JP2007160234A - 浸漬型膜モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 維持管理作業の効率化を図るため、浄化槽の槽内から容易に引き上げることができる浸漬型膜分離装置に使用する浸漬型膜モジュールを提供する。
【解決手段】 膜モジュール11を浄化槽21から取り外す際に、膜モジュール11の上方の導通口111に大気開放された第1パイプ113が接続されていることにより、液面が浄化槽21における被処理液の液面より高い膜モジュール11内のろ過液には水頭圧が加わるため、膜モジュール11の下方の導通口112に接続された第2パイプ114から短時間でろ過液が排出される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生活排水を浄化するための浸漬型膜分離装置に使用する浸漬型膜モジュール、特に維持管理作業の効率化を図るため、浄化槽の槽内から容易に引き上げることができる浸漬型膜分離装置に使用する浸漬型膜モジュールに関する。
環境汚染防止のため生活排水を総合的に浄化させ、放流することは社会的にも重要であり、小型合併浄化槽への膜分離法を適用することもひとつの手段として開発に注力されている。小型膜分離合併浄化槽においては、安定した膜ろ過性能が発揮されている場合、処理水のBOD(生物化学的酸素要求量)が5mg/L以下の非常に良好な水質が得られるという、他の型式にはない優位性がある。しかし、何かのトラブルが生じると機能の回復に手間がかかり良好な機能が維持されている時と、そうでない時のギャップが大きいとの指摘もあり、長期間にわたり安定した機能を発揮するためには膜のろ過性能の確保はもとより、活性汚泥濃度の調整、膜の薬品洗浄の実施や散気装置などの付属機器類についても、より厳密に維持管理を行う必要がある。維持管理の留意事項については、(財)日本環境整備教育センター、「膜分離型小型合併浄化槽維持管理ガイドライン」に示されるように、徐々に設置基数の増加も見られるが、他の型式にはない膜分離法特有の維持管理項目も多いことから、そのポイントを十分に把握しトラブルを未然に防止できるような運転管理が最も重要とされる。
これらの方法が実用的であるためには、受容され得るコストパフォーマンスだけでなく、コンパクトであること、維持管理が容易であることなどが必要条件であり、被処理液中に膜エレメントを浸漬し、空気の浮力を利用したクロスフローろ過法が効率的な省エネ型の膜ろ過装置として既に多くの分野で利用されている。特に、維持管理性においては、膜分離装置全体を浸漬槽から引き上げる作業や浸漬された膜モジュールのみを引き上げる作業などが維持管理状況に応じて必要とされる。
浸漬型膜分離装置に用いられる膜分離モジュールとしては、複数の平板型膜エレメントを所定の間隔(5〜10mm)で平行に配列したプレート型膜モジュール、外径と内径が数ミリメートル程度の中空糸膜を多数集合させて両端を集束固定した中空糸膜モジュールなどが一般的に知られている。なお、ここで言う膜エレメントとは、ろ過体の最小単位をいい、膜エレメントを複数化させることで大型化された膜モジュールを形成するものである。
これらの従来検討されてきた膜モジュールでは、小型膜分離合併浄化槽のような膜ろ過装置としては必ずしもコンパクトおよび経済的とは言えず、また維持管理性においても、もともと装置全体が重いため、引き上げるためには特別な道具や複数の作業員を必要としたり、円形のマンホール口よりの装置の出し入れを行ったりする必要があり、維持管理性は必ずしも満足できるものではなかった。
また、複数の平板型膜エレメントを所定の間隔(5〜10mm)で平行に配列し、前もってその両端部を集束固定させた一体型のプレート型モジュール(例えば、特許文献1参照)や内面に被処理液のろ過機能を有する管状膜の複数本からなる管状膜群を収納容器に収納した管状膜モジュール(例えば、特許文献2参照)において、膜モジュールを一体化することにより単位膜面積当たりの膜モジュールコストを削減させると同時にコンパクト化することも考えられている。しかし、これらの一体型の膜モジュールでも、例えば、円筒形の容器に収納された管状膜モジュールの場合、Nπd2/4Sで示される収納容器への管状膜の充填率(Nは管状膜の収納容器への収納本数、dは管状膜の外径、Sは収納容器の軸方向に垂直な断面の断面積)が少なくとも70%と仮定した場合に、残りの30%は、ほぼろ過処理後のろ過液が占める割合となり浸漬された膜モジュールを引き上げるためには、膜モジュール自身の重量と膜モジュールのろ過液側に封入された30%のろ過液の容積重量とを同時に引き上げることになる。