JP5059438B2 - 膜分離装置 - Google Patents

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Description

本発明は、膜分離装置に関するものである。
近年、活性汚泥による排水処理では、沈殿槽を用いた従来の固液分離法に代わる技術として、反応槽に膜分離装置を浸漬配置し、汚泥と処理水とをろ過膜によって固液分離する膜分離活性汚泥法が多く用いられるようになってきている。
この膜分離活性汚泥法に用いる膜分離装置として、例えば特許文献1に示すように、反応槽内に多数の中空糸膜からなる中空糸膜エレメントが複数配列され、この中空糸膜エレメントにエアを供給することで中空糸膜を振動させ、中空糸膜エレメントに付着する汚濁物質を剥離して洗浄を行う。また、このような浸漬型の膜分離装置は、複数配列された中空糸膜エレメントの中空糸膜にエアを効率良く供給するため、中空糸膜エレメントの周囲が膜ケーシングで覆われているものが一般的である。
特開2000−51672号公報
しかしながら、上述の膜分離装置にあっては、中空糸膜エレメントが膜ケースによって覆われているため、中空糸膜エレメントの下方から上方へ流れる上昇流により、処理対象の被処理水中に含まれる、繊維や糸屑、髪の毛等の夾雑物(以下、夾雑物という)が徐々に膜ケース内の中空糸膜エレメントやエレメントのフレームに引っ掛かり、あるいは絡みあうことにより、隣接する中空糸膜同士を束ねてしまったり、夾雑物が団子状になり、スクラビングによる膜の洗浄を阻害して、膜の差圧上昇を引き起こしたりなどの問題もあった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、夾雑物の引っ掛かりや絡みによる滞留を防ぎ、長期間に亘ってろ過性能を維持することができる膜分離装置を提供する。
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、好気槽に収容された被処理水を固液分離する多数の多孔性中空糸膜からなる中空糸膜エレメントが複数配列した状態で浸漬され、この中空糸膜エレメントの下方に前記多孔性中空糸膜にスクラビング洗浄を行う為の散気発生装置が配置された平面視矩形の膜分離装置において、複数配列された前記中空糸膜エレメントはケーシングに覆われ、前記ケーシングは、前記平面視矩形の各頂点に上下方向に沿って配されたフレームと、前記中空糸膜エレメントの面と平行に設けられた前壁及び後壁と、前記中空糸膜エレメントの面と直交する方向に沿って設けられ、該中空糸膜エレメントを挟んで対向する側壁とを有し、前記前壁、前記後壁、及び前記側壁はそれぞれ、前記フレームのうちの、隣接するフレーム間に設けられ、前記側壁の上部のみ、前記散気発生装置から発生するエアを側方に向けて前記ケーシング外へ逃がすための開口部が、前記隣接するフレーム間にわたって設けられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載した発明は、前記前壁及び前記後壁はそれぞれ、前記ケーシングの各一側面を完全に覆い、前記側壁は、その最上部が、前記前壁及び前記後壁よりも低く配置されることにより当該側壁の上部に前記開口部を形成していることを特徴とする。
また、請求項3に記載した発明は、前記開口部は、前記側壁、該側壁がわたって設けられる前記隣接するフレーム、及びこの隣接するフレーム間にわたって設けられる集水ヘッダーに囲まれた領域であることを特徴とする。
この構成によれば、ケーシングの中空糸膜エレメントの配列方向の側面部に対応する側板に開口部が設けられ、この開口部を散気発生装置から発生するエアの逃げ道として確保しているため、多孔性中空糸膜により固液分離され、上方へ流れるエアに乗って上昇してくる夾雑物が開口部からケーシング外へ流れるエアに乗って、ケーシング内から放出されることとなる。そのため、夾雑物がケーシング内で滞留することを防ぐことができる。
また、請求項に記載した発明は、前記側壁に設けられる前記開口部は前記中空糸膜エレメントの前記多孔性中空糸膜の有効高さの5〜50%の範囲に設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、散気発生装置から発生するエアによる多孔性中空糸膜へのスクラビング効果を維持した上で、開口部をエアの逃げ道として確保することができる。
