前判定するに留めてもよい。
ステップS224hの実行が完了すると、特図2に関する処理は終了になり、特図1に関する処理へ進む。
図12は、特図先読み処理のうち特図1に関する処理の流れを示すフローチャートである。
特図1に関する処理(ステップS224i〜ステップS224o)は、特図2に関する処理(ステップS224b〜ステップS224h)と同じ処理であるため説明は省略するが、この特図1に関する処理では、特図1の保留記憶部から、先の入賞受付処理(ステップS217)で取得した1セットの始動情報を先読みし、特図1当否事前判定結果、特図1事前判定結果、および特図1変動時間事前判定結果を得る。
ここで得られた、特図1又は2当否事前判定結果(特図当否事前判定結果)、特図1又は2事前判定結果(特図事前判定結果)、および特図1又は2変動時間事前判定結果(特図変動時間事前判定結果)は、RAM308の所定領域に事前判定情報として特図1と特図2とに分けて上記所定の上限数だけ保留順に記憶される。そして、新たに記憶された事前判定情報(特図当否事前判定結果,特図事前判定結果,特図変動時間事前判定結果)は、事前判定した特図1あるいは特図2の情報として特図保留増加コマンドのコマンドデータに含められ、主制御部300から第1副制御部400に送信される。
主制御部300は、以上説明した特図先読み処理を実行した後、特図関連抽選処理を実行し、特図先読み処理で対象になった先読みした始動情報と同じ始動情報に基づいて、上述のごとく、特図当否判定結果、特図決定結果、および特図変動時間を改めて得る。
なお、本実施形態では、主制御部300が特図事前判定結果や特図変動時間事前判定結果まで得ているが、主制御部300ではこれらの判定結果を得ずに、先読みした始動情報を特図保留増加コマンドのコマンドデータに含めて第1副制御部400に送信し、第1副制御部400が、必要に応じて、特図事前判定結果や特図変動時間事前判定結果を得る態様であってもよい。
<始動入賞時サブ先読み処理>
次いで、図10(a)に示す第1副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS309)で実行される始動入賞時サブ先読み処理について詳述する。
図13は、始動入賞時サブ先読み処理における特図2についての処理の流れを示すフローチャートである。
図13に示す始動入賞時サブ先読み処理は、コマンド設定処理(ステップS307)において特図保留増加コマンドを受信したと判定された第1副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS309)で実行される。上述のごとく、特図保留増加コマンドのコマンドデータには、制御状態を表す情報、すなわち電サポ状態であるか否かを表す情報が含まれている。第1副制御部400のCPU404は、電サポ状態であるか否かを判定し(ステップS3091a)、非電サポ状態であればステップS3091nへ進み、電サポ状態であれば、電サポ状態中には、第2特図始動口232への入賞(特図2の入賞)を想定しているため、ステップS3091bに進み、特図2についての処理が行われる。
第1副制御部400のRAM408には、予告フラグ1A、予告フラグ1B、予告フラグ2A、予告フラグ2Bが用意されている。予告フラグ1Aおよび予告フラグ1Bは特図1用のフラグであり、予告フラグ2Aおよび予告フラグ2Bは特図2用のフラグである。また、予告フラグ1Aおよび予告フラグ2Aは遊技者にとって有利な当り(ここでは15ラウンド特別大当り(特図A))に当選することを予告する有利系予告報知ためのフラグである。また、予告フラグ2Bは遊技者にとって、有利な当りよりも不利な当り(ここでは2ラウンドの大当り(特図C〜F))に当選することを予告する不利系予告報知ためのフラグであり、予告フラグ1Bは、不利な当りとして、電サポが付かない2R大当り(特図E,特図F)あるいは当り制御状態前後で制御状態の変化がない小当り(特図G,特図H)に当選することを予告する不利系予告報知ためのフラグである。制御状態移行手段の一例にも相当する主制御部300のCPU304は、当否判定の結果が当りの当否判定結果(特定当否判定結果)のうちの、2ラウンドの大当り、あるいは電サポが付かない2R大当りや小当りの結果(第一特定当否判定結果)であることに基づいて、遊技者に対する有利度が第一の有利度の当り遊技状態(特別遊技状態)に制御状態を移行させ、当否判定の結果が当りの当否判定結果(特定当否判定結果)のうちの15R特別大当りの結果(第二特定当否判定結果)であることに基づいて、遊技者に対する有利度が上記第一の有利度よりも有利な第二の有利度の大当り遊技状態(特別遊技状態)に制御状態を移行させる。
なお、本実施形態では、不利な当りに当選しなくても不利系予告報知が行われる場合があり、この場合の不利系予告報知はいわゆる偽の予告報知になる。また、有利な当りに当選しなくても有利系予告報知が行われる場合もあり、この場合の有利系予告報知もいわゆる偽の予告報知になる。さらに、不利系予告報知には、予告待機フラグが用意されているが、有利系予告報知には、予告待機フラグは用意されていない。すなわち、第1副制御部400のRAM408には、特図1用の予告待機フラグ1Bと、特図2用の予告待機フラグ2Bも用意されている。
ステップS3091bでは、特図2用の予告フラグ2Aおよび予告フラグ2Bがともにオフされているか否かを判定し、いずれか一方でもオンされている場合には、予告報知中であり、この始動入賞時サブ先読み処理は終了になる。一方、ともにオフされている場合、すなわち予告報知中ではない場合には、今度は、特図2用の予告待機フラグ2Bがオフされているか否かを判定し(ステップS3091c)、予告待機フラグ2Bもオフされている場合には、ステップS3091dに進む。
上述のごとく、特図保留増加コマンドのコマンドデータには、特図事前判定結果を表す情報や、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数(保留記憶数)も含まれている。なお、第1副制御部400のCPU404は、RAM408において保留記憶数の管理を行ってもよい。例えば、特図保留増加コマンドを受信すると、所定の上限値未満である場合には、RAM408で管理している保留記憶数に1を加算し、図柄変動開始コマンドを受信するとその保留記憶数から1を減算するようにして保留記憶数を管理してもよい。
ステップS3091dでは、特図保留増加コマンドに含まれていた特図事前判定結果が、有利な当り、すなわち15R特別大当り図柄である特図Aであるか否かを判定し、特図Aであれば、特図保留増加コマンドに含まれていた特図2の保留記憶数が複数であるか否かを判定する(ステップS3091e)。このステップS3091eにおける判定では、特図保留増加コマンドが送信されることになった今回の入賞の前に、消化されていない保留が少なくとも1つあるか否かを判定し、今回の入賞に基づく図柄変動表示の前に実行される図柄変動表示で予告を行うことができるか否かを判定している。特図2の保留記憶数が複数であれば、特図2についての有利系予告報知の実行可否の抽選を行う(ステップS3091f)。
図14(a)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている有利系予告報知の実行可否抽選テーブルを示す図である。
第1副制御部400のCPU404は、ステップS3091fを実行するタイミングで、RAM408から専用乱数(取り得る範囲は0〜99)を取得し、取得した専用乱数に基づき、図14(a)に示す抽選テーブルを用いた抽選を行う。図14(a)に示す抽選テーブルには、ここで取得する専用乱数の選択範囲(有利系予告報知実行の範囲)が規定されている。
本実施形態では、装飾図柄表示装置208に特図の保留数に応じた数の保留表示(例えば○の図形の表示)を行い、その保留表示の表示態様を所定の表示態様(例えばキャラクタの表示)に変化させることで予告報知を行う。すなわち、主制御部300のRAM308に用意された特図の保留記憶部に記憶されている始動情報の数(保留数)を、一の始動情報に対して一の保留表示を行うことで遊技者に報知可能な始動保留数報知手段として装飾図柄表示装置208を用い、特図の図柄変動表示が行われる前のタイミング(特図の入賞に基づくタイミング)で、保留表示の表示態様を所定の表示態様で表示させることで予告報知を開始する。保留表示は、特図1と特図2を分けて行い、特図1の保留表示は、装飾図柄表示装置208における演出表示領域208dの左側に表示され、特図2の保留表示は、その演出表示領域208dの右側に表示される。第1副制御部400は、特図保留増加コマンドを受信する度に、第2副制御部500に保留増加信号を送信し、第2副制御部500は、その保留増加信号に基づいて、装飾図柄表示装置208を制御し、保留表示の数を1つ増加させる。一方、第1副制御部400は、図柄変動開始コマンドを受信する度に第2副制御部500に保留減少信号を送信し、第2副制御部500は、その保留減少信号に基づいて、装飾図柄表示装置208を制御し、保留表示の数を1つ減少させる。保留表示は始動保留表示の一例に相当し、第1副制御部400と第2副制御部500と装飾図柄表示装置208を併せたものが始動保留数報知手段の一例に相当する。
不利系予告報知は、保留表示が代官のキャラクタ表示になり、有利系予告報知は、保留表示が殿様のキャラクタ表示になる。代官のキャラクタ表示による保留表示は第一予告報知あるいは第四予告報知の一例に相当し、殿様のキャラクタ表示による保留表示は第二予告報知あるいは第三予告報知の一例に相当する。また、装飾図柄表示装置208が予告報知手段の一例に相当する。
図14(a)に示す抽選テーブルの“予告なし”とは、保留表示の表示態様をデフォルトの表示態様(ここでは○の図形表示)で行い、“代官のみ”とは、今回の入賞に基づく保留表示を代官のキャラクタ表示で行い、“代官+殿様”とは、今回の入賞に基づく保留表示を殿様のキャラクタ表示で行うとともに1回前の入賞に基づく保留表示を代官のキャラクタ表示で行うことを意味する。図14(a)に示す抽選テーブルでは、50%の確率で殿様のキャラクタ表示による保留表示が行われる。この50%の確率は、所定確率の一例に相当する。なお、殿様のキャラクタ表示のみは行われず、殿様のキャラクタ表示が行われるときには、その前の保留表示が必ず代官のキャラクタ表示になる。ステップS3091fが実行されるときには、特図事前判定結果が、遊技者にとって有利な15R特別大当り図柄である特図Aであり、予告待機フラグ2Bはオフであるため、代官のキャラクタ表示による保留表示は、事前判定結果に基づかない、いわゆる偽の予告報知になり、殿様のキャラクタ表示による保留表示は真の予告報知になる。
ステップS3091fの抽選が終了すると、ステップS3091gにおいて、ステップS3091fの抽選結果に応じて予告フラグ2Aあるいは予告フラグ2Bをオンに設定し、ステップS3091hに進む。すなわち、“代官のみ”に当選した場合には、予告フラグ2Bをオンに設定し、“代官+殿様”に当選した場合には、予告フラグ2Aをオンに設定する。予告フラグがオンに設定されると、この始動入賞時サブ先読み処理が実行された演出制御処理(ステップS309)の後に実行される情報送信処理(ステップS319)で第2副制御部500に保留変化信号が送信され、第2副制御部500はその保留変化信号に基づいて装飾図柄表示装置208を制御し、装飾図柄表示装置208には、代官のキャラクタ表示による保留表示や、殿様のキャラクタ表示による保留表示が行われる。なお、抽選結果が“予告なし”であった場合には、予告フラグ2Aも予告フラグ2Bもオフされたままである。
