JP2012152669A - 膜分離装置の運転方法 - Google Patents

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誠 ▲高▼橋
Makoto Takahashi
Seiji Izumi
清司 和泉
Tatsuya Uejima
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健 吉崎
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Abstract

【課題】濾過工程を停止させた状態で散気装置を作動させても、被処理水に混入した異物による分離膜の破断事故を回避可能な膜分離装置の運転方法を提供する。
【解決手段】平板状の膜支持体の表面に分離膜が配置された膜エレメント8が、縦姿勢で水平方向に並設され、膜分離槽4内の被処理水に浸漬配置された膜モジュールと、前記膜モジュールの下方に設置された散気装置と、前記膜モジュールに接続され、被処理水が前記分離膜を透過するように被処理水を吸引する差圧発生機構18と、を備えている膜分離装置1の運転方法であって、前記散気装置及び前記差圧発生機構を作動させて被処理水が前記分離膜から透過した透過水を得る濾過工程の停止時に、前記分離膜を透過して前記膜エレメント内部に溜った透過水を前記膜エレメントから排出するために前記差圧発生機構18を作動させる排水工程を間歇的に実行する。
【選択図】図5

Description

本発明は、膜分離装置の運転方法に関する。
特許文献1には、膜分離活性汚泥法が採用された汚水処理設備や廃水処理設備が示されている。この種の水処理設備は、膜分離装置が被処理水に浸漬配置された膜分離槽が設けられている。
膜分離装置は、上下が開口したケースの内部に複数の板状の膜エレメントが、各膜面が縦姿勢となるように、かつ6mmから10mm程度の一定間隔を隔てて配列された膜モジュールと、膜モジュールの下方に設置された散気装置を備えている。
膜分離槽では、活性汚泥による生物処理によって被処理水に含まれる有機物質が分解されるとともに、被処理水が膜分離装置を介して濾過されて外部に取り出される。
図3に示すように、膜エレメント8は、矩形平板状の膜支持体9と、膜支持体9の表裏両面を被覆する多孔質膜でなるスペーサ10と、スペーサ10の上面から膜支持体9を被覆する分離膜11を備えている。
膜支持体9は樹脂製で、その一端縁部にノズル9aが形成され、表面にはノズル9aに連通する複数本の溝部9bが形成されている。分離膜11は、平均孔径が約0.2μmの微多孔性膜で、不織布に多孔性を有する樹脂が塗布及び含浸された有機濾過膜である。各ノズル9aはチューブを介して集水管に接続され、集水管には差圧発生機構としてのポンプが接続されている。
このような膜分離装置は、散気装置及び差圧発生機構を作動させることにより、被処理水から分離膜を透過した透過水を得る濾過工程が実行され、差圧発生機構により槽内の被処理水が分離膜を通して吸引されることによって、分離膜11を透過した透過水が溝部9b、ノズル9aを経由して集水管に集水される。
特許第3933320号公報
上述した濾過工程では、散気装置から噴出される曝気空気の気泡およびそれにより生起される上昇流で膜エレメントの膜面が洗浄されることによりファウリングに起因する膜分離性能の低下が抑制され、膜分離装置から所望量の透過水が得られなくなることが防止されている。
また、工場排水などでは被処理水の発生量が低下する休日等には、膜分離槽内の被処理水の水位が低下しないように濾過工程が停止される場合があるが、その場合であっても、槽内の活性汚泥の性状を保ち、膜分離装置のファウリングを防止するために、継続的あるいは間歇的に散気装置からの曝気が行なわれる必要がある。
しかし、図4に示すように、差圧発生機構を停止させた状態で散気装置のみ作動させると、分離膜11から滲入し膜エレメント8の膜支持体9と分離膜11との間に溜った透過水が、曝気による気泡や被処理水の上昇流によって膜支持体9に沿って上方に流動し、膜エレメント8の上方で膜支持体9から分離膜11が膨出するようになる。
このような状態になると、対向する膜エレメント8の双方の膜面が上方で膨出して、気泡や被処理水の上昇流路が狭められ、槽内で被処理水が均質に撹拌され難くなるという問題や、被処理水の上昇流に伴なって上昇する鋭利な固形異物や硬質の固形異物が膨出部に接当して、分離膜が破断する虞があるという問題があった。
