以下、図面を用いて、本発明に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。
[実施形態1]
<全体構成>
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、所定条件が成立すると遊技者が利益を獲得することができる遊技台であって、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面(遊技者側)に備える。
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状から成る木製の枠部材である。
本体104は、外枠102の内部に備えられ、施錠機能付きで且つ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる扉部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。このパチンコ機100を設置した店舗(遊技店)の店員は、この本体104を開閉操作することが可能であり、本体104が開いたことを検出する本体開放センサ1041が設けられている。
前面枠扉106は、施錠機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。遊技店の店員は、この前面枠扉106も開閉操作することが可能であり、前面枠扉106が開いたことを検出する前面枠扉センサ1061も設けられている。なお、この前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、スピーカ120や枠ランプ12
2が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124が設けられる空間を区画形成する。なお、本実施形態では、光源をLEDとするものもランプと称する。
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、施錠機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。この球貯留皿付扉108は、前面枠扉106を開放した状態で操作可能となる開放レバー1081を押すことによって開く。また、球貯留皿付扉108が開いたことを検出する球貯留皿付扉センサ1082も設けられている。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(図2参照)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136に内蔵され、そのチャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、図1に示すパチンコ機100には、下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサ(不図示)が設けられている。
発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆146の先端で打突する発射槌148と、を備える。この発射装置110は、遊技者に球発射ハンドル134が継続的に発射操作されている間は、所定の発射期間(例えば0.6秒)の経過ごとに遊技球を遊技盤の遊技領域124へ向けて発射する。
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。なお、図1では遊技領域124の具体的構成は図示省略してあり、その具体的構成は図3に示す。
図2は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、この球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。この払出装置152は、着脱自在なものであり、所定位置に装着されると、タンクレール154の下流端に接続する。
スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152
の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。すなわち、払出装置152は、遊技球に駆動力を与えてその遊技球を搬送する球送り装置の一種である。
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の前面側に配設した上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、所定の付与条件が成立したことに基づいて遊技者にその付与条件に応じた量の遊技価値(遊技球)をこの構成により付与する(払い出す)。
払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300(図4参照)を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400(図4参照)を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500(図4参照)を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630(図4参照)を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源管理部660(図4参照)を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRAMクリア信号を主制御部300に出力するRAMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインターフェース部186を配設している。
図3は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。この演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普通図柄表示装置210と、第1特別図柄表示装置212と、第2特別図柄表示装置214と、普通図柄保留ランプ216と、第1特別図柄保留ランプ218と、第2特別図柄保留ランプ220と、高確中ランプ222を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」と称する場合があり、特別図柄、第1特別図柄、第2特別図柄のうちの一つまたは複数を「特図」と称する場合がある。
演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置
や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLumineS3ence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置210は、普図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、特図の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。これらの第1特図表示装置212および第2特図表示装置214は、所定の図柄表示手段である。なお、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214に表示される図柄を、演出を高めた形で表す図柄であり、装飾図柄表示装置208も、所定の図柄表示手段としてもよい。
普図保留ランプ216は、保留している所定の第1の変動遊技(詳細は後述する普図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を所定数(例えば、2つ)まで保留することを可能としている。第1特図保留ランプ218および第2特図保留ランプ220は、保留している所定の第2の変動遊技(詳細は後述する特図変動遊技)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を所定数(例えば、4つ、第1特図用と第2特図用を合わせると8つ)まで保留することを可能としている。高確中ランプ222は、現在の図柄制御状態を示す報知を行なうためのランプ(報知手段)である。この高確中ランプ222は、電源が投入されてから大当り遊技の開始まで、現在の図柄制御状態を示す報知を行ない、それ以降は、現在の図柄制御状態を示す報知をしないように構成している。また図柄制御状態では、電源が再投入された場合には、電源が遮断される直前の図柄制御状態に復帰する。ここにいう図柄制御状態としては、通常状態、電サポ状態、および確変状態があげられる。
また、この演出装置206の周囲には、一般入賞口226と、普図始動口228と、第1特図始動口230と、第2特図始動口232と、可変入賞口234を配設している。
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として図1に示す上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の左側に1つ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置210による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。この第1特図始動口230は、遊技球が進入する入り口の大きさが変化しない固定始動
領域であって、本発明にいう第1始動領域の一例に相当する。第1特図始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、図2に示す払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第1特図表示装置212による特図変動遊技を開始する。なお、第1特図始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
第2特図始動口232は、本実施形態では第1特図始動口230の真下に1つだけ配設している。第2特図始動口232の近傍には、ソレノイドによって左右に開閉自在な一対の羽根部材2321が設けられており、一対の羽根部材2321と第2特図始動口232を併せたものが、可変始動手段に相当し、一般には、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれる。一対の羽根部材2321の閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置210が当り図柄を停止表示した場合に一対の羽根部材2321が所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、第2特図始動口232への球の入球が可能になる。すなわち、第2特図始動口232は、入り口の大きさが小サイズと大サイズのうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化する可変始動領域であって、本発明にいう第2始動領域の一例に相当する。この第2特図始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、第2特図表示装置214による特図変動遊技を開始する。なお、第2特図始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
可変入賞口234は、本実施形態では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、可変入賞開口と、ソレノイドによってその可変入賞開口を開閉自在な扉部材2341とを備えている。可変入賞開口は大入賞口と呼ばれることがあり、可変入賞口234はアタッカと呼ばれることがある。扉部材2341は、所定の閉状態およびその閉状態よりも遊技球の、可変入賞開口への進入が容易な開状態のうちのいずれか一方の状態からいずれか他方の状態に状態変更する。閉状態および開状態はともに静止状態であり、閉状態は所定の第1の静止状態であり、本実施形態の可変入賞口234における閉状態は、扉部材2341が遊技盤200の遊技者側の面と一致した静止状態である。一方、開状態は所定の第2の静止状態であり、本実施形態の可変入賞口234における開状態は、扉部材2341が遊技盤200に対して略垂直になるまで遊技者側に回動した静止状態である。可変入賞口234は、後述する大当り遊技が開始されるまでは閉状態を維持し、大当り遊技が開始されると、開状態と閉状態との間で状態変更を繰り返す。なお、閉状態には、完全に閉塞してしる状態の他、遊技球の進入が実質的に不可能な程度に少し開いている状態であってもよい。また、可変入賞口は、遊技球が通過したり入り込んだりすること等によって遊技球の入賞となるものであればよく、図3に示すものに限定されない。特図変動遊技に当選して第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材2341が所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
上皿126に収容されている球は発射レールの発射位置に供給される。このパチンコ機100では、遊技者の球発射ハンドル134の操作量に応じた強度で発射モータを駆動し
、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
<演出装置206>
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。
この演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246(以下、扉と称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。
ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。
ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技釘238などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が第1特図始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
演出可動体224は、本実施形態では人間の右腕の上腕と前腕を模した上腕部224aと前腕部224bとからなり、肩の位置に上腕部224aを回動させる不図示の上腕モータと肘の位置に前腕部224bを回動させる不図示の前腕モータを備える。演出可動体224は、上腕モータと前腕モータによって装飾図柄表示装置208の前方を移動する。
遮蔽装置246は、格子状の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置246は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
<制御部>
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部660と、によって構成している。本実施形態では、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500はそれぞれ別の回路基板からなるものであるが、これら3つの制御部(300,400,500)は、共通の一つの回路基板からなるものであってもよいし、第1副制御部400と第2副制御部500が、主制御部300の回路基板とは別の共通の一つの回路基板からなるものであってもよい。したがって、主制御部300、第1副制御部400および第2副制御部500それぞれを所定の制御手段ととらえることもできるし、これら3つの制御部(300,400,500)を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできるし、第1副制御部400および第2副制御部500を併せた一つのものを所定の制御手段ととらえることもできる。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器316が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器316が出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、本体開放センサ1041、前面枠扉センサ1061、球貯留皿付扉センサ1082、および図1に示す下皿128が遊技球によって満タンになったことを検知する下皿満タン検知センサや、各始動口、入賞口の入り口および可変入賞口の内部に設けた球検出センサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214の表示制御を行うための駆動回路324と、普図表示装置210の表示制御を行うための駆動回路326と、各種状態表示部328(例えば、普図保留ランプ216、第1特図保留ランプ218、第2特図保留ランプ220、高確中ランプ222等)の表示制御を行うための駆動回路330と、第2特図始動口232や可変入賞口234等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
なお、第1特図始動口230に球が入賞したことを、各種センサ320のうちの球検出センサが検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路318に出力する。この信号を受信したカウンタ回路318は、第1特図始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、第1特図始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、カウンタ回路318は、第2特図始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、第2特図始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし
、ラッチした値を、第2特図始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
また、この明細書にいう球検出センサとしては、具体的には、一般入賞口226、第1特図始動口230、第2特図始動口232、可変入賞口234など所定の入賞口に入賞した球を検出するセンサや、普図始動口228を通過する球を検出するセンサがあげられる。
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、制御状態を表す情報等)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、この電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が接続されている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418の制御を行うための駆動回路420と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路422と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、演出可動体センサ424やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、を接続している。
さらに、第1副制御部400には、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208および遮蔽装置246の制御を行うための第2副制御部500が接続されている。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源管理部660について説明する。
払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて図2に示す払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、図1に示す発射杆146および発射槌148を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