また浸漬された膜モジュールを無理やりに被処理液中から大気中に引き上げ、水頭差による圧力でろ過液貯留槽側から被処理液側へと逆洗のような形で逆ろ過させた場合には、精密ろ過膜で形成された管状膜と言えども非常に時間を必要とし、またそれが閉塞した膜モジュールであるならば完全にろ過液が抜けきるまでに数時間を要する。さらに急激に引き上げた場合には膜自身や集束固定部などに必要のない大きな圧力をかけることになり、膜モジュールの破損原因に繋がるとともに、何よりも重労働な作業となる問題があった。
これに対し、膜モジュール下部にろ過液側につながるドレンバルブなどを取り付けることにより、膜モジュール内のろ過液を簡単に抜き出すことは可能であるが、膜モジュールを槽内より引き上げてからバルブを開けるのでは軽量化の意味はなく、また浸漬中にバルブを開ければ膜モジュールのろ過液側に汚泥を進入させ、膜モジュール全体を汚染させることになったり、運転再開時におけるバルブの閉め忘れなどのトラブル原因にも繋がるため、問題解決には至らなかった。
特開平9−299951号公報 国際公開第02/013954号パンフレット
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するべくなされたもので、維持管理作業の効率化を図るため、浄化槽の槽内から容易に引き上げることができる浸漬型膜分離装置に使用する浸漬型膜モジュールを提供することを目的とする。
本発明に係る浸漬型膜モジュールは、重力ろ過によるろ過処理を行う浸漬型膜分離装置に使用する膜モジュールであって、膜モジュールの上方および下方にろ過処理後のろ過液が貯留される貯留槽への導通口を少なくともそれぞれ1つずつ有し、上方の導通口は大気開放された第1パイプに接続される一方、下方の導通口はろ過液を排出する第2パイプに接続されることを特徴とするものである。
上記構成の浸漬型膜モジュールによれば、膜モジュールのろ過処理後のろ過液が貯留される貯留槽への導通口が膜モジュールの上方および下方に少なくとも1つずつ設けられている。上方の導通口には、第1パイプが接続され、大気開放される。また、下方の導通口には、第2パイプが接続され、膜モジュールによりろ過されたろ過液を排出する。
ここで、膜モジュールを浄化槽から取り外す際に、膜モジュールの上方の導通口に大気開放された第1パイプが接続されていることにより、液面が浄化槽における被処理液の液面より高い膜モジュール内のろ過液には水頭圧が加わるため、膜モジュールの下方の導通口に接続された第2パイプから短時間でろ過液が排出される。
したがって、浸漬型膜分離装置の維持管理作業のために、膜モジュールを引き上げる際、短時間で膜モジュールの重量を軽くすることができるため、膜モジュールを槽内から容易に引き上げることができ、浸漬型膜分離装置の維持管理作業の効率化を図ることができる。
また、膜モジュールに複数の導通口を設けることにより、浄化槽内に浸漬された状態でのインライン薬洗法における薬液の注入の際、薬液を膜モジュール全体に均一に行き渡らせることもできる。
好ましくは、前記第1パイプおよび第2パイプが導通可能に接続されているように構成される。
この場合、膜モジュールを浄化槽から取り外す際に、ろ過液を排出する第2パイプに大気開放された第1パイプが接続されていることにより、液面が浄化槽における被処理液の液面より高い第2パイプ内のろ過液にも直接的に水頭圧が加わる。したがって、膜モジュールの下方の導通口に接続された第2パイプからより短時間でろ過液を排出させることができる。
好ましくは、前記第1パイプに大気の開放または密閉を切り替える切替機構を有するように構成される。
この場合、切替機構により第1パイプを密閉させるとともに、第2パイプの先に吸引ポンプを取り付け、吸引することにより、負圧をかけてろ過を促進させる吸引ろ過方式にも対応可能となる。したがって、様々な態様の浸漬型膜分離装置においても維持管理作業の効率化を図ることができる。
好ましくは、前記膜モジュールは、上下端が集束固定された多数の管状膜を具備するように構成される。