通常、予めバースクリーン等によって固形異物が除去された被処理水が膜分離槽に供給されるのであるが、砂粒や石粒、さらにはバースクリーンの目幅よりも薄い樹脂片や木片等の固形異物がバースクリーンを通り抜けて膜分離槽に流入するため、このような不都合な事態が発生するのである。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、濾過工程を停止させた状態で散気装置を作動させても、被処理水に混入した異物による分離膜の破断事故を回避可能な膜分離装置の運転方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による膜分離装置の運転方法の第一特徴構成は、特許請求の範囲の書類の請求項1に記載した通り、平板状の膜支持体の表面に分離膜が配置された膜エレメントが、縦姿勢で水平方向に並設され、膜分離槽内の被処理水に浸漬配置された膜モジュールと、前記膜モジュールの下方に設置された散気装置と、前記膜モジュールに接続され、被処理水から前記分離膜を透過した透過水を得るために、前記分離膜の表裏間に差圧を発生させる差圧発生機構と、を備えている膜分離装置の運転方法であって、前記散気装置及び前記差圧発生機構を作動させて被処理水から前記分離膜を透過した透過水を得る濾過工程の停止時に、前記散気装置を連続的または間歇的に作動させつつ、前記分離膜を透過して前記膜エレメント内部に溜った透過水を前記膜エレメントから排出するために前記差圧発生機構を作動させる排水工程を間歇的に実行する点にある。
上述の構成によれば、濾過工程の停止時に間歇的に実行される排水工程によって、膜エレメントの膜支持体と分離膜との間に溜った透過水が膜エレメントから排水されるので、濾過工程の停止時に散気装置を作動させても、曝気による気泡や被処理水の上昇流によって膜エレメントの上方で膜支持体から分離膜が膨出するような現象が生じることが無く、仮にそのような現象が生じても速やかに解消される。従って、被処理水の上昇流に伴なって上昇する固形異物が膨出部に接当して分離膜が破断するような事故の発生を未然に回避することができるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一特徴構成に加えて、前記排水工程の実行中に、前記膜分離槽内の被処理水の水位を維持する水位調整工程を実行する点にある。
膜分離槽の水位が低下して膜エレメントが気中に露出されると、分離膜の表面を気泡流で洗浄する効果が低下して、その後良好に濾過することができなくなるため、被処理水の発生量が低下する場合には、膜分離槽内の被処理水の水位が低下しないように濾過工程が停止される。このときに間歇的に実行される排水工程によって膜エレメントから僅かな透過水が排水されることになる。排水工程が繰り返されることによって、膜分離槽内の被処理水の水位は多少なりとも低下するが、水位調整工程が実行されることにより、膜分離槽の水位が維持されるので、膜エレメントが気中に露出されるような不都合な事態が回避される。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二特徴構成に加えて、前記水位調整工程は、前記排水工程または前記濾過工程で前記膜エレメントから排出された透過水を前記膜分離槽または前記膜分離槽の前段に返送する工程である点にある。
上述の構成によれば、膜エレメントに溜った透過水が排水工程で膜エレメントから排水されると、排水工程または濾過工程で排水された透過水が水位調整工程によって膜分離槽または膜分離槽の前段に返送されるので、膜分離槽の水位が維持されるようになる。膜分離槽の水位を維持するために、別途の水源から膜分離槽に水を移送する必要がないので、複雑な高価な設備を準備する必要が無く、シンプルな設備を実現できるようになる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第一から第三の何れかの特徴構成に加えて、前記排水工程は、前記分離膜を透過して前記膜エレメント内部に溜った透過水の容量が、少なくとも前記膜エレメントの透過水の定格容量の4割に達する時間よりも短い間歇時間で繰返し実行される点にある。
濾過工程の停止時に分離膜から膜エレメントの内部に滲入する透過水の水量は、膜エレメントの透過水の定格容量に達することは無く、凡そ定格容量の4割程度で飽和する傾向にあり、この程度の水量で下方から散気を行なうと膜エレメントの上方で膜支持体から分離膜が膨出するようになる。そのため、少なくとも膜エレメントの透過水の定格容量の4割に達する時間よりも短い間歇時間で繰返して排水工程を実行すれば、分離膜が膨出するような現象の発生を効率的に解消することができるようになる。
