JP2012154973A - 泡生成装置、定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

泡生成装置、定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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弘司 竹内
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貴彦 松本
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Abstract

【課題】大径の泡の割合が少なく、且つ、均一性の高い泡状液を生成できる、従来よりも小型の泡生成装置を提供する。
【解決手段】液状定着液210と空気Gとを混合して泡状定着液Fを生成する気液混合部としてのスリット状搬送路507に対して複数の空気吐出口534が並んで配置され、空気吐出口のうち隣り合う空気吐出口534a,bから交互に泡を形成し始めるよう、隣り合う空気吐出口から異なるタイミングで空気を吐出する。
【選択図】図8

Description

本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置に適用可能な泡生成装置に関するものである。詳しくは、トナー等の樹脂微粒子を溶解または膨潤させて記録媒体上に定着させる定着液を定着液泡状化手段によって泡状定着液にして樹脂微粒子に付与する定着装置の定着液泡状化手段として適用可能な泡生成装置、並びにこれを備えた定着装置及び画像形成装置に関するものである。
プリンタ、ファクシミリ及び複写装置のような画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広くオフィスで使用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。
しかし、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の定着装置が望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、又はトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が低消費電力の点で理想的である。
このような非加熱定着方法としては、例えばトナーを溶解または膨潤可能で、水に不溶または難溶な有機化合物が水に分散混合された水中油滴型の定着剤を、未定着のトナーが所定位置に配設された被定着物の表面から噴霧または滴下してトナーを溶解または膨潤させた後、被定着物を乾燥させるトナーの湿式定着方法がある。
この湿式定着方法の一例として特許文献1には、定着液が塗られた塗布ローラを未定着トナーが乗った記録媒体に接触させる方法が提案されている。しかし、特許文献1の方法では、定着液を記録媒体に微量付与するために塗布ローラ上の定着液層の厚みが未定着トナー層よりも薄い場合、塗布ローラが記録媒体から分離する位置で、塗布ローラ表面の定着液の液膜によって生じる表面張力で未定着トナー粒子が引っ張られてしまい塗布ローラの表面にトナー粒子がオフセットし、記録媒体上の画像が大幅に乱れてしまう。
逆に、塗布ローラ上の定着液層の厚みを未定着トナー層よりも十分厚くすると、塗布ローラが記録媒体から分離する位置で、液量が多いため塗布ローラの表面の液膜による表面張力が直接トナー粒子に作用しにくくなり、ローラ側にトナーがオフセットしなくなるが、紙面に多量の定着液が塗布されるため、トナー粒子が過剰な定着液により記録媒体上で流され画質劣化を生じたり、乾燥時間が長くなり定着応答性に問題が生じたりしてしまう。また、紙に著しい残液感(紙を手で触れたときの湿った感触)が発生する。更に、定着液が水を含有する場合、紙等のセルロースを含有する媒体への塗布量が多い場合、紙等の媒体が著しくカールし、画像形成装置などにおける装置内の紙等の媒体搬送時に紙ジャム発生の恐れがある。よって、このような定着液でローラ塗布を行う構成では、定着応答性向上や残液感低減やカール防止ための紙上のトナー層への定着液微量塗布と定着ローラへのトナーオフセット防止を両立することが極めて難しい。
定着液の微量塗布とトナーオフセットの抑制とを両立することができる定着方式として、特許文献2及び特許文献3には、定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とし、この泡状定着液を定着液付与対象である記録媒体上のトナー像に塗布する構成が記載されている。定着液を泡状とすることにより定着液の密度を下げることができるため、従来よりも少量の定着液で塗布部材表面上の定着液の膜厚を厚くすることができる。よって、微量塗布であっても、塗布部材表面上の定着液による表面張力の記録媒体上のトナー粒子に対する影響を軽減することができる。また、定着液の密度を低くすることで、所望の膜厚を形成するために要する定着液を少量とすることができるため、定着後の記録媒体上の残液感を抑制することができる。さらに、泡状の定着液は液状の定着液よりも流れ難いため、定着液によってトナー粒子が流されることによる画像劣化も防止することができる。
特許文献2及び特許文献3に記載の定着装置のように、泡状定着液をトナー画像に塗布する構成で良好な定着性を得るためには、泡状定着液の気泡の径がある程度小径であることが求められる。微小な気泡を含んだ泡状定着液を定着液付与対象上のトナー像に塗布することで、良好な定着性を得ることができる。しかし、通常の液状の液体から微小な気泡を含んだ泡状液を生成する場合、気泡の小径化が困難であり、通常の液状の定着液を起泡させて発泡させる工程(以下、初期発泡と呼ぶ)で、最初から微小な気泡を生成するためには時間がかかる。このため、特許文献2に記載の定着装置のように、初期発泡で生成された泡状定着液をそのまま塗布ローラに供給して定着に用いる構成では、定着に適した微小な気泡を含んだ泡状定着液を生成するために時間がかかるという問題があった。
このような問題に対して、特許文献3に記載の定着装置が備える定着液泡状化装置は、初期発泡によって大きな泡径の泡状定着液を生成する大径泡生成部と、大径泡生成部で生成された泡状定着液を分泡して微小な泡径の泡状定着液を生成する小径泡生成部とを有する。この定着液泡状化装置では、大径泡生成部で通常の液状の定着液(以下、液状定着液と呼ぶ)と空気とを微小孔シートを通過させることで、液状定着液を発泡させて初期発泡を行い、所望の泡径よりも大きい泡径の泡状定着液を生成する。その後、初期発泡で得られた泡状定着液を小径泡生成部に搬送し、小径泡生成部では内部に回転体を備える装置内で大きな泡径の泡状定着液にせん断力を付与することで泡の小径化を行う。このように、大きな気泡を含む泡状定着液を生成した後に、この泡状定着液にせん断力を加えることで大きな泡を分泡して微小な泡径の泡状定着液を得ると、通常の液状の液体から起泡させていきなり微小な気泡を含有する泡状液を生成する方法に比べ、素早く所望の大きさの微小な気泡を含有した泡状定着液を生成できる。
しかしながら、特許文献3の定着装置が備える定着液泡状化装置では、装置が大型になるという問題があった。これは以下の理由による。
特許文献3の定着液泡状化装置は、初期発泡を行う装置と小径化を行う装置とを別々に設けており、初期発泡を行う装置から小径化を行う装置まで大きな泡径の泡状定着液を配管(チューブ)を通して搬送する。このとき、泡状の液体は通常の液体と比べて流体抵抗が大きく、ポンプで圧力を掛けて泡状定着液を圧送しようとすると大きな圧力が必要となる。そして、泡状定着液を搬送する搬送経路を形成する配管が長くなるほど泡状定着液を圧送するときに要する圧力が大きくなる。このため、定着液泡状化装置内で定着液を搬送するために出力の大きなポンプが必要となり、ポンプは出力が大きいものほど大型化する傾向があるため、出力の大きなポンプを要する定着液泡状化装置は大型になる。
また、特許文献3の定着装置が備える定着液泡状化装置では、大きな泡径の泡状定着液に回転体によってせん断力を付与して小径化を行うため、回転体を備える機構と回転体に駆動を伝達する駆動源とが必要となり、装置の大型に繋がる。
そして、定着液泡状化装置が大型になると、それを備える定着装置や画像形成装置の大型化に繋がるため、泡状定着装置としては、所望の小径な泡を生成でき、小型であることが望まれる。
本出願人は、特願2010−009689号(以下、「先願」という。)において、一般的に二種類の液体の混合や反応に使用されるマイクロミキサ(マイクロリアクタともいう)と同様の構成を備えた装置を、液状の定着液を泡状とする泡生成装置として用いる定着装置を提案している。
マイクロミキサは、液体の混合や反応というプロセスを数百ミクロン以下の微細な流路や空間で行うことにより、その効率を向上させるものである。マイクロミキサは、一般に、二種類の液体をそれぞれ供給する流路を備え、それぞれの流路に二種類の液体を供給して混合や反応を行い、結果物を排出口から得る構成である。上記先願の発明者らは、このマイクロミキサの流路の一方を空気流路として空気を送るエアポンプを接続し、他方の流路に液状定着液を供給する定着液供給ポンプを接続して空気と液状定着液とを送り込んで混合すると泡状定着液が得られることを見出した。
上記先願の泡生成装置は、定着液供給ポンプにより供給された液状定着液を流す複数の微細な液体流路と、エアポンプにより供給された空気を流す複数の微細な気体流路と、供給された液状定着液と空気とを混合して泡状定着液を生成する気液混合部とを備えている。気液混合部は長尺な微細なスリット状であり、そのスリット状の一端に、複数の微細な液体流路に連通する複数の液体吐出口と、複数の微細な気体流路に連通する複数の気体吐出口とが配置されている。また、スリット状の他端は開口であり、生成された泡状定着液を外部に吐出する排出口を形成している。
上記先願に記載の泡生成装置で得られた泡状定着液は、特許文献3に記載の微小孔シートを通過させて初期発泡を行う装置で得られる泡状定着液よりも泡径が十分に小さい泡状定着液であり、このとき得られた泡状定着液では、泡状定着液をトナー画像に塗布する構成で良好な定着性を得ることが出来得る程度に微小な気泡を含んだ泡状定着液であることが確認された。
さらに、この先願に記載の泡生成装置では、特許文献3の定着装置が備える定着液泡状化装置と同等以上に素早く微小な気泡を含有した泡状定着液を生成できることが確認された。
また、この先願に記載の泡生成装置で用いるエアポンプや定着液供給ポンプとして用いたポンプの出力は、特許文献3に記載の定着液泡状化装置が備えるポンプの出力よりも十分に小さいものであることが確認された。
出力の小さいポンプを用いることができるため、ポンプの小型化を図ることができる。さらに、回転体によって泡状定着液にせん断力を付与して小径化を行う装置が不要であるため、せん断力を付与する回転体を備える機構や回転体に駆動を伝達する駆動源も不要となる。
このように、初期発泡を行う装置と小径化を行う装置とをそれぞれ設ける必要がなく、従来よりもポンプの小型化を図ることができ、せん断力を付与する回転体を備える機構や回転体に駆動を伝達する駆動源も不要となるため、従来の定着装置が備える泡生成装置よりも小型化を図ることができる。
