JP2005161218A - 膜分離装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 配管を外さなくても浄化槽から引き上げることができ、かつ配管内に溜まった空気を外部に排出して、ろ過水の流れを良好に保つことができる膜分離装置を提供する。
【解決手段】 ろ過槽7に浸漬された膜分離装置30は、槽外に引き上げて、ろ過膜31などの保守点検を行うため、全体が略U字形状を呈する程度に長さが調整されたろ過水供給管36を備えている。そして、ろ過膜31より気泡がろ過水に混入しても、ろ過水供給管36に流入する前に、T字管40にてろ過水中から気泡が分離される。そして、排気管39から気泡が外部に排出されるため、ろ過水供給管36には気泡が溜まらず、管内にろ過水を常時流れやすくすることができる。したがって、T字管40内のろ過水は、ろ過水供給管36を常時安定して流れるため、膜分離装置30のろ過性能を常時安定して保つことができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 ろ過槽7に浸漬された膜分離装置30は、槽外に引き上げて、ろ過膜31などの保守点検を行うため、全体が略U字形状を呈する程度に長さが調整されたろ過水供給管36を備えている。そして、ろ過膜31より気泡がろ過水に混入しても、ろ過水供給管36に流入する前に、T字管40にてろ過水中から気泡が分離される。そして、排気管39から気泡が外部に排出されるため、ろ過水供給管36には気泡が溜まらず、管内にろ過水を常時流れやすくすることができる。したがって、T字管40内のろ過水は、ろ過水供給管36を常時安定して流れるため、膜分離装置30のろ過性能を常時安定して保つことができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は膜分離装置に関し、詳細にはろ過膜により汚水をろ過する膜分離装置に関する。
従来、循環式水洗トイレシステムなどに使用される装置として、例えばろ過槽の内部に浸漬させる膜分離装置がある。この膜分離装置は、ろ過膜が複数枚固定されたろ過膜保持枠を内部に備え、当該ろ過膜保持枠の上部には、ろ過水を集水するろ過水集水管が配設されている。そして、ろ過水集水管の下流側端部には、ろ過水供給管が接続されており、このろ過水供給管にろ過水が流れこみ、ろ過槽の外部に供給されるようになっている。
このような膜分離装置のろ過膜は長期間使用すると、不純物などによる目詰まりが起こるため、ろ過膜の定期的な保守点検が必要である。そこで、これらの保守点検を容易にするために、例えば、槽本体に立設させた昇降ガイドに、ろ過膜の保持枠を昇降自在に保持させ、保持枠に形成された浮上用の部屋部分に空気を充填させることにより、保持枠を自動的に上昇させる膜分離装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この膜分離装置は、ろ過膜が固定されたろ過膜保持枠を、曝気槽の水面レベルまで簡単に上昇させることができるので、ろ過膜の保守点検を容易に行うことができる。
また、膜分離装置の下方位置に気泡を放出する散気管を配設し、さらに槽内の活性汚泥中に活性炭(浮遊体)を投入することより、散気管による水流によって活性炭を流動させ、その活性炭がろ過膜の洗浄を行って目詰まりを防ぐ自己洗浄機能を備えた浮遊体利用浸漬膜分離装置も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−319511号公報
特開平8−257581号公報
