JP2007209947A - 膜分離活性汚泥処理方法 - Google Patents

膜分離活性汚泥処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007209947A
JP2007209947A JP2006035157A JP2006035157A JP2007209947A JP 2007209947 A JP2007209947 A JP 2007209947A JP 2006035157 A JP2006035157 A JP 2006035157A JP 2006035157 A JP2006035157 A JP 2006035157A JP 2007209947 A JP2007209947 A JP 2007209947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
membrane
membrane filtration
filtration unit
hollow fiber
suction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006035157A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5016827B2 (ja
Inventor
Sadahito Nakahara
禎仁 中原
Wataru Fujii
渉 藤井
Kenji Honjo
賢治 本城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Rayon Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Rayon Engineering Co Ltd filed Critical Mitsubishi Rayon Engineering Co Ltd
Priority to JP2006035157A priority Critical patent/JP5016827B2/ja
Publication of JP2007209947A publication Critical patent/JP2007209947A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5016827B2 publication Critical patent/JP5016827B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Abstract

【課題】生物学的な膜分離活性汚泥処理方法にあって、汚泥処理量の大量化による配管長さの膨大化による影響をなくし、処理方向の全領域において各種の処理流体の均等な流量を確保する。
【解決手段】ばっ気槽(4) に8基以上の膜ろ過ユニット(5) を所要の間隔をおいて直列状に浸漬配置する。前記各ろ過ユニット(5) に分岐管路(16,22a) を介して接続されたろ過水やエアなどの流体の吸引源又は供給源(Pv,Pr,B) により流体を一斉に吸引又は供給するとき、ばっ気槽(4) に並ぶ全ての膜ろ過ユニット(5) に対する流体の吸引量又は供給量を流量調整バルブ(19,23) をもって略均等になるよう維持管理する。
【選択図】図1

Description

本発明は、工業用排水や生活用排水中に含まれる有機物やその残骸、或いは微生物や細菌類を含む排水を生物化学的に処理して分離膜を用いて固液分離を行う膜分離活性汚泥処理方法に関する。
従来の膜分離活性汚泥処理装置によれば、微細目スクリーンにて比較的大きな固形分が除去された排水(原水)が原水調整槽に導入される。この原水調整槽では、液面を液面計により測定し、第1送液ポンプを間欠作動して槽内の液面高さを所定の範囲内になるように調整している。第1送液ポンプによって送られる原水は嫌気槽に導入されたのち、嫌気槽から溢流する原水を隣接するばっ気槽に流入させる。このばっ気槽には膜ろ過ユニットが浸漬して配されている。この膜ろ過ユニットにて活性汚泥と処理水とに膜分離された処理水を吸引ポンプにより処理水槽へと送液する。一方、ばっ気槽にてばっ気処理されて成育した汚泥の固形分(懸濁物質)は、自重で槽底部へと沈殿する一方、酸化して分解された有機物は浮遊物として汚泥内を浮遊する。余剰汚泥は汚泥貯蔵槽に貯蔵される。また、ばっ気槽の内部の汚泥の一部は第2送液ポンプによって上記嫌気槽へと返送されて循環する。
前記膜ろ過ユニットは、例えば特開平2000−51672号公報(特許文献1)に開示されているように、多数の多孔性中空糸膜を同一平面上に平行に並べたシート状の中空糸膜エレメントを、所要の間隔をおいて複数枚並べて得られる中空糸膜モジュールと、同中空糸膜モジュールの下方に配された散気発生装置とを備えている。前記中空糸膜モジュールは、複数枚の中空糸膜エレメントからなる、全体の形状が略直方体を呈している。一方の散気発生装置は、例えば金属、樹脂などからなるパイプに孔を設けた複数本の散気管を平行に配設し、各散気管の一端をばっ気ブロアに接続させている。ばっ気ブロアから送られるエアを散気発生装置を介して気泡に変えて汚泥中に放出する。生活排水、工場排水などの汚水を処理する場合、ばっ気槽の汚泥中の有機物を、好気性微生物の存在下で散気装置から発生した空気と接触させることにより、前記有機物を前記好気性微生物に吸着・代謝分解させて、生物学的に汚泥処理がなされる。
前記中空糸膜モジュールと散気発生装置とは側部の四方を遮閉板により囲まれている。この遮閉板は、散気発生装置から発生する気泡の上昇により気液混合流を生成し、その流れを上昇流から下降流へと導くための壁部となる。散気装置から発生した気液混合流は、斜め方向に飛散せず、まっすぐに上昇して中空糸膜モジュールに効率よく接触する。このとき、中空糸膜モジュールの膜面に対する気液混合流の一様な分散により、中空糸膜を振動させて各中空糸膜エレメントを均一に洗浄する。また、この気液混合流により上記生物学的処理が効率的になされるとともに、中空糸膜のろ過機能により汚泥を固形分と水とに分離する。前記膜ろ過ユニットには集水配管の一端が接続され、その他端には吸引ポンプが接続されており、この集水配管を通して、膜ろ過ユニットによってろ過された処理水(ろ過水)が吸引ポンプにより吸引されて処理水槽へと移送される。
膜モジュールとしては、多孔性中空糸膜を構成部材とするシート状の中空糸膜エレメントを使わなくても、複数の微細な孔を有するろ過膜を備えたものであればよく、例えば平膜タイプ、管状膜タイプ、袋状膜タイプなどの種々の公知の分離膜を適用することができる。しかして、中空糸膜エレメントを使った中空糸膜モジュールは、ろ過面積が広くなることから多用されるようになった。また、その材質としては、セルロース、ポリオレフィン、ポリスルホン、PVDF(ポリビニリデンフロライド)、PTFE(ポリ四フッ化エチレン)、セラミックスなどが挙げられる。