しかしながら、上記先願に記載された泡生成装置で生成される泡状液の泡径分布が広いことが見出された。先願に記載された構成は、エアポンプにより気体を複数の気体流路に流し、その流れにより各気体流路下流となる、気液混合部に対して並んで配置された複数の気体吐出口より吐出するものである。このような構成では、気液混合部への気体吐出量が気体吐出口毎に変動し易い。気体吐出口毎に吐出量が変動すると、気体吐出口毎に形成される泡の大きさがばらつき、生成される泡状液が広い泡径分布を有するものとなってしまう。特に、生成された泡の中に、泡径の大きな泡があると、未定着トナー画像に塗布する時に破泡して定着液を均一に供給することができず、画像抜けなどが発生して定着画像品質が低下するという問題がある。このため、生成される泡状液中に含まれる大径の泡の割合が少ない、均一性の高い泡状液を生成することが望まれる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、大径の泡の割合が少なく、且つ、均一性の高い泡状液を生成できる、従来よりも小型の泡生成装置、並びに、この泡生成装置を有する定着装置及び画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、液体と気体とを混合して泡状液を生成する気液混合部と、液体供給手段により供給される液体を該気液混合部に流す液体流路と、気体供給手段により供給される気体を流す気体流路とを備え、該気体流路を流れた気体を該気液混合部に吐出する複数の気体吐出口を該気体混合部に対して並んで配置した泡生成装置において、上記複数の気体吐出口のうち隣り合う気体吐出口から交互に泡を形成し始めるよう、該隣り合う気体吐出口から異なるタイミングで気体を吐出することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の泡生成装置において、上記並んで配置した複数の気体吐出口を交互に分けて片方を第一群の気体吐出口、他方を第二群の気体吐出口としたとき、該第一群の気体吐出口に気体を流す気体流路を形成する第一の気室と、該第二群の気体吐出口に気体を流す気体流路を形成する第二の気室と、該第一の気室の気体流量と該第二の気室の気体流量とを制御する流量制御手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の泡生成装置において、上記第一の気室と上記第二の気室とが変位可能な隔壁を挟んで隣接して設けられ、上記流量制御手段は該隔壁の変位により該第一の気室の圧と、該第二の気室の圧を交互に変化させることにより、該第一の気室の気体流量と該第二の気室の気体流量とを制御することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1、2または3の何れかの泡生成装置において、上記隣り合う気体吐出口の間に、液体を吐出する液体吐出口を配置したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の何れかの泡生成装置において、上記液体は少なくとも樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有する液状定着液であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有する液状定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とする定着液泡状化手段と、該定着液泡状化手段に該泡状定着液を供給する定着液供給手段、該定着液泡状化手段に気体を供給する気体供給手段と、該樹脂微粒子を担持する定着液付与対象の表面に該泡状定着液を付与する定着液付与手段とを有し、該泡状定着液を付与することで軟化した該樹脂微粒子を記録媒体に定着する定着装置において、上記定着液泡状化手段として、請求項1、2、3、4または5の何れか1項に記載の泡生成装置を用いることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、記録媒体に転写するトナー像を担持するトナー像担持体の表面、または、トナー像を担持する記録媒体の表面を上記定着液付与対象の表面として定着液を付与し、該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置において、上記定着手段として、請求項6に記載の定着装置を用いることを特徴とするものである。
本発明においては、並んで配置される複数の気体吐出口のうち、隣り合う気体吐出口から異なるタイミングで気体を吐出させて、隣り合う気体吐出口で交互に泡を形成し始めるようにする。隣り合う気体吐出口で交互に形成し始める泡のうち、後で形成し始めた泡(以下、泡bという)が成長して大きくなる際に、先に形成し始めて既に成長した隣の泡(以下、泡aという)を両側から挟んで押し切る。これにより、先に成長した泡aを気体吐出口から分離させ、それ以上成長しないようにすることができる。また、先に気体を吐出させた気体吐出口からの吐出を一旦止め、後から形成し始めた泡bを成長させる。そして、再び先に気体を吐出した気体吐出口から気体を吐出させて泡(以下、泡cという)を形成し始める。この泡cが成長して大きくなる際に、既に成長した隣りの泡bを両側から挟んで押し切る。これにより、後から形成し始めた泡bも気体吐出口から分離させ、それ以上成長しないようにすることができる。このように、隣り合う気体吐出口から交互に泡を形成し始める動作を繰り返すことで、大きな泡が形成されることを抑制し、これにより均一性の高い泡状液を生成できる。また、この構成は、先願と同様の理由で、従来の泡生成装置に比べて小型化が可能である。
本発明によれば、大径の泡の割合が少なく、且つ、均一性の高い泡状液を生成できる、従来よりも小型の泡生成装置を得られるという優れた効果がある。
実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機におけるプリンタ部の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図。 同複写機における四つの作像ユニットのうちの一つを示す部分拡大図。 本実施形態の定着装置を模式的に示す説明図。 定着装置の泡状定着液塗布位置の拡大説明図。 従来の定着液泡状化装置の概略構成を示す斜視図。 従来の定着液泡状化装置の泡生成過程の説明図。 泡状定着液生成装置の泡生成過程の説明図。 泡状定着液生成装置の空気吐出口からの空気吐出動作タイミングチャート。 定着液泡状化装置の外観斜視図。 定着液泡状化装置の内部構造を模式的に示す説明図。 定着液泡状化装置内の流路連通状態を示す断面図。 変形例に係る定着液泡状化装置内の流路連通状態を示す断面図。 変形例に係る定着液泡状化装置の動作説明図。 実験に用いた定着液泡状化装置の条件を模式的に示す説明図。 実施例1と比較例1の泡形分布のグラフ。 比較例2に係る定着液泡状化装置の説明図。 実施例1と比較例2の泡形分布のグラフ。
以下、本発明を、電子写真方式によって画像を形成する画像形成装置である複写機(以下、複写機100と呼ぶ)に適用した実施形態について説明する。なお、本実施形態では本発明の泡生成装置を備える定着装置を有する画像形成装置が複写機である構成に付いて説明するが、プリンタ、ファクシミリ等の他の画像形成装置であってもよい。
まず、実施形態に係る複写機100の基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係る複写機100を示す概略構成図である。この複写機100は、プリンタ部1と、給紙装置40と、原稿搬送読取ユニット50とを備えている。原稿搬送読取ユニット50は、プリンタ部1の上に固定された原稿読取装置であるスキャナ部150と、これに支持される原稿搬送装置であるADF51とを有している。
給紙装置40は、ペーパーバンク41内に多段に配設された2つの給紙カセット42、給紙カセット42から転写紙Pを送り出す送出ローラ43、送り出された転写紙Pを分離して給紙路44に供給する分離ローラ45等を有している。また、プリンタ部1の紙搬送路37に転写紙Pを搬送する複数の搬送ローラ46等も有している。そして、給紙カセット42内の転写紙Pをプリンタ部1内の紙搬送路37内に給紙する。
プリンタ部1の上に固定されたスキャナ部150は、原稿MSの画像を読み取るための読取手段として、固定読取部151と、移動読取部152とを有している。光源、反射ミラー、CCD等の画像読取センサなどを有する固定読取部151は、原稿MSに接触するようにスキャナ部150のケーシング上壁に固定された図示しない第一コンタクトガラスの直下に配設されている。そして、ADF51によって搬送される原稿MSが第一コンタクトガラス上を通過する際に、光源から発した光を原稿面で順次反射させながら、複数の反射ミラーを経由させて画像読取センサ153で受光する。これにより、光源や反射ミラー等からなる光学系を移動させることなく、原稿MSを走査する。
一方、移動読取部152は、原稿MSに接触するようにスキャナ部150のケーシング上壁に固定された図示しない第二コンタクトガラスの直下であって、固定読取部151の図中右側方に配設されており、光源や、反射ミラーなどからなる光学系を図中左右方向に移動させることができる。そして、光学系を図中左側から右側に移動させていく過程で、光源から発した光を第二コンタクトガラス上に載置された図示しない原稿で反射させた後、複数の反射ミラーを経由させて、スキャナ本体に固定された画像読取センサ153で受光する。これにより、光学系を移動させながら、原稿MSを走査する。
このように、スキャナ部150において原稿MSを走査し、画像読取センサ153で得られた画像情報に基づいて、後述するように光書込装置2では光源を駆動してドラム状の四つの感光体4(K,Y,M,C)に向けてレーザー光Lを照射する。
図2は、プリンタ部1の内部構成の一部を拡大して示す部分拡大構成図である。プリンタ部1は、光書込装置2、K,Y,M,Cの各色のトナー像を形成する四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)、転写ユニット90、紙搬送ユニット28、レジストローラ対33、定着装置60等を備えている。光書込装置2は、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)の上方に配置されており、光書込装置2内に配設された図示しないレーザーダイオードやLED等の光源を駆動して、ドラム状の四つの感光体4(K,Y,M,C)に向けてレーザー光Lを照射する。この照射により、潜像担持体である感光体4(K,Y,M,C)の表面には静電潜像が形成され、この潜像は所定の現像プロセスを経由してトナー像に現像される。なお、符号の後に付されたK,Y,M,Cという添字は、ブラック,イエロー,マゼンタ,シアン用の仕様であることを示している。各色に対応するトナーは、それぞれの色に着色された樹脂材料からなり、これらの樹脂材料の少なくとも一部は、後述する定着装置60の定着液により溶解または膨潤し、トナーが軟化する。
作像ユニット3(K,Y,M,C)は、それぞれ、潜像担持体である感光体4と、その周囲に配設される各種装置とを1つのユニットとして共通の支持体によって支持するものであり、複写機100本体に対して着脱可能になっている。ブラック用の作像ユニット3Kを例にすると、これは、感光体4Kの他、これの表面に形成された静電潜像をブラックトナー像に現像するための現像装置6Kを有している。また、後述するK用の一次転写ニップを通過した後の感光体4Kの表面に付着している転写残トナーをクリーニングするドラムクリーニング装置15Kなども有している。複写機100では、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)を、後述する中間転写ベルト91に対してその無端移動方向に沿って並べるように対向配設した、いわゆるタンデム型の構成になっている。
図3は、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)のうちの一つ作像ユニット3の拡大図である。なお、四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)は、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、図3においては各符号に付すK,Y,M,Cという添字を省略している。図3に示すように、作像ユニット3は、感光体4の周りに、帯電装置の帯電ローラ5、現像装置6、ドラムクリーニング装置15、除電装置の除電ランプ22等を有している。
また、中間転写ベルト91を挟んで感光体4と対向する位置には一次転写装置の一次転写ローラ95が配置されている。
感光体4としては、複写機100では、アルミニウム等の素管に、感光性を有する有機感光材の塗布による感光層を形成したドラム状のものを用いている。但し、感光体としては無端ベルト状のものを用いても良い。
現像装置6は、図示しない磁性キャリアと非磁性トナーとを含有する二成分現像剤を現像剤担持体である現像ローラ12に担持する。そして、現像ローラ12と感光体4との対向部である現像領域で感光体4上の静電潜像にトナーを供給して、静電想像を可視像化させる。また、現像装置6は、現像ローラ12が配置された現像部と、現像ローラ12の表面に供給する二成分現像剤を収容する現像剤収容部とを備える。現像剤収容部は収容する二成分現像剤を攪拌する不図示の攪拌部材が設けられている。
