JP2015123436A - 水処理方法 - Google Patents

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宏明 田中
憲太郎 小林
Kentaro Kobayashi
憲太郎 小林
寛生 高畠
Hiroo Takahata
寛生 高畠
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Abstract

【課題】外圧型膜モジュール内一次側、とりわけモジュール下部に蓄積した濁質の剥離、分散を回収率の低下がなく効果的に行うことが可能となるフラッシング洗浄方法を提供することを目的とする。
【解決手段】中空の筒状ハウジングと、前記ハウジング内に収容された中空糸膜とを有する縦置き加圧型中空糸膜モジュールに対して、膜ろ過工程時とは異なる一次側出入口より、少なくとも被処理水または被処理水以下の浮遊物質濃度を有する洗浄水のいずれかをフラッシング供給水として、膜ろ過工程時における被処理水の流入流量以上の流量で導入するフラッシング洗浄工程を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は原水中に含まれる汚濁物質をろ過膜により分離除去して浄化処理する、膜ろ過による水処理方法に関する。
汚濁物質を含む原水の浄化方法として、水処理膜を用いた方法がよく知られている。
浄化方法として水処理膜を用いるメリットとしては、生物処理法など従来技術からの省エネ・省コスト・省スペース化などが挙げられるが、一方で運転中の圧力上昇抑制に関しては全ての場合で十分な信頼性が確保されているとは言いがたい。運転中の圧力上昇を発生させる大きな原因がファウリングであり、これは膜表面または膜の細孔内に濁質粒子が蓄積し、膜の透水性を低下させる現象である。原水の性質によってファウリングはオペレーション上、深刻な問題となりうるケースが多い。この問題への対策としては物理的および化学的な膜の洗浄方法が数多く報告されている。
水処理膜の使用方法としては、処理対象となる水の中に膜ユニットを浸漬させて用いるタイプと、膜を所定のハウジング内に収納してそのハウジング、すなわちモジュール内に水を導入して用いるタイプがある。前者、後者ともにその運転において前述のファウリングについては解決しなければならない重要な課題であるが、とりわけ後者のタイプのひとつである、膜をハウジングに収納して、被処理水を膜の外側、いわゆる一次側から圧力をかけて膜の内側、いわゆる二次側へ透過し、処理水を得る外圧型のモジュールの場合には、膜表面や細孔内のみならず、モジュールを含めた内部空間に濁質が付着、蓄積して運転圧力を上昇させるという問題がある。
この問題の解決のため、モジュール内の膜の一次側に被処理水、処理水などを導入してモジュール内を除濁洗浄するフラッシング方法が適用される場合がある。
外圧型膜モジュールの基本的な運転方法としては、一次側から二次側に被処理水を透過し、処理水を得るろ過工程、二次側から一次側に洗浄水を透過する洗浄工程、一次側の残存水をモジュール外へ排出する排水工程が挙げられるが、排水工程は多くの場合モジュール下端から行われるため、モジュール下部の膜固定部での濁質蓄積が運転圧力上昇の原因となることが多い。そのため、モジュール下部に有効かつ濁質の剥離性が高いフラッシング方法が求められる。
従来技術としては例えば特許文献1では(1)モジュール下部からエアレーションフラッシングをして一次側を除濁する方法、について記されている。また特許文献2では、(2)モジュール軸方向の開口部が複数個ある場合、フラッシング時に一方の開口部からフラッシングを行う工程と他方の開口部からフラッシングを行う工程との間に両方の開口部からフラッシングを行う工程を挟む洗浄方法、について記されている。また、特許文献3では(3)膜の二次側から洗浄水を一次側に透過する膜の洗浄工程の後に、原水側から洗浄水を洗浄工程以上の流量でモジュール内に導入してリンスする方法、について記されている。