上記多孔性中空糸膜に形成された微細孔の平均孔径は、一般に限外ろ過膜と呼ばれる膜では平均孔径0.001〜0.1μm、一般に精密ろ過膜と呼ばれる膜では平均孔径0.1〜1μmである。例えば、活性汚泥の固液分離に用いるときは、0.5μm以下の孔径であることが好ましく、浄水のろ過のように除菌が必要な場合は0.1μm以下の孔径であることが好ましい。
膜分離活性汚泥処理装置は、原水を嫌気槽及びばっ気槽(好気槽)において活性汚泥により生物学的に浄化する。窒素の除去は、嫌気槽とばっ気槽との間で汚泥を循環させることにより、いわゆる硝化脱窒反応によってなされる。BODに換算される有機物は、主としてばっ気槽内に配置されたばっ気装置である膜ろ過ユニットの散気管から放出される空気により好気的に酸化され分解される。またリンの除去は、汚泥中の微生物(リン蓄積細菌)の作用によりポリリン酸として微生物体内に取り込まれることにより行われる。この微生物は好気状態においてリンを取り込み、嫌気状態において体内に蓄えたリンを放出する。リン蓄積細菌は、嫌気状態と好気状態に繰り返して晒されると、嫌気状態で放出したリンの量より多くのリンを好気状態で吸収する。
生物由来の排泄物や死骸などの窒素化合物の一部は、肥料として植物やバクテリアに同化される。また、こうした窒素化合物の一部は、酸素の多い好気条件下で独立栄養アンモニア酸化細菌や独立亜硝酸酸化細菌により、亜硝酸、硝酸へと酸化される。他方、酸素がない嫌気条件下では、脱窒菌と呼ばれる微生物が酸素に代わって硝酸から亜硝酸を生成し、更には一酸化二窒素、窒素ガスへと還元する。この還元反応が上記硝化脱窒反応と称される。
中空糸膜モジュールを用いてろ過を行うと、膜の微細孔により水中の懸濁物質や細菌類等が除去され、良質のろ過水が得られる。しかしながら、長時間連続してろ過運転を行うと、微細孔が懸濁物質などにより閉塞されろ過水量が低下しろ過圧力の上昇が起こり、中空糸膜モジュールを頻繁に交換する必要が生じる。
この中空糸膜モジュールの早期目詰まりを防止するために、例えば上記ばっ気用の散気発生装置から放出される気泡により生起される気液混合流を利用して中空糸膜や中空糸膜エレメントに振動を与えて、膜面に付着する閉塞物質を剥離洗浄する、いわゆるエアスクラビング洗浄を行い、更には中空糸膜の内部中空部から外部にろ過水を逆通水する逆洗が行われ、ろ過性能の回復がなされてきた。
近年、工業用排水処理や汚泥処理場などにおける1日の処理量は数万トンにまで増加しており、これを効率的に処理する技術の開発が強く望まれている。この要望に応えるべく、例えば米国特許第5,944,997号明細書(特許文献2)に記載されているように、ばっ気槽を大きくするとともに、単一のばっ気槽に多数の膜ろ過ユニットを浸漬して並置し、活性汚泥を一方向に流すようにして、同時に大量の排水処理を行おうとする技術が開発されつつある。上記中空糸膜モジュールを使った複数基の膜ろ過ユニットがばっ気槽内に所要の間隔をおいて直列的に並べて浸漬され、各膜ろ過ユニットに一本の集水管(吸引管路)から分岐する分岐管路を介して接続させている。この複数基の中空糸膜モジュールにてろ過された処理水は前記集水管に集められて一括して吸引ポンプにより集水がなされる。
特開2000−51672号公報 米国特許第5,944,997号明細書
仮に、膜ろ過ユニットの奥行きの寸法を1552.5mmとして、上記特許文献2に記載されているように、前記奥行き寸法の1/2の間隔をおいてばっ気槽内に20基の膜ろ過ユニットを並設したとすると、上記集水管の全長は46575mm以上にもおよぶことになる。このことは、膜ろ過ユニットごとに配される上記散気発生装置とばっ気ブロアとの間に配されるエア主管や、処理水を逆送して多孔性中空糸膜の内部から膜面を洗浄するための逆洗用管路についても同様であって、極めて長い管路を必要とすることを意味する。また、例えば2基の膜ろ過ユニットをばっ気槽の幅方向に並列させて20基の膜ろ過ユニットを設置する場合であっても、ばっ気槽の処理方向の長さはほぼ全体の半分と短くなるものの、槽の幅寸法は長くなり、しかも集水管には膜ろ過ユニットの幅寸法に所要の間隔分の長さが加わるため、トータルとしては反対に直列的に配置したときよりも配管の長さは長くなる。このように配管長さが長くなると、その長さ方向の配管抵抗の変化は極めて大きなものとなる。
ここで、ばっ気槽内の活性汚泥濃度は原水の導入側から排液側にかけて汚泥処理が進むため順次高くなっている。一般的に、原水の導入側端部の膜ろ過ユニットの近傍では新しい原水が流入するため、活性汚泥濃度は低い。一方、排液側端部の膜ろ過ユニットの近傍では順次微生物の増殖がなされるため最も活性汚泥濃度が高くなる。これに対して、ばっ気槽に8基以上の膜ろ過ユニットが設置される場合、各ユニットを結ぶろ過水の吸引用主管、エア主管、逆洗用管路の流体吸引源や供給源から各膜ろ過ユニットの分岐配管に到るまでの距離は漸次長くなり、流体吸引源や供給源から遠ざかる程、配管抵抗が漸増し、同時に流体圧が小さくなる。
このことは、例えば各分岐管路の径が一律であれば、流体の吸引源や供給源に最も近くに配される膜ろ過ユニットに対する流体の吸引流量も供給流量も最も多くなり、その量は流体の吸引源や供給源から離れるにつれて漸次少なくなることを意味する。この流体の流量勾配は、それぞれに要求されるろ過水吸引能、溶存酸素量、スクラビング洗浄能、逆洗浄能にも同様の勾配を形成することになる。こうした、各膜ろ過ユニットにおける機能勾配は、上述の活性汚泥濃度の濃度勾配に拍車をかけることになる。生物学的汚泥処理にあって、自然発生的な活性汚泥勾配は止むを得ないとしても、前述のごとき流量勾配は可能な限り排除して、処理方向の全ての領域で均等であることが望ましい。
本発明は、汚泥処理量の大量化による配管長さの膨大化の影響をなくし、処理方向の全領域において各種の処理流体の均等な流量が確保される膜分離活性汚泥処理方法を提供することを目的としている。
かかる目的は、本発明の主要な構成である、無酸素槽又は嫌気槽とばっ気槽とを備え、前記好気槽には膜ろ過ユニットが浸漬され、排水を嫌気槽側から生物学的に順次処理して活性汚泥を固液分離する膜分離活性汚泥処理方法であって、前記ばっ気槽に8基以上の膜ろ過ユニットを所要の間隔をおいて直列状に浸漬配置すること、前記各ろ過ユニットに分岐管路を介して接続された流体の吸引源又は供給源によって流体を一斉に吸引又は供給すること、及びばっ気槽に並ぶ全ての膜ろ過ユニットに対する流体の吸引量又は供給量を流量調整バルブをもって略均等となるように維持管理することを特徴とする膜分離活性汚泥処理方法により効果的に達成される。