一方、ステップS3091dにおける判定で、特図保留増加コマンドに含まれていた特図事前判定結果が特図Aでなければ、今度は、特図保留増加コマンドに含まれていた特図事前判定結果が、不利な当り(ここでは、2Rの大当り図柄である特図C〜F)であるか否かを判定し(ステップS3091i)、2Rの大当り図柄でもなければ、特図事前判定結果は小当り図柄あるいはハズレ図柄であることになり、この始動入賞時サブ先読み処理は終了になる。反対に、2Rの大当り図柄であれば、ステップS3091jにおいて予告待機フラグ2Bをオンに設定してから、この始動入賞時サブ先読み処理は終了になる。ここで予告待機フラグ2Bをオンに設定してから、始動入賞時サブ先読み処理を終了するのは、後続の入賞を待つためである。なお、特図事前判定結果が小当り図柄であった場合にも、ステップS3091jで予告待機フラグ2Aをオンに設定してもよいし、確変無しの15R大当り図柄であった場合にも、ステップS3091jで予告待機フラグ2Aをオンに設定してもよい。
また、ステップS3091cにおける判定で、予告待機フラグ2Bがオンされている場合には、特図2についての不利系予告報知の実行可否の抽選を行う(ステップS3091k)。
図14(b)は、第1副制御部400のROM406に記憶されている不利系予告報知の実行可否抽選テーブルを示す図である。
ここでも、第1副制御部400のCPU404は、RAM408から専用乱数(取り得る範囲は0〜99)を取得し、取得した専用乱数に基づき、図14(b)に示す抽選テーブルを用いた抽選を行う。図14(b)に示す抽選テーブルには、ここで取得する専用乱数の選択範囲(不利系予告報知実行の範囲)が規定されている。図14(b)に示す抽選テーブルでは、40%の確率で予告報知が行われず、40%の確率で代官のキャラクタ表示によって予告報知が行われる。そして、20%の確率で“代官+殿様”が選択される。この20%の確率は、所定確率の一例に相当する。ここでも、“代官+殿様”が選択されると、今回の入賞に基づく保留表示が殿様のキャラクタで表示され、1回前の入賞に基づく保留表示が代官のキャラクタで表示される。このステップS3091kが実行されるときには、予告待機フラグ2Bがオンであり、後続の入賞を待っていた状態であるため、1回前の入賞に基づく保留表示を代官のキャラクタで表示することは、事前判定結果に基づく真の予告報知になる。一方、今回の入賞に基づく保留表示を、代官のキャラクタで表示したり、殿様のキャラクタで表示したりすることは、確率的にはいわゆる偽の予告報知になることが多いが、特図事前判定結果を判定していない関係上、真の予告報知になり得る場合もある。
ステップS3091kの抽選が終了すると、予告待機フラグ2Bがオフし(ステップS3091l)、次いで、ステップS3091kの抽選結果に応じて予告フラグ2Aあるいは予告フラグ2Bをオンに設定し、ステップS3091hに進む。
ステップS3091hでは、特図2についての予告実行回数(予告実行回数2)の設定第1副制御部400のRAM408の所定領域に行う。予告報知フラグ2Aがオンの場合、すなわち有利系予告報知を行う場合には、今回の入賞に基づく図柄変動表示が開始されるまで予告報知を継続するために、特図2の保留記憶数を設定する。また、予告報知フラグ2Bがオンの場合、すなわち不利系予告報知を行う場合には、今回の入賞に基づく図柄変動表示よりも1回前の図柄変動表示が開始されるまで予告報知を継続するために、特図2の保留記憶数から1を減算した値を設定する。
ステップS3091hの実行が完了すると、この始動入賞時サブ先読み処理は終了になる。
一方、ステップS3091aにおける判定で非電サポ状態であれば、非電サポ状態中には第1特図始動口230への入賞(特図1の入賞)を想定しているため、ステップS3091nに進み、特図1についての処理が行われる。
図15は、始動入賞時サブ先読み処理における特図1についての処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS3091nでは、特図1用の予告フラグ1Aおよび予告フラグ1Bがともにオフされているか否かを判定する。このステップS3091nを含めて以降の特図1についての処理は、特図2についての処理であるステップS3091b〜ステップS3091mの各ステップの説明中の「特図2」を「特図1」へ、あるいは「2」を「1」へ読み替えた処理と同一であるため、説明は省略する。ただし、特図1についての処理では不利な当りを、上述のごとく、電サポが付かない2R大当り(特図E,特図F)と、当り制御状態前後で制御状態の変化がない小当り(特図G,特図H)にしている。なお、図14(a)および同図(b)に示す抽選テーブルは特図1についての処理においても使用される(ステップS3091r,ステップS3091u)。
<変動開始時サブ予告処理>
次いで、図10(a)に示す第1副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS309)で実行される変動開始時サブ予告処理について詳述する。
図16は、変動開始時サブ予告処理における特図2についての処理の流れを示すフローチャートである。
図16に示す変動開始時サブ予告処理は、コマンド設定処理(ステップS307)において図柄変動開始コマンドを受信したと判定された第1副制御部メイン処理における演出制御処理(ステップS309)で実行される。上述のごとく、図柄変動開始コマンドのコマンドデータにも、制御状態を表す情報、すなわち電サポ状態であるか否かを表す情報が含まれている。第1副制御部400のCPU404は、電サポ状態であるか否かを判定し(ステップS3092a)、非電サポ状態であればステップS3092jへ進み、電サポ状態であれば、ステップS3092bに進み、特図2についての処理が行われる。
ステップS3092bでは、特図2用の予告フラグ2Aおよび予告フラグ2Bのいずれか一方がオンされているか否かを判定し、ともにオフされている場合には予告報知中ではなく、この場合にはステップS3092iへ進む。一方、いずれか一方でもオンされている場合には予告報知中であり、図14に示すステップS3091hでRAM408の所定領域に設定された予告実行回数2から1を減算し(ステップS3092c)、予告実行回数2の値が1であるか否かを判定する(ステップS3092d)。予告実行回数2の値が1でなければ(0,2,3であれば)、今度は、予告実行回数2の値が0であるか否かを判定し(ステップS3092e)、予告実行回数が0でなければ(2,3であれば)、ステップS3092iに進み、予告実行回数が0であれば、オンに設定されていた、予告フラグ2Aあるいは予告フラグ2BのフラグをステップS3092fにおいてオフに設定してから、ステップS3092iに進む。
一方、予告実行回数2の値が1であれば、ステップS3091bの判定でオンに設定されていたフラグは有利系予告報知の予告フラグ2Aであるか否かを判定し(ステップS3092g)、予告フラグ2Bである場合には、不利系予告報知(代官のキャラクタによる保留表示)が行われており、ステップS3092iに進む。反対に、予告フラグ2Bである場合には、今回の図柄変動開始コマンドに基づく図柄変動表示で、代官のキャラクタによる保留表示の保留が消化され、有利系予告報知(殿様のキャラクタによる保留表示)が残る。なお、ここでの代官のキャラクタによる保留表示は偽の予告報知であり、今回の図柄変動開始コマンドに基づく図柄変動表示では大当り図柄は停止表示されない。予告フラグ2Bである場合には、一発告知予告を行うことを所定の演出手段(例えば、図4に示す音源IC416)にステップS3092hで出力してから、ステップS3092iに進む。ここにいう一発告知予告とは、一変動後(次の変動で)大当りすることを事前報知する予告であり、ここでは、スピーカ120によって所定の音声が出力される。すなわち、大当り図柄が停止表示されない今回の図柄変動表示が行われている最中に、次変動で大当りすることが予告され、ハズレたのに大当りの予告報知がなされたことによって遊技の興趣が向上する。なお、予告報知実行可否の抽選で、保留変化による予告報知を行うことに当選している場合、すなわち、予告フラグ2Aに限らず予告フラグ2Bがオンの場合であっても、一発告知予告を行うようにしてもよい。また、一発告知予告は大当りする図柄変動表示の前の図柄変動表示で行う予告であったが、大当りする図柄変動表示で予告を行ってもよい。
ステップS3092iでは、今回の図柄変動開始コマンドに基づく当該図柄変動表示が行われている最中に予告を行うか否かの抽選を行い、この変動開始時サブ予告処理は終了になる。ここでの予告(以下、通常予告と称する)は、当否判定が行われた後に開始される、当該当否判定の結果の予告に相当し、通常予告を行うことに当選し、装飾図柄表示装置208において通常予告を行う場合には、その旨を第2副制御部500に送信し、第2副制御部500の制御のもと、装飾図柄表示装置208に通常予告が表示される。
一方、ステップS3092aにおける判定で非電サポ状態であれば、ステップS3092jに進み、特図1についての処理が行われる。
図17は、変動開始時サブ予告処理における特図1についての処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS3092jでは、特図1用の予告フラグ1Aおよび予告フラグ1Bのいずれか一方がオンされているか否かを判定する。このステップS3092jを含めて以降の特図1についての処理は、特図2についての処理であるステップS3092b〜ステップS3091hの各ステップの説明中の「特図2」を「特図1」へ、あるいは「2」を「1」へ読み替えた処理と同一であるため、説明は省略する。
以下、本実施形態における予告報知の具体例について説明する。
図18は、電サポ中に不利系予告報知と有利系予告報知が行われ、不利な当りに当選した場合の例を示す図である。本実施形態のパチンコ機100は、特図2優先変動機であり、以下に述べる電サポ中の説明では、図面の煩雑さを避けるために、特図1の保留表示は図示省略し、装飾図柄表示装置208における演出表示領域208dには、特図2の保留表示のみを示している。特図2の保留表示は、左に示されているものほど古い保留になる。
図18(a)では特図2の保留が2つ貯まっており、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dには、2つの保留表示が、デフォルトの表示態様(ここでは○の図形表示)の保留表示28hとして示されている。古い方の保留となった入賞に基づく始動情報を先読みして事前判定した結果はハズレ図柄であったが、新しい方の保留となった入賞に基づく始動情報を先読みして事前判定した結果は特図C(2R大当り図柄)であった。そのため、新しい方の保留となった入賞に基づく始動入賞時サブ先読み処理では予告待機フラグ2Bがオンに設定され、図18(a)に示す状態では後続の入賞を待つ状態にある。この新しい方の保留となった入賞に基づく始動情報が第一の始動情報の一例に相当する。
図18(b)では、特図2の図柄変動表示が終了し、装飾図柄表示装置208には、ハズレの装飾図柄の組合せ(「装飾6」−「装飾4」−「装飾4」)が停止表示されている。同図(a)から同図(b)の間には、第2特図始動口232に入賞があり、この入賞に基づく始動入賞時サブ先読み処理では不利系予告報知の実行可否の抽選(図13に示すステップS3091k)が実行され、図14(b)に示す“代官+殿様”に当選した。この結果、図18(b)に示す装飾図柄表示装置208では、今回の入賞に基づく保留表示は殿様のキャラクタ表示による保留表示28aで行われ、有利系予告報知が開始されている。また、その前の入賞に基づく保留表示は代官のキャラクタ表示による保留表示28bに表示態様が変化し、不利系予告報知が行われている。同図(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報が新たな始動情報の一例に相当する。また、この例では、代官のキャラクタ表示による保留表示28bが第一予告報知の一例に相当し、殿様のキャラクタ表示による保留表示28aが第三予告報知の一例に相当する。こうして、図18(a)における新しい方の保留となった入賞に基づく始動情報(第一の始動情報)に基づく当否判定の結果が2R大当り(第一特定当否判定結果)になることが事前判定された場合には、図13に示すステップS3091iの判定結果が肯定の判定結果になり、特図の保留記憶部が、図18(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報(新たな始動情報)を記憶したこと(例えば、予告待機フラグがオンになってから始動入賞時サブ先読み処理の実行)に基づいて、その新たな始動情報に基づく当否判定の結果が15R特別大当り(第二特定当否判定結果)になるか否かに関わらず、代官のキャラクタ表示による保留表示28b(第一予告報知)と、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(第三予告報知)との双方が所定確率(ここでは20%,図14(b)参照)で開始される。