電源管理部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給する。主制御部300、第1副制御部400、および発射制御部630は、払出制御部600から所定電圧の供給を受ける。また、電源管理部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源管理部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第1副制御部400と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。
<図柄の種類>
次に、図5(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図5(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。
第1特図始動口230に球が入球したことを球検出センサである第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを球検出センサである第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」(特図変動遊技)を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」(特図変動遊技)を行う。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称することがある。この図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図C」の3種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
「特図A」は大当り図柄1(特別大当り図柄)であり、「特図B」は大当り図柄2(通常大当り図柄)である。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。本実施形態では、次に大当りするまで特図高確率状態が維持される。大当り制御状態は、第1の特別制御状態(本発明にいう第二の制御状態の一例に相当)と称することがある。また、大当り遊技終了後に特図高確率状態になることを特図確変と称することもあり、大当り遊技終了後に大当りに当選する確率が高くなっている状態のことを第2の特別制御状態、あるいは確変状態と称することがある。第1の特別制御状態や第2の特別制御状態は、遊技者の有利度が高くなる制御状態であって特別制御状態の一例に相当する。なお、本明細書では制御状態という遊技台(パチンコ機100)の内部における状態をさす文言を用いて説明するが、この制御状態という文言にはいわゆる遊技状態の概念が含まれる。
また、特別大当り遊技終了後および大当り遊技終了後はいずれも電チューサポート(電サポ)有りの状態(以下、電サポ状態と称する)に移行する。電サポ状態については詳しくは後述するが、電サポ状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、電サポ状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。普図高確率状態は、普図変動遊技に当選する確率が高い(例えば当選確率が99/100)状態であり、普図低確率状態は、その普図変動遊技に当選する確率が低い(例えば当選確率が1/100)状態である。本実施形態では、「特図A」の大当り図柄1(特別大当り図柄)では、次に大当りするまで電サポ状態が維持され、「特図B」の大当り図柄2(通常大当り図柄)では、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態が維持される。大当り図柄1(特別大当り図柄)である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、大当り図柄2(通常大当り図柄)である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。なお、大当り遊技は、15ラウンド大当り遊技であってもよいし、8ラウンド大当り遊技であってもよく、ラウンド数は特に限定されず所定数であればよい。ここにいうラウンドとは、所定量の遊技価値(所定球数)を獲得することができるチャンスの回数をいう。本実施形態では、図3に示す可変入賞口234の作動回数の最大値を表すものであり、15ラウンドとは、可変入賞口234の1または複数回の開閉動作を1回(1回の作動)として、この作動が最大で15回続くことを意味する。各ラウンドは所定のラウンド終了条件(例えば所定球数(一例として10球)の遊技球の進入、所定量の遊技価値(所定球数)の獲得、ラウンド開始から所定時間の経過などのうちのうちの1または複数)が成立することにより終了する。一方、「特図C」はハズレ図柄である。
なお、「特図A」〜「特図C」の他に、短いラウンド数(例えば2R)の大当り図柄をいくつか用意してもよい。例えば、突然確変と称される大当り図柄(特図高確率普図高確率状態)や、突然時短と称される大当り図柄柄(特図低確率普図高確率状態)や、隠れ確変と称される大当り図柄(特図高確率普図低確率状態)や、突然通常と称される大当り図柄(特図低確率普図低確率状態)を用意してもよい。また、小当り図柄(出玉無し当り)を用意してもよい。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機100では、遊技者の有利度が高くなる
大当りと、遊技者の有利度が低くなるハズレとが用意されている。
なお、本実施形態のパチンコ機100には、大当り図柄1(特別大当り図柄)として「特図A」以外の図柄も用意されており、大当り図柄2(通常大当り図柄)やハズレ図柄についても同様である。
図5(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。第1特図始動口230または第2特図始動口232に球が入賞したこと、すなわち、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。すなわち、装飾図柄表示装置208は、第1特別図柄表示装置212および第2特別図柄表示装置214とは別に、装飾図柄を変動表示するものである。そして、「特図A」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ2”(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。また、「特図B」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、同じ偶数の装飾図柄が3つ並んだ“装飾図柄の組合せ1”(例えば「装飾2−装飾2−装飾2」や「装飾4−装飾4−装飾4」等)を停止表示する。さらに、はずれ図柄である「特図C」を報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、“装飾図柄の組合せ1”および“装飾図柄の組合せ2”以外の装飾図柄の組合せ(例えば、ばらけ目)を停止表示する。以下、この「装飾図柄の変動表示」を開始してから装飾図柄の停止図柄態様(例えば、 “装飾図柄の組合せ2”)を停止表示するまでの一連の表示も図柄変動停止表示と称することがある
図5(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、はずれ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口228を球が通過したことを球検出センサであるゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置210は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」(普図変動遊技)を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技のはずれを報知する場合には「普図B」を停止表示する。この図5(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
<主制御部メイン処理>
次に、図6(a)を用いて、図4に示す主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。図6(a)は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
まず、主制御部300のRAM308には、大当り時特図判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、大当り時特図判定用乱数カウンタ、タイマ番号決定用乱数カウンタ、および事前予告カウンタの各カウンタが設けられている。また、そのRAM308には、保留数、大当り判定用乱数値、大当り時特図判定用乱数値、当否先読み結果、特図先読み結果、当否判定結果、特図決定結果、および特図タイマ決定結果それぞれが記憶される。またRAM308には、当否判定(抽選)の開始を保留することができる最大数(この例では4つ)の領域に区分けされた保留記憶部が特図1と特図2で別々に用意されている。特図1の保留記憶部には、後述するように、特図1大当り判定用乱数値および大当り時特図1判定用乱数値の2つの乱数値を1セットにしてこれら2つの乱数値が入賞順(保留順)
に1セットずつ1領域ごとに格納される。
上述したように、図4に示す主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図6に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期化処理を行う。この初期化処理では、まず、初期設定1として、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、およびWDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。次に、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する(以下、この処理をWDT処理と称する)。WDT処理に続いて、ステップS101の初期化処理では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660が第2副制御部500を介して主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはWDT処理に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)には初期設定2を行う。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
次いで、ステップS103では、割り込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。ここでの基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、および大当り時特図判定用乱数カウンタそれぞれの初期値を生成するための2つの初期値生成用カウンタを更新する。この基本乱数初期値更新処理の終了後にステップS105に進む。
ステップS105では、演出乱数更新処理を行う。主制御部300のRAM308には、タイマ番号決定用乱数カウンタが設けられており、。これらのカウンタはいずれも、0から99の範囲の値を取り得るタイマ番号決定用乱数値を生成する。ステップS105では、このカウンタの値を更新する。この演出乱数更新処理の終了後に割り込み許可の設定を行ってステップS103に戻る。
主制御部300は、所定の周期(例えば4ms)ごとに開始するタイマ割り込み処理を行っている間を除いて、ステップS103およびS105の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図6(b)を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。図6(b)は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示す主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約4msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。なお、このタイマ割込処理スタート
時には、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避したり、WDT314を定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行ったりする。
まず、ステップS201では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種の球検出センサを含む図4に示す各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、このステップS201では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
基本乱数初期値更新処理(ステップS203)では、大当り時特図判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタの値を0〜99の範囲で更新し、続く基本乱数更新処理(ステップS205)では、大当り時特図判定用乱数カウンタの値を0〜99の範囲で更新し、大当り時特図判定用乱数カウンタが1周するごとに、その生成用カウンタの値を、大当り時特図判定用乱数カウンタにセットする。
ステップS207では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通図柄表示装置210に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、第1特図表示装置212に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、第2特図表示装置214に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
入賞判定処理(ステップS209)では、まず、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
続いて、この入賞判定処理では、第1特図始動口230に入賞があり、且つ、保留している特図1変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満である場合に、所定の始動情報を記憶する。すなわち、保留数が所定数未満であれば、特図1大当り判定用乱数値、および大当り時特図1判定用乱数値を記憶する。特図1大当り判定用乱数値は、図4に示すカウンタ回路318に内蔵された特図1用のカウンタから導出されたハードウェア乱数を加工した値(ハードウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。一方、大当り時特図1判定用乱数値は、RAM308に設けられた大当り時特図1判定用乱数カウンタから導出されたソフトウェア乱数を加工した値(ソフトウェア乱数の値+Rレジスタの値+1)である。各種乱数値(始動情報)は、RAM308に設けた特図1の保留記憶部の、入賞順(保留順)に応じた空いている領域に、1セットの始動情報として記憶される。この特図1の保留記憶部は、第1特図始動口230(第1始動領域)に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の第1上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な、本発明にいう第1始動情報記憶手段の一例に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図1の保留記憶部に記憶してもよく、この場合、一時領域を第1始動情報記憶手段としてもよいし、特図1の保留記憶部および一時領域を第1始動情報記憶手段としてもよい。また、主制御部300のCPU304は、RAM308に記憶されている特図1の保留数の値に1を加算し、特図1の保留数が1増加する。したがって、主制御部300のCPU304が保留手段の一例に相当する。また、特図2についても、特図1と同様に、始動情報である各乱数値をRAM308に設けた特図2の保留記憶部に、1セットの始動情報として記憶し、さらに、RAM308に記憶されている特図2の保留数の値に1を加算する。特図2の保留記憶部は、第2特図始動口232(第2始動領域)に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の第2上限個数(ここでは4個)まで記憶可能な、本発明にいう第2始動情報記憶手段の一例に相当する。このとき各種乱数値(始動情報)をRAM308に設けた一時領域に一旦記憶し、その一時領域に記憶された値を特図2の保留記憶部に記憶してもよく、この場合一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよいし、特図2の保留記憶部および一時領域を第2の始動情報記憶手段としてもよい。
また、普図始動口228を球が通過したことを検出し、且つ、保留している普図変動遊技の数が所定数(本実施形態では2)未満の場合には、そのタイミングにおける普図当選乱数値生成用の乱数カウンタの値を、RAM308に設けた特図用とは別の乱数値記憶領域に、始動情報である普図当選乱数値として記憶する。また、この入賞判定処理では、所
定の球検出センサにより、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228、または可変入賞口234への入賞(入球)を検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228、および可変入賞口234への入賞(入球)の有無を示す入賞受付情報を設定する。
なお、特図の始動情報にしても普図の始動情報にしても、保留数がそれぞれの所定数以上であれば、それらの始動情報を記憶せずに、ステップS211に進む。
また、この入賞判定処理(ステップS209)が終了すると先読み処理が呼び出される。この先読み処理では、まず、RAM308に設けられた特図1の保留記憶部内の特図1大当り判定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)を先読みするか、あるいは特図2の保留記憶部内の特図2大当り判定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)を先読みする。なお、ここでの先読みとは始動情報を当否判定(本抽選)の前に先に読むことを意味するが、以降の先読み処理では、先読みという言葉を、先(当否判定(本抽選)の結果)を読むという意味で使用することがある。
図7(a)は、先読み処理で用いられる当否先読み用テーブルを示す図であり、同図(b)は、同じく先読み処理で用いられる特図先読み用テーブルを示す図である。これらのテーブルは、主制御部300のROM306に記憶されている。
本実施形態のパチンコ機100では、大当りに当選する確率が相対的に低い特図低確率状態と、相対的に高い特図高確率状態のいずれか一方の制御状態にある。特図高確率状態であることは確率変動中と呼ばれる。主制御部300のRAM308には、確変フラグが用意されている。この確率変動グラグがオンに設定されていると、特図高確率状態(確率変動中)であり、確率変動グラグがオフに設定されていると、特図低確率状態である。