好適な態様によると、前記膜ろ過ユニットは、複数枚の多孔性中空糸膜からなるシート状膜エレメントの膜面を鉛直にして所定の間隔をおいて平行に列設した中空糸膜モジュールと、同中空糸膜モジュールの下方に配されて微小な気泡を放出し、前記中空糸膜モジュールに向けて上昇する気液混合流を発生させる散気発生装置とを備えている。
一方、前記流体が、前記膜ろ過ユニットにて固液分離され、各分岐管路及び主吸引管路を介して吸引源により減圧吸引されるろ過水であるときには、各膜ろ過ユニットから吸引するろ過水の吸引流量を、各分岐管路に配された流量調整バルブをもって調整し、全膜ろ過ユニットからの処理吸引量を略均等に維持管理すればよい。
また前記流体が、エア供給源と分岐管路とを介して接続された各散気発生装置から放出されるエアであるときは、各散気発生装置に送るエア量を各分岐管路に配された流量調整バルブをもって調整し、各中空糸膜モジュールに向けて放出するエア量を略均等に維持管理することが望ましい。前記流体が、前記吸引源により吸引されたろ過水であり、同ろ過水の供給源から前記分岐管路を介して各糸膜モジュールに逆送して同中空糸膜モジュールの各多孔性中空糸膜の内側から各モジュールを洗浄するときのろ過水の各供給流量を、各分岐管路に配された流量調整バルブをもって調整し、各膜ろ過ユニットに供給されるろ過水の供給量を略均等に維持管理するとよい。
前記ばっ気槽に8基以上の膜ろ過ユニットを所要の間隔をおいて直列状に浸漬配置すると、膜ろ過ユニット毎に接続され、或いは設けられた分岐管路を介して単一の主管路によってろ過水、逆洗浄用ろ過水、エアなどの流体を吸引又は供給すると、前記分岐管路を流れる流量と流体圧は、配管抵抗の影響を受けて流体の吸引源又は供給源から遠ざかるほど少なくなる。その結果、ばっ気槽内の処理方向の上流側から下流側に向かうにつれて膜ろ過ユニットに対する流体の吸引量及び供給量が大きくなる。そこで、本発明では各分岐管路に流量調整バルブを配して、下流側から上流側に配されている8基以上の全ての膜ろ過ユニットに対する吸引流量及び供給流量が均等になるように調整する。この調整操作は、手動でも行えるが、汚泥中の操作は衛生上も難しいため、コンピュータ等を使って自動化することが好ましい。ただし、この調整操作は膜ろ過ユニットの膜エレメントの交換時に行うだけで、通常は次回のモジュール交換まで調整の必要はない。
こうして、流量が調整されると各膜ろ過ユニットに対する処理流体の吸引量及び供給量が、ばっ気槽の全領域でほぼ一律となるため、一部で溶存酸素量が少なくなり過ぎたり、或いは逆洗浄不足などの不具合がなくなり、長期にわたって効率的な活性汚泥処理が可能となる。
前記膜ろ過ユニットに適用される膜エレメントとしては、ろ過面積が広く効率的なろ過が可能である膜エレメントを採用することが好適である。一方、膜ろ過ユニットの構成器材の一つである散気発生装置は、その構造について特に限定するものではないが、同散気発生装置から放出される気泡の大きさを可能な限り微小にして汚泥中に溶解しやすくし、汚泥中に含まれる溶存酸素量を増やせば、生物学的活性汚泥処理効率を高めることができるため好ましい。そのためには、前記散気発生装置のエア放出孔径を10μm〜10mmとすればよい。
本発明における上記流体としては、上記中空糸膜モジュールにより固液分離されたろ過水、ばっ気ブロアから散気発生装置を介して前記中空糸膜モジュールに向けて汚泥中に放出されるエア、膜エレメントの多孔性中空糸膜の中空部に逆送されるろ過水がある。それらの流体が全ての膜ろ過ユニットに均等に作用するため、硝化とリンの蓄積が全領域わたって確実になされるとともに、各膜ろ過ユニットの中空糸膜モジュールのスクラビング洗浄もろ過水による逆洗浄も効果的になされるため、長期にわたって能率的な活性汚泥処理が可能となる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の膜分離活性汚泥処理方法を実施するための代表的な処理装置の概略構造を示している。
この膜分離活性汚泥処理装置によれば、微細目スクリーン1にて比較的大きな固形分が除去された排水(原水)は、原水調整槽2に導入される。ここでは、液面を図示せぬ液面計測器により測定し、第1送液ポンプP1を間欠作動して槽内の液面高さを所定の範囲内で調整している。第1送液ポンプP1によって送られる原水は無酸素槽3に導入されたのち、無酸素槽3から溢流する原水を使って隣接するばっ気槽4に流入させる。このばっ気槽4には多数基の膜ろ過ユニット5を浸漬して配している。この膜ろ過ユニット5にて活性汚泥と処理水とに膜分離された処理水は吸引ポンプPvにより処理水槽8に送液される。一方、ばっ気槽4にてばっ気処理されて増殖した微生物などからなる汚泥の固形分(懸濁物質)は、自重で槽底部へと沈殿し、その余剰汚泥は汚泥貯蔵槽7に貯蔵される。また、ばっ気槽4の内部の汚泥の一部は第2送液ポンプP2によって上記無酸素槽3へと返送されて循環する。
この膜分離活性汚泥処理装置によれば、原水は無酸素槽3及びばっ気槽(好気槽)4において,活性汚泥により生物学的に浄化される。窒素の除去は、無酸素槽3とばっ気槽4との間で汚泥を循環させることにより、いわゆる硝化脱窒反応によってなされる。BOD(生物化学的酸素要求量)に換算される有機物は、主としてばっ気槽4内に配置されたばっ気装置である膜ろ過ユニット5の散気発生装置15から放出されるエアにより好気的に酸化され分解される。またリンの除去は、汚泥中の微生物(リン蓄積細菌)の作用によりポリリン酸として微生物の体内に取り込まれることにより行われる。この微生物は好気状態においてリンを取り込み、嫌気状態において体内に蓄えたリンを放出する。リン蓄積細菌は、嫌気状態、好気状態に繰り返して晒されると、嫌気状態で放出したリンの量より多くのリンを好気状態で吸収する。
生物由来の排泄物や残骸などの窒素化合物の一部は、肥料として植物やバクテリアに同化される。また、こうした窒素化合物の一部は、酸素の多い好気条件下で独立栄養アンモニア酸化細菌や独立亜硝酸酸化細菌により、亜硝酸、硝酸へと酸化される。他方、酸素がない嫌気条件下では、脱窒菌と呼ばれる微生物が酸素に代わって硝酸から亜硝酸を生成し、更には一酸化二窒素、窒素ガスへと還元する。この還元反応が上記硝化脱窒反応と称される。
無酸素槽3及びばっ気槽4の間での汚泥の循環は、どちらの槽からポンプを用いて送液するかは必ずしも限定されないが、通常は第2送液ポンプP2を用いてばっ気槽から無酸素槽3へと送液し、無酸素槽3から溢流によってばっ気槽4に流入させる。本実施形態では、ばっ気槽4からの循環液が無酸素槽3に入る部位のDOを0.2mg/L以下とし、ばっ気槽4より循環液を取り出す部位のDOを0.5mg/L以下とすることにより、無酸素槽3への溶存酸素の流入を抑制し、無酸素槽3内の嫌気度を十分維持し、これによりリンの放出を促進させる。