しかしながら、特許文献1に記載の膜分離装置は、曝気槽内を上昇できるのは、曝気槽内の水面レベルの高さまでであり、浄化槽より上方には引き出すことができないという問題点があった。また、何らかの理由で膜分離装置を槽外に引き上げる場合、膜分離装置の部屋部分に接続され、空気を供給するエアー配管をその都度外さなくてはならないため、面倒であるという問題点もあった。一方、特許文献2に記載の浸漬膜分離装置では、ろ過膜内に入り込んだ気泡が、集水管内に大量に溜まると、その気泡が集水管内を流れるろ過水の流れを阻害し、膜分離装置のろ過処理能力が低下するという問題点もあった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、配管を外さなくても浄化槽から引き上げることができ、かつ配管内に溜まった空気を外部に排出して、ろ過水の流れを常時良好に保つことができる膜分離装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の膜分離装置では、汚水を浄化する浄化槽に浸漬され、複数のろ過膜により被処理水をろ過する膜分離装置であって、当該膜分離装置のろ過膜保持枠に固定され、前記ろ過膜によりろ過されたろ過水を集水するろ過水集水管と、一端が前記ろ過水集水管の下流側に接続されるとともに、他端がろ過水供給先に接続され、当該接続状態で前記膜分離装置を前記浄化槽の上方に引き出し可能な長さとされた全体略U字状の可撓性を有するろ過水供給管と、前記ろ過水集水管の下流側において前記ろ過水集水管の上部に接続され、先端が前記浄化槽水面より上方に突出してろ過水に混入する空気を外部に排気する排気管とを備えている。
請求項1に記載の膜分離装置では、ろ過膜保持枠に固定されたろ過水集水管に一端が接続されたろ過水供給管は、浄化槽の上方に引き出し可能な長さとされた全体略U字状の可撓性を有する管である。したがって、膜分離装置のろ過膜の保守点検時などに、ろ過水集水管と、ろ過水供給管との接続を外さなくても、浄化槽から膜分離装置を上方に引き出すことができる。さらに、ろ過水に混入する空気は、ろ過水集水管の下流側に接続され、浄化槽水面より上方に突出する排気管から排気されるため、ろ過水供給管内に空気が溜まることがない。したがって、ろ過水供給管のろ過水の流れは、ろ過水中の気泡によって阻害されることがないため、膜分離装置のろ過処理能力を安定して確保することができる。
以下、本発明を適用した一実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の膜分離装置30を、ろ過槽7に備えた循環式水洗トイレシステム1の概念図であり、図2は、本発明の膜分離装置30を、ろ過槽7に備えた循環式水洗トイレシステム1の構成図である。なお、本発明の膜分離装置30は、循環式水洗トイレシステム1のろ過槽7内に浸漬され、生物処理槽6で処理された生物処理水をろ過膜により固液分離する装置である。また、この膜分離装置30を備えた循環式水洗トイレシステム1は、水洗便器5から排出される汚水に対して、生物処理および脱色処理を行い、その処理水を水洗便器5の洗浄水として再度循環させるものである。
はじめに、循環式水洗トイレシステム1の概略構成について説明する。図1および図2に示すように、循環式水洗トイレシステム1は、水洗便器5と、水洗便器5から排出される汚水を受け入れ、微生物による有機物分解およびアンモニアの硝化・脱窒処理を行う生物処理槽6と、当該生物処理槽6で処理された生物処理水を受け入れ、槽内に浸漬された膜分離装置30によりろ過処理を行うろ過槽7と、当該ろ過槽7でろ過されたろ過水を、オゾンによって脱色処理(酸化処理)する脱色槽8と、当該脱色槽8によって脱色処理された処理水を、水洗便器5に洗浄水として再度供給するポンプ12とから構成されている。
さらに、図1に示すように、循環式水洗トイレシステム1には、生物処理槽6に空気を供給するブロワー25、ろ過槽7に空気を供給するブロワー26が各々配設されている。一方、ろ過槽7には、生物処理水のpH(水素イオン濃度)を検出するpHセンサ27が配設されている。そして、ろ過槽7のpHに基づいて、ブロワー25の動作を制御する制御装置15が設けられている。また、脱色槽8には、脱色槽8内に貯留するろ過水にオゾンガスを吹き込むオゾン発生器29が接続されている。さらに、ろ過槽7には、ろ過処理によって残留する残留高濃度汚泥を、生物処理槽6に返送する返送汚泥管44が配設され、脱色槽8にも同様に、槽からオーバーフローする余剰分の脱色水(処理水)を、生物処理槽6に返送するオーバーフロー水管45が配設されている。
