JP4892390B2 - 固液分離装置を有する水処理装置 - Google Patents
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Description
特許文献1では、膜濾過装置によって小型化が実現でき、更に、機械式のポンプを使わずにエアリフトポンプを使うことで、低コスト化も実現できた。
また、水位が最高水位(H.W.L)にある場合でも、水位差は水深に比べ小さく、十分な水頭圧を得る事ができない。そのため、必要水量を得るには、水位の変動幅を大きくとるか、又は有効膜面積を大きく取らなければならないという課題がある。
また、エアリフトポンプへの空気供給管と他の処理装置への空気供給管とは、連通している場合がほとんどであり、流量調整による水位の変動幅が大きい場合、空気バランスを取る事が難しく、水位が最低水位(L.W.L)にある場合の移送水量と最高水位(H.W.L)にある場合の移送水量とでは、水量の変動幅が大きく、定量性が保てないため、処理性能に悪影響を与えるという課題もある。
(1)活性汚泥槽と、この活性汚泥槽に空気を供給する空気供給装置と、濾過材として液中膜又は不織布を用いるとともに上記活性汚泥槽内に浸漬させる濾過ユニットと、この濾過ユニットに連結されて上記活性汚泥槽内の水に浸漬させる間欠定量ポンプAと、上記活性汚泥槽内の水に浸漬させる間欠定量ポンプBと、上記空気供給装置及び間欠定量ポンプA及び間欠定量ポンプBへ空気を供給する送風機とを備えた固液分離装置と、この固液分離装置の前段に設けられる嫌気処理槽とを有する水処理装置であって、上記活性汚泥槽に低水位の位置と高水位の位置が設定され、上記間欠定量ポンプAと上記間欠定量ポンプBに、これらを接続して間欠定量ポンプA内及び間欠定量ポンプB内を連通させるとともに上記送風機に接続して送風機から送られる空気を上記間欠定量ポンプA内と間欠定量ポンプB内に個別に送るための空気供給管が設けられ、上記間欠定量ポンプAが、その内底部に下端を開口させ上端を間欠定量ポンプAから出して活性汚泥槽の水面上に突出させた吐出管と、一端を上記間欠定量ポンプAの内部に開口させ他端を上記突出管に接続したU字管と、上記濾過ユニットの濾過水排出口に連結された吸込管とを備え、上記間欠定量ポンプBが、その内底部に下端を開口させ上端を間欠定量ポンプBから出して活性汚泥槽の水面上に突出させた吐出管と、一端を上記間欠定量ポンプBの底部に接続し他端の取水口位置を活性汚泥槽の低水位に位置させて活性汚泥槽内に配置された吸込管を備え、該吸込管に、吸込管から間欠定量ポンプB内への水の移動を許容し、反対方向の水の移動を阻止する逆止弁が設けられるとともに、上記活性汚泥槽の水位が上記低水位にある場合には、空気供給管から上記間欠定量ポンプA内と間欠定量ポンプB内への空気の流入に応じて上記U字管内の水が突出管を介して外部に抜ける間は給水がなされ、給水により間欠定量ポンプA内の水位が上昇してU字管内に水が充填された時点で吐出管を介して送水がなされ、上記活性汚泥槽の水位が上記低水位よりも下にある場合には、間欠定量ポンプB内に吸込管を介し水が供給されず、空気供給管からの空気の流入により間欠定量ポンプB内の水が吐出管を介し排出された後に吐出管を介し空気共通管からの空気が外部に逃げることにより間欠定量ポンプB内に空気圧がかからない状態となり、同時に、空気共通管を介し連通している間欠定量ポンプAも空気圧がかからない状態となり、送水されない機能を間欠定量ポンプAと間欠定量ポンプBが奏し、上記活性汚泥槽が、該活性汚泥槽に流入した汚水を活性汚泥槽内で水位変動させて一時的に貯留する機能と、上記間欠定量ポンプAによって活性汚泥槽より外部へ送水する機能とからなる流量調整機能を有する水処理装置。
(2)項(1)において、上記活性汚泥槽が、微生物固定化用の流動担体を有する水処理装置。
(3)項(1)又は(2)において、上記間欠定量ポンプAに設けられた吐出管において上記活性汚泥槽の水面上に突出させた吐出管の上端側を固液分離装置の後段側の処理装置まで延在させて間欠定量ポンプAから後段側の処理装置側に送水可能とした水処理装置。
(4)項(1)乃至(3)の何れか一項において、上記間欠定量ポンプBに設けられた吐出管において上記活性汚泥槽の水面上に突出させた吐出管の上端側を固液分離装置の前段側の嫌気処理槽まで延在させて間欠定量ポンプBから前段側の嫌気処理槽に送水可能とした水処理装置。