無酸素槽3内に溶存酸素、硝酸イオン、亜硝酸イオンが実質的に存在しないと有機物が嫌気的に分解され、このとき菌に蓄積されたポリリン酸がリン酸として菌体外に放出される。本実施形態において循環汚泥がばっ気槽4から無酸素槽3に返送される部位のDOは0.2mg/L以下とすることが好ましく、1mg/L以下であるとリンの除去性がより安定し、さらに0.05mg/L以下とするとより安定化するため好ましい。なお、DOの測定は、隔膜電極法による通常のDO計を用いて測定することができる。
ばっ気槽4から循環液(汚泥)を取り出す部位のDOを0.5mg/L以下とするためには、ばっ気槽4から無酸素槽3へ汚泥を取り出す部位を汚泥の滞留部とすることが好ましい。汚泥の滞留部とは、ばっ気による汚泥の流動の影響を受けにくい部位を意味する。例えば、膜ろ過ユニット5とばっ気槽4の底部との間に空間を設けてやると、膜ろ過ユニット5の下の部分に存在する汚泥は良く撹拌されないため、滞留部となる。
したがって図1に示すように膜ろ過ユニット5の位置よりも下から汚泥を取り出すことにより、ばっ気槽4より循環液(汚泥)を取り出す部位6のDOを0.5mg/L以下とすることができる。なお、ばっ気槽4内に複数基の膜ろ過ユニット5が並列されて配される場合は、循環液(汚泥)を取り出す部位をばっ気装置の下方とする。また、膜ろ過ユニット5から汚泥を取り出す部位までの距離は20cm以上下方に離すことが好ましく、30cm以上離すことがさらに好ましい。
ばっ気槽4内における汚泥の流動は、主として膜ろ過ユニット5による領域において散気発生装置の気体放出孔からの気泡の上昇に伴って汚泥も上昇し、ばっ気されていない部分において汚泥が下降し、これにより全体が撹拌される。この際、ばっ気槽4内の汚泥の酸素利用速度(rr )を高く維持すると、ばっ気されていない部分で酸素が急速に消費されることから、ばっ気槽4中で溶存酸素が低くなる部位を形成しやすくなる。ここで、ばっ気槽4内の汚泥の酸素利用速度(rr )とは、ばっ気槽4のばっ気されている部分から取った汚泥の酸素利用速度をいい、測定方法は下水道試験方法(1997年、社団法人日本下水道協会)に従って求めることができる。
図2は、通常の膜ろ過ユニット5の代表的な例を示している。同図に示すように膜ろ過ユニット5は、糸長さ方向を垂直に配した複数枚の中空糸膜エレメント10を並列させて支持固定された中空糸膜モジュール9と、同中空糸膜モジュール9の下方に所要の間隔をおいて配される散気発生装置15とを含んでいる。前記中空糸膜エレメント10は、多数本の多孔性中空糸膜10aを平行に並列させた膜シート11の上端開口端部をポッティング材11aを介してろ過水取出管12に連通支持させるとともに、下端を閉塞して同じくポッティング材11aを介して下枠13により固定支持させ、前記ろ過水取出管12及び下枠13の各両端を一対の縦杆14により支持して構成される。多数枚の中空糸膜エレメント10が、シート面を鉛直にして上下端面が開口した矩形筒状の上部壁材20のほぼ全容積内に収容されて並列支持される。ここで、上記中空糸膜エレメント10は、一般には図3に示すように多数本の多孔性中空糸膜10aが同じ間隙をもたせて同一平面上を並列して配されている。
本実施形態にあって、前記中空糸膜10aは中心部に沿って長さ方向に中空とされたPVDF(ポリフッ化ビニデン)の多孔質中空糸膜が使われており、そのろ過孔の孔径は0.4μmである。また、1枚あたりの有効膜面積は25m2 である。上記シート状の中空糸膜エレメント10は1膜ろ過ユニット5あたり20枚が使われ、その大きさは奥行きが30mm、幅が1250mm、ろ過水取出管12の上面から下枠13の下面までの長さが2000mmである。散気発生装置15をも含めた1膜ろ過ユニット5の大きさは、奥行きが1552.5mm、幅が1447mm、高さが3043.5mmである。上記ろ過水取出管12の長さが1280mm、その材質はABS樹脂であり、縦杆14の材質はSUS304が使われている。
ただし、多孔性中空糸膜10a、ろ過水取出管12及び縦杆14などの材質、中空糸膜エレメント10の大きさ、1膜ろ過ユニット5の大きさやユニット1基あたりの中空糸膜エレメント10の枚数などは、用途に応じて多様に変更が可能である。例えば、中空糸膜エレメント10の枚数で言えば処理量に合わせて20枚、40枚、60枚、…と任意に設定でき、或いは多孔中空糸膜10aの材質には、セルロース系、ポリオレフィン系、ポリスルホン系、ポリビニルアルコール系、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化エチレンなど、従来公知のものを適用することができる。
各中空糸膜エレメント10の上記ろ過水取出管12の一端には各多孔性中空糸膜10aによってろ過された高水質のろ過水(処理水)の取出口12aが形成されている。本実施例にあって、各取出口12aには、図2に示す膜ろ過ユニット5と同様に、それぞれL型継手12bがシール材を介して液密に取り付けられる。また、図3に示すように、上記上部壁材20の上端の前記取出口12aが形成されている側の端縁に沿って集水ヘッダー管21が横設されている。この集水ヘッダー管21は複数の前記取出口12aに対応する位置にはそれぞれに集水口21aが形成されており、各集水口21aに上記取出口12aと同様のL型継手21bがシール材を介して液密に取り付けられている。前記ろ過水取出管12の処理水取出口12aと前記集水ヘッダー管21の集水口21aとが、それぞれに取り付けられたL型継手12b,21b同士を接続することにより通水可能に連結される。集水ヘッダー管21の一端部には吸引ポンプPvと吸引管路22を介して接続される吸水口21cが形成されている。各集水ヘッダー管21ごとに形成された吸水口21cと前記吸引管路22とは、図1に示すように、同吸引管路22からそれぞれ分岐した分岐管路22a内に介装された流量調整バルブ23を介して連結されている。
一方、前記散気発生装置15は、図4に示すように、前記上部壁材20の下端に結合された同じく上下が開口する矩形筒体からなり、その4隅の下端から下方に延びる4本の支柱24aを備えた下部壁材24の底部に収容固設されている。前記散気発生装置15は、前記下部壁材24の正面側内壁面に沿って幅方向に水平に延設され、図1に示すように外部に配されたばっ気ブロアBとエア主管18を介して接続される分岐管路であるエア導入管16と、同エア導入管16の長さ方向に所定の間隔をおいて配され、一端が固設されるとともに、他端が背面側の内壁面に沿って水平に固設された複数本の散気管17とを有している。散気管17の前記エア導入管16との接続側端部は同エア導入管16の内部と連通しており、散気管17の他端は閉塞されている。