また、請求項に記載した発明は、前記中空糸膜エレメントを構成する多数の前記多孔性中空糸膜の配列が水面に対して、鉛直方向で配列されていることを特徴とする。
この構成によれば、被処理水中の夾雑物が、散気発生装置から発生するエアーと共に、中空糸膜に沿って上部に導かれやすくなり、中空糸膜エレメント内部に滞留する夾雑物をケーシング外へ放出することができる。
請求項1,2,3に記載した発明によれば、夾雑物がケーシング内で滞留することを防ぐことができるため、夾雑物が中空糸膜エレメントに付着して絡まることがなく、長期間に亘って中空糸膜エレメントのろ過性能を維持することができる。
請求項記載した発明によれば、散気発生装置から発生するエアによる多孔性中空糸膜へのスクラビング効果を維持した上で、開口部をエアの逃げ道として確保することができるため、ケーシング内に滞留する夾雑物を、ケーシング外に効率良く放出することができる。
請求項に記載した発明によれば、被処理水中の夾雑物が、水面に対して鉛直方向に配列した中空糸膜に沿って、スクラビングエアーと共に、中空糸膜エレメントの上部に導かれ、ケーシング上部の開口部への流れに乗って、ケーシング外へ効率よく放出することができる。
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、産業排水、生活排水等の原水を生物学的に処理し、膜分離によって固液分離を行う膜分離活性汚泥処理装置に適用したものである。
図1に示すように、膜分離活性汚泥処理装置の流入端には、スクリーン1が配置されている。このスクリーン1は、原水から比較的大きな固形分を除去するものである。スクリーン1の流出側には、原水調整槽2が設けられている。この原水調整槽2は、スクリーン1により比較的大きな固形分が除去された原水を収容するためのものであり、液面には図示しない液面計測器が設けられている。
原水調整槽2の流出側には、無酸素槽3が設けられている。この無酸素槽3は、原水を嫌気状態に維持して脱窒を行う槽であり、原水調整槽2から第1送液ポンプP1により原水が間欠的に供給される。無酸素槽3の流出側には、ばっ気槽(好気槽)4が設けられている。このばっ気槽4は、無酸素槽3から溢流してくる原水を収容し、この原水と空気を接触させて空気中の酸素を充分に供給し、好気性微生物の分解処理を促進させるものである。ばっ気槽4内には、複数(例えば、4基)の膜ろ過ユニット(膜分離装置)5が浸漬配置されている。この膜ろ過ユニット5は、ばっ気槽4に収容された原水を活性汚泥と処理水とに膜分離するものである。
ばっ気槽4の流出側には、第3送液ポンプP3を介してが設けられている。汚泥貯留槽7は、ばっ気槽4内でばっ気処理されて成育した汚泥の固形分(懸濁物質)が自重で沈殿し、その余剰汚泥を貯蔵するものである。
ばっ気槽4の底部には、循環口6が設けられている。この循環口6において、無酸素槽3とばっ気槽4とが連通しており、汚泥の一部は、第2送液ポンプP2により無酸素槽3へ返送されることとなる。つまり、無酸素槽3とばっ気槽4とは循環可能に構成されている。
次に、膜ろ過ユニット5について説明する。
図2に示すように、膜ろ過ユニット5は、下部に散気発生装置15を備えている。この散気発生装置15は、上下が開口した平面視矩形のケーシング24を備え、その4隅の下端には下方へ延出する支柱24aが形成されている。
図3に示すように、ケーシング24の外壁には、エア導入管16が設けられている。このエア導入管16は、ばっ気槽4外に設けられたばっ気ブロアBから主管18を通って供給されるエアを散気発生装置15のケーシング24内に供給するものである(図1参照)。
エア導入管16は、ケーシング24を挟んでエア供給ヘッダー30に連通している。エア供給ヘッダー30はケーシング24の内壁に沿って設けられた小室であり、このエア供給ヘッダー30に直交してその内壁30aに、複数の散気管17が接続されている。この散気管17は、穴あきの単管やメンブレンタイプのものから構成され、一端はエア供給ヘッダー30に接続され、他端は閉塞されている。なお、エア供給については、図示されていないが、散気管17の両端にヘッダーを備え、両ヘッダーに連通するエア導入配管を配して、両方からエアを供給する構造であってもよい。散気管17は、ばっ気ブロアBから供給されるエアを上方へ吐出するものである。