図7(a)に示す当否先読み用テーブルには、特図高確率状態と特図低確率状態とに分けて乱数範囲が規定されている。特図1大当り判定用乱数値あるいは特図2大当り判定用乱数値の先読みが終了すると、今度は、先読みした特図1大当り判定用乱数値あるいは特図2大当り判定用乱数値が、図7(a)に示す当否先読み用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかについて判定する。すなわち、RAM308に用意された確変フラグを参照し、特図低確率状態の場合には、先読みした特図1大当り判定用乱数値あるいは特図2大当り判定用乱数値が、1000〜1217であるときには、当否先読み結果は「大当り」と判定し、それ以外(0〜999,1218〜65535)であるときには、当否先読み結果は「はずれ」と判定する。また、確変フラグを参照し、特図高確率状態の場合には、先読みした特図1大当り判定用乱数値あるいは特図2大当り判定用乱数値が、1000〜2089であるときには、当否先読み結果は「大当り」と判定し、それ以外(0〜999,2090〜65535)であるときには、当否先読み結果は「はずれ」と判定する。したがって、特図1大当り判定用乱数値あるいは特図2大当り判定用乱数値が、1000〜1217であれば、特図高確率状態であっても特図低確率状態であっても、大当りになる。なお、後述する特図関連処理(図6(b)に示すステップS213)でも、図7(a)に示す当否先読み用テーブルの内容と同じ内容の当否判定用テーブルを用いて特図変動遊技の当否判定を改めて行い、ここでの判定結果は、あくまで事前判定の結果である。
当否先読み結果が、「大当り」の場合には、RAM308に設けられた特図1の保留記憶部内の大当り時特図1判定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)を先読みするか、あるいは特図2の保留記憶部内の大当り時特図2判定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)を先読みし、先読みした大当り時特図判定用乱数値が図7(b)に示す特図先読み用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかについて判定する。図7(b)に示す特図先読み用テーブルには、特図先読み結果として、図5(a)に示す「特図A」(大当り図柄
1である特別大当り図柄)と「特図B」(大当り図柄2である通常大当り図柄)それぞれに対応した乱数範囲が規定されている。先読みした大当り時特図判定用乱数値が、0〜49であるときには、特図先読み結果は「大当図柄1」と判定し、50〜99であるときには、「大当り図柄2」と判定する。ここでは、特図の図柄を事前判定しているが、特別大当り(確変大当り)か否かを事前判定していることにもなる。なお、図5(a)を用いて説明したように、はずれ図柄は「特図C」の1種類しかないため、当否先読み結果が「はずれ」の場合には、特図の図柄の事前判定は行わない。また、ここでの判定結果も、あくまで事前判定の結果であり、特図の図柄の判定(特別大当りの判定)も後述する特図関連処理(図6(b)に示すステップS213)において改めて行われる。
以上説明した始動情報の先読みや、先読みした始動情報を用いての事前判定は、後述する特図関連処理(S213)の当否判定(本抽選)が行われる前に実行されるものである。特図1大当り判定用乱数値または大当り時特図1判定用乱数値を先読みする主制御部300が、本発明にいう第1始動情報先読み手段の一例に相当し、特図2大当り判定用乱数値または大当り時特図2判定用乱数値を先読みする主制御部300が、本発明にいう第2始動情報先読み手段の一例に相当する。また、図7(a)や図7(b)に示すテーブルを用いて特図1大当り判定用乱数値または大当り時特図1判定用乱数値に基づく事前判定を行う主制御部300が、本発明にいう第1事前判定手段の一例に相当し、それらのテーブルを用いて特図2大当り判定用乱数値または大当り時特図2判定用乱数値に基づく事前判定を行う主制御部300が、本発明にいう第2事前判定手段の一例に相当する。
主制御部300のRAM308には、保留ごとの領域に区分けされた特図1用の先読み情報一時記憶部と、同じく保留ごとの領域に区分けされた特図2用の先読み情報一時記憶部が設けられている。図7(b)に示す特図先読み結果を表す情報(特図を表す情報でもあり以下、先読み情報と称する)は、それらの先読み情報一時記憶部の、対応する保留の領域に格納される。
図8は、先読み情報の種別を示す図である。
本実施形態では、先読み情報として、特図高確率時通常大当り、および特図高確率時確変大当りが用意されている。上述のごとく、特図1大当り判定用乱数値あるいは特図2大当り判定用乱数値が、1000〜1217であれば、特図高確率状態であっても特図低確率状態であっても大当りになるが、特図1大当り判定用乱数値あるいは特図2大当り判定用乱数値が、1218〜2089である場合には、特図低確率状態でははずれになり、特図高確率状態では大当りになる。ここでの判定は、あくまで事前判定であり、事前判定を行った時点では特図高確率状態であったのが、ここで事前判定した入賞の保留に基づく特図関連処理(図6(b)に示すステップS213)を実行する時には、特図低確率状態になってしまっている場合もある。ここにいう特図高確率時とは、後述する特図関連処理(図6(b)に示すステップS213)における当否判定時に特図高確率状態であった場合のことを意味し、特図高確率時通常大当りとは、特図関連処理(図6(b)に示すステップS213)における当否判定時に特図高確率状態であった場合には、図5(a)に示す大当り図柄2(「特図B」)を停止表示することになる事前判定結果であったことを意味し、特図高確率時確変大当りとは、特図関連処理における当否判定時に特図高確率状態であった場合には、図5(a)に示す大当り図柄1(「特図A」)を停止表示することになる事前判定結果であったことを意味する。すなわち、先読みした特図1大当り判定用乱数値あるいは特図2大当り判定用乱数値が、1218〜2089であった場合の事前判定結果になる。
また、先読み情報として、通常大当り、確変大当り、およびはずれも用意されている。これらは、特図関連処理における当否判定時に特図低確率状態である場合の事前判定結果
であったことを意味し、通常大当りは、図5(a)に示す大当り図柄2(「特図B」)を停止表示することになる事前判定結果であったことを意味し、確変大当りは、大当り図柄1(「特図A」)を停止表示することになる事前判定結果であったことを意味し、はずれは、はずれ図柄(「特図C」)を停止表示することになる事前判定結果であったことを意味する。
さらに、本実施形態では、先読み情報として、保留なし、および未判定も用意されている。上述した先読み処理では、処理を開始する前に、前回実行した先読み処理から保留数が増加しているか否かを判定する。すなわち、主制御部300のRAM308には、これまでの保留数(前回のタイマ割込処理終了時点での保留数であり、旧保留数と呼ぶものとする)も記憶されており、CPU304は、入賞判定処理(ステップS209)を経た今回の先読み処理を実行する時点の保留数と、旧保留数とを比較し、保留数が増加しているか否かを判定する。保留数が増加していなければ、始動情報を先読みせずにこの先読み処理は終了する。図8に示す「保留なし」は、特図の保留が増加していなかったことを意味する。
また、上述した先読み処理では、電サポ状態である場合には、特図1大当り判定用乱数値の先読みをせずに先読み処理を終了する。
ここにいう電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くする等して、遊技者の有利度が非電サポ状態より高い所定状態のことをいう。この電サポ状態は、このパチンコ機100に用意された制御状態の一つであり、時短状態と称されることもある。すなわち、電サポ状態(時短状態)は、大当り遊技の終了(第1の特別制御状態の終了)を条件に開始される。なお、厳密にいえば、「電サポ状態」はあくまでも普図がらみの状態であり、「時短状態」は特図がらみの状態または普図および特図がらみの状態である。主制御部300のRAM308には時短フラグが用意されており、この時短フラグがオンに設定されていると、電サポ状態であり、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に当選しやすくなる(普図確変)。例えば、普図変動遊技の当選確率が、普図低確率状態(非電サポ状態)では1/100であるのに対し、普図高確率状態(電サポ状態)では99/100に上昇する。また、電サポ状態の方が、非電サポ状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。例えば、非電サポ状態では10秒の普図変動遊技の変動時間が電サポ状態では2秒に短縮される。また、電サポ状態では、非電サポ状態に比べて、第2特図始動口232の一対の羽根部材2321の1回の開放における開放時間が長くなりやすい(電チュー開放期間延長)。例えば、非電サポ状態では0.5秒の電チュー開放期間が電サポ状態では2秒に延長される。さらに、電サポ状態では非電サポ状態に比べて、一対の羽根部材2321は多く開きやすい(電チュー開放回数増加)。例えば、普図始動口228への1回の入賞につき非電サポ状態では1回しか開かない一対の羽根部材2321が、電サポ状態では2回開く(2秒開放して1秒閉鎖してまた2秒開放)。電チュー開放期間延長や電チュー開放回数増加により、第2特図始動口232に入球する確率が高まる。また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(第1の特別制御状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、非電サポ状態が維持される。これは、大当り遊技中に電サポ状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。なお、本実施形態では、電サポ状態では、普図確変、普図変短、電チュー開放期間延長、および電チュー開放回数増加の総てが行われるが、これらのうちの少なくともいずれか一つが行われれば、遊技者の有利度が高い状態になり、電サポ状態としてもよいし、第2特図始動口232に入球する確率が高まる、電チュー開放期間延長または電チュー開放回数増加のうちのいずか一方が行われれば、電サポ状態としてもよい。電サポ状態は、第1の制御状態の一例に相当し、非電サポ状態は、第2の制御状態の一例に相当する。この第2の制御状態(非電サポ状態)では、第1の制御状態(電サポ状態)よりも遊技球が第2特図始動口232(第2始動領域)に進入し難い。上述のごとく、第2特図始動口232は、遊技球が進入する入り口の大きさが小サイズと大サイズのうちのいずれか一方のサイズからいずれか他方のサイズに変化する可変始動領域である。この第2特図始動口232(第2始動領域)は、入り口が、電サポ状態(第1の制御状態中)では第2の制御状態中(非電サポ状態)よりも長期間にわたって大サイズであり、電サポ状態は、本発明にいう時短状態の一例に相当し、以降の説明では進入容易状態と称することがある。一方、非電サポ状態は、本発明にいう非時短状態の一例に相当し、以降の説明では進入困難状態と称することがある。
先読み処理では、RAM308に用意された時短フラグを参照し、時短フラグがオンに設定されていれば、特図1大当り判定用乱数値を先読みせずに先読み処理を終了する。したがって、図7(a)や図7(b)に示すテーブルを用いた事前判定は行われない。
なお、時短フラグがオンに設定されていても、特図2大当り判定用乱数値や大当り時特図2判定用乱数値は先読みして、図7(a)や図7(b)に示すテーブルを用いた事前判定を行う。
さらに、上述した先読み処理では、特図1用の先読み情報一時記憶部に、高確率時通常大当り、高確率時確変大当り、通常大当り、および確変大当りのいずれかが記憶されている場合には、時短フラグがオフからオンに設定された後、オフに再設定されるまで、特図1大当り判定用乱数値を先読みせずに先読み処理を終了する。すなわち、上述のごとく、確変大当り(図5(a)に示す「特図A」)では、大当り終了後、次に大当りするまで電サポ状態が維持され、通常大当り(図5(a)に示す「特図B」)では、大当り終了後、特図変動遊技が100回行われる間、電サポ状態が維持される。本実施形態では、特図関連処理における特図1変動遊技の当否判定(本抽選)の結果が、所定の遊技状態(ここでは電サポ状態)へいずれ移行することになる特定の当否判定結果になることが、事前判定によって判明した時点以降は、特図1大当り判定用乱数値を先読みせず、図7(a)や図7(b)に示すテーブルを用いた事前判定も行わない。なお、この場合であっても、特図2大当り判定用乱数値や大当り時特図2判定用乱数値は先読みして、図7(a)や図7(b)に示すテーブルを用いた事前判定を行う。また、特図2用の先読み情報一時記憶部に、高確率時通常大当り、高確率時確変大当り、通常大当り、および確変大当りのいずれかが記憶されている場合には、特図1大当り判定用乱数値や大当り時特図1判定用乱数値、あるいは特図2大当り判定用乱数値や大当り時特図2判定用乱数値を先読みして、図7(a)や図7(b)に示すテーブルを用いた事前判定を行う。
図8に示す「未判定」は、このように、電サポ状態であった場合や電サポ状態へいずれ移行することになる場合に、特図1大当り判定用乱数値に基づく事前判定が行われていないことを意味する。なお、本実施形態では、「未判定」は、特図2大当り判定用乱数値に基づく事前判定の結果を表す先読み情報に使用されることはなく、特図2大当り判定用乱数値や大当り時特図2判定用乱数値は総て先読みされ、図7(a)や図7(b)に示すテーブルを用いた事前判定も総て行われる。ただし、本発明は、特図2に関する先読み処理を一切行わないパチンコ機100にも適用することができる。
特図1の保留記憶部(第1始動情報記憶手段)に大当りとなる始動情報が記憶されていることを遊技者に報知するパチンコ機の場合には、その報知が行なわれるまでは、特図2での大当りを避けるために第2特図始動口232(第2始動領域)に遊技球を進入させないようにし、特図1の保留が全て消化されるまでは球発射ハンドル134を操作して遊技球が発射されないように調節し、特図1の保留が全て消化され、一対の羽根部材2321(電チュー)が閉鎖している期間中に、球発射ハンドル134を操作して遊技球を第1特
図始動口230に進入させて特図1の保留を増加させるといった遊技を上述の報知が行なわれるまで、すなわち特図1の保留記憶部に大当りとなる始動情報が記憶されるまで繰り返す。そして、その報知があったことを条件に、遊技者は電サポ状態中に特図2で大当りするように第2特図始動口232に遊技球を進入させ、電サポ状態中に特図1についても特図2についても大当りとなる始動情報を記憶させようとする遊技方法(いわゆる止め打ち)を行う者がいる。この遊技方法については、詳しくは後述するが、この遊技方法で遊技された場合には、パチンコ機を設置しているぱちんこ店にとって非常に不利であることはもちろんであり、またそのような遊技方法を知らない遊技者は知っている遊技者に較べて非常に不利である。これに対して、電サポ状態であった場合や電サポ状態へいずれ移行することになる場合には第1特図始動口230への遊技球の進入に基づく始動情報を参照して行なう特図1の当否判定の先読みを禁止することで、遊技の公平性を担保することが可能になる場合がある。
なお、電サポ状態であった場合や電サポ状態へいずれ移行することになる場合であっても、特図1大当り判定用乱数値や大当り時特図1判定用乱数値は先読みし、図7(a)や図7(b)に示すテーブルを用いた事前判定は行わないようにして、先読み情報一時記憶部に格納する先読み情報の種別を「未判定」のものにする態様であってもよい。あるいは、電サポ状態であった場合や電サポ状態へいずれ移行することになる場合であっても、他の場合と同様に、特図1大当り判定用乱数値や大当り時特図1判定用乱数値を先読みし、図7(a)や図7(b)に示すテーブルを用いた事前判定を一律に行うようにして、先読み情報一時記憶部に格納する先読み情報の種別を「未判定」のものにする態様であってもよい。
図9(a)は、非電サポ状態において、始動情報が、特図1の保留記憶部には記憶され、特図2の保留記憶部には記憶されていない一例を示す図である。
本実施形態では、4つの領域に区分けされた保留記憶部に、大当り判定用乱数値および大当り時特図判定用乱数値の2つの乱数値(始動情報)を1セットにしてこれら2つの乱数値が入賞順(保留順)に1セットずつ1領域ごとに格納される。非電サポ状態では、第2特図始動口232は入賞困難な進入困難状態であり、特図2よりも特図1の保留が圧倒的に貯まりやすい。図9(a)には、特図1の保留が3つ貯まり、特図2の保留は0である様子が示されている。特図1の保留記憶部の、最も古い保留に基づく始動情報は、大当り判定用乱数値が20005であり、大当り時特図判定用乱数値が23である。特図1の保留記憶部の、次に古い保留に基づく始動情報は、大当り判定用乱数値が1100であり、大当り時特図判定用乱数値が40である。特図1の保留記憶部の、最も新しい保留に基づく始動情報は、大当り判定用乱数値が612であり、大当り時特図判定用乱数値が79である。図9(a)に示す特図1の保留記憶部の4つ目の領域には、始動情報が未格納である。また、図9(a)に示す特図2の保留記憶部のいずれの領域にも、始動情報が未格納である。
なお、図9(a)では、参考までに、大当り判定用乱数値が図7(a)に示す当否先読み用テーブルのいずれの数値範囲に属するかを大当り判定用乱数値の下にかっこ書きで示し、大当り時特図判定用乱数値が図7(b)に示す特図先読みテーブルのいずれの数値範囲に属するかを大当り時特図判定用乱数値の下にかっこ書きで示している。
図9(b)は、非電サポ状態における特図1用の先読み情報一時記憶部の一例を示す図である。
この図9(b)に示す、4つの領域に区分けされた特図1用の先読み情報一時記憶部には、図9(a)に示す保留記憶部に格納された始動情報を事前判定した結果を表す先読み
情報(図8参照)が格納されている。この特図1用の先読み情報一時記憶部の、最も古い保留に対応した領域(図中の1参照)には「はずれ」が格納され、次に古い保留に対応した領域(図中の2参照)には「確変大当り」が格納され、最も新しい保留に対応した領域(図中の3参照)には「未判定」が格納されている。ここで「未判定」が格納されているのは、その前の領域に、電サポ状態へいずれ移行することになる特定の当否判定結果である「確変大当り」が格納されていたため、先読み処理で事前判定が行われなかったからである。なお、4つ目の領域(図中の4参照)には「保留なし」が格納されている。「未判定」の先読み情報は、本発明にいう未判定情報の一例に相当し、特図1用の先読み情報一時記憶部は、本発明にいう第1事前判定結果記憶手段の一例に相当する。
なお、前の領域に、電サポ状態へいずれ移行することになる特定の当否判定結果が格納されている場合には、その領域以降の領域総てに一律に「未判定」を格納してもよい。例えば、上記例でいえば、特定の当否判定結果が格納されていることが判明した時点で、4つ目の領域にも「未判定」を格納しておいてもよい。
RAM308に設けられた特図1用の先読み情報一時記憶部の各領域は、同じくRAM308に設けられた特図1の保留記憶部の各領域と対応付けられており、主制御部300のCPU304は、特図1用の先読み情報一時記憶部の各領域に格納された先読み情報を得るために用いられた始動情報を特定可能である。また、特図2用の先読み情報一時記憶部と特図2の保留記憶部の各領域も対応付けられており、主制御部300のCPU304は、特図2用の先読み情報一時記憶部の各領域に格納された先読み情報を得るために用いられた始動情報を特定可能である。
図10(a)は、非電サポ状態において、始動情報が、特図1の保留記憶部には記憶され、特図2の保留記憶部には記憶されていない他の一例を示す図である。
この図10(a)でも、図9(a)と同じく、特図1の保留が3つ貯まり、特図2の保留は0である様子が示されており、図9(a)に示す例と異なるのは、特図1の保留記憶部の、2番目に古い保留に基づく始動情報のうちの大当り判定用乱数値の値である。この図10(a)に示す例では、その値は、1500であり、図7(a)に示す当否先読み用テーブルのはずれの数値範囲に属する。
図10(b)は、図10(a)に示す特図1の保留記憶部に対応する特図1用の先読み情報一時記憶部を示す図である。
この図10(b)に示す特図1用の先読み情報一時記憶部の、2番目に古い保留に対応した領域(図中の2参照)には「はずれ」が格納され、最も新しい保留に対応した領域(図中の3参照)にも「はずれ」が格納されている。この例では、特図1用の先読み情報一時記憶部のいずれの領域にも、電サポ状態へいずれ移行することになる特定の当否判定結果である「確変大当り」等が格納されていないため、3つの保留総てについて先読み処理で事前判定が行われている。
