以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
[基板処理装置1の構成]
図1は、この発明の第1実施形態に係る基板処理装置1のレイアウトを示す図解的な平面図である。また、図2は、図1における矢視II方向から見た基板処理装置1の図解的な側面図である。
この基板処理装置1は、半導体ウエハ等の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉型の装置である。基板処理装置1は、インデクサブロック2と、このインデクサブロック2に結合された処理ブロック3とを備えている。
インデクサブロック2は、キャリア保持部4(基板保持部)と、インデクサロボットIR(第2基板搬送装置)と、インデクサロボット移動機構5(以下では、「IR移動機構5」という。)とを備えている。
キャリア保持部4は、複数枚の基板Wを収容できるキャリアCを保持することができる。キャリアCは、たとえば複数枚の基板Wを上下に一定の間隔を空けて水平に保持できるものであり、表面を上に向けて複数枚の基板Wを保持している。キャリアCは、所定の配列方向U(以下「キャリア配列方向U」という。)に沿って配列された状態で、キャリア保持部4に保持されている。IR移動機構5は、キャリア配列方向Uに沿ってインデクサロボットIRを水平に移動させることができる。
インデクサロボットIRは、キャリア保持部4に保持されたキャリアCに対して処理済の基板Wを搬入する搬入動作、および未処理の基板WをキャリアCから搬出する搬出動作を行うことができる。IR移動機構5がキャリア配列方向Uに沿ってインデクサロボットIRを水平に移動させることにより、各キャリアCにインデクサロボットIRを対向させることができる。インデクサロボットIRは、キャリアCに対向する位置で、当該キャリアCに対して処理済の基板Wを搬入する搬入動作、および/または当該キャリアCから未処理の基板Wを搬出する搬出動作を行うことができる。
インデクサロボットIRは、第1上アーム6の先端に取り付けられた第1上ハンド7と、第1下アーム8の先端に取り付けられた第1下ハンド9とを備えている。第1上ハンド7および第1下ハンド9は、互いに干渉しないように上下方向に高さをずらして配置されている(図1では、第1上ハンド7および第1下ハンド9が上下に重なり合っている。)。インデクサロボットIRは、各ハンド7,9によって、基板Wを一枚ずつ水平に保持することができる。
また、第1上アーム6および第1下アーム8は、いずれも多関節型の屈伸式アームである。インデクサロボットIRは、第1上アーム6または第1下アーム8を独立して伸縮させることにより、当該アーム6,8に対応するハンド7,9を水平に移動させることができる。これにより、第1上ハンド7および第1下ハンド9をそれぞれキャリアCにアクセスさせることができる。
図示はしないが、インデクサロボットIRには旋回機構および昇降駆動機構が内蔵されている。旋回機構は、第1上ハンド7および第1下ハンド9を対応するアーム6,8とともに所定の鉛直軸線まわりに回転させることができる。また、昇降駆動機構は、第1上ハンド7および第1下ハンド9を対応するアーム6,8とともに鉛直方向に昇降させることができる。
IR移動機構5によって、インデクサロボットIRをキャリア配列方向Uに沿って移動させるとともに、旋回機構によって、第1上ハンド7および第1下ハンド9を所定の鉛直軸線まわりに回転させることによって、第1上ハンド7および第1下ハンド9を各キャリアCに対向させることができる。インデクサロボットIRは、第1上ハンド7および第1下ハンド9がキャリアCに対向した状態で、第1上アーム6または第1下アーム8を伸長させることにより、当該アーム6,8に対応するハンド7,9を当該キャリアCにアクセスさせることができる。
一方、処理ブロック3は、それぞれ基板Wを一枚ずつ処理する複数の処理ユニット10(処理部、基板保持位置)と、メインロボットMR(基板搬送装置)とを備えている。メインロボットMRは、複数の処理ユニット10に対して基板Wを搬入する搬入動作、および基板Wを処理ユニット10から搬出する搬出動作を行うことができ、さらに、インデクサロボットIRとの間で基板Wの受け渡しを行うことができる。また、本実施形態では、処理ユニット10が、たとえば8つ設けられており、それぞれ、4つの処理ユニット10が上下方向に積み重ねられた第1処理ユニット部11および第2処理ユニット部12が構成されている。
第1および第2処理ユニット部11,12は、キャリア配列方向Uに所定距離離隔した状態で並んで配置されている。また、図1に示すように、第1および第2処理ユニット部11,12とキャリア保持部4とは、キャリア配列方向Uに直交する水平方向に所定距離離隔して配置されている。メインロボットMRは、第1処理ユニット部11と第2処理ユニット部12との間に配置されており、インデクサロボットIRは、第1および第2処理ユニット部11,12とキャリア保持部4との間に配置されている。
第1処理ユニット部11を構成する各処理ユニット10では、たとえば、洗浄等の処理が基板Wの表面に対して行われる。また、第2処理ユニット部12を構成する各処理ユニット10では、たとえば、洗浄等の処理が基板Wの裏面に対して行われる。以下では、第1処理ユニット部11を構成する処理ユニット10を、「表面処理ユニット10」ともいい、第2処理ユニット部12を構成する処理ユニット10を、「裏面処理ユニット10」ともいう。また、図2では、4つの表面処理ユニット10を上から順にSS1、SS2、SS3、SS4と表示し、4つの裏面処理ユニット10を上から順にSSR1、SSR2、SSR3、SSR4と表示する。
また、メインロボットMRは、第2上アーム13(第1アーム)の先端に取り付けられた第2上ハンド14と、第2下アーム15(第2アーム)の先端に取り付けられた第2下ハンド16とを備えている。第2上ハンド14および第2下ハンド16は、図2に示すように、互いに干渉しないように上下方向に高さをずらして配置されている。後述するように、第2上ハンド14および第2下ハンド16は、それぞれ、複数の基板保持ハンドからなる。メインロボットMRは、各ハンド14,16によって、基板Wを複数枚ずつ(この第1実施形態では、二枚ずつ)水平に保持することができる。
また、第2上アーム13および第2下アーム15は、いずれも多関節型の屈伸式アームである。メインロボットMRは、第2上アーム13および第2下アーム15を独立して伸縮させることにより、当該アーム13,15に対応するハンド14,16を水平に移動させることができる。これにより、第2上ハンド14および第2下ハンド16を処理ユニット10にアクセスさせることができる。各ハンド14,16を含むメインロボットMRの具体的な構成については後述する。
また、インデクサブロック2と処理ブロック3との境界部分には、基板Wを反転させるための反転ユニットRT1(基板保持位置)および反転ユニットRT2(基板保持位置)と、インデクサロボットIRとメインロボットMRとの間で基板Wの受け渡しを行うための基板載置部PASS1(中継位置、基板保持位置)および基板載置部PASS2(中継位置、基板保持位置)とが配置されている。図2に示すように、基板載置部PASS1,PASS2は、上下に並んで配置されており(基板載置部PASS1が上側に配置されている。)、反転ユニットRT1,RT2は、基板載置部PASS1,PASS2を上下に挟んで配置されている。反転ユニットRT1は基板載置部PASS1の上方に設けられており、反転ユニットRT2は基板載置部PASS2の下方に設けられている。
反転ユニットRT1,RT2は、それぞれ、複数枚(この第1実施形態では、二枚)の基板Wを水平に保持することができる。さらに、反転ユニットRT1,RT2は、それぞれ、保持した基板Wの上下を反転させることできる。反転ユニットRT1,RT2には、それぞれ、メインロボットMR側からアクセス可能となっている。メインロボットMRは、各反転ユニットRT1,RT2に基板Wを搬入することができ、各反転ユニットRT1,RT2によって反転された基板Wを当該反転ユニットRT1,RT2から搬出することができる。
また、基板載置部PASS1,PASS2は、それぞれ、基板Wを下方から支持して複数枚(例えば二枚)の基板Wを水平に保持することができる。インデクサロボットIRおよびメインロボットMRは、それぞれ、基板載置部PASS1,PASS2にアクセス可能となっている。インデクサロボットIRとメインロボットMRとの間で基板Wの受け渡しが行われる際には、基板載置部PASS1,PASS2内に基板Wが一時的に載置される。上側の基板載置部PASS1は、基板Wを処理ブロック3からインデクサブロック2へ搬送する際に用いられ、下側の基板載置部PASS2は、基板Wをインデクサブロック2から処理ブロック3へ搬送する際に用いられる。
また、処理ブロック3において、メインロボットMRに関して反転ユニットRT1,RT2と反対側の部分には反転ユニットRT1’,RT2’が上下に積層されて配置されている。(なお、図2では反転ユニットRT1’,RT2’は図示していない。)反転ユニットRT1’,RT2’には、それぞれメインロボットMR側からアクセス可能となっている。反転ユニットRT1’,RT2’の構成は、反転ユニットRT1,RT2と同様である。
図3は、表面処理ユニット10の概略構成を示す図解的な側面図である。
表面処理ユニット10は、たとえば、隔壁で区画された処理室17内に、一枚の基板Wを水平に保持して回転させるスピンチャック18と、スピンチャック18に保持された基板Wの上面(表面)に処理液を供給するための処理液ノズル19と、基板Wの上面を洗浄するためのブラシ機構20とを備えている。
スピンチャック18は、たとえば真空吸着式のチャックであり、鉛直な方向に延びたスピン軸21と、このスピン軸21の上端に取り付けられて、基板Wを水平な姿勢でその下面(裏面)を吸着して保持する吸着ベース22と、スピン軸21と同軸に結合された回転軸を有するスピンモータ23とを備えている。基板Wの下面が吸着ベース22に吸着保持された状態で、スピンモータ23が駆動されることにより、スピン軸21の中心軸線まわりに基板Wが回転される。
また、処理液ノズル19は、その吐出口が下方に向けられた状態で、スピンチャック18の上方に配置されている。処理液ノズル19には、処理液供給管24が接続されており、この処理液供給管24を介して図示しない処理液供給源からの処理液が供給される。処理液供給管24には、処理液ノズル19への処理液の供給および供給停止を切り換えるための処理液バルブ24aが介装されている。
また、ブラシ機構20は、基板Wの上面を洗浄するためのブラシ25と、スピンチャック18による基板Wの保持位置よりも上方で水平に延びる揺動アーム26と、基板Wの回転範囲外に配置され、揺動アーム26の基端部を下方から支持するアーム支持軸27とを備えている。図示はしないが、アーム支持軸27には、ブラシ25および揺動アーム26を一体的に移動させる移動機構が接続されている。移動機構によってブラシ25および揺動アーム26を移動させることにより、スピンチャック18に保持された基板Wの上面にブラシ25を当接させることができ、さらに、ブラシ25を基板Wに当接させた状態で、当該ブラシ25を基板Wの上面に沿って移動させることができる。
ブラシ25によって基板Wの表面を洗浄するときには、表面を上に向けてスピンチャック18に保持された基板Wの上方にブラシ25を移動させる。そして、スピンチャック18によって基板Wを回転させつつ処理液ノズル19から基板Wの上面に処理液(たとえば純水(脱イオン水))を供給させ、ブラシ25を基板Wの上面に押し付ける。さらに、ブラシ25を基板Wの上面に押し付けた状態で、当該ブラシ25を基板Wの上面に沿って移動させる。これにより、ブラシ25によって基板Wの上面をスキャンして、基板Wの表面全域をスクラブ洗浄することができる。このようにして、基板Wの表面に対する処理が行われる。
図示はしないが、裏面処理ユニット10には、表面処理ユニット10とほぼ同じ構成が備えられている。より具体的には、裏面処理ユニット10では、スピンチャック18として、たとえば複数の挟持部材によって基板Wの周端面を協働して挟持しつつ回転するメカニカル型のチャックが用いられている。裏面処理ユニット10に搬入された基板Wは、その裏面を上方に向けて周端面が挟持される。そして、基板Wの裏面を通る鉛直な軸線まわりに回転され、当該基板Wの裏面の回転中心を含む範囲に着液するように処理液が吐出される。そして、基板Wの裏面にブラシが押し付けられ、基板Wの裏面に対するスクラブ洗浄が行われる。
図4は、メインロボットMRの図解的な側面図である。また、図5は、メインロボットMRの第2上ハンド14および第2下ハンド16をその斜め上から見た模式的な斜視図である。
メインロボットMRは、基台部28を有している。前述の第2上アーム13および第2下アーム15の一端は、それぞれ、基台部28に取り付けられている。第2上ハンド14および第2下ハンド16は、それぞれ、第2上アーム13および第2下アーム15を介して基台部28に保持されている。
また、基台部28には、第2上アーム13を屈伸させて第2上ハンド14を水平方向に進退させるための上進退駆動機構29(第1アーム移動手段)と、第2下アーム15を屈伸させて第2下ハンド16を水平方向に進退させるための下進退駆動機構30(第2アーム移動手段)と、基台部28を鉛直軸線まわりに回転させるための旋回機構31と、基台部28を鉛直方向に昇降させるための昇降駆動機構32とが内蔵されている。
第2上アーム13および第2下アーム15は、それぞれ、上進退駆動機構29および下進退駆動機構30によって互いに独立して屈伸させられる。したがって、第2上ハンド14および第2下ハンド16は互いに独立して進退させられる。第2上アーム13に取り付けられた第2上ハンド14は、第2下アーム15に取り付けられた第2下ハンド16よりも上方において進退するようになっている。第2上アーム13および第2下アーム15が基台部28の上方に退避させられた初期状態では、これらの第2上ハンド14および第2下ハンド16は鉛直方向から見たときに同じ位置に配置される(図1参照)。
また、第2上ハンド14および第2下ハンド16は、旋回機構31によって、所定の鉛直軸線まわりに回転させられる。さらに、第2上ハンド14および第2下ハンド16は、昇降駆動機構32によって、鉛直方向に昇降させられる。第2上ハンド14および第2下ハンド16を所定の鉛直軸線まわりに回転させるとともに、鉛直方向に昇降させることにより、これらのハンド14,16を各処理ユニット10に対向させることができる。そして、第2上ハンド14および第2下ハンド16が何れかの処理ユニット10に対向した状態で、第2上アーム13または第2下アーム15を伸長させることにより、当該アーム13,15に対応するハンド14,16を当該処理ユニット10にアクセスさせることができる。