図示例によれば、この散気管17の本体はスリット付きゴム管から構成さており、水平に配された下面には、長さ方向に沿って内外に連通する図示せぬスリットが形成されている。前記散気発生装置15は上記中空糸膜エレメント10の下端から下方に45cmの間隔をおいて配されることが好ましく、前記支柱24aを下部壁材24から下方に突出させて、外部に露呈させることは汚泥の流動を円滑にするため望ましい。このとき、ばっ気槽4から循環液(汚泥)を取り出す部位のDOを0.5mg/L以下とするため、膜ろ過ユニット5から汚泥を取り出す部位までの距離を、既述したとおり20cm以上下方に離すことが好ましく、30cm以上離すことがさらに好ましい。また、本実施例による散気発生装置15は複数基の膜ろ過ユニット5ごとに対応して配され、同じばっ気ブロアBから送られるエアを、それぞれの散気発生装置15に分流させるため、前記ばっ気ブロアBに直接接続されたエア主管18を有し、同エア主管18から分岐管路であるエア導入管16を介して各散気発生装置15に接続される。
本発明は、例示した上述のような構成を備えた8基以上の膜ろ過ユニット5を同一ばっ気槽4に浸漬して並置し、無酸素槽3とばっ気槽4との間で汚泥を循環させながら、上述のような生物学的な活性汚泥処理を大量に行うことを前提としている。そのため、上述のように膜ろ過ユニット5の間をそれぞれ流量調整バルブ23を介して同一の吸引管路22に接続している。しかし、この汚泥処理を継続して長期間にわたって行うと、膜ろ過ユニット5のろ過膜の表面に目詰まりが進行するため、ろ過流量の低下、或いは膜間差圧の上昇が生じる。
このような膜間差圧の上昇を抑えるため、中空糸膜エレメント10の下方に配された上記散気発生装置15から噴出するエアと汚泥液との混合流体を利用して、生物学的処理を行うとともに、いわゆるエアスクラビングを行い、各中空糸膜10aを振動させて表面に付着した懸濁物質を剥がして離脱させ、物理的な洗浄を行う。ところが、このエアスクラビングは、エアスクラビングと同時に中空糸膜10aの中空部を通してろ過水を積極的に外部の吸引ポンプPvから吸引して汚泥とろ過水とに分離させているため、処理が長期にわたると相変わらず懸濁物質が膜表面に吸引されて、目詰まりが生じろ過流量が低下する。その結果、汚泥処理を一旦停止して、定期的に大がかりな洗浄をする必要があった。
ところで、上述のように膜ろ過ユニットの奥行きの寸法を1552.5mmとして、前記奥行き寸法の1/2の間隔をおいてばっ気槽内に25基の膜ろ過ユニットを並設したとすると、上記エア主管18の全長は58219mm以上にもおよぶ。このことは、膜ろ過ユニットごとに配される吸引管路22や処理水を逆送して多孔性中空糸膜の内部から膜面を洗浄するための後述する逆洗用管路25についても同様のことがいえる。このように配管長さが極めて長くなると、その長さ方向の配管抵抗の変化も極めて大きくなる。その結果、前記エアスクラビング洗浄では、ばっ気ブロアBに最も近い散気発生装置15から放出するエア量が無酸素槽3に最も近い散気発生装置15から放出するエア量よりも大幅に多くなる。
このことは、放出エア量により影響を受けるエアスクラビング洗浄の洗浄効果に膜ろ過ユニット5ごとで差が生じるばかりでなく、膜ろ過ユニット5の周辺ごとの溶存酸素量も大きく変化するため、汚泥濃度勾配が大きくなり、効率的な活性汚泥処理がなされなくなることを意味する。そこで、本実施形態では上記エア主管18から分岐するエア導入管16に流量調整バルブ19を配して、同流量調整バルブ19の開度を調整して、全ての散気発生装置15から発生させるエアの放出量を均等にしている。その流量調整バルブ19の開度の調整操作は、エア放出量の減少が配管抵抗に起因するため、人手によっても行えるが、常に流量を監視しつつ調整を行おうとする場合には、図示は省略しているが、流量計と同流量計からの計測信号により、同じく図示せぬコンピュータを介して自動で各流量調整バルブ19の開度を調整することが好ましい。
こうした流量調整バルブ19の開度を調整を行うだけでもエアスクラビングによる洗浄効果を挙げることはできるが、それでも目詰まりが激しく強制的な洗浄を必要とする場合、その処理量が1000t/日以下の少量であれば、一旦運転を停止して各膜ろ過ユニット5を槽外に引き上げて十分な洗浄を行うこともできる。しかし、1日の処理量が2500tを越えて膜ろ過ユニット5の数が8基を越えるようになると、それらの運転を全て停止させたときには、次回の洗浄を行うまでの期間内の予定処理量をこなすことは難しくなる。特に、工業用排水処理の場合のように1日に排出される排水の量がほぼ一定であると、他にバッファがないかぎり予定量の排水処理が行えなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、8基以上の総基数がn基の膜ろ過ユニット5を一槽内に配している。このうち、洗浄対象とされる膜ろ過ユニット5の基数n' を0.1×n以上で0.25×n以下の基数としている。洗浄時には、n' 基の膜ろ過ユニット5の散気発生装置15の運転は停止させずに、吸引ポンプPvによる吸引だけを停止させて、エアスクラビングによる物理的な洗浄を行っている。そのため、吸引ポンプPvによる吸引を止めるn' 基の膜ろ過ユニット5と吸引管路22とを接続する分岐管路22aに介装されている流量調整バルブ23を一時的に閉じる。この流量調整バルブ23の開閉操作は手操作でも構わないが、汚泥槽中での操作であることを考えると、図示せぬコンピュータに予め記憶されているシーケンスに従った自動操作により行うことが衛生的且つ効率的であるので望ましい。
この洗浄時、残りのn−n' 基の膜ろ過ユニット5は共通の吸引ポンプPvによる通常の吸引が継続してなされ、上記生物学的の活性汚泥処理が行われるが、n' 基の膜ろ過ユニット5からの吸引がなされないことにより、n−n' 基の膜ろ過ユニット5の吸引量はトータルでn/(n−n' )倍となっており、ばっ気槽4における全体の処理量に変更は生じない。しかも、ばっ気槽4に供給される溶存酸素量も変更されないため、成長する活性汚泥量にも変化がない。また、こうした効果に加えて、n' 基の膜ろ過ユニット5の中空糸膜10aには吸引作用が働かないため、懸濁物質などに対する吸引作用も働かず、そのため膜表面に付着する懸濁物質の付着量も通常より大幅に減少し、エアスクラビングによる効果的な洗浄が行えるようになる。