同図(c)では、同図(b)に示す、デフォルトの表示態様で表示された保留表示28hの保留が消化され、その保留に基づく図柄変動表示が開始されている。同図(c)に示す装飾図柄表示装置208では、代官のキャラクタ表示による保留表示28b(不利系予告報知)と、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(有利系予告報知)が継続して表示されている。やがて、その図柄変動表示も終了し、同図(d)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレの装飾図柄の組合せ(「装飾2」−「装飾4」−「装飾1」)が停止表示されている。
同図(e)では、同図(d)に示す、代官のキャラクタ表示による保留表示28bの保留が消化され、その保留に基づく図柄変動表示が開始されている。この図柄変動表示が開始されたことに基づいて代官のキャラクタ表示による保留表示28bがなくなり、保留表示としては、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(有利系予告報知)のみが継続して表示されている。代官のキャラクタ表示による保留表示28bの保留に基づく図柄変動表示では、停止図柄を表示する前に通常予告が行われ、装飾図柄表示装置208には、変動表示中の図柄変動表示で停止表示される図柄が不利な当りの図柄(特図C〜F)であるか否かを予告する報知が行われている。ここでは、不利な当りの図柄である特図Cであるため、不利な当り図柄であることを表す報知が行われている。すなわち、不利系予告報知(保留表示28b)で用いられたキャラクタと同一のキャラクタになる代官が登場し、「残念」という文字表示を含む報知が行われている。ここでの通常予告は、殿様のキャラクタ表示による保留表示28aが真の予告報知であるか偽の予告報知であるかを示唆する演出と見ることもでき、同図(f)では、偽の予告報知であることを示唆する演出が行われている。
同図(g)では、図柄変動表示が終了し、装飾図柄表示装置208には、特図Cに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾1」−「装飾3」−「装飾5」)が停止表示されている。この同図(g)に示す装飾図柄表示装置208では、これまで殿様のキャラクタの表示だった保留表示28a(第三予告報知)が、デフォルトの表示態様の保留表示28hに変化している。第1副制御部400は、装飾図柄表示装置208に、特図Cに対応した装飾図柄の組合せを停止表示させることを指示するとともに、保留表示の表示態様を利用した予告報知(ここでは第三予告報知)を終了することも指示する。すなわち、不利な当り図柄の停止表示に基づいて、保留表示の態様が、有利系予告報知の態様からデフォルトの表示態様に変化し、有利系予告報知が終了する。本実施形態におけるゲーム性は、不利系予告報知の予告対象になった図柄変動表示の停止図柄が予告とは異なる結果であった場合には、その次の図柄変動表示で停止する図柄が有利な当りの図柄になることが確定するゲーム性である。なお、逆に、不利系予告報知の予告対象になった図柄変動表示の停止図柄が予告通りの結果であった場合には、その次の図柄変動表示で停止する図柄がハズレの図柄であることが多いが、確率的には有利な当りになることもある。このように予告通りの結果であった場合であっても、不利な当り図柄の停止表示に基づいて、保留表示の態様が、有利系予告報知の態様からデフォルトの表示態様に変化するが、次の図柄変動表示で停止する図柄が事前判定結果に基づいて有利な当りの図柄になるときに限って有利系予告報知の態様を維持するようにしてもよい。
同図(h)では、最後に残ったデフォルトの表示態様の保留表示28hの保留に基づく図柄変動表示が開始されている。
以上説明した図18に示す例では、複数の図柄変動表示にまたがって、第一特定当否判定結果又は第二特定当否判定結果の導出を演出できるため、遊技の興趣が向上する。また、予告報知の結果、不利な当りが生起してしまう場合においても、不利系予告報知を事前判定以降の新たな始動情報の取得を待って行うことで、不利系予告報知の出現時に当該予告報知の後にも始動情報が残っている状態となる。つまり、不利な当りとなる場合でも遊技者の見た目上は、不利系予告報知の行われた時点での事前判定の範囲が不利系予告報知の対象となる当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動表示より後の図柄変動表示まで及んでいることから有利な当りへの期待を持たせることができる場合がある。さらに、不利な当りが生起する場合であっても、不利系予告報知の後に有利系予告報知を行うことで遊技者に期待を抱かせることができる場合がある。また、いずれかの大当り時に予告報知をクリアすることでガセとして使用した予告報知を消去可能である。
図19は、電サポ中に不利系予告報知と有利系予告報知が行われ、有利な当りに当選した場合の例を示す図である。図18に示す例との相違点を中心に説明する。
図19(a)では特図2の保留が2つ貯まっており、この例では、2つの保留とも事前判定した結果はハズレ図柄である。ここでも、2つの保留のうち新しい方の保留となった入賞に基づく始動情報が第一の始動情報の一例に相当する。図19(a)から同図(b)の間には、第2特図始動口232に入賞があり、この入賞に基づく始動情報(第二の始動情報の一例に相当)を先読みして事前判定した結果は特図A(15R特別大当り図柄)であった。そのため、この入賞に基づく始動入賞時サブ先読み処理では有利系予告報知の実行可否の抽選(図13に示すステップS3091f)が実行され、図14(a)に示す“代官+殿様”に当選した。この結果、図19(b)に示す装飾図柄表示装置208では、今回の入賞に基づく保留表示は殿様のキャラクタ表示による保留表示28aで行われ、有利系予告報知が開始されている。ここでの殿様のキャラクタ表示による保留表示28aは第二予告報知の一例に相当する。また、その前の入賞に基づく保留表示は代官のキャラクタ表示による保留表示28bに表示態様が変化し、不利系予告報知が行われている。
このように、図19(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報(第二の始動情報)に基づく当否判定の結果が15ラウンド特別大当り(第二特定当否判定結果)になることを事前判定したことに基づいて、代官のキャラクタ表示による保留表示28b(第一予告報知)と、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(第二予告報知)との双方が所定確率(ここでは50%,図14(a)参照)で開始される。
図19(d)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレの装飾図柄の組合せ(「装飾2」−「装飾4」−「装飾1」)が停止表示され、その演出表示領域208dには、代官のキャラクタ表示による保留表示28b(不利系予告報知)と、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(有利系予告報知)が継続して表示されている。
同図(e)では、同図(d)に示す、代官のキャラクタ表示による保留表示28bの保留に基づく図柄変動表示が開始され、保留表示としては、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(有利系予告報知)のみが継続して表示されている。
同図(f)に示す、代官のキャラクタ表示による保留表示28bの保留に基づく図柄変動表示中には、その図柄変動表示で停止表示する図柄が不利な当りの図柄でないことを表す通常予告とも、殿様のキャラクタ表示による保留表示28aが真の予告報知であることを示唆する演出ともとれる画面(代官が「セーフ」を告げる画面)が装飾図柄表示装置208に表示されている。
同図(g)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレの装飾図柄の組合せ(「装飾7」−「装飾2」−「装飾5」)が停止表示され、その演出表示領域208dには、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(有利系予告報知)が継続して表示されている。すなわち、図19に示す例では、不利系予告報知(代官のキャラクタ表示による保留表示28b)の予告対象になった図柄変動表示の停止図柄が予告とは異なる結果であったため、その次の図柄変動表示で停止する図柄が有利な当りの図柄になることが確定し、有利な当りの図柄が停止表示することを予告する殿様のキャラクタ表示による保留表示28aが継続して表示されている。
同図(h)では、殿様のキャラクタ表示による保留表示28aの保留に基づく図柄変動表示が開始され、同図(i)に示す装飾図柄表示装置208には、その図柄変動表示で停止表示する図柄が有利な当りの図柄であることを表す通常予告の画面(殿様が大当りを告げる画面)が表示され、同図(j)に示す装飾図柄表示装置208には、特図Aの装飾図柄の組合せ(「装飾7」−「装飾7」−「装飾7」)が停止表示されている。
図19に示す例でも、複数の図柄変動表示にまたがって、第一特定当否判定結果又は第二特定当否判定結果の導出を演出できるため、遊技の興趣が向上する。また、有利な当りの可能性のある図柄変動表示についても予告報知を行うことで、不利な当りの可能性がある図柄変動表示に対しては、はずれてほしいという遊技者の期待を高めることができる場合がある。
以上説明したように、不利系予告報知に対応する図柄変動表示で不利な当りとならない場合は、有利な当りが確定するため、予告報知の対象となる当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動表示においてハズレとなった方が遊技者に有利となるゲーム性であり、複数の図柄変動表示に亘って遊技者の興趣を特に向上しうる。また、不利系予告報知の対象となる当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動表示がはずれた場合の安心感と有利な当りが確定する優越感を同時に与えることも可能になる。また、有利度の差を出玉や確変の有無等で有利度の差を設けることで、第一予告報知や第二予告報知の属性を遊技者に容易に認識させることが可能になる。
以上の説明は、本発明の第1の遊技台の一実施形態における説明に相当し、以下、変形例について説明する。この変形例の説明は、本発明の第2の遊技台の一実施形態における説明に相当し、これまでの説明との相違点を中心に説明する。
<変形例における始動入賞時サブ先読み処理>
図20は、変形例における始動入賞時サブ先読み処理における特図2についての処理の流れを示すフローチャートであり、図21は、変形例における始動入賞時サブ先読み処理における特図1についての処理の流れを示すフローチャートである。
