JP7151177B2 - 水処理装置およびその運転方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水処理装置およびその運転方法に関する。
有機物、微生物(細菌類等)、それらの残骸等を含む被処理水(工業排水、生活排水等)を処理する方法としては、水槽内において被処理水を活性汚泥によって生物化学的に処理するとともに、水槽内に浸漬された膜ユニットによって汚泥と処理水とを固液分離する膜分離活性汚泥法(MBR法)が知られている。
膜ユニットとしては、複数の平型の膜エレメントが互いに平行に配列された膜分離装置と、膜分離装置の下方に配置された複数の散気管(散気器)を有する散気発生装置とを備えたものが知られている。
MBR法においては、散気管からの散気(ばっ気)によって、被処理水の生物化学的処理に必要な酸素の供給と、膜エレメントにおける分離膜の洗浄が行われる。
散気管からの散気によって分離膜を効率よく洗浄できる水処理装置としては、膜分離装置の膜エレメントの配列方向の幅をLとしたとき、膜分離装置の上部と水面との距離をL/2以上、水槽の内側壁と膜分離装置の側部との距離をL/4以上、膜分離装置の下部と散気管の上部との距離をL/4以上、散気管の下部との水槽の底面との距離をL/2以上としたものが提案されている(特許文献1)。
この水処理装置においては、被処理水が、散気管からの散気された気泡とともに膜エレメントの間を通って上昇する。膜ユニットの上方においては、気泡が液面から放出される一方、被処理水は、液面付近を水平方向に流れ、水槽の内側壁と膜分離装置の側部との間を通って下降する。散気管の下方まで下降した被処理水は、散気管から散気された気泡とともに再び上昇する。このようにして、散気管からの散気によって被処理水の上昇流と下降流とが良好に循環する旋回流が形成される。そのため、上昇流のブロックに配置される膜分離装置の膜エレメントの分離膜には常に停滞なく気液混合の上昇流が接触し、分離膜の膜面を効果的にスクラビング洗浄できる。
特開平9-75937号公報
しかし、被処理水のMLSS(混合液中浮遊物質)濃度が高い(例えば20000mg/L以上)条件下や被処理水の粘度が高い条件下では、膜エレメントの分離膜の揺動性が低下して膜面における汚泥の濃縮が加速される上に、散気管から散気された気泡の流れ(空気道)が固定化されて分離膜の膜面に対する気泡の接触箇所に偏りが生じる。そのため、気泡が接触しない分離膜の膜面に汚泥が堆積するクロッギングが発生し、その結果、膜間差圧の上昇を招き、水処理装置が停止する場合がある。
クロッギングによって分離膜の膜面に堆積した汚泥は、薬品洗浄等のインラインでの洗浄では、膜面から剥離させることが困難である。そのため、膜ユニットをクレーン等によって水槽から引き上げ、膜ユニットから膜エレメントを取り出し、分離膜の膜面に堆積した汚泥を、水道水等を流しかけて物理的に剥離させる必要がある。
本発明は、クロッギングが発生しにくく、クロッギングが発生したときには分離膜の膜面に堆積した汚泥をインラインで容易に剥離できる水処理装置およびその運転方法を提供する。
本発明は、下記の態様を有する。
<1>被処理水が供給される水槽と、前記水槽内に配置された膜エレメントと、前記膜エレメントの下方に配置された散気器とを含む水処理装置の運転方法であり、前記水槽の底面から前記被処理水の水面までの高さWと、前記水槽の底面から前記膜エレメントの上端までの高さEとがE×1.05<Wの関係を満足した状態で、前記散気器から散気しつつ前記膜エレメントによって前記被処理水の固液分離を行うステップaと、前記高さWと、前記高さEと、前記水槽の底面から前記膜エレメントにおいて分離膜が露出した部分における上端までの高さMとがM×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足した状態で、前記散気器から散気しつつ前記膜エレメントによって前記被処理水の固液分離を行うステップbとを有する、水処理装置の運転方法。
<2>前記膜エレメントによる前記被処理水の固液分離を停止した状態で、前記散気器から散気するステップc’をさらに有する、前記<1>の水処理装置の運転方法。
<3>被処理水が供給される水槽と、前記水槽内に配置された膜エレメントと、前記膜エレメントの下方に配置された散気器とを備えた水処理装置の運転方法であり、前記膜エレメントによる前記被処理水の固液分離を停止し、かつ前記水槽の底面から前記被処理水の水面までの高さWと、前記水槽の底面から前記膜エレメントの上端までの高さEと、前記水槽の底面から前記膜エレメントにおいて分離膜が露出した部分における上端までの高さMとがM×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足した状態で、前記散気器から散気するステップcを有する、水処理装置の運転方法。
<4>前記ステップcの時間が、1日あたり0.5~5分間である、前記<3>の水処理装置の運転方法。
<5>前記膜エレメントによる前記被処理水の固液分離を停止し、かつ前記散気器からの散気を停止するステップdをさらに有する、前記<3>または<4>の水処理装置の運転方法。
<6>1~5分間のステップcと、55~59分間のステップdとを繰り返す、前記<3>~<5>のいずれかの水処理装置の運転方法。
