JP6212436B2 - 水処理装置及び水処理方法 - Google Patents
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Description
[1]すなわち、本発明の水処理装置は、原水を貯留する貯留槽と、前記原水を処理する膜モジュールと、前記貯留槽及び前記膜モジュールに接続され、前記貯留槽に貯留された原水を前記膜モジュールに供給する供給管と、前記貯留槽及び前記膜モジュールに接続され、前記膜モジュールで処理した濃縮水を前記貯留槽に供給する戻し管と、を含み、前記膜モジュールは、前記原水を固液分離する中空糸膜と、前記中空糸膜を保持する保持部材と、前記中空糸膜と前記保持部材とを固定する熱硬化性樹脂とを含み、前記中空糸膜は、少なくともその内面に吸湿性が付与された樹脂で構成され、前記供給管を介して供給された原水は、前記中空糸膜の内側に流速が0.05m/秒以上1.0m/秒以下で供給されることを特徴とする。
[2]中空糸膜の内径は3〜10mmであることが好ましい。
[3]膜モジュールに原水を供給するための供給装置が接続されていることが好ましい。
[4]供給管を介して供給された原水は、前記中空糸膜の内側から膜間差圧が5kPa以上200kPa以下で供給されることが好ましい。
[5]本発明の水処理方法は、原水を貯留する貯留槽と、前記原水を処理する膜モジュールと、前記貯留槽及び前記膜モジュールに接続され、前記膜モジュールで処理した濃縮水を前記貯留槽に供給する戻し管と、を含み、前記膜モジュールは、前記原水を固液分離する中空糸膜と、前記中空糸膜を保持する保持部材と、前記中空糸膜と前記保持部材とを固定する熱硬化性樹脂とを含み、前記中空糸膜は、少なくともその内面に吸湿性が付与された樹脂で構成され、前記供給管を介して供給された原水は、前記中空糸膜の内側に流速が0.05m/秒以上1.0m/秒以下で供給されることを特徴とする。
[6]原水は、5kPa以上200kPa以下の膜間差圧を負荷することにより前記中空糸膜内に供給されることが好ましい。
(水処理装置)
図1は、実施形態1の水処理装置の概略を示す模式図である。本実施形態の水処理装置は、図1に示すように、膜モジュール2が貯留槽1外に配置される「槽外型」である。本実施形態の水処理装置は、原水を貯留する貯留槽1と、原水を処理する膜モジュール2と、貯留槽1及び膜モジュール2に接続され、貯留槽1に貯留した原水を膜モジュール2に供給する供給管3と、貯留槽1及び膜モジュール2に接続され、膜モジュール2で処理した濃縮水を貯留槽1に供給する戻し管4と、を含む。また、膜モジュール2を透過した透過水を透過水槽9に供給する透過水管6をさらに含むことが好ましい。以下に本発明の特徴部分である膜モジュールを説明する。
図2は、膜モジュールの形態を示す模式図である。膜モジュール2は、原水を透過水と濃縮水に分離するために設けられる。図2において、原水は供給管3から膜モジュール2に供給され、膜モジュール中の中空糸膜7を透過した透過水が透過水管6から透過水槽に供給される。一方、中空糸膜に補集された汚染物質は、濃縮水として戻し管4を通じて貯留槽1に戻される。透過水と濃縮水の分離は、膜モジュール2に内外膜間差圧を負荷することによって行なわれる。
本実施形態において、中空糸膜は、単一主要構成素材により形成されてもよいし、保持部材11中の支持体(図示せず)によって形状を保持してもよい。支持体を用いる場合、中空糸膜の形状を保持できる程度の強度を有するものが好ましく、セラミック、不織布等を用いることが好ましい。
[1−((N2×π)−(n2×π)×x)/(N2×π)]×100 ・・・(I)
保持部材11は、中空糸膜7を保持できるものであれば特に限定されない。保持部材11を構成する材料として、金属、プラスチック等を用いることができるが、成型が容易で機械的強度を確保しやすいという観点から、プラスチックが好ましい。プラスチックとしては、例えば、アクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
第1気体供給装置5は、供給管3又は戻し管4に接続されるものである。第1気体供給装置5が供給管3に接続される場合は、膜モジュール中の中空糸膜を効率的に洗浄するものとして用いられる。第1気体供給装置5が戻し管4に接続される場合は、第1気体供給装置5は、水処理装置内で原水を循環させるための動力源である。この位置に第1気体供給装置5を設けることにより、水処理のエネルギー効率を向上させることができるし、膜モジュール内での圧力損失がなくエアを供給することができる。また、供給管3及び戻し管4にエアが溜まりにくくなる。このため、膜モジュール内でエアを均一に分散して供給することができる。
戻し管4は、貯留槽1及び膜モジュール2に接続され、膜モジュール2で処理した濃縮水を貯留槽1に供給するために設ける。戻し管4に濃縮水を供給するときの供給圧は、20kPa以上200kPa以下であることが好ましく、より好ましくは20kPa以上100kPa以下である。なお、戻し管4には、戻し管内のエアを抜くためのエア抜きラインを設けてもよい。
供給管3は、貯留槽1及び膜モジュール2に接続され、膜モジュール2に原水を供給するために設けられる。供給管3に原水を供給するときの供給圧は、例えば、20kPa以上100kPa以下であることが好ましい。
透過水管6は、膜モジュール2及び透過水槽9に接続され、膜モジュール2の中空糸膜を透過した透過水を透過水槽9に供給するために設けられる。透過水管6の内径及び長さは特に限定されない。
透過水槽9は、膜モジュールでろ過した透過水を貯留するために設けられる。透過水槽9には、透過水の一部を逆洗に利用することができるように、膜モジュール2からの透過水が通る管とは異なる経路で膜モジュールに連結される逆洗管を備えていることが好ましい。当該逆洗管に逆洗ポンプ10を接続することにより、透過水槽で貯留された透過水の一部を用いて膜モジュールを逆洗することができる。
逆洗ポンプ10は、逆洗の際に透過水を膜モジュールに供給するために使用するポンプである。当該逆洗ポンプ10としては、例えば、渦巻ポンプ、ディフューザーポンプ、渦巻斜流ポンプ、斜流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ダイアフラムポンプ、歯車ポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、カスケードポンプ、ジェットポンプ等を用いることができる。
貯留槽1は、原水を貯留する槽である。貯留槽1は、膜モジュール2に原水を供給するための供給管3と、膜モジュール2からの透過水を戻す戻し管4とが接続される。貯留槽1は、2m×10m程度のユニット単体又は連結した貯留槽であってもよいし、5m×50m程度の水槽単体又は連結した貯留槽であってもよい。
原水は、汚水処理場等の活性汚泥等を含む排水、家庭排水等の都市下水、工場排水、農業排水、生物処理水、海水、井戸水、河川水、湖沼の水等の他、果汁、ミルク等の液状食品であってもよい。原水の浮遊物質(SS:Suspended Solids)は、20000未満であることが好ましい。
本実施形態の水処理装置を用いた水処理方法は、クロスフロー方式であることが好ましい。クロスフロー方式は、中空糸膜の膜面と原水の流れ方向とが実質的に平行であり、中空糸膜の膜面に付着した浮遊物等を剥離して循環させることができる。これにより、中空糸膜の目詰まりを抑制し、原水の処理速度が安定する。なお、本実施形態の水処理装置は、原水の汚染状態によってデッドエンド方式で使用しても差し支えない。
図5は、実施形態2の水処理装置の概略を示す模式図である。本実施形態は、図5に示されるように、実施形態1に対し、透過水吸引装置17を接続したこと、第1気体供給装置5の接続位置を代えたこと及び供給装置15を接続したことが異なる他は、実施形態1と同一の水処理装置である。透過水吸引装置17は、透過水を吸引する機能を有するものである。
図6は、実施形態3の水処理装置の概略を示す模式図である。本実施形態は、図6に示されるように、実施形態2に対し、供給装置15に代えて吸引装置12を戻し管4に接続したことが異なる他は、実施形態2と同一の水処理装置である。吸引装置12によって戻し管内の圧力を減圧し、これにより原水が膜モジュールに供給される。吸引装置12としては、供給装置15と同様のものを用いることができる。
実施例1〜5及び比較例1〜2においては、表1の「樹脂」の欄に示す材料を含む中空糸膜を用いて図3に示す膜モジュールを作製した。各実施例及び各比較例における中空糸膜は、表1の「吸湿性」及び「内径」に示す吸湿性及び内径を有するものを用いた。なお、中空糸膜の吸湿性は、23℃で相対湿度50%に24時間放置後の樹脂の重量増加率(水分率)によって測定した値を採用した。
2 膜モジュール
3 供給管
4 戻し管
5 第1気体供給装置
6 透過水管
7 中空糸膜
8 熱硬化性樹脂
9 透過水槽
10 逆洗ポンプ
11 保持部材
12 吸引装置
13 供給本管
14 戻し本管
15 供給装置
16 透過水本管
17 透過水吸引装置
Claims (7)
- 原水を貯留する貯留槽と、
前記原水を処理する膜モジュールと、
前記貯留槽及び前記膜モジュールに接続され、前記貯留槽に貯留された原水を前記膜モジュールに供給する供給管と、
前記貯留槽及び前記膜モジュールに接続され、前記膜モジュールで処理した濃縮水を前記貯留槽に供給する戻し管と、を含み、
前記膜モジュールは、前記原水を固液分離する中空糸膜と、前記中空糸膜を保持する保持部材と、前記中空糸膜と前記保持部材とを固定する熱硬化性樹脂とを含み、
前記中空糸膜は、少なくともその内面に吸湿性が付与された樹脂で構成され、
前記供給管を介して供給された原水は、前記中空糸膜の内側に流速が0.05m/秒以上1.0m/秒以下で供給され、
前記吸湿性は、23℃、相対湿度50%にて24時間放置後の樹脂の重量増加率を測定した時に0.1%〜6%の重量増加を示す性質であることを特徴とする水処理装置。 - 前記吸湿性が、1%〜5%の重量増加を示す性質である請求項1に記載の水処理装置。
- 前記膜モジュールに原水を供給するための供給装置をさらに含む請求項1又は2記載の水処理装置。
- 前記供給管を介して供給された原水は、前記中空糸膜の内側から膜間差圧が5kPa以上200kPa以下で供給される請求項1〜3のいずれか一項記載の水処理装置。
- 前記吸湿性が付与された樹脂は、ビニルピロリドン−塩化ビニル共重合体及びメトキシPEGメタクリレート−塩化ビニル共重合体からなる群から選ばれる1種以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の水処理装置。
- 原水を貯留する貯留槽と、
前記原水を処理する膜モジュールと、
前記貯留槽及び前記膜モジュールに接続され、前記膜モジュールで処理した濃縮水を前記貯留槽に供給する戻し管と、を含み、
前記膜モジュールは、前記原水を固液分離する中空糸膜と、前記中空糸膜を保持する保持部材と、前記中空糸膜と前記保持部材とを固定する熱硬化性樹脂とを含み、
前記中空糸膜は、少なくともその内面に吸湿性が付与された樹脂で構成され、該吸湿性は、23℃、相対湿度50%にて24時間放置後の樹脂の重量増加率を測定した時に0.1%〜6%の重量増加を示す性質である、水処理装置を用いて、
前記供給管を介して、前記中空糸膜の内側に流速が0.05m/秒以上1.0m/秒以下で前記原水を供給することを特徴とする水処理方法。 - 前記吸湿性が付与された樹脂は、ビニルピロリドン−塩化ビニル共重合体及びメトキシPEGメタクリレート−塩化ビニル共重合体からなる群から選ばれる1種以上である請求項6に記載の水処理方法。
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