図11(a)は、電サポ状態において、始動情報が、特図2の保留記憶部には記憶され、特図1の保留記憶部には記憶されていない他の一例を示す図である。
電サポ状態では、第2特図始動口232は入賞容易な進入容易状態であり、この図11(a)には、特図2の保留が3つ貯まり、特図1の保留は0である様子が示されている。特図2の保留記憶部の、最も古い保留に基づく始動情報は、大当り判定用乱数値が20005であり、大当り時特図判定用乱数値が23である。特図2の保留記憶部の、次に古い保留に基づく始動情報は、大当り判定用乱数値が1200であり、大当り時特図判定用乱
数値が40である。特図2の保留記憶部の、最も新しい保留に基づく始動情報は、大当り判定用乱数値が1500であり、大当り時特図判定用乱数値が79である。図11(a)に示す特図2の保留記憶部の4つ目の領域には、始動情報が未格納である。また、図11(a)に示す特図1の保留記憶部のいずれの領域にも、始動情報が未格納である。
図11(b)は、図11(a)に示す特図2の保留記憶部に対応する特図2用の先読み情報一時記憶部を示す図である。
この特図2用の先読み情報一時記憶部の、2番目に古い保留に対応した領域(図中の2参照)には「確変大当り」が格納され、最も新しい保留に対応した領域(図中の3参照)には「高確率時確変大当り」が格納されている。この例では、特図2についての事前判定であるため、2番目に古い保留に対応した事前判定の結果が「確変大当り」であっても、その次の保留(最も新しい保留)に対応した事前判定は行われている。
なお、図9に示すように、特図1についての事前判定の結果が、電サポ状態へいずれ移行することになる特定の当否判定結果である「確変大当り」等であっても、その後の特図2の保留についての事前判定は実行される。また反対に、特図2についての事前判定の結果が、図11に示す例のような、電サポ状態へいずれ移行することになる特定の当否判定結果である「確変大当り」等であっても、その後の特図1の保留についての事前判定は実行される。
ここで、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理についての説明を再開する。図6(b)に示すステップS211では普図関連処理が行われる。この普図関連処理では、まず、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図関連処理では、普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図関連処理では、当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、はずれ図柄の表示態様となるように普通図柄表示装置210を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、ここでの普図関連処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普通図柄表示装置210は、当り図柄(図5(c)に示す普図A)およびはずれ図柄(図5(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図関連処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口232の羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308
に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図関連処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材2321の開閉駆動用のソレノイド(332)に、羽根部材2321を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図関連処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、普図はずれフラグがオンされる。この普図はずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図関連処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図関連処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
続いて、この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および第2特図始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定をおこない、当選とする場合にはRAM308に設けた当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから普図表示装置210に普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理では、以上説明したステップS211の普図関連処理に続いて特図関連処理(ステップS213)を行う。この特図関連処理では、まず最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。
また、主制御部300のRAM308には、大当りフラグ、および確変フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、大当りフラグはオン、確変フラグもオンの場合には図5(a)に示す特図A、大当りフラグはオン、確変フラグはオフの場合には特図B、大当りフラグがオフの場合には特図Cそれぞれの態様となるように、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は、大当り図柄1(特図A)、大当り図柄2(特図B)、およびはずれ図柄(特図C)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示
を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に記憶された電サポ回数が1以上であれば、その電サポ回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図高確率状態でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。
また、後述するコマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に4Hを送信情報(一般情報)として追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、特図2変動遊技の開始時に大当りフラグがオンされている。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで。)図3に示す可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材2341の開閉駆動用のソレノイド(332)に、扉部材2341を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に8Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、この扉部材2341の開放・閉鎖制御を所定回数(例えば15ラウンドや2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、大当りフラグはオンであって確変フラグはオフに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数100回をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンする。一方、大当りフラグも
確変フラグもオンに設定されていれば、時短フラグをオンする。なお、大当りフラグがオフに設定されていれば、電サポ回数記憶部に電サポ回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンすることもない。なお、上述したように、時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態である。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がはずれであれば、はずれフラグがオンされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次の処理に移行するようにしている。
続いて、特図関連処理では、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
特図2状態更新処理および特図1状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。この特図関連抽選処理では、所定の特図変動開始条件成立によって抽選(当否判定)の実行、停止表示する特図の決定、およびタイマ番号の決定を行う。特図関連抽選処理を実行する主制御部300が、本発明にいう当否判定手段の一例に相当する。特図変動開始条件は、前回の特図の変動表示が終了し、所定の特図停止期間(例えば0.7秒)が経過したことが条件になる。この特図変動開始条件が満足されていれば、RAM308に設けられた保留記憶部から、最も過去に格納した始動情報すなわち1セット分の乱数値(大当り判定用乱数値および大当り時特図判定用乱数値)を取り出し、その保留記憶部にまだ格納されている始動情報(乱数値のセット)を、今記憶されている領域から隣の領域に移し替える。すなわち、最も過去に格納した始動情報を保留記憶部から取り出し、さらに保留記憶部に始動情報が格納されていれば、N番目に古い始動情報を保留記憶部におけるN−1番目に古い始動情報として設定したことになる。また、RAM308に記憶している保留数を1減算する。
特図関連抽選処理では、最初に特図2についての処理(特図2関連抽選処理)が行われ、その後、特図1についての処理(特図1関連抽選処理)が行われる。このように、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、同じタイミング(所定の契機で開始した主制御部タイマ割込処理における入賞判定処理S209)で第1特図始動口230に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得し、かつ第2特図始動口232に遊技球が進入したことに基づいて始動情報を取得した場合や、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合や、特図2変動遊技の開始条件と特図1変動遊技の開始条件の両方が成立している場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214による特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、主制御部300で行われ、第2特図始動口232への入賞に基づく抽選の結果報知
が、第1特図始動口230への入賞に基づく抽選の結果報知よりも優先して行われ、抽選が行われていない始動情報として、特図1の始動情報と特図2の始動情報のうちの特図1の始動情報のみが残って鋳る状態で、特図2の始動情報が新たに記憶された場合には、新たに記憶された特図2の始動情報に基づく抽選の結果の報知が、既に記憶されていた特図1の始動情報に基づく抽選の結果の報知よりも先に行われる。したがって、この主制御部300が、本発明にいう当否判定結果報知手段の一例に相当する。
特図2関連抽選処理と特図1関連抽選処理との違いは、特図2の保留記憶部に記憶されている始動情報を用いるか、特図1の保留記憶部に記憶されている始動情報を用いるかの違いだけであり、以下の説明では、特図2と特図1を特に区別しないで説明する。
図12(a)は、特図関連抽選処理で用いられる当否決定用テーブルを示す図であり、同図(b)は、特図関連抽選処理で用いられる特図決定用テーブルを示す図である。これらのテーブルも、主制御部300のROM306に記憶されている。図12(a)に示す当否決定用テーブルの内容は図7(a)に示す当否先読み用テーブルの内容と同じであり、図12(b)に示す特図決定用テーブルの内容は図7(b)に示す特図先読み用テーブルの内容と同じである。
主制御部300のCPU304は、RAM308の保留記憶部から、始動情報すわなち1セット分の乱数値(大当り判定用乱数値および大当り時特図判定用乱数値)を取り出すと、まず、大当り判定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜65535)が同図(a)に示す当否判定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、当否決定結果として「大当り」または「はずれ」を導出する。この「大当り」または「はずれ」を導出することが抽選に相当する。
当否決定結果が、「大当り」の場合には、今度は、大当り時特図判定用乱数値(取り得る数値範囲は0〜99)が同図(b)に示す特図決定用テーブル内のいずれの乱数範囲に属するかに基づいて、特図決定結果として「大当り図柄1」または「大当り図柄2」を導出する。なお、当否判定結果が、「はずれ」の場合には、はずれ用の特図は1種類であるため判定は行わない。特図決定結果は、第1特図表示装置212や第2特図表示装置214によって停止表示されることになる図柄を表す情報である。
図12(c)は、主制御部300のROM306に記憶されているテーブルセット選択テーブルを示す図である。
主制御部300のRAM308には、タイマ選択テーブルを表す情報を格納する領域(タイマ選択テーブル情報格納領域)が設けられている。また、本実施形態では、タイマ選択テーブルとして2種類のテーブルが用意されている。さらに、RAM308には、特図変動遊技の実行回数をカウントするカウンタが設けられている。この特図変動遊技実行回数カウンタの値が0より大きな値であれば、上述の特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング、すなわち第2特図表示装置214あるいは第1特図表示装置212による変動表示が終了し、確定した特図が所定期間停止表示された後、CPU304によってそれらの特図変動遊技実行回数カウンタの値が1減算される。
特図関連処理において大当り図柄1の特図決定結果が得られ、第1特図表示装置212あるいは第2特図表示装置214が図5(a)に示す「特図A」を停止表示させた場合、大当りの終了演出期間が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタに0の値をセットするとともに、上記タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル2を表す情報を格納する。そして、特図決定結果が切り替わるまで、特図の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カ
ウンタの値に0をセットし続け、タイマ選択テーブル情報格納領域にはテーブル2を表す情報を格納し続ける。
一方、特図関連処理において特図決定結果が大当り図柄2に決定されると、ROM306に記憶されている図12(c)に示すテーブルセット選択テーブルのうち、テーブル2についての特図変動回数を格納した領域の先頭アドレスをRAM308に設けた所定のポインタにセットし、特図変動遊技実行回数カウンタに100の値をセットするとともに、上記タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル2を表す情報を格納する。また、特図の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタの値が0より大きければ、そのカウンタの値を1だけ減算し、そのカウンタの値が0になるまでタイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル2を表す情報を格納し続ける。特図変動遊技実行回数カウンタの値が1から0になった場合に、RAM308上の上記ポインタを進め、今度は、特図変動遊技実行回数カウンタに0の値をセットするとともに、タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル1を表す情報を格納する。そして、特図決定結果が切り替わるまで、特図の停止表示が終了したタイミングにおける特図状態更新処理では、特図変動遊技実行回数カウンタの値に0をセットし続け、タイマ選択テーブル情報格納領域にはテーブル1を表す情報を格納し続ける。
なお、パチンコ機100のRAMクリア時には、上記タイマ選択テーブル情報格納領域にテーブル1を表す情報が格納される。したがって、はずれ図柄が停止表示される場合には、テーブル1かテーブル2が選択されることになる。
図13は、主制御部300のROM306に記憶されているタイマ番号決定用テーブルを示す図である。
図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理における特図関連処理(ステップS213)では、図12に示すテーブルを用いて当否決定結果や特図決定結果が得られると、RAM308に設けられたタイマ番号決定用乱数カウンタから、0から99の範囲の値を取り得るタイマ番号決定用乱数を取得する。このタイマ番号決定用乱数の取得タイミングは、特図変動開始直前のタイミングであるが、始動情報を取得するタイミングであってもよい。
主制御部300のCPU304は、取得したタイマ番号決定用乱数に基づいて、図13に示すタイマ番号決定用テーブルに規定されているタイマ番号を判定する。
タイマ番号は、第2特図表示装置214あるいは第1特図表示装置212が、図柄の変動を開始してから当否判定の結果を表す停止図柄を表示するまでの時間、すなわち変動表示する時間(特図変動時間)を表すものであるが、装飾図柄の変動時間としてもよい。
図14は、タイマ番号と特図変動時間の関係を示す図である。
タイマ1は特図変動時間が2秒になる超短縮された変動時間になることを表し、タイマ2は特図変動時間が5秒になる短縮された変動時間になることを表す。なお、タイマ1あるいはタイマ2に決定されることを特図変短と称することがある。タイマ3は特図変動時間が10秒の通常の変動時間(基準となる変動時間)になることを表す。また、タイマ1〜タイマ3では図3に示す装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはリーチなしになる。タイマ4は特図変動時間が12秒の変動時間になることを表し、タイマ4に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはノーマルリーチが選択される。ノーマルリーチとは、一般に2つの図柄表示領域(例えば、図3に示す左右図柄表示領域208a、208c)が等しい装飾図柄を停止表示し、残りの1つの図柄表示領域(例えば中図柄表示領域208b)が変動表示している状態のこと、すなわ
ち、変動表示している図柄表示領域が特定の図柄(停止表示している図柄表示領域と等しい図柄)を停止表示すれば所定の大当り図柄の組合せ(図5(b)に示す“装飾図柄の組合せ1”や“装飾図柄の組合せ2”)を停止表示することとなる状態のことである。タイマ5は特図変動時間が40秒の変動時間になることを表し、タイマ6は特図変動時間が50秒の変動時間になることを表す。タイマ5又はタイマ6に決定されると装飾図柄表示装置208における装飾図柄の変動パターンはスーパーリーチが選択される。スーパーリーチは、ノーマルリーチにさらに特殊な変動表示等を加味して演出効果を向上させたもの(ロングリーチ、ノーマル逆転リーチ等)である。なお、リーチにはこの他、特別マルチラインリーチ、全回転リーチ、特別全回転リーチ等の特殊変動もあり、単にリーチというときには、ノーマルリーチとスーパーリーチと特殊変動を含んだ装飾図柄の変動パターンを意味する。