<7>被処理水が供給される水槽と、前記水槽内に配置された膜エレメントと、前記膜エレメントの下方に配置された散気器と、前記膜エレメントによる固液分離の開始および停止、前記散気器による散気の開始および停止、前記水槽への前記被処理水の供給量、ならびに前記水槽からの処理水の吸引量を制御する制御装置とを含み、前記制御装置が、前記水槽の底面から前記被処理水の水面までの高さWと、前記水槽の底面から前記膜エレメントの上端までの高さEとがE×1.05<Wの関係を満足するように、前記水槽への前記被処理水の供給量および前記水槽からの前記処理水の吸引量を制御し得るとともに、前記高さWと、前記高さEと、前記水槽の底面から前記膜エレメントにおいて分離膜が露出した部分における上端までの高さMとがM×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足するように、前記水槽への前記被処理水の供給量および前記水槽からの前記処理水の吸引量を制御し得るものである、水処理装置。
本発明の水処理装置およびその運転方法によれば、クロッギングが発生しにくく、クロッギングが発生したときには分離膜の膜面に堆積した汚泥をインラインで容易に剥離できる。
本発明の水処理装置の一例を示す概略構成図である。 膜ユニットの一例を一部破断して示す斜視図である。 膜ユニットの散気発生装置の一例を示す斜視図である。 中空糸膜が略鉛直方向に延びるように中空糸膜エレメントが配置された水処理装置において、E×1.05<Wの関係を満足している状態を示す概略図である。 中空糸膜が略水平方向に延びるように中空糸膜エレメントが配置された水処理装置において、E×1.05<Wの関係を満足している状態を示す概略図である。 中空糸膜が略鉛直方向に延びるように中空糸膜エレメントが配置された水処理装置において、M×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足している状態を示す概略図である。 中空糸膜が略水平方向に延びるように中空糸膜エレメントが配置された水処理装置において、M×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足している状態を示す概略図である。 ステップaにおいて水処理装置内に形成される旋回流の一例を示す概略図である。 ステップbにおいて水処理装置内に形成される旋回流の一例を示す概略図である。 実施例1および比較例2における運転日数に対する膜間差圧の変化を示すグラフである。 実施例1における30日目の中空糸膜エレメントの写真である。 比較例1における30日目の中空糸膜エレメントの写真である。 実施例2における運転日数に対する汚泥付着量の変化を示すグラフである。 実施例2における22日目、26日目のNo.7の中空糸膜エレメントの写真である。 実施例2における22日目、26日目のNo.9の中空糸膜エレメントの写真である。
本明細書および特許請求の範囲において数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
図1~図9における寸法比は、説明の便宜上、実際のものとは異なったものである。
<水処理装置>
図1は、本発明の水処理装置の一例を示す概略構成図である。水処理装置1は、水槽10と、被処理水を水槽10に供給する被処理水供給流路12と、被処理水供給流路12の途中に設けられた送液ポンプ14と、水槽10内に配置された膜エレメント20と、膜エレメント20からの透過水を排出する透過水排出流路22と、透過水排出流路22の途中に設けられた吸引ポンプ24と、膜エレメント20の下方に配置された散気管30(散気器)と、散気管30にエアを供給するブロア32と、散気管30とブロア32とを接続するエア導入管34と、水槽10からの余剰汚泥を排出する余剰汚泥排出流路40と、余剰汚泥排出流路40の途中に設けられた弁42と、送液ポンプ14、吸引ポンプ24およびブロア32に電気的に接続された制御装置50とを備える。
膜エレメント20としては、公知の分離膜を備えた公知の膜エレメントが挙げられる。
膜エレメント20の形状としては、平型、円筒型等が挙げられ、高度集積が可能である点から、平型が好ましい。
分離膜の種類としては、精密ろ過膜(MF膜)又は限外ろ過膜(UF膜)が好ましい。
分離膜の形状としては、中空糸膜、平膜、管状膜、袋状膜等が挙げられ、容積ベースで比較した場合に膜面積の高度集積が可能であることから、中空糸膜が好ましい。
分離膜の材質としては、有機材料(セルロース、ポリオレフィン、ポリスルフォン、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン等)、金属(ステンレス鋼等)、無機材料(セラミックス等)が挙げられる。分離膜の材質は、被処理水の性状に応じて適宜選択する。
水処理装置1においては、特に限定はされないが、複数の平型の膜エレメント20が互いに平行に配列された集積体と、集積体の四方の側面を覆うケーシングとを備えた膜分離装置を用いることが好ましい。このような膜分離装置を用いることによって、後述するステップaにおいて膜分離装置内の上昇流と、水槽10の内側壁と膜分離装置の側部との間の下降流とからなる大きな旋回流が効率よく形成され、また、後述するステップbにおいて膜分離装置内の上昇流と膜分離装置内の下降流とからなる小さな旋回流(乱流)が効率よく形成される。
水処理装置1においては、図2および図3に示すような、散気管と膜エレメントとが一体化された膜ユニットを用いてもよい。
膜ユニットは、散気発生装置60と、散気発生装置60の上部に設けられた膜分離装置70と、膜分離装置70の上部に設けられた集水ヘッダ80とを備える。
散気発生装置60は、上下が開口した平面視矩形のケーシング61と;ケーシング61の4隅から下方に向かって延びる支柱62と;ケーシング61の外壁に設けられ、ブロア32からエア導入管34を通って供給されるエアをケーシング61内に供給する接続管63と;ケーシング61の内壁に沿って設けられ、接続管63に連通するエア供給ヘッダ64と;エア供給ヘッダ64に直交してその内壁64aに接続された複数の散気管30とを備える。