(5)項(1)乃至(4)の何れか一項において、送風機が間欠運転される水処理装置。
また、空気を駆動源とするポンプを使用するため、機械式のポンプに比べ安価な固液分離装置及び水処理装置を提供できる。
更に、活性汚泥槽の水位が低水位である場合は、間欠定量ポンプA、Bの両方から送水することが無く、水位検知可能であり、活性汚泥槽の水位が低水位より高い場合は間欠定量ポンプA、Bへの給水と間欠定量ポンプA、Bからの送水を行うことができる。
また、槽内の汚泥濃度(MLSS濃度)は、3,000〜20,000mg/Lが好ましく、5,000〜15,000mg/Lがより好ましい。
3,000mg/L未満の場合は、活性汚泥のフロックができにくいため、濾過ユニットの濾過材に生物膜が付着しやすく目詰まりの原因となるため、汚泥投入をして3,000mg/L以上になるように調整する。
逆に20,000mg/Lを超えるようになると、濾過ユニットでの透過抵抗が増大し計画透過水量を得られなくなる恐れがあるため、汚泥を引き抜き20,000mg/L以下になるように調整する。
槽内の汚泥濃度が高濃度になると目詰まりしやすくなるため、孔径は直径2.5mm〜10mmが好ましく、3mm〜5mmがより好ましい。孔径2.5mm未満の場合は、空気供給圧が15kPa程度、汚泥濃度が3,000mg/L以上の場合、数ヶ月で目詰まりを起す場合がある。孔径10mm以上の場合は気泡径が大きくなり、同一空気量での気泡表面積が低下するため、水中への酸素溶解効率が極端に悪化し処理性能に悪影響を及ぼす。
尚、空気供給装置は、濾過ユニットの濾過材に空気の気泡が当たる位置に設置する。気泡が濾過材に付着した生物膜を剥ぎ取り、目詰まりしにくくするためである。
また、流動担体自体が濾過材へ当たることで、濾過材に付着した生物膜を剥ぎ取り、目詰まりしにくくなる。
流動担体の比重は、好ましくは0.94〜0.98である。この範囲では、微生物が付着後に比重が1.0に近くなり流動しやすくなる。
また、流動担体の充填率は70%以下が好ましい。70%を越えると担体同士の衝突により流動が阻害され、流動しにくくなる。
濾過材は、濾過機能を備えていれば特に制限されるものでない。具体的には、平膜や中空糸膜で、特に孔径が0.1μm〜10μm程度の精密濾過膜(MF膜)や、孔径10μm〜1mm程度に相当する不織布を用いることができる。
尚、濾過材数は計画透過水量によって決定される。
複数の濾過水排出口がある場合には、各々の濾過水排出口を並列に連結して、濾過水排出管の端末をひとつにすることが好ましい。この際、濾過水排出管の端末の口径面積が、各々の濾過水排出口の合計面積よりも大きいことが好ましい。こうすることで、配管抵抗による水頭損失が低減され、より多くの濾過水量を得ることができる。
尚、間欠定量ポンプの吸込管に逆流防止用の逆止弁を設ける場合もあるが、この場合、濾過材への水圧が十分に高いため逆流が起こりにくく必ずしも設ける必要はない。
尚、その他の空気が必要な処理装置がある場合は、その処理装置への空気供給と兼用にしてよい。
嫌気処理槽は、固液分離装置の前段、即ち上流に設けられ、嫌気性の処理機能を有している槽であれば特に制限されるものでなく、具体的には、沈殿分離槽、嫌気濾床槽等を用いることができる。嫌気処理槽は、汚水に含まれる有機物を嫌気処理し、固液分離された上澄水を固液分離装置に移送する。一方、固液分離された汚泥は嫌気消化される。
流量調整機能は、多大な流入ピークを緩和するための機能であり、貯留機能と送水機能とを備える。
貯留機能は、流入した汚水を一時的に貯留しておく機能であり、活性汚泥槽上部を水位変動させて機能を持たせる事ができる。この場合の低水位(L.W.L)の設定は、空気供給管が連通した他の間欠定量ポンプの吸込管取水口位置で決定される。
送水機能は、濾過ユニットに連結された間欠定量ポンプに兼用できる。送水先は固液分離装置の後段の処理装置となる。
他の間欠定量ポンプの送水先は、嫌気処理槽が好ましい。このようにすることで、脱窒効果が期待でき、有機物も消費されるため、処理性能の安定化を図ることができる。
水処理装置1は、嫌気濾床槽2、固液分離装置3、消毒槽4を有している。
嫌気濾床槽2は、濾床21を有しており、濾材は網様円筒濾材である。
固液分離装置3は、活性汚泥槽31、空気供給装置32、濾過ユニット33と、間欠定量ポンプ34、送風機35で構成される。