この変形例でも、第1副制御部400のRAM408には、特図1用の、予告フラグ1Aおよび予告フラグ1B、特図2用の予告フラグ2Aおよび予告フラグ2Bが用意されている。また、予告フラグ1Aおよび予告フラグ2Aは遊技者にとって有利な当り(ここでは15ラウンド特別大当り(特図A))に当選することを予告する有利系予告報知ためのフラグである。また、予告フラグ2Bは遊技者にとって、有利な当りよりも不利な当り(ここでは2ラウンドの大当り(特図C〜F))に当選することを予告する不利系予告報知ためのフラグであり、予告フラグ1Bは、不利な当りとして、電サポが付かない2R大当り(特図E,特図F)あるいは当り制御状態前後で制御状態の変化がない小当り(特図G,特図H)に当選することを予告する不利系予告報知ためのフラグである。なお、この変形例でも、不利な当りに当選しなくても不利系予告報知が行われる場合があり、この場合の不利系予告報知はいわゆる偽の予告報知になる。また、有利な当りに当選しなくても有利系予告報知が行われる場合もあり、この場合の有利系予告報知もいわゆる偽の予告報知になる。さらに、この変形例では、有利系予告報知に予告待機フラグが用意されており、不利系予告報知には予告待機フラグは用意されていない。すなわち、第1副制御部400のRAM408には、特図1用の予告待機フラグ1Aと、特図2用の予告待機フラグ2Aも用意されている。この変形例では、特図保留増加コマンドに含まれていた特図事前判定結果が、有利な当り(ここでは、15R特別大当り図柄である特図A)であった場合には、ステップS3093jにおいて予告待機フラグ2Aをオンに設定し、後続の入賞を待つために始動入賞時サブ先読み処理は終了になる。
予告待機フラグ2Aがオンであった場合には、特図2についての有利系予告報知の実行可否の抽選を不利系予告報知の実行可否抽選テーブルを用いて行う(ステップS3093k)。ここで用いる有利系予告報知の実行可否抽選テーブルは、図14(a)に示す実行可否抽選テーブルの“代官+殿様”を“殿様+代官”に変更した以外は、図14(a)に示す実行可否抽選テーブルの内容と同じ内容のテーブルである。“殿様+代官”とは、今回の入賞に基づく保留表示を代官のキャラクタ表示で行うとともに1回前の入賞に基づく保留表示を殿様のキャラクタ表示で行うことを意味する。
一方、特図保留増加コマンドに含まれていた特図事前判定結果が、不利な当り、すなわち、2Rの大当り図柄である特図C〜Fであった場合には、特図保留増加コマンドに含まれていた特図2の保留記憶数が複数であるか否かを判定し(ステップS3093e)、複数であれば、特図2についての不利系予告報知の実行可否の抽選を不利系予告報知の実行可否抽選テーブルを用いて行う(ステップS3093f)。ここで用いる不利系予告報知の実行可否抽選テーブルは、図14(b)に示す実行可否抽選テーブルの“代官+殿様”を“殿様+代官”に変更した以外は、図14(b)に示す実行可否抽選テーブルの内容と同じ内容のテーブルである。なお、“殿様+代官”の意味は、上述の意味と同じである。
この変形例でも、装飾図柄表示装置208に特図の保留数に応じた数の保留表示(例えば○の図形の表示)を行い、不利系予告報知は、保留表示が代官のキャラクタ表示になり、有利系予告報知は、保留表示が殿様のキャラクタ表示になる。
図21に示すステップS3093nを含めて以降の特図1についての処理は、特図2についての処理であるステップS3093b〜ステップS3093mの各ステップの説明中の「特図2」を「特図1」へ、あるいは「2」を「1」へ読み替えた処理と同一であるため、説明は省略する。ただし、特図1についての処理では不利な当りを、上述のごとく、電サポが付かない2R大当り(特図E,特図F)と、当り制御状態前後で制御状態の変化がない小当り(特図G,特図H)にしている。
なお、変動開始時サブ予告処理は、図16および図17に示す処理と同じであるため説明は省略する。
以下、変形例における予告報知の具体例について説明する。
図22は、電サポ中に有利系予告報知と不利系予告報知が行われ、不利な当りに当選した場合の例を示す図である。
図22(a)では特図2の保留が2つ貯まっており、この例では、2つの保留とも事前判定した結果はハズレ図柄である。図22(a)における新しい方の保留となった入賞に基づく始動情報が第一の始動情報の一例に相当する。図22(a)から同図(b)の間には、第2特図始動口232に入賞があり、この入賞に基づく始動情報(第二の始動情報の一例に相当)を先読みして事前判定した結果は特図C(2R大当り図柄)であった。そのため、この入賞に基づく始動入賞時サブ先読み処理では不利系予告報知の実行可否の抽選(図20に示すステップS3093f)が実行され、“殿様+代官”に当選した。この結果、図22(b)に示す装飾図柄表示装置208では、今回の入賞に基づく保留表示は代官のキャラクタ表示による保留表示28bで行われ、不利系予告報知(第一予告報知)が開始されている。また、その前の入賞に基づく保留表示は殿様のキャラクタ表示による保留表示28aに表示態様が変化し、有利系予告報知(第二予告報知)が行われている。
このように、図22(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報(第二の始動情報)に基づく当否判定の結果が2ラウンドの大当り(第二特定当否判定結果)になることを事前判定したことに基づいて、代官のキャラクタ表示による保留表示28b(第一予告報知)と、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(第二予告報知)との双方が所定確率(ここでは20%)で開始される。
同図(c)では、同図(b)に示す、デフォルトの表示態様で表示された保留表示28hの保留が消化され、その保留に基づく図柄変動表示が開始されている。同図(c)に示す装飾図柄表示装置208では、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(有利系予告報知)と、代官のキャラクタ表示による保留表示28b(不利系予告報知)が継続して表示されている。やがて、その図柄変動表示も終了し、同図(d)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレの装飾図柄の組合せ(「装飾2」−「装飾4」−「装飾1」)が停止表示されている。
同図(e)では、同図(d)に示す、殿様のキャラクタ表示による保留表示28aの保留が消化され、その保留に基づく図柄変動表示が開始されている。この図柄変動表示が開始されたことに基づいて殿様のキャラクタ表示による保留表示28aがなくなり、保留表示としては、代官のキャラクタ表示による保留表示28b(不利系予告報知)のみが継続して表示されている。
同図(f)では、図柄変動表示が終了し、装飾図柄表示装置208には、ハズレの装飾図柄の組合せ(「装飾7」−「装飾6」−「装飾7」)が停止表示されている。したがって、殿様のキャラクタ表示による保留表示28aは偽の予告報知であったことになる。この変形例におけるゲーム性は、有利系予告報知の予告対象になった図柄変動表示の停止図柄が予告とは異なる結果であった場合には、その次の図柄変動表示で停止する図柄が不利な当りの図柄になることが確定するゲーム性である。図22に示す例では、有利系予告報知(殿様のキャラクタ表示による保留表示28a)の予告対象になった図柄変動表示の停止図柄が予告とは異なる結果であったため、その次の図柄変動表示で停止する図柄が不利な当りの図柄になることが確定し、不利な当りの図柄が停止表示することを予告する代官のキャラクタ表示による保留表示28bが継続して表示されている。
同図(g)では、殿様のキャラクタ表示による保留表示28aの保留に基づく図柄変動表示が開始され、同図(h)に示す装飾図柄表示装置208には、その図柄変動表示で停止表示する図柄が不利な当りの図柄であることを表す通常予告の画面(代官が「残念」を告げる画面)が表示され、同図(i)に示す装飾図柄表示装置208には、特図Cの装飾図柄の組合せ(「装飾1」−「装飾3」−「装飾5」)が停止表示されている。
以上説明した図22に示す例でも、複数の図柄変動表示にまたがって、第一特定当否判定結果又は第二特定当否判定結果の導出を演出できるため、遊技の興趣が向上する。また、有利系予告報知に対応する図柄変動表示で有利な当りとならない場合は不利な当りが確定するため、予告報知の対象となる当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動表示における有利な当りへの期待を高めつつ、はずれてしまったときの危険性を遊技者に付与することが可能になる。
図23は、電サポ中に有利系予告報知と不利系予告報知が行われ、有利な当りに当選した場合の例を示す図である。図22に示す例との相違点を中心に説明する。
図23(a)では特図2の保留が3つ貯まっており、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dには、3つの保留表示が、デフォルトの表示態様(ここでは○の図形表示)の保留表示28hとして示されている。最も古い保留となった入賞およびその次に古い保留となった入賞それぞれに基づく始動情報を先読みして事前判定した結果はいずれもハズレ図柄であったが、最も新しい保留となった入賞に基づく始動情報を先読みして事前判定した結果は特図A(15R特別大当り図柄)であった。そのため、最も新しい保留となった入賞に基づく始動入賞時サブ先読み処理では予告待機フラグ2Aがオンに設定され、図23(a)に示す状態では後続の入賞を待つ状態にある。この最も新しい保留となった入賞に基づく始動情報が第一の始動情報の一例に相当する。
図23(b)では、特図2の図柄変動表示が終了し、装飾図柄表示装置208には、ハズレの装飾図柄の組合せ(「装飾6」−「装飾4」−「装飾4」)が停止表示されている。同図(a)から同図(b)の間には、第2特図始動口232に入賞があり、この入賞に基づく始動入賞時サブ先読み処理では有利系予告報知の実行可否の抽選(図13に示すステップS3093k)が実行され、“殿様+代官”に当選した。この結果、図23(b)に示す装飾図柄表示装置208では、今回の入賞に基づく保留表示は代官のキャラクタ表示による保留表示28bで行われ、不利系予告報知が開始されている。また、その前の入賞に基づく保留表示は殿様のキャラクタ表示による保留表示28aに表示態様が変化し、有利系予告報知が行われている。なお、最も古い保留は、デフォルトの表示態様の保留表示28hのままである。同図(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報が新たな始動情報の一例に相当する。また、この例では、代官のキャラクタ表示による保留表示28bが第四予告報知の一例に相当し、殿様のキャラクタ表示による保留表示28aが第二予告報知の一例に相当する。こうして、図23(a)における最も新しい保留となった入賞に基づく始動情報(第一の始動情報)に基づく当否判定の結果が15R特別大当り(第二特定当否判定結果)になることが事前判定された場合には、図20に示すステップS3093iの判定結果が肯定の判定結果になり、特図の保留記憶部が、図23(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報(新たな始動情報)を記憶したこと(例えば、予告待機フラグがオンになってから始動入賞時サブ先読み処理の実行)に基づいて、その新たな始動情報に基づく当否判定の結果が2Rの大当り(第一特定当否判定結果)になるか否かに関わらず、代官のキャラクタ表示による保留表示28b(第四予告報知)と、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(第二予告報知)との双方が所定確率(ここでは50%)で開始される。
図23(d)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレの装飾図柄の組合せ(「装飾2」−「装飾4」−「装飾1」)が停止表示され、その演出表示領域208dには、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(有利系予告報知)と、代官のキャラクタ表示による保留表示28b(不利系予告報知)が継続して表示されている。