散気管30は、ブロア32から供給されるエアを上方へ吐出するものであり、穴あきの単管やメンブレンタイプのものから構成され、一端はエア供給ヘッダ64に接続され、他端は閉塞されている。
膜分離装置70は、散気発生装置60の4隅から上方に向かって延びるフレーム65と、フレーム65に支持され、かつ互いに平行に配列された複数の平型の中空糸膜エレメント20Aと、四方の側面を覆うケーシング66とを備える。
中空糸膜エレメント20Aは、長手方向に沿って形成された通路(図示略)を内部に有し、この通路の一端に形成されて縦杆72の通路と連通する透過水取出口71aを有する下枠71と;下枠71の両端から上方に向かって延び、長手方向に沿って形成された通路(図示略)を内部に有する一対の縦杆72、縦杆73と;縦杆72、縦杆73の上端に設けられ、長手方向に沿って形成された通路(図示略)を内部に有し、この通路の一端に形成された透過水取出口74aを有する上枠74と;透過水取出口74aに連結された、上方へ向けて屈曲するL字継手75と;縦杆72、縦杆73に沿い、水面に対して鉛直方向に配列された多数の中空糸膜76aからなる中空糸膜シート76と;上枠74および下枠71の内部の通路に中空糸膜76aの端部が開口された状態にて、中空糸膜76aの上端および下端を、それぞれ上枠74、下枠71に液密に固定、支持するポッティング材77とを備える。
中空糸膜シート76を構成する中空糸膜76aの本数は、中空糸膜シート76の1枚あたり500~5000本が好ましい。中空糸膜76aの本数が500本未満では、中空糸膜の膜面積が低下し、単位容積あたりの透水量が低下する場合がある。中空糸膜76aの本数が5000本を超えると、膜ユニットの設置面積が大きくなりすぎる。
中空糸膜エレメント20Aは、中空糸膜76aが弛みを有して略鉛直方向に延びるように配置されることが好ましい。中空糸膜76aが略鉛直方向に延びるように配列されることによって、中空糸膜76aの表面に固形分が堆積しにくくなり、また、散気管30からの気泡によって中空糸膜76aの表面が効率よく洗浄される。また、中空糸膜76aが弛みを有することによって、散気管30からの気泡によって中空糸膜76aが揺動し、中空糸膜76aの表面が効率よく洗浄される。
中空糸膜エレメント20Aは、中空糸膜76aが弛みを有して略水平方向に延びるように配置されてもよい。
集水ヘッダ80は、中空糸膜エレメント20Aの配列方向に沿って設けられる。集水ヘッダ80は、長手方向に沿って形成された複数の集水口80aと、一端が集水口80aに連結され、他端が中空糸膜エレメント20AのL字継手75に連結される、下方に屈曲するL字継手81と、集水ヘッダ80の上面に設けられ、透過水排出流路22に接続される吸水口80bとを有する。
水槽10内に膜エレメント20を直接配置する場合、水槽10内への膜エレメント20の配置は、膜エレメント20近傍の上昇流と、水槽10の内側壁と膜エレメント20との間の下降流とからなる大きな旋回流が発生するように、すなわち膜エレメント20と水槽10の内側壁との間、および膜エレメント20と水槽10の底面との間に適度な間隙が形成されるように設定すればよい。
水槽10内に膜分離装置(膜ユニット)を配置する場合、水槽10内への膜分離装置(膜ユニット)の配置は、膜分離装置内の上昇流と、水槽10の内側壁と膜分離装置の側部との間の下降流とからなる大きな旋回流が発生するように、すなわち膜分離装置の側部と水槽10の内側壁との間、および膜分離装置の下部と水槽10の底面との間に適度な間隙が形成されるように設定すればよい。
例えば、特許文献1に記載されているように、膜分離装置の膜エレメント20の配列方向の幅をLとしたとき、水槽10の内側壁と膜分離装置の側部との距離をL/4以上、膜分離装置の下部と散気管30の上部との距離をL/4以上、散気管30の下部との水槽10の底面との距離をL/2以上とする。
制御装置50は、膜エレメント20による固液分離の開始および停止、散気管30による散気の開始および停止、水槽10への被処理水の供給量、水槽10からの処理水の吸引量等を制御するものである。
制御装置50は、処理部(図示略)と、インターフェイス部(図示略)と、カレンダータイマ(図示略)とを有して概略構成される。
カレンダータイマは、年月日および時刻を管理する時計部と、精製水製造装置の運転スケジュールを記憶する記憶部とを有する。カレンダータイマは、記憶部に記憶された設定日時に電気信号を発信できるようにされている。
インターフェイス部は、送液ポンプ14、吸引ポンプ24、ブロア32等と、処理部との間を電気的に接続するものである。
処理部は、カレンダータイマからの電気信号、処理部に入力された操作信号等に基づいて、送液ポンプ14、吸引ポンプ24およびブロア32の駆動等を制御するものである。
処理部は、具体的には、例えば下記の制御を行うものである。
処理部は、後述するステップaにおいては、ブロア32を駆動させることによって散気管30による散気を行い、吸引ポンプ24を駆動させることによって膜エレメント20による固液分離を行うものである。そして、図4または図5に示すように、水槽10の底面から被処理水の水面までの高さWと、水槽10の底面から中空糸膜エレメント20Aの上端までの高さEとがE×1.05<Wの関係を満足するように、送液ポンプ14の駆動と停止とを繰り返すことによって、水槽10への被処理水の供給量を制御するものである。
処理部は、後述するステップbにおいては、ブロア32を駆動させることによって散気管30による散気を行い、吸引ポンプ24を駆動させることによって膜エレメント20による固液分離を行うものである。そして、図6または図7に示すように、水槽10の底面から被処理水の水面までの高さWと、水槽10の底面から中空糸膜エレメント20Aの上端までの高さEと、水槽10の底面から中空糸膜エレメント20Aにおいて中空糸膜76aが露出した部分における上端までの高さMとがM×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足するように、送液ポンプ14の駆動と停止とを繰り返すことによって、水槽10への被処理水の供給量を制御するものである。