同第五の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、上述の第一から第四の何れかの特徴構成に加えて、前記排水工程は、30分より短い間歇時間で繰返し実行される点にある。
濾過工程の停止時に、30分より短い間歇時間で排水工程を繰返し実行すれば、分離膜から膜エレメントの内部に滲入する透過水によって、膜エレメントの上方で分離膜が膨出するような現象を効果的に抑制できるようになる。
同第六の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述の第一から第五の何れかの特徴構成に加えて、前記排水工程の実行時に、前記分離膜の表裏間の差圧、または、前記膜エレメントから排出される透過水の流量を計測する計測工程を実行し、計測された差圧または流量が所定の値に達すると前記排水工程を終了する点にある。
差圧発生機構によって膜エレメントの内部に溜った透過水が排出される間と、その後分離膜を介して吸引濾過されるようになる時点で分離膜の表裏間での差圧が大きく変動する。排水工程を開始後に、計測工程で差圧を計測すれば、差圧が大きく変動した時点で膜エレメントの内部に溜った透過水の排出が終了したと判別できるので、計測した差圧が所定の値に達したときに排水工程の終了時期であると判定できるようになる。同様に、差圧発生機構によって膜エレメントの内部に溜った透過水が排出される間と、その後分離膜を介して透過するようになる時点で透過水の流量が変動するので、計測工程で透過水の流量を計測することにより、排水工程の終了時期を判定できるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、濾過工程を停止させた状態で散気装置を作動させても、被処理水に混入した異物による分離膜の破断事故を回避可能な膜分離装置の運転方法を提供することができるようになった。
汚水処理装置の説明図 膜分離装置の説明図 膜エレメントの説明図 (a)は膜エレメントの上部に形成された膨出部の説明図、(b)は排水工程により膜エレメントの上部への膨出部の形成が回避された状態の説明図 水位調整工程の説明図 膜カートリッジを被処理水に浸漬したときのろ過液量特性図 排水工程でのポンプ稼動時間と差圧の特性図
以下、本発明による膜分離装置の運転方法を説明する。
図1に示すように、膜分離活性汚泥法が採用された汚水処理設備1は、前処理設備2と、流量調整槽3と、膜分離装置6が浸漬配置された膜分離槽4と、処理水槽5が設けられている。
前処理設備2には被処理水となる原水に混入している夾雑物等の異物を除去するバースクリーン2a等が設けられ、バースクリーン2a等で異物が除去された原水が流量調整槽3に貯留される。原水の流入量が変動する場合であっても、流量調整槽3から一定流量の原水が膜分離槽4に安定供給されるようにポンプPやバルブ等の流量調整機構が設けられている。
活性汚泥が充填された膜分離槽4では、活性汚泥による生物処理によって原水中の有機物質が分解され、膜分離装置6を介して濾過された透過水が処理水槽5に導かれて一時貯留され、その後放流等される。膜分離槽4で増殖した余剰汚泥は槽外に引き抜かれ、一定の汚泥濃度に保たれる。
図2に示すように、膜分離装置6は、上下が開口したケース6aの内部に約80枚の板状の膜エレメント8が、各膜面が縦姿勢となるように、かつ6mmから10mm程度(本実施形態では8mm)の一定間隔を隔てて配列された膜モジュール7と、膜モジュール7の下方に設置された散気装置12を備えている。
散気装置12は複数の散気孔が形成された散気管13を備え、散気管13に接続された給気管14を介して槽外に設置されたブロワBWやコンプレッサなどの給気源15に接続されている。
膜モジュール7には集水管17を介して槽外に設置された差圧発生機構としてのポンプ18が接続され、槽内の被処理水が膜エレメント8の膜面を透過するように吸引濾過される。