同図(e)では、デフォルトの表示態様の保留表示28hである最も古い保留に基づく図柄変動表示が開始されているが、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(有利系予告報知)と代官のキャラクタ表示による保留表示28b(不利系予告報知)は継続して表示されている。
同図(f)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレの装飾図柄の組合せ(「装飾7」−「装飾2」−「装飾5」)が停止表示され、その演出表示領域208dには、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(有利系予告報知)と、代官のキャラクタ表示による保留表示28b(不利系予告報知)が継続して表示されている。
同図(g)では、殿様のキャラクタによって表示された保留表示28aの保留に基づく図柄変動表示が開始されているが、代官のキャラクタ表示による保留表示28b(不利系予告報知)は継続して表示されている。この図柄変動表示では、停止図柄を表示する前に通常予告が行われ、装飾図柄表示装置208には、変動表示中の図柄変動表示で停止表示される図柄が有利な当りの図柄(特図A)であるか否かを予告する報知が行われる。図23(h)では、有利な当り図柄であることを表す報知が行われている。すなわち、有利系予告報知(保留表示28a)で用いられたキャラクタと同一のキャラクタになる殿様が登場し、「大当り」という文字表示を含む報知が行われている。ここでの通常予告は、代官のキャラクタ表示による保留表示28bが真の予告報知であるか偽の予告報知であるかを示唆する演出と見ることもでき、同図(h)では、偽の予告報知であることを示唆する演出が行われている。
同図(i)では、図柄変動表示が終了し、装飾図柄表示装置208には、特図Aに対応した装飾図柄の組合せ(「装飾7」−「装飾7」−「装飾7」)が停止表示されている。この同図(g)に示す装飾図柄表示装置208では、これまで代官のキャラクタの表示だった保留表示28b(第四予告報知)が、デフォルトの表示態様の保留表示28hに変化している。第1副制御部400は、装飾図柄表示装置208に、特図Aに対応した装飾図柄の組合せを停止表示させることを指示するとともに、保留表示の態様を利用した予告報知(ここでは第四予告報知)を終了することも指示する。すなわち、有利な当り図柄の停止表示に基づいて、保留表示の態様が、不利系予告報知の態様からデフォルトの表示態様に変化し、不利系予告報知が終了する。
以上説明した図23に示す例でも、複数の図柄変動表示にまたがって、第一特定当否判定結果又は第二特定当否判定結果の導出を演出できるため、遊技の興趣が向上する。また、予告報知の結果、有利な当りが生起してしまう場合においても、有利系予告報知を事前判定以降の新たな始動情報の取得を待って行うことで、不利系予告報知の出現時に当該予告報知の後にも始動情報が残っている状態となる。つまり、有利な当りとなる場合でも遊技者の見た目上は、有利系予告報知の行われた時点での事前判定の範囲が有利系予告報知の対象となる当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動表示より後の図柄変動表示まで及んでいることから有利な当りへの期待を持たせつつ、はずれたときの危険性を遊技者に付与することが可能になる。さらに、不利な当りの可能性のある変動についても予告報知を行うことで、有利な当りの可能性がある図柄変動表示に対する遊技者の期待をさらに高めることができる場合がある。
続いて、第2の変形例について説明する。これまでは、有利系予告報知になる殿様のキャラクタによる保留表示28aのみは行われず、殿様のキャラクタによる保留表示28aは、代官のキャラクタによる保留表示28aとセットで表示されていたが、この第2の変形例では、代官のキャラクタによる保留表示28aと殿様のキャラクタによる保留表示28aのセットの他に、殿様のキャラクタによる保留表示28aのみも用意されており、殿様のキャラクタによる保留表示28aのみが抽選により選択されて実行された場合には、その保留表示28aがデフォルトの態様に変化せずに保留消化まで残っていたら、有利な大当りが確定する。
図24は、第2の変形例における電サポ中に有利系予告報知が行われ、有利な当りに当選した場合の例を示す図である。
図24(a)では特図2の保留が2つ貯まっており、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dには、2つの保留表示が、デフォルトの表示態様(ここでは○の図形表示)の保留表示28hとして示されている。これれ2つの保留とも事前判定した結果はハズレ図柄である。同図(a)から同図(b)の間には、第2特図始動口232に入賞があり、この入賞に基づく始動情報を先読みして事前判定した結果は特図A(15R特別大当り図柄)であった。そのため、同図(b)に示す装飾図柄表示装置208では、この入賞に基づく保留表示を殿様のキャラクタによる保留表示28aで示し、有利系予告報知が行われている。
同図(c)では、デフォルトの表示態様の保留表示28hである最も古い保留に基づく図柄変動表示が開始されているが、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(有利系予告報知)は継続して表示されている。
同図(d)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレの装飾図柄の組合せ(「装飾2」−「装飾4」−「装飾1」)が停止表示され、その演出表示領域208dには、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(有利系予告報知)が継続して表示されている。
同図(e)では、デフォルトの表示態様であった保留表示28hの保留に基づく図柄変動表示が開始されているが、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(有利系予告報知)はここでも継続して表示されている。
同図(f)に示す装飾図柄表示装置208には、ハズレの装飾図柄の組合せ(「装飾7」−「装飾2」−「装飾5」)が停止表示され、その演出表示領域208dには、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a(有利系予告報知)が依然として継続して表示されている。
同図(g)では、殿様のキャラクタによって表示された保留表示28aの保留に基づく図柄変動表示が開始されている。この図柄変動表示では、停止図柄を表示する前に通常予告が行われ、装飾図柄表示装置208には、変動表示中の図柄変動表示で停止表示される図柄が有利な当りの図柄(特図A)であるか否かを予告する報知が行われる。図24(h)では、有利な当り図柄であることを表す通常予告の画面(殿様が「大当り」を告げる画面)が表示され、同図(j)に示す装飾図柄表示装置208には、特図Aの装飾図柄の組合せ(「装飾7」−「装飾7」−「装飾7」)が停止表示されている。
図24に示す例では、事前判定で当り判定となった図柄変動表示に対して予告報知が行われており、予告報知の対象となる図柄変動表示まで不利な当りを引いてほしくない、あるいは予告報知の対象となる図柄変動表示に到達する前に有利な当りを引いてほしいという気持ちが遊技者に生じ、遊技の興趣が向上する場合がある。
なお、これまでに説明した例では、電サポ中であったため、予告報知を特図2のみで行う例であったが、非電サポ中には、特図1を対象に予告報知が行われる。非電サポ中に行われる予告報知であっても、予告報知が出現した時点でいずれかの当りが確定するため遊技者の期待を高めることが可能である。ただし、遊技者は、非電サポ中には大当りを期待するが、確変中には確変継続となる大当りを期待する。このように、その時の遊技状態の違いにより遊技者の期待することが変化する。
また、予告報知を遊技状態の切り替わり部分を跨いで行ってもよい。例えば、電サポ中(時短中)の始動情報に対して不利系予告報知を行い、時短終了後の非電サポ中(通常時)には有利系予告報知を行うようになっていてもよい。すなわち、有利な当りと不利な当りとでの現象に矛盾がなければ遊技状態は問わない。
実施形態では隣り合う保留記憶で不利系予告報知と有利系予告報知を行ったが、これに限られるものではない。例えば保留1と保留3のように互いに離れていてもよい。このようにするには、予告待機フラグをオンにした後(図13に示すステップS3091j,図20に示すステップSS3093j)、何変動後に予告報知を行うかを抽選等で決定すればよい。そして、予告報知に関わる図柄変動表示が到来した時点で不利な当りの図柄変動表示が保留されている場合に実現することができる。また、有利な当り時には、入賞時の保留記憶数に基づいて行うようにすれば実現することができる。この場合、保留数は3以上あればよい。
不利系予告報知及び有利系予告報知それぞれについて単数の例を示したが、複数の予告報知を行うようにしてもよい。複数の不利系予告報知を乗り越えて有利な当りに到達した場合は遊技者の達成感がさらに高められる。また、予告報知の表示数に応じて有利な当りへの期待度を変化させる構成を組み合わせるとより効果的である。
また、不利な当りには、小当りを含めてもよい。さらに、特図1の事前判定において有利な当りに特図Bを含めてもよい。特図Bであれば、遊技球の獲得球は特図E〜Hよりも多いからである。
第一特定当否判定結果と第二特定当否判定結果は、第二特定当否判定結果が有利となっていれば、その関係はいかなるものであっても採用しうる。例えば、確変や電サポの有無、STや電サポの回数、ラウンド振り分け、これらの組み合わせ等により有利度に差があればよい。
また、転落抽選を有するゲーム性にも適用可能である。具体的には、有利な当りについては図18や図19に示す例と同じである。ただし、転落の有無に関係なく、非確変状態でも有利な当りが事前判定の結果存在すれば有利系予告報知を行い、不利となる場合には転落抽選により確変状態から非確変状態へと転落した後に不利系予告報知を行えばよい。この場合、不利系予告報知の図柄変動では非確変状態に転落したことを報知する結果になる。
本実施形態では不利系予告報知が行われた時点でいずれかの当りが確定しているが、不利系予告報知後であっても当たらない場合、すなわちはずれる場合を含めてもよい。こうすることで大当り確定ではなく、出現率の向上に貢献することが可能な場合がある。
本実施形態では、事前判定によりいずれかの当りが判定された場合は、その変動が終了するまで、前記判定以降の当否判定に基づく予告報知を行っていないが、大当りが連続する場合も考えられ、このような場合にはすべての大当りの事前判定結果とその順序に基づき、矛盾しないように予告報知を行うようにしてもよい。
また、有利な当りとなる事前判定結果に基づいて不利系予告報知を行うパターンを含んでいてもよい。例えば、不利な予告報知時に有利な当りとなることで、当該変動を乗り越えなくても有利な当りが行われるという意外性を持たせ遊技の幅を広げることができる場合がある。