この場合、膜モジュールが多数の管状膜よりなるため、管状膜自身がエアリフトポンプ作用を有することとなり、被処理液の液面がかなり低下した位置にあってもろ過処理が可能となる。したがって、膜モジュールの小型化による浸漬型膜分離装置の小型化を達成することができるとともに、浄化槽の可変容量を大きくすることが可能となるため、浄化槽自身もより小型化することができる。
本発明に係る浸漬型膜モジュールによれば、膜モジュールを浄化槽から取り外す際に、膜モジュールの上方の導通口に大気開放された第1パイプが接続されていることにより、液面が浄化槽における被処理液の液面より高い膜モジュール内のろ過液には水頭圧が加わるため、膜モジュールの下方の導通口に接続された第2パイプから短時間でろ過液が排出される。したがって、浸漬型膜分離装置の維持管理作業のために、膜モジュールを引き上げる際、短時間で膜モジュールの重量を軽くすることができるため、膜モジュールを槽内から容易に引き上げることができ、浸漬型膜分離装置の維持管理作業の効率化を図ることができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係る浸漬型膜モジュールを備えた浸漬型膜分離装置を浄化槽に配置したところを側方から見た部分断面図である。
本発明に係る浸漬型膜モジュール11は、重力ろ過によるろ過処理により被処理液をろ過する浸漬型膜分離装置1に使用する浸漬型膜モジュール11であって、膜モジュール11の上方および下方にろ過処理後のろ過液が貯留される貯留槽110への導通口111,112を少なくともそれぞれ1つずつ有し、上方の導通口111は大気開放された第1パイプ113に接続される一方、下方の導通口112はろ過液を排出する第2パイプ114に接続されることを特徴とするものである。
さらに、本実施形態においては、連絡パイプ115により、第1パイプ113および第2パイプ114が導通可能に接続されているように構成される。
はじめに、浄化槽21における浸漬型膜分離装置1の機能について説明する。合併処理機能を有する浄化槽21は、大別して2から3の槽より構成される。例えば、3槽の場合は、固液分離槽、脱窒槽および硝化槽から構成され、2槽の場合は、固液分離槽および硝化槽から構成される。本実施形態の浄化槽21においては、図1に示されるように、槽22と槽23とが仕切り板24で仕切られており、槽22が固液分離槽または脱窒槽に該当し、槽23が硝化槽に該当するが、本発明はこれに限定されるものではない。浸漬型膜分離装置1は、硝化槽23に設置され、前段の槽22から移送パイプ25を経て送り込まれる被処理液である生活排水(汚水)を硝化槽23の活性汚泥を用いてろ過処理する。なお、生活排水の移送量が急激に増加したり、ろ過性能が低下したりして硝化槽23の水位が上限HWLを超えると警報(図示せず)が作動するべく構成される。
浸漬型膜分離装置1は、膜モジュール11の下方に気泡供給装置12が設置されており、気泡供給装置12の散気装置10から膜モジュール11全体に略均一に気泡が送り込まれる。膜モジュール11に下方から送り込まれた気泡は、活性汚泥を含む被処理液を随伴しながら膜モジュール11内を上昇し、その上端から放出される。これにより、曝気中、被処理液は、硝化槽23内において膜モジュール11内外を循環し、この間、膜モジュール11においてろ過処理が行われる。
膜モジュール11においてろ過処理が行われた後のろ過液は、膜モジュール11の貯留槽110に貯留され、導通口111,112を通じて排出される。導通口111には、大気開放された第1パイプ113が接続される一方、導通口112には、ろ過液を排出するポンプ27に通じる第2パイプ114が接続されるとともに、第1パイプ113および第2パイプ114のそれぞれに第1パイプ113と第2パイプ114とを導通可能に連絡する連絡パイプ115が接続され、第2パイプ114が第1パイプ113と導通可能に接続される。これにより、導通口111または112の位置をろ過圧(水頭圧)の基準として活性汚泥を含む被処理液は重力ろ過される。ろ過処理されたろ過液が第2パイプ114を通じてポンプ27でくみ上げられ、消毒槽28に送られる。消毒槽28に送られたろ過液は、消毒されて排出口29から排出される。なお、第1パイプ113は、必要に応じて、大気開放口から薬液を注入することにより、膜モジュール11の洗浄作業に利用することも可能である。