このリーチは、特図関連処理(S213)の当否判定(本抽選)の結果が特定の当否判定結果(遊技者の有利度が高い所定の結果)になることを、その当否判定を行った後であってその当否判定の結果を報知する前に遊技者に事前に報知する予告演出であり、リーチを行うか否かは、その当否判定を行った後に決定される。
図13に示すように、特図決定結果がはずれ図柄(図5(a)に示す「特図C」)であったときには、タイマ選択テーブルとしてテーブル1が選択され、かつ保留数が0から2であれば、タイマ3が多くの場合は選択され、タイマ4が稀に選択され、タイマ5又はタイマ6がごく稀に選択される。一方、保留数が3であれば、タイマ2がほとんどの場合は選択され、タイマ5又はタイマ6がごく稀に選択される。また、タイマ選択テーブルとしてテーブル2が選択され、かつ保留数が0から2であれば、タイマ2がほとんどの場合は選択され、タイマ5又はタイマ6がごく稀に選択され、保留数が3であれば、タイマ1がほとんどの場合は選択され、タイマ5又はタイマ6がごく稀に選択される。したがって、特図決定結果がはずれ図柄であったときには、多くの場合は、リーチ演出が行われず10秒以下の相対的に短い特図変動時間になりやすい。
これに対して、特図決定結果が、大当り図柄1(図5(a)に示す「特図A」)であったり、あるいは大当り図柄2(図5(a)に示す「特図B」)であったときには、タイマ選択テーブルや保留数に関わらず、タイマ6がかなりの確率で選択され、タイマ5が時々選択され、タイマ4が稀に選択される。したがって、特図決定結果が大当り図柄1や大当り図柄2であったときには、必ず、リーチ演出が行われ10秒を越える相対的に長い特図変動時間になる。
続いて、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理におけるコマンド設定送信処理(ステップS215)について説明する。このコマンド設定送信処理では、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、復電コマンド、RAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、特図停止図柄を表す情報、制御状態を表す情報(時短フラグおよび確変フラグの設定状態を表す情報)、上述のタイマ番号などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを含み、入賞演
出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、制御状態を表す情報などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第1特図始動口230への入賞の有無、第2特図始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報、上述のタイマ番号、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、特図停止図柄を表す情報(特図決定結果)、制御状態を表す情報などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している現在のラウンド数、制御状態を表す情報、保留している第1特図変動遊技または第2特図変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS215では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、制御状態を表す情報、先読みした特図1あるいは特図2の停止図柄を表す情報(特図先読み結果)を設定する。
第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。また、第1副制御部400では、コマンドに含まれている現在のラウンド数に基づき、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数を取得する。なお、本実施形態では当りラウンド数は1種類の所定数であるため、当りラウンド数を表す情報を主制御部300から第1副制御部400に送るコマンドに含めていないが、当りラウンド数は複数種類用意されている場合には、主制御部300から第1副制御部400に送るコマンドに当りラウンド数を表す情報が含まれており、第1副制御部400では、当りラウンド数と現在のラウンド数に基づき、当り全ラウンドが終了するまでの残りラウンド数を取得する。
また、このコマンド設定送信処理では、図4に示す払出制御部600にもコマンドを送信する。払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
次に、図6(b)に示す主制御部タイマ割込処理では、外部出力信号設定処理(ステップS217)を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、図4に示す情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回
路350に出力する。
ステップS219では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、上述のステップS201において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。ここで設定したデバイス情報は基本コマンドに含められて、第1副制御部400に送信される。また、図4に示す各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、表示回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。
ステップS219のデバイス監視処理が終了すると、図6(a)に示す主制御部メイン処理に復帰するが、復帰前には、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行う。また、復帰前に、低電圧信号がオンであるか否かを監視して、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)には、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行って、その後、主制御部メイン処理に復帰するようにしてもよい。
<第1副制御部400の処理>
図15を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。
まず、同図(a)のステップS301では、各種の初期設定を行う。電源投入が行われると、ステップS301の初期設定が実行される。この初期設定では、図4に示すI/Oポート410の初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS303では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS305の処理に移行する。
ステップS305では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS307では、コマンド処理を行う。第1副制御部400のCPU404は、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS309では、演出制御処理を行う。例えば、S307で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。また、この演出制御処理の中で、先読み報知を行うか否か等を判定する先読み報知判定処理が実行される。先読み報知判定処理については、詳しくは後述する。
ステップS311では、図1に示すチャンスボタン136の押下を検出していた場合、ステップS309で更新した演出データをチャンスボタン136の押下に応じた演出データに変更する処理を行う。
ステップS313では、S309で読み出した演出データの中に音源IC416への命令がある場合には、この命令を音源IC416に出力する。
ステップS315では、S309で読み出した演出データの中に各種ランプ418の駆動回路420への命令がある場合には、この命令を駆動回路420に出力する。
ステップS317では、S309で読み出した演出データの中に演出可動体224の駆動回路422への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS319では、S309で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、S303へ戻る。
次に、図15(b)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。図15(b)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS331では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶し、このコマンド受信割込処理が終了する。
次に、図15(c)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。図15(c)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。第1副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS341では、図15(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS303において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS303において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
第1副制御部タイマ割込処理のステップS343では、ステップS319で設定された第2副制御部500への制御コマンドの送信や、演出用乱数値の更新処理等を行い、このタイマ割込処理が終了する。
続いて、図15(a)に示す演出制御処理(ステップS309)の中で実行される先読み報知判定処理について詳述する。第1副制御部400は、一般コマンド特図保留増加処理によって主制御部300から送られてくるコマンドを受信することにより、普図高確率状態(電サポ状態)であるのか普図低確率状態(非電サポ状態)であるのかという現在のパチンコ機100の制御状態を把握するとともに、先読みした特図1あるいは特図2の停止図柄を表す情報(特図先読み結果)を取得する。
図16は、第1副制御部400のROM406に記憶された先読み報知可否判定テーブルを示す図である。
第1副制御部400のRAM408には、予告乱数カウンタが設けられており、第1副制御部400のCPU404は、図15(a)に示すコマンド処理(ステップS307)において、主制御部300から特図保留増加コマンドを受信したと判定されると、予告乱数カウンタから予告乱数値を取得する。この予告乱数値の取り得る数値範囲は0〜99の範囲である。CPU404は、図16に示す先読み報知可否判定テーブルを用いて先読み報知判定処理を実行する。この先読み報知判定処理は、特図先読み結果の事前判定に用いた始動情報に基づく特図関連処理(S213)の当否判定(本抽選)が行われる前に実行
されるものである。ここでは、特図保留増加コマンドに含まれていた、現在のパチンコ機100の制御状態(普図高確率状態か普図低確率状態)および特図先読み結果に基づいて、予告乱数値が属する乱数範囲を判定する。先読み報知可否判定テーブルに規定された乱数範囲には、先読み報知態様が対応付けられている。先読み報知態様には、先読み演出1と、先読み演出2と、先読み報知を行わない態様(なし)との3種類が用意されている。したがって、先読み報知を行うか否かが、予め定められた予告確率で決定される。例えば、現在のパチンコ機100の制御状態が普図低確率状態(非電サポ状態)で特図先読み結果が通常大当りであった場合には、90%の確率で先読み報知を行うと決定され、先読み報知の態様は先読み演出1になる。一方、現在のパチンコ機100の制御状態が普図高確率状態(電サポ状態)で特図先読み結果が通常大当りであった場合には、100%の確率で先読み報知を行うと決定され、先読み報知の態様は先読み演出1になる。
また、現在のパチンコ機100の制御状態が普図低確率状態(非電サポ状態)で特図先読み結果がはずれであった場合には、1%の確率で先読み報知を行うと決定され、先読み報知の態様は先読み演出1になり、現在のパチンコ機100の制御状態が普図高確率状態(電サポ状態)で特図先読み結果がはずれであった場合にも、1%の確率で先読み報知を行うと決定され、先読み報知の態様は先読み演出1になる。特図先読み結果がはずれであった場合には、図6(b)に示す特図関連処理(S213)における当否判定(本抽選)の結果もはずれになる。
図7(a)および(b)に示す先読み用のテーブルと、図12(a)および(b)に示す決定用のテーブルは、内容が同じであるため、特図先読み結果と図6(b)に示す特図関連処理(S213)における当否判定(本抽選)の結果は一致する。以下、特図先読み結果がはずれ以外の場合で行われる先読み報知を事前予告と称し、特図先読み結果がはずれの場合でも行われる先読み報知を偽事前予告と称することがある。ここにいう事前予告は、図6(b)に示す特図関連処理(S213)における当否判定(本抽選)の結果が、特図先読み結果に基づいて特定の当否判定結果(ここでは確変大当りまたは通常大当り)になることを、当否判定の結果を報知する前に遊技者に事前に報知するものであり、本発明にいう予告報知の一例に相当する。先読み演出1は、事前予告の場合であっても偽事前予告の場合であっても選択されるが、先読み演出2は、偽事前予告の場合には選択されず、事前予告の場合に限って選択される。
上述のごとく、電サポ状態であった場合や電サポ状態へいずれ移行することになる場合には、特図1大当り判定用乱数値を用いた事前判定を行わず、特図先読み結果は未判定になる。第1副制御部400が受信した特図保留増加コマンドに特図先読み結果として「未判定」の結果が含まれていた場合には、予告乱数値の値に関わらず、100%の確率で事前予告を行わないと決定される。したがって、所定の遊技状態(ここでは電サポ状態)であった場合や所定の遊技状態(電サポ状態)へいずれ移行することになる場合には、特図1の先読み結果に基づく事前予告や偽事前予告は行われない。すなわち、当否判定の結果が特定の当否判定結果になることを示す事前判定の結果が導出されたことを条件に、その事前判定に用いた始動情報とは別であり、かつ特図1用の先読み情報一時記憶部に記憶されている始動情報に基づく新たな予告報知を行わない。ここにいう新たな予告報知とは、予告報知を行うか行わないかを決定することに結びつく所定の処理の時点(ここでは、始動情報を先読みするかしないかを決定する時点)で予告報知がすでに開始されている場合があるため、すでに開始されている予告報知の次に行われることになる予告報知が相当する。
なお、電サポ状態であった場合や電サポ状態へいずれ移行することになる場合であっても、始動情報は先読みして、事前判定は行わず結局は予告報知を行わない態様であってもよいし、事前判定も行うが結局は予告報知を行わない態様であってもよく、要するに、予
告報知を行わない態様であればよい。
また、上記新たな予告報知を行わないことは、特図関連処理における特図1変動遊技の当否判定(本抽選)の結果が、所定の遊技状態(ここでは電サポ状態)へいずれ移行することになる特定の当否判定結果になることが、事前判定によって判明したことを条件にするが、その後に行われる、当該事前判定の結果に基づいて前記特定の当否判定結果になることを遊技者に事前に報知する予告報知が1回行われたことを条件にしてもよい。このように、実際に予告報知が1回行われたことを条件にする場合であっても、始動情報から先読みしないようにしてもよいし、始動情報は先読みして、事前判定は行わず結局は予告報知を行わないようにしてもよいし、事前判定も行うが結局は予告報知を行わないようにしてもよい。
また、上述のごとく本実施形態では、特図2についての事前判定の結果が、図11に示す例のような、電サポ状態へいずれ移行することになる特定の当否判定結果である「確変大当り」等であっても、その後の特図1の保留についての事前判定は実行され、予告報知も実行可能であるが、特図2についての事前判定の結果が上記特定の当否判定結果(例えば「確変大当り」等)であった場合には、その後の特図1の保留についての事前判定を行わず、新たな予告報知を行わないようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、特図先読み結果がはずれである場合を除き、第2特図始動口232が進入容易状態である(普図高確率状態である)場合における特図2の先読み報知を、第2特図始動口232が進入困難状態である(普図低確率状態である)場合における特図2の先読み報知よりも、高い予告確率で行う。
なお、本実施形態では、第1副制御部400が、主制御部300からのコマンドを受けて先読み報知判定処理を実行するが、主制御部300が先読み報知判定処理を実行するようにしてもよい。
以上説明した先読み報知判定処理によって先読み報知が行われることが決定した場合には、本実施形態では、先読み報知態様を表す情報が、図15(a)に示す情報送信処理(ステップS319)において第2副制御部500に送信され、第2副制御部500が装飾図柄表示装置(液晶表示装置)208を制御することによって、装飾図柄表示装置208で先読み報知が行われる。この先読み報知は、先読みした始動情報に基づく特図関連処理の当否判定(本抽選)の結果が報知される前に行われる。先読み報知判定処理を実行する第1副制御部400と、第2副制御部500を併せたものが、本発明にいう予告報知手段の一例に相当する。
なお、先読み報知は、装飾図柄表示装置208に限らず、各種ランプ418やスピーカ120や演出可動体224で行われてもよい。
また、第1副制御部400は、先読み報知判定処理において先読み報知を行わないと判定した場合(先読み報知態様を「なし」と判定した場合)には、取得した予告乱数値に基づいて、偽先読み報知を行うか否かを判定し、行う場合には増加した保留に対して偽先読み報知を行うようにしてもよい。例えば、偽先読み報知を行う確率が行わない確率よりもひ低くなるように予め所定確率に設定しておき、偽先読み報知を行うか否かの判定を行えばよい。偽先読み報知の報知態様は、上述の先読み演出1と同じ態様であってもよい。
ここで、特図1関連抽選処理よりも特図2関連抽選処理を優先して行うことや、特図1関連抽選処理における抽選の結果報知よりも特図2関連抽選処理における抽選の結果報知を優先して行う場合(以下、この場合を特図2優先変動と称する)に、事前予告を行うこ
とによる問題点について詳述する。
まず、遊技者による止め打ちについて説明する。ここにいう止め打ちとは、遊技者が、遊技球の、遊技領域への打ち込みを意図的に行わなくなることをいう。パチンコ機100は遊技規則に従ったものでなければならず、昨今の遊技者はその遊技規則を分析してパチンコ機の攻略をたててくる。遊技者による止め打ちも、この攻略の一つであって、例えば4つ保留されている特図1変動遊技の中でも大当りが期待できる特図1変動遊技を獲得しておき、例えば4つ保留されている特図2変動遊技の中でも大当りが期待できる特図2変動遊技を獲得しておく攻略法である。
この攻略法では、普図高確率状態(第2特図始動口232(第2始動領域)に遊技球が相対的に進入容易な進入容易状態)にあるのか普図低確率状態(第2特図始動口232(第2始動領域)に遊技球が相対的に進入困難な進入困難状態)にあるのかが大きく関わってくる。そこで、まず、普図高確率状態と普図低確率状態についてまとめておく。本願出願時点の遊技規則によれば、大当たり遊技中(特別遊技状態中)は普図低確率状態になる。また、本実施形態では、大当たり遊技終了後の特図高確率状態中(確率変動中)には普図高確率状態が維持される。一方、大当たり遊技終了後に特図低確率中であっても、電サポ状態になるため普図高確率状態になる。ただし、特図低確率中の電サポ状態においては、特図1変動遊技の抽選回数と特図2変動遊技の抽選回数を合算した値が100回を越えると普図低確率状態になる。