以上の説明では、『遊技球が始動領域に進入したことに基づいて生成した始動情報(例えば、特図当選乱数値、大当り用特図乱数値、小当り用特図乱数値、ハズレ用特図乱数値、および特図変動時間決定用乱数値)を所定の上限数(例えば、4つ)まで記憶可能な始動情報記憶手段(例えば、主制御部300のRAM308)と、前記始動情報記憶手段から始動情報を取得する始動情報取得手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、前記始動情報取得手段が取得した始動情報に基づいて当否判定を行い当否判定結果を導出する当否判定手段(例えば、特図関連抽選処理(ステップS229,S231を実行する主制御部300のCPU304)と、前記当否判定の結果が特定当否判定結果(例えば、当りの当否判定結果)であることに基づいて、遊技者に対して有利な特別遊技状態(例えば、当り遊技状態)に制御状態を移行させる制御状態移行手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、前記始動情報記憶手段に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行われるよりも前に、該当否判定手段が前記特定当否判定結果を導出するか否かを該所定の始動情報を用いて事前判定する事前判定手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、前記当否判定の結果が前記特定当否判定結果になることを予告するための予告報知を前記当否判定手段が当否判定を行うよりも前に所定確率で開始する予告報知手段(例えば、装飾図柄表示装置208)と、を備えた遊技台であって、前記制御状態移行手段は、前記当否判定の結果が前記特定当否判定結果のうちの第一特定当否判定結果(例えば、2Rの大当り、あるいは電サポが付かない2R大当りや小当りの結果)であることに基づいて、遊技者に対する有利度が第一の有利度の特別遊技状態(例えば、2R大当り遊技状態)に制御状態を移行させ、該当否判定の結果が該特定当否判定結果のうちの第二特定当否判定結果(例えば、15R特別大当りの結果)であることに基づいて、遊技者に対する有利度が該第一の有利度よりも有利な第二の有利度の特別遊技状態(例えば、15R大当り遊技状態)に制御状態を移行させるものであり、前記予告報知手段は、前記始動情報記憶手段が第二の始動情報(例えば、図19(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報)を記憶する前に記憶した第一の始動情報(例えば、図19(a)における新しい方の保留となった入賞に基づく始動情報)の前記当否判定が行われる前に前記事前判定手段が該第二の始動情報に基づく該当否判定の結果が前記第二特定当否判定結果(例えば、15R特別大当り)になることを事前判定したことに基づいて、該第一の始動情報に基づく該当否判定の結果が前記第一特定当否判定結果(例えば、2Rの大当り)になることを予告するための第一予告報知(例えば、代官のキャラクタ表示による保留表示28b)を所定確率(例えば、50%の確率)で開始するものであることを特徴とする遊技台。』についての説明がなされている。
前記第一予告報知は、前記第一の始動情報に基づく前記当否判定の結果が前記第一特定当否判定結果になるか否かに関わらず行われる予告報知であってもよく、該第一予告報知には、いわゆる偽の予告報知も含まれる。
またこれまでの説明においては、『前記予告報知手段(例えば、装飾図柄表示装置208)は、前記事前判定手段が第一の始動情報(例えば、図18(a)における新しい方の保留となった入賞に基づく始動情報)に基づく前記当否判定の結果が前記第一特定当否判定結果(例えば、2Rの大当り)になることを事前判定した(例えば、図13に示すステップS3091iの判定結果が肯定の判定結果になった)後に前記始動情報記憶手段が新たな始動情報(例えば、図18(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報)を記憶したこと(例えば、予告待機フラグがオンになってから始動入賞時サブ先読み処理の実行)に基づいて、該新たな始動情報に基づく前記当否判定の結果が前記第二特定当否判定結果(例えば、15R特別大当り)になるか否かに関わらず、前記第一予告報知(例えば、代官のキャラクタ表示による保留表示28b)を所定確率(例えば、20%の確率)で開始するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
ここにいう新たな始動情報とは、前記第二の始動情報になる場合もあるがそうでない場合もある。
また、ここにいう新たな始動情報に基づく前記当否判定の結果が前記第二特定当否判定結果になるか否かに関わらずとは、該新たな始動情報に基づく前記当否判定の結果が前記第二特定当否判定結果になるか否かを事前判定して当該事前判定結果に関わらずという意味であってもよいし、当該事前判定自体を行わないという意味であってもよい。
またこれまでの説明においては、『前記予告報知手段は、前記第一の始動情報(例えば、図19(a)における新しい方の保留となった入賞に基づく始動情報)に基づく前記当否判定が行われる前に前記事前判定手段が前記第二の始動情報(例えば、図19(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報)に基づく該当否判定の結果が前記第二特定当否判定結果(例えば、15R特別大当り)になることを事前判定したこと(例えば、図13に示すステップS3091dの判定結果が肯定の判定結果になった)に基づいて、該第二の始動情報に基づく該当否判定の結果が前記第二特定当否判定結果になることを予告するための第二予告報知(例えば、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a)を所定確率(例えば、50%の確率)で開始するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
またこれまでの説明においては、『前記予告報知手段は、前記新たな始動情報(例えば、図18(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報)に基づく前記当否判定の結果が前記第二特定当否判定結果(例えば、15R特別大当り)になるか否かに関わらず、該新たな始動情報に基づく該当否判定の結果が前記第二特定当否判定結果になることを予告するための第三予告報知(例えば、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a)を所定確率で開始するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
ここで、前記第二予告報知の報知態様と前記第三予告報知の報知態様は同一であってもよい。
また、前記第三予告報知には、いわゆる偽の予告報知も含まれる。
またこれまでの説明においては、『前記予告報知手段は、前記第三予告報知(例えば、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a)を開始した後に前記当否判定手段が前記第一の始動情報(例えば、図18(a)における新しい方の保留となった入賞に基づく始動情報)に基づく前記当否判定において前記第一特定当否判定結果(例えば、2Rの大当り)を導出したことに基づいて、当該第三予告報知を終了させるものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
ここで、図柄を変動表示させた後に前記当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄表示手段を備えた態様では、前記予告報知手段は、前記第三予告報知を開始した後に、前記図柄表示手段が前記第一の始動情報に基づく前記当否判定の結果として前記第一特定当否判定結果に対応した図柄を停止表示したことに基づいて、当該第三予告報知を終了させるものであってもよい。
またこれまでの説明においては、『遊技球が始動領域に進入したことに基づいて生成した始動情報(例えば、特図当選乱数値、大当り用特図乱数値、小当り用特図乱数値、ハズレ用特図乱数値、および特図変動時間決定用乱数値)を所定の上限数(例えば、4つ)まで記憶可能な始動情報記憶手段(例えば、主制御部300のRAM308)と、前記始動情報記憶手段から始動情報を取得する始動情報取得手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、前記始動情報取得手段が取得した始動情報に基づいて当否判定を行い当否判定結果を導出する当否判定手段(例えば、特図関連抽選処理(ステップS229,S231を実行する主制御部300のCPU304)と、前記当否判定の結果が特定当否判定結果(例えば、当りの当否判定結果)であることに基づいて、遊技者に対して有利な特別遊技状態(例えば、当り遊技状態)に制御状態を移行させる制御状態移行手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、前記始動情報記憶手段に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行われるよりも前に、該当否判定手段が前記特定当否判定結果を導出するか否かを該所定の始動情報を用いて事前判定する事前判定手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、前記当否判定の結果が前記特定当否判定結果になることを予告するための予告報知を前記当否判定手段が当否判定を行うよりも前に所定確率で開始する予告報知手段(例えば、装飾図柄表示装置208)と、を備えた遊技台であって、前記制御状態移行手段は、前記当否判定の結果が前記特定当否判定結果のうちの第一特定当否判定結果(例えば、2Rの大当り、あるいは電サポが付かない2R大当りや小当りの結果)であることに基づいて、遊技者に対する有利度が第一の有利度の特別遊技状態(例えば、2R大当り遊技状態)に制御状態を移行させ、該当否判定の結果が該特定当否判定結果のうちの第二特定当否判定結果(例えば、15R特別大当りの結果)であることに基づいて、遊技者に対する有利度が該第一の有利度よりも有利な第二の有利度の特別遊技状態(例えば、15R大当り遊技状態)に制御状態を移行させるものであり、前記予告報知手段は、前記始動情報記憶手段が第二の始動情報(例えば、図22(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報)を記憶する前に記憶した第一の始動情報(例えば、図22(a)における新しい方の保留となった入賞に基づく始動情報)の前記当否判定が行われる前に前記事前判定手段が該第二の始動情報に基づく該当否判定の結果が前記第一特定当否判定結果(例えば、2Rの大当り)になることを事前判定したことに基づいて、該第一の始動情報に基づく該当否判定の結果が前記第二特定当否判定結果(例えば、15R特別大当り)になることを予告するための第二予告報知(例えば、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a)を所定確率(例えば、20%の確率)で開始するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
ここで、前記第二予告報知は、前記第一の始動情報に基づく前記当否判定の結果が前記第二特定当否判定結果になるか否かに関わらず行われる予告報知であってもよく、該第二予告報知には、いわゆる偽の予告報知も含まれる。
またこれまでの説明においては、『前記予告報知手段(例えば、装飾図柄表示装置208)は、前記事前判定手段が第一の始動情報(例えば、図23(a)における最も新しい保留となった入賞に基づく始動情報)に基づく前記当否判定の結果が前記第二特定当否判定結果(例えば、15R特別大当り)になることを事前判定した(例えば、図20に示すステップS3093iの判定結果が肯定の判定結果になった)後に前記始動情報記憶手段が新たな始動情報(例えば、図23(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報)を記憶したこと(例えば、予告待機フラグがオンになってから始動入賞時サブ先読み処理の実行)に基づいて、該新たな始動情報に基づく前記当否判定の結果が前記第一特定当否判定結果(例えば、2Rの大当り)になるか否かに関わらず、前記第二予告報知(例えば、吉宗のキャラクタ表示による保留表示28a)を所定確率(例えば、50%の確率)で開始するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
ここにいう新たな始動情報とは、前記第二の始動情報になる場合もあるがそうでない場合もある。
また、ここにいう新たな始動情報に基づく前記当否判定の結果が前記第一特定当否判定結果になるか否かに関わらずとは、該新たな始動情報に基づく前記当否判定の結果が前記第一特定当否判定結果になるか否かを事前判定して当該事前判定結果に関わらずという意味であってもよいし、当該事前判定自体を行わないという意味であってもよい。