排水は、流入口11を通って嫌気濾床槽2に流れ込む。流れ込んだ排水中の固形物は、濾床21に捕捉され、嫌気分解された後、嫌気濾床槽2の底部に沈降する。沈降した固形物は汚泥と共に清掃時に引抜かれる。なお、移流路22は清掃孔を兼ねている。固形物が分離された排水は移流口23より固液分離装置3へ移流する。
固液分離装置3の活性汚泥槽31に流れ込んだ水は、空気供給装置32から放出された気泡によって好気状態に保たれた槽内で好気処理される。好気処理された水は、濾過ユニット33にて濾過され、間欠定量ポンプ34を経て、消毒槽4にて滅菌され流出口12から放流される。
濾過材331は、ポリプロピレン製スパンボンド不織布(日本不織布株式会社製、商品名:スプリトップ、品番:SP−1070EHY)を使用した。ポリプロピレン製不織布は、疎水性で水に馴染みにくいので、親水剤を生地に練り込んだ親水性の物が好ましい。親水性の物は初期から性能を発揮できる。
長時間運転していると、いずれ濾過材面に生物膜等が付着し閉塞する。そこで、付着した生物膜を剥ぎ取るため、空気供給装置32を濾過材331の直下に配置し、気泡が濾過材面に当たるようにする。更に、直径12mmの円筒状の流動担体(図示略)を充填率30%投入し、流動する担体も濾過材面に当たるようにする。
間欠定量ポンプ34は、十分な濾過水頭圧が得られるように、濾過材331の高さの約1/2の位置に設置する。尚、濾過水排出管334も水没するようにする。
活性汚泥槽31の水位は、間欠定量ポンプ34から消毒槽4に処理水が送られるに従い、低下する。そこで、水位検知手段36を活性汚泥槽31内に設け、濾過材331が気中に露出しないように、低水位(L.W.L)を感知し、空気供給停止手段37(本実施例では電磁弁を使用)で間欠定量ポンプ34への空気供給を止める。水位検知手段36は、特に制限はなく、具体的には水位センサー等が使われる。空気供給停止手段37も特に制限はなく、具体的には電磁弁等が使われる。
沈殿部311には、活性汚泥槽31の汚泥濃度が高くなるに従いスカムが発生するため、オーバーフロー口312にスカムバッフル313を設け、スカムの消毒槽4への流出を防止する。この沈殿部311には、活性汚泥槽31の汚泥濃度が高くなり過ぎないようにスカム化して汚泥を貯留する機能もある。
本実施例では、沈殿部311内に、もう1台の間欠定量ポンプ34bが設置されている。間欠定量ポンプ34と間欠定量ポンプ34bとは、空気供給管351で連通している。
活性汚泥槽31の水位が低水位(L.W.L)よりも上にある場合には、両方の間欠定量ポンプ内に水が供給され、給水・送水が行われている。この時の間欠定量ポンプ34、34bの送水量比は、各々の間欠定量ポンプ内の水面積比となる。例えば、間欠定量ポンプ34の送水量を2Q、間欠定量ポンプ34bの送水量を3Qとしたい場合は、間欠定量ポンプ34内の水面積(水平断面積)を2S、間欠定量ポンプ34b内の水面積を3Sとすれば良い。
図4は、給水工程から送水工程に切り替わる瞬間の図である。間欠定量ポンプ34内のU字管344頂部にまで水面が達する(H.W.L)と、U字管344底部に水が流れ込みトラップが形成される。すると、空気の逃げ場所がなくなり、間欠定量ポンプ34、34b内の両方の水面に空気圧がかかる。この時、逆止弁343が閉じ、逆流を防ぐ。
図5は、送水工程を示す図である。間欠定量ポンプ34、34b内の両方の水面にかかった空気圧により、吐出管342、342bから各々水が吐出される。そして、間欠定量ポンプ34、34b内の水面は徐々に下がって行く。
図6は、送水工程から給水工程に切り替わる瞬間の図である。間欠定量ポンプ34内のU字管344底部にまで水面が達する(L.W.L)と、トラップが切れて吐出管342から空気が逃げ、間欠定量ポンプ34、34b内の両方の水面にかかった空気圧は水頭圧に負け、再び図3に示す給水工程になる。吐出管342、342bの残水は間欠定量ポンプ34、34b内に戻される。
その後直ぐに、間欠定量ポンプ34bは送水されるべき水が無くなり、空になる(図8参照)。この時、空気供給管351から供給された空気は、そのまま吐出管342bから逃げてしまうため、間欠定量ポンプ34内の水面には空気圧がかからず吐出管342から送水されない。活性汚泥槽31の水位が低水位(L.W.L)である限りこの状態が継続される。