いま仮に、1基あたり膜ろ過ユニット5の処理能力が400t/日である膜ろ過ユニット5を使って、10000t/日以上の大量の汚泥処理を行なうとともに、全ての膜ろ過ユニット5の膜洗浄を1基あたり少なくとも15日間に1回、2時間の洗浄を行おうとすると、総基数nは少なくとも25基が必要であり、一方で洗浄対象となる膜ろ過ユニット5の基数n' を膜ろ過ユニット5の総基数nの10%とすると、n' は3となり、全膜ろ過ユニット5の洗浄に要する時間は(25÷3)×2=17時間となる。このばっ気だけによる洗浄間隔は最大で15時間ごとが好ましいということが実験により判明している。このことから、この場合には同時に洗浄対象となる膜ろ過ユニットの基数n' が3基では少ないことが分かる。そこで、1回の洗浄時間を2時間として変更せず、洗浄対象となる膜ろ過ユニットの基数n' を総基数nの15%とすると、洗浄対象となる膜ろ過ユニットの基数n' は25×0.15=3.75、すなわち4基となる。この場合には、全膜ろ過ユニット5の洗浄に要するトータル時間は(25÷4)×2=12.5時間となり、洗浄しないで済む15時間の範囲内に入ることになる。
図5は、本実施形態による膜ろ過ユニットのろ過膜洗浄装置の運転手順の一例を模式的に示している。図示例では、理解を容易にするため膜ろ過ユニット5の総基数nを4基とし洗浄対象となる膜ろ過ユニット5の基数n' を1基としている。吸引ポンプPvに接続された吸引管路22と第1〜第4の各膜ろ過ユニット5a〜5dの各集水ヘッダ管21(図3参照)とを連結する各分岐管路22aに介装された4個の第1〜第4の流量調整バルブ23a〜23dを順次開閉することにより、全ての膜ろ過ユニット5a〜5dの中空糸膜エレメント10の膜面洗浄を行うようにしている。この洗浄時にも、全ての散気発生装置15にはばっ気ブロアBからのエアが導入されてエアの放出が継続している。
具体的には、図5(a)に示すように最初に第1流量調整バルブ23aを閉じて、吸引ポンプPvによる吸引作用が止められる。このときも第1散気発生装置15aからは他の第2〜第4の散気発生装置15b〜15dと同量のエアが噴出されている。このエアの噴出によりエアと汚泥との気液混合流が中空糸膜エレメント10の中空糸膜10a表面に作用して、中空糸膜10aを振動させて、膜面に付着している懸濁物質を膜面から剥がし取る。このとき汚泥のろ過に寄与していないエア中の溶存酸素は周辺の有機物を酸化分解するとともに、ポリリン酸蓄積菌などの好気性微生物がリンを菌内に蓄積する。また、同時に洗浄対象とされていない第2〜第4の膜ろ過ユニット5b〜5dは継続してろ過水(処理水)を吸引ポンプPvによって系外に排出している。この吸引時のポンプ容量は、全膜ろ過ユニット5がフル稼働しているときの総容量を前提として運転が続けられる。そのため、第1膜ろ過ユニットが洗浄のためろ過を停止している分、トータルの処理量Nの1/4倍処理量が減少するはずであるところ、他の第2〜第4膜ろ過ユニット5b〜5dがカバーして処理するので、1日の予定処理量に変更はない。
この第1膜ろ過ユニット5aのばっ気による膜洗浄が終了すると、第1の流量調整バルブ23aが開けられるとともに、図5(b)に示すように、第2流量調整バルブ23bが閉じられて、第1膜ろ過ユニット5aは定常の処理が再開されると同時に第2膜ろ過ユニット5bが第2散気発生装置15bからのエア噴出によるばっ気洗浄がなされる。第2膜ろ過ユニット5bの膜洗浄が終了すると、図5(c)に示すように同様の操作によって第2流量調整バルブ23bを開くと同時に第3流量調整バルブ23cを閉じて、第2膜ろ過ユニット5bから第3膜ろ過ユニット5cの膜洗浄へと切り換えられ、続いて同様に第4膜ろ過ユニット5dの膜洗浄がなされて1サイクルが終了する。このサイクルを繰り返すことにより、トータルの処理量を変更させることなく、各膜ろ過ユニット5a〜5dは定期的にばっ気による膜洗浄がなされることになる。
ところで、既述したとおり、膜ろ過ユニットの基数が8基を越えると、吸引ポンプPvからの吸引管路長が58219mm以上となるため、その配管抵抗を無視できなくなる。実際に、吸引管路22の径を均一として、各分岐管路22aの径同士を同じだとすると、吸引ポンプに最も近い膜ろ過ユニット5から吸引するろ過水の圧力損失と無酸素槽3に最も近い膜ろ過ユニット5から吸引するろ過水の圧力損失差とでは、1/10以上の差がある。このことは、1日のろ過水の吸引量、すなわち1日あたりの活性汚泥の予定処理量を大幅に減少することを意味する。そこで、本実施形態では全膜ろ過ユニット5の中空糸膜モジュール9を交換するとき全ての流量調整バルブ23の例えば開度を調整する。
この調整は手動にて行うこともできるが、上記エアスクラビング洗浄と同様に図示せぬ流量計とコンピュータに使い、同コンピュータに予め記憶されている流量とバルブ開度との相関テーブルに基づいて、各流量調整バルブ23の開度を自動的に調整させることができる。この自動調整のときは、常に流量調整が可能となるため、その調整は中空糸膜モジュール9の膜エレメント10の交換時に限らなくてよい。このように調整することにより、吸引ポンプPvからの距離とは関係なく全ての膜ろ過ユニット5から同量のろ過水を吸引することができるため、1日あたりの目標とする量の活性汚泥処理が行えるとともに、吸引ポンプから最も遠い膜ろ過ユニット5の近傍から最も近い膜ろ過ユニット5の近傍にいたるまでの汚泥濃度勾配を最低に押さえることができる。
図6は、本発明の第2の実施形態である膜分離活性汚泥処理方法を実施するための逆洗浄装置の一例を示している。膜表面に付着する懸濁物質(固形物)を膜表面から離脱させる洗浄方法には、上述のようにばっ気による所謂エアスクラビングによる洗浄の他に、逆洗浄が知られている。この逆洗浄とは、吸引ポンプPvを停止させた状態で、処理水が溜められている処理水槽8の処理水を逆送ポンプPrで汲み上げ、吸引管路22を逆洗させて各膜ろ過ユニット5の集水ヘッダー管21を介して各中空糸膜エレメント10の各多孔性中空糸膜10aの中空部に送り込み、多孔性中空糸膜の内部からろ過孔を通して外に向けて処理水を流し、多孔性中空糸膜10a及び中空糸膜エレメント10の膜面に付着している固形物を剥離して洗浄する洗浄法である。このとき、吸引ポンプPvは当然に停止した状態とされ、ろ過水の吸引も停止している。
従来も、単一のばっ気槽内に浸漬された複数基の膜ろ過ユニット5に対して処理水槽8に対して、一斉に逆洗浄を行っていた。通常、吸引ポンプPvによる処理水(ろ過水)の吸引は10分間運転し、1分間程度休止させる間欠運転を行っている。一方、前記逆洗浄の時間は30秒乃至1分強で足りる。従って、前記吸引ポンプPvの休止時間帯に逆洗浄を行うことが合理的である。この逆洗浄装置は、例えば図6に示すように吸引管路22の吸引ポンプPvの上流側に隣接させて開閉バルブ22bを配するとともに、逆送ポンプPrの処理水吸入口を配管を介して処理水槽8に臨設し、逆送ポンプPrの処理水吐出口に接続された逆洗用管路25を、前記開閉バルブ22bの上流側の吸引管路22に合流させている。前記逆洗用管路25にも開閉バルブ25aが設けられている。