またこれまでの説明においては、『前記予告報知手段は、前記第一の始動情報(例えば、図22(a)における新しい方の保留となった入賞に基づく始動情報)に基づく前記当否判定が行われる前に前記事前判定手段が前記第二の始動情報(例えば、図22(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報)に基づく該当否判定の結果が前記第一特定当否判定結果(例えば、2Rの大当り)になることを事前判定したこと(例えば、図20に示すステップS3093dの判定結果が肯定の判定結果になった)に基づいて、該第二の始動情報に基づく該当否判定の結果が前記第一特定当否判定結果になることを予告するための第一予告報知(例えば、代官のキャラクタ表示による保留表示28b)を所定確率(例えば、20%の確率)で開始するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
またこれまでの説明においては、『前記予告報知手段は、前記新たな始動情報(例えば、図23(a)から同図(b)の間の入賞に基づく始動情報)に基づく前記当否判定の結果が前記第一特定当否判定結果(例えば、2Rの大当り)になるか否かに関わらず、該新たな始動情報に基づく該当否判定の結果が前記第一特定当否判定結果になることを予告するための第四予告報知(例えば、代官のキャラクタ表示による保留表示28b)を所定確率(例えば、50%の確率)で開始するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
ここで、前記第一予告報知の報知態様と前記第四予告報知の報知態様は同一であってもよい。
また、前記第四予告報知には、いわゆる偽の予告報知も含まれる。
またこれまでの説明においては、『前記予告報知手段は、前記第四予告報知(例えば、代官のキャラクタ表示による保留表示28b)を開始した後に前記当否判定手段が前記第一の始動情報(例えば、図23(a)における最も新しい保留となった入賞に基づく始動情報)に基づく前記当否判定において前記第二特定当否判定結果(例えば、15R特別大当り)を導出したことに基づいて、当該第四予告報知を終了させるものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
ここで、図柄を変動表示させた後に前記当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄表示手段を備えた態様では、前記予告報知手段は、前記第四予告報知を開始した後に、前記図柄表示手段が前記第一の始動情報に基づく前記当否判定の結果として前記第二特定当否判定結果に対応した図柄を停止表示したことに基づいて、当該第四予告報知を終了させるものであってもよい。
またこれまでの説明においては、『前記制御状態移行手段(例えば、主制御部300のCPU304)は、前記当否判定手段が前記特定当否判定結果(例えば、当りの当否判定結果)を導出した後に、前記特別遊技状態への移行として、所定の入賞手段(例えば、可変入賞口234)が開閉動作を行うことで遊技球を獲得可能な大当り遊技状態へ移行させてから、さらに該大当り遊技状態終了後に所定遊技状態(例えば、確変状態や電サポ状態)へ移行させるものであり、前記第一の有利度と前記第二の有利度とでは、獲得可能な遊技球の数及び前記当否判定手段が前記特定当否判定結果を導出する確率のいずれか一方に差を設けていることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
なお、電サポ回数で有利度に差を設けてもよい。例えば、前記第一の有利度では、大当り遊技終了後、図柄変動表示が所定回(例えば100回)行われるまで電サポ状態が維持され、所定回を超えると非電サポ状態へ移行するのに対して、前記第二の有利度では、次回大当りまで電サポ状態が維持されるようにしてもよい。
ここで、前記入賞手段は、前記当否判定手段が前記特定当否決定結果を導出した場合に、遊技球が進入困難な第1の可変状態から遊技球が進入容易な第2の可変状態に入り口の大きさを変化させる可変入賞装置であってもよい。言い換えれば、前記当否判定の結果を報知を報知する当否判定結果報知手段を備え、前記入賞手段が、前記当否判定結果報知手段が前記特定当否判定結果を報知した後に開放するものであってもよい。この態様によれば、前記可変入賞装置は、遊技球の入賞が困難な第一状態と遊技球の入賞が該第一状態よりも容易となる第二状態とに状態変化可能なものであり、前記制御状態移行手段は、前記当否判定の結果が前記特定当否判定結果である場合には、前記可変入賞装置が前記第一状態を維持する第一の制御状態から該可変入賞装置が前記第一状態と前記第二状態との間で状態変化を繰り返す第二の制御状態に制御状態を移行させる遊技状態移行手段(大当り遊技移行手段)を備えたものであってもよい。
また、前記制御状態移行手段は、遊技球が所定の始動領域に進入し難い進入困難制御状態(例えば、非電サポ状態)と、該進入困難制御状態よりも遊技球が該所定の始動領域に進入し易い進入容易制御状態(例えば、電サポ状態)との間で制御状態を前記当否判定結果に基づいて移行させる進入状態移行制御手段(電サポ状態移行手段)を備えた態様であってもよい。前記進入困難制御状態(例えば、非電サポ状態)と、前記進入容易制御状態(例えば、電サポ状態)は、前記所定遊技状態における制御状態の一つに相当する。さらに、前記所定遊技状態が、前記進入容易制御状態であった場合には、前記第一の有利度と前記第二の有利度とでは、前記進入容易制御状態を維持する遊技回数に差を設けてもよい。
また、確率非変動状態(例えば、非確変状態)と、該確率非変動状態よりも前記当否判定手段による前記特定当否判定結果の導出確率が高められた確率変動状態(例えば、確変状態)との間で制御状態を前記当否判定結果に基づいて移行させる確変状態移行制御手段を備えた態様であってもよい。前記確率非変動状態(例えば、非確変状態)と、前記確率変動状態(例えば、確変状態)も、前記所定遊技状態における制御状態の一つに相当する。
またこれまでの説明においては、『遊技球が始動領域に進入したことに基づいて生成した始動情報(例えば、特図当選乱数値、大当り用特図乱数値、小当り用特図乱数値、ハズレ用特図乱数値、および特図変動時間決定用乱数値)を所定の上限数(例えば、4つ)まで記憶可能な始動情報記憶手段(例えば、主制御部300のRAM308)と、前記始動情報記憶手段から始動情報を取得する始動情報取得手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、前記始動情報取得手段が取得した始動情報に基づいて当否判定を行い当否判定結果を導出する当否判定手段(例えば、特図関連抽選処理(ステップS229,S231を実行する主制御部300のCPU304)と、前記当否判定の結果が特定当否判定結果(例えば、当りの当否判定結果)であることに基づいて、遊技者に対して有利な特別遊技状態に制御状態を移行させる制御状態移行手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、図柄を変動表示させた後に前記当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動表示を実行する図柄表示手段(例えば、特図表示装置212,214)と、前記始動情報記憶手段に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行われるよりも前に、該当否判定手段が前記特定当否判定結果を導出するか否かを該所定の始動情報を用いて事前判定する事前判定手段(例えば、主制御部300のCPU304)と、前記当否判定の結果が前記特定当否判定結果になることを予告するための予告報知を前記当否判定手段が当否判定を行うよりも前に所定確率で開始する予告報知手段(例えば、装飾図柄表示装置208)と、を備えた遊技台であって、前記制御状態移行手段は、前記当否判定の結果が前記特定当否判定結果のうちの第一特定当否判定結果(例えば、2Rの大当り、あるいは電サポが付かない2R大当りや小当りの結果)であることに基づいて、遊技者に対する有利度が第一の有利度の特別遊技状態(例えば、2R大当り遊技状態)に制御状態を移行させ、該当否判定の結果が該特定当否判定結果のうちの第二特定当否判定結果(例えば、15R特別大当りの結果)であることに基づいて、遊技者に対する有利度が該第一の有利度よりも有利な第二の有利度の特別遊技状態(例えば、15R大当り遊技状態)に制御状態を移行させるものであり、前記予告報知手段は、前記事前判定手段の事前判定結果に前記第二特定当否判定結果(例えば、15R特別大当り)が導出されることが含まれる場合には、当該第二特定当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する前記図柄変動表示よりも前に行われる第一図柄変動表示において前記第一特定当否判定結果に対応した第一図柄態様が停止表示されることを遊技者に報知する第一予告報知(例えば、代官のキャラクタ表示による保留表示28b)を、該第一図柄変動表示が開始される前に所定の確率で開始し、該事前判定手段の事前判定結果に前記第一特定当否判定結果(例えば、2Rの大当り)が導出されることが含まれる場合には、当該第一特定当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する前記図柄変動表示よりも前に行われる第二図柄変動表示において前記第二特定当否判定結果に対応した図柄態様が停止表示されることを遊技者に報知する第二予告報知(例えば、殿様のキャラクタ表示による保留表示28a)を、該第二図柄変動表示が開始される前に所定の確率で開始するものであることを特徴とする遊技台。』についても説明がなされている。
ここで、上記第一予告報知は、前記第一図柄態様が停止表示されることを遊技者に期待させる報知であってもよく、この第一予告報知には、いわゆる偽の予告報知が含まれる。
また、上記第二予告報知は、前記第二図柄態様が停止表示されることを遊技者に期待させる報知であってもよく、この第二予告報知にも、いわゆる偽の予告報知が含まれる。
以上記載した各所定の確率は、異なる確率であってもよいし、同じ確率であってもよい。
また、前記予告報知手段は、前記第二特定当否判定結果が導出されることを前記事前判定の結果に基づいて認識した場合には、当該第二特定当否判定結果を導出する前記図柄変動表示よりも前に行われる第一図柄変動表示において前記第一特定当否判定結果に対応した図柄態様が停止表示されることを遊技者に期待させる事前報知を該第一図柄変動表示が開始される前に所定確率で開始し、前記第一特定当否判定結果が導出されることを前記事前判定の結果に基づいて認識した場合には、当該第一特定当否判定結果を導出する前記図柄変動表示よりも前に行われる第二図柄変動表示において前記第二特定当否判定結果に対応した図柄態様が停止表示されることを遊技者に期待させる事前報知を該第二図柄変動表示が開始される前に所定確率で開始するものであってもよい。
また、これまで述べたいずれの事前判定手段も、遊技球が前記始動領域に進入したタイミングに基づいて、当該遊技球が該始動領域に進入したことによって前記始動情報記憶手段に記憶された始動情報を用いて事前判定するものであってもよい。また、これまで述べたいずれの事前判定手段も、前記始動情報記憶手段に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行われるよりも前に、該当否判定手段が前記第一特定当否判定結果を導出するか否かを前記始動情報先読手段によって先読みされた該所定の始動情報を用いて事前判定するものであってもよいし、該当否判定手段が前記第二特定当否判定結果を導出するか否かを前記始動情報先読手段によって先読みされた該所定の始動情報を用いて事前判定するものであってもよい。