しかしながら(1)ではフラッシングがモジュール下部に有効であるものの、ろ過工程時とフラッシング工程時で供給口が同一であることから同じベクトル方向にのみフラッシングの力がかかり、濁質剥離性が高い方法であるとは言いがたい。また(2)ではフラッシング時の供給口を交互に変えることにより異なるベクトルへの力が働くため、濁質剥離性は高い方法であるものの、モジュール下部に直接有効な方法であるとは言えない。また、(3)は除濁が直接的な目的ではないものの、フラッシング時の流量を洗浄時以上と定めており、間接的に高い除濁効果が得られる方法である。しかしやはりろ過工程時とフラッシング工程時で供給口が同一であることから同じベクトル方向にのみフラッシングの力がかかり、濁質剥離性が高い方法であるとは言えない。
特許5317452 特許5022613 特開2007-130523
よって、本発明は縦置き外圧型膜モジュール内一次側、とりわけモジュール下部に蓄積した濁質の剥離、分散を回収率の低下がなく効果的に行うことが可能となるフラッシング洗浄方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明は(1)〜(6)の実施態様に関する。
(1)中空の筒状ハウジングと、上記筒状ハウジング内に収容された中空糸膜とを有する縦置き加圧型中空糸膜モジュールを用いる水処理方法であって、
上記中空糸膜モジュールは、
上記中空糸膜の下端を閉口し、上記中空糸膜の下端を上記筒状ハウジングの内壁に固定する下固定部と、
上記下固定部の上面より上方で、上記筒状ハウジングに設けられた第1の一次側出入口と、
被処理水が上記中空糸膜と略平行の方向で流入するように、上記下固定部の上面より下方で上記筒状ハウジングに設けられた第2の一次側出入口と
をさらに備え、
上記水処理方法は、
上記第1の一次側出入口または上記第2の一次側出入口のいずれか一方より被処理水を導入し、膜の一次側から二次側へ被処理水を透過することで処理水を得る膜ろ過工程と、
上記筒状ハウジング内の上記中空糸膜の一次側に残存する残存水を上記第1の一次側出入口または上記第2の一次側出入口のいずれかより排出する排水工程と、
上記膜ろ過工程時とは異なる一次側出入口より、少なくとも上記被処理水または上記被処理水以下の浮遊物質濃度を有する洗浄水のいずれかを、上記膜ろ過工程時における被処理水の流入流量以上の流量で導入するフラッシング洗浄工程と、
を有することを特徴とする水処理方法。
(2) 上記膜ろ過工程が、上記第1の一次側出入口より被処理水を導入し、膜の一次側から二次側へ被処理水を透過することで処理水を得る工程であり、
上記フラッシング洗浄工程が、上記第2の一次側出入口より、上記被処理水または上記被処理水以下の浮遊物質濃度を有する洗浄水の少なくとも一方かを、上記膜ろ過工程時における被処理水の流入流量以上の流量で導入する工程であることを特徴とする
上記(1)に記載の水処理方法。
(3)上記フラッシング洗浄工程を上記排水工程後に実施することを特徴とする
上記(1)または上記(2)に記載の水処理方法。
(4)上記フラッシング洗浄工程は、上記中空糸膜モジュールを上記膜ろ過工程とは上下反転させた状態で実施されることを特徴とする
上記(1)から上記(3)いずれかに記載の水処理方法。
(5)上記フラッシング洗浄工程は、
供給した水、上記中空糸膜モジュールから排出される後、被処理水を貯蔵する被処理水貯蔵槽に移送されることを特徴とする上記(1)から上記(4)いずれかに記載の水処理方法。
(6)上記被処理水が、10 mg/L以上の浮遊物質濃度を示すことを特徴とする
上記(1)から上記(5)いずれかに記載の水処理方法。
(7)上記フラッシング洗浄工程において上記フラッシング供給水に気体を混合することを特徴とする上記(1)から(6)いずれかに記載の水処理方法。
本発明をこのように構成することにより、フラッシングにより、ろ過時における濁質付着、蓄積時と別の方向、強度の負荷をかけることが可能となり、さらに排水後、膜モジュールを反転させてフラッシングをすることで、濁質との気液界面での接触により初期剥離性が向上する。さらにフラッシング排水を原水貯蔵槽へ回収することで回収率の低下が無くモジュール下部の濁質の剥離、分散を効果的に行うことが可能となる。
図1は、本発明の水処理方法における膜ろ過工程および排水工程を実施するための装置の一例の側面概略図である。 図2は、本発明の水処理方法におけるフラッシング洗浄工程を実施するための装置の一例の側面概略図である。 図3は、実施例1および比較例における膜モジュール1の一次側圧力の変化を示すグラフである。 図4は、実施例1および比較例における膜モジュール1の圧損の変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施の一形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の水処理方法における膜ろ過工程および排水工程を実施するための装置の一例の側面概略図、図2は、本発明の水処理方法におけるフラッシング洗浄工程を実施するための装置の一例の側面概略図である。
図1に示すように、本実施形態において、被処理水をろ過する膜モジュール1は、ろ過膜2および膜を収納するためのハウジング3を備え、縦置きで用いられる。つまり、膜モジュール1は、筒状のハウジング3の高さ方向が鉛直方向に平行になる姿勢で使用される。
以下の説明では、特に断らない限り、「上」、「下」とは、膜ろ過工程時の膜モジュール1の設置姿勢における上方向および上方向を指す。
ろ過膜2の種類として、逆浸透膜、ナノろ過膜、限外ろ過膜、精密ろ過膜が挙げられる。特に、被処理水として濁度が高い水が想定される場合は、相対的に孔径の大きい精密ろ過膜または限外ろ過膜が好ましい。精密ろ過膜とは平均細孔径が0.01μm〜5 mmである膜のことであり、限外ろ過膜は分画分子量が1,000〜200,000 Daである膜のことである。
ここで分画分子量とは膜表面の細孔径を電子顕微鏡等で計測することが困難な場合に平均細孔径の代わりに孔径の大きさの指標となるものである。一般的に分画分子量が小さくなるに従い、膜の単位面積当たりの透水量が悪化する。よって、濁度成分等の固形分を多く含む下廃水を処理する場合には、濁質等が膜の細孔に詰まりにくい、1,000〜200,000 Daの分画分子量を有する限外ろ過膜を用いることが好ましく、100,000〜200,000 Daの分画分子量を有する限外ろ過膜を用いることがより好ましい。
ろ過膜2の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル− エーテルケトン、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリビニルアルコール、セルロースアセテート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリイミドなどの有機物、セラミック、金属などの無機物その他の材質を選定することができるが、特に、耐薬品性に優れているポリフッ化ビニリデンが好ましい。
また、本実施形態では、ろ過膜2として、筒状ハウジング3内に、複数の中空糸膜が収容されている。筒状ハウジングとその内部に収容された複数の中空糸膜とを備える中空糸膜モジュールは、高濃度の濁質を含む液の分離に適するので、原水を直接処理することができる。
ハウジング3は、筒状の中空のケースであり、ろ過膜2を収納する。
膜モジュール1はさらに、ろ過膜2の上端部をハウジング3に対して接着固定する上部樹脂接着部4と、ろ過膜2の下端部をハウジング3に対して接着固定する下部樹脂接着部5とを備える。下部樹脂接着部5は、上下方向に延びる貫通孔を有する。ここでの上端、下端は、上述のとおり、膜ろ過工程での膜モジュールの設置姿勢における上端および下端を指す。上部樹脂接着部4におけるろ過膜末端は集水室6に向かって開口状態であり、下部樹脂接着部5におけるろ過膜末端は閉口状態である。
上部樹脂接着部4,下部樹脂接着部5を構成する接着剤の種類は、ろ過膜2を固定するとともにろ過膜2をハウジング3に対し液密に接着固定でき、かつろ過運転に支障のない強度であれば良く、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、などの接着剤や、種々の熱可塑性樹脂などを用いることができる。
ハウジング3には、一次側出入口(7〜9)および二次側出入口10が設けられる。一次側出入口(7〜9)は、被処理水を膜モジュール1内へ導入するか、または膜モジュール内から残存液を排出する。二次側出入口10は、処理水を集水室6から膜モジュール外へ排出する。
一次側出入口の数は、複数個であれば良く、具体的な数に限定されるものではないが、一次側出入口として、少なくとも原水供給出入口7、エア抜き出入口8、排水出入口9の3つの出入口が設けられることが好ましい。
原水供給出入口7は、膜モジュール1に被処理水を導入する出入口であり、その位置は膜モジュール一次側であれば特に限定されないが、フラッシング工程を効果的に行うために、少なくとも下部樹脂接着部5上面より上方に存在する必要がある。
エア抜き出入口8は膜モジュール1内に被処理水等を満たすときの排出口として用いられるため、少なくとも原水供給出入口7より上方にあることが好ましく、さらにはモジュール一次側の最大上方に存在することがより好ましい。本実施形態では、前記の原水供給出入口7およびエア抜き出入口8を第1の一次側出入口と呼称する。
排水出入口9は、膜モジュールからの排水は通常重力方向に行うことからモジュール下方にあることが好ましく、フラッシング工程を効果的に行うために、少なくとも下部樹脂接着部5上面より下方に存在する必要がある。本実施形態では、前記の排水出入口9を第2の一次側出入口と呼称する。
ハウジング3、原水供給出入口7、エア抜き出入口8、排水出入口9および二次側出入口10の材質はステンレスなどの金属、FRP、ABS、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホンなどのプラスチック類から適宜選択することができる。ハウジング3の形状は特に限定されるものではないが、一般的には直径が100−800mm、高さは500−3000mmであることが好ましい。
続いて、フラッシング洗浄を行うための膜ろ過装置の運転方式について説明する。
図1において、通常ろ過時には被処理水貯蔵槽11に貯蔵された被処理水を被処理水ポンプ12により膜モジュール1に移送する。
被処理水、すなわち原水は、海水、河川水、工場排水、下廃水など様々に適用可能である。本発明は高濁原水をろ過する場合に有効な膜モジュールの洗浄方法であり、被処理水としては浮遊物質(SS)濃度が10 mg/L以上であることが好ましく30〜500 mg/Lであることがさらに好ましい。また前処理として、凝集剤などの薬剤をあらかじめ添加するか、プレフィルターなどで夾雑物などを除去しておくことも好ましい。
原水供給出入口7とエア抜き出入口8の役割は交換可能であり、原水供給およびエア抜きはいずれの出入口から行われても構わない。原水供給が出入口7から行われ、エア抜きが8から行われる場合には、ろ過時のそれぞれの弁の状態は、弁V1、弁V2が開でそれ以外は閉であり、膜モジュール1の一次側から二次側に被処理水を透過し、処理水を得る。その際処理水は処理水タンク13に集水されることが好ましい。ただし、膜モジュール1内を被処理水で満たし、一次側のエアを抜く給水工程を必要とする場合は、弁V1、弁V3が開でそれ以外を閉とする。
ろ過工程後、フラッシング工程前に、処理水タンク13に貯蔵された処理水、または処理水水質と同等若しくはそれ以上の水質の水(つまり、被処理水以下の浮遊物質濃度を有する水)を洗浄水として用いて、膜モジュール1の二次側から一次側へ洗浄水を透過させ、ろ過膜2の細孔内、および膜モジュール1の内部を洗浄する工程を組み入れることが好ましい。その際のポンプおよび弁の動きは、洗浄水ポンプ14がオン、弁V9が開、または処理水ポンプ15がオン、そして弁V3が開、弁V4が開、となりそれ以外の弁は閉である。なお、洗浄水には次亜塩素酸ナトリウムなどの殺菌剤や塩酸など酸を適宜添加しても良い。またそれと同時、またはそれに順じてV5を開にして膜モジュール1の内部に気体を導入して、ろ過膜2の表面や膜モジュール1の一次側を洗浄する工程を組み入れることが好ましい。
ろ過工程またはそれに順ずる洗浄工程終了後、膜モジュール1内に残存した被処理水または洗浄水を系外に排出する排水工程が行われる。排水は排水出入口9より行われ、V6を開とすることで、膜モジュール1を空水状態にする。
フラッシング洗浄工程は、前記排水工程終了後に空水状態の膜モジュール1に対して行われることが好ましい。
フラッシング洗浄工程とは、膜ろ過工程時とは異なる一次側出入口より、少なくとも前記被処理水または前記被処理水以下の浮遊物質濃度を有する洗浄水のいずれかを、膜ろ過工程時における被処理水の流入流量以上の流量で導入する工程である。
さらに、フラッシング洗浄工程の際は、膜モジュール1を上下反転し、図2に示すように構成して実施することが好ましい。なぜなら、膜モジュール1を反転し、第2の一次側出入口を上方に位置させ、下降流の洗浄とすることで、フラッシング洗浄工程時に濁質に対し流体の接触が常時気体と触れ合う状態で行われ、濁質の剥離、分散効果をより高めるためである。こうして、膜モジュール1は、フラッシング洗浄工程では、膜ろ過工程および排水工程とは上下逆向きに配置される。
膜モジュール1を上下反転させる方法としては、手動で行う方法、または自動で行う方法が考えられる。膜モジュール1を反転させる場合、配管の繋ぎ変え操作も発生するため。上下反転操作は手動で行われるのが好ましい。ただし上下反転操作自体は自動で行われても構わない。自動で上下反転できる装置構造とは、例えば膜モジュールの重心に回転部を設けて、フラッシング洗浄工程開始前に、配管が取り外された後、その回転部が動作し、円を描くように膜モジュール1が上下反転するものである。
膜モジュール1の上下反転が手動、自動、いずれで行われる場合も図1における原水供給出入口7とエア抜き出入口8に接続される配管が互いに入れ替わり、排水出入口9と二次側出入口10に接続される配管が互いに入れ替わることとなる。
図2に示す膜モジュール1を上下反転させた場合は、フラッシング洗浄における膜モジュール1への供給口は、前記排水工程時に用いた排水出入口9となる。また、フラッシング洗浄時の排水口は原水供給出入口7またはエア抜き出入口8いずれでも構わないが、膜モジュール1全体にフラッシング洗浄の除濁効果が行き渡る波及効果を考えた場合、フラッシング洗浄の導入口である排水出入口9からより離れた一次側出入口から排出することが好ましい。
フラッシング洗浄に用いる供給水は被処理水以下の濁度を有する水であればよく、被処理水、洗浄水いずれにおいても適用できる。
フラッシング洗浄工程時のポンプおよび弁の動作は、被処理水をフラッシング供給水とする場合、被処理水ポンプ12がオン、V7、V8が開である。一方、洗浄水をフラッシング供給水とする場合は、洗浄水ポンプ14がオン、V8、V9が開である。ただし、洗浄水が処理水である場合は処理水ポンプ15がオン、V4、V8が開となる。
フラッシング洗浄と同時にV10を開にしてフラッシング供給水に気体を導入することも好ましい。
フラッシング洗浄における排水は被処理水貯蔵槽11に返送し、システム全体での回収率の低下を防ぐ。
フラッシング洗浄における流量は、ろ過工程時に付着、蓄積した濁質を剥離、分散させるためにろ過工程時での流量以上にする。その際、ろ過工程時流量の1.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがさらに好ましい。
フラッシング洗浄工程時間は特に限定されないが、フラッシング効果を安定的に得るためにフラッシング供給水が膜モジュール1から排出され始めてから30秒以上行うことが好ましい。
フラッシング洗浄の頻度は膜モジュール1の被処理水の水質、膜モジュール1への濁質の付着、蓄積具合に応じて適宜選択することができるが、効果的に濁質の蓄積を抑制するために、少なくとも月1回以上行うことが好ましく、週1回以上行うことがさらに好ましい。前処理として凝集剤を用いた場合などは、通常の洗浄工程での膜モジュール1からの濁質の排出効率が低下する恐れがあるため、一日1回以上のフラッシング洗浄を行うことがより好ましい。
また、フラッシング洗浄工程後に排水工程を行い、再度膜モジュール1内を空水にしてフラッシング洗浄工程を再開させ、連続したフラッシング洗浄によって除濁効果を高めることも可能である。
(実施例1)
図1および図2に示したフローにおいて、下水初沈越流水(SS濃度30〜100 mg/L ,濁度30〜60 NTU)を被処理水として外圧型中空糸膜モジュール(公称孔径0.01μm、分画分子量150,000 Da、膜面積12 m2、)を用いて浄化処理を行った際の膜モジュールの運転圧力推移に関する試験を行った。
運転条件はろ過流束2.0 m/d(ろ過流量16.4 L/min)、前処理として被処理水にポリ塩化アルミニウムを100 ppm添加した。
ろ過工程を20分、処理水を二次側から一次側へ透過、すなわち逆洗し、同時に気体を14 L/minの流量で導入する洗浄工程を1分、排水工程を1分行い、それを1サイクルとした。そしてフラッシング洗浄工程を1日1回、排水工程後に実施した。
フラッシング洗浄工程の条件は、膜モジュール1を手動により上下反転させ、フラッシング供給水として処理水を用い、流量をろ過工程時の2.4倍の40 L/minとした。
膜モジュールの一次側圧力、および圧損の経時的データをそれぞれ取得した。ただし、一次側圧力は前記逆洗時に膜モジュール1の一次側の圧力値から得られたデータである。また、圧損の値はろ過工程時の一次側の圧力と二次側の圧力の差から得られたデータである。
本実施例の条件では運転開始130時間を経過しても一次側圧力は65 kPa程度であり、フラッシング洗浄を行い続けることで膜モジュール1の一次側の濁質の蓄積を抑制できているという結果となった。
表1として本実施例におけるフラッシング洗浄前後での一次側圧力の変化を示す。
Figure 2015123436
全4回のフラッシングにおいて4回目のフラッシング洗浄を除き、一次側圧力がフラッシング洗浄により低下していた。なお4回目のフラッシング洗浄時には、フラッシング洗浄前の段階で一次側圧力が31 kPaと、ほぼ濁質の蓄積のない状態での値と同程度であったことから、フラッシング洗浄後に38 kPaとなったことは測定誤差の範囲であったと考えることができる。
また、本実施例における運転条件では膜モジュール圧損は運転開始後130時間を経過しても50 kPa程度と安定しており、フラッシング洗浄により一次側の濁質の蓄積を抑制できている結果、膜の安定運転にも寄与していることが示された。
比較例
(比較例1〜3)
本発明の比較例として、実施例1と同様の被処理水、運転条件において(1)フラッシング洗浄を行わない場合、(2)フラッシング洗浄時に膜モジュール1を上下反転せず、すなわち図1の状態のままフラッシング洗浄を原水供給出入口7から行いエア抜き出入口8から排出する工程(1日1回 流量40 L/min)を実施した場合、および(3) フラッシング洗浄時に膜モジュール1を上下反転せず、すなわち図1の状態のままフラッシング洗浄を排水出入口9から行いエア抜き出入口8から排出する工程(1日1回 流量40 L/min)の運転性に関する試験を行った。ただし、(2)および(3)でのフラッシング工程ではフラッシング供給水として被処理水を用いた。
フラッシング洗浄工程の有無またはその条件以外は実施例と同様の条件のため記載は割愛する。
膜モジュール1の一次側圧力、および圧損の経時的変化をそれぞれ図3、4に示す。
一次側圧力について、(1)の場合は、運転開始24時間程度で150 kPaに到達しており、膜モジュール1の一次側の濁質蓄積の進行が著しく早い結果となった。
一方、(2)の場合は、58時間程度で100 kPaに到達と、(1)の運転と比較し、膜モジュール1の一次側の濁質蓄積の進行は抑えられているものの、本発明における実施例と比較するとその効果は十分ではなかった。
また、(3)の場合は、実施例に対しフラッシング洗浄を行う一次側出入口は同じものの、膜モジュール1を上下反転せず行った結果、18時間程度で100 kPaに到達しており、一次圧の上昇は抑制できていない結果となった。
膜モジュール1の圧損変化について、(1)の場合は、運転開始36時間程度で150 kPaに到達しており、膜モジュール1の一次側の濁質蓄積の進行が膜の運転性を悪化させていることが示された。
一方、(2)の場合は運転開始65時間程度で圧損が150 kPaに到達しており、(1)の場合より圧損の上昇は抑制できているものの、やはり一次圧の上昇に付随して膜の運転性も悪化する結果となった。
また(3)の場合は一次側圧力の上昇を抑制できていない結果、他の比較例と同じく圧損の上昇が起こる結果となった。
このように本発明によるフラッシング洗浄を実施することにより、フラッシング洗浄を行わない場合や原水供給出入口7からフラッシング洗浄を実施する場合、またはフラッシング入口は同じでも膜モジュール1を反転しない場合と比較し、膜モジュール1の一次側の圧力上昇を抑制できており、膜の安定運転に貢献できることが示された。
本発明による水処理方法は特に下廃水や工場排水など、濁質濃度の高い原水を膜ろ過する場合に好適であり、水処理膜の安定運転に寄与する方法である。
1 膜モジュール
2 ろ過膜
3 ハウジング
4 上部樹脂接着部
5 下部樹脂接着部
6 集水室
7 原水供給出入口
8 エア抜き出入口
9 排水出入口
10 二次側出入口
11 被処理水貯蔵槽
12 被処理水ポンプ
13 処理水タンク
14 洗浄水ポンプ
15 処理水ポンプ
V1〜V10 開閉弁

Claims (7)

  1. 中空の筒状ハウジングと、前記筒状ハウジング内に収容された中空糸膜とを有する縦置き加圧型中空糸膜モジュールを用いる水処理方法であって、
    前記中空糸膜モジュールは、
    前記中空糸膜の下端を閉口し、前記中空糸膜の下端を前記筒状ハウジングの内壁に固定する下固定部と、
    前記下固定部の上面より上方で、前記筒状ハウジングに設けられた第1の一次側出入口と、
    被処理水が前記中空糸膜と略平行の方向で流入するように、前記下固定部の上面より下方で前記筒状ハウジングに設けられた第2の一次側出入口と
    をさらに備え、
    前記水処理方法は、
    前記第1の一次側出入口または前記第2の一次側出入口のいずれか一方より被処理水を導入し、膜の一次側から二次側へ被処理水を透過することで処理水を得る膜ろ過工程と、
    前記筒状ハウジング内の前記中空糸膜の一次側に残存する残存水を前記第1の一次側出入口または前記第2の一次側出入口のいずれかより排出する排水工程と、
    前記膜ろ過工程時とは異なる一次側出入口より、少なくとも前記被処理水または前記被処理水以下の浮遊物質濃度を有する洗浄水のいずれかを、前記膜ろ過工程時における被処理水の流入流量以上の流量で導入するフラッシング洗浄工程と、
    を有することを特徴とする水処理方法。
  2. 前記膜ろ過工程が、前記第1の一次側出入口より被処理水を導入し、膜の一次側から二次側へ被処理水を透過することで処理水を得る工程であり、
    前記フラッシング洗浄工程が、前記第2の一次側出入口より、前記被処理水または前記被処理水以下の浮遊物質濃度を有する洗浄水の少なくとも一方かを、前記膜ろ過工程時における被処理水の流入流量以上の流量で導入する工程であることを特徴とする
    請求項1に記載の水処理方法。
  3. 前記フラッシング洗浄工程を前記排水工程後に実施することを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の水処理方法。
  4. 前記フラッシング洗浄工程は、前記中空糸膜モジュールを前記膜ろ過工程とは上下反転させた状態で実施されることを特徴とする
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の水処理方法。
  5. 前記フラッシング洗浄工程は、
    供給した水、前記中空糸膜モジュールから排出される後、被処理水を貯蔵する被処理水貯蔵槽に移送されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の水処理方法。
  6. 前記被処理水が、10 mg/L以上の浮遊物質濃度を示すことを特徴とする
    請求項1から請求項5のいずれかに記載の水処理方法。
  7. 前記フラッシング洗浄工程において前記フラッシング供給水に気体を混合することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の水処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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