止め打ちを行う遊技者は、普図低確率状態では、第2特図始動口232への入賞が困難になるため、普図低確率状態になる前の普図高確率状態で、特図1変動遊技についても大当りを獲得し、特図2変動遊技についても大当りを獲得しようとして、遊技球の発射を一定期間行わず、貯まった保留を一旦、消化させようとする。
以下、図17〜図19を用いて説明するが、ここでの説明では、下記(1)〜(5)までの事項が前提になる。
(1)パチンコ機100は普図高確率状態であり、第2特図始動口232は相対的に進入容易な進入容易状態にある。
(2)大当り遊技が開始されると、パチンコ機100は普図低確率状態になり、第2特図始動口232は、相対的に進入困難な進入困難状態になる。また、大当たり遊技終了後には普図高確率状態(電サポ状態)になるが、特図低確率中の普図高確率状態では、特図1変動遊技の抽選回数と特図2変動遊技の抽選回数を合算した値が100回を越えると普図低確率状態になる。
(3)特図2優先変動が行われる。
(4)特図1変動遊技の最大保留数は4であり、特図2変動遊技の最大保留数も4である。
(5)特図2の大当たりのほうが、特図1の大当たりよりも遊技者に付与する利益量の大きい大当たりが選択されやすい。
(6)遊技者は、先読み報知が行われるパチンコ機か否か、および上記(2)〜(5)についても知っている。
図17は、従来のパチンコ機普図高確率状態において、第1特図始動口230への入賞に基づく事前予告を行った場合の例を示す図である。
図17には、a、b、c・・・といった順でxまで時間が進んだときの、a〜xの各タイミングにおける、第1特図保留ランプ218と第2特図保留ランプ220の状態が示されている。また、図17に示す黒丸は、事前予告がなされた保留を表し、ハッチングを施した丸は事前予告がなされなかった保留を表し、白丸は保留なしを表す。遊技者は、事前
予告が行われることを知っており、事前予告がなされた保留を、特図1変動遊技の保留の中にも、特図2変動遊技の保留の中にも獲得しようとしている。すなわち、この図でわかりやすく言えば、4つの第1特図保留ランプ218のうちの一つ以上を黒丸にしようとするとともに4つの第2特図保留ランプ220のうちの一つ以上も黒丸にしようとしている。
遊技者は遊技球の、遊技領域への打ち込みを繰り返し(打ち出しを継続的に行い)、やがて、図17に示すように普図高確率状態が開始され、第2特図始動口232が相対的に入賞しやすい進入容易状態になる。遊技者は打ち出しを継続的に行い、特図1変動遊技の保留および特図2変動遊技の保留は徐々に貯まっていき(a〜g)、やがて特図1変動遊技の保留も特図2変動遊技の保留も最大保留数である4まで貯まる(h)。a〜hまでの間には1回も事前予告がなされず、この段階では、遊技者は、事前予告がなされた保留を一つも獲得してない。こうなると、遊技者は止め打ちを実行する。すなわち、遊技者は、貯まった保留を一旦、総て消化させるため、遊技球の、遊技領域への打ち込みを行わなくなる(止め打ち)。上記(3)の前提から、特図2変動遊技の保留が特図1変動遊技の保留よりも優先して消化され(i〜j)、やがて、総ての保留が消化される(k)。保留消化中には、一度も大当りに当選していない。
遊技者は、総ての保留が消化されるまで止め打ちを継続し、総ての保留が消化されると、打ち出しを開始する(m)。やがて特図1変動遊技の保留も特図2変動遊技の保留も最大保留数である4まで再び貯まる(n)ものの、依然として1回も事前予告がなざれず、この段階でも、遊技者は、事前予告がなされた保留を一つも獲得してない。そのため、遊技者は、再び止め打ちを実行し総ての保留を消化させる(o〜p)。ここでの保留消化中でも、一度も大当りに当選していない。
総ての保留が再び消化されると、遊技者は打ち出しを再開し(q)、とうとう、特図1変動遊技に関する事前予告がなされ、遊技者は、特図1変動遊技の保留の中に、事前予告がなされた保留を獲得する(r)。
続いて遊技者は、特図2変動遊技の保留の中に、事前予告がなされた保留を獲得するため、打ち出しを継続する(s〜u)。ここで、第2特図始動口232が進入容易状態にあり、特図2変動遊技の保留が特図1変動遊技の保留よりも優先して消化されるため、4つまで貯まった特図2変動遊技の保留(s)は、一つ消化される(t)と、第2特図始動口232への入賞が受け付けられて一つ追加される。このような、特図2変動遊技の保留が、一つ消化されると一つ追加されることを繰り返すうちに、ついに、特図2変動遊技に関する事前予告がなされ、遊技者は、特図2変動遊技の保留の中にも、事前予告がなされた保留を獲得する(u)。これで、遊技者は、事前予告がなされた保留を、特図1変動遊技の保留の中にも、特図2変動遊技の保留の中にも獲得したことになる。
やがて、事前予告がなされた特図2変動遊技の抽選が行われ、通常大当り(図5(a)に示す「特図B」)に当選して大当り遊技が行われる(v)。大当たり遊技が終了すると特図低確率中の電サポ状態になり、特図100回抽選分の普図高確率遊技状態で大当たりを獲得することができずに101回目以降は普図低確率状態になって、第2特図始動口232への入賞は困難になる(進入困難状態)。こうなると、特図1変動遊技の保留が消化され始め、事前予告がなされた特図1変動遊技の抽選が行われ、大当りに当選して大当り遊技が再び開始される(x)。
以上説明した例では、保留8個分の変動を待つ、非常に長い止め打ちが2回(i〜kとo〜p)行われており、パチンコ機の稼働率が大幅に低下する。
それでは、事前予告を行わなければ、止め打ちを抑えることができるかというと、そうでもない場合がある。
図18は、従来のパチンコ機が普図高確率状態において、第2特図始動口232への入賞に基づく事前予告を行わない場合の例を示す図である。
図18にも、図17と同じく、a〜uの各タイミングにおける、第1特図保留ランプ218と第2特図保留ランプ220の状態が示されている。また、この図18に示す黒丸は、大当りになる保留を表し、ハッチングを施した丸は外れになる保留を表し、白丸は保留なしを表す。この例では、遊技者は、第2特図始動口232への入賞に基づく事前予告が行われないことを知っている。
a〜hまでの、特図1変動遊技の保留も特図2変動遊技の保留も最大保留数である4まで貯まるところまでは、図17と同じであるため説明は省略する。特図1変動遊技の保留も特図2変動遊技の保留も最大保留数である4まで貯まると、いくら入賞しても保留はこれ以上は増えないことから、遊技者は、やはり止め打ちを行う。上記(3)の前提から、特図2変動遊技の保留が特図1変動遊技の保留よりも優先して消化されるため、止め打ちを行うことで、特図2変動遊技の保留が消化され始める(i〜j)。特図2変動遊技の保留が半分まで消化されると、遊技者は、再び打ち出しを開始し、特図2変動遊技の保留を4つまで戻そうとする(k〜m)。遊技者は、止め打ちを行って保留を少し消化させ(n〜o,r〜s)、また保留を4つまで戻す(p〜q)ということを繰り返す。pのタイミングで、大当りになる特図2変動遊技の保留を獲得したが、第2特図始動口232への入賞に基づく事前予告が行われないこの例では、遊技者は大当りになる特図2変動遊技の保留を獲得したことを知ることはできず、次に止め打ちを行って、保留を消化させることで、大当りになる特図2変動遊技の抽選が行われて大当り遊技が開始される(s)。
このように、事前予告を行わなくても、止め打ちは必要に繰り返され、パチンコ機の稼働率が低下する。
また、大当り遊技が開始すると、上記(2)の前提から普図低確率状態になって第2特図始動口232が進入困難状態になり、第2特図始動口232への入賞は困難になる。また、普図低確率状態中は普図の変動時間が普図高確率状態中よりも長い時間が選択されやすい場合には、大当り遊技が終了したタイミングでは、特図2変動遊技の保留が1つしか残っていなく(u)、かつ、大当たり終了間際に抽選された普図が変動中であることが多くなり、普図高確率状態の抽選がすぐに行われず、特図1の抽選が行われてしまう可能性が高い。上記(5)の前提から、遊技者は特図1で大当たりを獲得するよりも、特図2で大当たりを獲得したいため、遊技者にとっては、特図2変動遊技の保留を一つでも多く残しておきたい。なお、本実施形態では、大当たり遊技が終了した後、必ず普図高確率遊技状態に移行するようにしているが、普図高確率遊技状態の移行を抽選によって決定する機種など、普図高確率遊技状態に移行しない場合がある遊技機にあっては、大当り遊技が終了したタイミングでは、第2特図始動口232が進入困難状態であることから、遊技者にとっては、特図2変動遊技の保留を一つでも多く残しておきたい。
続いて、本実施形態のパチンコ機が普図高確率状態である場合の例について説明する。図19は、本実施形態のパチンコ機が普図高確率状態である場合の例を示す図である。
図19にも、図17と同じく、a〜xの各タイミングにおける、第1特図保留ランプ218と第2特図保留ランプ220の状態が示されている。また、この図19に示す黒丸は、事前予告がなされて大当りになる保留を表し、細かい目のハッチングを施した丸は外れではあるが遊技者を高揚させるために偽事前予告がなされる保留を表し、粗い目のハッチ
ングを施した丸は偽事前予告がなされない外れの保留を表し、白丸は保留なしを表す。
また、本実施形態のパチンコ機100では、第2特図始動口232が進入容易状態である(普図高確率状態である)場合における特図1変動遊技の事前予告や偽事前予告は行われない。遊技者は、このことを知っており、普図高確率状態であるこの例においては、特図1変動遊技の事前予告や偽事前予告は行われないものという認識でいる。なお、図19に示す例は、特図1変動遊技の事前予告や偽事前予告は行われなかったという例である。一方、特図2変動遊技の事前予告や偽事前予告は行われるという認識でいる。したがって、遊技者は、本実施形態のパチンコ機100に対しては、4つ保留されている特図1変動遊技の中でも大当りが期待できる特図1変動遊技を獲得しておき、4つ保留されている特図2変動遊技の中でも大当りが期待できる特図1変動遊技を獲得しておくという攻略法は諦め、事前予告や偽事前予告が行われる特図2変動遊技の中で大当りが期待できる特図2変動遊技を獲得することに専念するようになる。なお、遊技者は、事前予告と偽事前予告の区別はつかず、偽事前予告でも事前予告であることを期待して遊技を進める。
a〜hまでの、特図1変動遊技の保留も特図2変動遊技の保留も最大保留数である4まで貯まるところまでは、図17と同じであるため説明は省略する。特図1変動遊技の保留も特図2変動遊技の保留も最大保留数である4まで貯まると、いくら入賞しても保留はこれ以上は増えないことから、遊技者は、本実施形態のパチンコ機100においても、やはり止め打ちを行う。上記(3)の前提から、特図2変動遊技の保留が特図1変動遊技の保留よりも優先して消化されるため、止め打ちを行うことで、特図2変動遊技の保留が消化され始める(i〜j)。特図2変動遊技の保留が半分まで消化されると、遊技者は、再び打ち出しを開始し、特図2変動遊技の保留を4つまで戻そうとする。この際、偽事前予告がなされた保留を獲得する(k)。遊技者は、偽事前予告を事前予告であると期待して、この保留された特図2変動遊技の抽選結果を楽しみに待ちつつ、この保留された特図2変動遊技が大当りであった後のことを考える。すなわち、大当り遊技が終了したタイミングでは、上述のごとく、遊技者にとっては、特図2変動遊技の保留を一つでも多く残しておきたい。そのため、特図2変動遊技の保留を最大保留数まで貯めた状態で大当り遊技が開始するよう、打ち出しを続ける(k〜q)。偽事前予告がなされた特図2変動遊技の抽選結果が外れとして表示され(k)、遊技者は先の予告が偽事前予告であったことに気付く。この段階では、遊技者は、事前予告や偽事前予告がなされた保留を一つも獲得してない。そのため、止め打ちを行って保留を少し消化させ(r〜s)、また保留を4つまで戻すということを繰り返そうとするが、ここでは、事前予告がなされた保留を獲得する(s)。事前予告がなされた特図2変動遊技の変動表示中には、遊技者は、上述と同じようなことを考え、特図2変動遊技の保留を最大保留数まで貯めようとする(u〜v)。やがて、事前予告がなされた特図2変動遊技の抽選結果が表示され、大当り遊技が開始される(w)。
また、大当り遊技が終了したタイミングでは、特図2変動遊技の保留は最大保留数まで貯まっている(x)。
図17や図18における従来のパチンコ機における例と比べて、図19に示す本実施形態のパチンコ機の例では、止め打ちが明らかに減っていることがわかる。したがって、本実施形態のパチンコ機100によれば、事前予告や偽事前予告を行うことで、遊技者に期待感を持たせることが可能になるなど興趣を向上させつつ、それらの事前予告や偽事前予告を行う予告確率を状況に応じて(ここでは電サポ状態であるか非電サポ状態であるかに応じて)変更することで、遊技性を高め、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。しかも、偽事前予告を行うことで、遊技者の遊技意欲をかき立てながら、止め打ちを効果的に低減させることができる。また、第2特図始動口232での大当たりの方が、第1特図始動口230での大当りよりも、遊技者に付与する利益量の大きい大当たり(例えば、
ラウンド数が多い大当り等)が選択されやすくしておけば、遊技者は、止め打ちを行うよりも、大当り終了後の、第2特図始動口232での大当たりのチャンスを多く取得しようとする。この結果、止め打ちがより低減される。
なお、ここでの説明では、第2特図始動口232が進入容易状態である場合を普図高確率状態とし、第2特図始動口232が進入困難状態である場合を普図低確率状態として説明してきたが、これに限られることはない。すなわち、止め打ちを抑えることを念頭にするならば、止め打ちは、図2に示す一対の羽根部材1281が開いている場合に行われる行為であり、普図高確率状態(電サポ状態)という言葉に拘束されることなく、第2特図始動口232が相対的に入賞しやすい状態にあれば、第1特図始動口230への入賞に基づく事前予告や偽事前予告を行う予告確率を相対的に低くすればよい。
以上説明したように、第2特図始動口232が進入容易状態である(電サポ状態である)場合における特図1変動遊技の事前予告や偽事前予告を行わないことは、止め打ちを防止する上で有効である。本実施形態のパチンコ機100ではさらに、非電サポ状態(普図低確率状態)でも、電サポ状態(普図高確率状態)へいずれ移行することが特図先読み結果でわかった場合には、そのわかった時点以降の特図1変動遊技の事前予告や偽事前予告は、非電サポ状態から電サポ状態へ移行し、再び非電サポ状態になるまで行わない。このように、特図先読み結果を有効に利用して一歩先の制御状態(電サポ状態)を見越して対応することは、止め打ちを防止する上でより有効である。
図20は、本実施形態のパチンコ機100における非電サポ時の先読み報知の一例を示す図である。
図20には、装飾図柄表示装置の表示画面2080が示されている。図20に示す表示画面2080には左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、および右図柄表示領域208cそれぞれで装飾図柄が変動表示している様子が示されている。また、演出表示領域208dには、左側に特図1の保留状況が示され、右側には特図2の保留状況が示されている。白丸は保留無しの表示を示し、色付きの表示は保留ありの表示を示す。この色付きの表示のうち、横縞の表示は、図6(b)に示す特図関連処理(S213)における当否判定(本抽選)の結果が、特図先読み結果に基づいて特定の当否判定結果(ここでは確変大当りまたは通常大当り)になることを遊技者に事前に報知する表示(先読み演出1の態様の表示)である。なお、図20の表示画面2080には示されていないが、色付きの表示のうち、縦縞と横縞がクロスしている表示も、特図関連処理(S213)における当否判定(本抽選)の結果が、特図先読み結果に基づいて特定の当否判定結果になることを遊技者に事前に報知する表示(先読み演出2の態様の表示)である。また、色付きの表示のうち、無模様の表示は、特図関連処理(S213)における当否判定(本抽選)の結果が、特図先読み結果に基づいて特定の当否判定結果になることを遊技者に報知しない表示、すなわち事前予告が行われていない通常保留表示である。
図20に示す例は、図9(b)に示す特図1用の先読み情報一時記憶部の例に対応する一例である。演出表示領域208dの右側に示されている特図2の保留状況は、一つも保留がなく、演出表示領域208dの左側に示されている特図1の保留状況は、保留が3つ貯まっている様子が示されている。特図1の保留状況を示す4つの表示のうち、左端の表示は、最も古い保留の表示であり通常保留表示になっており、左から2つめの表示は、次に古い保留の表示であり先読み演出1の態様の表示になっており、左から3つめの表示は、最も新しい保留の表示であり通常保留表示になっている。本実施形態では、先読み演出1の態様の表示や先読み演出2の態様の表示は、その保留が消化されるまで表示され続ける。すなわち、その保留に対して特図関連処理(S213)における当否判定(本抽選)が開始するまで表示され続ける。なお、先読み演出1の態様の表示や先読み演出2の態様
の表示は、1回の図柄変動停止表示が終了するまでの期間等、所定の期間に限って行われるようにしてもよい。
図20に示す例では、特図1の2番目に古い保留に対する先読み報知判定処理で、先読み演出1が選択され、その結果、次の保留の表示は通常保留表示になっている。特図1の左から2つめの先読み演出1の態様による表示は、確変大当りになることを予告した表示であって、本発明にいう第1予告報知の一例に相当する。図20に示す例は、非電サポ状態であって第2特図始動口232は進入困難状態である場合の例であり、この表示が行われた時にも第2特図始動口232は進入困難状態である。本実施形態では、この状態で、特図1について先読み演出1あるいは先読み演出2の態様による表示が1回行われると、第2特図始動口232が進入困難状態から進入容易状態へ移行しその後進入困難状態へ戻るまで、特図1について先読み演出1あるいは先読み演出2の態様による表示は行われない。第2特図始動口232が進入困難状態から進入容易状態へ移行しその後進入困難状態へ戻ったことが、本発明にいう所定条件の一例に相当する。なお、第2特図始動口232が進入容易状態である電サポ状態では、そもそも1回も、特図1について先読み演出1あるいは先読み演出2の態様による表示は行われない。
しかしながら、図20には示されていないが、非電サポ状態で、特図1について先読み演出1あるいは先読み演出2の態様による表示が1回行われても、特図2について先読み演出1あるいは先読み演出2の態様による表示は行われる。特図2について、先読み演出1あるいは先読み演出2の態様による表示は、本発明にいう第2予告報知の一例に相当する。
図21は、本実施形態のパチンコ機100における非電サポ時の先読み報知の他の一例を示す図である。
図21に示す例も、図9(b)に示す特図1用の先読み情報一時記憶部の例に対応する一例であるが、この例では、特図1の2番目に古い保留に対する先読み報知判定処理で、先読み演出2が選択され、特図1の左から2つめの表示は、先読み演出2の態様の表示になっている。上述のごとく、先読み演出1は、事前予告の場合であっても偽事前予告の場合であっても選択される(図16参照)。このことを知っている遊技者は、特図1の2番目に古い保留の表示が、図20に示す例では、事前予告の表示なのか偽事前予告の表示なのかわからないが、この例では、事前予告の表示であることがわかる。
また、本実施形態では、先読み処理は入賞順に処理しているが、第2特図始動口232へ入賞した場合に導出される特図2の始動情報の先読みを、第1特図始動口230へ入賞した場合に導出される特図1の始動情報の先読みよりも優先して行ってもよい。すなわち、特図2の保留記憶部に記憶されている始動情報を総て先読みし、先読みした特図2の始動情報を用いた事前判定を総て行ってから、特図1の保留記憶部に記憶されている始動情報を先読みする。そして、特図2の始動情報を用いた事前判定の結果、特図2の先読み報知を行った場合には、その特図2の始動情報に基づく本抽選の結果が報知されるまで、特図1の先読み報知を行わないようにしてもよい。特図2の始動情報に基づく本抽選の結果が報知されることが、本発明にいう所定の第2条件の一例に相当する。