次に、生物処理槽6について、図2を参照して説明する。この生物処理槽6では、水洗便器5の汚水が供給され、汚泥中の微生物による有機物分解と、硝化・脱窒処理とが各々行われる。図2に示すように、生物処理槽6の、汚水が流入する側の内壁面6aには、上面が開口する箱型の除去スクリーン2が設けられている。この除去スクリーン2は、網目状になっており、汚水中の大きな夾雑物を除去する。そして、生物処理槽6の底面の略中央には、水中ポンプ41が設けられている。この水中ポンプ41は、モータを駆動させて水流を形成することにより、生物処理槽6内の汚泥を撹拌する。さらに、水中ポンプ41の上方には、複数の生分解性プラスチック板を内部に収納する収納ケース4が、チェーン43,43によって、生物処理槽6の上部から吊るされている。この収納ケース4も網目状になっているため、水中ポンプ41が形成する汚泥の流れはケース内を通過できる。なお、生分解性プラスチック板は、収納ケース4内に10枚収納されており、収納ケース4内の底面に対して垂直に降り立つようにして並列に収納されている。したがって、収納ケース4内を通過する汚泥は、生分解性プラスチック板の表面および裏面に接触しながら、収納ケース4内を通過する。
さらに、図2に示すように、生物処理槽6の底部には、散気管25a,25bが、水中ポンプ41を中央に挟むようにして配設されている。そして、散気管25aは、除去スクリーン2の下方に位置するように配設されており、散気管25aから放出される気泡は上昇し、除去スクリーン2の網目を通過する。したがって、除去スクリーン2の網目には夾雑物による目詰まりが生じにくい。そして、散気管25a,25bは、ブロワー25に接続され、ブロワー25は制御装置15に接続されている。このブロワー25は、制御装置15の制御により圧縮空気を生成し、その空気を散気管25a,25bに各々供給する。そして、散気管25a,25bからは多数の気泡が汚泥中に放出され、生物処理槽6内の汚泥が曝気されるようになっている。
また、生物処理槽6の底部には、生物処理槽6内の生物処理水を汲み上げ、ろ過槽7に供給する水中ポンプ9が設けられている。この水中ポンプ9は、水中ポンプ41と同種の一般的な水中ポンプであり、吐出量が多いため、循環式水洗トイレシステム1の稼働中は間欠運転(1分ON、10分OFF)し、ろ過槽7に生物処理水を断続的に供給している。
次に、ろ過槽7について、図2を参照して説明する。このろ過槽7では、生物処理槽6の水中ポンプ9から供給される生物処理水のろ過処理(固液分離)が行われる。図2に示すように、ろ過槽7の略中央には、膜分離装置30が浸漬されている。この膜分離装置30は、6枚のろ過膜31を内部に保持し、そのろ過膜31によって生物処理水のろ過処理が行われる。そして、ろ過膜31で固液分離されたろ過水は、ろ過膜31の上方に各々接続されたろ過水流入管33(図3参照)に流入し、さらに、ろ過膜31の上方に配設された1本のろ過水集水管34(図3参照)に集水される。次いで、ろ過水集水管34によって集水されたろ過水は、ろ過水連結管37(図3参照),T字管40(図3参照)およびろ過水供給管36を通過し、脱色槽8に供給される。また、ろ過槽7の水位は、脱色槽8の水位より高めに設定されているため、ろ過槽7と脱色槽8との水頭圧差が生じる。したがって、ろ過槽7の生物処理水は、その水頭圧差によって、ポンプなどを使用しなくても膜分離装置30のろ過膜31を自然に通過し、ろ過膜31を透過したろ過水は、ろ過水供給管36を通過して脱色槽8に供給される。なお、膜分離装置30の構造およびろ過処理については後述する。