しかも、各膜ろ過ユニット5と吸引管路22とを接続するそれぞれの分岐管路22aには上記実施形態と同様に流量調整バルブ23が設けられている。その調整機構や操作も上記実施形態と実質的に変わらない。流量調整バルブ23の調整がなされている状態で、逆洗浄により多数の膜ろ過ユニット5の膜エレメントの膜洗浄を行うには、まず吸引ポンプPvを停止させたのち、吸引管路22に設けた開閉バルブ22bを閉じて前記吸引ポンプPvによるろ過水の吸引を停止する。次いで、前記逆送ポンプPrの駆動を開始するとともに同逆送ポンプPrと吸引管路22との間の逆洗用管路25に設けられた開閉バルブ25aを開いて、処理水槽8に貯められている処理水を汲み上げ、吸引管路22とそれぞれの分岐管路22aとを通って各膜ろ過ユニット5の中空糸膜エレメント10の多孔性中空糸膜10aに中空を通して送り込む。その膜間差圧を利用して多孔性中空糸膜10aの中空から処理水を汚泥中へと押し出す。このときの押出力により膜表面に付着している固形物を剥離する。このとき、逆送ポンプPrから最も遠い分岐管路22aと最も近い分岐管路22aとの処理水の供給量に殆ど差がなく、処理方向の洗浄が均等に行われる。
図7は、前記第2実施形態と同様の逆洗方法に好適に適用される逆洗装置の変形例を示している。同図によれば、吸引ポンプPvと同ポンプPvに最も近い分岐管路22aとの間の吸引管路22に3ポート2方向切替バルブVcを設け、同3ポート2方向切替バルブVcの3つのポートのうち2つのポートに前記吸引管路22を接続し、残る1つのポートに前記逆洗用管路25を接続している。従って、この変形例では、上記第2実施形態のように吸引管路22及び逆洗用管路25に、それぞれ開閉バルブを設けずに、逆洗用管路25と吸引管路22の合流部に3ポート2方向切替バルブVcを設け、パーツ点数を少なくしている。その他の構成及び効果についても、上記第2実施形態と実質的に変わるところはないが、この変形例では前記3ポート2方向切替バルブVcの切替操作は、電気信号により作動する電磁切替バルブを使用する。
本発明の実施形態1に係る処理方法を実施するために好適な膜分離汚泥処理装置の一例を概略で示す構成図である。 通常の膜ろ過ユニットの全体構成を一部破断して示す立体図である。 中空糸膜モジュールの構成部材である膜エレメントの構成例を模式的に示す斜視図である。 膜ろ過ユニットの構成部材の一つである散気発生装置の立体図である。 スクラビング洗浄による中空糸膜モジュールの洗浄方法の一例を示す洗浄手順の説明図である。 本発明の実施形態2である中空糸膜モジュールの逆洗浄方法を示すばっ気工程の構成図である。 実施形態2の変形例である中空糸膜モジュールの逆洗浄方法を示すばっ気工程の構成図である。
符号の説明
1 微細目スクリーン
2 原水調整槽
3 無酸素槽
4 ばっ気槽
5 膜ろ過ユニット
5a〜5d 第1〜第4膜ろ過ユニット
6 循環液の取出し部位
7 汚泥貯蔵槽
8 処理水槽
9 中空糸膜モジュール
10 膜エレメント
10a 中空糸膜
11 膜シート
11a ポッティング材
12 ろ過水取出管
12a ろ過水取出口
12b L型継手
13 下枠
14 縦杆
15 散気発生装置
15a〜15d 第1〜第4散気発生装置
16 エア導入管(分岐管路)
17 散気管
18 エア主管
19 流量調整バルブ
20 上部壁材
21 集水ヘッダー管
21a 集水口
21b L型継手
21c 吸水口
22 吸引管路
22a 分岐管路
22b 開閉バルブ
23 流量調整バルブ
23a〜23d 第1〜第4流量調整バルブ
24 下部壁材
24a 支柱
25 逆洗用管路
25a 開閉バルブ
P1 第1送液ポンプ
P2 第2送液ポンプ
Pv 吸引ポンプ
Pr 逆送ポンプ
Vc 3ポート2方向切替バルブ
B ばっ気ブロア

Claims (5)

  1. 無酸素槽又は嫌気槽とばっ気槽とを備え、前記ばっ気槽には膜ろ過ユニットが浸漬され、排水を嫌気槽側から生物学的に順次処理して活性汚泥を固液分離する膜分離活性汚泥処理方法であって、
    前記ばっ気槽に8基以上の膜ろ過ユニットを所要の間隔をおいて直列状に浸漬配置すること、
    前記各ろ過ユニットに分岐管路を介して接続された流体の吸引源又は供給源によって流体を一斉に吸引又は供給すること、及び
    ばっ気槽に並ぶ全ての膜ろ過ユニットに対する流体の吸引量又は供給量を流量調整バルブをもって略均等となるように維持管理すること、
    を特徴とする膜分離活性汚泥処理方法。
  2. 前記膜ろ過ユニットが、複数枚の多孔性中空糸膜からなるシート状膜エレメントの膜面を鉛直にして所定の間隔をおいて平行に列設した中空糸膜モジュールと、同糸膜モジュールの下方に配されて微小な気泡を放出し、前記中空糸膜モジュールに向けて上昇する気液混合流を発生させる散気発生装置とを備えてなる請求項1記載の膜分離活性汚泥処理方法。
  3. 前記流体が、前記膜ろ過ユニットにて固液分離され、各分岐管路及び主吸引管路を介して吸引源により減圧吸引されるろ過水であって、各膜ろ過ユニットから吸引するろ過水の吸引流量を、各分岐管路に配された流量調整バルブをもって調整し、全膜ろ過ユニットからの処理吸引量を略均等に維持管理する請求項1記載の膜分離活性汚泥処理方法。
  4. 前記流体が、エア供給源と分岐管路とを介して接続された各散気発生装置から放出されるエアであって、各散気発生装置に送るエア量を各分岐管路に配された流量調整バルブをもって調整し、各膜ろ過ユニットに向けて放出するエア量を略均等に維持管理する請求項2記載の膜分離活性汚泥処理方法。
  5. 前記流体が、前記吸引源により吸引されたろ過水であって、同ろ過水の供給源から前記分岐管路を介して各膜ろ過ユニットに逆送して膜エレメントの各多孔性中空糸膜の内側から各モジュールを洗浄するときのろ過水の各供給流量を、各分岐管路に配された流量調整バルブをもって調整し、各膜ろ過ユニットに供給されるろ過水の供給量を略均等に維持管理する請求項1又は2に記載の膜分離活性汚泥処理方法。
JP2006035157A 2006-02-13 2006-02-13 膜分離活性汚泥処理方法 Expired - Fee Related JP5016827B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006035157A JP5016827B2 (ja) 2006-02-13 2006-02-13 膜分離活性汚泥処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006035157A JP5016827B2 (ja) 2006-02-13 2006-02-13 膜分離活性汚泥処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007209947A true JP2007209947A (ja) 2007-08-23