処理部は、後述するステップcにおいては、吸引ポンプ24を停止させることによって中空糸膜エレメント20Aによる固液分離を停止するものである。そして、図6または図7に示すように、水槽10の底面から被処理水の水面までの高さWと、水槽10の底面から中空糸膜エレメント20Aの上端までの高さEと、水槽10の底面から中空糸膜エレメント20Aにおいて中空糸膜76aが露出した部分における上端までの高さMとがM×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足した状態で、ブロア32を駆動させることによって散気管30による散気を行うものである。
処理部は、後述するステップdにおいては、吸引ポンプ24を停止させることによって中空糸膜エレメント20Aによる固液分離を停止し、ブロア32を停止させることによって散気管30による散気を停止するものである。
なお、処理部は、専用のハードウエアにより実現されるものであってもよく、処理部は、メモリおよび中央演算装置(CPU)によって構成され、処理部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
また、制御装置50には、周辺機器として、入力装置、表示装置等が接続されるものとする。ここで、入力装置とは、ディスプレイタッチパネル、スイッチパネル、キーボード等の入力デバイスのことをいい、表示装置とは、液晶表示装置、CRT等のことをいう。
(他の実施形態)
本発明の水処理装置は、被処理水が供給される水槽と、水槽内に配置された膜エレメントと、膜エレメントの下方に配置された散気器と、膜エレメントによる固液分離の開始および停止、散気器による散気の開始および停止、水槽への被処理水の供給量、ならびに水槽からの処理水の吸引量を制御する制御装置とを備え、制御装置が、特定の水位となるように、水槽への被処理水の供給量および水槽からの処理水の吸引量を制御し得るものであればよく、図1~図3に示す水処理装置1に限定されるものではない。
<水処理装置の運転方法の第1の態様>
本発明の水処理装置の運転方法の第1の態様は、膜エレメントによる固液分離を行う際に、ステップaおよびステップbを実施する方法である。
第1の態様においては、膜エレメントによる固液分離を停止している間、少なくともステップc’を実施することが好ましい。
第1の態様における各ステップの順番および頻度は、特に限定されない。
ステップa:膜エレメントに接触する上昇流と、水槽と膜エレメントとの間を通る下降流とからなる大きな旋回流が形成されるような水位において、散気管による散気を行いつつ、膜エレメントによる固液分離を行うステップ。
ステップb:膜エレメントに接触する上昇流と、膜エレメントに接触する下降流とからなる小さな旋回流(乱流)が形成されるような水位において、散気管による散気を行いつつ、膜エレメントによる固液分離を行うステップ。
ステップc’:膜エレメントによる固液分離を停止した状態で、散気管による散気を行うステップ。
以下、本発明の水処理装置の運転方法の第1の態様について、水処理装置1の運転方法を例にして、具体的に説明する。
(被処理水)
被処理水としては、工業排水、生活排水等が挙げられる。
MBR法によって被処理水を処理する場合、被処理水は活性汚泥を含む。
被処理水のMLSS濃度は、本発明の効果が十分に発揮される点からは、5000~10000mg/Lが好ましく、8000~15000mg/Lがより好ましい。
(ステップa)
ステップaにおいては、ブロア32を駆動させることによって散気管30による散気を行う。また、吸引ポンプ24を駆動させることによって膜エレメント20による固液分離を行う。
そして、図4または図5に示すように、水槽10の底面から被処理水の水面までの高さWと、水槽10の底面から中空糸膜エレメント20Aの上端までの高さEとがE×1.05<Wの関係を満足するように、送液ポンプ14の駆動と停止とを繰り返すことによって、水槽10への被処理水の供給量を制御する。
水槽10の底面から被処理水の水面までの高さWは、液面センサー(図示略)によって知ることができ、または、被処理水の供給量および処理水の吸引量から計算によって知ることができる。
ステップaにおいては、図8に示すように、E×1.05<Wの関係を満足することによって、膜分離装置70内の上昇流と、膜分離装置70外の下降流とからなる大きな旋回流が形成される。ステップaにおいては、大きな旋回流が効率よく形成される点から、E×1.15≦Wの関係を満足することが好ましく、E×1.2≦Wの関係を満足することがより好ましい。
EおよびWが前記関係を満足することによって、図8に示すように、散気発生装置60内の被処理水が、散気管30からの散気された気泡とともに膜分離装置70内の中空糸膜エレメント20Aの間を通って上昇する。膜ユニットの上方においては、気泡が液面から放出される一方、被処理水は、液面付近を水平方向に流れ、水槽10の内側壁と膜分離装置70の側部との間を通って下降する。水槽10の底面と散気発生装置60との間を通って散気管30の下方まで下降した被処理水は、散気管30から散気された気泡とともに再び上昇する。このようにして、散気管30からの散気によって被処理水の上昇流と下降流とが良好に循環する大きな旋回流が形成される。そのため、上昇流のブロックに配置される膜分離装置70の中空糸膜エレメント20Aの中空糸膜76aには常に停滞なく気液混合の上昇流が接触し、中空糸膜76aの膜面を効果的にスクラビング洗浄できる。