ここで、本実施形態についての補足を行う。従来の遊技台では、保留内で1つ目に大当りを先読みし、それ以降の保留が大当りであることを報知した場合、大当りが2回もあると遊技者に報知することになり、遊技者の興趣を過剰に煽ってしまうという問題があった。
また、従来の遊技台では、保留内で大当りを先読みし、それ以降の保留がハズレである
ことを先読みして報知した場合、大当り終了後にハズレである保留を消化した後で遊技を進行されてしまう問題があった。すなわち、保留内のハズレを早期に消化して保留数を有効に使う事ができてしまう。換言すると、大当り後に電サポ状態となって電サポ状態が終了した場合、電サポ状態時に保留した最大保留数分(例えば、8個)のチャンスに遊技者は期待を寄せるが、ハズレが確定である保留を事前に消化した遊技者と消化していない遊技者との間で公平性が保てなくなってしまう。
さらに、従来の遊技台では、保留内で1つ目に大当りを先読みし、それ以降の保留が良い大当りか悪い大当りであることを先読みして報知した場合、大当り消化後に良い大当りが保留されている場合には、さらに良い大当りを引き当てようと遊技を進めることができてしまい、大当り消化後に悪い大当りが保留されている場合には、悪い大当りを消化しないように遊技を進めることができてしまうという問題があった。
これらの問題点を解決する本実施形態のパチンコ機100は、特図1よりも特図2を優先的に変動するパチンコ機100であって、特図が1つしかないパチンコ機や、特図が2つあるものの、入賞順変動するパチンコ機や同時変動するパチンコ機とは異なる。本実施形態では、特図2が優先的に変動するパチンコ機100において、非電サポ時に特図1の大当りを1つ先読みした場合には、その大当りの保留の後の保留に基づく先読み報知を行わない。主制御部300は、保留の先読みをした場合に第1副制御部400に送信する情報として、先読みした特図1あるいは特図2の停止図柄を表す情報(特図先読み結果)を生成し、先読みを行わない場合は先読み未判定情報を生成して第1副制御部400に送信する。なお、本実施形態では、特図先読み結果の情報を、始動口入賞して保留が増加した場合に第1副制御部400に送信するが、変動開始時など他のタイミングで送信してもよい。また、第1副制御部400は、主制御部300から送信されてきた特図先読み結果の情報に基づいて先読み報知可否判定を行う。ここで、第1副制御部400は、特図先読み結果の情報に基づいて先読み報知を行わない場合には、偽先読み報知を行うか否かを判定し、行う場合には増加した保留に対して偽先読み報知を行ってもよい。
なお、非電サポ時に特図1の大当りを1つ先読みした場合、大当りの保留の後の保留についての先読み処理(先読み未判定情報の生成や、特図先読み結果の情報の第1副制御部400への送信)を行わないようにしてもよい。また、本実施形態では、第2特図始動口232の近傍に一対の羽根部材2321が設けられているが、この羽根部材2321が無い遊技台であっても本発明を適用可能である。さらに、本実施形態では、第1特図始動口230と第2特図始動口232の位置を近接させた例を示したが、例えば、第1特図始動口230と第2特図始動口232を、遊技領域124の左側と右側にそれぞれに配置して、遊技者が打ち分けできるような遊技台であっても本発明を適用可能である。
また、特図1の大当りを1つ先読みした場合、該大当りの先読み報知の有無に係らずに大当りの保留の次以降の保留に基づく先読み報知を行わないようにしてもよい。こうすることで、1つ目の大当りに基づく先読み報知をせずに2つ目の大当りに基づく先読み報知をして1つ目の大当り終了後に保留内に大当りがあることを報せることがないため、遊技者に公平な遊技を提供することができる。
また、特図1の大当りを1つ先読みした場合、大当りの保留の次以降の保留に基づく先読み処理を行わないようにしてもよい。こうすることで、遊技者に公平な遊技を提供することができるとともに制御負担が軽減する場合がある。
また、先読み処理を行う手段は、保留を先読みして各保留に対応する特図先読み結果を表す情報を生成し、特図1の大当りを1つ先読みした場合、大当りの保留の後の保留については始動情報の先読みをせずに各保留に対応する先読み未判定情報を生成してもよい。
こうすることで、先読みした場合と先読みしない場合とで情報を生成するため、処理を共通化することができる。
さらに、非電サポ時のみ特図1の先読み処理を行うようにして、電サポ時には特図1の先読み処理を行わないようにしてもよい。こうすることで、大当りを温存したまま遊技を進行される虞がないため、遊技者に公平な遊技を提供することができる。
また、特図低確率時ははずれ、特図高確率時は大当りとなる特図1の保留を先読みした場合には、その保留の後の保留に基づく先読み報知を行わないようにしてもよい。特図高確率時は大当りとなる保留以降の保留の先読み報知を行わないことにより、特図2が変動して確変大当りとなった場合に複数の大当りが保留にあることを遊技者に報知して遊技者の興趣を過剰に煽ってしまうことがない。
また、特図1の大当りを1つ先読みした場合、保留に基づかない先読み報知に似せた偽先読み報知(図20や図21に示す例では大当りの保留の次以降の保留表示を変化)を所定確率で行ってもよい。大当りの先読み報知が大当り確定報知ではない場合にガセ先読み報知を行うことにより、大当りの先読み報知が当りか否かを判らなくさせることができ、遊技者の興趣を向上することができる場合がある。
さらに、特図1の大当りを1つ先読みし、且つ大当りの先読み報知が大当り確定報知(例えば、図21に示す先読み演出2の態様による表示)である場合、偽先読み報知をするか否かの判定処理を行わないようにしてもよい。こうすることで、大当り確定報知後に偽先読み報知を行って遊技者を興ざめさせることがないとともに、制御負担を軽減することができる場合ある。
また、図16に示す先読み報知可否判定テーブルを用いた先読み報知判定処理では、先読み情報種別が未判定であった場合には、先読み報知を行なわない例を示したが、これに限定されず、先読み情報種別が未判定である場合には、所定の乱数抽選(当否判定)の結果が特定の結果となったことに基づいて所定の先読み報知態様で先読み報知を実行するように構成してもよい。例えば、先読み情報種別が未判定である場合には、1/100の確率で先読み演出1の態様で先読み報知を行ない、99/100の確率で先読み報知を行なわないように構成しても良い。先読み演出2は偽事前予告の場合には選択されない上述の例に合わせて、当否判定の結果が特定の当否判定結果になるかどうか分からない未判定の場合には、先読み演出2は選択されないようにしている。このように当否判定の結果が特定の当否判定結果にならないと事前判定された場合にも選択される所定の報知態様は、先読み情報種別が未判定であることに基づいて選択され、報知が実行され得るように構成しても良い。
以下、本発明に関係することについて付記する。
(付記1)
遊技球が始動領域に進入した場合に、始動情報を導出する始動情報導出手段と、
前記始動領域のうち第1の始動領域に遊技球が進入したことに基づいて、前記始動情報導出手段が導出した始動情報を所定の上限数まで記憶可能な第1の始動情報記憶手段と、
前記始動領域のうち前記第2の始動領域に遊技球が進入したことに基づいて、前記始動情報導出手段が導出した始動情報を所定の上限数まで記憶可能な第2の始動情報記憶手段と、
前記第1の始動情報記憶手段および前記第2の始動情報記憶手段のうちの両方に前記始動情報が記憶されている場合には、前記第2の始動情報記憶手段から始動情報を取得し、
前記第1の始動情報記憶手段および前記第2の始動情報記憶手段のうちの一方にのみ前
記始動情報が記憶されている場合には、前記始動情報が記憶されている始動情報記憶手段から始動情報を取得するように構成された始動情報取得手段と、
前記始動情報取得手段が取得した始動情報に基づいて当否判定を行なう当否判定手段と、
前記当否判定手段による当否判定結果が特定の当否判定結果である場合に、遊技者に対する有利度が第1の有利度である第1の制御状態から該第1の有利度と有利度が異なる第2の有利度である第2の制御状態に制御状態を移行させる制御状態移行手段と、
図柄を変動表示させた後、前記当否判定手段による当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する図柄変動停止表示を行なう図柄表示手段と、
前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に、前記第1の始動情報記憶手段および前記第2の始動情報記憶手段のうちの一方または両方に記憶されている始動情報を先読みする始動情報先読手段と、
前記第1の始動情報記憶手段および前記第2の始動情報記憶手段のうちの一方または両方に記憶されている所定の始動情報に基づく当否判定が前記当否判定手段によって行なわれるよりも前に、前記始動情報先読手段によって先読みされた該所定の始動情報に基づいて該当否判定手段が前記特定の当否判定結果を導出するかどうかを事前判定する事前判定手段と、
前記事前判定手段による事前判定結果に基づいて、前記当否判定手段が前記特定の当否判定結果を導出することを事前予告するための事前予告報知を、前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に行なう事前予告手段とを備えた遊技台であって、
前記第1の事前判定手段は、
前記第1の始動情報記憶手段に記憶されている複数の始動情報のそれぞれについて前記事前判定を行なうように構成され、特定の事前判定結果が導出されたことを条件に、該複数の始動情報のうちの事前判定を行なっていない始動情報については、前記当否判定手段による当否判定が行なわれた場合に、前記特定の当否判定結果が導出されるかどうかの判定をせずに所定の事前判定結果を導出することを特徴とする遊技台。
例えば、特定の情報が保留されていること、およびその特定の情報に基づく遊技制御の後で非優先側の特図1でさらに特定の情報に基づく遊技制御が行なわれることが事前予告報知されると、特図1の保留を消化せずに特図2の保留で遊技を進めることで、特図1および特図2の両方で特定の情報に基づく遊技制御が行なわれる確率が高まる。遊技の進め方によって遊技の有利度が変わってしまうと、遊技者に対する公平性が低下し、遊技者に不信感を与えてしまう場合がある。付記1記載の遊技台によれば、特定の情報が保留されている場合には、他にも特定の情報が保留されているかどうかの判定を行なわないことで、遊技の公平性の担保および遊技者に安心感を与えることができる場合がある。
また、所定の第1の特定状態と該第1の特定状態よりも遊技球が前記始動領域に進入し易い第2の特定状態の一方から他方に始動領域への遊技球の進入しやすさを変化させる進入率変化手段を備え、
前記当否判定手段による当否判定結果が特定の当否判定結果であることを条件に、前記進入率変化手段が前記第2の特定状態とする確率は、前記進入率変化手段が前記第2の特定状態としない確率よりも高くしたことを特徴とする遊技台であってもよい。
さらに、所定の第1の特定状態と該第1の特定状態よりも遊技球が前記始動領域に進入し易い第2の特定状態の一方から他方に始動領域への遊技球の進入しやすさを変化させる進入率変化手段を備え、
前記当否判定手段による当否判定結果が特定の当否判定結果であることを条件に、前記進入率変化手段が前記第2の特定状態とすることを特徴とする遊技台であってもよい。
(付記2)
付記1に記載の遊技台において、
前記第2の始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を先読みする第2の始動情報先読手段と、
前記当否判定手段による当否判定が行なわれた場合に、前記特定の当否判定結果が導出されるかどうかを前記第2の始動情報先読手段により先読みされた始動情報に基づいて事前判定する第2の事前判定手段と、を備え、
前記事前予告手段は、前記第1の事前判定手段による事前判定結果および前記第2の事前判定手段による事前判定結果に基づいて、前記当否判定手段が前記特定の当否判定結果を導出することを事前予告するための事前予告報知を、前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に行なうことを特徴とする遊技台。
付記2記載の遊技台によれば、両方の特図変動遊技の保留内容を先読みするので遊技の演出効果を高められる場合がある。
(付記3)
付記2に記載の遊技台において、
前記第1の事前判定手段が前記事前判定を行なった結果、前記特定の事前判定結果が導出された場合でも、前記第2の事前判定手段は、前記第2の始動情報記憶手段に記憶されているすべての始動情報について前記事前判定を行なうことを特徴とする遊技台。
付記3記載の遊技台によれば、遊技の公平性の低下への影響が少ない優先側の特図変動遊技の保留内容はすべて先読みするので遊技の演出効果を高められる場合がある。
(付記4)
付記1乃至付記3のいずれかに記載の遊技台において、
前記第1の事前判定手段が導出した1または複数の事前判定結果を、前記事前判定に使用した始動情報を特定可能に記憶する第1の事前判定結果記憶手段を備え、
前記第1の事前判定手段が導出した事前判定結果が前記所定の事前判定結果である場合は、第1の事前判定結果記憶手段における未判定の始動情報に対応する領域に未判定情報が記憶されることを特徴とする遊技台。
付記4記載の遊技台によれば、特図変動遊技の保留内容のうち事前判定を行なわなかった保留については未判定であることを示す情報を記憶するので遊技の公平性を担保しつつ、また遊技者に安心感を与えることができる場合がある。
(付記5)
付記2に記載の遊技台において、
前記第2の事前判定手段による前記第2の始動情報記憶手段に記憶されているすべての始動情報についての事前判定が行なわれた後で、前記第1の事前判定手段による前記第1の始動情報記憶手段に記憶されている1または複数の始動情報についての事前判定が行なわれるように構成し、
前記第2の事前判定手段が前記特定の事前判定結果を導出した場合には、前記第1の事前判定手段は、前記第1の始動情報記憶手段に記憶されている1または複数の始動情報のすべてについて前記当否判定手段による当否判定が行なわれた場合に、前記特定の当否判定結果が導出されるかどうかの判定をせずに所定の事前判定結果を導出することを特徴とする遊技台。
付記5記載の遊技台によれば、遊技の公平性の担保および遊技者に安心感を与えることができる場合がある。
(付記6)
第1始動領域および第2始動領域を有する始動領域が設けられ、遊技球が該始動領域に進入したことに基づいて始動情報を導出する遊技台において、
前記第1始動領域に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の個数まで記憶する第1始動情報記憶手段、および前記第2始動領域に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の個数まで記憶する第2始動情報記憶手段を有する始動情報記憶手段と、
前記始動情報記憶手段に前記始動情報が1以上記憶されている状態で所定の当否判定条件が成立すると、前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報に基づく当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定の結果の報知を行うものあって、前記第2始動情報記憶手段に記憶された始動情報に基づく当否判定の結果の報知を、前記第1始動情報記憶手段に記憶された始動情報に基づく当否判定の結果の報知よりも優先して行い、前記当否判定手段による前記当否判定が行われていない始動情報が該第1始動情報記憶手段と該第2始動情報記憶手段とのうちの該第1始動情報記憶手段にのみ記憶されている状態で、新たな始動情報が該第2始動情報記憶手段に記憶された場合には、該第2始動情報記憶手段に記憶された新たな始動情報に基づく当否判定の結果の報知を該第1始動情報記憶手段に既にに記憶されていた始動情報に基づく当否判定の結果の報知よりも先に行う当否判定結果報知手段と、
前記第1始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に先読みする第1始動情報先読み手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が特定の当否判定結果になるか否かの事前判定を前記第1始動情報先読み手段が先読みした始動情報を用いて、前記当否判定手段による当否判定の実行よりも前に行う第1事前判定手段と、
前記当否判定の結果が前記事前判定の結果に基づいて前記特定の当否判定結果になることを遊技者に事前に報知する予告報知を、所定の予告確率で前記当否判定手段による当否判定の実行よりも前に行う予告報知手段とを備え、
前記予告報知手段は、前記当否判定の結果が前記第1事前判定手段による事前判定の結果に基づいて前記特定の当否判定結果になることを遊技者に事前に報知する第1予告報知を1回行った後には、所定条件が成立するまで該第1予告報知を行わないものであることを特徴とする遊技台。
この遊技台は、遊技球が前記始動領域に進入したタイミングで上記始動情報を取得するものであってもよいし、そのタイミングから遅れて上記始動情報を取得するものであってもよい。
第1始動情報記憶手段が記憶する所定の個数と、第2始動情報記憶手段が記憶する所定の個数とは等しい個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
前記当否判定手段は、前記第1始動情報記憶手段に記憶されている始動情報に基づく第1当否判定を行うとともに前記第2始動情報記憶手段に記憶されている始動情報に基づく第2当否判定を行うものである。
前記第1事前判定手段は、前記第1当否判定の結果が特定の当否判定結果になるか否かの第1事前判定を前記第1始動情報先読み手段が先読みした始動情報に基づいて、前記当否判定手段による該第1当否判定の実行よりも前に行うものである。なお、前記第2当否判定の結果が特定の当否判定結果になるか否かの第2事前判定を前記第2始動情報先読み手段が先読みした始動情報に基づいて、前記当否判定手段による該第2当否判定の実行よりも前に行っても行わなくてもよく、前記予告報知手段は、上記第1予告報知の他に、前記第2事前判定の結果に基づいて前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になることを、遊技者に事前に報知する第2予告報知を、所定の予告確率で前記当否判定手段によ
る上記第2当否判定の実行よりも前に行っても行わなくてもよい。
前記第1始動情報先読み手段は、前記予告報知手段が前記第1予告報知を1回行った後には前記所定条件が成立するまで前記第1始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を先読みしないものであってもよいし、あるいは
前記第1事前判定手段は、前記予告報知手段が前記第1予告報知を1回行った後には前記所定条件が成立するまで前記事前判定を行わないものであってもよい。
(付記7)
付記6に記載の遊技台において、
前記第1事前判定手段が行った事前判定の結果を表す情報、および前記予告報知手段が前記第1予告報知を1回行った後から前記所定条件が成立するまでの期間中は前記第1始動情報先読み手段が先読みした始動情報を用いた事前判定が行われていないことを表す未判定情報を記憶する第1事前判定結果記憶手段を備えたことを特徴とする遊技台。
ここで、前記第1事前判定手段は、前記予告報知手段が前記第1予告報知を1回行った後には所定条件が成立するまで前記事前判定を行わないものであってもよいし、前記第1事前判定手段は、前記期間中であっても前記事前判定を行い、前記第1事前判定結果記憶手段が、前記期間中は、前記第1事前判定手段が行った事前判定の結果を表す情報に代えて前記未判定情報を記憶するものであってもよい。
また、第1事前判定結果記憶手段は、前記第1事前判定手段が行った事前判定の結果を記憶する領域を有し、前記期間中は該領域に、前記第1始動情報先読み手段が先読みした始動情報を用いた事前判定が行われていないことを表す未判定情報を記憶するものであってもよい。
さらに、第1事前判定結果記憶手段は、前記事前判定に用いた始動情報を特定可能に記憶するものであってもよい。
また、前記第1事前判定手段は、前記未判定情報を前記予告報知手段に送信するものであってもよいし、前記予告報知手段は、該未判定情報を受け取ると、前記予告報知の決定につき、前記当否判定の結果が前記第1事前判定手段による事前判定の結果に基づいて前記特定の当否判定結果になる場合とは異なる決定をするものであってもよい。
