JP5648387B2 - 散気装置及び膜分離装置の運転方法 - Google Patents
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Description
ここで、この散気管に形成された散気孔は、散気によって空気が通過しているが、経時的使用によって散気管に堆積する汚泥や、散気運転を停止した際に沈降しながら堆積する汚泥などにより目詰まりを生じるという問題がある。
そのため、散気管に空気を送るブロワの吸入側を散気管を延長して接続し、ブロワによる散気運転を停止した状態で、再度ブロワを駆動して今度はブロワの吸入側から散気管内を吸引し、散気孔から被処理水を流入させ散気孔のまわりに付着した固形成分を被処理液で溶解除去している(特許文献1参照)。
また、ブロワによって吸入される散気管内の空気は汚泥に晒されているため、例えば、活性汚泥から硫化水素などの腐食性ガスが発生した場合に、ブロワを損傷してしまう虞がある。
このように構成することで、被処理液や原水や水を液体供給装置により送給する際の流体エネルギーを利用して、アスピレーターによって負圧を発生させ、この負圧により散気管から被処理液を吸引することができる。
このように構成することで、空気を散気管に送給するブロワやその他気体供給装置によって送給する気体エネルギーを利用してアスピレーターの一形態であるエジェクターによって負圧を発生させ、この負圧により散気管から被処理液を吸引することができる。
また、請求項1に記載した発明によれば、原水槽から無酸素槽に送給される原水或いは処理槽と無酸素槽との間を循環する汚泥の送給装置を有効利用して、アスピレーターによって負圧を発生させ、この負圧により散気管から被処理液を吸引することができるため、気体供給管を介して散気装置へ空気を供給するブロワの吸入側の負圧を利用し被処理液を吸引した場合のように気液分離装置を必要とせず、ブロワが被処理液を吸い込んだり、被処理液から腐食性のガスを吸入してブロワを破損させることなく散気管の目詰まりを防止できる。
請求項2に記載した発明によれば、空気を散気管に送給するブロワやその他気体供給装置によって送給する気体エネルギーを利用してアスピレーターの一形態であるエジェクターによって負圧を発生させ、この負圧により散気管から被処理液を吸引することができるため、気体供給管を介して散気装置へ空気を供給するブロワの吸入側の負圧を利用し被処理液を吸引した場合のように気液分離装置を必要とせず、ブロワが被処理液を吸い込んだり、被処理液から発生する腐食性のガスを吸入してブロワを破損させることなく散気管の目詰まりを防止できる。
請求項3に記載した発明によれば、気体供給管を介して散気装置へ空気を供給するブロワの吸入側の負圧を利用し被処理液を吸引した場合のように気液分離装置を必要とせず、ブロワが被処理液を吸い込んだり、被処理液から発生する酸化性のガスを吸入してブロワを破損させることなく散気管の目詰まりを防止できる。
図1は、この発明の実施形態の膜分離装置を用いた循環式硝化脱窒法による膜分離活性汚泥処理システムを模式的に示す説明図である。
以下、循環式硝化脱窒法のフローに基づき説明するが、循環式硝化脱窒法に限らず、嫌気好気法(AO法)、循環式嫌気好気法(A2O法)など、いずれの方法と組み合わせても良い。
この膜分離活性汚泥処理システムは、工業用排水や生活排水中に含まれる有機物、或いは微生物や細菌類を含む排水を生物学的に処理し、中空糸膜を用いて固液分離を行うシステムである。
原水タンク3の下流側には無酸素槽4が配置されている。原水タンク3と無酸素槽4とは原水配管5で接続され、原水配管5の開口端が無酸素槽4の上方で開口し、原水配管5に原水流入用ポンプ6が介装されている。この原水流入用ポンプ6によって原水が原水タンク3から無酸素槽4に供給される。
膜分離モジュール12は長さ方向を垂直に向けた複数枚の中空糸膜エレメント40を並列させたものが支持固定されている。
多数枚の中空糸膜エレメント40が、シート面を鉛直にして上下端面が開口した矩形筒状の上部壁材50のほぼ全容積内に収容されて並列支持されている。
ここで、集水管35は集水ヘッダー管51から好気槽7の液面より高い上方位置まで立ち上がり、それぞれが水平に配された処理水配管28に接続されている。
散気管17の分岐管24との接続側端部は分岐管24の内部と連通しており、散気管17の他端は閉塞されている。
この間、好気槽7においては、膜分離モジュール12をエアスクラビング洗浄しながら好気槽7内の膜分離モジュール12で汚泥を吸引ろ過して固液分離する通常運転と、散気装置14の散気管17の詰まりを解消するために散気管17から汚泥を吸引して散気管17の固着成分を溶解する洗浄運転とが行われる。
この閉塞を防止するために、定期的に上記洗浄運転を繰り返すことが望ましい。
或いは、散気管17の散気孔の閉塞状態をブロワ13の吐出側の圧力を検出することにより洗浄運転を行うことができる。
したがって、ブロワ13の吐出側の圧力や空気供給管15や空気給排管16に設けた圧力センサにより、空気供給管15や空気給排管16の圧力が一定以上となった場合に、散気管17の散気孔が閉塞していると考えられるので、通常運転を停止して膜分離装置の洗浄運転を開始する。