また、図2に示すように、膜ろ過ユニット5は、散気発生装置15の4隅から上方に向かって延びるフレーム31を備え、このフレーム31には、中空糸膜モジュール9が支持されている。この中空糸膜モジュール9は、複数(例えば、20枚)の中空糸膜エレメント10が平行に配列されたものである。
中空糸膜エレメント10は、下枠13を備え、その両端には、一対の縦杆14a,14bが上方に向けて設けられている。縦杆14a,14bの上端には、上枠12が設けられている。これら上枠12、下枠13には、長手方向に沿って図示しない通路が形成されている。また、縦杆14a,14bの内部についても上述と同様に図示しない通路が形成されている。上枠12の通路は、その一端で(例えば、ろ過水取り出し口12a)開口形成され、下枠13の通路は、その他端(例えば、ろ過水取り出し口13b)と縦杆(例えば、縦杆14b)を介して、開口形成されている。これにより、中空糸膜10aの両端部からのろ過水を取水することができる。ろ過水取り出し口12aには、上方へ向けて屈曲するL字継手12cが図示しないシール材を挟んで連結されている。また、ろ過水取り出し口13bにも同様に、図示しない継手がシール材を挟んで連結されている。
中空糸膜エレメント10には、縦杆14a,14bに沿って多数の中空糸膜10aが水面に対して、鉛直方向で配列されている。この中空糸膜10aは、長さ方向に中空に形成されるとともに、周囲には図示しないろ過孔が形成されている。中空糸膜10aは、PVDF(ポリフッ化ビニデン)等からなり、ばっ気槽4内の原水を汚泥と処理水とにろ過するものである。
中空糸膜10aの上端および下端は、ポッティング材11aによりそれぞれ上枠12、下枠13に固定支持され、かつ、上枠12および下枠13内の通路に、中空糸膜10aの端部が開口された状態にて液密に固定されており、上端は、ろ過水取り出し口12aに、下端は、縦杆14bを介して、ろ過取り出し口12bに連通支持されることで、多数の中空糸膜10aが配列された中空糸膜シート11が構成されている。ここで、中空糸膜エレメント10、1枚当たりの中空糸膜シート11の有効膜面積は25mである。
フレーム31の上部には、中空糸膜エレメント10の配列方向に沿って集水ヘッダー21が設けられている。この集水ヘッダー21は、長手方向に沿って複数の集水口21aが形成されており、この集水口21aに対応して、下方に屈曲するL字継手21bが図示しないシール材を挟んで連結されている。このL字継手21bと中空糸膜エレメント10のろ過水取り出し口12aに接続されたL字継手12bとが連結されて、中空糸膜10aによりろ過された高水質の処理水が集水ヘッダー21へ通水可能に構成されている。ここで、中空糸膜エレメント10と集水ヘッダー21の継手については、一例としてL字継手12b,21bを図示し、説明したが、中空糸膜10aよりろ過された処理水が集水ヘッダー21へ通水可能な構造であれば、ホース接続等この構造に限定されない。
集水ヘッダー21の上面には、吸水口21cが設けられている。この吸水口21cは、分岐管路22aに接続され、この分岐管路22aを介して主管22に接続されている。主管22には、吸引ポンプPvが設けられており、この吸引ポンプPvの流出側には、処理水槽8が設けられている(図1参照)。この処理水槽8は、膜分離され高水質な処理水を収容するものである。
ここで、図4に示すように、複数の中空糸膜エレメント10が配列された中空糸膜モジュール9を覆うように、ケーシング20が設けられている。このケーシング20は、中空糸膜エレメント10の面に沿う前壁32及び後壁34を備え、複数配列された中空糸膜エレメント10の配列方向に沿う側壁(側板)33を備えている。ケーシング20の側壁33は、前壁32及び後壁34より低く形成されている。つまり、側壁33の上端とフレーム31の上部及び集水ヘッダー21との間は開放されており、この開放された部分がケーシング20内に連通する開口部35として形成されている。