本実施形態においては、膜モジュール11の着脱作業時における障害物を少なくするために、ポンプ27を浄化槽21に固定している。このため、第2パイプ114が浄化槽21から膜モジュール11を取り出す際に不都合が生じない長さにするとともに、第2パイプ114全体を少なくとも上方の導通口111の高さより高くしないように設置する必要がある。第2パイプ114の一部がろ導通口111より高い位置にあると、被処理液面が低下したときに、第2パイプ114の一部に空気溜りができてろ過液がポンプ27に送れない場合があるからである。
本実施形態のポンプ27には、エアリフトポンプが用いられる。ポンプ効率を上げるためには、ろ過液の入口はできるだけ、下方にあることが好ましい。第2パイプ114からポンプ27に入ったろ過液は、エアポンプ(図示せず)から送り出された空気が空気導入口26からポンプ27内に噴出した気泡に随伴して上昇し、消毒槽28に送られる。なお、ポンプ27を膜モジュール11に固定することとしてもよい。
本実施形態の膜モジュール11としては、内面にろ過機能を有した集束管状膜116を円筒状の収納容器117に収納した管状膜モジュールを用いている。集束管状膜116と収納容器117との間隙がろ過液の貯留槽110となる。
より具体的には、本実施形態の収納容器117には、外径が318mm、長さが580mmの円筒形のPVC管を用いている。その収納容器117には、625本の管状膜が集束され、収納容器117の上下端で熱硬化性樹脂5によって集束固定された多数の管状膜である集束管状膜116が介装されている。集束管状膜116の有効膜面積は、11.0m2である。
1本の管状膜の構成としては、例えば、特開昭48−45832号公報に記載されたような、ポリエステルやポリプロピレンなどの不織布と一体に形成された有機高分子膜を管状に加工したものが好ましい。その加工方法としては、例えば、特公昭56−35483号公報に記載されたような、ポリエステル製の不織布と有機高分子膜が一体になったテープ状の複合膜を、内径(例えば11mm)を規定する心棒に螺旋状に巻き付けながらその長手方向の周辺部を互いに重ね合わせ、重なり部分を接着剤による接着あるいは超音波溶着することによって連続的に製造することが好ましい。例えば、株式会社ユアサコーポレーション製の管状膜であって、内径11mm、膜厚約0.15mmで平均孔径0.4μmの微孔が多数形成されており、JIS K 3802の定義から精密ろ過膜と呼ばれているものを使用する。この加工方法によれば、内面に被処理液のろ過機能を有した管状膜も外周面に被処理液のろ過機能を有した管状膜も連続的に製造することができるとともに、その内径の設定も心棒の太さを変えることによって任意に製作することができるので経済的にも有利である。
また、このような管状膜は、少なくとも内面とこの内面に対応する外周面との重なり部分に、わずかな突起が部分的に形成されるので、ろ過時にその突起によって被処理液の流れを乱流化することができて膜面に付着した夾雑物などのろ別成分も剥離させやすい。また、管状膜は、中空糸膜と平板型膜の双方の利点を兼ね備えている。すなわち、中空糸膜に比べると内径が大きいので夾雑物を容易に除去することができ、平板型膜に比べるとモジュールの有効膜面積を大きくできるのでコンパクトな設計が可能である。
また、膜モジュール11が多数の管状膜よりなるため、管状膜自身がエアリフトポンプ作用を有することとなり、被処理液の液面がかなり低下した位置にあってもろ過処理が可能となる。したがって、膜モジュール11の小型化による浸漬型膜分離装置1の小型化を達成することができるとともに、浄化槽21の可変容量を大きくすることも可能となるため、浄化槽21自身もより小型化することができる。
ここで、膜モジュール11を浄化槽21から取り外す際について説明する。膜モジュール11を浄化槽21から取り外すために膜モジュール11を引き上げた際、膜モジュール11の上方の導通口111に大気開放された第1パイプ113が接続されていることにより、液面が浄化槽21における被処理液の液面より高い膜モジュール11内のろ過液には水頭圧が加わるため、膜モジュール11の下方の導通口112に接続された第2パイプ114から短時間でろ過液が排出される。また、本実施形態においては、ろ過液を排出する第2パイプ114に大気開放された第1パイプ113が連絡パイプ115を介して接続されていることにより、液面が浄化槽21における被処理液の液面より高い第2パイプ114内のろ過液にも直接的に水頭圧が加わる。したがって、膜モジュール11の下方の導通口112に接続された第2パイプ114からより短時間でろ過液を排出させることができる。