図3に示すように、膜エレメント8は、縦1000mm×横500mmの樹脂製の膜支持体9の表裏両面に、スペーサ10を介して分離膜11が配置され、分離膜11の周縁の辺部11aが膜支持体9に超音波や熱で溶着、または接着剤などを用いて接着されている。分離膜11は、平均孔径が約0.2μmの微多孔性膜で、不織布に多孔性を有する樹脂が塗布及び含浸された有機濾過膜である。尚、膜エレメント8はこのような構成に限るものではなく、分離膜11を膜支持体9の表裏両面に巻き付けるように配置し、分離膜11の端部を接着または溶着処理したものであってもよい。
膜支持体9の表面には長手方向に沿って深さ2mm、幅2mm程度の溝部9bが複数本形成され、その上端部には各溝部9bを連通する水平溝部9cが形成されている。表裏両面に形成された水平溝部9cが連通孔9dを介して連通され、膜支持体9の上縁部に形成されたノズル9aに連通されている。
各ノズル9aは、図2に示すように、チューブ16を介して集水管17に接続され、集水管17には差圧発生機構としてのポンプ18が接続され、ポンプ18で吸引された透過水が処理水槽5に移送されるように構成されている。
このような膜分離装置6の散気装置12及び差圧発生機構18を作動させることにより、被処理水を分離膜11に透過させた透過水を得る濾過工程が実行される。
上述したように、流量調整槽3は、被処理水の発生量が変動する場合であっても膜分離装置6を含む汚水処理設備が連続運転可能なように被処理水を貯留して、一定量を膜分離槽4に供給するために設けられている。
しかし、工場排水などで工場が稼動しない休日等、被処理水の発生量が大きく減少する場合には、膜分離槽4内の被処理水の水位が低下しないように濾過工程が停止される。平日であっても、被処理水の発生量が変動し、膜分離槽4内の被処理水の水位が低下する虞がある場合には、濾過工程が不定期に停止される場合もある。
膜分離槽4内の被処理水の水位が低下して、膜エレメント8が気中に露出すると、分離膜の表面を気泡流で洗浄する効果が低下して、その後、適正な濾過が行なわれなくなり、或は、濾過効率が低下するためである。その場合であっても、槽内の活性汚泥の性状を保ちつつ、膜分離装置6のファウリングを防止するために、継続的あるいは間歇的に散気装置12からの曝気が行なわれる。
図4(a)に示すように、ポンプ18を停止させた状態で散気装置12のみ作動させると、分離膜11から滲入し膜エレメント8の膜支持体9と分離膜11との間に溜った透過水が、曝気による気泡や被処理水の上昇流によって膜支持体9に沿って上方に押し上げられて、膜エレメント8の上方で膜支持体9から分離膜11が膨出する膨出部Bが形成されるようになる。
このような状態になると、対向する膜エレメント8の双方の膜面が上方で膨出して、気泡や被処理水の上向流の流路が狭められ、槽内で被処理水が均質に撹拌され難くなるという問題や、被処理水の上昇流に伴なって上昇する鋭利な固形異物Aや硬い固形物等が膨出部Bに接当して、分離膜11が破断する虞がある。
通常は、バースクリーン等によって固形異物が除去された被処理水が膜分離槽4に供給されるのであるが、砂粒や石粒、さらにはバースクリーンの目幅よりも薄い尖った樹脂片や木片等の固形異物がバースクリーンを通り抜けて膜分離槽に流入することがあるからである。
そこで、本発明による膜分離装置の運転方法では、上述の濾過工程の停止時に、分離膜11を透過して膜エレメント8内部に溜った透過水を膜エレメント8から排出するために差圧発生機構であるポンプ18を作動させる排水工程が間歇的に実行されるように構成されている。
図4(b)に示すように、濾過工程の停止時に間歇的に実行される排水工程によって、膜エレメント8の膜支持体9と分離膜11との間に溜った透過水が膜エレメント8から排水されるので、濾過工程の停止時に散気装置12を作動させても、曝気による気泡や被処理水の上昇流によって膜エレメント8の上方で膜支持体9から分離膜11が膨出するような現象が生じることが無く、仮にそのような現象が生じても速やかに解消される。従って、被処理水の上昇流に伴なって上昇する固形異物が膨出部に接当して分離膜が破断するような事故の発生を未然に回避することができるようになる。
そして、排水工程の実行中に、膜分離槽4内の被処理水の水位を維持する水位調整工程が実行される。間歇的に実行される排水工程によって膜エレメント8から僅かな透過水が排水されることになる。このような排水工程が繰り返されることによって、膜分離槽4内の被処理水の水位は多少なりとも低下するが、水位調整工程が実行されることにより、膜分離槽4の水位が維持されるので、膜エレメント8が気中に露出されるような不都合な事態が回避されるのである。