図5に示すように、第2上ハンド14は、上下に間隔を隔てて配置された一対の基板保持ハンド14a,14bからなる。各基板保持ハンド14a,14bは、たとえば、いずれも二股のフォーク状に形成されている。一対の基板保持ハンド14a,14bは、同形状であり、平面視において重なり合うように配置されている。各基板保持ハンド14a,14bは、基板Wの下面の周縁部を下方から支持することにより一枚の基板Wを水平に保持することができる。したがって、第2上ハンド14は、一対の基板保持ハンド14a,14bによって、二枚の基板Wを上下に間隔を空けてそれぞれ水平に保持することができる。
第2下ハンド16は、第2上ハンド14と同形状であり、その一対の基板保持ハンド16a,16bによって、二枚の基板Wを上下に間隔を空けてそれぞれ水平に保持することができる。第2下ハンド16は、第2上ハンド14と同形状であるから、第2下ハンド16により保持される二枚の基板Wの鉛直方向への間隔は、第2上ハンド14により保持される二枚の基板Wの鉛直方向への間隔と等しくなる。
図6は、反転ユニットRT1,RT2および基板載置部PASS1,PASS2の図解的な側面図である。以下では、反転ユニットRT1および基板載置部PASS1の構成について説明する。反転ユニットRT2については、反転ユニットRT1と同様の構成であるので、その説明を省略する。同様に、基板載置部PASS2は、基板載置部PASS1と同様の構成であるので、その説明を省略する。図6において、反転ユニットRT1に対応する反転ユニットRT2の構成には、反転ユニットRT1と同一の参照符号を付し、基板載置部PASS1に対応する基板載置部PASS2の構成には、基板載置部PASS1と同一の参照符号を付す。また、反転ユニットRT1’,RT2’についても反転ユニットRT1と同様の構成であるので、その説明を省略する。
反転ユニットRT1は、水平に配置された固定板33と、固定板33を上下に挟んで水平に配置された一対の可動板34とを有している。固定板33および一対の可動板34は、それぞれ、矩形状であり平面視において重なり合うように配置されている。固定板33は、支持板35に水平状態で固定されており、各可動板34は、鉛直方向に延びるガイド36を介して、水平状態で支持板35に取り付けられている。各可動板34は、支持板35に対して鉛直方向に移動可能となっている。各可動板34は、エアーシリンダなどの図示しないアクチュエータによって鉛直方向に移動させられる。また、支持板35には、回転アクチュエータ37が取り付けられている。固定板33および一対の可動板34は、回転アクチュエータ37によって、支持板35とともに水平な回転軸線まわりに一体的に回転させられる。回転アクチュエータ37は、支持板35を水平な回転軸線まわりに180度回転させることにより、固定板33および一対の可動板34の上下を反転させることができる。
また、固定板33および一対の可動板34において、互いに対向する面(たとえば、上側の可動板34の下面と固定板33の上面)には、それぞれ複数本の支持ピン38が取り付けられている。複数本の支持ピン38は、それぞれの面において、基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けて配置されている。各支持ピン38の高さ(基端から先端までの長さ)は、一定とされており、基板保持ハンド14a,14b,16a,16bの厚み(鉛直方向への長さ)よりも大きくされている。
固定板33は、複数本の支持ピン38を介して、その上方で一枚の基板Wを水平に支持することができる。また、一対の可動板34は、それぞれ、下側に位置しているときに、複数本の支持ピン38を介して、その上方で一枚の基板Wを水平に支持することができる。固定板33による基板支持位置と可動板34による基板支持位置との鉛直方向の間隔は、メインロボットMRの各ハンド14,16により保持される二枚の基板Wの鉛直方向への間隔と等しくなるように設定されている。
固定板33上に基板Wが載置された状態で、上側の可動板34を降下させることにより、固定板33と上側の可動板34との間で当該基板Wを水平に保持することができる。また、下側の可動板34上に基板Wが載置された状態で、当該下側の可動板34を上昇させることにより、固定板33と下側の可動板34との間で当該基板Wを水平に保持することができる。そして、反転ユニットRT1内に基板Wが保持された状態で、回転アクチュエータ37によって支持板35を水平な回転軸線まわりに回転させることにより、保持された基板Wの上下を反転させることができる。
一方、基板載置部PASS1は、鉛直方向に積層された複数階建て構造(たとえば2階建て構造)をなしている。基板載置部PASS1の各階には、基板Wの下面を支持するための複数本の支持ピン39が設けられている。各階の複数本の支持ピン39は、その上端の高さが等しくなるように、取付板40上に取り付けられている。各支持ピン39の高さは、基板保持ハンド14a,14b,16a,16bの厚み(鉛直方向への長さ)よりも大きくされている。
基板載置部PASS1は、複数本の支持ピン39によって基板Wを支持することにより、各階の取付板40上で基板Wを一枚ずつ水平に保持することができる。基板載置部PASS1により保持される二枚の基板Wの鉛直方向への間隔は、メインロボットMRの各ハンド14,16により保持される二枚の基板Wの鉛直方向への間隔と等しくなるように設定されている。
図7は、基板処理装置1の電気的構成を説明するためのブロック図である。
この基板処理装置1は、メイン制御部41(制御装置)を備えている。メイン制御部41は、CPU(中央演算処理装置)を含むコンピュータ等からなる。メイン制御部41は、インデクサブロック2に設けられている(図1参照)。メイン制御部41には、インデクサロボットIR、メインロボットMR、IR移動機構5、反転ユニットRT1,RT2,RT1’,RT2’および各処理ユニット10が制御対象として接続されている。インデクサロボットIR、メインロボットMR、IR移動機構5、反転ユニットRT1,RT2,RT1’,RT2’および各処理ユニット10の動作は、メイン制御部41によって制御される。
以下では、メイン制御部41によるメインロボットMRの制御について説明する。具体的には、処理ユニット10とメインロボットMRとの間、反転ユニットRT1,RT2,RT1’,RT2’とメインロボットMRとの間、および基板載置部PASS1,PASS2とメインロボットMRとの間での基板Wの受け渡しについて説明し、その後、メインロボットMRによる基板処理装置1内での基板Wの搬送について説明する。
[処理ユニット10とメインロボットMRとの間での基板Wの受け渡し]
[一枚渡し動作および一枚取り動作]
図8は、メインロボットMRによって表面処理ユニット10に基板Wを一枚搬入するときの動作の一例を説明するための模式図である。
メインロボットMRは、前述のように、複数の処理ユニット10に対して基板Wを搬入する搬入動作、および基板Wを処理ユニット10から搬出する搬出動作を行うことができる。何れかの表面処理ユニット10に対して基板Wを一枚搬入するときは、たとえば、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aに一枚の基板Wを保持させた状態で、メイン制御部41が旋回機構31および昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14を当該表面処理ユニット10に対向させる。より具体的には、図8(a)に示すように、第2上ハンド14に保持された基板Wを、スピンチャック18による基板Wの保持位置よりも上方に位置させた状態で、第2上ハンド14を何れかの処理ユニット10に対向させる。
そして、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して、第2上アーム13を伸長させる。これにより、第2上ハンド14が水平移動して表面処理ユニット10の内部に入り込み、図8(b)に示すように、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aに保持された基板Wが、スピンチャック18の上方に配置される。
その後、メイン制御部41が昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14を降下させる。これにより、図8(c)に示すように、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aに保持された基板Wが、スピンチャック18上に載置され、当該基板Wが上側の基板保持ハンド14aからスピンチャック18に渡される。そして、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して、第2上アーム13を収縮させる。これにより、第2上ハンド14が表面処理ユニット10から退避していく(一枚渡し動作)。
第2上ハンド14を降下させるとき、図8(c)に示すように、第2上ハンド14は、側面視において(水平方向から見て)スピンチャック18と重なり合う。しかし、基板保持ハンドが14a,14bが二股のフォーク状にされているので、このとき、スピンチャック18は、基板保持ハンド14a,14bの内側に入り込み、第2上ハンド14と干渉することはない。
また、前述の一連の動作では、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aを用いて何れかの表面処理ユニット10に基板Wを一枚搬入する場合について説明したが、他の基板保持ハンド(第2上ハンド14の下側の基板保持ハンド14bおよび第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16b)を用いるときは、第2上ハンド14および第2下ハンド16の高さを変更して前述の一連の動作と同様の動作を行わせることにより、何れかの表面処理ユニット10に基板Wを一枚搬入することができる。また、具体的な説明は省略するが、何れかの表面処理ユニット10から一枚の基板Wを搬出するときは、前述の一連の動作を逆に行うことにより、メインロボットMRの何れかの基板保持ハンド14a,14b,16a,16bを用いて何れかの処理ユニット10から一枚の基板Wを搬出することができる(一枚取り動作)。
[基板W一枚の交換動作]
続いて、メインロボットMRと表面処理ユニット10との間で一枚の基板Wを交換するときの動作の一例について説明する。
図9は、メインロボットMRと表面処理ユニット10との間で一枚の基板Wを交換するときの動作の一例を説明するための模式図である。
メインロボットMRと表面処理ユニット10との間で一枚の基板Wを交換するときは、たとえば、表面処理ユニット10および第2下ハンド16に基板Wを一枚ずつ保持させておき、第2上ハンド14により当該表面処理ユニット10から基板Wを一枚搬出させ(一枚取り動作)、その後、第2下ハンド16により当該表面処理ユニット10に基板Wを一枚搬入させる(一枚渡し動作)。すなわち、メインロボットMRの上下のハンド14,16により、何れかの表面処理ユニット10に対して一枚取り動作と一枚渡し動作とを連続して行わせる。
具体的には、メイン制御部41が、旋回機構31および昇降駆動機構32を制御して、何れかの表面処理ユニット10に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる。このとき、第2上ハンド14は、図9(a)に示すように、基板Wを搬出する方の基板保持ハンド(この動作の一例では、上側の基板保持ハンド14a)がスピンチャック18に保持された基板Wの下面よりも下方になる高さまで上昇または下降されている。
次に、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上アーム13を伸長させる。これにより、図9(b)に示すように、第2上ハンド14が表面処理ユニット10の内部に入り込み、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aがスピンチャック18に保持された基板Wの下方に配置される。
その後、メイン制御部41が昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14を上昇させる。これにより、図9(c)に示すように、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aによってスピンチャック18から基板Wが掬い取られ、上側の基板保持ハンド14aに基板Wが保持される。第2上ハンド14に一枚の基板Wが保持された後は、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上アーム13を収縮させる。これにより、図9(d)に示すように、一枚の基板Wとともに第2上ハンド14が表面処理ユニット10から退避していく。このようにして、表面処理ユニット10から一枚の基板Wが搬出される(一枚取り動作)。
一枚取り動作が行われた後は、同一の表面処理ユニット10に対して一枚渡し動作が行われる。すなわち、メイン制御部41は、図9(d)に示すように、前述の一枚取り動作においてスピンチャック18から基板Wを掬い取るときに、第2下ハンド16に保持された基板Wがスピンチャック18よりも上になる高さまで第2下ハンド16を上昇させている。さらに、メイン制御部41は、上進退駆動機構29および下進退駆動機構30を制御して、表面処理ユニット10から第2上ハンド14を退避させるのと並行して、第2下アーム15を伸長させる。したがって、第2下ハンド16は、図9(d)に示すように、第2上ハンド14が表面処理ユニット10から退避していくのと並行して処理ユニット10内に進入していく。これにより、図9(e)に示すように、第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aに保持された基板Wがスピンチャンクの上方に配置される。
次に、メイン制御部41は、昇降駆動機構32を制御して、図9(f)に示すように、第2下ハンド16を降下させる。これにより、スピンチャック18上に基板Wが載置され、第2下ハンド16からスピンチャック18に基板Wが渡される。そして、メイン制御部41が下進退駆動機構30を制御して第2下アーム15を収縮させる。これにより、第2下ハンド16が表面処理ユニット10から退避していく(一枚渡し動作)。このようにして、一枚取り動作と一枚渡し動作とが連続して行われ、メインロボットMRと表面処理ユニット10との間で一枚の基板Wの交換動作が行われる。