(付記8)
付記6または7に記載の遊技台において、
前記第2始動領域が、遊技球が相対的に進入容易な進入容易状態と相対的に進入困難な進入困難状態とのうちのいずれか一方の状態をとるものであって、
前記予告報知手段は、前記第1予告報知を1回行った時に前記第2始動領域が前記進入困難状態であった場合には、前記所定条件が成立するまで該第1予告報知を行わないものであることを特徴とする遊技台。
ここで、前記予告報知手段は、前記第1予告報知を1回行った時に前記第2始動領域の状態が前記進入困難状態であった場合には、該第2始動領域の状態が該進入困難状態から前記進入容易状態へ移行しその後該進入困難状態へ戻るまで該第1予告報知を行わないものであってもよい。
さらに、前記予告報知手段は、前記第2始動領域の状態が前記進入容易状態である場合には前記第1予告報知を行わないものであってもよい。
(付記9)
付記6乃至付記8に記載の遊技台において、
前記第2始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を前記当否判定手段が当否判定を行なうよりも前に先読みする第2始動情報先読み手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が特定の当否判定結果になるか否かの事前判定を前記第2始動情報先読み手段が先読みした始動情報を用いて、前記当否判定手段による当否判定の実行よりも前に行う第2事前判定手段とを備え、
前記予告報知手段が、前記当否判定の結果が前記第2事前判定手段による事前判定の結果に基づいて前記特定の当否判定結果になることを遊技者に事前に報知する第2予告報知を、所定の予告確率で前記当否判定手段による当否判定の実行よりも前に行うものであることを特徴とする遊技台。
(付記10)
付記9に記載の遊技台において、
前記予告報知手段は、前記第1予告報知を1回行った後であっても、前記所定条件の成立の如何に関わらず前記第2予告報知を所定の予告確率で前記当否判定手段による当否判定の実行よりも前に行うものであることを特徴とする遊技台。
(付記11)
付記9または10に記載の遊技台において、
前記第1事前判定手段は、前記第2始動情報先読み手段によって先読みされた前記第2始動情報記憶手段に記憶されている総ての始動情報を用いた事前判定が前記第2事前判定手段により総て行なわれた後で、前記第1始動情報先読み手段が先読みした始動情報を用いた事前判定を行うものであって、
前記予告報知手段は、前記第2予告報知を行った後には、所定の第2条件が成立するまで前記第1予告報知を行わないものであることを特徴とする遊技台。
ここで、前記第1始動情報先読み手段は、前記予告報知手段が前記第2予告報知を行った後には前記第2条件が成立するまで前記第1始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を先読みしないものであってもよいし、あるいは
前記第1事前判定手段は、前記予告報知手段が前記第2予告報知を行った後には前記第2条件が成立するまで前記事前判定を行わないものであってもよい。
前記予告報知手段は、前記予告報知手段によって行われた前記第2予告報知が遊技者に事前に報知した、前記第2始動情報先読み手段に記憶された始動情報に基づく当否判定の結果が前記特定の当否判定結果であることを、前記当否判定結果報知手段が報知するまで前記第1予告報知を行わないものであってもよい。
(付記12)
図柄の変動表示を開始した後に、遊技者に付与する利益量の抽選結果に対応した図柄態様を停止表示する遊技台において、
遊技者の操作に応じて打ち出された遊技球が転動可能な遊技領域と、
前記遊技領域に設けられた第1の始動口と、
前記遊技領域の所定領域を通過する遊技球を検出する所定の球検出センサと、
前記遊技領域に設けられ、相対的に入賞容易な入賞容易状態と相対的に入賞困難な入賞困難状態とのうちのいずれか一方の状態をとり、前記球検出センサが遊技球を検出したことに基づいて行なわれる乱数抽選に当選した場合に開放する第2の始動口と、
前記第1の始動口に遊技球が入賞した場合に、第1の乱数値記憶領域に乱数値を最大保留数まで格納すると共に、前記第2の始動口に遊技球が入賞した場合に、第2の乱数値記憶領域に乱数値を最大保留数まで格納する入賞記憶部と、
前記第2の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されている場合に、該第2の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて遊技者に付与する利益量の抽選を行うとともに、前記第2の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されておらず、かつ前記第1の乱数値記憶領域に乱数値が記憶されている場合に、該第1の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づいて前記抽選を行う抽選手段と、
前記抽選手段が行う抽選の抽選結果の報知を、次に前記抽選手段による抽選が行われるよりも前に行う抽選結果報知手段と、
前記抽選手段による抽選の実行よりも前に、前記入賞記憶部に記憶されている乱数値に基づいて該抽選結果が遊技者にとって有利な結果となることを遊技者に予め報知する予告報知をするか、しないかを決定し、該予告報知を行う場合には該予告報知を実行する予告報知手段とを備え、
図柄の変動表示を開始してから前記抽選結果報知手段による抽選結果を表す図柄を停止表示するまでの期間の長さを、前記予告報知手段による前記予告報知するか、しないかの決定には基づかずに決定するように構成し、
前記第1の乱数値記憶領域に記憶されている乱数値に基づく前記予告報知手段による前記予告報知は、前記第2の始動口が前記入賞困難状態である場合にのみ行われるものであることを特徴する遊技台。
(付記13)
第1始動領域および第2始動領域を有する始動領域が設けられ、遊技球が該始動領域に進入したことに基づいて始動情報を導出する遊技台において、
前記第1始動領域に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の個数まで記憶する第1始動情報記憶手段、および前記第2始動領域に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の個数まで記憶する第2始動情報記憶手段を有する始動情報記憶手段と、
前記始動情報記憶手段に前記始動情報が1以上記憶されている状態で所定の当否判定条件が成立すると、前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報に基づく当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定の結果の報知を行うものあって、前記第2始動情報記憶手段に記憶された始動情報に基づく当否判定の結果の報知を、前記第1始動情報記憶手段に記憶された始動情報に基づく当否判定の結果の報知よりも優先して行い、前記当否判定手段による前記当否判定が行われていない始動情報が該第1始動情報記憶手段と該第2始動情報記憶手段とのうちの該第1始動情報記憶手段にのみ記憶されている状態で、新たな始動情報が該第2始動情報記憶手段に記憶された場合には、該第2始動情報記憶手段に記憶された新たな始動情報に基づく当否判定の結果の報知を該第1始動情報記憶手段に既に記憶されていた始動情報に基づく当否判定の結果の報知よりも先に行う当否判定結果報知手段と、
前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を、前記当否判定手段が当否判定を当該始動情報に基づいて行なうよりも前に先読みする始動情報先読み手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が特定の当否判定結果になるか否かの事前判定を前記始動情報先読み手段が先読みした始動情報を用いて、前記当否判定手段による当該始動情報に基づく当否判定の実行よりも前に行う事前判定手段と、
前記当否判定の結果が前記事前判定の結果に基づいて前記特定の当否判定結果になることを遊技者に事前に報知する予告報知を、前記当否判定手段による当否判定の実行よりも前に行う予告報知手段とを備え、
前記予告報知手段は、前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になることを示す事前判定の結果を前記事前判定手段が導出したことを条件に、当該事前判定に用いた始動情報とは別であり、かつ前記第1の始動情報記憶手段に記憶されている始動情報に基づく新たな予告報知を行わないものであることを特徴とする遊技台。
付記13に記載の遊技台によれば、例えば、大当りと事前判定された後は、以降の特図
1の保留に基づく新たな事前予告は行なわない。なお、前記予告報知手段が前記新たな予告報知を行わないのは、前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になることを示す事前判定の結果を前記事前判定手段が導出したことであるから、その後に行われる、前記当否判定の結果が前記事前判定手段による事前判定の結果に基づいて前記特定の当否判定結果になることを遊技者に事前に報知する予告報知が1回行われた場合にも、前記新たな予告報知は行われない。
また、前記予告報知手段は、前記新たな予告報知を所定条件が成立するまで行わないものであってもよい。
また、前記当否判定結果報知手段は、前記当否判定の結果の報知を行うものあって、
前記当否判定手段は、前記第2始動情報記憶手段に記憶された始動情報に基づく当否判定を、前記第1始動情報記憶手段に記憶された始動情報に基づく当否判定よりも優先して行い、当否判定が行われていない始動情報が該第1始動情報記憶手段と該第2始動情報記憶手段とのうちの該第1始動情報記憶手段にのみ記憶されている状態で、新たな始動情報が該第2始動情報記憶手段に記憶された場合には、該第2始動情報記憶手段に記憶された新たな始動情報に基づく当否判定を該第1始動情報記憶手段に既に記憶されていた始動情報に基づく当否判定よりも先に行うものであってもよい。
また、図柄を変動表示した後に前記当否判定手段による当否判定結果に対応した図柄態様を停止表示する、図柄の変動表示開始から該当否判定結果に基づく停止表示までの一連の図柄変動停止表示を実行する図柄表示手段を備え、
前記図柄表示手段は、前記第2始動情報記憶手段に記憶された始動情報に基づく当否判定結果に基づく停止表示を行う図柄変動停止表示を、前記第1始動情報記憶手段に記憶された始動情報に基づく当否判定結果に基づく停止表示を行う図柄変動停止表示よりも優先して行い、当否判定が行われていない始動情報が該第1始動情報記憶手段と該第2始動情報記憶手段とのうちの該第1始動情報記憶手段にのみ記憶されている状態で、新たな始動情報が該第2始動情報記憶手段に記憶された場合には、該第2始動情報記憶手段に記憶された新たな始動情報に基づく当否判定結果に基づく停止表示を行う図柄変動停止表示を、該第1始動情報記憶手段に既に記憶されていた始動情報に基づく当否判定結果に基づく停止表示を行う図柄変動停止表示よりも先に行うものであってもよい。
また、前記始動情報先読み手段は、前記第1始動情報記憶手段に記憶されている始動情報および前記第2始動情報記憶手段に記憶されている始動情報の双方の始動情報それぞれを前記当否判定手段が当否判定を当該始動情報に基づいて行なうよりも前に先読みするものであってもよいし、いずれか一方の始動情報のみを前記当否判定手段が当否判定を当該始動情報に基づいて行なうよりも前に先読みするものであってもよい。すなわち、始動情報先読み手段は、前記第1始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を前記当否判定手段が当否判定を当該始動情報に基づいて行なうよりも前に先読みする第1始動情報先読み手段、および前記第2始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を前記当否判定手段が当否判定を当該始動情報に基づいて行なうよりも前に先読みする第2始動情報先読み手段の双方を有するものであってもよいし、前記第1始動情報先読み手段および前記第2始動情報先読み手段のうちのいずれか一方の始動情報先読み手段のみを有するものであってもよい。また、事前判定手段は、前記当否判定手段による当否判定の結果が特定の当否判定結果になるか否かの事前判定を前記第1始動情報先読み手段が先読みした始動情報を用いて、前記当否判定手段による当該始動情報に基づく当否判定の実行よりも前に行う第1事前判定手段、および前記当否判定手段による当否判定の結果が特定の当否判定結果になるか否かの事前判定を前記第2始動情報先読み手段が先読みした始動情報を用いて、前記当否判定手段による当該始動情報に基づく当否判定の実行よりも前に行う第2事前判定手段の双方を有するものであってもよいし、前記第1事前判定手段および前記第2事前判定手
段のうちのいずれか一方の事前判定手段のみを有するものであってもよい。さらに、前記予告報知手段は、前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になることを示す事前判定の結果を前記第1事前判定手段が導出したことを条件に、当該事前判定に用いた始動情報とは別であり、かつ前記第1の始動情報記憶手段に記憶されている始動情報に基づく新たな予告報知を行わないものであってもよいし、あるいは前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になることを示す事前判定の結果を前記第2事前判定手段が導出したことを条件に、当該事前判定に用いた始動情報とは別であり、かつ前記第1の始動情報記憶手段に記憶されている始動情報に基づく新たな予告報知を行わないものであってもよい。
(付記14)
付記13に記載の遊技台において、
前記事前判定手段が行った事前判定の結果を表す情報を記憶する事前判定結果記憶手段を備え、
前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になることを示す事前判定の結果を前記事前判定手段が導出した後で、前記第1の始動情報記憶手段に始動情報が新たに記憶された場合に、事前判定が行われていないことを表す未判定情報を前記事前判定結果記憶手段に追加記憶することを特徴とする遊技台。
(付記15)
付記13または14に記載の遊技台において、
前記第2始動領域が、遊技球が相対的に進入容易な進入容易状態と相対的に進入困難な進入困難状態とのうちのいずれか一方の状態をとるものであって、
前記予告報知手段は、前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になることを示す事前判定の結果を前記事前判定手段が導出した時に前記第2始動領域が前記進入困難状態であった場合には、当該該事前判定に用いた始動情報とは別であり、かつ前記第1の始動情報記憶手段に記憶されている始動情報に基づく新たな予告報知を行わないものであることを特徴とする遊技台。
なお、付記15記載の遊技台は、遊技者の操作に応じて打ち出された遊技球が転動可能な遊技領域、前記遊技領域に設けられた第1始動口(第1始動領域)、前記遊技領域の所定領域を通過する遊技球を検出する所定の球検出センサ、および前記球検出センサが遊技球を検出したことに基づいて開放し相対的に入賞容易な入賞容易状態と相対的に入賞困難な入賞困難状態とのうちのいずれか一方の状態をとる、前記遊技領域に設けられた第2の始動口(第1始動領域)を有する遊技台に適用することができる。
(付記16)
付記13乃至付記15に記載の遊技台において、
前記予告報知手段は、前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になることを示す事前判定の結果を前記事前判定手段が導出した場合であっても、当該事前判定に用いた始動情報とは別であり、かつ前記第2の始動情報記憶手段に記憶されている始動情報に基づく新たな予告報知は行うものであることを特徴とする遊技台。
(付記17)
付記13乃至付記16に記載の遊技台において、
前記事前判定手段は、前記第2始動情報記憶手段に記憶されている総ての始動情報を用いた事前判定を総て行った後で、前記第1始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を用いた事前判定を行うものであって、
前記予告報知手段は、前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になることを示す事前判定の結果を前記事前判定手段が前記第2の始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を用いて導出したことを条件に、前記第1の始動情報記憶手段に記憶されている始動
情報に基づく新たな予告報知を行わないものであることを特徴とする遊技台。
(付記18)
第1始動領域および第2始動領域を有する始動領域が設けられ、遊技球が該始動領域に進入したことに基づいて始動情報を導出する遊技台において、
前記第1始動領域に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の個数まで記憶する第1始動情報記憶手段、および前記第2始動領域に遊技球が進入したことに基づいて導出された始動情報を所定の個数まで記憶する第2始動情報記憶手段を有する始動情報記憶手段と、
前記始動情報記憶手段に前記始動情報が1以上記憶されている状態で所定の当否判定条件が成立すると、前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報に基づく当否判定を行う当否判定手段と、
前記当否判定の結果の報知を行うものあって、前記第2始動情報記憶手段に記憶された始動情報に基づく当否判定の結果の報知を、前記第1始動情報記憶手段に記憶された始動情報に基づく当否判定の結果の報知よりも優先して行い、前記当否判定手段による前記当否判定が行われていない始動情報が該第1始動情報記憶手段と該第2始動情報記憶手段とのうちの該第1始動情報記憶手段にのみ記憶されている状態で、新たな始動情報が該第2始動情報記憶手段に記憶された場合には、該第2始動情報記憶手段に記憶された新たな始動情報に基づく当否判定の結果の報知を該第1始動情報記憶手段に既に記憶されていた始動情報に基づく当否判定の結果の報知よりも先に行う当否判定結果報知手段と、
前記始動情報記憶手段に記憶されている始動情報を、前記当否判定手段が当否判定を当該始動情報に基づいて行なうよりも前に先読みする始動情報先読み手段と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が特定の当否判定結果になるか否かの事前判定を前記始動情報先読み手段が先読みした始動情報を用いて、前記当否判定手段による当該始動情報に基づく当否判定の実行よりも前に行う事前判定手段と、
前記当否判定の結果が前記事前判定の結果に基づいて前記特定の当否判定結果になることを遊技者に事前に報知する予告報知を、前記当否判定手段による当否判定の実行よりも前に行う予告報知手段とを備え、
前記第2始動領域が、遊技球が相対的に進入容易な時短状態と相対的に進入困難な非時短状態とのうちのいずれか一方の状態をとるものであって、
前記予告報知手段は、前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果になることを示す事前判定の結果を前記事前判定手段が導出し、前記第2始動領域が前記非時短状態であっ
た場合には当該事前判定に用いた始動情報とは別でありかつ前記第1の始動情報記憶手段に記憶されている始動情報に基づく新たな予告報知を行わないものであることを特徴とする遊技台。
(付記19)
付記18記載の遊技台において、
前記当否判定の結果が前記特定の当否判定結果である場合に、遊技者に対する有利度が第一の有利度である第一の制御状態から該第一の有利度よりも前記有利度が高い第二の有利度である第二の制御状態に制御状態を移行させる制御状態移行手段を備え、
前記第2始動領域が前記非時短状態であるときには、前記第一の制御状態を開始してから前記第二の制御状態へ移行するまでの時間が、該第2始動領域が前記時短状態であるときよりも長くなるように構成したことを特徴とする遊技台。