また、図2に示すように、ろ過槽7には、pHセンサ27が配設されている。そして、pHセンサ27は、制御装置15に接続されている。このpHセンサ27は、ろ過槽7内の生物処理水のpHを検出し、そのpHの検出値を検出信号に変換して、制御装置15に出力する。さらに、膜分離装置30およびpHセンサ27の下方には、ブロワー26に接続された散気管26aが配設されている。このブロワー26は常時稼働しているため、ブロワー26から供給される空気は、散気管26aから放出され、微細な気泡となって上昇する。そして、散気管26aから放出された気泡により、膜分離装置30のろ過膜31の表面およびpHセンサ27が曝気される。すると、ろ過膜31の表面およびpHセンサ27に付着する汚泥が取り除かれ、自己洗浄を行うことができる。したがって、ろ過膜31の、汚泥などの不純物による目詰まりを防止でき、さらにpHセンサ27の汚泥付着による感度不良などを防止できる。また、ろ過膜31で固液分離されて、ろ過槽7に残存する残留高濃度汚泥は、水中ポンプ9から生物処理水が供給される際にろ過槽7の水量が増加するため、ろ過槽7よりオーバーフローして、返送汚泥管44により、生物処理槽6に返送される。なお、図1および図2に示すろ過槽7が、「浄化槽」に相当する。
次に、脱色槽8について、図2を参照して説明する。この脱色槽8では、ろ過槽7から供給されるろ過水のオゾンによる脱色および殺菌処理などが行われる。図2に示すように、脱色槽8の底部には、オゾン発生器29に接続された散気管29aが配設されている。そして、オゾン発生器29で生成されたオゾンガスが、散気管29aに供給されると、散気管29aからはオゾンガスが微細な気泡となって脱色水中に連続的に放出される。さらに、ろ過水がオゾンによって酸化処理されると、ろ過水中の色度成分が分解されてろ過水が脱色される。なお、オゾン処理前のろ過水は、薄い黄色を呈しているが、オゾン処理されることにより、ほぼ透明の処理水を得ることができる。また、オゾンによる酸化処理の効果は、色素成分の分解(脱色)に加え、ろ過水中に含まれる難分解性有機物を易分解性有機物に変換する効果がある。さらに、生物処理槽6での硝化処理が十分ではなく、アンモニアから硝酸に変化しきれなかった亜硝酸に対して、オゾンから酸素を付与することにより硝酸に変換する効果がある。なお、オゾン発生器29は、周知のオゾン発生器であり、空気中の酸素又は濃縮酸素を原料として、オゾンを発生する装置である。
そして、図2に示すように、脱色槽8でオゾン処理された処理水は、ポンプ12によって汲み上げられ、洗浄水として水洗便器5に供給される。なお、トイレの使用頻度が低い場合には、水洗便器5では洗浄水が使用されない上、ろ過槽7から脱色槽8にろ過水が供給され続けるため、脱色槽8は処理水で満タン状態になる。この場合、オゾン処理水の一部はオーバーフロー水として、オーバーフロー水管45により生物処理槽6に再度返送される。したがって、生物処理槽6において、返送されたオーバーフロー水中の易分解性有機物は分解され、オーバーフロー水中の硝酸は脱窒菌により脱窒される。
次に、制御装置15について説明する。図1および図2に示すように、この制御装置15には、ブロワー25およびpHセンサ27が各々接続されている。そして、制御装置15は、生物処理水のpHに基づくブロワー25の制御を行っている。また、図示しないが、制御装置15は、中央処理演算装置としてのCPUと、各種プログラムなどを記憶する読み出し専用のメモリであるROMと、実行中のプログラムを一時的に記憶したり、各種データなどを記憶する読み出しおよび書き込み可能なメモリであるRAMとを備えている。
次に、本発明の要部である膜分離装置30について、図3乃至図5を参照して説明する。図3は、膜分離装置30を槽内に浸漬した状態を示すろ過槽7の構成図であり、図4は、膜分離装置30をろ過槽7の上方に引き出した状態を示すろ過槽7の構成図であり、図5は、T字管40近傍の部分拡大図である。なお、この膜分離装置30は、循環式水洗トイレシステムや、産廃の排水処理装置および各種浄化槽などに配設され、内部に保持された複数枚のろ過膜31による固液分離により、生物処理水のろ過処理を行うものである。