(ステップb)
ステップbにおいては、ブロア32を駆動させることによって散気管30による散気を行う。また、吸引ポンプ24を駆動させることによって膜エレメント20による固液分離を行う。
そして、図6または図7に示すように、水槽10の底面から被処理水の水面までの高さWと、水槽10の底面から中空糸膜エレメント20Aの上端までの高さEと、水槽10の底面から中空糸膜エレメント20Aにおいて中空糸膜76aが露出した部分における上端までの高さMとがM×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足するように、送液ポンプ14の駆動と停止とを繰り返すことによって、水槽10への被処理水の供給量を制御する。
ステップbにおいては、M×0.95≦Wの関係を満足することによって、中空糸膜76aが被処理水に浸漬された状態になり、中空糸膜エレメント20Aによる固液分離を行うことができる。また、M×0.95≦Wの関係を満足することによって、中空糸膜エレメント20Aの中空糸膜76aに気泡が接触し、中空糸膜76aの膜面をスクラビング洗浄できる。ステップbにおいては、中空糸膜76aが被処理水に確実に浸漬される点から、M≦Wの関係を満足することが好ましく、M×1.01≦Wの関係を満足することがより好ましい。
ステップbにおいては、図9に示すように、W≦E×1.05の関係を満足することによって、膜分離装置70内の上昇流と、膜分離装置70内の下降流とからなる小さな旋回流(乱流)が形成される。なお、膜分離装置70内の上昇流の一部は、膜分離装置70から溢れ出し、膜分離装置70外の下降流となるため、膜分離装置70内の上昇流と、膜分離装置70外の下降流とからなる大きな旋回流も形成される。ステップbにおいては、小さな旋回流(乱流)が効率よく形成される点から、W≦E×1.0の関係を満足することが好ましく、W≦E×0.95の関係を満足することがより好ましい。
EおよびWが前記関係を満足することによって、図9に示すように、散気発生装置60内の被処理水が、散気管30からの散気された気泡とともに膜分離装置70内の中空糸膜エレメント20Aの間を通って上昇する。中空糸膜76aの上端においては、気泡が液面から放出される一方、被処理水は、膜分離装置70内の中空糸膜エレメント20Aの間を通って下降する。散気管30の下方まで下降した被処理水は、散気管30から散気された気泡とともに再び上昇する。このようにして、散気管30からの散気によって被処理水の上昇流と下降流とが入り乱れた小さな旋回流(乱流)が形成される。そのため、中空糸膜エレメント20Aの中空糸膜76aには常に乱流が接触し、中空糸膜76aの膜面を効果的にスクラビング洗浄できる。
なお、本発明の水処理装置の運転方法の第1の態様においては、ステップaとステップbとを比較的短時間で繰り返して、空気道を固定化させないようにすることによって、クロッギングの発生を抑えてもよいし、ステップaを長時間実施し、クロッギングが発生して膜エレメントの膜間差圧が上昇した際に、ステップbを実施して分離膜の膜面に堆積した汚泥をインラインで剥離してもよい。
(ステップc’)
吸引ポンプ24を停止し、膜エレメント20による被処理水の固液分離を停止している間、一時的または連続的にステップc’を実施することが好ましい。
ステップc’においては、送液ポンプ14および吸引ポンプ24を停止し、中空糸膜エレメント20Aによる被処理水の固液分離を停止する。
ステップc’においては、中空糸膜エレメント20Aによる被処理水の固液分離を停止している状態で、ブロア32を駆動させることによって散気管30による散気を行う。
ステップc’においては、少なくとも、水槽10の底面から被処理水の水面までの高さWと、水槽10の底面から中空糸膜エレメント20Aにおいて中空糸膜76aが露出した部分における上端までの高さMとがM×0.95≦Wの関係を満足した状態であればよい。MおよびWが前記関係を満足することによって、中空糸膜エレメント20Aの中空糸膜76aに気泡が接触し、中空糸膜76aの膜面をスクラビング洗浄できる。
第1の態様においては、ステップc’として、後述するステップcを実施してもよい。
また、第1の態様においては、膜エレメントによる固液分離を停止している間、後述するステップcに加えて後述するステップdをさらに実施してもよい。
(作用機序)
以上説明した本発明の水処理装置の運転方法の第1の態様にあっては、E×1.05<Wの関係を満足した状態、すなわち膜エレメントに接触する上昇流と、水槽と膜エレメントとの間を通る下降流とからなる大きな旋回流が形成されるような水位において、散気器による散気を行いつつ、膜エレメントによる固液分離を行うステップaと、M×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足した状態、すなわち膜エレメントに接触する上昇流と、膜エレメントに接触する下降流とからなる小さな旋回流(乱流)が形成されるような水位において、散気器による散気を行いつつ、膜エレメントによる固液分離を行うステップbとを有する。そのため、ステップaとステップbとでは空気道が異なり、被処理水のMLSS濃度が高い(例えば20000mg/L以上)条件下や被処理水の粘度が高い条件下であっても、空気道が固定化されない。そのため、分離膜の膜面に対する気泡の接触箇所に偏りが生じにくく、クロッギングが発生しにくい。
また、本発明の水処理装置の運転方法の第1の態様にあっては、ステップaを長時間実施して、クロッギングが発生したとしても、ステップbを実施して小さな旋回流(乱流)を発生させることによって、分離膜の膜面に堆積した汚泥をインラインで容易に剥離できる。