ここで本実施形態における浸漬型膜モジュール11の効果について従来型構造と比較しつつより詳しく説明する。図2は図1の浸漬型膜分離装置において膜モジュールを引き上げた時の概略状態図である。また、図5は従来の浸漬型膜モジュールを使用する浸漬型膜分離装置において膜モジュールを引き上げた時の概略状態図である。なお、図5に示すように、従来型の膜モジュール11’には、円筒状の収納容器117’の側面上方に1個所のみ導通口111’が設けられており、第1パイプ113’および第2パイプ114’が接続されている。その他の構成については本実施形態と同様であり、図1または2と同じ符号を付し、説明は省略する。
膜モジュールを槽内より引き上げた場合、従来型膜モジュール11’の引き上げ時には、図5に示すように、第2パイプ114’へは流れず、ろ過液の貯留槽110’に封入されたろ過液がそのまま残存する。水頭差による圧力で透過液側から被処理液側へと逆洗のような形で逆ろ過され、ろ過液は徐々に抜けていくであろう(図5の破線矢印参照)が、短時間で貯留されたろ過液を抜くことはできず、大半を抜くためには数時間を要する。また、それが長期間運転され、膜面の閉塞した膜モジュール11’であるならば、さらに時間を必要とすることは言うまでもない。
一方、本発明における膜モジュール11の引き上げ時にも同様に膜モジュール11の貯留槽110に封入されたろ過液が残存するが、図2に示すように、膜モジュール11を引き上げることにより、上方の導通口111を介して大気開放された第1パイプ113より空気を膜モジュール11(の貯留槽110)内に取り入れ、水頭差による圧力を用いて貯留槽110に封入されたろ過液を下方の導通口112より速やかに(約数10秒で)排出することができる(図2の矢印参照)。これは一度ろ過膜を透過させたろ過液を再度、被処理液側(1次側)に逆ろ過させる操作とは異なり、ろ過液側(2次側)へと送り出す操作であり、ろ過液の無駄も生じないため、より効率的でもある。
以上のように、浸漬型膜分離装置1の維持管理作業のために、膜モジュール11を引き上げる際、短時間で膜モジュール11の重量を軽くすることができるため、膜モジュール11を槽内から容易に引き上げることができ、浸漬型膜分離装置1の維持管理作業の効率化を図ることができる。
また、膜モジュール11に複数の導通口111,112を設けることにより、浄化槽内に浸漬された状態でのインライン薬洗法における薬液の注入の際、薬液を膜モジュール11全体に均一に行き渡らせることもできる。
なお、本実施形態における導通口111,112は、収納容器117の側面の上方および下方にそれぞれ1つずつ設けられるが、上方または下方の導通口はそれぞれ複数設けられてもよい。
以下、本発明のその他の実施形態について例示して説明する。図3は本発明の他の実施形態に係る浸漬型膜モジュールの特徴部分を中心とする側方部分断面図である。
図3(a)においては、図1の形態と異なり、導通口111および112を膜モジュール11の筐体外で導通させることなく、第1パイプ113を導通口111に、また、第2パイプ114を導通口112に、それぞれ独立に接続している。また、図3(b)においては、第2パイプ114とは独立して、膜モジュール11の上方から第1パイプ113を接続し、膜モジュール11の内部で膜モジュール11のろ過液側に連通された構成となっている。特に、図3(b)の場合は、膜モジュール11の貯留槽110の最上部に第1パイプ113を連通することができるため、上記のインライン薬洗法における薬液注入の際、貯留槽110の最上部に空気溜りができることがなく、薬液が貯留槽110内全体に行き渡らせることができる(空気溜りによる槽面への薬液の非接触を防止することができる)。
また、図3(c)においては、図1の構成に加えて、第1パイプ113に大気の開放または密閉を切り替える切替機構であるエアバルブ118を有するように構成される。この場合、エアバルブ118により第1パイプ113を密閉させるとともに、第2パイプ114の先に吸引ポンプを取り付け、吸引することにより、負圧をかけてろ過を促進させる吸引ろ過方式にも対応可能となる。したがって、様々な態様の浸漬型膜分離装置においても維持管理作業の効率化を図ることができる。