また、これまで述べたいずれの予告報知手段も、前記予告報知を開始すると、継続して該予告報知を行うものであってもよいいし、所定のタイミングで断続的に該予告報知を行うものであってもよい。
さらに、これまでに述べたいずれの“遊技者に期待させる事前報知”も、前記当否判定の結果が前記特定当否判定結果になるか否かに関わらず、該当否判定の結果が該特定当否判定結果になるかのように報知するものであり、その態様は前記予告報知の態様と同じであってもよい。例えば、前記当否判定の結果が前記特定当否判定結果にならない事前判定結果であった場合にも該特定当否判定結果になるかのように偽りで予告する偽の予告報知であってもよい。また、前記当否判定の結果が前記特定当否判定結果になるか否かを事前判定せずに、該特定当否判定結果になるかのように報知するものであってもよい。また、これまで述べたいずれの予告報知手段も、前記事前報知を開始すると、継続して該事前報知を行うものであってもよいいし、所定のタイミングで断続的に該事前報知を行うものであってもよい。
また、前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報ごとに所定表示態様で始動保留表示(例えば、保留表示220h,218h)を行い、該始動情報記憶手段に記憶されている始動情報の数を該始動保留表示の数によって表す始動保留数報知手段(例えば、第1副制御部400と第2副制御部500と装飾図柄表示装置208を併せたもの)を備え、前記予告報知手段は、前記始動保留表示を、前記所定表示態様とは異なる第一特別表示態様(例えば、代官のキャラクタによる表示態様)で表示させることで前記第一予告報知を行い、該所定表示態様とも該第二特別表示態様とも異なる第二特別表示態様(例えば、殿様のキャラクタによる表示態様)で表示させることで前記第二予告報知を行うものであってもよい。
また、これまで説明した第一予告報知と第二予告報知は各々異なる報知態様であってもよい。
さらに、前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報の数を報知可能な始動記憶数報知手段を備え、前記始動記憶数報知手段は、1の前記始動情報に対して1の保留表示を行うことで前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報の数を報知可能に構成されており、前記予告報知手段は、前記始動情報に対する保留表示の表示内容を変化させることで前記第一予告報知や第二予告報知を行うものであってもよい。
また、前記予告報知手段は、前記始動情報記憶手段に記憶されている前記始動情報の数が複数あることに基づいて前記第一予告報知や第二予告報知を実行可能に構成したものであってもよい。
さらに、前記予告報知手段は、不利な保留を越えた時点で有利な大当りを告知するものであってもよい。すなわち、保留をまたぐことが可能な一発告知を行うものであってもよい。
以下、これまで説明したことも含めて付記する。
(付記1)
遊技球が始動領域に進入した場合に、始動情報を導出する始動情報導出手段と、
前記導出した始動情報を所定の上限数まで記憶可能な始動情報記憶手段と、
前記始動情報記憶手段から始動情報を取得する始動情報取得手段と、
前記取得した始動情報に基づいて当否判定を行なう当否判定手段と、
前記当否判定の結果が特定の当否判定結果である場合に、遊技者に対して有利な特別遊技状態に制御状態を移行させる制御状態移行手段と、
前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に、前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を先読みする始動情報先読手段と、
前記始動情報記憶手段に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行なわれるよりも前に、前記始動情報先読手段によって先読みされた該所定の始動情報に基づいて該当否判定手段が前記特定の当否判定結果を導出するかどうかを事前判定する事前判定手段と、
前記当否判定手段が前記特定の当否判定結果を導出するかどうかを事前予告するための事前予告報知を、前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に行なう事前予告手段と、
を備えた遊技台であって、
前記特定の当否判定結果は、前記特別遊技状態が遊技者にとって第一の有利度となる特定の第一当否判定結果と、前記特別遊技状態が前記第一の有利度よりも有利な第二の有利度となる特定の第二当否判定結果とを備え、
前記事前予告手段は、前記事前判定手段が前記特定の第二当否判定結果を導出することを事前判定した場合に、当該事前判定よりも前に事前判定を行った前記始動情報に対して前記特定の第一当否判定結果を導出するかどうかを事前予告する第一事前予告報知を実行可能にしたことを特徴とする遊技台。
(付記2)
付記1に記載の遊技台であって、
前記事前予告手段は、前記事前判定手段が前記特定の第一当否判定結果を導出することを事前判定した後であって、前記始動情報導出手段が新たな始動情報を導出したことを契機に前記事前判定に対応する前記始動情報に対して前記第一事前予告報知を実行可能に構成したことを特徴とする遊技台。
(付記3)
付記1又は2に記載の遊技台であって、
前記事前予告手段は、前記事前判定手段が前記特定の第二当否判定結果を導出することを事前判定した場合に、当該始動情報に対して前記特定の第二当否判定結果を導出するかどうかを事前予告する第二事前予告報知を実行可能にしたことを特徴とする遊技台。
(付記4)
付記3に記載の遊技台であって、
前記事前予告手段は前記新たな始動情報に対して、前記第二事前予告報知を実行可能にしたことを特徴とする遊技台。
(付記5)
遊技球が始動領域に進入した場合に、始動情報を導出する始動情報導出手段と、
前記導出した始動情報を所定の上限数まで記憶可能な始動情報記憶手段と、
前記始動情報記憶手段から始動情報を取得する始動情報取得手段と、
前記取得した始動情報に基づいて当否判定を行なう当否判定手段と、
前記当否判定の結果が特定の当否判定結果である場合に、遊技者に対して有利な特別遊技状態に制御状態を移行させる制御状態移行手段と、
前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に、前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を先読みする始動情報先読手段と、
前記始動情報記憶手段に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行なわれるよりも前に、前記始動情報先読手段によって先読みされた該所定の始動情報に基づいて該当否判定手段が前記特定の当否判定結果を導出するかどうかを事前判定する事前判定手段と、
前記当否判定手段が前記特定の当否判定結果を導出するかどうかを事前予告するための事前予告報知を、前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に行なう事前予告手段と、
を備えた遊技台であって、
前記特定の当否判定結果は、前記特別遊技状態が遊技者にとって第一の有利度となる特定の第一当否判定結果と、前記特別遊技状態が前記第一の有利度よりも有利な第二の有利度となる特定の第二当否判定結果とを備え、
前記事前予告手段は、前記事前判定手段が前記特定の第一当否判定結果を導出することを事前判定した場合に、当該事前判定よりも前に事前判定を行った前記始動情報に対して前記特定の第二当否判定結果を導出するかどうかを事前予告する第二事前予告報知を実行可能にしたことを特徴とする遊技台。
(付記6)
付記5に記載の遊技台であって、
前記事前予告手段は、前記事前判定手段が前記特定の第二当否判定結果を導出することを事前判定した後であって、前記始動情報導出手段が新たな始動情報を導出したことを契機に前記事前判定に対応する前記始動情報に対して前記第二事前予告報知を実行可能に構成したことを特徴とする遊技台。
(付記7)
付記5又は6に記載の遊技台であって、
前記事前予告手段は、前記事前判定手段が前記特定の第一当否判定結果を導出することを事前判定した場合に、当該始動情報に対して前記特定の第一当否判定結果を導出するかどうかを事前予告する第一事前予告報知を実行可能にしたことを特徴とする遊技台。
(付記8)
付記7に記載の遊技台であって、
前記事前予告手段は前記新たな始動情報に対して、前記第一事前予告報知を実行可能にしたことを特徴とする遊技台。
(付記9)
付記1〜8に記載の遊技台であって、
前記特別遊技状態は、前記特定の当否判定結果導出後に所定の入賞手段が開閉動作を行うことで遊技球を獲得可能な大当り遊技状態と、前記大当り遊技状態終了後の遊技状態とで構成され、
前記第一の有利度と前記第二の有利度とでは、前記大当り遊技状態で獲得可能な遊技球の数及び前記大当り遊技状態終了後の遊技状態における前記当否判定手段による前記特定の当否判定結果を導出する確率のいずれか一方に差を設けてなることを特徴とする遊技台。
(付記10)
付記1〜9に記載の遊技台であって、
前記事前予告手段は、前記特定の第一当否判定結果及び第二当否判定結果導出後に前記第一事前予告報知及び第二事前予告報知をクリアすることを特徴とする遊技台。
(付記11)
遊技球が始動領域に進入した場合に、始動情報を導出する始動情報導出手段と、
前記導出した始動情報を所定の上限数まで記憶可能な始動情報記憶手段と、
前記始動情報記憶手段から始動情報を取得する始動情報取得手段と、
前記取得した始動情報に基づいて当否判定を行なう当否判定手段と、
前記当否判定の結果が特定の当否判定結果である場合に、遊技者に対して有利な特別遊技状態に制御状態を移行させる制御状態移行手段と、
図柄を変動表示させた後、前記当否判定の結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を行なう図柄表示手段と、
前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に、前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を先読みする始動情報先読手段と、
前記始動情報記憶手段に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行なわれるよりも前に、前記始動情報先読手段によって先読みされた該所定の始動情報に基づいて該当否判定手段が前記特定の当否判定結果を導出するかどうかを事前判定する事前判定手段と、
前記当否判定手段が前記特定の当否判定結果を導出するかどうかを事前予告するための事前予告報知を、前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に行なう事前予告手段と、
を備えた遊技台であって、
前記特定の当否判定結果は、前記特別遊技状態が遊技者にとって第一の有利度となる特定の第一当否判定結果と、前記特別遊技状態が前記第一の有利度よりも有利な第二の有利度となる特定の第二当否判定結果とを備え、
前記事前予告手段は、前記事前判定手段の判定結果に前記特定の第二当否判定結果を導出することが含まれる場合に、当該特定の第二当否判定結果を導出する前記図柄変動停止表示よりも前に行われる図柄変動停止表示に対して前記特定の第一当否判定結果を導出するかどうかを事前予告する第一事前予告報知、及び、前記事前判定手段の判定結果に前記特定の第一当否判定結果を導出することが含まれる場合に、当該特定の第一当否判定結果を導出する前記図柄変動停止表示よりも前に行われる図柄変動停止表示に対して前記特定の第二当否判定結果を導出するかどうかを事前予告する第二事前予告報知のいずれかを実行可能にしたことを特徴とする遊技台。
なお、以上説明した実施形態や付記の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を他の、実施形態や付記に適用してもよい。