具体的に、水位調整工程は、排水工程で膜エレメント8から排出された透過水を膜分離槽4または膜分離槽4の前段、例えば流量調整槽3に返送する工程であり、図5に示すように、膜分離装置6の集水管17から透過水が処理水槽5に移送される管路に電磁式の三方弁Vが設けられ、濾過工程では透過水が集水管17から排水管19を経由して処理水槽5に移送され、排水工程では透過水が集水管17から返送管20を経由して流量調整槽3に移送されるように三方弁Vが切り替えられる。
尚、排水工程で透過水が集水管17から返送管20を経由して膜分離槽4に返送されるように構成されていてもよい。
排水工程が繰り返されることによって、膜分離槽4内の被処理水の水位の低下を回避できる構造であれば、膜分離装置6の具体的構成は、上述した構成に限るものではない。例えば、濾過工程で処理水槽5に移送された透過水を膜分離槽4に戻す管路を設けて、膜分離槽4の水位が維持されるように、透過水を返送するように構成してもよく、膜分離装置の水位が維持されるように、上水道からの浄水を膜分離槽4に供給する給水管路を設けてもよい。
このような排水工程は、分離膜11を透過して膜エレメント8内部に溜った透過水の容量が、少なくとも膜エレメント8の透過水の定格容量の4割に達する時間よりも短い間歇時間で繰返し実行されることが好ましい。
濾過工程の停止時に分離膜から膜エレメント8の内部に滲入する透過水の水量は、膜エレメント8の透過水の定格容量に達することは無く、凡そ定格容量の4割程度で飽和する傾向にあり、この程度の水量で膜エレメントの上方で膜支持体から分離膜が膨出するようになる。
図6には、上述した膜エレメント8を未使用状態から被処理水に浸漬した後に、その重量変化を経時的に計測して透過水量に換算した実験の特性グラフが示されている。これによれば、計測開始から約30分で約1.6Lと定格容量の約40%に達し、その後60分で1.7Lに達して飽和した。
この値は、分離膜11から滲入し膜エレメント8の膜支持体9と分離膜11との間に溜った透過水が、曝気による気泡や被処理水の上昇流によって膜支持体9に沿って上方に押し上げられて、膜エレメント8の上方で膜支持体9から分離膜11が膨出した膨出部Aが形成され、対向する膜エレメント8の間で気泡や被処理水の上向流の流路が狭められ、槽内で被処理水が均質に撹拌され難くなる状態に達する値に近い。
そこで、少なくとも膜モジュールの透過水の定格容量の4割に達する時間よりも短い間歇時間で繰返して排水工程を実行すれば、分離膜が膨出するような現象の発生を効率的に解消することができるようになる。
上述の実験は、未使用状態の膜エレメント8を評価したものであるが、使用に伴なって、ファウリング等で膜面が次第に閉塞することを考えると、このような間歇時間の値に設定しておけば、長期にわたり十分に目的を達成できるようになる。
また、排水工程は、30分より短い間歇時間で繰返し実行されることが好ましい。上述の例とは定格容量が異なる複数の膜エレメントに対して同様の評価を行なったところ、何れの膜エレメントであっても、排水工程を30分より短い間歇時間で繰り返すことによって、膜エレメントの上方で膜支持体から分離膜が膨出する程度がより小さく抑えられることが判明している。
また、30分より短い間歇時間で排水工程が繰り返され、それよりもさらに短い間歇時間、例えば5分から20分程度の間、好ましくは7〜8分から15分程度の間で排水工程が繰り返されることが好ましい。膜エレメント8の上方で膜支持体9から分離膜11が膨出する程度がより小さく抑えられるからである。
排水工程の所要時間は、膜エレメント8の膜支持体9と分離膜11との間に溜った透過水の排水に要する時間で十分であり、上述した間歇時間よりも短い時間に設定されている。
さらに、排水工程の実行時に、分離膜の表裏間の圧力差である差圧、またはポンプ8により膜エレメント8から排出される透過水の流量を計測する計測工程を実行し、計測された差圧または流量が所定の値に達すると排水工程を終了するように構成すれば、排水工程の所要時間が常に適正な時間に設定される点で好ましい。
そのため、集水管17に、圧力計22または流量計23を備えて、それらの信号を、ポンプ18及びブロワBWを制御する制御盤に入力するように構成されている。
図7には、排水工程のためにポンプ18を稼働させた後、10秒間隔で差圧を計測したときの特性図が示されている。ポンプ18の停止時の圧力を0kPaとし、稼働後の負圧との差を差圧としている。