まず、膜分離装置30の構造について説明する。図3に示すように、膜分離装置30は、生物処理水が貯留されているろ過槽7の略中央に浸漬されている。この膜分離装置30は、略直方体で上下が開放された筒状の外枠として形成されたろ過膜保持枠32と、当該ろ過膜保持枠32の内側に並列して配設された複数の平板状のろ過膜31と、当該ろ過膜31の上端部に各々接続され、ろ過されたろ過水が通過するろ過水流入管33と、当該ろ過水流入管33の各上端(図3に示す上端)の開口部に連結され、ろ過水流入管33から供給されるろ過水を集水するろ過水集水管34と、当該ろ過水集水管34の下流側に接続されたろ過水連結管37と、当該ろ過水連結管37の下流側に接続された正面視略T型形状のT字管40と、当該T字管40に接続され、全体略U字型状となる程度に長さが調整されたろ過水供給管36と、同じくT字管40に接続され、ろ過槽7より上方に突出して延設された排気管39とから構成されている。
次に、ろ過膜31について説明する。このろ過膜31は、平板形状を有する浸漬型のポリエチレン製液中膜である。この液中膜は、微多孔性であるため、「汚れ」の成分である不溶解性物質や、硝化菌および脱窒菌などの微生物および0.4ミクロン以上の不純物が除去される。そして、上述したように、ろ過槽7内の生物処理水は、隣接する脱色槽8との水頭圧差により、ろ過膜31を生物処理水が通過するため、ろ過水だけが脱色槽8に引き抜かれ、固液分離を確実に行うことができる。したがって、高度な処理レベルの水質を、常時安定して確保できる。また、散気管26aから放出される気泡と、その気泡によって形成される水流とがろ過膜31の表面に接触しながら上昇することで、ろ過膜31の膜面は常に洗浄されるため、目詰まりなどを防止でき、高度なろ過処理能力を安定して確保することができる。
次に、T字管40について、図5を参照して説明する。このT字管40は、固液分離されたろ過水から気泡を分離して外部に放出するための管である。図5に示すように、T字管40は、正面視略T字型形状の管であり、3つの開口部を有する。この3つの開口部とは、第1の開口部40aと、第2の開口部40bと、第3の開口部40cとである。そして、第1の開口部40aは、ろ過水連結管37の下流側端部の開口部に対向する位置に向けられ、第2の開口部40bは、ろ過槽7の上方に向かう位置に向けられ、第3の開口部40cは、ろ過槽7の底部に向かう位置に向けられるようにしてT字管40を配置させる。そして、第1の開口部40aには、ろ過水連結管37の下流側端部が接続され、第2の開口部40bには、上方に延設された排気管39の上流側端部が接続され、第3の開口部40cには、下方に延設するろ過水供給管36の上流側端部が接続されている。
次に、ろ過水供給管36について、図3および図4を参照して説明する。このろ過水供給管36は、膜分離装置30によって固液分離されたろ過水を、脱色槽8に供給する管である。また、ろ過水供給管36は、可撓性を有する塩化ビニル配管であり、自由自在に折り曲げ可能である。そして、図3に示すように、ろ過水供給管36は、T字管40の第3の開口部40cにその一端側が接続され、当該一端側とは反対の他端側は、脱色槽8と隣接して共有する壁面の略中央よりやや下部付近の挿通口(図示外)に挿入されて固定されている。そして、ろ過水供給管36の長さは、膜分離装置30をろ過槽7の上方に引き出せる程度の長さに調整されており、全体略U字状となってその中間が下方に垂れ下がった状態となっている。したがって、図4に示すように、ろ過膜31の保守点検時および取り換え時などに、膜分離装置30をろ過槽7の上方に引き上げた場合、全体が略U字状のろ過水供給管36が上方に伸長するため、ろ過水供給管36をT字管40の第3の開口部40cから外す手間がなく、迅速かつ簡単にろ過膜31の保守点検および交換などを行うことができる。