現像ローラ12は回転可能に配置された非磁性の筒状の現像スリーブと、これの内部に回転不能に設けられたマグネットローラとから構成される。マグネットローラは、現像スリーブの回転方向に向けて順次並ぶ複数の磁極を有している。これらの磁極は、それぞれ現像スリーブ上の二成分現像剤に対して回転方向の所定位置で磁力を作用させる。これにより、現像剤収容部内の二成分現像剤を現像スリーブ表面に引き寄せて担持させるとともに、現像スリーブ表面上で磁力線に沿った磁気ブラシを形成する。
磁気ブラシは、現像スリーブの回転に伴って不図示の現像剤規制部材との対向位置を通過する際に適正な層厚に規制されてから、現像領域に搬送される。そして、現像スリーブに印加される現像バイアスと感光体4の静電潜像との電位差によってトナーを静電潜像上に転移させて現像を行う。更に、現像領域を通過した後、現像スリーブの回転に伴って再び現像装置6内に戻った磁気ブラシを構成する二成分現像剤は、マグネットローラの磁極間に形成される反発磁界の影響によって現像スリーブ表面から離脱した後、現像剤収容部内に戻される。現像剤収容部内には、不図示のトナー濃度センサが配置されており、このトナー濃度センサによる検知結果に基づいて、現像剤収容器内の二成分現像剤のトナー濃度が所定の範囲内となるように、不図示のトナー補給装置が制御され、二成分現像剤に適量のトナーが補給される。
図2に示すように四つの作像ユニット3(K,Y,M,C)の下方には、転写ユニット90が配設されている。この転写ユニット90は、複数の張架ローラ(92、93、94)によって張架されたトナー像担持体としての中間転写ベルト91を備え、中間転写ベルト91を挟んで第一張架ローラ92に対向する位置には、ベルトクリーニング装置32が配置されている。ベルトクリーニング装置32は、後述する二次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト91上に残留するトナーを除去するために配置されている。
転写ユニット90では中間転写ベルト91を感光体4(K,Y,M,C)に当接させながら図中時計回り方向(図2中の矢印A方向)に無端移動させる。これにより、感光体4(K,Y,M,C)と中間転写ベルト91とが当接するK,Y,M,C用の一次転写ニップが形成されている。K,Y,M,C用の一次転写ニップの近傍では、ベルトループ内側に配設された一次転写装置の一次転写ローラ95(K,Y,M,C)によって中間転写ベルト91が感光体4(K,Y,M,C)に向けて押圧されている。四つの一次転写ローラ95(K,Y,M,C)には、それぞれ図示しない電源によって一次転写バイアスが印加されている。これにより、K,Y,M,C用の一次転写ニップでは、感光体4(K,Y,M,C)上のトナー像を転写体である中間転写ベルト91に向けて静電移動させる一次転写電界が形成されている。図中時計回り方向の無端移動に伴ってK,Y,M,C用の一次転写ニップを順次通過していく中間転写ベルト91の表面には、各一次転写ニップでトナー像が順次重ね合わせて一次転写される。この重ね合わせの一次転写により、中間転写ベルト91の表面には4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
本実施形態の一次転写装置は、一次転写部材として一次転写ローラ95を備えた構成を採用しているが、一次転写部材としては導電性ブラシ、非接触のコロナチャージャー等を採用することもできる。
図2において、一次転写ニップを通過した後の感光体4の表面には、中間転写ベルト91に一次転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、作像ユニット3のドラムクリーニング装置15により、感光体4の表面から除去される。
ドラムクリーニング装置15としては、感光体4に当接しているポリウレタンゴム製のクリーニングブレード16により、転写残トナーを一次転写ニップ通過後の感光体4表面から掻き取って除去するものが用いられている。クリーニングブレード16は、作像ユニット3のケーシングに固定された金属製の支持部材に接着(ホットメルト)されており、感光体4に対してカウンタ方向に当接するようになっている。カウンタ方向とは、支持部材によって片持ち支持されるクリーニングブレード16の先端側を、後端側(自由端側)よりも感光体4の回転方向の上流側に位置させるようなブレードの向きである。
ここで、ドラムクリーニング装置15によって回収されたトナーは、図示しない回収スクリュー及びトナーリサイクル装置によって、現像装置6に回収され、再利用される。
本実施形態の作像ユニット3が備える除電装置は除電ランプ22を備えた構成であり、光を照射して感光体4の表面電位を初期化する。除電ランプ22によって除電された感光体4の表面は、帯電バイアスの印加によって感光体4との間に放電を発生させる帯電ローラ5によって一様に帯電せしめられた後、光書込装置2による光書込処理がなされる。
作像ユニット3が備える帯電装置は帯電ローラ5を採用した接触帯電方式の帯電装置である。この帯電装置は帯電ローラ5を感光体4の表面に接触させて、帯電ローラ5に電圧を印加することにより感光体4の表面を一様に帯電する。なお、感光体4を一様に帯電させる帯電装置としては、帯電ローラ方式のものに代えてスコロトロンチャージャ等を採用した非接触帯電方式の帯電装置を採用することもできる。
プリンタ部1では図1に示すように、転写ユニット90の図中下方には、駆動ローラ30と二次転写ローラ31との間に、二次転写ベルトである無端状の紙搬送ベルト29を掛け渡して無端移動させる二次転写ユニットとしての紙搬送ユニット28が設けられている。複写機100では紙搬送ユニット28の二次転写ローラ31と、転写ユニット90の下部張架ローラ94との間に、中間転写ベルト91及び紙搬送ベルト29を挟み込んでいる。これにより、中間転写ベルト91の表面と、紙搬送ベルト29の表面とが当接する二次転写ニップが形成されている。二次転写ローラ31には図示しない電源によって二次転写バイアスが印加されている。一方、転写ユニット90の下部張架ローラ94は接地され、二次転写ニップに二次転写電界が形成されている。なお、中間転写ベルト91と接触して二次転写ニップを形成する部材としては、紙搬送ベルト29のようなベルト状の部材に限らず、ローラ状の転写ローラを用いてもよい。
二次転写ニップの図中右側には、レジストローラ対33が配設されている。給紙カセット42からプリンタ部1内の紙搬送路37内に給紙された転写紙Pは、レジストローラ対33のローラ間に挟み込まれて停止する。
レジストローラ対33はローラ間に挟み込んだ転写紙Pを中間転写ベルト91上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで二次転写ニップに送り出す。二次転写ニップ内では、中間転写ベルト91上の4色トナー像が二次転写電界やニップ圧の影響によって転写紙Pに一括二次転写され、転写紙Pの白色と相まってフルカラー画像となる。二次転写ニップを通過し、表面にトナー像が転写された転写紙Pは、中間転写ベルト91から離間して、紙搬送ベルト29の表面に保持され、その無端移動に伴って定着装置60へと搬送される。
二次転写ニップを通過した中間転写ベルト91の表面には、二次転写ニップで転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。この転写残トナーは、クリーニング部材が中間転写ベルト91に当接するように配置されたベルトクリーニング装置32によって掻き取り除去される。
定着装置60に搬送された転写紙Pは、詳細は後述するが定着装置60内で定着液が塗布されることによってフルカラー画像が定着させしめられた後、定着装置60から送り出され、排紙トレイ10上に排紙される。
図1に示すように複写機100は、紙搬送ユニット28と定着装置60との下方には、転写紙反転装置であるスイッチバック装置36が配設されている。両面に画像形成を行う場合には、片面に対する画像定着処理を終えた転写紙Pの進路を、切換爪を制御することによってスイッチバック装置36側に切替え、そこで転写紙Pを反転させて再び二次転写ニップに向けて搬送する。そして、もう片面にも画像の二次転写処理と定着処理とが施された転写紙Pは、排紙トレイ10上に排紙される。
次に、定着装置60について説明する。
図4は本実施形態の定着装置60を模式的に示す説明図である。同図に示す本実施の形態の定着装置60は、樹脂材料からなるトナーの少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子であるトナー粒子を軟化させる軟化剤を含有する液状定着液210を液中に気泡が分散した泡状定着液Fとする定着液泡状化手段である定着液泡状化装置500を備える。また、樹脂材料からなるトナーの少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子であるトナー粒子を軟化させる軟化剤を含有する液状定着液210を収容する定着液ボトル220と、液状定着液210を定着液泡状化装置500に定着液搬送管としての液圧送用チューブ230を介して圧送するための定着液供給手段としての定着液供給ポンプ200を備える。また、エアフィルタ310を通した空気を空気搬送管としての気体圧送用チューブ330を介して圧送するための気体供給手段としてのエアポンプ300とを備える。定着液泡状化装置500は、定着液供給ポンプ200により圧送されて来た液状定着液210を、エアポンプ300により圧送されてくる空気と混合して泡状定着液Fを生成する。
また、定着装置60は、未定着トナー像Tとしてトナー粒子を担持する定着液付与対象である転写紙Pの表面に定着液泡状化装置500で生成された泡状定着液Fを付与する定着液付与手段としての塗布ローラ61を備える。さらに、定着装置60は、転写紙Pを挟んで塗布ローラ61と対向する位置に加圧ローラ62を備える。
定着液供給ポンプ200は、定着液ボトル220内の液状定着液210を吸引し、液圧送用チューブ230に対して圧送することで液状定着液210を定着液泡状化装置500に供給する。また、エアポンプ300は、エアフィルタ310を介して外気の空気を吸引し、気体圧送用チューブ330に対して圧送することで空気を定着液泡状化装置500に供給する。そして、液状定着液210及び空気が供給された定着液泡状化装置500は、詳細は後述する構成によって泡状定着液Fを生成し、泡状定着液排出口(不図示)から泡状定着液Fを排出することで、塗布ローラ61の表面に泡状定着液Fを供給する。
塗布ローラ61の表面上に供給された泡状定着液Fは、図4中の矢印B方向に回転する塗布ローラ61の表面移動によって、塗布ローラ61と加圧ローラ62とが対向する塗布位置Cに到達する。そして、塗布位置Cで塗布ローラ61表面上の泡状定着液Fが転写紙P上の未定着トナー像Tに塗布される。塗布位置Cで泡状定着液Fを未定着トナー像Tに塗布することで、軟化したトナー粒子を転写紙Pに定着する。なお、塗布位置Cより上流側に、塗布ローラ61に対向する膜厚規制ブレード63を設け、塗布ローラ61上の泡状定着液Fの膜厚を規制してもよい。
また、定着装置60としては、塗布位置Cで泡状定着液Fをトナーに供給した後、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させる成分(軟化剤)によって溶解または膨潤したトナーを加圧する、一対の平滑化ローラ(ハードローラ)を設けてもよい。一対の平滑化ローラ(ハードローラ)を用いて、溶解または膨潤したトナーを加圧することによって、トナーの層の表面を平滑化して、定着後のトナー層の表面に光沢を付与することが可能となる。さらに、記録媒体内へ溶解または膨潤したトナーを押し込むことによって、転写紙に対するトナーの定着性を向上させることができる。
図5は、本実施形態の定着装置60において塗布ローラ61が転写紙Pと接触する部分(塗布位置C)の拡大説明図である。
図5に示すように、定着液泡状化装置500によって液状定着液210を液中に気泡が分散した泡状定着液Fとすることで、定着液の嵩密度を低くでき、少量の定着液で塗布ローラ61表面上の定着液の膜厚を厚くすることができる。更には定着液の表面張力による影響が抑えられるため、定着液の量が少量であっても塗布ローラ61への樹脂微粒子のオフセットを防止できることが分かった。
この定着装置60において、泡状定着液Fは、嵩密度が0.01〜0.1g/cmであることが好ましく、0.01〜0.05g/cmがさらに好ましく、0.025〜0.05g/cmが特に好適である。嵩密度が0.01g/cm未満であると、泡状定着液Fの付与が不十分となることがあり、0.1g/cmを超えると、泡状定着液Fを付与した時に転写紙Pに残液感が生じることがある。また、泡状定着液Fは、泡径が5〜50[μm]であることが好ましい。これにより、転写紙P上に形成された粒径が5〜10[μm]のトナー像Tを乱すことなく泡状定着液Fをトナー像Tに付与することができる。