したがって、空気給排管16の負圧により、散気管17の散気孔から汚泥が吸引されて、吸引される際の流速で固形成分が散気孔から剥がれると共に固体化した汚泥が溶解することで散気管17の散気孔の閉塞状態が解消される。ここで、洗浄運転に際しては散気管17からの吸引汚泥がエジェクター20に至らないように洗浄運転の時間を調整してもよい。このとき、エジェクター20により負圧が十分に確保されれば、吸引した汚泥を散気管17内から開閉バルブ25を経由して、排除することができるため、散気孔を閉塞していた固形成分が十分に溶解していない場合でも散気管17の内部に戻ることがなく、再度詰まりを生じさせる原因とならないようにすることができる。
散気管17の散気孔の閉塞状態が解消されると再び前述した通常運転に移行する。通常運転に移行すると、通常運転初期において散気管17内の乾燥汚泥は溶解した状態で散気管17の散気孔から好気槽7に押し戻され、その後、散気管17への空気供給によるエアスクラビングが再開される。
とりわけ、この実施形態においてはブロワ13は連続運転したままで、開閉バルブ25の開閉操作のみで通常運転と洗浄運転とを切り換えられるので、操作が簡単に行える。そして、散気用の既存のブロワ13のみを用いて洗浄運転を行うことができるので、装置構成が単純であり既存設備への設置も容易となる。
とりわけ、この実施形態においては、アスピレーター60により負圧が十分に確保されれば、吸引した汚泥を好気槽7に戻せるため、散気孔を閉塞していた固形成分が十分に溶解していない場合でも散気管17の内部に戻ることがなく、再度詰まりを生じさせる原因とならない点で有利である。
この実施形態では循環式硝化脱窒法を用いて説明しているため無酸素槽4に汚泥を排出しているが、汚泥の排出先は、原水タンク、または好気法(AO法)、循環式嫌気好気法(A2O法)など、他法であれば、好気槽、無酸素槽、膜槽、いずれの槽であっても良い。
とりわけ、この第3実施形態では既存の設備である原水タンク3から原水流入用ポンプ6により原水配管5に送られる原水の流れを有効利用している点で有利である。
また、この実施形態においては、アスピレーター60により負圧が十分に確保されれば、吸引した汚泥を無酸素槽4に排出できるため、散気孔を閉塞していた固形成分が十分に溶解していない場合でも散気管17の内部に戻ることがなく、再度詰まりを生じさせる原因とならない点で有利である。
また、この実施形態においては、アスピレーター60により負圧が十分に確保されれば、吸引した汚泥を無酸素槽4に戻せるため、散気孔を閉塞していた固形成分が十分に溶解していない場合でも散気管17の内部に戻ることがなく、再度詰まりを生じさせる原因とならない点で有利である。
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、負圧発生装置として用いた気体に対応するエジェクター或いは液体に対応するアスピレーターは、気体或いは液体が流過することにより発生するベンチュリ効果を使用して負圧を発生させることができるものであれば、どの部分に設けてもよい。膜分離装置であれば対象となっている被処理水は工業用、飲料用等様々な処理水に対応できる。
15 空気供給管(気体供給管)
16 空気給排管(気体供給管)
13 ブロワ(気体供給装置、流体供給装置)
17 散気管
6 原水流入用ポンプ(流体供給装置、送給装置)
10 汚泥循環ポンプ(流体供給装置、送給装置)
66 ポンプ(流体供給装置)
20 エジェクター(アスピレーター、負圧発生装置)
60 アスピレーター(アスピレーター、負圧発生装置)
3 原水タンク(原水槽)
4 無酸素槽
12 膜分離モジュール
14 散気装置
Claims (3)
- 被処理液を貯留した処理槽内に設置されると共に気体供給管を介して気体供給装置に接続され、前記処理槽内に散気管から気体を供給する散気装置において、
前記気体供給管に前記散気管内を負圧にする負圧発生装置を接続し、前記負圧発生装置が、流体供給装置を利用したアスピレーターであり、
前記流体供給装置が、原水槽から前記処理槽の上流側に配置された無酸素槽に送給される原水或いは前記処理槽と前記無酸素槽との間を循環する汚泥の送給装置であることを特徴とする散気装置。 - 前記アスピレーターが、前記気体供給装置を利用したエジェクターであることを特徴とする請求項1記載の散気装置。
- 被処理液を貯留した処理槽と、該処理槽に設置した膜分離モジュールと、該膜分離モジュールの下方に請求項1又は請求項2に記載した散気装置を備えた膜分離装置の運転方法であって、
前記膜分離モジュールをエアスクラビング洗浄しながら被処理液のろ過を行う通常運転と、前記エアスクラビング洗浄を停止し前記散気装置の散気管内を負圧にする負圧発生装置により前記散気管内を負圧にして被処理液を前記散気管の散気孔から流入させ、流入した被処理液で前記散気孔の被処理液の固形成分を除去して前記散気管の目詰まりを解消する洗浄運転を備えたことを特徴とする膜分離装置の運転方法。
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