これによれば、ポンプ18を稼働させて約4分が経過したときに、差圧が2kPaから5kPaにステップ的に上昇していることが判る。濾過工程の停止によって膜支持体9と分離膜11との間に溜っていた透過水が排水されている間は差圧が2kPaに維持され、槽内の被処理水を吸引濾過するようになると5kPaに上昇するのである。そのため、差圧のステップ的変動の直後に排水工程を停止すればよいということが把握できる。
尚、上述した排水工程の実行中には、分離膜11の目詰まりを防ぐ等の観点で、散気装置12を作動させていることが好ましいが、濾過工程の停止中に定期的、或は不定期で散気装置12を作動させておけば、排水工程で散気装置12を停止させてもよい。
上述した制御盤について説明する。制御盤には電源スイッチが設けられ、電源スイッチが投入されることにより制御を開始する制御装置が組み込まれている。制御装置はシーケンサやマイクロコンピュータ等で構成されている。制御装置には、流量調整槽3の水位、膜分離槽6の水位を検知する水位センサの信号が入力され、当該信号値に基づいて膜分離槽6の水位が一定に維持されるように、流量調整槽3から原水の給水量が調整制御されつつ、濾過工程が実行される。
制御装置は、流量調整槽3の水位が所定水位より低下したことを検知すると、散気装置12を作動させた状態で濾過工程を停止して、上述した間歇時間で排水工程を繰返し実行する。排水工程では、上述した圧力センサの信号値に従ってポンプ18の作動時間が制御され、或は、予め設定された固定時間でポンプ18の作動時間が制御される。
上述した実施形態では、ポンプにより差圧発生機構が具現化される例を説明したが、差圧発生機構はこれに限るものではなく、分離膜の表裏間に差圧を発生させる機構であればよく、自然水頭を利用して、分離膜の表裏間に差圧を発生させる機構で構成されるものであってもよい。この場合、水位調整工程は、処理水槽からポンプで透過水を返送される。
上述した実施形態は本発明の一態様であり、該記載により本発明が限定されるものではなく、各部の具体的構成や制御態様は本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変更設計可能であることはいうまでもない。
1:膜分離装置
2:前処理装置
3:流量調整槽
4:膜分離槽
5:処理水槽
6:膜分離槽値
7:膜モジュール
8:膜エレメント
9:膜支持体
9a:ノズル
9b:溝部
9c:水平溝部
9d:連通孔
10:スペーサ
11:分離膜(濾過膜)
12:散気装置
16:チューブ
17:集水管

Claims (6)

  1. 平板状の膜支持体の表面に分離膜が配置された膜エレメントが、縦姿勢で水平方向に並設され、膜分離槽内の被処理水に浸漬配置された膜モジュールと、
    前記膜モジュールの下方に設置された散気装置と、
    前記膜モジュールに接続され、被処理水から前記分離膜を透過した透過水を得るために、前記分離膜の表裏間に差圧を発生させる差圧発生機構と、
    を備えている膜分離装置の運転方法であって、
    前記散気装置及び前記差圧発生機構を作動させて被処理水から前記分離膜を透過した透過水を得る濾過工程の停止時に、前記散気装置を連続的または間歇的に作動させつつ、前記分離膜を透過して前記膜エレメント内部に溜った透過水を前記膜エレメントから排出するために前記差圧発生機構を作動させる排水工程を間歇的に実行する膜分離装置の運転方法。
  2. 前記排水工程の実行中に、前記膜分離槽内の被処理水の水位を維持する水位調整工程を実行する請求項1記載の膜分離装置の運転方法。
  3. 前記水位調整工程は、前記排水工程または前記濾過工程で前記膜エレメントから排出された透過水を前記膜分離槽または前記膜分離槽の前段に返送する工程である請求項2記載の膜分離装置の運転方法。
  4. 前記排水工程は、前記分離膜を透過して前記膜エレメント内部に溜った透過水の容量が、少なくとも前記膜エレメントの透過水の定格容量の4割に達する時間よりも短い間歇時間で繰返し実行される請求項1から3の何れかに記載の膜分離装置の運転方法。
  5. 前記排水工程は、30分より短い間歇時間で繰返し実行される請求項1から4の何れかに記載の膜分離装置の運転方法。
  6. 前記排水工程の実行時に、前記分離膜の表裏間の差圧、または、前記膜エレメントから排出される透過水の流量を計測する計測工程を実行し、計測された差圧または流量が所定の値に達すると前記排水工程を終了する請求項1から5の何れかに記載の膜分離装置の運転方法。
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