[反転ユニットRT1,RT2,RT1’,RT2’とメインロボットMRとの間での基板Wの受け渡し]
[一枚渡し動作および一枚取り動作]
図10は、メインロボットMRから反転ユニットRT1に基板Wを一枚搬入するときの動作の一例を説明するための模式図である。
メインロボットMRから反転ユニットRT1に基板Wを一枚搬入するときは、たとえば、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aに基板Wを保持させた状態で、反転ユニットRT1に対して一枚渡し動作を行わせる。
具体的には、メイン制御部41が、旋回機構31および昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14を反転ユニットRT1に対向させる。このとき、第2上ハンド14は、図10(a)に示すように、上側の基板保持ハンド14aに保持された基板Wが、反転ユニットRT1の下側の可動板34による基板支持位置よりも上方となる高さまで上昇または下降されている。
次に、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上ハンド14を伸長させる。これにより、第2上ハンド14が反転ユニットRT1の内部に入り込み、図10(b)に示すように、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aに保持された基板Wが、反転ユニットRT1の下側の可動板34による基板支持位置の上方に配置される。
その後、メイン制御部41が、昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14を降下させる。これにより、図10(c)に示すように、下側の可動板34上に基板Wが載置され、第2上ハンド14から反転ユニットRT1に基板Wが渡される。そして、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上アーム13を収縮させる。これにより、第2上ハンド14が反転ユニットRT1から退避していく(一枚渡し動作)。
第2上ハンド14から反転ユニットRT1に基板Wが渡されるとき、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aは、図10(c)に示すように、側面視において(水平方向から見て)、下側の可動板34に取り付けられた複数の支持ピン38と重なり合う。しかし、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aは、平面視においてこれらの支持ピン38の間に入り込んでおり、各支持ピン38と干渉することはない。また、各支持ピン38の高さが各基板保持ハンド14a,14b,16a,16bの厚みよりも大きくされているので、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aが上側の取付板40に干渉することはない。
前述の一連の動作では、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aを用いて反転ユニットRT1に基板Wを一枚搬入する場合について説明したが、他の基板保持ハンド14b,16a,16bを用いるときは、第2上ハンド14および第2下ハンド16の高さを変更して前述の一連の動作と同様の動作を行わせることにより、反転ユニットRT1に基板Wを一枚搬入することができる。また、反転ユニットRT2,RT1’,RT2’に対しても、前述の一連の動作と同様の動作を行わせることにより、基板Wを一枚搬入することができる。さらに、具体的な説明は省略するが、反転ユニットRT1,RT2,RT1’,RT2’から一枚の基板Wを搬出するときは、前述の一連の動作を逆に行うことにより、メインロボットMRの何れかの基板保持ハンド14a,14b,16a,16bを用いて反転ユニットRT1,RT2,RT1’,RT2’から一枚の基板Wを搬出することができる(一枚取り動作)。
[同時渡し動作および同時取り動作]
続いて、メインロボットMRによって反転ユニットRT1に基板Wを二枚同時に搬入するときの動作の一例について説明する。
図11は、メインロボットMRによって反転ユニットRT1に基板Wを二枚同時に搬入するときの動作の一例を説明するための模式図である。
メインロボットMRによって反転ユニットRT1に基板Wを二枚同時に搬入するときは、たとえば、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bに基板Wを一枚ずつ保持させた状態で、二枚の基板Wを反転ユニットRT1に同時に搬入する(同時渡し動作)。
具体的には、メイン制御部41が、旋回機構31および昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14を反転ユニットRT1に対向させる。このとき、第2上ハンド14は、図11(a)に示すように、上下の基板保持ハンド14a,14bにそれぞれ保持された二枚の基板Wが、それぞれ、固定板33による基板支持位置および下側の可動板34による基板支持位置よりも上方となる高さまで上昇または下降されている。
前述のように、固定板33による基板支持位置と可動板34による基板支持位置との鉛直方向の間隔が、メインロボットMRの各ハンド14,16により保持される二枚の基板Wの鉛直方向への間隔と等しくなるように設定されているので、たとえば、上側の基板Wが、固定板33による基板支持位置上に来るようにすれば、二枚の基板Wを、それぞれ、固定板33による基板支持位置および下側の可動板34による基板支持位置上に配置させることができる。
次に、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上ハンド14を伸長させる。これにより、第2上ハンド14が反転ユニットRT1の内部に入り込み、図11(b)に示すように、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bにそれぞれ保持された二枚の基板Wが、それぞれ、固定板33による基板支持位置および下側の可動板34による基板支持位置の上方に配置される。
その後、メイン制御部41が、昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14を降下させる。これにより、図11(c)に示すように、固定板33および下側の可動板34上に基板Wが同時に載置され、第2上ハンド14から反転ユニットRT1に二枚の基板Wが同時に渡される。そして、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上アーム13を収縮させる。これにより、第2上ハンド14が反転ユニットRT1から退避していく(同時渡し動作)。
前述の一連の動作では、第2上ハンド14を用いて反転ユニットRT1に基板Wを二枚同時に搬入する場合について説明したが、第2下ハンド16を用いるときは、第2下ハンド16の高さを変更して前述の一連の動作と同様の動作を行わせることにより、第2下ハンド16を用いて反転ユニットRT1に基板Wを二枚同時に搬入することができる。また、反転ユニットRT2,RT1’,RT2’に対しても、前述の一連の動作と同様の動作を行わせることにより、基板Wを二枚同時に搬入することができる。さらに、具体的な説明は省略するが、反転ユニットRT1,RT2,RT1’,RT2’から二枚の基板Wを同時に搬出するときは、前述の一連の動作を逆に行うことにより、メインロボットMRの何れかのハンド14,16を用いて反転ユニットRT1,RT2,RT1’,RT2’から二枚の基板Wを同時に搬出することができる(同時取り動作)。
[基板W二枚の交換動作]
続いて、メインロボットMRと反転ユニットRT1,RT2との間で二枚の基板Wを交換するときの動作の一例について説明する。
図12は、メインロボットMRと反転ユニットRT1,RT2との間で二枚の基板Wを交換するときの動作の一例を説明するための模式図である。
メインロボットMRと反転ユニットRT1,RT2との間で二枚の基板Wを交換するときは、たとえば、メインロボットMRの第2上ハンド14または第2下ハンド16と、反転ユニットRT1または反転ユニットRT2とに基板Wを二枚ずつ保持させた状態で、基板Wが保持されている反転ユニットから二枚の基板Wを同時に搬出し(同時取り動作)、その後、基板Wが保持されていない反転ユニットに基板Wを二枚同時に搬入する(同時渡し動作)。すなわち、メインロボットMRの上下のハンド14,16により、反転ユニットRT1,RT2に対して、それぞれ、同時取り動作と同時渡し動作を連続して行わせる。
具体的には、第2下ハンド16を用いて反転ユニットRT1に対して同時取り動作を行わせるために、メイン制御部41が、旋回機構31および昇降駆動機構32を制御して、第2下ハンド16を反転ユニットRT1に対向させる。このとき、第2下ハンド16は、図12(a)に示すように、上下の基板保持ハンド16a,16bが、それぞれ、固定板33による基板支持位置および下側の可動板34による基板支持位置よりも下方となる高さまで上昇または下降されている。
次に、メイン制御部41が下進退駆動機構30を制御して第2下ハンド16を伸長させる。これにより、第2下ハンド16が反転ユニットRT1の内部に入り込み、図12(b)に示すように、第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bが、それぞれ、固定板33上および下側の可動板34上で保持された基板Wの下方に配置される。
その後、メイン制御部41が、昇降駆動機構32を制御して、第2下ハンド16を上昇させる。これにより、図12(c)に示すように、反転ユニットRT1に保持された二枚の基板Wが、それぞれ、第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bによって同時に掬い取られ、当該上下の基板保持ハンド16a,16bに同時に保持される。そして、メイン制御部41が下進退駆動機構30を制御して第2下アーム15を収縮させる。これにより、二枚の基板Wとともに第2下ハンド16が反転ユニットRT1から退避していく(同時取り動作)。
同時取り動作が行われた後は、第2上ハンド14を用いて反転ユニットRT2に対して同時渡し動作が行われる。すなわち、メイン制御部41が、昇降駆動機構32を制御して第2上ハンド14および第2下ハンド16を降下させて、第2上ハンド14を反転ユニットRT2に対向させる。このとき、第2上ハンド14は、図12(d)に示すように、上下の基板保持ハンド14a,14bに保持された基板Wが、それぞれ、反転ユニットRT2の固定板33による基板支持位置および下側の可動板34による基板支持位置よりも上方となる高さまで上昇または下降されている。
次に、メイン制御部41は、上進退駆動機構29を制御して第2上アーム13を伸長させる。これにより、第2上ハンド14が反転ユニットRT2の内部に入り込み、図12(e)に示すように、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bに保持された基板Wが、それぞれ、固定板33による基板支持位置および下側の可動板34による基板支持位置の上方に配置される。
その後、メイン制御部41が、昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14を降下させる。これにより、図12(f)に示すように、固定板33および下側の可動板34上に基板Wが同時に載置され、第2上ハンド14から反転ユニットRT2に二枚の基板Wが同時に渡される。そして、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上アーム13を収縮させる。これにより、第2上ハンド14が反転ユニットRT2から退避していく(同時渡し動作)。このようにして、同時取り動作と同時渡し動作とが連続して行われ、メインロボットMRと反転ユニットRT1,RT2との間で二枚の基板Wの交換動作が行われる。
なお、反転ユニットRT1’,RT2’に対しても、前述の一連の動作と同様の動作を行わせることにより、メインロボットMRと反転ユニットRT1’,RT2’との間で二枚の基板Wを交換することができる。また、メインロボットMRと反転ユニットRT1,RT2,RT1’,RT2’のうちいずれか2つの反転ユニットとの間でも同様に二枚の基板Wを交換することができる。[基板載置部PASS1,PASS2とメインロボットMRとの間での基板Wの受け渡し]
[一枚渡し動作および一枚取り動作]
図13は、メインロボットMRから基板載置部PASS1に基板Wを一枚搬入するときの動作の一例を説明するための模式図である。
メインロボットMRから基板載置部PASS1に基板Wを一枚搬入するときは、たとえば、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aに基板Wを保持させた状態で、基板載置部PASS1に対して一枚渡し動作を行わせる。
具体的には、メイン制御部41が、旋回機構31および昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14を基板載置部PASS1に対向させる。このとき、第2上ハンド14は、図13(a)に示すように、上側の基板保持ハンド14aに保持された基板Wが、基板載置部PASS1における下側の基板支持位置よりも上方となる高さまで上昇または下降されている。
次に、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上ハンド14を伸長させる。これにより、第2上ハンド14が基板載置部PASS1の内部に入り込み、図13(b)に示すように、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aに保持された基板Wが、基板載置部PASS1における下側の基板支持位置の上方に配置される。