この開口部35は、散気発生装置15の散気管17から吐出され、ケーシング20内を上昇してくるエアの逃げ道となるものである。開口部35の大きさは、中空糸膜10aへのスクラビング効果を考慮して中空糸膜エレメント10の中空糸膜10aの有効高さの5〜50%の範囲に設定されていること好ましい。なお、前壁32及び後壁34の上部にも開口部を設ける構成としてもよい。
次に作用を説明する。
まず、原水は、スクリーン1で比較的大きな固形分が除去され、原水調整槽2に導入される。ここでは、液面を液面計測器により測定し、第1送液ポンプP1を間欠作動して原水調整槽2の液面高さを所定の範囲内で調整する。第1送液ポンプP1によって送られる原水は、無酸素槽3から溢流する原水を用いて、隣接するばっ気槽4に流入させる。
続いて、原水は、無酸素槽3及びばっ気槽4において、活性汚泥により生物化学的に浄化される。窒素の除去は、無酸素槽3とばっ気槽4との間で汚泥を循環させることにより、いわゆる硝化脱窒反応によってなされる。BOD(生物化学的酸素要求量)に換算される有機物は、主としてばっ気槽4内に配置されたばっ気装置である膜ろ過ユニット5の散気発生装置15から吐出されるエアにより好気的にされ分解される。またリンの除去は、汚泥中の微生物(リン蓄積細菌)の作用によりポリリン酸として微生物の体内に取り込まれることにより行われる。この微生物は、好気状態においてリンを取り込み、嫌気状態において体内に蓄えたリンを放出する。リン蓄積細菌は、嫌気状態、好気状態に繰り返して晒されると、嫌気状態で放出したリンの量より多くのリンを好気状態で吸収する。
生物由来の排泄物や死骸などの窒素化合物の一部は、肥料として植物やバクテリアに同化される。また、こうした窒素化合物の一部は、酸素の多い好気条件で独立栄養アンモニア酸化細菌や独立亜硝酸酸化細菌により、亜硝酸、硝酸へと酸化される。他方、酸素がない嫌気条件下では、脱窒菌と呼ばれる微生物が酸素に代わって硝酸から亜硝酸を生成し、更には一酸化二窒素、窒素ガスへと還元する。この還元反応が上記硝化脱窒反応と称される。
無酸素槽3及びばっ気槽4の間での汚泥の循環は、どちらの槽からポンプを用いて送液するかは必ずしも限定されないが、通常は第2送液ポンプP2を用いてばっ気槽4から無酸素槽3へと送液し、無酸素槽3から溢流によってばっ気槽4に流入させる。本実施形態では、ばっ気槽4から循環液が無酸素槽3に入る部位におけるDOCを0.2mg/L以下とする、及び/またはばっ気槽4より循環液を取り出す部位のDOCを0.5mg/L以下とすることにより、無酸素槽3への溶存酸素の流入を抑制し、無酸素槽3内の嫌気度を十分維持し、これによりリンの放出を促進させる。
無酸素槽3内に溶存酸素、硝酸イオン、亜硝酸イオンが実質的に存在しないと有機物が嫌気的に分解され、このとき菌に蓄積されたポリリン酸がリン酸として菌体外に放出される。本実施形態において循環汚泥がばっ気槽4から無酸素槽3に返送される部位におけるDOCは0.2mg/L以下とすることが好ましく、1mg/L以下であるとリンの除去性がより安定し、さらに0.05mg/L以下とするとより安定化するため好ましい。なお、DOCの測定は、隔膜電極法による通常のDO計を用いて測定することができる。
ばっ気槽4から循環液(汚泥)を取り出す部位のDOCを0.5mg/L以下とするためには、ばっ気槽4から無酸素槽3へ汚泥を取り出す部位を汚泥の滞留部とすることが好ましい。汚泥の滞留部とは、ばっ気による汚泥の流動を受けにくい部位を意味する。例えば、膜ろ過ユニット5とばっ気槽4の底部との間に空間を設けてやると、膜ろ過ユニット5の下の部分に存在する汚泥はよく撹拌されないため、滞留部となる。
したがって、図1に示すように、膜ろ過ユニット5の位置よりも下から汚泥を取り出すことにより、ばっ気槽4より循環液(汚泥)を取り出す部位のDOCを0.5mg/L以下とすることができる。なお、ばっ気槽4内に複数の膜ろ過ユニット5が並列されて配される場合は、循環液(汚泥)を取り出す部位をばっ気槽4の下方とする。また、膜ろ過ユニット5から汚泥を取り出す部位までの距離は20cm以上下方に離すことが好ましく、30cm以上離すことが好ましい。