次に、排気管39について、図3を参照して説明する。この排気管39は、T字管40に流入したろ過水中から気泡を分離して、外部に排出するための管である。図3に示すように、排気管39は、T字管40の第2の開口部40b(図5参照)に接続され、ろ過槽7の上方に向かって延設されている。そして、その上方に向かって延設する排気管39の先端部は、略直角に折り曲げられ、折り曲げ部39aを形成している。この折り曲げ部39aは、排気管39の下流側先端の開口部より、雨水などが入り込まないようにするために設けられている。なお、折り曲げ部39aの折り曲げ角度については、略直角に限らず、雨が振り込まなければよく、さらに鋭角に折り曲げてもよい。
次に、膜分離装置30のろ過処理について、図2,図3および図5を参照して説明する。まず、図2に示すように、ろ過槽7に、生物処理槽6から微生物処理された生物処理水が、水中ポンプ9により供給される。そして、ろ過槽7と脱色槽8とには、水頭圧差が生じるため、ろ過槽7の生物処理水は、ろ過膜保持枠32(図3参照)に保持された6枚のろ過膜31をそれぞれ通過する。次いで、図3に示すように、各ろ過膜31によって固液分離されたろ過水は、ろ過水流入管33を各々通過し、1本のろ過水集水管34に集水される。また、ろ過槽7に貯留する生物処理水は、散気管26aの気泡によって曝気されているため、その気泡の一部はろ過膜31に入り込み、ろ過水集水管34に集水されたろ過水には気泡が混入している。
次いで、図3又は図5に示すように、ろ過水集水管34によって集水されたろ過水は、ろ過水連結管37を介して、T字管40の第1の開口部40aからT字管40の内部に流入する。そして、前述したように、この第1の開口部40aから流入したろ過水中には気泡が混入している。そこで、ろ過水供給管36のように、その管の全体が略U字状となる程度に長く調整されている場合、ろ過水中の気泡はろ過水供給管36内を流れずに、そのろ過水供給管36の入り口付近に溜まってしまい、1つの大きな気泡となって管内に留まる。すると、その管内に留まっている気泡が壁となってしまい、ろ過水がろ過水供給管36を流れず、膜分離装置30のろ過処理能力が極端に低下する。そこで、本実施形態の膜分離装置30では、T字管40に流入したろ過水中の気泡は、ろ過水中から分離し、第2の開口部40bへ向かう。そして、第3の開口部40cからは、気泡が分離したろ過水のみが流出する。そして、第2の開口部40bへ向かった気泡は、排気管39を通過して外部に排出される。一方、第3の開口部40cから流出されたろ過水は、第3の開口部40cに接続されたろ過水供給管36を通過して、脱色槽8に供給される。したがって、全体が略U字状になる程度に長さが調整されたろ過水供給管36において、ろ過膜31より気泡がろ過水に混入しても、ろ過水供給管36に流入する前に、T字管40にてろ過水中から気泡だけが分離される。そして、その気泡が排気管39から外部に排出されるため、ろ過水はろ過水供給管36内を常時安定して流れることができる。また、ろ過水供給管36内をろ過水が常時安定して流れるため、膜分離装置30のろ過処理能力が低下することなく、ろ過水量を安定させて脱色槽8に供給することができる。
次に、生物処理槽6における微生物処理について、図2を参照して説明する。生物処理槽6における微生物処理は、汚水中の有機物分解に加え、硝化菌による硝化処理、および脱窒菌による脱窒処理が行われる。具体的には、水洗便器5から流入する汚水中のアンモニアは、硝化菌によって硝酸に変換される。そして、硝化されて生成した硝酸は、脱窒菌によって脱窒され、大気中に放出される。特に、脱窒菌は、汚水中の有機物を資化源(エネルギー源)として利用することにより、脱窒処理を行う。ここで例えば、循環式水洗トイレシステム1の使用頻度が低い場合は、生物処理槽6への汚水の流入量が減少するため、汚水中の有機物濃度は一時的に低下することがある。このように汚水中の有機物濃度が低い状態が継続する場合は、脱窒菌は十分な脱窒処理を行うことができない。