その後、メイン制御部41が、昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aが下側の取付板40に衝突しない高さまで当該第2上ハンド14を降下させる。これにより、図13(c)に示すように、下側の取付板40上に基板Wが載置され、第2上ハンド14から基板載置部PASS1に基板Wが渡される。そして、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上アーム13を収縮させる。これにより、第2上ハンド14が基板載置部PASS1から退避していく(一枚渡し動作)。
第2上ハンド14から基板載置部PASS1に基板Wが渡されるとき、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aは、図13(c)に示すように、側面視において(水平方向から見て)、下側の取付板40に取り付けられた複数の支持ピン39と重なり合う。しかし、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aは、平面視においてこれらの支持ピン39の間に入り込んでおり、各支持ピン39と干渉することはない。また、各支持ピン39の高さが各基板保持ハンド14a,14b,16a,16bの厚みよりも大きくされているので、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aが上側の取付板40に干渉することはない。
前述の一連の動作では、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aを用いて基板載置部PASS1に基板Wを一枚搬入する場合について説明したが、他の基板保持ハンド14b,16a,16bを用いるときは、第2上ハンド14および第2下ハンド16の高さを変更して前述の一連の動作と同様の動作を行わせることにより、基板載置部PASS1に基板Wを一枚搬入することができる。また、基板載置部PASS2に対しても、前述の一連の動作と同様の動作を行わせることにより、基板Wを一枚搬入することができる。さらに、具体的な説明は省略するが、基板載置部PASS1,PASS2から一枚の基板Wを搬出するときは、前述の一連の動作を逆に行うことにより、メインロボットMRの何れかの基板保持ハンド14a,14b,16a,16bを用いて基板載置部PASS1,PASS2から一枚の基板Wを搬出することができる(一枚取り動作)。
[同時渡し動作および同時取り動作]
続いて、メインロボットMRによって基板載置部PASS1に基板Wを二枚同時に搬入するときの動作の一例について説明する。
図14は、メインロボットMRによって基板載置部PASS1に基板Wを二枚同時に搬入するときの動作の一例を説明するための模式図である。
メインロボットMRによって基板載置部PASS1に基板Wを二枚同時に搬入するときは、たとえば、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bに基板Wを一枚ずつ保持させた状態で、二枚の基板Wを基板載置部PASS1に同時に搬入する(同時渡し動作)。
具体的には、メイン制御部41が、旋回機構31および昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14を基板載置部PASS1に対向させる。このとき、第2上ハンド14は、図14(a)に示すように、上下の基板保持ハンド14a,14bにそれぞれ保持された二枚の基板Wが、それぞれ、基板載置部PASS1における上下の基板支持位置よりも上方となる高さまで上昇または下降されている。
前述のように、基板載置部PASS1における上下の基板支持位置の鉛直方向の間隔が、メインロボットMRの各ハンド14,16により保持される二枚の基板Wの鉛直方向への間隔と等しくなるように設定されているので、たとえば、上側の基板Wが、上側の基板支持位置上に来るようにすれば、二枚の基板Wを、それぞれ、上下の基板支持位置上に配置させることができる。
次に、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上ハンド14を伸長させる。これにより、第2上ハンド14が基板載置部PASS1の内部に入り込み、図14(b)に示すように、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bにそれぞれ保持された二枚の基板Wが、それぞれ、基板載置部PASS1における上下の基板支持位置の上方に配置される。
その後、メイン制御部41が、昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bがそれぞれ上下の取付板40に干渉しない高さまで当該第2上ハンド14を降下させる。これにより、図14(c)に示すように、上下の取付板40上に基板Wが同時に載置され、第2上ハンド14から基板載置部PASS1に二枚の基板Wが同時に渡される。そして、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上アーム13を収縮させる。これにより、第2上ハンド14が基板載置部PASS1から退避していく(同時渡し動作)。
前述の一連の動作では、第2上ハンド14を用いて基板載置部PASS1に基板Wを二枚同時に搬入する場合について説明したが、第2下ハンド16を用いるときは、第2上ハンド14および第2下ハンド16の高さを変更して前述の一連の動作と同様の動作を行わせることにより、第2下ハンド16を用いて基板載置部PASS2に基板Wを二枚同時に搬入することができる。また、基板載置部PASS2に対しても、前述の一連の動作と同様の動作を行わせることにより、基板Wを二枚同時に搬入することができる。さらに、具体的な説明は省略するが、基板載置部PASS1,PASS2から二枚の基板Wを同時に搬出するときは、前述の一連の動作を逆に行うことにより、メインロボットMRの何れかのハンド14,16を用いて基板載置部PASS1,PASS2から二枚の基板Wを同時に搬出することができる(同時取り動作)。
[メインロボットMRの動作に要する設計上の時間]
図15は、メインロボットMRの動作とその動作に要する設計上の時間との関係の一例を示す表である。
この図15において、「準備移動」とは、第2上ハンド14および第2下ハンド16が何れのユニット(処理ユニット10や反転ユニットRT1,RT2等)にも対向していない状態で、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、何れかのユニットに第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる動作であり、その動作に要する設計上の時間は、0.5secとなっている。
また、「移動」とは、第2上ハンド14または第2下ハンド16が何れかのユニットに対向している状態で、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、当該ユニットと異なるユニットに第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる動作であり、その動作に要する設計上の時間は、0.65secとなっている。
また、「一枚取り/同時取り」とは、それぞれ、前述の一枚取り動作および同時取り動作であり、その動作に要する設計上の時間は、それぞれ、1.5secとなっている。同様に、「一枚渡し/同時渡し」とは、それぞれ、前述の一枚渡し動作および同時渡し動作であり、その動作に要する設計上の時間は、それぞれ、1.5secとなっている。
また、「交換」とは、前述の交換動作であり、その動作に要する設計上の時間は、2.6secとなっている。交換動作は、一枚取り動作と一枚渡し動作とを連続して行うものであるにもかかわらず、「交換」に要する設計上の時間(2.6sec)が、「一枚取り」に要する設計上の時間と「一枚渡し」に要する設計上の時間とを足した時間(1.5sec+1.5sec=3.0sec)よりも短くなっているのは、一方のアームを収縮させながら他方のアームを伸長させることにより、一枚取り動作と一枚渡し動作とを並行して実施させている期間があるからである。
以下では、複数枚の基板Wを一枚ずつ連続して処理していくときに、図15に示すメインロボットMRの動作を組み合せて、基板処理装置1内で基板Wを搬送するときの搬送動作の具体例について説明する。
[メインロボットMRによる基板処理装置1内での基板Wの搬送]
[基板Wの表面を1回処理する場合]
図16は、基板Wの表面を1回処理するときの基板Wの搬送動作の一例を説明するための表である。また、図17は、図16に示す搬送動作に対する比較例を示す表である。図17は、基板処理装置1において基板Wの表面を1回処理するときに、メインロボットMRに代えて、各アームに基板保持ハンドが1つしか設けられていない従来のメインロボットを用いて基板Wを搬送するときの搬送動作の一例を示している。
図16の上段には、各STEPにおけるメインロボットMRの動作とその動作に要する設計上の時間を示しており、図16の下段には、各STEPにおける各基板保持ハンド14a,14b,16a,16bの動作を示している。図17においても同様である。
また、図16の下段における「上アーム/上側ハンド」「上アーム/下側ハンド」、「下アーム/上側ハンド」および「下アーム/下側ハンド」は、それぞれ、第2上アーム13の上側の基板保持ハンド14a、第2上アーム13の下側の基板保持ハンド14b、第2下アーム15の上側の基板保持ハンド16aおよび第2下アーム15の下側の基板保持ハンド16bを意味している。このような定義は、以下に示す他の図においても適用される。
[メインロボットMRによる基板Wの搬送]
最初に、図1、図2および図16を参照して、メインロボットMRを用いた場合の搬送動作の一例について説明する。
基板Wの表面を1回処理するときにメインロボットMRを用いて基板Wを搬送するには、たとえば、下側の基板載置部PASS2に、未処理の基板Wを二枚載置させた状態で、基板Wを保持していない状態の第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、下側の基板載置部PASS2にメインロボットMRの第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(準備移動)。このとき、下側の基板載置部PASS2に載置された二枚の基板Wは何れも表面が上に向けられている。
次に、メインロボットMRの第2下ハンド16を用いて下側の基板載置部PASS2から二枚の基板Wを同時に搬出させる(STEP1、同時取り)。これにより、図16の下段に示すように、第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bに未処理の基板Wが一枚ずつ保持される。
そして、第2下ハンド16に二枚の基板Wを保持させた状態で、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、何れかの処理ユニット10(たとえば、一番上に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。
基板処理装置1において複数枚の基板Wを連続して処理しているときには、表面への処理が行われた基板Wが処理ユニット10内に配置されているので、まず、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aを用いて当該処理ユニット10から基板Wを搬出し、その後、第2下ハンド16の下側の基板保持ハンド16bに保持された未処理の基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP2、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aおよび第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aに、表面が上に向けられた基板Wが一枚ずつ保持された状態となる。
次に、第2上ハンド14および第2下ハンド16にそれぞれ基板Wを一枚ずつ保持させた状態で、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、前述の処理ユニット10と異なる処理ユニット10(たとえば、上から2番目に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。
そして、第2上ハンド14の下側の基板保持ハンド14bを用いて上から2番目に配置された処理ユニット10から表面への処理が行われた基板Wを搬出し、その後、第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aに保持された未処理の基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP3、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bに、表面が上に向けられた処理済の基板Wが一枚ずつ保持された状態となる。
その後、第2上ハンド14が上側の基板載置部PASS1に対向させられ(移動)、当該二枚の基板Wが上側の基板載置部PASS1に同時に載置される(STEP4、同時渡し)。そして、上側の基板載置部PASS1に載置された二枚の基板Wが、インデクサロボットIRによって受け取られ、キャリアC内に搬入される。このようにして、基板Wの表面に対する処理が1回行われる。
[(比較例)従来のメインロボットによる基板Wの搬送]
次に、図1、図2および図17を参照して、従来のメインロボットを用いた場合の搬送動作の一例について説明する。
基板Wの表面を1回処理するときに従来のメインロボットを用いて基板Wを搬送するには、たとえば、下側の基板載置部PASS2に、未処理の基板Wを一枚載置させた状態で、基板Wを保持していない状態の上ハンドおよび下ハンドを旋回および/または昇降させて、下側の基板載置部PASS2にメインロボットの下ハンドを対向させる(移動)。このとき、下側の基板載置部PASS2に載置された基板Wは表面が上に向けられている。
次に、メインロボットの下ハンドを用いて下側の基板載置部PASS2から一枚の基板Wを搬出させる(STEP1、一枚取り)。そして、下ハンドに一枚の基板Wを保持させた状態で、上ハンドおよび下ハンドを旋回および/または昇降させて、何れかの処理ユニット10(たとえば、一番上に配置された処理ユニット10)に上ハンドおよび下ハンドを対向させる(移動)。