ばっ気槽4内における汚泥の流動は、主として膜ろ過ユニット5によるばっ気部分において散気管17から吐出されるエアの上昇に伴って汚泥も上昇し、ばっ気されていない部分において汚泥が下降し、これにより全体が撹拌される。この際、ばっ気槽4内の汚泥の酸素利用速度(r)を高く維持すると、ばっ気されていない部分で酸素が急速に消費されることから、ばっ気槽4中で溶存酸素が低くなる部位を形成しやすくなる。ここで、ばっ気槽4内の汚泥の酸素利用速度(r)とは、ばっ気槽4のばっ気されている部分から取った汚泥の酸素利用速度をいい、測定方法は下水道試験方法(1997年、社団法人日本下水道協会)に従って求めることができる。
ばっ気槽4内の原水は、膜ろ過ユニット5の中空糸膜10aによってろ過される。具体的には、散気発生装置15の散気管17から上方に向けてエアが吐出され、このエアにより中空糸膜10aを振動させてスクラビングが行われる。そして、汚濁物質や夾雑物が中空糸膜10aに付着することを防ぎながらろ過される。これにより、原水は汚泥と処理水とに固液分離される。ろ過された汚濁物質や夾雑物等の一部は、ケーシング20内を上方へ流れるエア(例えば、図4中矢印F)により膜ろ過ユニット5のケーシング20内を上昇していく。
ここで、ケーシング20の両側壁33の上部には、ケーシング20内に連通する開口部35が形成されているため、この開口部35がエアの逃げ道となり、通常は、ケーシング20の上方のみから抜けていくエア(例えば、図4中矢印A)が、側壁33に形成された開口部35からケーシング20外の方向へ流れることとなる(例えば、図4中矢印C)。そして、開口部35からケーシング20外へ流れるエアに乗ってケーシング20内を上昇する汚濁物質や夾雑物がケーシング20外へ放出されることとなる。
一方、中空糸膜10aによりろ過された処理水は、吸引ポンプPvにより吸引されて集水ヘッダー21の吸水口21cから、主管22及び分岐管路22aを介して処理水槽8に間欠的に運び出される。また、ばっ気槽4の底部に沈殿する汚濁物質や夾雑物は第3送液ポンプP3により吸引されて汚泥貯留槽7に運び出されることとなる。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明の膜ろ過ユニットをより具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例の内容に限定されるものではない。試験条件は、以下の通りである。
被処理水:MLSS(Mixed liquor suspended solids)10000mg/Lの生活排水系の原水
ろ過流速(LV):0.8m/m・h
運転期間:8ヶ月
[実施例]
ケーシングの側壁における開口部の開口高さ:中空糸膜の有効高さの25%
以上の条件により試験を行った結果、この期間での差圧の上昇は全く見られなかった。また、この時点で、ばっ気槽から膜ろ過ユニットを引き上げて状況を確認したところ、中空糸膜への汚濁物質や夾雑物の付着はほとんど見られず、きれいな状態であった。
一方、従来のように、中空糸膜エレメントの全周がケーシングにより覆われたものでは、初期差圧に比べると5kPa程度の上昇が見られた。この時点で、ばっ気槽から膜ろ過ユニットを引き上げて状況を確認したところ、中空糸膜エレメントの上部に夾雑物の付着が多く見られ、中空糸膜エレメント間の上部の隙間が塞がれた状態となっていた。さらに、これらの影響と見られる汚濁物質の付着も認められた。差圧としては大きな上昇ではないものの、これ以上の運転に当たっては、差圧の上昇も大きくなってくる可能性が示唆された。
本実施形態によれば、膜ろ過ユニット5のケーシング20の側壁33に開口部35が設けられ、この開口部35を散気管17から吐出されるエアの逃げ道として確保しているため、中空糸膜エレメント10により固液分離され、ケーシング20内を上方へ流れるエアに乗って上昇してくる夾雑物が、開口部35からケーシング20外へ流れるエアに乗ってケーシング20外へ放出されることとなる。したがって、汚濁物質や夾雑物がケーシング20内で滞留することを防ぐことができるため、中空糸膜エレメント10に特に夾雑物が付着して絡まることがなく、長期間に亘って中空糸膜エレメント10のろ過性能を維持することができる。