そこで、汚水中の有機物濃度が低い場合、脱窒菌は、図2に示す収納ケース4に収容された生分解性プラスチック板を資化源として利用する。したがって、生物処理槽6の汚水の有機物濃度は、生分解性プラスチック板の投入により、少なくとも脱窒菌が脱窒処理に必要な濃度に常時確保されている。また、生分解性プラスチック板は、微生物によって分解されるので、収納ケース4を水面より引き上げ、生分解性プラスチック板を定期的に補充する。なお、本実施形態の生分解性プラスチック板は、収納ケース4に10枚収納されているが、生分解性プラスチック板の枚数は、汚水中の有機物濃度を考慮して決定するのが好ましい。
次に、微生物活性とpHとの関係について説明する。上述したように、図2に示す生物処理槽6の汚水には、好気性の硝化菌と、嫌気性の脱窒菌とが存在する。そして、生物処理槽6の汚水を好気的条件下にすると、硝化菌の活性が優勢となり、硝化菌により生成された硝酸が汚水に蓄積され、汚水pHは低下する。また、汚水を嫌気的条件下にすると、脱窒菌の活性が優勢となり、汚水に蓄積された硝酸は脱窒されるので、前者とは反対にpHは上昇する。また、これら硝化菌および脱窒菌の活性は、pHに大きく依存する。例えば、硝化菌の活性が最も高くなる至適pHは一般的に6.5〜8.0と言われ、脱窒菌の活性の至適pHは7.0〜8.5と言われている。したがって、pHが7〜8の範囲内にあれば、硝化・脱窒処理は安定して行われる。そこで、制御装置15は、ろ過槽7に設けられたpHセンサ27が検出する生物処理水のpHに基づいて、生物処理槽6のブロワー25の動作を制御する。そして、生物処理槽6の曝気量を制御し、pHが7〜8付近になるように調整する。なお、本実施形態の制御装置15では、ブロワー25を動作させるpHの閾値をpH7.5に設定して、生物処理槽6内のpHを制御している。
次に、制御装置15によるブロワー25の制御について、図2を参照して説明する。まず、ろ過槽7に設けられたpHセンサ27が、生物処理槽6から汲み上げられた生物処理水のpHを検出する。そして、pHセンサ27は、pH検出値を検出信号として、制御装置15に出力する。さらに、制御装置15は、そのpHセンサ27から出力された検出信号に基づくpH検出値が、7.5を超えているかどうかを判断する。そして、生物処理水のpHが7.5を超えている場合は、生物処理槽6内のpHが高いので、汚水中の硝酸濃度が低く、脱窒処理が進んでいることが考えられる。さらに、硝化処理を行う硝化菌の活性が低下しているとも考えられる。そこで、制御装置15は、ブロワー25に動作を「オン」とするための制御信号を送信する。すると、ブロワー25が動作を開始し、ブロワー25から供給される空気は、散気管25a,25bから生物処理槽6内に放出される。すると、汚水が好気的条件下になり、好気性菌である硝化菌の活性が高くなり、嫌気性菌である脱窒菌の活性が抑えられるので、pHが低下する。
また、生物処理水のpHが7.5以下の場合は、生物処理槽6内のpHが低いので、汚水中の硝酸濃度が高く、硝化処理が進んでいることが考えられる。さらに、脱窒処理を行う脱窒菌の活性が低下していることも考えられる。そこで、制御装置15は、ブロワー25に動作を「オフ」とするための制御信号を送信する。すると、ブロワー25は動作を停止する。そして、汚水が嫌気的条件下になり、嫌気性菌である脱窒菌の活性が高くなり、好気性菌である硝化菌の活性が抑えられるので、pHが上昇する。こうして制御装置15は、pHセンサ27の検出結果と、pHの閾値とを比較して、ブロワー25の動作を制御することにより、生物処理槽6内のpHを制御し、硝化菌および脱窒菌の活性を調整する。