基板処理装置1において複数枚の基板Wを連続して処理しているときには、表面への処理が行われた基板Wが処理ユニット10内に配置されているので、まず、上ハンドを用いて当該処理ユニット10から基板Wを搬出し、その後、下ハンドに保持された未処理の基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP2、交換)。処理ユニット10とメインロボットとの間で一枚の基板Wが交換された後は、上ハンドに、表面が上に向けられた処理済の基板Wが一枚保持された状態となる。
処理ユニット10とメインロボットとの間で一枚の基板Wを交換した後は、処理済の基板Wが一枚保持された上ハンドが上側の基板載置部PASS1に対向させられ(移動)、当該一枚の基板Wが上側の基板載置部PASS1に載置される(STEP3、一枚渡し)。そして、上側の基板載置部PASS1に載置された処理済の基板Wが、インデクサロボットIRによって受け取られ、キャリアC内に搬入される。このようにして、基板Wの表面に対する処理が1回行われる。
図17の表中における左部に示すように、基板Wの表面を1回処理するときに、従来のメインロボットが、下側の基板載置部PASS2から未処理の基板Wを一枚受け取って(受け取るための準備の時間を含む)、処理された一枚の基板Wを上側の基板載置部PASS1に渡すまでの合計時間は、7.40secとなっている。
一方、図16の上段左部に示すように、基板Wの表面を1回処理するときに、メインロボットMRが、下側の基板載置部PASS2から未処理の基板Wを二枚受け取って(受け取るための準備の時間を含む)、処理された二枚の基板Wを上側の基板載置部PASS1に渡すまでの合計時間は、10.65secとなっている。メインロボットMRは、基板Wを二枚扱っているので、基板Wの搬送時間を基板W一枚当たりで計算すると、5.33sec(10.65sec/2)となっている。したがって、基板Wの表面を1回処理するときに、メインロボットMRを用いて基板Wを搬送することにより、従来のメインロボットを用いた場合に比べて、基板Wの搬送時間を短縮することができる。
[基板Wの裏面を1回処理する場合]
図18は、基板Wの裏面を1回処理するときの基板Wの搬送動作の一例を説明するための表である。また、図19は、図18に示す搬送動作に対する比較例を示す表である。図19は、基板処理装置1において基板Wの裏面を1回処理するときに、前述の従来のメインロボットを用いて基板Wを搬送するときの搬送動作の一例を示している。
[メインロボットMRによる基板Wの搬送]
最初に、図1、図2および図18を参照して、メインロボットMRを用いた場合の搬送動作の一例について説明する。
基板Wの裏面を1回処理するときにメインロボットMRを用いて基板Wを搬送するには、たとえば、下側の基板載置部PASS2に、未処理の基板Wを二枚載置させた状態で、基板Wを保持していない状態の第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、下側の基板載置部PASS2に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(準備移動)。このとき、下側の基板載置部PASS2に載置された二枚の基板Wは何れも表面が上に向けられている。
次に、第2下ハンド16を用いて下側の基板載置部PASS2から二枚の基板Wを同時に搬出させる(STEP1、同時取り)。これにより、図18の下段に示すように、第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bに未処理の基板Wが一枚ずつ保持される。そして、第2下ハンド16に二枚の基板Wを保持させた状態で、第2上ハンド14および第2下ハンド16を降下させて、下側の反転ユニットRT2に第2下ハンド16を対向させる(移動)。その後、第2下ハンド16によって、反転ユニットRT2に未処理の基板Wを二枚同時に搬入させる(STEP2、同時渡し)。
次に、第2上ハンド14および第2下ハンド16を上昇させて、上側の反転ユニットRT1に第2上ハンド14を対向させる(移動)。このとき、反転ユニットRT1には未処理の基板Wが二枚保持されており、当該二枚の基板Wは、それぞれ、予め上下が反転されて裏面が上に向けられている。これらの基板Wは、第2上ハンド14によって反転ユニットRT1から同時に搬出され(STEP3、同時取り)、それぞれ、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bに保持される。
反転ユニットRT1から二枚の基板Wが同時に搬出された後は、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、何れかの処理ユニット10(たとえば、一番上に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。
基板処理装置1において複数枚の基板Wを連続して処理しているときには、裏面への処理が行われた基板Wが処理ユニット10内に配置されているので、まず、第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aを用いて当該処理ユニット10から基板Wを搬出し、その後、第2上ハンド14の下側の基板保持ハンド14bに保持された未処理の基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP4、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aおよび第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aに、裏面が上に向けられた基板Wが一枚ずつ保持された状態となる。
次に、第2上ハンド14および第2下ハンド16にそれぞれ基板Wを一枚ずつ保持させた状態で、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、前述の処理ユニット10と異なる処理ユニット10(たとえば、上から2番目に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。
そして、第2下ハンド16の下側の基板保持ハンド16bを用いて上から2番目に配置された処理ユニット10から裏面への処理が行われた基板Wを搬出し、その後、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aに保持された未処理の基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP5、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bに、裏面が上に向けられた処理済の基板Wが一枚ずつ保持された状態となる。
第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bに処理済の基板Wが一枚ずつ保持された後は、第2下ハンド16が上側の反転ユニットRT1’に対向させられ(移動)、第2下ハンド16に保持された二枚の基板Wが上側の反転ユニットRT1’に同時に搬入される(STEP6、同時渡し)。そして、第2上ハンド14および第2下ハンド16が降下され、第2上ハンド14が下側の反転ユニットRT2’に対向させられる(移動)。このとき、反転ユニットRT2’には処理済の基板Wが二枚保持されており、当該二枚の基板Wは、それぞれ、予め上下が反転されて表面が上に向けられている。そして、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bによって、下側の反転ユニットRT2’から二枚の基板Wが同時に搬出される(STEP7、同時取り)。これにより、表面が上に向けられた処理済の二枚の基板Wが、それぞれ、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bに保持される。
第2上ハンド14に処理済の二枚の基板Wが保持された後は、第2上ハンド14が上側の基板載置部PASS1に対向させられ(移動)、当該二枚の基板Wが上側の基板載置部PASS1に同時に搬入される(STEP8、同時渡し)。その後、上側の基板載置部PASS1に載置された二枚の基板Wが、インデクサロボットIRによって受け取られ、キャリアC内に搬入される。このようにして、基板Wの裏面に対する処理が1回行われる。
[(比較例)従来のメインロボットによる基板Wの搬送]
次に、図1、図2および図19を参照して、従来のメインロボットを用いた場合の搬送動作の一例について説明する。
基板Wの裏面を1回処理するときに従来のメインロボットを用いて基板Wを搬送するには、たとえば、下側の基板載置部PASS2に、未処理の基板Wを一枚載置させた状態で、基板Wを保持していない状態の上ハンドおよび下ハンドを旋回および/または昇降させて、下側の基板載置部PASS2に下ハンドを対向させる(準備移動)。このとき、下側の基板載置部PASS2に載置された基板Wは表面が上に向けられている。
次に、下ハンドを用いて下側の基板載置部PASS2から一枚の基板Wを搬出させる(STEP1、一枚取り)。そして、下ハンドに一枚の基板Wを保持させた状態で、上ハンドおよび下ハンドを降下させて、下側の反転ユニットRT2に下ハンドを対向させる(移動)。
下ハンドが下側の反転ユニットRT2に対向させられた後は、下ハンドに保持された未処理の基板Wを下側の反転ユニットRT2に搬入する。そして、下側の反転ユニットRT2によって基板Wの上下が反転された後、上ハンドによって当該下側の反転ユニットRT2から未処理の基板Wを搬出する(STEP2、交換)。これらの一連の動作は連続して行われ、当該一連の動作に要する設計上の時間は、交換動作と同じとみなすことができる。
裏面が上に向けられた基板Wが上ハンドに保持された後は、上ハンドおよび下ハンドを旋回および/または昇降させて、何れかの処理ユニット10(たとえば、一番上に配置された処理ユニット10)に上ハンドおよび下ハンドを対向させる(移動)。
そして、下ハンドを用いて当該処理ユニット10から処理済みの基板Wを搬出し、その後、上ハンドに保持された未処理の基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP3、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、下ハンドに、裏面が上に向けられた処理済の基板Wが一枚保持された状態となる。
下ハンドに処理済の基板Wが一枚保持された後は、下ハンドが上側の反転ユニットRT1に対向させられ(移動)、下ハンドに保持された一枚の基板Wが上側の反転ユニットRT1に搬入される。そして、上側の反転ユニットRT1によって基板Wの上下が反転された後、表面が上に向けられた基板Wが、上ハンドによって搬出される(STEP4、交換)。これらの一連の動作は連続して行われ、当該一連の動作に要する設計上の時間は、交換動作と同じとみなすことができる。
上ハンドに処理済の一枚の基板Wが保持された後は、上ハンドが上側の基板載置部PASS1に対向させられ(移動)、当該基板Wが上側の基板載置部PASS1に搬入される(STEP5、一枚渡し)。その後、上側の基板載置部PASS1に載置された基板Wが、インデクサロボットIRによって受け取られ、キャリアC内に搬入される。このようにして、基板Wの裏面に対する処理が1回行われる。
図19の表中における左部に示すように、基板Wの裏面を1回処理するときに、従来のメインロボットが、下側の基板載置部PASS2から未処理の基板Wを一枚受け取って(受け取るための準備の時間を含む)、処理された一枚の基板Wを上側の基板載置部PASS1に渡すまでの合計時間は、13.90secとなっている。
一方、図18の上段左部に示すように、基板Wの裏面を1回処理するときに、メインロボットMRが、下側の基板載置部PASS2から未処理の基板Wを二枚受け取って(受け取るための準備の時間を含む)、処理された二枚の基板Wを上側の基板載置部PASS1に渡すまでの合計時間は、19.25secとなっている。これを基板W一枚当たりで計算すると、9.63sec(19.25sec/2)となっている。したがって、基板Wの裏面を1回処理するときに、メインロボットMRを用いて基板Wを搬送することにより、従来のメインロボットを用いた場合に比べて、基板Wの搬送時間を短縮することができる。
[基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理する場合]
図20は、基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理するときの基板Wの搬送動作の一例を説明するための表である。また、図21は、図20に示す搬送動作に対する比較例を示す表である。図21は、基板処理装置1において基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理するときに、前述の従来のメインロボットを用いて基板Wを搬送するときの搬送動作の一例を示している。
[メインロボットMRによる基板Wの搬送]
最初に、図1、図2および図20を参照して、メインロボットMRを用いた場合の搬送動作の一例について説明する。
基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理するときにメインロボットMRを用いて基板Wを搬送するには、たとえば、下側の基板載置部PASS2に、未処理の基板Wを二枚載置させた状態で、基板Wを保持していない状態の第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、下側の基板載置部PASS2に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(準備移動)。このとき、下側の基板載置部PASS2に載置された二枚の基板Wは何れも表面が上に向けられている。
次に、第2下ハンド16を用いて下側の基板載置部PASS2から二枚の基板Wを同時に搬出させる(STEP1、同時取り)。これにより、図20の下段に示すように、第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bに、表面が上に向けられた未処理の基板Wが一枚ずつ保持される。そして、第2下ハンド16に二枚の基板Wを保持させた状態で、第2上ハンド14および第2下ハンド16を降下させて、下側の反転ユニットRT2に第2下ハンド16を対向させる(移動)。その後、反転ユニットRT2に、未処理の基板Wを二枚同時に搬入させる(STEP2、同時渡し)。
