JP2012160359A - ケーブル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケーブルコアの外周に外被が形成されたケーブル本体に、外被よりも引張強さの小さい、すなわちげっ歯目動物にとって齧り易い咬害誘引部を有する咬害用外装体が、ケーブル本体の外周に長手方向に間欠的に装着される。極めて簡易で安価な咬害用外装体という部品により、咬害対策を実現することができるとともに、ケーブル敷設時の作業性、安全性等を向上することができる。
【選択図】図1
Description
また、特許文献2では、ケーブルコアの外周に外被を形成した本ケーブルに隣接して、外被の引張強さ/中心線平均粗さが本ケーブルのそれよりも小さいダミーケーブルを配置するようにしている。つまり、特許文献5では、げっ歯目の動物にダミーケーブルを齧らせることにより、本ケーブルに咬害が及ぶのを防止している。
また、特許文献5では、管壁にカプサイシン等の防鼠剤を含有させた保護管にケーブルを敷設することにより、咬害を防止している。
前記外被よりも引張強さの小さい咬害誘引部を有し、前記ケーブル本体の外周に長手方向に間欠的に装着される咬害用外装体と、を備えることを特徴とするケーブルである。
その結果、軟質材料で被覆したサンプル(例えばLDPEとナイロン系エラストマーの組合せでは、LDPE被覆サンプル)が、真鍮棒が剥き出しになるほどに激しい咬害を受けるのに対して、硬質材料で被覆したサンプルはほとんど咬害を受けていなかった。特に、樹脂材料の引張強さの比が25%以下の場合に明白な差異が確認された。
図1は実施形態に係るケーブルを示す側面図であり、図2はケーブル本体の断面図である。図1では、咬害用外装体の装着部分を一部断面で示している。本実施形態では、ケーブル本体がスロット型光ファイバケーブルで構成される場合について説明する。
外被12の引張強さは1〜30MPaである。発明者等の実験により、外被12の引張強さが35MPa以上であれば、げっ歯目動物による咬害を抑制できることが判明している。つまり、ケーブル本体10の外被12は、げっ歯目動物による咬害を比較的受けやすい構成となっている。
すなわち、咬害誘引部21の引張強さを、外被12の引張強さの50%以下とすることにより、げっ歯目動物にとって外被12と咬害誘引部21の齧りやすさの違いが明確となるので、咬害誘引部21を優先的に齧らせることができる。
咬害誘引部21の原材料としては、例えば、シリコーンゴムや二トリルゴム等のゴム材料、オレフィン系エラストマー、塩ビ系エラストマー、スチレン系エラストマー等の軟質エラストマー材料、又は軟質PVC等の軟質プラスチック材料が好適である。
さらに望ましくは、咬害防止部22の引張強さを50MPa以上とする。これにより、ケーブル本体10に咬害が及ぶのを確実に防止することができる。
咬害防止部22の原材料としては、例えば、SUS、鉄、銅、銅合金、アルミ合金等の各種金属材料、ナイロン、硬質PVC等の硬質樹脂材料、又はアラミド繊維等の高強度繊維(非金属繊維系材料)などが好適である。
また、咬害用外装体20(咬害誘引部21、咬害防止部22)が、2つの半割管をボルトで固定した構成となっていたり、ケーブル本体10に対してクリアランスをもって装着される等して、ケーブル本体10に対して装着位置を変更可能となっていれば、実際の咬害状況に柔軟に対応できるので好適である。
また、げっ歯目動物は、齧る対象を選定すると、ある程度の領域を試し噛みして齧り易い部分を決定した後、そこを集中して齧ると考えられる。
とりわけ、咬害用外装体20の外径については、大きすぎると、むしろげっ歯目動物が齧りづらくなると考えられるので、30mm以下とするのが望ましい。また、咬害誘引部21については、ケーブル線路におけるこれまでの咬害状況を考慮して、長さL1を2〜20cm、厚さを1〜10mmとするのが望ましい。
そこで、咬害防止部22は、咬害誘引部21の長手方向両端部から突出するように幅広に形成されることが望ましい。例えば、咬害防止部22の長さL2を、咬害誘引部21の長さL1よりも2〜20mm長くして、長手方向両端部から1〜10mmずつ突出させる。これにより、げっ歯目動物が咬害誘引部21の端部から齧り始めたときに、ケーブル本体10に咬害が及ぶのを防止できる。
なお、咬害防止部22の厚さについては、げっ歯目動物の咬害が、咬害防止部22の内側に位置するケーブル本体10に及ばない範囲であれば特に制限されない。
ケーブル1によれば、ケーブル本体10に隣接してダミーケーブルを長手方向一様に沿わせるという従来の手法に比較して、極めて簡易で安価な咬害用外装体20という部品により、咬害対策を実現することができる。また、防鼠用の特殊な材料が外被12に混練されて外被12が改質されることもないので、ケーブル敷設時の作業性、安全性等を向上することができる。
例えば、実施形態では、咬害誘引部21と咬害防止部22で咬害用外装体20を構成するようにしたが、咬害防止部22を省略して咬害誘引部21を直接ケーブル本体10に装着するようにしても、げっ歯目動物によるケーブル本体10への咬害を抑止する効果が得られる。
10 ケーブル本体
11 ケーブルコア
111 スロットロッド
111a スロット
112 光ファイバテープ心線
113 押え巻きテープ
114 テンションメンバ
12 外被
20 咬害用外装体
21 咬害誘引部
22 咬害防止部
Claims (8)
- ケーブルコアの外周に外被が形成されたケーブル本体と、
前記外被よりも引張強さの小さい咬害誘引部を有し、前記ケーブル本体の外周に長手方向に間欠的に装着される咬害用外装体と、を備えることを特徴とするケーブル。 - 前記咬害誘引部の引張強さが、前記外被の引張強さの50%以下であることを特徴とする請求項1に記載のケーブル。
- 前記咬害誘引部の引張強さが、1MPa以上30MPa以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のケーブル。
- 前記咬害用外装体が、前記咬害誘引部と前記ケーブル本体の間に介在し、引張強さが前記外被の引張強さよりも大きい咬害防止部を有することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のケーブル。
- 前記咬害防止部の引張強さが、50MPa以上であることを特徴とする請求項4に記載のケーブル。
- 前記咬害防止部が、前記咬害誘引部の端面から突出して形成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のケーブル。
- 前記咬害防止部が、金属系材料、非金属繊維系材料、又は樹脂系材料の何れか一つで構成されていることを特徴とする請求項4から6の何れか一項に記載のケーブル。
- 前記咬害用外装体が、前記ケーブル本体に対して装着位置を変更可能となっていることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載のケーブル。
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