以上説明したように、本実施形態の膜分離装置30は、全体が略U字状となる程度に長さが調整された可撓性のろ過水供給管36を備えている。したがって、ろ過水供給管36を外さなくても、膜分離装置30をろ過槽7の上方に引き出すことができるため、ろ過膜31などの保守点検を迅速かつ容易に行うことができる。そして、ろ過膜31より気泡がろ過水に混入しても、T字管40において、ろ過水中から気泡が分離される。そして、排気管39から気泡が外部に排出されるため、T字管40およびろ過水供給管36には気泡が溜まらず、管内におけるろ過水の流れを常時確保することができる。したがって、T字管40内で気泡が分離されたろ過水は、ろ過水供給管36を安定して流れるため、膜分離装置30のろ過処理能力が落ちることがなく、ろ過水量を常時安定して脱色槽8に供給することができる。
なお、本発明は、上記の一実施形態に限定されることなく、各種の変形が可能である。例えば、本実施形態の膜分離装置30のろ過膜保持枠32に保持されたろ過膜31の枚数は、6枚であるが、これに限らず目的とされる浄化度に合わせて、ろ過膜31の保持枚数を多くしたり、少なくしたりしてもよい。
また、ろ過水集水管34には、ろ過水連結管37を介してT字管40を設けたが、ろ過水集水管34,ろ過水連結管37とを一体にしてもよく、さらに、排気管39とも併せて一体にしてもよい。
本発明の膜分離装置は、循環式水洗トイレのろ過槽に限らず、生活排水および工業排水などの浄化槽にも利用できる。
1 循環式水洗トイレシステム
7 ろ過槽
30 膜分離装置
31 ろ過膜
32 ろ過膜保持枠
33 ろ過水流入管
34 ろ過水集水管
36 ろ過水供給管
37 ろ過水連結管
39 排気管
40 T字管
7 ろ過槽
30 膜分離装置
31 ろ過膜
32 ろ過膜保持枠
33 ろ過水流入管
34 ろ過水集水管
36 ろ過水供給管
37 ろ過水連結管
39 排気管
40 T字管
Claims (1)
- 汚水を浄化する浄化槽に浸漬され、複数のろ過膜により被処理水をろ過する膜分離装置であって、
当該膜分離装置のろ過膜保持枠に固定され、前記ろ過膜によりろ過されたろ過水を集水するろ過水集水管と、
一端が前記ろ過水集水管の下流側に接続されるとともに、他端がろ過水供給先に接続され、当該接続状態で前記膜分離装置を前記浄化槽の上方に引き出し可能な長さとされた全体略U字状の可撓性を有するろ過水供給管と、
前記ろ過水集水管の下流側において前記ろ過水集水管の上部に接続され、先端が前記浄化槽水面より上方に突出してろ過水に混入する空気を外部に排気する排気管と
を備えることを特徴とする膜分離装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003404554A JP2005161218A (ja) | 2003-12-03 | 2003-12-03 | 膜分離装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003404554A JP2005161218A (ja) | 2003-12-03 | 2003-12-03 | 膜分離装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005161218A true JP2005161218A (ja) | 2005-06-23 |
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ID=34727514
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003404554A Pending JP2005161218A (ja) | 2003-12-03 | 2003-12-03 | 膜分離装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2003
- 2003-12-03 JP JP2003404554A patent/JP2005161218A/ja active Pending
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