次に、第2上ハンド14および第2下ハンド16を上昇させて、上側の反転ユニットRT1に第2上ハンド14を対向させる(移動)。このとき、反転ユニットRT1には、未処理の基板Wが二枚保持されており、当該二枚の基板Wは、上下が予め反転されている。反転ユニットRT1に保持された二枚の基板Wは、第2上ハンド14によって反転ユニットRT1から同時に搬出され(STEP3、同時取り)、それぞれ、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bに保持される。
反転ユニットRT1から二枚の基板Wが同時に搬出された後は、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、何れかの処理ユニット10(たとえば、一番上に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。
基板処理装置1において複数枚の基板Wを連続して処理しているときには、裏面への処理が行われた基板Wが処理ユニット10内に配置されているので、まず、第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aを用いて当該処理ユニット10から基板Wを搬出し、その後、第2上ハンド14の下側の基板保持ハンド14bに保持された未処理の基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP4、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aおよび第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aに、裏面が上に向けられた基板Wが一枚ずつ保持された状態となる。
次に、第2上ハンド14および第2下ハンド16にそれぞれ基板Wを一枚ずつ保持させた状態で、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、前述の処理ユニット10と異なる処理ユニット10(たとえば、上から2番目に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。
そして、第2下ハンド16の下側の基板保持ハンド16bを用いて上から2番目に配置された処理ユニット10から裏面への処理が行われた基板Wを搬出し、その後、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aに保持された未処理の基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP5、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bに、裏面が上に向けられた基板Wが一枚ずつ保持された状態となる。
第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bに基板Wが一枚ずつ保持された後は、第2下ハンド16が上側の反転ユニットRT1’に対向させられ(移動)、第2下ハンド16に保持された二枚の基板Wが上側の反転ユニットRT1’に同時に搬入される(STEP6、同時渡し)。そして、第2上ハンド14および第2下ハンド16が降下され、第2上ハンド14が下側の反転ユニットRT2’に対向させられる(移動)。このとき、反転ユニットRT2’には裏面への処理が行われた基板Wが二枚保持されており、当該二枚の基板Wは、それぞれ、予め上下が反転されて表面が上に向けられている。そして、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bによって、下側の反転ユニットRT2’から上下が反転された二枚の基板Wが同時に搬出される(STEP7、同時取り)。これにより、裏面への処理が行われた二枚の基板Wが、それぞれ、その表面を上に向けて第2上ハンド14に保持される。
裏面への処理が行われた二枚の基板Wをそれぞれ第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bに保持させた後は、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、何れかの処理ユニット10(たとえば、一番上に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。
基板処理装置1において複数枚の基板Wを連続して処理しているときには、表面および裏面への処理が1回ずつ行われた処理済の基板Wが処理ユニット10内に配置されているので、まず、第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aを用いて当該処理ユニット10から処理済の基板Wを搬出し、その後、第2上ハンド14の下側の基板保持ハンド14bに保持された基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP8、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aおよび第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aに、表面が上に向けられた基板Wが一枚ずつ保持された状態となる。
次に、第2上ハンド14および第2下ハンド16にそれぞれ基板Wを一枚ずつ保持させた状態で、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、前述の処理ユニット10と異なる処理ユニット10(たとえば、上から2番目に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。
そして、第2下ハンド16の下側の基板保持ハンド16bを用いて、表面および裏面への処理が1回ずつ行われた処理済の基板Wを、上から2番目に配置された処理ユニット10から搬出し、その後、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aに保持された基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP9、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bに、表面が上に向けられた処理済の基板Wが一枚ずつ保持された状態となる。
第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bに処理済の基板Wが一枚ずつ保持された後は、第2下ハンド16が上側の基板載置部PASS1に対向させられ(移動)、当該二枚の基板Wが上側の基板載置部PASS1に同時に載置される(STEP10、同時渡し)。そして、上側の基板載置部PASS1に載置された二枚の基板Wが、インデクサロボットIRによって受け取られ、キャリアC内に搬入される。このようにして、基板Wの表面および裏面に対する処理が1回ずつ行われる。
[(比較例)従来のメインロボットによる基板Wの搬送]
次に、図1、図2および図21を参照して、従来のメインロボットを用いた場合の搬送動作の一例について説明する。
基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理するときに従来のメインロボットを用いて基板Wを搬送するには、たとえば、下側の基板載置部PASS2に、未処理の基板Wを一枚載置させた状態で、基板Wを保持していない状態の上ハンドおよび下ハンドを旋回および/または昇降させて、下側の基板載置部PASS2に上ハンドおよび下ハンドを対向させる(準備移動)。このとき、下側の基板載置部PASS2に載置された基板Wは表面が上に向けられている。
次に、下ハンドを用いて下側の基板載置部PASS2から一枚の基板Wを搬出させる(STEP1、一枚取り)。そして、下ハンドに一枚の基板Wを保持させた状態で、上ハンドおよび下ハンドを降下させて、下側の反転ユニットRT2に下ハンドを対向させる(移動)。
下ハンドが下側の反転ユニットRT2に対向させられた後は、下ハンドに保持された未処理の基板Wを下側の反転ユニットRT2に搬入する。そして、下側の反転ユニットRT2によって基板Wの上下が反転された後、上ハンドによって当該下側の反転ユニットRT2から未処理の基板Wを搬出する(STEP2、交換)。これらの一連の動作は連続して行われ、当該一連の動作に要する設計上の時間は、交換動作と同じとみなすことができる。
裏面が上に向けられた基板Wが上ハンドに保持された後は、上ハンドおよび下ハンドを旋回および/または昇降させて、何れかの処理ユニット10(たとえば、一番上に配置された処理ユニット10)に上ハンドおよび下ハンドを対向させる(移動)。
そして、下ハンドを用いて当該処理ユニット10から裏面への処理が行われた基板Wを搬出し、その後、上ハンドに保持された未処理の基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP3、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、下ハンドに、裏面に対する処理が行われ、当該裏面が上に向けられた基板Wが一枚保持された状態となる。
下ハンドに基板Wが一枚保持された後は、上ハンドおよび下ハンドが上側の反転ユニットRT1に対向させられ(移動)、下ハンドに保持された一枚の基板Wが上側の反転ユニットRT1に搬入される。そして、上側の反転ユニットRT1によって基板Wの上下が反転された後、表面が上に向けられた基板Wが、上ハンドによって搬出される(STEP4、交換)。これらの一連の動作は連続して行われ、当該一連の動作に要する設計上の時間は、交換動作と同じとみなすことができる。
上ハンドに処理済の一枚の基板Wが保持された後は、上ハンドおよび下ハンドを旋回および/または昇降させて、何れかの処理ユニット10(たとえば、一番上に配置された処理ユニット10)に上ハンドおよび下ハンドを対向させる(移動)。
基板処理装置1において複数枚の基板Wを連続して処理しているときには、表面および裏面への処理が1回ずつ行われた処理済の基板Wが処理ユニット10内に配置されているので、まず、下ハンドを用いて当該処理ユニット10から処理済の基板Wを搬出し、その後、上ハンドに保持された基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP5、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、下ハンドに、表面および裏面に対する処理が1回ずつ行われ、表面が上に向けられた処理済の基板Wが一枚保持された状態となる。
下ハンドに処理済の基板Wが保持された後は、下ハンドが上側の基板載置部PASS1に対向させられ(移動)、下ハンドに保持された処理済の基板Wが上側の基板載置部PASS1に載置される(STEP6、一枚渡し)。そして、上側の基板載置部PASS1に載置された一枚の基板Wが、インデクサロボットIRによって受け取られ、キャリアC内に搬入される。このようにして、基板Wの表面および裏面に対する処理が1回ずつ行われる。
図21の表中における左部に示すように、基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理するときに、従来のメインロボットが、下側の基板載置部PASS2から未処理の基板Wを一枚受け取って(受け取るための準備の時間を含む)、処理された一枚の基板Wを上側の基板載置部PASS1に渡すまでの合計時間は、17.15secとなっている。
一方、図20の上段左部に示すように、基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理するときに、メインロボットMRが、下側の基板載置部PASS2から未処理の基板Wを二枚受け取って(受け取るための準備の時間を含む)、処理された二枚の基板Wを上側の基板載置部PASS1に渡すまでの合計時間は、25.75secとなっている。これを基板W一枚当たりで計算すると、12.88sec(25.75sec/2)となっている。したがって、基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理するときに、メインロボットMRを用いて基板Wを搬送することにより、従来のメインロボットを用いた場合に比べて、基板Wの搬送時間を短縮することができる。
[第1実施形態のまとめ]
以上のように本実施形態では、メインロボットMRの第2上アーム13および第2下アーム15に、それぞれ、複数の基板保持ハンド14a,14bおよび基板保持ハンド16a,16bが設けられているので、各アームに基板保持ハンドが1つしか設けられていない従来のメインロボットに比べて、多くの基板Wを同時に搬送することができ、基板Wを効率的に搬送することができる。これにより、基板Wの搬送時間を短縮することができる。また、メインロボットMRの各アーム13,15に設けられた基板保持ハンド14a,14b,16a,16bを用いて、基板載置部PASS1および基板載置部PASS2から複数枚の基板Wを同時に取る同時取り動作や、基板載置部PASS1および基板載置部PASS2に複数枚の基板Wを同時に渡す同時渡し動作を行わせることにより、基板Wの搬送に伴うメインロボットMRの動作回数を減らすことができる。これにより、基板の搬送時間をさらに短縮させることができる。
一方、本実施形態では、処理ユニット10が複数設けられているので、各処理ユニット10に順次基板Wを搬入させて複数枚の基板Wを並行して処理させることにより、基板Wの処理を順次完了させて見掛け上の基板Wの処理時間を短縮することができる。すなわち、本実施形態では、基板Wの処理時間および搬送時間を短縮することができ、基板処理装置1のスループットを向上させることができる。
[第2実施形態]
図22は、この発明の第2実施形態に係る基板処理装置100の図解的な平面図である。また、図23および図24は、それぞれ、基板処理装置100に備えられた反転ユニットRT3の図解的な正面図および側面図である。この図22〜図24において、前述の図1〜図21に示された各部と同等の構成部分については、図1〜図21等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
[基板処理装置100の構成]
この第2実施形態と前述の第1実施形態との主要な相違点は、インデクサブロック2と処理ブロック3との境界部分に、インデクサロボットIRおよびメインロボットMRがそれぞれ基板Wを搬入および搬出可能な反転ユニットRT3(反転装置、中継位置、基板保持位置)が配置されていることにある。反転ユニットRT3は、複数枚(この第2実施形態では、四枚)の基板Wを水平に保持することができ、さらに、保持した基板Wの上下を反転させることできる。インデクサロボットIRとメインロボットMRとの間で基板Wの受け渡しが行われる際には、反転ユニットRT3内に基板Wが一時的に載置される。
図23および図24に示すように、反転ユニットRT3は、水平に配置された固定板42と、複数枚(この第2実施形態では、四枚)の可動板43とを有している。四枚の可動板43は、それぞれ水平に配置されており、固定板42の上下にそれぞれ二枚ずつ配置されている。固定板42および四枚の可動板43は、それぞれ、矩形状であり平面視において重なり合うように配置されている。
また、固定板42は、支持板44に水平状態で固定されており、各可動板43は、鉛直方向に延びるガイド45を介して、水平状態で支持板44に取り付けられている。各可動板43は、支持板44に対して鉛直方向に移動可能となっている。各可動板43は、エアーシリンダなどの図示しないアクチュエータによって鉛直方向に移動させられる。支持板44には、回転アクチュエータ46が取り付けられており、固定板42および四枚の可動板43は、回転アクチュエータ46によって、支持板44とともに水平な回転軸線まわりに一体的に回転させられる。回転アクチュエータ46は、支持板44を水平な回転軸線まわりに180度回転させることにより、固定板42および四枚の可動板43の上下を反転させることができる。
また、固定板42および四枚の可動板43において、互いに対向する面(たとえば、1番上の可動板43の下面と、上から2番目の可動板43の上面)には、それぞれ複数本の支持ピン47が取り付けられている。複数本の支持ピン47は、それぞれの面において、基板Wの外周形状に対応する円周上で適当な間隔を空けて配置されている。各支持ピン47の高さ(基端から先端までの長さ)は、一定とされており、基板保持ハンド14a,14b,16a,16bの厚み(鉛直方向への長さ)よりも大きくされている。固定板42は、複数本の支持ピン47を介して、その上方で一枚の基板Wを水平に支持することができる。また、四枚の可動板43は、それぞれ、最も上側に位置している場合を除き、複数本の支持ピン47を介して、その上方で一枚の基板Wを水平に支持することができる。
反転ユニットRT3の開状態(基板Wの搬入および搬出が可能な状態)において、四枚の可動板43のうちで1番下に位置する可動板43による基板支持位置と、下から2番目に位置する可動板43による基板支持位置との鉛直方向の間隔は、メインロボットMRの各ハンド14,16により保持される二枚の基板Wの鉛直方向への間隔と等しくなるように設定されている。また、反転ユニットRT3の開状態において、固定板42による基板支持位置と、上から2番目に位置する可動板43による基板支持位置と鉛直方向の間隔は、メインロボットMRの各ハンド14,16により保持される二枚の基板Wの鉛直方向への間隔と等しくなるように設定されている。反転ユニットRT3の開状態において、反転ユニットRT3における4つの基板支持位置の位置関係は、メインロボットMRによる4つの基板保持位置の位置関係と等しくなっている。
固定板42上に基板Wが載置された状態で、その上側の可動板43を降下させることにより、固定板42と可動板43との間で当該基板Wを水平に保持することができる。また、固定板42の下に位置する可動板43(下から2番目の可動板43)上に基板Wが載置された状態で、当該可動板43を上昇させることにより、固定板42と可動板43との間で当該基板Wを水平に保持することができる。さらに、1番下に位置する可動板43上に基板Wが載置された状態で、当該可動板43および/またはその上側に位置する可動板43(下から2番目の可動板43)を昇降させて、両可動板43の間隔を狭めることにより、両可動板43の間で当該基板Wを水平に保持することができる。同様に、上から2番目に位置する可動板43上に基板Wが載置された状態で、当該可動板43および/またはその上側に位置する可動板43(1番上の可動板43)を昇降させて、両可動板43の間隔を狭めることにより、両可動板43の間で当該基板Wを水平に保持することができる。そして、反転ユニットRT3内に基板Wが保持された状態で、回転アクチュエータ46によって支持板44を水平な回転軸線まわりに回転させることにより、保持された基板Wの上下を反転させることができる。
インデクサロボットIRおよびメインロボットMRは、それぞれ、反転ユニットRT3に基板Wを搬入して各基板支持位置に基板Wを載置することができ、各基板支持位置に載置された基板Wを受け取って反転ユニットRT3から基板Wを搬出することができる。以下では、反転ユニットRT3とメインロボットMRとの間での基板Wの受け渡しについて説明し、その後、メインロボットMRによる基板処理装置100内での基板Wの搬送について説明する。
[反転ユニットRT3とメインロボットMRとの間での基板Wの受け渡し]
[同時渡し動作および同時取り動作]
メインロボットMRによって反転ユニットRT3に基板Wを二枚同時に搬入するときは、たとえば、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bに基板Wを一枚ずつ保持させた状態で、二枚の基板Wを反転ユニットRT3に同時に搬入する(同時渡し動作)。
具体的には、メイン制御部41が、旋回機構31および昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14および第2下ハンド16を反転ユニットRT3に対向させる。このとき、第2上ハンド14は、上下の基板保持ハンド14a,14bにそれぞれ保持された二枚の基板Wが、それぞれ、反転ユニットRT3の1番下の可動板43による基板支持位置および下から2番目の可動板43による基板支持位置よりも上方となる高さまで上昇または下降されている。
前述のように、反転ユニットRT3の開状態において、反転ユニットRT3における4つの基板支持位置の位置関係が、メインロボットMRによる4つの基板保持位置の位置関係と等しくされているので、たとえば、下側の基板Wが、1番下の可動板43による基板支持位置上に来るようにすれば、二枚の基板Wを、それぞれ、1番下の可動板43による基板支持位置および下から2番目の可動板43による基板支持位置上に配置させることができる。
次に、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上ハンド14を伸長させる。これにより、第2上ハンド14が反転ユニットRT3の内部に入り込み、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bにそれぞれ保持された二枚の基板Wが、それぞれ、下から2番目の可動板43による基板支持位置および1番下の可動板43による基板支持位置の上方に配置される。
その後、メイン制御部41が、昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14を降下させる。これにより、1番下の可動板43および下から2番目の可動板43上に基板Wが同時に載置され、第2上ハンド14から反転ユニットRT3に二枚の基板Wが同時に渡される。そして、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上アーム13を収縮させる。これにより、第2上ハンド14が反転ユニットRT3から退避していく(同時渡し動作)。
前述の一連の動作では、第2上ハンド14を用いて反転ユニットRT3に基板Wを二枚同時に搬入する場合について説明したが、第2下ハンド16を用いるときは、第2下ハンド16の高さを変更して前述の一連の動作と同様の動作を行わせることにより、第2下ハンド16を用いて反転ユニットRT3に基板Wを二枚同時に搬入することができる。
また、前述の一連の動作では、1番下の可動板43および下から2番目の可動板43上に基板Wを同時に載置する場合について説明したが、第2上ハンド14および第2下ハンド16の高さを変更して前述の一連の動作と同様の動作を行わせることにより、固定板42上および上から2番目の可動板43上に基板Wを同時に載置することもできる。
さらに、具体的な説明は省略するが、反転ユニットRT3から二枚の基板Wを同時に搬出するときは、前述の一連の動作を逆に行うことにより、メインロボットMRの何れかのハンドを用いて反転ユニットRT3から二枚の基板Wを同時に搬出することができる(同時取り動作)。
[基板W二枚の交換動作]
続いて、メインロボットMRと反転ユニットRT3との間で二枚の基板Wを交換するときの動作の一例について説明する。
メインロボットMRと反転ユニットRT3との間で二枚の基板Wを交換するときは、メインロボットMRおよび反転ユニットRT3に基板Wを二枚ずつ保持させておいた状態で、たとえば、反転ユニットRT3から二枚の基板Wを同時に搬出し(同時取り動作)、その後、反転ユニットRT3に基板Wを二枚同時に搬入する(同時渡し動作)。すなわち、メインロボットMRの上下のハンド14,16により、反転ユニットRT3に対して同時取り動作と同時渡し動作を連続して行わせる。
具体的には、第2下ハンド16を用いて反転ユニットRT3に対して同時取り動作を行わせるために、メイン制御部41が、旋回機構31および昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14および第2下ハンド16を反転ユニットRT3に対向させる。このとき、第2下ハンド16は、上下の基板保持ハンド16a,16bが、それぞれ、下から2番目の可動板43による基板支持位置および1番下の可動板43による基板支持位置よりも下方となる所定位置まで上昇または下降されている。
前述のように、反転ユニットRT3における4つの基板支持位置の位置関係が、メインロボットMRによる4つの基板保持位置の位置関係と等しくされているので、第2下ハンド16が前述の所定位置まで上昇または下降されると、メインロボットMRの4つの基板保持ハンド14a,14b,16a,16bは、反転ユニットRT3における対応する基板支持位置の下方に配置される。
次に、メイン制御部41が下進退駆動機構30を制御して第2下ハンド16を伸長させる。これにより、第2下ハンド16が反転ユニットRT3の内部に入り込み、第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bが、それぞれ、下から2番目の可動板43上および1番下の可動板43上で保持された基板Wの下方に配置される。
その後、メイン制御部41が、昇降駆動機構32を制御して、第2下ハンド16を上昇させる。これにより、反転ユニットRT3に保持された二枚の基板Wが、それぞれ、第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bによって同時に掬い取られ、当該上下の基板保持ハンド16a,16bに同時に保持される。そして、メイン制御部41が下進退駆動機構30を制御して第2下アーム15を収縮させる。これにより、二枚の基板Wとともに第2下ハンド16が反転ユニットRT3から退避していく(同時取り動作)。
同時取り動作が行われた後は、第2上ハンド14を用いて反転ユニットRT3に対して同時渡し動作が行われる。すなわち、前述の同時取り動作において第2下ハンド16の上昇が完了したときに、上下の基板保持ハンド14a,14bに基板Wが一枚ずつ保持された第2上ハンド14は、保持された二枚の基板Wが、それぞれ、上から2番目の可動板43による基板支持位置および固定板42による基板支持位置よりも上になる高さまで上昇されている。メイン制御部41は、第2上ハンド14および第2下ハンド16を上昇させた後、上進退駆動機構29および下進退駆動機構30を制御して、反転ユニットRT3から第2下ハンド16を退避させるのと並行して、第2上アーム13を伸長させる。これにより、第2下ハンド16が反転ユニットRT3から退避していくのと並行して、第2上ハンド14が、反転ユニットRT3内に進入していき、第2上ハンド14に保持された二枚の基板Wが、それぞれ、上から2番目の可動板43による基板支持位置および固定板42による基板支持位置の上方に配置される。
その後、メイン制御部41が、昇降駆動機構32を制御して、第2上ハンド14を降下させる。これにより、上から2番目の可動板43上および固定板42上に基板Wが同時に載置され、第2上ハンド14から反転ユニットRT3に二枚の基板Wが同時に渡される。そして、メイン制御部41が上進退駆動機構29を制御して第2上アーム13を収縮させる。これにより、第2上ハンド14が反転ユニットRT3から退避していく(同時渡し動作)。このようにして、同時取り動作と同時渡し動作とが連続して行われ、メインロボットMRと反転ユニットRT3との間で二枚の基板Wの交換動作が行われる。
前述のように、一方のアームを収縮させながら他方のアームを伸長させることにより、同時取り動作と同時渡し動作とを並行して実施させている期間があるので、メインロボットMRと反転ユニットRT3との間での二枚の基板Wの交換動作に要する設計上の時間は、2.6secとなる(図15参照)。
[メインロボットMRによる基板処理装置100内での基板Wの搬送]
以下では、複数枚の基板Wを一枚ずつ連続して処理していくときに、基板処理装置100内でメインロボットMRによって基板Wを搬送するときの搬送動作の具体例について説明する。
[基板Wの裏面を1回処理する場合]
図25は、基板Wの裏面を1回処理するときの基板Wの搬送動作の一例を説明するための表である。
基板Wの裏面を1回処理するときにメインロボットMRを用いて基板Wを搬送するには、たとえば、反転ユニットRT3の1番下の可動板43上および下から2番目の可動板43上に基板Wを一枚ずつ載置させた状態で、基板Wを保持していない状態の第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、反転ユニットRT3に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(準備移動)。このとき、反転ユニットRT3に載置された二枚の基板Wは、予め上下が反転されており、何れも裏面が上に向けられている。
次に、第2下ハンド16を用いて反転ユニットRT3から二枚の基板Wを同時に搬出させる(STEP1、同時取り)。これにより、第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bに未処理の基板Wが一枚ずつ保持される。そして、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、何れかの処理ユニット10(たとえば、一番上に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。
基板処理装置100において複数枚の基板Wを連続して処理しているときには、裏面への処理が行われた基板Wが処理ユニット10内に配置されているので、まず、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aを用いて当該処理ユニット10から基板Wを搬出し、その後、第2下ハンド16の下側の基板保持ハンド16bに保持された未処理の基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP2、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aおよび第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aに、裏面が上に向けられた基板Wが一枚ずつ保持された状態となる。
次に、第2上ハンド14および第2下ハンド16にそれぞれ基板Wを一枚ずつ保持させた状態で、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、前述の処理ユニット10と異なる処理ユニット10(たとえば、上から2番目に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。
そして、第2上ハンド14の下側の基板保持ハンド14bを用いて上から2番目に配置された処理ユニット10から裏面への処理が行われた基板Wを搬出し、その後、第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aに保持された未処理の基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP3、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bに、裏面が上に向けられた処理済の基板Wが一枚ずつ保持された状態となる。
その後、第2上ハンド14および第2下ハンド16が反転ユニットRT3に対向させられ(移動)、第2上ハンド14に保持された二枚の基板Wが反転ユニットRT3に同時に搬入される(STEP4、同時渡し)。反転ユニットRT3内に搬入された処理済の二枚の基板Wは、反転ユニットRT3によって表面が上に向けられた後、インデクサロボットIRによって受け取られ、キャリアC内に搬入される。このようにして、基板Wの裏面に対する処理が1回行われる。
この基板処理装置100において、基板Wの裏面を1回処理するときに、メインロボットMRが、反転ユニットRT3から未処理の基板Wを二枚受け取って(受け取るための準備の時間を含む)、処理された二枚の基板Wを反転ユニットRT3に渡すまでの合計時間は、10.65secとなっている。これを基板W一枚当たりで計算すると、5.33sec(10.65sec/2)となっている。したがって、前述の基板処理装置1において基板Wの裏面を1回処理するときよりも基板Wの搬送時間を短縮することができる(前述の基板処理装置1では、9.63sec。図18参照)。これにより、基板Wの裏面を1回処理するときの基板処理装置100のスループットをさらに向上させることができる。
[基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理する場合]
図26は、基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理するときの基板Wの搬送動作の一例を説明するための表である。
基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理するときにメインロボットMRを用いて基板Wを搬送するには、たとえば、反転ユニットRT3の1番下の可動板43上および下から2番目の可動板43上に未処理の基板Wを一枚ずつ載置させた状態で、基板Wを保持していない状態の第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、反転ユニットRT3に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(準備移動)。このとき、反転ユニットRT3に載置された未処理の二枚の基板Wは、予め上下が反転されており、何れも裏面が上に向けられている。
次に、第2下ハンド16を用いて反転ユニットRT3から二枚の基板Wを同時に搬出させる(STEP1、同時取り)。これにより、第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bに未処理の基板Wが一枚ずつ保持される。そして、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、何れかの処理ユニット10(たとえば、一番上に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。
基板処理装置100において複数枚の基板Wを連続して処理しているときには、裏面への処理が行われた基板Wが処理ユニット10内に配置されているので、まず、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aを用いて当該処理ユニット10から基板Wを搬出し、その後、第2下ハンド16の下側の基板保持ハンド16bに保持された未処理の基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP2、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aおよび第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aに、裏面が上に向けられた基板Wが一枚ずつ保持された状態となる。
次に、第2上ハンド14および第2下ハンド16にそれぞれ基板Wを一枚ずつ保持させた状態で、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、前述の処理ユニット10と異なる処理ユニット10(たとえば、上から2番目に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。
そして、第2上ハンド14の下側の基板保持ハンド14bを用いて上から2番目に配置された処理ユニット10から裏面への処理が行われた基板Wを搬出し、その後、第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aに保持された未処理の基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP3、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bに、裏面が上に向けられた処理済の基板Wが一枚ずつ保持された状態となる。
その後、第2上ハンド14および第2下ハンド16を反転ユニットRT3に対向させる(移動)。このとき、反転ユニットRT3の1番下の可動板43上および下から2番目の可動板43上には、裏面に対する処理が1回行われ、表面が上に向けられた基板Wが一枚ずつ載置されている。
第2上ハンド14に保持された二枚の基板Wは、反転ユニットRT3内の二枚の基板Wが第2下ハンド16の上下の基板保持ハンド16a,16bによって同時に搬出されてから、反転ユニットRT3内に同時に搬入される(STEP4、交換)。すなわち、反転ユニットRT3に対して同時渡し動作と同時取り動作が連続して行われ、第2下ハンド16によって、裏面に対する処理が1回行われ、表面が上に向けられた基板Wが二枚保持される。
次に、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、何れかの処理ユニット10(たとえば、一番上に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。そして、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aを用いて処理ユニット10から表面および裏面への処理が1回ずつ行われた処理済の基板Wを搬出し、その後、第2下ハンド16の下側の基板保持ハンド16bに保持された基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP5、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2上ハンド14の上側の基板保持ハンド14aに、表面が上に向けられた処理済みの基板Wが保持され、第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aに、裏面に対する処理が1回行われ、表面が上に向けられた基板Wが保持された状態となる。
次に、第2上ハンド14および第2下ハンド16にそれぞれ基板Wを一枚ずつ保持させた状態で、第2上ハンド14および第2下ハンド16を旋回および/または昇降させて、前述の処理ユニット10と異なる処理ユニット10(たとえば、上から2番目に配置された処理ユニット10)に第2上ハンド14および第2下ハンド16を対向させる(移動)。
そして、第2上ハンド14の下側の基板保持ハンド14bを用いて上から2番目に配置された処理ユニット10から表面および裏面への処理が1回ずつ行われた処理済の基板Wを搬出し、その後、第2下ハンド16の上側の基板保持ハンド16aに保持された基板Wを当該処理ユニット10に搬入する(STEP6、交換)。処理ユニット10とメインロボットMRとの間で一枚の基板Wが交換された後は、第2上ハンド14の上下の基板保持ハンド14a,14bに、表面および裏面への処理が1回ずつ行われ、表面が上に向けられた処理済みの基板Wが一枚ずつ保持された状態となる。
その後、第2上ハンド14および第2下ハンド16が反転ユニットRT3に対向させられ(移動)、第2上ハンド14に保持された二枚の基板Wが反転ユニットRT3に同時に搬入される(STEP7、同時渡し)。反転ユニットRT3内に搬入された処理済の二枚の基板Wは、インデクサロボットIRによって受け取られ、キャリアC内に搬入される。このようにして、基板Wの表面および裏面に対する処理が1回ずつ行われる。
この基板処理装置100において、基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理するときに、メインロボットMRが、反転ユニットRT3から未処理の基板Wを二枚受け取って(受け取るための準備の時間を含む)、処理された二枚の基板Wを反転ユニットRT3に渡すまでの合計時間は、20.40secとなっている。これを基板W一枚当たりで計算すると10.20sec(20.40sec/2)となっている。したがって、前述の基板処理装置1において基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理するときよりも基板Wの搬送時間を短縮することができる(前述の基板処理装置1では、12.88sec。図20参照)。これにより、基板Wの表面および裏面を1回ずつ処理するときに、基板処理装置100のスループットをさらに向上させることができる。
[変形例]
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。たとえば、前述の第1および第2実施形態では、基板載置部PASS1等を介して、インデクサロボットIRとメインロボットMRとの間で基板Wの受け渡しが行われる場合について説明したが、これに限らず、インデクサロボットIRとメインロボットMRとの間で直接的に基板の受け渡しを行わせてもよい。この場合、インデクサロボットIRおよびメインロボットMRのハンド7,9,14,16は、平面視において重なり合わないように互いに噛み合う形状にされていることが好ましい。
また前述の第1および第2実施形態では、メインロボットMRの第2上アーム13および第2下アーム15に、それぞれ、基板保持ハンドが2つずつ上下に重ねられるように設けられている場合について説明したが、これに限らず、3つ以上の基板保持ハンドが各アーム13,15に設けられていてもよいし、各アーム13,15に設けられた複数の基板保持ハンドが水平方向にずらして配置されていてもよい。
また前述の第1および第2実施形態では、メインロボットMRの第2上アーム13および第2下アーム15が多関節アームである場合について説明したが、これに限らず、第2上アーム13および第2下アーム15は、対応するハンドを直線的に移動させる直動機構であってもよい。
また前述の第1および第2実施形態では、複数の処理ユニット10がメインロボットMRを挟んで水平に対向するように配置されている場合について説明したが、これに限らず、複数の処理ユニット10は、平面視においてメインロボットMRを取り囲むように配置されていてもよい。
また前述の第1および第2実施形態では、複数枚の基板Wを一枚ずつ連続して処理していくときに、処理される全ての基板Wに対して同一の処理が行われる(たとえば、全ての基板Wに対して表面への処理が1回行われる)場合について説明したが、これに限らない。たとえば、処理される基板Wのうち何枚かについては異なる処理が行われてもよい。具体的には、処理される基板Wのうち何枚かについては表面に対する処理を1回行い、残りの基板Wについては裏面に対する処理を1回行ってもよい。
表面に対する処理と裏面に対する処理を混在させる場合、表面を処理する基板Wと、裏面を処理する基板Wとで搬送時間が異なるので、処理済の二枚の基板(表面への処理が行われた基板Wと、裏面への処理が行われた基板W)をメインロボットMRから基板載置部PASS1または反転ユニットRT3に同時に搬入するには、たとえば、メインロボットMRによる基板Wの搬送動作の各ステップにおいて、何れの基板保持ハンド14a,14b,16a,16bによって表面を処理する基板Wと裏面を処理する基板Wとを保持するかを適宜選択する等して、搬送時間の差を調節することが好ましい。これにより、表面への処理が行われた基板Wと、裏面への処理が行われた基板Wとを基板載置部PASS1または反転ユニットRT3に同時に搬入できるので、基板Wの搬送に伴うメインロボットMRの動作回数を減少させて、基板Wの搬送時間を短縮することができる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。