なお、以上のような本発明の構成は一例であってこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能であり、これと同様の効果を奏する多数の態様を得ることができる。
ここで、図1の本発明に係る膜モジュール11と図5の従来型の膜モジュール11’とにおいて、膜モジュール引き上げ時の重量の比較を行った。膜モジュール11,11’の一基当たりの単独乾燥重量は、ともに約4.5kgのものを使用した。この場合、膜が湿潤状態で引き上げの為の取手や付属品を加算して、ともに約7.6kgであった。これは、透過液側のろ過液を完全に抜き出すことで、この重量が極端な構造変更や材質変更をしなくても形成できる膜モジュール11,11’の重量として最軽量の部類と言える。なお、収納容器117内の集束管状膜116の充填率は80%、すなわち、残りの略20%がろ過液側の貯留槽100,110’の容積となっている。
上記膜モジュール11,11’を用いて、いずれも十分に貯留槽110,110’にろ過液が貯留した状態から引き上げを開始して、引き上げ時間とそれに伴う重量とを測定した。
この結果を下記の表に示す。また、図4は膜モジュール引き上げ後の膜モジュール重量の経時変化を比較した図である。
Figure 2007160234
図5の従来型膜モジュール11’の引き上げ時には、膜モジュール11’の重量7.6kgに、収納容器117の体積の略20%を占める貯留槽110’に貯留されたろ過液の重量が加えられ、約9.4kgの重量増となり、膜モジュール11’全体の重量(引き上げ時重量)は約17.0kgとなった。しかも貯留槽110’に貯留されたろ過液は封入されたままほとんど抜け出ないため、図4に示すように、作業を行う間中その重量はほとんど変化しないという結果となった。
一方、図1の本発明に係る膜モジュール11の引き上げ時には、貯留槽110に貯留されたろ過液が引き上げと同時に導通口112を通じて速やかにエアーリフトポンプ27に送り出され、数10秒程度で透過液側に貯留されたろ過液の約90%を消毒槽へと送り出すことができ、引き上げ1分後の膜モジュール11の重量は約8.8kgとなった。したがって、従来型の膜モジュール11’に比較してろ過液による重量増を劇的に改善することができた。
以上のように、限られた維持管理作業時間内における浸漬された膜モジュール11の容易な引き上げを現実化することができ、清掃や点検の効率化および作業性の向上を図ることができる浸漬型膜分離装置の膜モジュールとして非常に満足できる結果となった。
本発明の一実施形態に係る浸漬型膜モジュールを備えた浸漬型膜分離装置を浄化槽に配置したところを側方から見た部分断面図である。 図1の浸漬型膜分離装置において膜モジュールを引き上げた時の概略状態図である。 本発明の他の実施形態に係る浸漬型膜モジュールの特徴部分を中心とする側方部分断面図である。 膜モジュール引き上げ後の膜モジュール重量の経時変化を比較した図である。 従来の浸漬型膜モジュールを使用する浸漬型膜分離装置において膜モジュールを引き上げた時の概略状態図である。
符号の説明
1 浸漬型膜分離装置
11 膜モジュール
110 貯留槽
111 上方の導通口
112 下方の導通口
113 第1パイプ
114 第2パイプ
115 連絡パイプ
116 集束管状膜(多数の管状膜)
118 エアバルブ(切替機構)
21 浄化槽

Claims (4)

  1. 重力ろ過によるろ過処理を行う浸漬型膜分離装置に使用する浸漬型膜モジュールであって、
    膜モジュールの上方および下方にろ過処理後のろ過液が貯留される貯留槽への導通口を少なくともそれぞれ1つずつ有し、上方の導通口は大気開放された第1パイプに接続される一方、下方の導通口はろ過液を排出する第2パイプに接続されることを特徴とする浸漬型膜モジュール。
  2. 前記第1パイプおよび第2パイプが導通可能に接続されていることを特徴とする請求項1記載の浸漬型膜モジュール。
  3. 前記第1パイプに大気の開放または密閉を切り替える切替機構を有することを特徴とする請求項1または2記載の浸漬型膜モジュール。
  4. 前記膜モジュールは、上下端が集束固定された多数の管状膜を具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の浸漬型膜モジュール。
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