また、本発明の水処理装置の運転方法の第1の態様は、膜エレメントによる固液分離を停止した状態で、散気器による散気を行うステップc’をさらに有してもよい。膜エレメントによる固液分離を停止した状態においても、ステップc’を実施することによって、分離膜の膜面をスクラビング洗浄できる。
(他の実施形態)
本発明の水処理装置の運転方法の第1の態様は、E×1.05<Wの関係を満足した状態で、散気器から散気しつつ膜エレメントによって被処理水の固液分離を行うステップaと、M×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足した状態で、散気器から散気しつつ膜エレメントによって被処理水の固液分離を行うステップbとを有する方法であればよく、図1~図3に示す水処理装置1の運転方法に限定されない。
<水処理装置の運転方法の第2の態様>
本発明の水処理装置の運転方法の第2の態様は、膜エレメントによる固液分離を停止している間、少なくともステップcを実施する方法である。
第2の態様においては、膜エレメントによる固液分離を停止している間、ステップcに加えてステップdをさらに実施することが好ましい。
第2の態様における膜エレメントによる固液分離は、上述したステップaやステップbを有する方法に限定されず、従来公知の方法で実施してもよい。
ステップc:膜エレメントによる固液分離を停止した状態、かつ膜エレメントに接触する上昇流と、膜エレメントに接触する下降流とからなる小さな旋回流(乱流)が形成されるような水位において、散気管による散気を行うステップ。
ステップd:膜エレメントによる固液分離を停止し、かつ散気管による散気を停止するステップ。
以下、本発明の水処理装置の運転方法の第2の態様について、水処理装置1の運転方法を例にして、具体的に説明する。
第2の態様においては、第1の態様と同じステップには同じ符号を付して説明を省略する。
(ステップc)
吸引ポンプ24を停止し、膜エレメント20による被処理水の固液分離を停止している間、一時的または連続的にステップcを実施する。
まず、図6または図7に示すように、水槽10の底面から被処理水の水面までの高さWと、水槽10の底面から中空糸膜エレメント20Aの上端までの高さEと、水槽10の底面から中空糸膜エレメント20Aにおいて中空糸膜76aが露出した部分における上端までの高さMとがM×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足している状態で、送液ポンプ14および吸引ポンプ24を停止し、中空糸膜エレメント20Aによる被処理水の固液分離を停止する。
ステップcにおいては、図6または図7に示すように、中空糸膜エレメント20Aによる被処理水の固液分離を停止し、かつM×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足している状態で、ブロア32を駆動させることによって散気管30による散気を行う。
ステップcにおいては、図9に示すように、W≦E×1.05の関係を満足することによって、膜分離装置70内の上昇流と、膜分離装置70内の下降流とからなる小さな旋回流(乱流)が形成される。なお、膜分離装置70内の上昇流の一部は、膜分離装置70から溢れ出し、膜分離装置70外の下降流となるため、膜分離装置70内の上昇流と、膜分離装置70外の下降流とからなる大きな旋回流も形成される。ステップcにおいては、小さな旋回流(乱流)が効率よく形成される点から、W≦E×1.0の関係を満足することが好ましく、W≦E×0.95の関係を満足することがより好ましい。
EおよびWが前記関係を満足することによって、上述したステップbと同様にして、散気管30からの散気によって被処理水の上昇流と下降流とが入り乱れた小さな旋回流(乱流)が形成される。そのため、中空糸膜エレメント20Aの中空糸膜76aには常に乱流が接触し、中空糸膜76aの膜面を効果的にスクラビング洗浄できる。
ステップcの時間は、1日あたり0.5~5分間が好ましく、1~3分間がより好ましく、1.5~2分間がさらに好ましい。ステップcの時間が前記範囲の下限値以上であれば、クロッギングの発生が十分に抑えられる。ステップcの時間が前記範囲の上限値以下であれば、ブロア32を駆動させるための電気代が抑えられる。
(ステップd)
吸引ポンプ24を停止し、膜エレメント20による被処理水の固液分離を停止している間、一時的に散気管30からの散気を停止してステップdを実施することが好ましい。クロッギングの発生が抑えられる点からは、ステップcとステップdとは繰り返し実施することが好ましい。ステップcとステップdとは繰り返し実施する場合、1~5分間のステップcと、55~59分間のステップdとを繰り返すことが好ましい。ステップcの時間が前記範囲の下限値以上であり、ステップdの時間が前記範囲の上限値以下であれば、クロッギングの発生が十分に抑えられる。ステップcの時間が前記範囲の上限値以下であり、ステップdの時間が前記範囲の下限値以上であれば、ブロア32を駆動させるための電気代が抑えられる。
(作用機序)
以上説明した本発明の水処理装置の運転方法の第2の態様にあっては、膜エレメントによる被処理水の固液分離を停止し、かつM×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足した状態、すなわち膜エレメントに接触する上昇流と、膜エレメントに接触する下降流とからなる小さな旋回流(乱流)が形成されるような水位において、散気器から散気するステップcを有する。そのため、膜エレメントによる被処理水の固液分離によってクロッギングが発生したとしても、ステップcを実施して小さな旋回流(乱流)を発生させることによって、分離膜の膜面に堆積した汚泥をインラインで容易に剥離できる。また、ステップcを頻繁に実施すれば、クロッギングが発生しにくい。