JP5016827B2 JP5016827B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=38488814

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006035157A Expired - Fee Related JP5016827B2 (ja) 2006-02-13 2006-02-13 膜分離活性汚泥処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5016827B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101770343B1 (ko) * 2012-05-23 2017-08-22 쑹융 쾌속 흡인 여과 장치
CN110980953A (zh) * 2020-01-01 2020-04-10 成都誉宁环保科技有限公司 小型微动力净水装置
CN114797479A (zh) * 2022-06-07 2022-07-29 北京新城禹潞环保科技有限责任公司 一种便拆式mbr膜组器及拆洗方法、水处理装置与处理方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10290984A (ja) * 1997-04-21 1998-11-04 Daiki Kk 中空糸膜を用いる排水処理装置における処理水の吸引方法および吸引装置
JP2000117276A (ja) * 1998-10-09 2000-04-25 Tokai Kogyo Kk 合併処理用の分離膜式角形浄化槽

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10290984A (ja) * 1997-04-21 1998-11-04 Daiki Kk 中空糸膜を用いる排水処理装置における処理水の吸引方法および吸引装置
JP2000117276A (ja) * 1998-10-09 2000-04-25 Tokai Kogyo Kk 合併処理用の分離膜式角形浄化槽

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101770343B1 (ko) * 2012-05-23 2017-08-22 쑹융 쾌속 흡인 여과 장치
CN110980953A (zh) * 2020-01-01 2020-04-10 成都誉宁环保科技有限公司 小型微动力净水装置
CN114797479A (zh) * 2022-06-07 2022-07-29 北京新城禹潞环保科技有限责任公司 一种便拆式mbr膜组器及拆洗方法、水处理装置与处理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5016827B2 (ja) 2012-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5456253B2 (ja) 活性汚泥処理装置
JP5366402B2 (ja) 水の処理方法
US7510655B2 (en) Process to improve the efficiency of a membrane filter activated sludge system
US7481933B2 (en) Process to improve the efficiency of a membrane filter activated sludge system
JP5438879B2 (ja) 膜ろ過ユニット
JP5308028B2 (ja) 散気装置の洗浄方法
EP2651833B1 (en) Process, apparatus and membrane bioreactor for wastewater treatment
JP5751294B2 (ja) 膜ろ過ユニット
JP5822264B2 (ja) 膜分離活性汚泥処理装置の運転方法
JP2007130579A (ja) 活性汚泥処理における膜ろ過ユニットのろ過膜洗浄装置とろ過膜洗浄方法
JPWO2009028435A1 (ja) 浸漬型膜分離装置、水浄化処理装置、およびそれを用いた水浄化処理方法
JP2008183517A (ja) 廃水処理装置
JP5016827B2 (ja) 膜分離活性汚泥処理方法
JP5448285B2 (ja) 膜分離活性汚泥処理方法
JP2018034077A (ja) 膜分離装置の運転方法及び膜分離装置
JPWO2003043941A1 (ja) 有機性排水の処理装置及び方法
JP5448287B2 (ja) 膜分離活性汚泥処理装置
JP5238128B2 (ja) 固液混合処理液の固液分離装置
JP5094022B2 (ja) 固液混合処理液のろ過液回収時に適用される散気装置及び膜ろ過ユニット
JP5059438B2 (ja) 膜分離装置
JP2007209949A (ja) 固液混合処理液のろ過液回収装置
JP2012206039A (ja) 有機物含有排水の処理装置
JP2006055849A (ja) 有機性排水の処理装置及び方法
CN219709332U (zh) 一种一体化斜板氧化沟生物反应器
JPH11244893A (ja) 有機性汚水処理装置の運転方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100729

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100803

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20101006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120306

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120522

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120611

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees