JP5438879B2 - 膜ろ過ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、工業用排水や生活用排水中に含まれる有機物やその残骸、或いは微生物や細菌類を含む排水を生物化学的に処理して分離膜を用いて固液分離を行う膜分離活性汚泥法に適用される膜ろ過ユニットに関する。
排水処理方法における脱窒方法として、分子状酸素が存在しない無酸素槽と汚泥中に散気発生装置からエアを放出するばっ気槽との間で汚泥を循環させ、ばっ気槽においてアンモニア性窒素を硝酸性窒素に酸化し、無酸素槽で硝酸性窒素を還元して窒素ガスとして系外に排出する活性汚泥循環変法が従来から広く行われている。しかし、この方法によると窒素は効率的に除去できるものの、リンの除去は十分には行えなかった。これは、好気槽からの循環水に含まれる溶存酸素,硝酸性窒素、および亜硝酸性窒素により、無酸素槽の嫌気度が十分上がらず、リン蓄積細菌からのリン放出が十分に起こらないがためである。
このため、脱窒とリン除去とを同時に行う必要がある場合、上記活性汚泥循環変法の無酸素槽(脱窒槽)の前に、分子状酸素も硝酸や亜硝酸などの結合酸素も含まない絶対嫌気槽を配して、生物化学的に脱窒と脱リンとを行ういわゆるA2 /O法が用いられている。前記絶対嫌気槽では、ポリリン酸蓄積菌によるポリリン酸が加水分解して、リンを溶出させ、生物化学的酸素要求量(以下、BODと称する。)成分を菌体内に取り込む。絶対謙気状態を保持するためにはBODを50mg/L以上とすることが要求されるという。
しかし、このA2 /O法による排水処理方法は、活性汚泥循環変法と比較して、完全嫌気槽を余分に設けなければならず、加えて広い装置設置面積も必要となるという問題があった。
そこで、例えばWO 03/101896号公報(特許文献1)では、無酸素槽とばっ気槽との2つの処理槽のみで、凝集剤を使用せずに窒素及びリンを除去できる排水処理方法を提案している。その排水処理方法は、無酸素槽とばっ気槽との間で汚泥を循環させて排水を生物化学的に処理するように構成した、いわゆる活性汚泥循環変法を実施するための活性汚泥処理装置であって、ばっ気槽から無酸素槽へ循環液である汚泥を送液するにあたって、ばっ気槽中に配された最も低い位置にある散気発生装置の下方から循環液である汚泥を取り出すように構成して、汚泥を取り出す部位のDOC(以下、DOCと称する。)を0.5mg/L以下とするとともに、好ましくはばっ気槽から送液される汚泥が無酸素槽に入る部位でのDOCを0.2mg/L以下としている。こうすることにより、無酸素槽とばっ気槽との2つの処理槽のみを使用して、凝集剤などを使用することなく窒素及びリンの両方が除去できるという。
ところで、この種の活性汚泥処理における上記ばっ気槽には、特許文献1にも記載されているように、多数の多孔性中空糸を並列に使った複数枚のシート状の中空糸膜エレメントを平行に並列して組み立てた中空糸膜モジュールと、同中空糸膜モジュールの下方に配され、前記中空糸膜モジュールに向けてエアを放出する微細気泡発生部である散気発生装置とを備えた膜ろ過ユニットが、活性汚泥の生物化学的な処理能率とろ過効率とが高いという理由から多く使われている。
前記散気発生装置からは予め決められた量のエアが汚泥中を微細な気泡となって放出され、汚泥中を上昇する間に気液混合流となって上昇し、上記中空糸膜モジュールの内部空隙を上方に流れるとともに、中空糸膜モジュールを通過した流れは膜ろ過ユニットの外側に沿って流下して気液混合旋回流を形成する。この気液混合旋回流が上下を旋回する間に、前記エア中の分子状酸素となって汚泥中に溶解され、有機物や微生物などを酸化して分解し、或いは硝化し及び/又はポリリン酸蓄積菌にリンを取り込んで成長させて汚泥を増殖させるとともに、例えば特開2000−51672号公報(特許文献2)や特開2000−84553号公報(特許文献3)にも記載されているように、前記気液混合液を中空糸膜モジュールの構成中空糸膜に作用させて振動させる、いわゆるエアスクラビングにより中空糸膜エレメントに付着する汚濁物質を剥離して洗浄する。このとき同時に、汚泥は吸引ポンプにより吸引されて多孔性中空糸膜により固液分離がなされて、処理水は同中空糸膜の中空部を通って外部の処理水槽へと送液される。
WO 03/101896号公報 特開2000−51672号公報 特開2000−84553号公報
特許文献1〜3に記載されているように、この種の中空糸膜モジュールを使った生物化学的な活性汚泥処理にはばっ気工程が含まれるのが一般的である。前記中空糸膜モジュールは、既述したとおり、多数本の多孔性中空糸膜を所要の間隙をおいて平行に並列し、その全体を矩形枠材に固定用樹脂を介して固定してシート状の中空糸膜エレメントを形成する。この中空糸膜エレメントを複数枚所要の間隔をおいて平行に並べて直方状の中空糸膜モジュールとする。この中空糸膜モジュールの下方に配置された散気発生装置から放出される気泡により発生する気液混合旋回流は、多孔性中空糸膜に対するスクラビングにより乱流を伴う。
一方、処理対象となる汚泥には有機物を始めとして、例えば繊維や糸屑、髪の毛、紙片など様々な固形物が混入している。これらの混入物は中空糸膜モジュールの下方から上方に向けて流れる気液混合旋回流により上方へと運ばれて、中空糸膜モジュールの構成部材に引っ掛かることが多い。この場合、通常の散気発生装置による中空糸膜モジュールを通過する気液混合流によるスクラビング作用だけでは、特に繊維、糸屑、髪の毛などは中空糸膜モジュールの枠体や多孔性中空糸膜自体に引っ掛かり、或いは隣り合う多孔性中空糸膜間や処理水の取出管と多孔性中空糸との間に絡まったりすることを防ぐことはできない。これらの繊維、糸屑、髪の毛などのし渣が引っ掛かり、或いは絡まると、多数の中空糸膜を束ねてしまい、ろ過性能を低下させるだけでなく、溶存酸素が中空糸膜間に行き渡らず、汚泥処理が円滑になされなくなる。こうした場合には、中空糸膜モジュールをばっ気槽から吊り上げて槽外に運び出し、新しい中空糸膜モジュールと交換することを余儀なくされる。
本発明は、かかる課題を解決すべくなされたものであり、その具体的な目的は上述のような膜分離活性汚泥処理装置にあって、排水に含まれる毛や繊維、紙片などが中空糸膜モジュールの多孔性中空糸膜を束ねてしまったり、或いは中空糸膜と周辺の枠材などとの間で絡まり、或いは引っ掛かったりするのを防止して、中空糸膜モジュールの耐久性を確保することにある。
本発明は、嫌気槽と好気槽とを備え、前記好気槽には膜ろ過ユニットが浸漬され、排水を順次生物学的に処理して活性汚泥と処理水とに分離する分離活性汚泥処理法に適用される膜ろ過ユニットであって、同膜ろ過ユニットは、多数の多孔性中空糸膜を微細間隙をもって平行に並べて得られるシート状の複数枚の中空糸膜エレメントが、その多孔性中空糸膜を垂直方向に向けて所定の間隔をおいて平行に列設されてなる中空糸膜モジュールと、同中空糸膜モジュールの下方に配され、同中空糸膜モジュールの下端部に向けて微小な気泡を放出し、同中空糸膜モジュールの内部空間と外部空間との間で上下方向に旋回する気液混合流を発生させる微細気泡発生部とを備えてなり、前記膜ろ過ユニットが、前記混合流の一部に前記中空糸膜モジュールの多孔性中空糸膜間及びシート状の中空糸膜エレメント間に強制的な流れを形成して、混合流中に混在するし渣を中空糸膜モジュール外へと排除するし渣排除機構を有していることにある。
前記し渣排除機構は、前記複数枚の各中空糸膜エレメントを構成する多孔性中空糸膜間の間隙が微小である領域とその微小間隙領域の間に広い間隙を形成して、その広い間隙が気液混合流の上方に向かう流れの一部を横断方向偏向するための偏向路となる。
本発明が前述の構成を備えることにより、上記目的が効果的に達成できる。
また、前記し渣排除機構の好適な一態様としては、前記中空糸膜モジュールの並列方向に隣接する複数の中空糸膜エレメント間の一部間隔が広く形成され、その一部間隔の気液混合流の下端導入口に邪魔部材を配して構成されることが望ましく、同邪魔部材は前記一部間隙の間に配された中空糸膜エレメントへと気液混合旋回流を分配したのち、その気液混合旋回流の上方に向かう流れを前記一部間隙へと偏向させて上方へ向かう大きな流れに変える流路変更機能を有している。
本発明では、上記中空糸膜エレメント間の間隔と前記中空糸膜エレメントの構成糸条である多孔性中空糸膜間の間隙の双方を、同時に不揃いにするものである
更に他の好適な態様によれば、前記膜ろ過ユニットは、前記中空糸膜モジュールと前記微細気泡発生部の周辺を囲うようにして配され上下を開口させた壁材を有しており、前記し渣排除機構は、前記壁材の下端に裾が広がって延在するスカート部を有し、同スカート部が気液混合旋回流の下降流を集約して中空糸膜モジュールの下方に円滑に導く集約路を形成してもよい。前記スカート部の水平方向の延在長さは1mm以上1000mm以下であることが望ましく、同スカート部の前記壁材の下端の延長線に対する傾斜角度は10°以上70°以下とすることが好ましい。
作用効果
既述したとおり、下排水や産業排水には繊維類、多様な材質の糸条、紙片(不織布)などのし渣が混入しており、原水の段階でスクリーンによって大きな固形物は取り除かれるものの、特に細長く柔軟で且つ可撓性のある繊維とか毛などのようなし渣はスクリーンを通り抜けて排水に混じって処理槽へと流れ込んでしまう。排水を処理にあたり、特に上記ばっ気処理がなされる場合には、前記し渣が気液混合流に乗って上昇しがら中空糸膜モジュールへと流れる。この中空糸膜モジュールは、上述のとおり多数の多孔性中空糸膜とこれを支持する枠体とから構成されているため、前記し渣は多孔性中空糸膜や枠体に引っ掛かり、或いは絡み合い、複数の多孔性中空糸膜を1つに束ねてしまったりする。またし渣同士が絡まって団子状になったりもする。このようなし渣による影響は大きく、例えば中空糸膜エレメントのろ過性能を著しく低下させることになる。前記し渣を槽中で除去して中空糸膜エレメントの性能低下を回復することは実質上難しく、膜ろ過ユニットごと槽外へと吊り上げて運び出し、し渣が絡み付いた中空糸膜エレメントを新しい中空糸膜エレメントと交換しなければならなくなる。
そこで、本発明では前述の不具合が発生することを避けるため、膜ろ過ユニットに進入したし渣を中空糸膜モジュール内にし渣排除機構を設けていることを特徴としている。このし渣排除機構の代表的な態様として、前記複数枚の各中空糸膜エレメントを構成する多数の多孔性中空糸膜間の間隙の一部を他の間隙よりも広く形成する。複数枚の上記中空糸膜エレメントの間の空隙を下方から流入して上方へと流れる気液混合流の一部は、前記広く形成された間隙を横切って中空糸膜エレメント間を移動して、中空糸膜エレメント間を上昇する気液混合流に乱流を発生させ、周辺に引っ掛かったり絡まったりしようとするし渣を流れに乗せて上方へと移動させ、膜ろ過ユニットの外に運び出す。このため長期間の処理によっても、各中空糸膜エレメントにし渣の団子状に固まりにくくなると同時にし渣の固まりが中空糸膜エレメントなどに付着することもなくなり、またし渣によって複数の多孔性中空糸膜が束ねられることもなく、長期の使用によく耐えられるようになる。
また上述のように、本発明の他の態様として、上記し渣排除機構が前記各中空糸膜モジュールの列設方向に隣接する中空糸膜エレメント間の一部間隔を他の間隔よりも大きく形成している。このように中空糸膜モジュールの列設方向に隣接する中空糸膜エレメント間の一部間隔を他の間隔よりも単に大きくするだけであれば、例えば上記特許文献2にも開示されている。しかしながら、この特許文献2の記載によれば、シート状の中空糸膜エレメントの相互間に、適度な間隙を設けることにより、散気発生装置からの気泡により発生する気液混合流は、同間隙を挟んだ中空糸膜エレメント間の大きな間隙部分を速やかに上昇するようになる。そのため中空糸膜エレメントは効率よくスクラビングされると同時に、膜面への固体の吸着が抑制されつつ、ろ過運転が進行するとしている。
そして、前記間隙の距離が小さすぎると、複数の気液混合流が互いにぶつかり合って上方に移動しにくくなり、中空糸膜エレメントのスクラビングが効率よく行われず、洗浄効果が低下し、間隙の距離が大きすぎると、気液混合流は、抵抗なく、速やかに上昇するものの、中空糸膜エレメントと接触しにくくなるため、適度な洗浄効果が得られないと説明されている。すなわち、特許文献2における大きな間隔は、気液混合流の適度な上昇流を得て、エアスクラビング効果を奏しつつ、同時に膜面への汚濁物質の吸着を抑制しつつ、ろ過運転を円滑に行おうとするものである。
これに対して、本発明の上記態様にあって、中空糸膜エレメント間の間隔を他の間隔よりも大きくする点では上記特許文献2と一致するものの、本発明ではし渣排除機構が前記シート状の隣接する中空糸膜エレメント間に形成された一部の前記大きな間隔の下端開口に配された邪魔部材を配して、同邪魔部材により前記開口を遮蔽するようにして、実質的に前記開口への気液混合流の流入を遮断している。この邪魔部材は細長い板材からなり、開口との間に隙間を設けてもよい。この場合、前記板材を気液混合流が前記開口に隣接する複数枚の中空糸膜エレメントへと流れるように傾斜させて配してもよい。
かかる構成により、中空糸膜モジュールの下方から上昇してきた気液混合流は邪魔部材により通常の間隔で配列された中空糸膜エレメントに向けて集められ、その中空糸膜エレメント間に流入する。こうして中空糸膜エレメント間に流入した気液混合流は、邪魔部材の上方に形成された大きな間隔領域へと拡がり向きを変えながら、その間隔領域の上方へと勢いよく流れる。このときの横断流と上昇流によって、多孔性中空糸膜や中空糸膜エレメントに引っ掛かろうとするし渣や団子状に固まろうとするし渣を中空糸膜モジュールから外へと運び出す。こうして中空糸膜エレメント間に流入するし渣は多孔性中空糸膜に引っ掛かろうとするが、同中空糸膜を横切って流れる横断流が、同中空糸膜に引っ掛かろうとするし渣を連れて邪魔部材の上方に形成された大きな間隔領域へと運び、同間隔領域を上方に向けて勢いよく上昇する流れに乗せて速やかに中空糸膜モジュール外へと流し出す。
通常の膜ろ過ユニットは中空糸膜モジュールとその下方に配された散気発生装置との側周辺は上下を開口させた壁材にて囲まれている。散気発生装置から発生する気泡が上昇して汚泥との混合流を形成する。この混合流は、膜ろ過ユニットの中空糸膜モジュールを通って上昇して同ユニットの上面開口から流れ出し、同ユニットの外側を上方から下方へと下降したのち、同ユニットの底面開口から散気発生装置から放出される気泡により発生する上昇流と合流して膜ろ過ユニットの内部を上昇し、これを繰り返して膜ろ過ユニットの内外を上下に循環する旋回流を作っている。
本発明の更に異なる代表的な態様のように、上記し渣排除機構として、前記壁材の下端に裾が広がって下方に延在するスカート部を備えている場合には、上述の気液混合旋回流にあって膜ろ過ユニットの壁材の周辺を上方〜下方に向けて流れる下降流が、一端はスカート部において末広がり状に拡がるが、同時に、散気発生装置から放出される気泡により発生する気液混合上昇流により膜ろ過ユニットの底面開口の中心部へと引き寄せられて上方への流れとなり、スカート部がないときよりも多量の気液混合流量が膜ろ過ユニットの中空糸膜モジュールへと集約しながら流れ込むことになる。
そのため、中空糸膜モジュールの内部を通過する流速が増し、同モジュールの構成部材に引っ掛かろうとするし渣は気液混合流の流速により同混合流とともに上方へと流され、膜ろ過ユニットの外へと運び出される。従って、膜ろ過ユニットの構成部材に引っ掛かったり団子状に固まったし渣が、多複数の孔性中空糸膜を束ねたり、中空糸膜エレメントに付着することが殆ど発生せず、膜ろ過ユニットの長期の使用が保証される。なお、前記スカート部の延在長さが1mmより短いと気液混合流の集約量が少なくなり過ぎてしまい、し渣を排除するほどの流量が得られない。また、1000mmを越えると集約しようとする周辺の気液混合流の流量が多すぎて、散気発生装置から発生する気泡の上昇による気液混合流の上昇流だけでは、それら周辺の流量を集約しきれず、却って中空糸膜モジュールの内部を通過する流量がし渣を運び去るほどの流量に達せず、し渣によるろ過不良が発生しやすくなる。また、同スカート部の前記壁材の下端の延長線に対する傾斜角度が10°より小さいと気液混合流の集約量が少なく、従来と殆ど変わらない結果となってしまう。また、70°を越えると、上記下降流が四方へと拡散してしまうため、いわゆる旋回流が発生しなくなる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照しながら代表的な実施例に基づいて具体的に説明する。
図1は、本発明の膜ろ過ユニットが適用される膜分離活性汚泥処理装置の概略構造の一例を示している。
この膜分離活性汚泥処理装置によれば、微細目スクリーン1にて比較的大きな固形分が除去された排水(原水)は、原水調整槽2に導入される。ここでは、液面を図示せぬ液面計測器により測定し、第1送液ポンプP1を間欠作動して槽内の液面高さを所定の範囲内で調整している。第1液送ポンプP1によって送られる原水は無酸素槽3に導入されたのち、無酸素槽3から溢流する原水を使って隣接するばっ気槽4に流入させる。このばっ気槽4には多数基の膜ろ過ユニット5を浸漬して配している。この膜ろ過ユニット5にて活性汚泥と処理水とに膜分離された処理水は吸引ポンプPvにより処理水槽7に送液される。一方、ばっ気槽4にてばっ気処理されて成育した汚泥の固形分(懸濁物質)は、自重で槽底部へと沈殿し、その余剰汚泥は汚泥貯蔵槽8に貯蔵される。また、ばっ気槽4の内部の汚泥の一部は第2液送ポンプP2によって上記無酸素槽3へと返送されて循環する。
この膜分離活性汚泥処理装置によれば、原水は無酸素槽3及びばっ気槽(好気槽)4において,活性汚泥により生物学的に浄化される。窒素の除去は、無酸素槽3とばっ気槽4との間で汚泥を循環させるとにより、いわゆる硝化脱窒反応によってなされる。BOD(生物化学的酸素要求量)に換算される有機物は、主としてばっ気槽4内に配置されたばっ気装置である膜ろ過ユニット5の空気排出部から排出される空気により好気的に酸化され分解される。またリンの除去は、汚泥中の微生物(リン蓄積細菌)の作用によりポリリン酸として微生物の体内に取り込まれることにより行われる。この微生物は好気状態においてリンを取り込み、嫌気状態において体内に蓄えたリンを放出する。リン蓄積細菌は、嫌気状態、好気状態に繰り返して晒されると、嫌気状態で放出したリンの量より多くのリンを好気状態で吸収する。
生物由来の排泄物や死骸などの窒素化合物の一部は、肥料として植物やバクテリアに同化される。また、こうした窒素化合物の一部は、酸素の多い好気条件下で独立栄養アンモニア酸化細菌や独立亜硝酸酸化細菌により、亜硝酸、硝酸へと酸化される。他方、酸素がない嫌気条件下では、脱窒菌と呼ばれる微生物が酸素に代わって硝酸から亜硝酸を生成し、更には一酸化二窒素、窒素ガスへと還元する。この還元反応が上記硝化脱窒反応と称される。
無酸素槽3及びばっ気槽4の間での汚泥の循環は、どちらの槽からポンプを用いて送液するかは必ずしも限定されないが、通常は第2液送ポンプP2を用いてばっ気槽から無酸素槽3へと送液し、無酸素槽3から溢流によってばっ気槽4に流入させる。本実施形態では、ばっ気槽4からの循環液が無酸素槽3に入る部位におけるDOCを0.2mg/L以下とする、および/またはばっ気槽4より循環液を取り出す部位のDOCを0.5mg/L以下とすることにより、無酸素槽3への溶存酸素の流入を抑制し、無酸素槽3内の嫌気度を十分維持し、これによりリンの放出を促進させる。
無酸素槽3内に溶存酸素、硝酸イオン、亜硝酸イオンが実質的に存在しないと有機物が嫌気的に分解され、このとき菌に蓄積されたポリリン酸がリン酸として菌体外に放出される。本実施形態において循環汚泥がばっ気槽4から無酸素槽3に返送される部位におけるDOCは0.2mg/L以下とすることが好ましく、1mg/L以下であるとリンの除去性がより安定し、さらに0.05mg/L以下とするとより安定化するため好ましい。なお、DOCの測定は、隔膜電極法による通常のDO計を用いて測定することができる。
ばっ気槽4から循環液(汚泥)を取り出す部位6のDOCを0.5mg/L以下とするためには、ばっ気槽4から無酸素槽3へ汚泥を取り出す部位を汚泥の滞留部とすることが好ましい。汚泥の滞留部とは、ばっ気による汚泥の流動の影響を受けにくい部位を意味する。例えば、膜ろ過ユニット5とばっ気槽4の底部との間に空間を設けてやると、膜ろ過ユニット5の下の部分に存在する汚泥は良く撹拌されないため、滞留部となる。
したがって図1に示すように膜ろ過ユニット5の位置よりも下から汚泥を取り出すことにより、ばっ気槽4より循環液(汚泥)を取り出す部位6のDOCを0.5mg/L以下とすることができる。なお、ばっ気槽4内に複数基の膜ろ過ユニット5が並列されて配される場合は、循環液(汚泥)を取り出す部位をばっ気装置の下方とする。また、膜ろ過ユニット5から汚泥を取り出す部位までの距離は20cm以上下方に離すことが好ましく、30cm以上離すことがさらに好ましい。
ばっ気槽4内における汚泥の流動は、主として膜ろ過ユニット5によるばっ気部分において空気の吹き出し口からの気泡の上昇に伴って汚泥も上昇し、ばっ気されていない部分において汚泥が下降し、これにより全体が撹拌される。この際、ばっ気槽4内の汚泥の酸素利用速度(rr )を高く維持すると、ばっ気されていない部分で酸素が急速に消費されることから、ばっ気槽4中で溶存酸素が低くなる部位を形成しやすくなる。ここで、ばっ気槽4内の汚泥の酸素利用速度(rr )とは、ばっ気槽4のばっ気されている部分から取った汚泥の酸素利用速度をいい、測定方法は下水道試験方法(1997年、社団法人日本下水道協会)に従って求めることができる。
図2は、通常の膜ろ過ユニット5の代表的な例を示している。同図に示すように膜ろ過ユニット5は、中空糸膜長さ方向を垂直に配した複数枚の中空糸膜エレメント10を並列させて支持固定された中空糸膜モジュール9と、同中空糸膜モジュール9の下方に所要の間隔をおいて配される散気発生装置15とを含んでいる。前記中空糸膜エレメント10は、多数本の多孔性中空糸膜10aを平行に並列させた中空糸膜シート11の上端開口端部をポッティング材11aを介してろ過水取出管12に連通支持させるとともに、下端を閉塞して同じくポッティング材11aを介して下枠13により固定支持させ、前記ろ過水取出管12及び下枠13の各両端を一対の縦杆14により支持して構成される。多数枚の中空糸膜エレメント10が、シート面を鉛直にして上下端面が開口した矩形筒状の上部壁材20のほぼ全容積内に収容されて並列支持される。
ここで、上記中空糸膜エレメント10は、一般には図2に示すように多数本の多孔性中空糸膜が同じ間隙をもたせて同一平面上を並列して配されているが、本実施例にあっては、図3及び図4に示すように前記多孔性中空糸膜10aを、予め設定された所定本数が微小間隙をもって配列したのち、前記間隙よりも大きな間隙を挟んで同じ本数の多孔性中空糸膜10aを同じ微小間隙をもって配列したのち大きな間隙を形成し、これを繰り返していることを特徴としている。前記大きな間隙が本発明における繊維や繊維糸条、紙片などのし渣を排除するためのし渣排除機構に相当する。
本実施例にあって、前記中空糸膜10aは中心部に沿って長さ方向に中空とされたPVDF(ポリフッ化ビニデン)の多孔質中空糸が使われており、そのろ過孔の孔径は0.4μmである。また、1枚あたりの有効膜面積は25m2 である。上記シート状の中空糸膜エレメント10は1膜ろ過ユニット5あたり20枚が使われ、その大きさは奥行きが30mm、幅が1250mm、ろ過水取出管12の上面から下枠13の下面までの長さが2000mmである。散気発生装置15をも含めた1膜ろ過ユニット5の大きさは、奥行きが1552.5mm、幅が1447mm、高さが3043.5mmである。上記ろ過水取出管12の長さが1280mm、その材質はABS樹脂であり、縦杆14の材質はSUS304が使われている。また、図示例にあっては、ろ過水取出管12と下枠13との間に配される多孔性中空糸膜10aの総数は1575本、これを図3に示すように3等分して525本ごとに二つの大きな間隙を設けている。この大きな間隙を20mmとしている。
ただし、多孔性中空糸膜10a、ろ過水取出管12及び縦杆14などの材質、中空糸膜エレメント10の大きさ、1膜ろ過ユニット5の大きさやユニット1基あたりの中空糸膜エレメント10の枚数などは、用途に応じて多様に変更が可能である。例えば、中空糸膜エレメント10の枚数で言えば処理量に合わせて20枚、40枚、60枚、…と任意に設定でき、或いは多孔中空糸膜10aの材質には、セルロース系、ポリオレフィン系、ポリスルホン系、ポリビニルアルコール系、ポリメチルメタクリレート、ポリふっ化エチレンなど、従来公知のものを適用することができる。
各中空糸膜エレメント10の上記ろ過水取出管12の一端には各多孔性中空糸膜10aによってろ過された高水質の処理水の取出口12aが形成されている。本実施例にあって、各取出口12aには、図2に示す膜ろ過ユニット5と同様に、それぞれL型継手12bがシール材を介して液密に取り付けられる。また、上記上部壁材20の上端の前記取出口12aが形成されている側の端縁に沿って集水ヘッダー管21が横設されている。この集水ヘッダー管21は複数の前記取出口12aに対応する位置にはそれぞれに集水口21aが形成されており、各集水口21aに上記取出口12aと同様のL型継手21bがシール材を介して液密に取り付けられている。前記ろ過水取出管12の処理水取出口12aと前記集水ヘッダー管21の集水口21aとが、それぞれに取り付けられたL型継手12b,21b同士を接続することにより通水可能に連結される。集水ヘッダー管21の一端部には吸引ポンプPvと吸引管路22を介して接続される吸水口21cが形成されている。各集水ヘッダー管21ごとに形成された吸水口21cと前記吸引管路22とは、図1に示すように、同吸引管路22からそれぞれ分岐した分岐管路22a内に介装された開閉バルブ23を介して連結されている。
一方、前記散気発生装置15は、図5に示すように、前記上部壁材20の下端に結合された同じく上下が開口する矩形筒体からなり、その4隅の下端から下方に延びる4本の支柱24aを備えた下部壁材24の底部に収容固設されている。前記散気発生装置15は、前記下部壁材24の正面側内壁面に沿って幅方向に水平に延設され、図1に示すに外部に配されたブロアBと配管を介して接続されるエア導入管(分岐管路)16と、同エア導入管(分岐管路)16の長さ方向に所定の間隔をおいて配され、一端が固設されるとともに、他端が背面側の内壁面に沿って水平に固設された複数本の散気管17とを有している。散気管17の前記エア導入管(分岐管路)16との接続側端部は同エア導入管(分岐管路)16の内部と連通しており、散気管17の他端は閉塞されている。
図示例によれば、この散気管17の本体はスリット付きゴム管から構成さており、水平に配された下面には、長さ方向に沿って内外に連通する図示せぬスリットが形成されている。前記散気発生装置15は上記中空膜エレメント10の下端から下方に45cmの間隔をおいて配されることが好ましく、前記支柱24aを下部壁材24から下方に突出させて、外部に露呈させることは汚泥の流動を円滑にするため望ましい。このとき、ばっ気槽4から循環液(汚泥)を取り出す部位のDOCを0.5mg/L以下とするため、膜ろ過ユニット5から汚泥を取り出す部位までの距離を、既述したとおり20cm以上下方に離すことが好ましく、30cm以上離すことがさらに好ましい。また、本実施例による散気発生装置15は複数基の膜ろ過ユニット5ごとに対応して配され、同じばっ気ブロアBから送られるエアを、それぞれの散気発生装置15に分流させるため、前記ばっ気ブロアBに直接接続されたエア主管18を有し、同エア主管18から各散気発生装置15のエア導入管(分岐管路)16を介して接続される。
以上の構成を備えた図示例の膜ろ過ユニットのごとく、中空糸膜エレメント10において所定本数の多孔性中空糸膜10aを微細な間隙をもって並列されている上記微細間隙領域Aの間に大きな間隙Sを複数設ける場合にも、散気発生装置15から放出された微細気泡の含んで上昇する汚泥との気液混合流が、膜ろ過ユニット5の中空糸膜モジュール9の内部空間に浸入すると、前記気液混合流に混入している繊維や毛、或いは繊維糸条や紙片などのし渣も前記中空糸膜モジュール9の内部空間に浸入する。
このときの中空糸膜エレメントが、多孔性中空糸膜を従来のように全て同一の微小間隙をもって並列して構成されている場合、中空糸膜モジュール9内に浸入したし渣は多孔性中空糸膜や下枠、ろ過水取出管12などに引っ掛かり、周辺の複数本の多孔性中空糸膜をきつく束ねてしまったり、或いはし渣が集まって互いに絡み合い団子状に固まった状態で中空糸膜エレメント10の膜面に付着してしまうことが多い。これは、中空糸膜モジュール9内の各膜エレメント間に流入する気液混合流は比較的空間が大きいため流量が多く、その殆どが上昇流として、中空糸膜モジュール9の上部へと直接向かって流れ、同気液混合液に混入しているし渣は上端のろ過水取出管12などに引っ掛かることが多い。一方、隣り合う多孔性中空糸膜間の僅かな空間を流れる気液混合流もまた、上記微細間隙領域Aでは横断方向への流れは少ない上に、隣り合う多孔性中空糸膜間のスクラビングによる振動のため乱流となり、気液混合液に混入しているし渣は、方向性のない流れの中を移動して周辺の多孔性中空糸膜のいずれかに引っ掛かってしまう。これが重なるうちに、周辺の多孔性中空糸膜と絡み合って、複数本の多孔性中空糸膜をきつく束ねてしまう。
このようにし渣が引っ掛かって複数本の多孔性中空糸膜10aを束ねてしまうと、各中空糸膜10aが強く密着し、中空糸膜のろ過孔を互いに塞いでしまうためろ過性能が著しく低下し余剰汚泥が槽外へと流出するようになる。また上述のごとく、し渣の固まりができて膜面に付着すると、同じく中空糸膜のろ過孔の目を塞いでしまいろ過性能を著しく低下させてしまう。
これに対して、図示例によれば、隣り合う中空糸膜エレメント10の間の間隔が大きな空間を、従来と同様に大きな流れを作って上昇しようとするが、各中空糸膜エレメント10ごとの、所定本数の多孔性中空糸膜10aが微小な間隙で並列する上記微細間隙領域Aの間に前記大きな間隙Sを形成しているため、前記中空糸膜エレメント10の間の、大きな空間を上方へと流れようとする多量の流れを、前記微細間隙領域Aの間の大きな間隙Sを斜め上方に横断するように流れを変更させる。その結果、前記微小間隙領域にて発生している乱流が前記斜め上方に横断する流れに向けて引きつけられ、各多孔性中空糸膜10aを横切って流れを作る。その結果、例えば多孔性中空糸膜10aに引っ掛かろうとするし渣は、前記多孔性中空糸膜10aを横切る流れに乗って同方向に流され、多孔性中空糸膜10aに引っ掛かることがなくなる。そのため、し渣の影響によって多孔性中空糸膜10aのろ過孔を塞ぐことがなくなり、膜ろ過ユニット5の長期間にわたる使用を可能にする。
図6は、本発明の代表的な実施例2を示している。この図によれば、中空糸膜モジュール9の中空糸膜エレメント間隔を等間隔でなく、例えば上記特許文献2と同様に一部の間隔を広くしている。本発明にあっては、前記一部の中空糸膜エレメント間の間隔を他の間隔よりも広くしている上に、更にその広い間隔により作られる大きな区間の下端開口に下方から上昇してくる気液混合流を遮るようにして邪魔部材が配されていることを特徴としている。
図示例によれば、前記邪魔部材として細長い2枚一組とする板材28を採用している。この実施例2では、前記一対の板材28を広い間隔を形成する同間隔を挟んで配された中空糸膜エレメント10の各下枠13の対向端縁に沿って固設している。このとき、各板材28の対向端縁を固設端縁から下方に向けて僅かに下傾斜させており、その先端対向縁間に僅かな隙間を形成している。
かかる構成を備えた実施例2の膜ろ過ユニット5にあっては、中空糸膜モジュール9の下方から中空糸膜モジュール9の下面に向けて上昇する気液混合流は、前記一対の板材28により隣接する中空糸膜エレメント群10gに向かうように振り分けられて、中空糸膜エレメント10間に形成された広い間隔の空間には直接浸入しない。従って、前記広い間隔空間に隣接する中空糸膜エレメント群10gに浸入する気液混合流は、同中空糸膜エレメント群10gの下方を上昇してくる気液混合流に加えて、前記板材28により振り分けられた気液混合流が合流することになる。
このように各中空糸膜エレメント群10gに浸入する気液混合流には、上述のようなし渣が混入されている。このし渣を含む気液混合流が各中空糸膜エレメント群10gに浸入すると、前記板材28の上方に形成されている広い間隔空間に向けて強く流れる斜め上方への流れができる。そのため、上記実施例1と同様に、気液混合流に混入されたし渣が通過途中の多孔中空糸膜10aや膜面に引っ掛かろうとするが、その流れが強いため、引っ掛かることなく前記広い間隙空間へと導かれ、最後に上方へと流れに乗って運ばれ、中空糸膜モジュール9の上方から膜ろ過ユニット5の壁材の外へと排除される。その結果、上記実施例と同様に、し渣の影響によって多孔性中空糸膜10aのろ過孔が塞がれることがなくなり、膜ろ過ユニット5の長期間にわたる使用が可能となる。
図7は、本発明の代表的な実施例3である膜ろ過ユニット5の外観を示している。この実施例では、同図から容易に理解できるように、膜ろ過ユニット5の散気発生装置15の周辺に配される上記下部壁材24が下方に拡がるスカート部を形成している。このスカート部が、本発明のし渣排除機構を構成する。その他の構成は、従来の構成と実質的に変わるところがない。勿論、上記実施例1及び2の構成の何れか一方、又は両方を同時に採用することもできる。
このように、膜ろ過ユニット5の下端部をスカート部とすると、上部壁材20の外側を下方に流れる気泡が混在する気液混合流はスカート部に沿って、一旦は拡散方向へと流れるが、前記スカート部を越えた流れは、膜ろ過ユニット5の下端部に設置された散気発生装置15から放出される気泡の上昇により生成される気液混合流の上昇流に誘因されて拡大されたスカート下端縁から内側へと集約され、多量の気液混合流を発生させる。この集められた上昇流が下端の開口面積がスカート部のそれより小さい中空糸膜モジュール9の下端へと流れ込む。その結果、スカート部がないときの膜ろ過ユニットと比較すると、中空糸膜モジュール内を上方へ流れる流量が増して、中空糸膜エレメント10のスクラビング効果も向上することに加えて、気液混合流に混入されているし渣をも確実に移動させさせることが可能となる。その結果、上記実施例1及び2と同様に、膜ろ過ユニット5の長寿命化を達成することができる。
また前記スカート部は、その水平方向の延在長さを1mmより短くすると、気液混合流の集約量が殆どないに等しくなり、し渣を排除するほどの大きな流量の増加が望めない。また、1000mmを越えると集約しようとする周辺の気液混合流の流量が多すぎて、散気発生装置から発生する気泡の上昇による気液混合流の上昇流だけでは、それら周辺の流量を集約しきれなくなり、却って中空糸膜モジュール9の内部を通過する気液混合流がし渣を確実にモジュール外へと運び去る流量に達せず、し渣によるろ過不良が発生しやすくなる。また、同スカート部の前記壁材の下端の延長線に対する傾斜角度αを10°より小さくすると気液混合流の増加量が少なく、従来と殆ど変わらない結果となってしまう。また、70°を越えると、上記下降流が四方へと拡散してしまうため、いわゆる旋回流の発生自体を消滅させてしまい、汚泥の混合作用が低下する。
以上の説明は、本発明の典型的な実施形態について述べたものであるが、例えば上記実施例1〜3の何れか一つの構成を採用することもできるが、実施例1〜3を適宜組み合わせて実施することも可能であり、本発明は特許請求の範囲の均等領域において様々な変更が可能となる。
本発明の膜ろ過ユニットが適用される膜分離活性汚泥処理装置の多概略構成図である。 通常の膜ろ過ユニットの全体構成を一部破断して示す立体図である。 中空糸膜モジュールの構成部材である中空糸膜エレメントの構成例を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施例1である前記膜ろ過ユニットの構成部材の一つである中空糸膜モジュールの一例を示す立体図である。 前記膜ろ過ユニットの構成部材の一つである散気発生装置の立体図である。 本発明の実施例2である前記中空糸膜モジュールの一例を模式的に示す立体図である。 本発明の実施例3である前記膜ろ過ユニットを概略的に示す外観図である。
符号の説明
1 微細目スクリーン
2 原水調整槽
3 無酸素槽
4 ばっ気槽
5 膜ろ過ユニット
6 循環液の取出し部位
7 処理水槽
8 汚泥貯蔵槽
9 中空糸膜モジュール
10 中空糸膜エレメント
10a 中空糸膜
10g 中空糸膜エレメント群
11 膜シート
11a ポッティング材
12 ろ過水取出管
12a ろ過水取出口
12b L型継手
13 下枠
14 縦杆
15 散気発生装置
16 エア導入管(分岐管路)
17 散気管
18 エア主管
19 開閉バルブ
20 上部壁材
21 集水ヘッダー管
21a 集水口
21b L型継手
21c 吸水口
22 吸引管路
22a 分岐管路
23 開閉バルブ
24 下部壁材
24a 支柱
28 板材(し渣排除機構)
P1 第1送液ポンプ
P2 第2送液ポンプ
Pv 吸引ポンプ
A 微細間隙領域
B ばっ気ブロア
S 大きい間隙(し渣排除機構)

Claims (3)

  1. 嫌気槽と好気槽とを備え、前記好気槽には膜ろ過ユニットが浸漬され、排水を順次生物学的に処理して活性汚泥と処理水とに分離する分離活性汚泥処理法に適用される膜ろ過ユニットであって、同膜ろ過ユニットは、
    多数の多孔性中空糸を微細間隙をもって平行に並べて得られるシート状の複数枚の中空糸膜エレメントが、その多孔性中空糸を垂直方向に向けて所定の間隔をおいて平行に列設されてなる中空糸膜モジュールと、同中空糸膜モジュールの下方に配され、同モジュールの下端部に向けて微小な気泡を放出し、同中空糸膜モジュールの内部空間と外部空間との間で上下方向に旋回する気液混合流を発生させる微細気泡発生部とを備えてなり、
    前記膜ろ過ユニットが、前記混合流の一部に前記中空糸膜モジュールの多孔性中空糸膜間及びシート状の中空糸膜エレメント間に強制的な流れを形成して、混合流中に混在するし渣を中空糸膜モジュール外へと排除するし渣排除機構を有し、
    前記し渣排除機構は、前記複数枚の各中空糸膜エレメントを構成する多孔性中空糸膜間の間隙が微小である領域とその微小間隙領域の間に広い間隙を形成して、その広い間隙が気液混合流の上方に向かう流れの一部を横断方向に偏向するための偏向路となるとともに前記中空糸膜モジュールの並列方向に隣接する複数の中空糸膜エレメント間の一部間隔が広く形成され、その一部間隔の気液混合流の下端導入口に邪魔部材が配されてなり、同邪魔部材は前記一部間隔に隣接する複数枚の中空糸膜エレメントへと気液混合流を分配する流路偏向機能を有してなることを特徴とする膜ろ過ユニット。
  2. 前記膜ろ過ユニットは、前記中空糸膜モジュールと前記微細気泡発生部の周辺を囲うようにして配され上下を開口させた壁材を有してなり、
    前記し渣排除機構は、前記壁材の下端に裾が広がって延在するスカート部を有し、同スカート部が気液混合旋回流の下降流を集約して中空糸膜モジュールの下方に円滑に導く集約路を形成してなる請求項に記載の膜ろ過ユニット。
  3. 前記スカート部の水平方向の延在長さは1mm以上1000mm以下であり、同スカート部の前記壁材の下端の延長線に対する傾斜角度は10°以上70°以下である請求項記載の膜ろ過ユニット。
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