すなわち、吸込管341bが、水位検知手段であり、間欠定量ポンプ34bが空気供給停止手段となる。
11…流入口、12…流出口、
21…濾床、22…移流路、23…移流口、
31…活性汚泥槽、32…空気供給装置、33…濾過ユニット、34…間欠定量ポンプ、
35…送風機、36…水位検知手段、37…空気供給停止手段
311…沈殿部、312…オーバーフロー口、313…スカムバッフル
331…濾過材、332…濾過水排出口、333…支持体、334…濾過水排出管、
34b…間欠定量ポンプ、
341…吸込管、341b…吸込管、342…吐出管、342b…吐出管、
343…逆止弁、344…U字管、351…空気供給管。
Claims (5)
- 活性汚泥槽と、この活性汚泥槽に空気を供給する空気供給装置と、濾過材として液中膜又は不織布を用いるとともに上記活性汚泥槽内に浸漬させる濾過ユニットと、この濾過ユニットに連結されて上記活性汚泥槽内の水に浸漬させる間欠定量ポンプAと、上記活性汚泥槽内の水に浸漬させる間欠定量ポンプBと、上記空気供給装置及び間欠定量ポンプA及び間欠定量ポンプBへ空気を供給する送風機とを備えた固液分離装置と、この固液分離装置の前段に設けられる嫌気処理槽とを有する水処理装置であって、
上記活性汚泥槽に低水位の位置と高水位の位置が設定され、
上記間欠定量ポンプAと上記間欠定量ポンプBに、これらを接続して間欠定量ポンプA内及び間欠定量ポンプB内を連通させるとともに上記送風機に接続して送風機から送られる空気を上記間欠定量ポンプA内と間欠定量ポンプB内に個別に送るための空気供給管が設けられ、
上記間欠定量ポンプAが、その内底部に下端を開口させ上端を間欠定量ポンプAから出して活性汚泥槽の水面上に突出させた吐出管と、一端を上記間欠定量ポンプAの内部に開口させ他端を上記突出管に接続したU字管と、上記濾過ユニットの濾過水排出口に連結された吸込管とを備え、
上記間欠定量ポンプBが、その内底部に下端を開口させ上端を間欠定量ポンプBから出して活性汚泥槽の水面上に突出させた吐出管と、一端を上記間欠定量ポンプBの底部に接続し他端の取水口位置を活性汚泥槽の低水位に位置させて活性汚泥槽内に配置された吸込管を備え、該吸込管に、吸込管から間欠定量ポンプB内への水の移動を許容し、反対方向の水の移動を阻止する逆止弁が設けられるとともに、
上記活性汚泥槽の水位が上記低水位よりも上にある場合には、空気供給管から上記間欠定量ポンプA内と間欠定量ポンプB内への空気の流入に応じて上記U字管内の水が突出管を介して外部に抜けるまでの間は給水がなされ、給水により間欠定量ポンプA内の水位が上昇してU字管内に水が充填された時点で吐出管を介し送水がなされ、
上記活性汚泥槽の水位が上記低水位にある場合には、間欠定量ポンプB内に吸込管を介し水が供給されず、空気供給管からの空気の流入により間欠定量ポンプB内の水が吐出管を介し排出された後に吐出管を介し空気共通管からの空気が外部に逃げることにより間欠定量ポンプB内に空気圧がかからない状態となり、同時に、空気共通管を介し連通している間欠定量ポンプAも空気圧がかからない状態となり、送水されない機能を間欠定量ポンプAと間欠定量ポンプBが奏し、
上記活性汚泥槽が、該活性汚泥槽に流入した汚水を活性汚泥槽内で水位変動させて一時的に貯留する機能と、上記間欠定量ポンプAによって活性汚泥槽より外部へ送水する機能とからなる流量調整機能を有する水処理装置。 - 上記活性汚泥槽が、微生物固定化用の流動担体を有する請求項1に記載の水処理装置。
- 上記間欠定量ポンプAに設けられた吐出管において上記活性汚泥槽の水面上に突出させた吐出管の上端側を固液分離装置の後段側の処理装置まで延在させて間欠定量ポンプAから後段側の処理装置に送水可能とした請求項1または2に記載の水処理装置。
- 上記間欠定量ポンプBに設けられた吐出管において上記活性汚泥槽の水面上に突出させた吐出管の上端側を固液分離装置の前段側の嫌気処理槽まで延在させて間欠定量ポンプBから前段側の嫌気処理槽に送水可能とした請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水処理装置。
- 請求項1〜請求項4のいずれかに一項に記載の水処理装置において、送風機が、間欠運転される水処理装置。
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