また、本発明の水処理装置の運転方法の第2の態様は、膜エレメントによる被処理水の固液分離を停止し、かつ散気器からの散気を停止するステップdをさらに有してもよい。ステップdを実施することによって、ブロア32を駆動させるための電気代が抑えられる。
(他の実施形態)
本発明の水処理装置の運転方法の第2の態様は、膜エレメントによる被処理水の固液分離を停止し、かつM×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足した状態で、散気器から散気するステップcを有する方法であればよく、図1~図3に示す水処理装置1の運転方法に限定されない。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制限されるものではない。
図2および図3に示す膜ユニットを備えた図1に示す水処理装置1を用い、MBR法によって被処理水を処理した。
水処理装置1としては、下記のものを用意した。
・水槽10:高さ2500mm、幅1000mm、奥行き1500mm。
・中空糸膜エレメント20A:ポリフッ化ビニリデンのMF膜を装着した中空糸膜エレメント(膜面積:60m)。
・中空糸膜エレメント20Aの数:10個(No.1~No.10)。
・中空糸膜エレメント20Aの配列方向の幅L:1000mm。
・水槽10の底面から中空糸膜エレメント20Aの上端までの高さE:1500mm。
・水槽10の底面から中空糸膜エレメント20Aにおいて中空糸膜76aが露出した部分における上端までの高さM:1400mm。
・水槽10の内側壁と膜分離装置70の側部との距離:100~200mm。
・膜分離装置70の下部と散気管30の上部との距離:200mm。
・散気管30の下部との水槽10の底面との距離:100mm。
水処理装置1には、被処理水として生活排水を供給した。
運転開始時の種汚泥としては、他の水処理装置から採取した活性汚泥を用い、この活性汚泥を、被処理水のMLSS濃度が20000mg/Lとなるように添加した。また、運転中の被処理水のMLSS濃度が20000~22000mg/Lとなるように、適宜、余剰汚泥排出流路40からの活性汚泥の引き抜きを行った。
(実施例1)
送液ポンプ14を駆動させ、水槽10の底面から被処理水の水面までの高さWが1700mmとなるように、水槽10に被処理水を供給した。
ブロア32を駆動させることによって散気管30による散気を行うとともに、吸引ポンプ24を駆動させることによって中空糸膜エレメント20Aによる固液分離を行った。吸引ポンプ24については、8分間駆動、2分間停止を繰り返した。吸引ポンプ24による吸引量は、吸引ポンプ24を8分間駆動させたときに高さWが100mm下降するような吸引量(20L/分)とした。ブロア32は、常時駆動させた。
運転開始から30分後、高さWが1400mmとなった状態で送液ポンプ14を駆動させ、水槽10の底面から被処理水の水面までの高さWが1700mmとなるように、水槽10に被処理水を再び供給した。
被処理水の供給から次の被処理水の供給までを1サイクルとすると、このサイクルにおいては、下記のステップが下記の時間実施されることになる。
ステップa:8分→ステップc’:2分→ステップa:ほぼ8分(最後にごく短時間のステップb)→ステップc:2分→ステップb:8分→ステップc:2分。
このサイクルを繰り返しながら30日間連続して水処理装置1の運転を行った。運転日数に対する膜間差圧の変化を図10に示す。また、30日目の中空糸膜エレメント20Aの写真を図11に示す。膜間差圧の上昇はほとんどなく、クロッギングは発生しなかった。
(比較例1)
実施例1と同じ条件にて運転を開始した。
運転開始から10分後、高さWが1600mmとなった状態で送液ポンプ14を駆動させ、水槽10の底面から被処理水の水面までの高さWが1700mmとなるように、水槽10に被処理水を再び供給した。
被処理水の供給から次の被処理水の供給までを1サイクルとすると、このサイクルにおいては、下記のステップが下記の時間実施されることになる。
ステップa:8分→ステップc’:2分。
このサイクルを繰り返しながら30日間連続して水処理装置1の運転を行った。運転日数に対する膜間差圧の変化を図10に示す。また、30日目の中空糸膜エレメント20Aの写真を図12に示す。運転開始から20日後、膜間差圧が急激に上昇し、クロッギングが発生した。
(実施例2)
運転を開始した日を0日目とし、0日目から22日目まで、比較例1と同じ条件にて運転を行った。
23日目は、実施例1と同じ条件にて運転を行った。
24日目から26日目までは、高さwが1500mmとなった状態で、吸引ポンプ24を停止し、ブロア32を連続して駆動させた(ステップc)。
中空糸膜エレメント20Aごとの、運転日数に対する汚泥付着量の変化を図13に示す。また、22日目、26日目のNo.7の中空糸膜エレメント20Aの写真を図14に示し、22日目、26日目のNo.9の中空糸膜エレメント20Aの写真を図15に示す。運転開始から22日目までに中空糸膜76aに汚泥が多く付着したが、23日目にステップaとステップbを繰り返し実施することによって、No.7の中空糸膜エレメント20Aで汚泥付着量が36%減少し、No.9の中空糸膜エレメント20Aで汚泥付着量が38%減少した。また、24日目から26日目までにステップcを実施することによって、No.7の中空糸膜エレメント20Aで汚泥付着量がさらに56%(23日目から26日目までの合計で72%)減少し、No.9の中空糸膜エレメント20Aで汚泥付着量がさらに56%(23日目から26日目までの合計で72%)減少した。
本発明の水処理装置およびその運転方法は、MBR法による被処理水(工業排水、生活排水等)の処理に有用である。
1 水処理装置、
10 水槽、
12 被処理水供給流路、