また、開口部35は、中空糸膜エレメント10の中空糸膜10aの有効高さの5〜50%の範囲に設定されているため、散気発生装置15から発生するエアによる中空糸膜10aへのスクラビング効果を維持した上で、開口部35をエアの逃げ道として確保することができる。したがって、ケーシング20内に滞留する夾雑物を、ケーシング20外に効率良く放出することができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。例えば、膜ろ過ユニットの基数はばっ気槽の大きさに応じて適宜変更が可能である。また、膜ろ過ユニットの大きさや1基当たりの中空糸エレメントの枚数等は、用途に応じて多様に変更が可能である。例えば、中空糸膜エレメントの枚数で言えば、処理量に合わせて40枚、60枚…と変更でき、或いは、或多孔性中空糸膜の材質は、セルロース系、ポリオレフィン系、ポリスルホン系、ポリビニルアルコール系、ポリメチルアルコール系、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化エチレン等、従来公知のものを適用することができる。さらに、膜の孔径については、一般に限外ろ過膜と呼ばれる孔径0.001〜0.1μmのもの、または一般に精密ろ過膜と呼ばれる孔径0.1〜1μmのもの、あるいはそれ以上の孔径のものを用いることが可能である。
本発明の実施形態における膜ろ過ユニットを備えた膜分離活性汚泥処理装置の概略構成図である。 本発明の実施形態における膜ろ過ユニットの一部破断して示す斜視図である。 膜ろ過ユニットの散気発生装置の斜視図である。 膜ろ過ユニットの斜視図である。
符号の説明
4 ばっ気槽(好気槽)
5 膜ろ過ユニット(膜分離装置)
10 中空糸膜エレメント
10a 中空糸膜(多孔性中空糸膜)
15 散気発生装置
20 ケーシング
33 側壁(側板)

Claims (5)

  1. 好気槽に収容された被処理水を固液分離する多数の多孔性中空糸膜からなる中空糸膜エレメントが複数配列した状態で浸漬され、この中空糸膜エレメントの下方に前記多孔性中空糸膜にスクラビング洗浄を行う為の散気発生装置が配置された平面視矩形の膜分離装置において、
    複数配列された前記中空糸膜エレメントはケーシングに覆われ、
    前記ケーシングは、前記平面視矩形の各頂点に上下方向に沿って配されたフレームと、前記中空糸膜エレメントの面と平行に設けられた前壁及び後壁と、前記中空糸膜エレメントの面と直交する方向に沿って設けられ、該中空糸膜エレメントを挟んで対向する側壁とを有し、
    前記前壁、前記後壁、及び前記側壁はそれぞれ、前記フレームのうちの、隣接するフレーム間に設けられ、
    前記側壁の上部のみ、前記散気発生装置から発生するエアを側方に向けて前記ケーシング外へ逃がすための開口部が、前記隣接するフレーム間にわたって設けられていることを特徴とする膜分離装置。
  2. 前記前壁及び前記後壁はそれぞれ、前記ケーシングの各一側面を完全に覆い、前記側壁は、その最上部が、前記前壁及び前記後壁よりも低く配置されることにより当該側壁の上部に前記開口部を形成していることを特徴とする請求項1に記載の膜分離装置。
  3. 前記開口部は、前記側壁、該側壁がわたって設けられる前記隣接するフレーム、及びこの隣接するフレーム間にわたって設けられる集水ヘッダーに囲まれた領域であることを特徴とする請求項1又は2記載の膜分離装置。
  4. 前記側に設けられる前記開口部は前記中空糸膜エレメントの前記多孔性中空糸膜の有効高さの5〜50%の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の膜分離装置。
  5. 前記中空糸膜エレメントを構成する多数の前記多孔性中空糸膜の配列が水面に対して、鉛直方向で配列されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の膜分離装置。
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