次に、特徴部である定着液泡状化装置500について説明する。
本実施形態の定着液泡状化装置の説明に先立ち、従来の定着液泡状化装置500の構成およびその課題について詳しく説明する。
図6は、従来の定着液泡状化装置500の概略構成を示す斜視図である。図6に示す定着液泡状化装置500は、一般にはマイクロミキサとも呼称され、液圧送用チューブ(不図示)に接続され液体定着液が流入される定着液流路505と、気体圧送用チューブ(不図示)に接続され空気が流入される空気流路504とにより構成される一次流路部と、定着液流路505と空気流路504をそれぞれ横切るように複数の微細な流路である二次流路部503が一体的に配置されている。この二次流路部503は、多重構造のU字型仕切り板により形成されて構成されている。流路の下面には、蓋部材506が固着される。また、蓋部材506には、複数流路に対応した所定位置にスリット開口502が穿設される。このスリット開口502に対向するよう、泡状定着液Fが通過する空間であるスリット状搬送路507を備える。スリット状搬送路507のスリット開口502側は、スリット状搬送路507内部に液状定着液210と空気とを供給する供給口となり、スリット状搬送路507の内部が液状定着液210と空気とを混合させて泡状定着液Fを生成する気液混合部となる。また、スリット状搬送路507の通過方向の一端はスリット状の開口部からなる泡状定着液排出口501である。この泡状定着液排出口501に対向する位置に塗布ローラ(図示せず)が設置される。
このように構成された定着液泡状化装置500において、定着液供給ポンプ200により定着液流路505に液状定着液210が、エアポンプ300により空気流路504に空気が流入される。流入された液状定着液210と空気はそれぞれ二次流路部503へと導入され、さらにスリット開口502を介してスリット状搬送路507内へ吐出したときに、液状定着液と空気が交互に合流されながら混合され泡状定着液が生成され、泡状定着液排出口501から塗布ローラ(図示せず)上に供給される。
図7は、図6の定着液泡状化装置の泡生成過程の説明図である。図7は、気液混合部であるスリット状搬送路507内部の断面図である。スリット状搬送路507の上端であるスリット開口502には、上記二次流路部503と連通しスリット状搬送路507に空気Gを吐出する微小な空気吐出口(気体吐出口)534と液状定着液210を吐出する微小な定着液吐出口(液体吐出口)524とが交互に並んで配置されている。
スリット状搬送路507では、定着液供給ポンプ200及びエアポンプ300から液状定着液210及び空気が供給されることにより、定着液吐出口524からは液状定着液210が吐出され、空気吐出口534からは空気Gが吐出される。このように、定着液吐出口524からスリット状搬送路507内に液状定着液210を供給し、その液状定着液210に対して空気吐出口534から空気Gが供給されることで、泡状定着液Fが生成される。スリット状搬送路507内で生成された泡状定着液Fは、スリット状搬送路507を通過して図中矢印で示すように泡状定着液排出口501から、塗布ローラ61の表面に向けて排出される。
しかしながら、この定着液泡状化装置500で生成される泡状定着液Fの泡径分布が広いことが見出された。上述のように、図6の構成では、エアポンプ300により空気Gを複数の溝状の空気流路に流し、その流れにより各溝の下流となる、スリット状搬送路507に対して並んで配置された複数の空気吐出口534よりそのまま吐出するものであり、特に空気吐出口534毎の吐出制御はおこなってはいない。このような構成では、スリット状搬送路507への空気Gの吐出量が空気吐出口534毎に変動し易い。空気吐出口534毎に吐出量が変動すると、空気吐出口534毎に形成される泡の大きさがばらつき、生成される泡状液が広い泡径分布を有するものとなってしまう。特に、生成された泡の中に、泡径の大きな泡があると、未定着トナー画像に塗布する時に破泡して定着液を均一に供給することができず、画像抜けなどが発生して定着画像品質が低下するという問題がある。このため、生成される泡状液中に含まれる大径の泡の割合が少ない、均一性の高い泡状液を生成することが望まれる。
このような問題を解決するために、本実施形態の泡状定着液生成装置では、複数の空気吐出口534のうち隣り合う空気吐出口から交互に泡を形成し始めるよう、隣り合う空気吐出口534から異なるタイミングで気体を吐出するよう構成したものである。
図8(a),(b)は、本実施形態の泡状定着液生成装置の泡生成過程の説明図であり、気液混合部であるスリット状搬送路507の断面図を用いて示している。スリット状搬送路507の上端であるスリット開口502には、スリット状搬送路507に空気Gを吐出する微小な空気吐出口534と液状定着液を吐出する微小な定着液吐出口524とが交互に並んで配置されている。この並んで配置される複数の空気吐出口534を交互に分けて片方を第一群の空気吐出口534a、他方を第二群の空気吐出口534bとする。また、図9は、第一群の空気吐出口534aおよび第二群の空気吐出口534bからの空気吐出動作のタイミングチャートである。
図8(a)では、定着液吐出口524からスリット状搬送路507内に液状定着液210を供給し、その液状定着液210に対して、まず、第一群の空気吐出口534aから空気Gを吐出することで、第一群の空気吐出口534aの吐出位置に泡aが形成される。第一群の空気吐出口534aは、第二群の空気吐出口534bと交互に配置されているので、同じタイミングで空気Gが吐出される空気吐出口の間隔が、従来に較べて広くなる。このため、隣接する泡aが互いに干渉することが少なくなり、泡aの成長を阻害し難くなるため、結果として第一群の空気吐出口534aに形成される泡a自体が、従来に較べて泡径のばらつきの少ないものとなる。
次いで、第一群の空気吐出口534の泡aが成長したタイミングで、第一群の空気吐出口534aからの空気Gの吐出を停止し、第二群の空気吐出口534bから空気Gを吐出する。これにより、先に形成された第一群の空気吐出口534aの泡aは成長を停止し、成長を停止した泡aを空気吐出口近傍で挟むように、隣り合う第二群の空気吐出口534bの吐出位置に後から泡bが形成される。後で形成し始めた第二群の空気吐出口534bの泡bが成長して大きくなる際に、先に形成し始めて既に成長した第一群の空気吐出口534aの泡aを空気吐出口近傍で両側から挟む(図8(a)参照)。これにより、先に形成し始めて既に成長した第一群の空気吐出口534aの泡aを横から押し切って第一群の空気吐出口534aから分離させ、それ以上成長しないようにすることができる。このため、第一群の空気吐出口534aによって生成される泡aは一定レベルの泡径に抑えられる。
次に、図8(b)では、第二群の空気吐出口534bから吐出している泡bが成長したタイミングで第二群の空気吐出口534bからの空気Gの吐出を停止し、第一群の空気吐出口534aから空気Gを吐出する。これにより、先に形成された第二群の空気吐出口534の泡bは成長を停止し、成長を停止した泡bの気体放出口近傍を挟むように、隣り合う第一群の空気吐出口534aの吐出位置に後から泡cが形成される。後で形成し始めた第一群の空気吐出口534aの泡cが成長して大きくなる際に、先に形成し始めて既に成長した第二群の空気吐出口534bの泡bを空気吐出近傍で両側から挟む(図8(b)参照)。これにより、先に形成し始めて既に成長した第二群の空気吐出口534bの泡bを横から押し切って第二の空気吐出口534bから分離させ、それ以上成長しないようにすることができる。このため、第二群の空気吐出口534bによって生成される泡bは一定レベルの泡径に抑えられる。
このような泡生成過程の繰り返しによって、大径の泡の割合が少なく、均一性の高い泡状液を連続して生成することができる。すなわち、隣り合う第一群の空気吐出口534aと第二群の空気吐出口534bから交互に泡を形成し始める動作を繰り返すことで、大きな泡が形成されることを抑制し、これにより均一性の高い泡状液を生成できる。
従来の泡状定着液生成装置でも、特許文献3に記載の微小孔シートを通過させて初期発泡を行う装置で得られる泡状定着液よりも泡径が十分に小さい泡状定着液であり、このとき得られた泡状定着液では、泡状定着液をトナー画像に塗布する構成で良好な定着性を得ることが出来得る程度に微小な気泡を含んだ泡状定着液であることが確認されている。しかし、泡状定着液の泡径分布が広く、泡径の大きな泡も含まれてしまう。具体的には、泡径が100[μm]を超える特に大きな泡が微量でも含まれていると、泡状定着液によってトナーの定着をおこなう際、次のような不具合を生じることが確認された。
本実施形態の定着装置60において、泡状定着液Fにより定着する記録紙上の未定着トナーの平均粒径は10[μm]以下である。このとき、泡状定着液Fの泡径が50[μm]を超えなければ、泡状定着液Fが複数層に重なった膜の状態で未定着トナーの上に付与されるため、未定着トナーを定着するのに十分な量が供給され、未定着トナーは記録紙に良好に定着する。しかしながら、泡状定着液Fの泡径が100[μm]を超える特に大きな泡が存在すると、泡状定着液Fが複数層に重なった膜の状態で未定着トナーの上に付与する構成では、100[μm]を超える泡が破泡する可能性が高くなる。100[μm]を超える泡が破泡した場合、破泡部分に対応する領域の未定着トナーには十分な泡状定着液Fが供給されない。このため、画像抜けなどの問題が生じ、結果として高品質な画像を形成することが困難になる。
このような不具合に対して、本実施形態の泡状定着液生成装置では、複数の空気吐出口534のうち隣り合う空気吐出口から交互に泡を形成し始めるよう、隣り合う空気吐出口534から異なるタイミングで気体を吐出することにより、生成される泡状定着液Fに含まれる泡径が100[μm]を超える泡を大幅に低減することが可能となった。これにより、従来の構成に較べて、泡状定着液Fの泡径が均一性を増し、画像抜けの無い高品質な画像を形成することが可能となる。
以下、上記本実施形態の泡生成過程を行う定着液泡状化装置500の構成の具体例について説明する。
図10は、本実施形態の定着液泡状化装置の外観斜視図である。また、図11は、図10の定着液泡状化装置の内部構造を模式的に示す説明図である。なお、図10,11、気液混合部であるスリット状搬送路507に対する空気吐出口534、定着液吐出口524の構成を解りやすくするため、上記図6、7、8とは上下逆の表示となっている。
図10に示すように、本実施形態の定着液泡状化装置500は、液状定着液と空気とを混合して泡状定着液Fを生成する気液混合部としてのスリット状搬送路507へのスリット開口502には、スリット状搬送路507に対して空気を吐出する微小な上記第一群の空気吐出口534aと上記第二群の空気吐出口534bとが交互に並んでいる。この第一群の空気吐出口534aと第二群の空気吐出口534bとの間に液状定着液210を吐出する微小な定着液吐出口524が配置される。定着液吐出口524から吐出される液状定着液を定着液泡状化装置500内に導入する定着液導入口520と、第一群の空気吐出口534aから吐出する空気を定着液泡状化装置500内に導入する第一の空気導入口530aと、第二群の空気吐出口534bから吐出する空気を定着液泡状化装置500内に導入する第一の空気導入口530bとを備えている。
図11にしめすように、図10の定着液泡状化装置500の内部には、定着液導入口520から導入された定着液を定着液吐出口524に流す液体流路と、第一の空気導入口530aから導入された空気を第一群の空気吐出口534aに流す第一の気体流路と、第二の空気導入口530bから導入された空気を第二群の空気吐出口534bに流す第二の気体流路とが形成されている。これらの流路は、図11の下方から、定着液導入口520から導入した液状定着液が流れる液室521と、第二の空気導入口530bから導入した空気が流れる第二の気室531bとを具備する気液導入部材510と、液体流路の一部とと第二の気体流路の一部とを形成する第1プレート部材511と、液体流路の一部と第一及び第二の気体流路の一部とを形成する第2のプレート部材512と、第一の気体流路の一部とスリット開口502とを形成する第3のプレート部材513と、第一の空気導入口530aから導入された空気が流れる第一の気室531aを具備する気体導入部材514の積層により形成される。なお、図11においては、気液混合部であるスリット状搬送路507の図示を省略している。
図11中下方の気液導入部材510は、断面が三角形の2つの開口部を有しており、この2つの開口部により、液室521と第二の気室531bが形成される。液室521は、図示しない定着液導入口と連通し、導入された液状定着液の流路を広げる定着液バッファ空間となっている。また、第二の気室531bは、図示しない第二の空気導入口と連通し、導入された空気の流路を広げる空気バッファ空間となっている。
気液導入部材515に延在するように配置される第1プレート部材511には、液室521に連通するよう設けられた複数の微細な定着液溝522と、第二の気室531bに連通するように設けられた複数の微細な第二の空気溝532bとが形成されている。
第1プレート部材511に延在するように配置される第2プレート部材512には、第1プレート部材511の複数の微細な第二の空気溝532bと連通するように設けられた複数の微細な第二の空気溝533bと、後述する第3プレート部材513の複数の微細な第一の空気溝532aと連通するように設けられた複数の微細な第一の空気溝533aとを有している。これらの複数の微細な第一の空気溝533aと複数の微細な第二の空気溝533bとは隣接して交互に配置される。また、これらの空気溝533a、533bと交互に配置されるように、第1プレート部材511の複数の微細な定着液溝522と連通するように設けられた複数の微細な定着液溝523を有している。具体的には、第3プレート部材513の右側に定着液溝523が形成され、左側に第一の空気溝533aと第二の空気溝533bとが隣接して交互に形成される。また、中央部において、第一の空気溝533aと第二の空気溝533bとの間に定着液溝523が配置された状態となる。
一方、図11中上方の気体導入部材514は、第二の気室531bに対向する位置に、断面が三角形の開口部を有しており、この開口部により、第一の気室531aが形成される。第一の気室531aは、図示しない第一の空気導入口と連通し、導入された空気の流路を広げる空気バッファ空間となっている。
気体導入部材514に延在するように配置される第3プレート部材513には、第一の気室531aに連通するように設けられた複数の微細な第一の空気溝532aが、第二の気室531bと対向しないようにずらして配置されている。また、複数の微細な第一の空気溝532aと直交する方向に長尺な開口を有しており、この開口が、第2プレート部材512の中央部において、上述のように交互に配置された第一の空気溝533aと、第二の空気溝533bと、定着液溝523とを、図示しないスリット状搬送路507へ連通するスリット開口502となっている。
すなわち、スリット開口502において、第一の空気溝533aのスリット状搬送路507に連通する部分が第一群の空気吐出口534a、第二の空気溝533bのスリット状搬送路507に連通する部分が第二群の空気吐出口534b、定着液溝523のスリット状搬送路507に連通する部分が定着液吐出口524を形成する。これにより、スリット開口502において、図10のように、第一群の空気吐出口534aと第二群の空気吐出口534bとが交互に並び、第一群の空気吐出口534aと第二群の空気吐出口534bとの間に定着液吐出口524が並んで配置される。
図12は、図10の定着液泡状化装置500内の流路連通状態を示す断面図であり、(a)は図10の矢印A方向から見た断面、(b)は図10の矢印B方向から見た断面である。このような構造の定着液泡状化装置500に、定着液導入口520から液状定着液を供給すると、液状定着液は、液室521および定着液溝522、523を通過して、スリット開口502に形成された複数の微小な定着液吐出口(不図示)からスリット状搬送路507内に吐出される。第一の空気導入口530aから空気を供給すると、空気は、第一の気室531aおよび第一の空気用溝532a,533aを通過して、スリット開口502に形成された複数の微小な第一群の空気吐出口(不図示)からスリット状搬送路507内に吐出される。また、第二の空気導入口530bから空気を供給すると、空気は、第二の気室531bおよび第二の空気用溝532b,533bを通過して、スリット開口502に形成された複数の微小な第二群の空気吐出口(不図示)からスリット状搬送路507内に吐出される。
また、第一の気室531aと第二の気室531bの気体流量を制御する流量制御手段を有している。この流量制御手段は、第一群の空気吐出口534aおよび第二群の空気吐出口534bからの空気吐出動作が図9にしめすタイミングチャートとなるように、各気室の流量を制御する。流量制御手段としては、例えば、第一の空気導入口530a、第二の空気導入口530bに空気を圧送するためのエアポンプをそれぞれ設け、各エアポンプの動作をON/OFFする構成が挙げられる。また、エアポンプが一つでも、圧送経路中に電磁弁等を設け、第一の空気導入口530a、第二の空気導入口530bに圧送する空気を切替えても良い。このような公知の手段を用いることができる。これにより、図8に示した泡生成過程で泡を生成して、大径泡の少ない、均一な泡を形成することができる。
<変形例>
上記定着液泡状化装置500で、第一群の空気吐出口534aおよび第二群の空気吐出口534bからの空気吐出動作が図9にしめすタイミングチャートとなるように制御する構成の変形例を説明する。図13は、変形例に係る定着液泡状化装置500内の流路連通状態を示す断面図である。図14(a),(b)は、図13の構成の動作説明図である。この変形例では、第一の気室531aと第二の気室531bとを隔壁540を挟んで一体的に設けられている。この隔壁540は、図14(a)、(b)に示すように変形可能であり、隔壁が変形することで第一の気室531aおよび第二の気室531bを交互に瞬間的に負圧にして、吐出を抑えることにより流量を制御する。隔壁の変形はピエゾ素子など公知の手段を用いることができる。
なお、上記第一の空気吐出口534aおよび第二の空気吐出口534bからの空気吐出タイミングは上述の図9のものに限らない。第一の空気吐出口534aおよび第二の空気吐出口534bからの吐出タイミングに時間差を有することで、並んで配置される複数の空気吐出口534から交互に泡を形成することで、先に形成された泡を、これを挟む両側の空気吐出口534に形成された泡で横から押し切る動作を繰り返すものであれば、適用可能である。
以下、実施例に基づき、本発明の効果を具体的に説明する。
<実施例1>
実施例1の実験では、定着液泡状化装置500で、第一群の空気吐出口534aおよび第二群の空気吐出口534bからの空気吐出動作が図9にしめすタイミングチャートとなるように制御して泡状定着液Fを生成し、生成した泡状定着液Fの泡径分布の測定を行った。
図15は、実験に用いた定着液泡状化装置500の条件を模式的に示す説明図である。気液混合部を形成する微細空間としてのスリット状搬送路507は、スリット長さ10[mm]、スリット間隔35[μm]、流路ピッチ間隔90[μm]である。
定着液供給ポンプ200として、マイクロシリンジポンプ(KdScientific社製、型番KDS−100)を用い、ハミルトンガスタイトシリンジ(アズワン株式会社製、型番2−435−04)を用いて液状定着液210を定着液泡状化装置500に導入した。エアポンプ300としては、電磁式エアポンプ(榎本マイクロポンプ製作所製、型番MV−10H)を用い、電磁弁を制御して第一群の空気吐出口534aおよび第二群の空気吐出口534bからの空気吐出動作を制御した。
実験で用いた液状定着液210の処方を以下に示す。
軟化剤:
コハク酸ジカルビトール(高級アルコール工業(株)、試薬) 30.0wt%
希釈溶媒:
イオン交換水 65.0[wt%]
増泡剤:
ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂 マーポンMM)
0.50[wt%]
起泡剤:
パルミチン酸アミン 2.5[wt%]
ミリスチン酸アミン 1.5[wt%]
ステアリン酸アミン 0.5[wt%]
脂肪酸アミンは、脂肪酸とジエタノールアミンにより脂肪酸アミンを合成した。
また、この実験で、比較例1として、第一群の空気吐出口534aおよび第二群の空気吐出口534bからの空気吐出動作を図9のタイミングチャートのように制御せずに、泡状定着液Fを生成し、生成した泡状定着液Fの泡径分布の測定を行った。図16に実施例1と比較例1の泡形分布のグラフを示す。なお、図16は、それぞれ10回の泡径計測した結果を示すものである。実施例1では、平均泡径35[μm]、標準偏差は15[μm]であり、泡径が75[μm]を超える泡は認められなかった。一方、比較例1では、平均泡径45[μm]、標準偏差は30[μm]であり、泡径が100[μm]を超える泡も確認された。この結果、実施例1は比較例1に較べて、大径泡の少ない、均一な泡を形成することができた。この実験によって、本実施形態の定着液泡状化装置500を用いることで、定着に良好な小粒径の泡の作成が可能であり、従来の構成の定着液泡状化装置よりも、大径泡の少ない、均一な泡を形成することができたと言うことができる。
また、この実験で、比較例2として、図17に示す他の先願(特願2010−204714号)の構成の定着液泡状化装置600により泡状定着液Fを生成し、生成した泡状定着液Fの泡径分布の測定を行った。
先ず、比較例2の図17にしめす定着液泡状化装置600の構成について説明する。図17の定着液泡状化装置600は、一対の対向部材610、620の間隙により形成される薄層状空間からなる気液混合部630の外周部で、気液混合部630内に空気を供給する微少な空気吐出口641と、液状定着液210を供給する微少な定着液吐出口642とが、周方向全域に渡って交互に無端状に配置された構成である。この構成では、気液混合部630の外周部全域において、複数の微小な空気吐出口641から吐出された気体により、生成される泡がお互いに成長を阻害し合ってある程度の泡径に抑える効果を得ることができる。よって、生成される泡状定着液F中に含まれる大径泡の割合が少なくなり、泡径分布のシャープな泡状液を得ることができる。このため、気体混合部が長尺なスリット状で、このスリット状の気液混合部の端部領域で、生成される泡がお互いに成長を阻害し合う効果が得難く、泡が大径化してしまうことを抑制するものである。
図18に実施例1と比較例2の泡形分布のグラフを示す。比較例2では、比較例1に較べると、泡径が50[μm]を超える大きな泡が少なくなっている。しかしながら、泡径が100[μm]を超える特に大きな泡が、頻度として約1%存在していた。上述のように、泡径が100[μm]を超える特に大きな径の泡が存在すると、100[μm]を超える泡が破泡する可能性が高く、画像抜けの問題を生じやすい。これに対して、実施例1では、100[μm]を超える特に大きな径の泡は認められなかった。この実験によって、本発明の構成の構成を備えた泡生成装置を用いることで、上記先願に示す図17の構成の泡生成装置よりも、さらに大径泡の少ない泡を形成することができたと言うことができる。
<実施例2>
図4にしめす定着装置60に、実施例1の条件の定着液泡状化装置500を採用した。電子写真方式のカラープリンタIpsioColorCX8800(リコー社製)を用いてPPC用紙T−6200(リコー社製)に未定着トナー像を形成し、この定着装置60で100枚連続して定着実験を行った。この結果、100枚何れのサンプルでも画像抜けのない良好な定着画像を得ることができた。一方、この定着実験の比較として、上記比較例1の条件の定着液泡状化装置500を採用した定着装置60を用いて同様の実験をおこなった。この結果、100枚のサンプルのうち、30%のサンプルで一部画像抜けが発生した。
<実施例3>
実施例2の定着装置を用いて、図1の画像形成装置を構成した。未定着画像形成部としてImagio MP C3300(リコー製)を用い、その定着装置を取り外して実施例2の定着装置を、二次転写ベルトの下流に配置することで画像形成装置を構成した。連続して100枚の画像形成をおこなったが、いずれのサンプルでも画像抜けのない良好な画像形成を行うことができた。
以上、本実施形態の定着液泡状化装置500を用いて説明したが、本発明は上述した実施形態の定着液泡状化装置500に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載であれば多種の変形や置換可能であることはいうまでもない。例えば、比較例2の図17に示す定着液泡状化装置500で、気体供給部に対して無端状に並んだ複数の空気吐出口のうち、隣り合う空気吐出口から異なるタイミングで空気を吐出するものでもよい。これにより上記効果が得られる。また、定着液泡状化装置500では、気液混合部に対して複数の空気吐出口が並んで配置されて隣り合う空気吐出口から異なるタイミングで気体を吐出すればよく、定着液吐出口は空気吐出口の間に配置されずに、空気吐出口と対向する構成でもかまわない。この場合は、空気吐出口のピッチ間隔を狭い構成にすることができ、小径の泡を生成することが容易となる。この場合も、隣接する空気吐出口から異なるタイミングで気体を吐出することで、上記効果が得られる。
次に、定着液の液処方について説明する。
泡状定着液Fは、上述したように、軟化剤を含有した定着液中に気泡を含有した構造である。定着液は、泡状としたときに気泡を安定に含有し、なるべく均一な気泡の大きさからなる気泡層を構成する泡状とするため、起泡剤及び増泡剤を有することが望ましい。また、ある程度粘度が高いほうが、気泡が安定して液体中に分散するため、増粘剤を含有することが望ましい。
起泡剤としては、陰イオン界面活性剤、特に、脂肪酸塩が望ましい。脂肪酸塩は界面活性を有するため、水を含有する定着液の表面張力を下げ、定着液を発泡しやすくするとともに、泡表面で脂肪酸塩が層状ラメラ構造をとるため泡壁(プラトー境界)が他の界面活性剤よりも強くなり、泡沫安定性が極めて高くなる。
また、脂肪酸塩の起泡性を効果的にするため、定着液には水を含有することが望ましく、脂肪酸としては、大気中での長期安定性の観点から酸化に強い飽和脂肪酸が望ましい。
ただし、飽和脂肪酸塩を含有する定着液に若干の不飽和脂肪酸塩を含有することで脂肪酸塩の水に対する溶解・分散性を助けることができる。これにより、5[℃]〜15[℃]の低温環境下においても優れた起泡性を有することができ、広い環境温度範囲において安定した定着が可能となる。また、定着液に若干の不飽和脂肪酸塩を含有することで、定着液長期放置中の脂肪酸塩の定着液中での分離を防止することができる。
飽和脂肪酸塩に用いる脂肪酸としては、炭素数12、14、16及び18の飽和脂肪酸が適しており、具体的にはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等がある。
炭素数が11以下の飽和脂肪酸塩は臭気が大きくなり、オフィス・家庭で用いる画像形成機器で用いる定着液には適さない。また、炭素数19以上の飽和脂肪酸塩は、水に対する溶解性が低下し、定着液の放置安定性を著しく低下させてしまうため適さない。
上述した使用に適した飽和脂肪酸による飽和脂肪酸塩を、単独もしくは混合して起泡剤として用いる。
また、起泡剤に用いる脂肪酸塩としては、不飽和脂肪酸塩を用いてもよく、炭素数18で2重結合数が1から3の不飽和脂肪酸が望ましい。具体的には、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸が適する。不飽和脂肪酸の2重結合が4以上では反応性が強いため、定着液の放置安定性が低下してしまう。
これらの使用に適した不飽和飽和脂肪酸による不飽和脂肪酸塩を単独もしくは混合して起泡剤として用いる。また、上述した飽和脂肪酸塩と不飽和脂肪酸塩を混合して起泡剤として用いてもよい。
本実施形態の定着装置60で用いる定着液の起泡剤として、上述した飽和脂肪酸塩または上述した不飽和脂肪酸塩を用いる場合、ナトリウム塩、カリウム塩もしくはアミン塩であることが望ましい。
ここで、定着装置に電源を投入後、素早く定着可能な状態にすることは定着装置の商品価値として重要な要素である。定着装置において定着可能な状態とするためには、定着液が適切な泡状となっていることが必須であるが、上述した脂肪酸塩は素早く起泡することで、電源投入後に定着可能な状態を短時間でつくることができる。特に、アミン塩とすることで、定着液にせん断力を加えたときに他の起泡剤に比べて短時間で起泡し、泡状定着液を容易に作製することが可能であり、定着装置への電源投入後の定着可能な状態を短時間でつくることができる。
樹脂を溶解または膨潤することで軟化させる軟化剤は、脂肪族エステルを含む。この脂肪族エステルは、トナー等に含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させる溶解性または膨潤性に優れている。
記録媒体に対するトナーの定着は、密封された環境において頻繁に使用される機器で行われ、トナーを記録媒体に定着した後にも軟化剤はトナー中に残留する。このため、記録媒体に対するトナーの定着は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の発生を伴わないことが好ましい。
すなわち、定着液に含まれる軟化剤は、揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の原因となる物質を含まないことが好ましい。
軟化剤として使用することができる脂肪族エステルは、一般に汎用される有機溶剤(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)と比較して、高い沸点及び低い揮発性を有し、刺激臭を持たない。
オフィス環境等における臭気を高い精度で測定することができる実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数(10×log{物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率})を用いることができる。そして、軟化剤に含まれる脂肪族エステルの臭気指数は10以下であることが好ましい。臭気指数が10以下であれば、通常のオフィス環境では不快臭を感じなくなる。
また、軟化剤のみならず、定着液に含まれる他の液剤も同様に、不快臭及び刺激臭を有さないことが好ましい。
本実施形態の定着装置60で用いる定着液において、上述した脂肪族エステルは、飽和脂肪族エステルを含むことが好ましい。これは、脂肪族エステルが飽和脂肪族エステルを含む場合には、軟化剤の保存安定性(酸化、加水分解などに対する耐性)を向上させることができるためである。また、多くの飽和脂肪族エステルは、トナーに含まれる樹脂を1秒以内で溶解または膨潤させることができる。さらに、飽和脂肪族エステルは、記録媒体に提供されたトナーの粘着感を低下させることができる。これは、飽和脂肪族エステルが、溶解または膨潤したトナーの表面に油膜を形成するためであると考えられる。
よって、定着液としては、上記飽和脂肪族エステルが「R1COOR2」の一般式で表される化合物を含むものを用いることが望ましい。
この化合物の一般式におけるR1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基を示しており、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型アルキル基を示している。
R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
このため、定着液として、上記飽和脂肪族エステルが「R1COOR2」の一般式で表される化合物を含むものを用いることにより、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性または膨潤性を向上させることができる。また、上記一般式「R1COOR2」で表される化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。
上記一般式「R1COOR2」で表される化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、例えば、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。上記一般式「R1COOR2」で表される化合物であるこれらの脂肪族モノカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、上記一般式「R1COOR2」で表される化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルの多くについては、水性溶媒を用いる場合には、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解またはマイクロエマルジョンの形態とする。
また、定着液としては、上記脂肪族エステルが脂肪族ジカルボン酸エステルを含むものを用いることが望ましい。上記脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、より短い時間でトナーに含まれる樹脂を溶解または膨潤させることができる。
例えば、60[ppm]程度の高速印字では、記録媒体における未定着のトナーに定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するまでの時間は、1[秒]以内であることが望ましい。上記脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、記録媒体における未定着のトナー等に定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するのに要する時間を、0.1[秒]以内にすることが可能となる。さらに、より少量の、軟化剤の添加によってトナーに含まれる樹脂を溶解または膨潤させることができるため、定着液に含まれる、軟化剤の含有量を低減することができる。
よって、定着液としては、上記脂肪族ジカルボン酸エステルが「R3(COOR4)」の一般式で表される化合物を含むものを用いることが望ましい。この化合物の一般式におけるR3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基を示しており、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型または分岐型アルキル基を示している。R3及びR4の炭素数が、それぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
定着液としては、上記脂肪族ジカルボン酸エステルが「R3(COOR4)」の一般式で表される化合物を含むものを用いることにより、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性または膨潤性を向上させることができる。また、「R3(COOR4)」の一般式で表される化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。
「R3(COOR4)」の一般式で表される化合物である脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、例えば、コハク酸2エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。「R3(COOR4)」の一般式で表される化合物であるこれらの脂肪族ジカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、水性溶媒を用いる場合には、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解またはマイクロエマルジョンの形態とする。
さらに、本実施形態の定着装置60で用いる定着液において、上記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含むものであることが好ましい。上記脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む場合には、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
本実施形態の定着装置60で用いる定着液としては、上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルが「R5(COOR6−O−R7)」の一般式で表される化合物を含むものを用いることが望ましい。この化合物の一般式におけるR5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基を示しており、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基を示し、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基を示している。R5、R6及びR7の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。
定着液としては、上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルが「R5(COOR6−O−R7)」の一般式で表される化合物を含むものを用いることにより、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性または膨潤性を向上させることができる。また、R5(COOR6−O−R7)」の一般式で表される化合物の臭気指数は10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。
R5(COOR6−O−R7)」の一般式で表される化合物である脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、例えば、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを水性溶媒で用いる場合には、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解またはマイクロエマルジョンの形態とする。
また、脂肪酸エステルではないが、クエン酸エステルや炭酸エチレンや炭酸プロピレンも軟化もしくは膨潤剤として用いることができる。
ところで、泡状定着液において、塗布位置に到達する前に泡状定着液が破泡すると液状定着液を塗布する構成と同様の問題が生じる。そこで生成した泡状定着液が泡の状態で塗布位置まで到達できるような泡沫安定性に優れる泡が求められる。このため、定着液中に脂肪酸アルカノールアミド(1:1)型を含有することが望ましい。脂肪酸アルカノールアミドには(1:1)型と(1:2)型があるが、本発明における泡沫安定性には(1:1)型が適することがわかった。
定着液は軟化剤を含有しており、この軟化剤は、一般的に消泡作用が強い。このため、本実施形態の定着装置60のように、液状の定着液を泡状定着液として用いる場合、定着液中の軟化剤の濃度が高いほど、定着液の起泡性及び泡沫安定性が悪くなり、起泡し難くなったり、泡状定着液が破泡し易くなったりするおそれがある。起泡し難いと嵩密度の低い泡状定着液を得ることが出来ず、所望の嵩密度の泡状定着液を得たとしても、泡状定着液が破泡し易いと定着ニップで完全に破泡してしまい液状定着液を塗布する構成と同様の問題が生じる。
また、起泡剤としては、アニオン系界面活性剤が優れた起泡性と泡沫安定性とを実現することができ、起泡剤として優れている。アニオン系界面活性剤のなかでも、脂肪酸塩は、最も泡沫安定性に優れ、定着液の起泡剤として最も適する。
本発明者らは、定着液中の軟化剤濃度を高めたときの起泡性及び泡沫安定性の劣化問題を解決するため、アニオン系界面活性剤の種類や濃度を因子として多種の試作を行った。また、非特許文献1にも記載されている「スーパーファット」と呼称される技術、つまり固形洗浄剤(石鹸)に含有されている遊離脂肪酸に着目して試作を行った。
ここで、スーパーファットと呼称される技術について概説すると、酸化されにくい遊離脂肪酸を少量加え、過剰油脂分を増やす方法であり、ケン化されない油脂を少量分残すことによって、例えば保湿作用を高めるなどの効果があるとされている。上記非特許文献1には、石鹸水溶系に極少量の脂肪酸を添加すると、起泡性能が向上する上、泡質が一層クリーミィになることが知られており、スーパーファットソープと呼ばれていると記載されている。このスーパーファットと同様に軟化剤を有する定着液に極少量の脂肪酸を添加して泡化しようとしたが起泡性及び泡沫安定性のいずれも悪かった。
これに対して、本発明者らは、起泡剤として炭素数12から18の脂肪酸塩を用い、更に炭素数12から18の脂肪酸を定着液中に含有することにより、軟化剤の濃度が高くなっても、定着液の起泡性が劣化しない泡状定着液を提供できることを見出した。
軟化剤を含有した定着液において、単に水を起泡する場合に比較して、脂肪酸塩の炭素数としては、12から18が起泡性に優れている。具体的には、ラウリン酸塩(炭素数12)、ミリスチン酸塩(炭素数14)、パルミチン酸塩(炭素数16、)、ステアリン酸塩(炭素数18)が適する。また、ペンタデシル酸(炭素数15)、マルガリン酸(炭素数17)なども適する。
ここで、脂肪酸と軟化剤との作用について説明すると、軟化剤はエステル基を化学構造中に有しており、脂肪酸はカルボニル基を化学構造中に有している。この点から、軟化剤のエステル基と脂肪酸のカルボニル基が定着液の系内で、電気的な作用を示し、またそれが分子間の結合作用を生じさせ、定着液の特性として起泡性及び泡沫安定性を向上させている。
また、炭素数12から18の範囲においても、炭素数が少ないほうが起泡性に優れているが泡沫安定性が悪く、炭素数が多いほうが起泡性にあまりよくないが泡沫安定性に極めて優れている。このため、定着液中には、単独の脂肪酸塩を含有させても良いが、炭素数12から18の脂肪酸塩を混合して含有させる方がさらに優れている。混合比率としては、ミリスチン酸塩(炭素数14)を最も多く含み、ラウリン酸塩(炭素数12)、ステアリン酸塩の割合を低くすることが望ましい。より具体的な脂肪酸塩の比率としては、ラウリン酸塩:ミリスチン酸塩:パルミチン酸塩:ステアリン酸塩の重量比で、0:6:3:1、1:5:3:1、1:4:4:1などが適する。
ところで、定着液中に起泡剤である脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有することで軟化剤の濃度が高くなっても起泡性及び泡沫安定性を維持することができる。軟化剤の濃度として、10[wt%]未満では、脂肪酸を含有しなくても起泡性は問題ない。しかし、軟化剤の濃度が10[wt%]以上、特に軟化剤の濃度が30[wt%]以上になると、脂肪酸塩だけでは、ほとんど起泡しなくなり起泡性が悪くなる。このような軟化剤の濃度が30[wt%]となる定着液において、脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有させると、起泡性を維持できる。
但し、脂肪酸の含有量が多くなりすぎると、起泡剤である脂肪酸塩の比率が下がり、起泡性が再び悪くなる。そこで、脂肪酸塩のモル数を、脂肪酸のモル数と同じに、またはは大きくするほうがよい。あるいは、脂肪酸と脂肪酸塩の比率を、5:5から1:9の範囲とした場合起泡性が優れている。
なお、同じ炭素数の脂肪酸と脂肪酸塩の組合せだけでなく、例えば、脂肪酸塩がミリスチン酸アミンで、脂肪酸がステアリン酸の組合せや脂肪酸塩がパルミチン酸カリウムで脂肪酸がステアリン酸のような炭素数が12から18の範囲で異なる組合せであってもよい。要は、炭素数12から18の範囲の脂肪酸を定着液に含有することで、高濃度の軟化剤を含有しても、起泡性が悪くならず、泡沫安定性に優れ、嵩密度の極めて低い泡化を可能とする。
また、他のアニオン系界面活性剤、例えばアルキルエーテル硫酸塩(AES)を起泡剤として、炭素数12から18の脂肪酸を含有した定着液であっても、軟化剤濃度増加による起泡性が悪くなるのを防止する効果があることがわかった。但し、最も組合せとして優れているのは脂肪酸塩との組合せである。
更に、脂肪酸塩としては、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸アミンが適している。更に、最も適している脂肪酸アミンは、具体的には、水を加熱し、脂肪酸を添加し、その後トリエタノールアミンを添加して、一定時間撹拌しながら加熱してケン化反応させることで作製することができる。このとき、脂肪酸とトリエタノールアミンとのモル比を、1:0.5から1:0.9の範囲と脂肪酸比率を高くすることで、ケン化後、未反応の脂肪酸が残留し、定着液中に脂肪酸と脂肪酸アミンを混合させることができる。同じことは、ナトリウム塩やカリウム塩でも可能である。
ところで、定着液中の軟化剤濃度が高くなると希釈溶媒である水に軟化剤が溶解しにくくなる。そこで、検討した結果、多価のアルコール類、具体的にはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、グリセリンなどを定着液中に含有させることで、軟化剤が高濃度でも溶解し、かつ脂肪酸塩による起泡性を劣化させず、むしろ起泡性が向上することがわかった。また、多価のアルコール類の含有量は、1[wt%]から30[wt%]の範囲が適当である。30[wt%]より多い含有量では、起泡性がむしろ劣化するため適さない。
なお、定着の対象となる樹脂を含有する微粒子は、トナーに限定されず、樹脂を含有する微粒子であれば何れでもよい。例えば、導電性部材を含有した樹脂含有微粒子でもよい。また、記録媒体は、転写紙に限定されず、金属、樹脂、セラミックス等何れでもよい。但し、定着液塗布対象は定着液に対し浸透性を有することが望ましく、定着液塗布対象の基板が液浸透性を持たない場合は、基板上に液浸透層を有する定着液塗布対象が望ましい。定着液塗布対象が記録媒体である場合の記録媒体の形態もシート状に限定されず、平面及び曲面を有する立体物でもよい。
また、紙のごとき定着液塗布対象に透明樹脂微粒子を均一に定着させ紙面を保護する(所謂、ニスコート)用途においても、本発明は適用できる。
上記樹脂を含有する微粒子のうち、電子写真プロセスで用いるトナーは、本実施形態の定着装置60の定着液との組合せにおいて最も定着への効果が高い。トナーは、色剤と帯電制御剤と結着樹脂や離型剤などのような樹脂を含む。トナーに含まれる樹脂は、特に限定されないが、好適な結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合体樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。離型剤としては、例えばカルバナウワックスやポリエチレンなどのワックス成分などが挙げられる。
トナーは、結着樹脂の他に、公知の着色剤、電荷制御剤、流動性付与剤、外添剤などを含んでもよい。また、トナーは、メチル基を有する疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子をトナーの粒子の表面に固着させることによって、撥水性処理されていることが好ましい。定着液塗布対象のうち、記録媒体は、特に限定されず、例えば、紙、布、及び液体透過層を有するOHP用シートのようなプラスチックフィルムなどが挙げられる。本発明における油性とは、室温(20[℃])における水に対する溶解度が、0.1[重量%]以下である性質を意味する。
また、泡状となった定着液は、撥水性処理されたトナーの粒子に対して、十分な親和性を有することが望ましい。ここで、親和性とは、液体が固体に接触したときに、固体の表面に対する液体の拡張濡れの程度を意味する。すなわち、泡状となった定着液は、撥水性処理されたトナーに対して十分な濡れ性を示すことが好ましい。疎水性シリカ及び疎水性酸化チタンのような疎水性微粒子で撥水性処理されたトナーの表面は、疎水性シリカや疎水性酸化チタンの表面に存在するメチル基によって覆われており、おおよそ20[mN/m]程度の表面エネルギーを有する。現実には撥水性処理されたトナーの表面の全面が疎水性微粒子によって完全に覆われてはいないため、撥水性処理されたトナーの表面エネルギーは、おおよそ、20〜30[mN/m]であると推測される。よって、撥水性トナーに対して親和性を有する(十分な濡れ性を有する)ためには、泡状となった定着液の表面張力は、20〜30[mN/m]であることが好ましい。
水性溶媒を用いる場合、界面活性剤を添加することで、表面張力を20〜30[mN/m]とすることが好ましい。また、水性溶媒の場合、単価もしくは多価アルコールを含有していることが望ましい。これらの材料は、泡状の定着液における気泡の安定性を高め、破泡しにくくする利点を有する。例えばセタノールなどの単価アルコールや、グリセンリン、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコールなどの多価アルコールが望ましい。また、これらの単価または多価のアルコール類を含有することで紙等の吸水性のある記録媒体のカール防止に効果を有する。
また、定着液中に浸透性改善や紙等の記録媒体のカール防止のために油性成分を含有してO/WエマルジョンやW/Oエマルジョンを形成する構成も望ましく、その場合、具体的な分散剤としては、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステレート、及び、ソルビタンセスキオレートなどのソルビタン脂肪酸エステルや、ショ糖ラウリン酸エステル、及び、ショ糖ステアリン酸エステルなどのショ糖エステルなどが望ましい。
なお、定着液中での軟化剤を溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させるため方法としては、例えば、回転羽根によるホモミキサーやホモジナイザーのような機械的に攪拌する手段、及び超音波ホモジナイザーのような振動を与える手段が挙げられる。いずれにしても、強いせん断応力を定着液中の軟化剤に加えることで溶解もしくはマイクロエマルジョン分散させる。
以上、本実施形態の泡生成装置としての定着液泡状化装置500によれば、液体である液状定着液210と、液状定着液210を泡状化させるための気体である空気とを混合して泡状定着液Fを生成する気液混合部としてのスリット状搬送路507に対して複数の空気吐出口534が並んで配置される。複数の空気吐出口534のうち隣り合う空気吐出口534a,bから交互に泡を形成し始めるよう、隣り合う空気吐出口534a、bから異なるタイミングで空気を吐出する。隣り合う空気吐出口534a,bで交互に形成し始める泡のうち、後で形成し始めた泡(以下、泡bという)が成長して大きくなる際に、先に形成し始めて既に成長した隣の泡(以下、泡aという)を両側から挟んで押し切る。これにより、先に成長した泡aを空気吐出口534aから分離させ、それ以上成長しないようにすることができる。また、先に気体を吐出させた空気吐出口534aからの吐出を一旦止め、後から形成し始めた泡bを成長させる。そして、再び先に気体を吐出した空気吐出口534aから吐出して泡(以下、泡cという)を形成し始める。この泡cが成長して大きくなる際に、既に成長した隣りの泡bを両側から挟んで押し切る。これにより、後から形成し始めた泡bも空気吐出口534bから分離させ、それ以上成長しないようにすることができる。このように、隣り合う空気吐出口534a,bから交互に泡を形成し始める動作を繰り返すことで、大きな泡が形成されることを抑制し、これにより均一性の高い泡状液を生成できる。また、この構成は、先願と同様の理由で、従来の泡生成装置に比べて小型化が可能である。
また、本実施形態によれば、並んで配置した複数の空気吐出口534を交互に分けて片方を第一群の空気吐出口534a、他方を第二群の空気吐出口534bとしたとき、第一群の空気吐出口534aに気体を流す気体流路を形成する第一の気室531aと、第二群の空気吐出口534bに流す気体流路を形成する第二の気室531bと、第一の気室531aの気体流量と第二の気室531bの流量とを制御する流量制御手段とを有する。この流量制御手段は、第一群の空気吐出口534aおよび第二群の空気吐出口534bからの空気吐出動作が図9にしめすタイミングチャートとなるように、各気室の流量を制御する。これにより、上記泡生成過程で泡を生成して、大径泡の少ない、均一な泡を形成することができる。
また、本実施形態によれば、第一の気室531aと第二の気室531bとが変位可能な隔壁を挟んで隣接して設けられ、流量制御手段は隔壁の変位により第一の気室531aの圧と、第二の気室531bの圧を交互に変化させる。これにより、容易に第一の気室531aの気体流量と第二の気室531bの気体流量とを制御することができる。
また、本実施形態によれば、隣り合う空気吐出口534の間に、液状定着液210を吐出する定着液吐出口524を配置したことにより、均一な泡を形成する泡状定着液生成装置が具現化できる。
また、本実施形態の定着液泡状化装置500は、少なくとも樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有する液状定着液210と、空気とを混合して、小径の泡状定着液Fを安定して生成することができる。なお、これは、上記定着液に限らず、液体から小径の泡状液を生成する泡生成装置であれば、適用可能であり、同様に小径の泡状液を安定して生成することができるという効果が得られる。
また、本実施形態の定着装置60は、樹脂微粒子からなるトナーの樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることでトナーを軟化させる軟化剤を含有した液状定着液210を液中に気泡が分散した泡状定着液Fとする定着液泡状化手段である定着液泡状化装置500と、定着液泡状化装置500に液状定着液210を供給する定着液供給手段である定着液供給ポンプ200と、定着液泡状化装置500に空気を供給する気体供給手段であるエアポンプ300と、未定着トナー像Tを担持する定着液付与対象である転写紙Pの表面に泡状定着液Fを付与する定着液付与手段としての塗布ローラ61を有する。そして、泡状定着液Fを付与することで軟化した未定着トナー像Tを形成するトナー層を転写紙Pに定着する。この定着装置60が備える定着液泡状化装置500は、キメ細やかな小さな泡径の泡状定着液Fを生成し、且つ、従来よりも小型化することができる泡生成装置であるため、定着装置60は、未定着トナー像Tに対して定着液の適正な微量塗布の実現と、装置の小型化を図ることができる。また、本実施形態の定着液泡状化装置500は、初期発泡の位置から泡状定着液排出口545までの泡状定着液Fの移動距離が短い。このため、長期放置後に破棄する泡状定着液Fの量を少なくすることができ、定着液の無駄を抑制することができる。さらに、通常の液状に比べて流体抵抗が大きくなる泡状定着液Fの搬送に要する圧力を軽減した上で、低密度で、且つ、小さな泡径の泡状定着液Fを未定着トナー像Tに付与することができる。さらに、本実施形態の定着液泡状化装置500は、大径泡の少ない、均一な泡状定着液Fを安定的に生成することができるため、本実施形態の定着装置60は、経時での性能低下が生じにくく、安定した定着性能を維持することができる。
また、本実施形態の複写機100は、樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体である転写紙P上にトナー像を形成するトナー像形成手段である作像ユニット3と、転写紙P上にトナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置であって、定着手段として、本発明の特徴部を備えた泡生成装置である定着液泡状化装置500を有する定着装置60を用いる。定着装置60が、泡状定着液を用いることで、トナー層への接触付与時の接触付与手段である塗布ローラ61へのトナーのオフセット防止や、微量付与化を安定して実現でき、かつ、非加熱にて従来に比べ極めて低電力定着を可能とする。また、また、小型の定着液泡状化装置500を用いることで、それを備えた定着装置60及び複写機100の小型化を図ることができる。さらに、泡状となった定着液が通過する管状の搬送路の距離を短くすることができ、ポンプに要する出力を抑制することができる。さらに、長期放置後に破棄する泡状定着液Fの量を少なくすることができ、定着液の無駄を抑制することができる。また、安定した定着性能を維持することができるため、安定した品質の画像形成を行うことができる。
1 プリンタ部
3 作像ユニット
4 感光体
5 帯電ローラ
6 現像装置
15 ドラムクリーニング装置
28 紙搬送ユニット
31 二次転写ローラ
40 給紙装置
50 原稿搬送読取ユニット
60 定着装置
61 塗布ローラ
62 加圧ローラ
63 膜厚規制ブレード
90 転写ユニット
91 中間転写ベルト
95 一次転写ローラ
100 複写機
200 定着液供給ポンプ
210 液状定着液
220 定着液ボトル
230 液圧送用チューブ
300 エアポンプ
310 エアフィルタ
330 気体圧送用チューブ
500 定着液泡状化装置
501 泡状定着液排出口
502 スリット開口
503 二次流路部
504 空気流路
505 定着液流路
506 蓋部材
507 スリット状搬送路
510 気液導入部材
511 第1プレート部材
512 第2プレート部材
513 第3プレート部材
514 気体導入部材
520 定着液導入口
521 液室
522、523 定着液溝
524 定着液吐出口
530 空気導入口
530a 第一群の空気導入口
530b 第二群の空気導入口
531a 第一の気室
531b 第二の気室
532a、533a 第一の空気溝
532b、533b 第二の空気溝
534 空気吐出口
534a 第一群の空気吐出口
534b 第二群の空気吐出口
540 隔壁
545 泡状定着液排出口
600 定着液泡状化装置(従来)
610、620 対向部材
630 隙間(気液混合部)
641 空気吐出口
642 定着液吐出口
C 塗布位置
F 泡状定着液
G 空気
P 転写紙
特開2006−078573号公報 特開2007−219105号公報 特開2008−197188号公報報
石井淑夫著,「泡のエンジニアリング」初版,株式会社テクノシステム,2005年3月25日発行,P.489

Claims (7)

  1. 液体と気体とを混合して泡状液を生成する気液混合部と、液体供給手段により供給される液体を該気液混合部に流す液体流路と、気体供給手段により供給される上記気体を流す気体流路とを備え、該気体流路を流れた気体を該気液混合部に吐出する複数の気体吐出口を該気体混合部に対して並んで配置した泡生成装置において、
    上記複数の気体吐出口のうち隣り合う気体吐出口から交互に泡を形成し始めるよう、該隣り合う気体吐出口から異なるタイミングで気体を吐出することを特徴とする泡生成装置。
  2. 請求項1の泡生成装置において、上記並んで配置した複数の気体吐出口を交互に分けて片方を第一の気体吐出口群、他方を第二群の気体吐出口群としたとき、該第一の気体吐出口群に気体を流す気体流路を形成する第一の気室と、該第二の気体吐出口群に気体を流す気体流路を形成する第二の気室と、該第一の気室の気体流量と該第二の気室の気体流量とを制御する流量制御手段とを有することを特徴とする泡生成装置。
  3. 請求項2の泡生成装置において、上記第一の気室と上記第二の気室とが変位可能な隔壁を挟んで隣接して設けられ、上記流量制御手段は該隔壁の変位により該第一の気室の圧と、該第二の気室の圧を交互に変化させることにより、該第一の気室の気体流量と該第二の気室の気体流量とを制御することを特徴とする泡生成装置。
  4. 請求項1、2または3の何れかの泡生成装置において、上記隣り合う気体吐出口の間に、液体を吐出する液体吐出口を配置したことを特徴とする泡生成装置。
  5. 請求項1、2、3または4の何れかの泡生成装置において、上記液体は少なくとも樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有する液状定着液であることを特徴とする泡生成装置。
  6. 樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる軟化剤を含有する液状定着液を液中に気泡が分散した泡状定着液とする定着液泡状化手段と、該定着液泡状化手段に該泡状定着液を供給する定着液供給手段、該定着液泡状化手段に気体を供給する気体供給手段と、該樹脂微粒子を担持する定着液付与対象の表面に該泡状定着液を付与する定着液付与手段とを有し、該泡状定着液を付与することで軟化した該樹脂微粒子を記録媒体に定着する定着装置において、
    上記定着液泡状化手段として、請求項1、2、3、4または5の何れか1項に記載の泡生成装置を用いることを特徴とする定着装置。
  7. 樹脂と色剤を含有する樹脂微粒子を含むトナーを用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、記録媒体に転写するトナー像を担持するトナー像担持体の表面、または、トナー像を担持する記録媒体の表面を上記定着液付与対象の表面として定着液を付与し、該記録媒体上に該トナー像を定着せしめる定着手段とを備える画像形成装置において、
    上記定着手段として、請求項6に記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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