14 送液ポンプ、
20 膜エレメント、
20A 中空糸膜エレメント、
22 透過水排出流路、
24 吸引ポンプ、
30 散気管、
32 ブロア、
34 エア導入管、
40 余剰汚泥排出流路、
42 弁、
50 制御装置、
60 散気発生装置、
61 ケーシング、
62 支柱、
63 接続管、
64 エア供給ヘッダ、
64a 内壁、
65 フレーム、
66 ケーシング、
70 膜分離装置、
71 下枠、
71a 透過水取出口
72 縦杆、
73 縦杆、
74 上枠
74a 透過水取出口、
75 L字継手、
76 中空糸膜シート、
76a 中空糸膜、
77 ポッティング材、
80 集水ヘッダ、
80a 集水口、
80b、吸水口、
81 L字継手、
E 水槽の底面から膜エレメントの上端までの高さ、
M 水槽の底面から膜エレメントにおいて分離膜が露出した部分における上端までの高さ、
W 水槽の底面から被処理水の水面までの高さ。

Claims (10)

  1. 被処理水が供給される水槽と、前記水槽内に配置された膜エレメントと、前記膜エレメントの下方に配置された散気器とを含む水処理装置の運転方法であり、
    前記水槽の底面から前記被処理水の水面までの高さWと、前記水槽の底面から前記膜エレメントの上端までの高さEとがE×1.05<Wの関係を満足した状態で、前記散気器から散気しつつ前記膜エレメントによって前記被処理水の固液分離を行うステップaと、
    前記高さWと、前記高さEと、前記水槽の底面から前記膜エレメントにおいて分離膜が露出した部分における上端までの高さMとがM×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足した状態で、前記散気器から散気しつつ前記膜エレメントによって前記被処理水の固液分離を行うステップbと
    を有する、水処理装置の運転方法。
  2. 前記膜エレメントによる前記被処理水の固液分離を停止し、M×0.95≦Wを満足した状態で、前記散気器から散気するステップc’をさらに有する、請求項1に記載の水処理装置の運転方法。
  3. 前記ステップaにおいて、前記散気器から散気により、前記膜エレメントに接触する上昇流と、前記水槽と前記膜エレメントとの間を通る下降流とからなる旋回流を形成させつつ、前記膜エレメントによって前記被処理水の固液分離を行い、
    前記ステップbにおいて、前記散気器から散気により、前記膜エレメントに接触する上昇流と、前記膜エレメントに接触する下降流とからなる旋回流を形成させつつ、前記膜エレメントによって前記被処理水の固液分離を行う、請求項1又は2に記載の水処理装置の運転方法。
  4. 被処理水が供給される水槽と、前記水槽内に配置された膜エレメントと、前記膜エレメントの下方に配置された散気器とを備えた水処理装置の運転方法であり、
    前記膜エレメントによる前記被処理水の固液分離を停止し、かつ前記水槽の底面から前記被処理水の水面までの高さWと、前記水槽の底面から前記膜エレメントの上端までの高さEと、前記水槽の底面から前記膜エレメントにおいて分離膜が露出した部分における上端までの高さMとがM×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足した状態で、前記散気器から散気するステップcを有する、水処理装置の運転方法。
  5. 前記ステップcにおいて、前記散気器から散気により、前記膜エレメントに接触する上昇流と、前記膜エレメントに接触する下降流とからなる旋回流を形成させる、請求項4に記載の水処理装置の運転方法。
  6. 前記ステップcの時間が、1日あたり0.5~5分間である、請求項4または5に記載の水処理装置の運転方法。
  7. 前記膜エレメントによる前記被処理水の固液分離を停止し、かつ前記散気器からの散気を停止するステップdをさらに有する、請求項4~6のいずれか一項に記載の水処理装置の運転方法。
  8. 1~5分間のステップcと、55~59分間のステップdとを繰り返す、請求項のいずれか一項に記載の水処理装置の運転方法。
  9. 被処理水が供給される水槽と、
    前記水槽内に配置された膜エレメントと、
    前記膜エレメントの下方に配置された散気器と、
    前記膜エレメントによる固液分離の開始および停止、前記散気器による散気の開始および停止、前記水槽への前記被処理水の供給量、ならびに前記水槽からの処理水の吸引量を制御する制御装置とを含み、
    前記制御装置が、
    前記水槽の底面から前記被処理水の水面までの高さWと、前記水槽の底面から前記膜エレメントの上端までの高さEとがE×1.05<Wの関係を満足するように、前記水槽への前記被処理水の供給量および前記水槽からの前記処理水の吸引量を制御し得るとともに、
    前記高さWと、前記高さEと、前記水槽の底面から前記膜エレメントにおいて分離膜が露出した部分における上端までの高さMとがM×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足するように、前記水槽への前記被処理水の供給量および前記水槽からの前記処理水の吸引量を制御し得るものである、水処理装置。
  10. 前記制御装置が、E×1.05<Wの関係を満足するように制御し、前記膜エレメントに接触する上昇流と、前記水槽と前記膜エレメントとの間を通る下降流とからなる旋回流を形成させ得るとともに、
    M×0.95≦W≦E×1.05の関係を満足するように制御し、前記膜エレメントに接触する上昇流と、前記膜エレメントに接触する下降流とからなる旋回流を形成させ得るものである、請求項9に記載の水処理装置。
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