JP6918637B2 - 水処理装置および水処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内圧式ろ過によって水処理を行う水処理装置および水処理方法に関する。
従来から、例えば、河川水および地下水の除濁、工業用水の清澄、排水および汚水処理、海水淡水化の前処理等の水の精製のために、中空糸膜を備えた膜モジュールが利用されている。そして、安全な水を定常的に大量に供給することが求められている状況下において、より効率的かつより経済的に、被処理水である原水に含有される種々の成分を分離し、大量の清浄な水を継続的に供給することが必要である。
このため、近年、種々の材料によって高い物理的強度を有する水処理膜を備えた膜モジュールが提案されている。 例えば、特許文献1には、スパイラル型膜エレメントに巻回された原水スペーサに蓄積した濁質を効率よく除去するために、逆向きに流れを生じさせる分離膜モジュールの運転方法および分離膜装置について開示されている。
特開2004−141846号公報
しかしながら、上記従来の分離膜モジュールの運転方法および分離膜装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された方法および装置では、スパイラル型膜エレメントにおいて逆向きに流れを生じさせることについて記載されているものの、スパイラル型膜エレメントの代わりに中空糸膜を備えた膜モジュールを用いた場合には、原水の閉塞が発生して安定的な水処理を実施することが困難になるおそれがある。
本発明の課題は、被ろ過水の閉塞が発生することを防止して安定的に水処理を実施することが可能な水処理装置および水処理方法を提供することにある。
第1の発明に係る水処理装置は、被ろ過水槽と、膜モジュールと、第1ラインと、第2ラインと、流れ方向選択部と、を備えている。被ろ過水槽は、被ろ過水を貯留する。膜モジュールは、開口を有する筒状成形体と、筒状成形体内に配置された中空糸膜と、中空糸膜の端部を筒状成形体に固定し筒状成形体の開口を封止する封止部とを有し、被ろ過水槽の外に内圧式ろ過によって膜ろ過を行う。第1ラインは、被ろ過水槽と膜モジュールとを接続し、被ろ過水槽から膜モジュールに被ろ過水を供給する。第2ラインは、膜モジュールと被ろ過水槽とを接続し、膜モジュールを通過した被ろ過水を被ろ過水槽へ戻す。流れ方向選択部は、膜モジュールにおける軸方向の被ろ過水の流れ方向を、順方向またはその反対の逆方向に切り替える。封止部の端面の径をA、封止部の端面から中空糸膜の長軸方向に沿った所定の距離の位置における筒状成形体の内径をBとすると、A/Bが以下の関係式(1)を満たす。
A/B≦2.0 ・・・・・(1)
ここでは、被ろ過水を貯留する被ろ過水槽と第1ラインと第2ラインとを介して接続された膜モジュールに対して順方向または逆方向に切り替えて双方向で被ろ過水を流すことが可能な水処理装置において、封止部の端面の径をA、封止部の端面から中空糸膜の長軸方向に沿って所定の距離の位置における筒状成形体の内径をBとすると、A/Bの範囲を規定する。
なお、径Aについては、封止部の端面の径を指すものであり、両端の封止部に集水機能を有する管、または強度支持をするための支持体などが挿入されている場合においても、封止部の端面の径をAとする。
ここで、膜モジュールとは、中空糸膜が設けられた筒状成形体の開口が封止されており、中空糸膜の端部から被ろ過水を流入させてその外周面からろ過水を排出する内圧式ろ過によってろ過を行う構造体のことである。
筒状成形体とは、中空を有する筒状の成形体のことを意図し、筒状成形体を通過する物質が漏れること無く移動することができる成形体のことである。なお、筒状成形体の形状は円形、多角形、楕円形、異形であってもよい。また、筒状成形体の内部を通過するろ過水の流動は、直線状であってもよいし、筒状成形体の壁部に側管を設けた場合は、屈曲部分を含む構造となるため、水の流動は非直線状であってもよい。
上記内径Bを特定する所定の距離とは、封止部の端面から中空糸膜の長軸方向に沿った所定の距離であって、筒状成形体内の中空糸膜を通過してきた被ろ過水(濃縮水)が筒状成形体の閉塞部分(例えば、接続部材側や封止部と容器で構成された被ろ過水との接触面側の空間領域)に流入してきた際に滞留が生じやすい深さ位置を意味している。
なお、封止部の被ろ過水と接触する側の端面を起点とし、被ろ過水と接触する側を+X方向、被ろ過水が通過していく側を−X方向とする。その上で、中空糸膜の長軸方向とは+X方向に沿った所定の距離における内径Bを意図する。
また、膜モジュールにおける被ろ過水の流れる方向を順方向と逆方向との間において切り換える流れ方向選択部としては、例えば、バルブ、ポンプ、逆止弁等を用いることができる。
なお、流れ方向選択部によって被ろ過水の流れる方向が逆方向に切り換えられた際には、膜モジュールを通過した水を被ろ過水槽へ戻してもよいし、他のタンク(例えば、原水槽、受水槽、中継槽、排水マス等)へ排出してもよい。
ここで、値(A/B)が2.0より大きい場合には、膜モジュール側の容器に対して被ろ過水の流出側の内径が極端に細くなるため、流出水が滞留しやすい構造となる。
従って、(A/B)が2.0以下であれば、膜モジュールに対して被ろ過水槽から順方向または逆方向に切り替えて双方向に被ろ過水を流すことで、膜モジュールにおける被ろ過水の詰まりの発生を防止しつつ、順方向および逆方向のいずれの方向に被ろ過水を流した場合でも、流出側の部分において被ろ過水の流れを妨げることを抑制することができる。
この結果、被ろ過水の閉塞が発生することを防止して安定的に水処理を実施することができる。
第2の発明に係る水処理装置は、第1の発明に係る水処理装置であって、所定の距離は、封止部の端面から深さ0.15Aの距離である。
ここでは、上記内径Bの位置を、封止部の端面から深さ0.15Aの距離と、具体的に規定している。
これにより、封止部の端面からある程度の深さ位置における内径を、封止部の端面の径に対して規定することで、順方向および逆方向のいずれの方向に被ろ過水を流した場合でも、接続部材の部分において被ろ過水の流れを妨げることを抑制することができる。
この結果、被ろ過水の閉塞が発生することを防止して安定的に水処理を実施することができる。
第3の発明に係る水処理装置は、第1または第2の発明に係る水処理装置であって、筒状成形体は、一体成形物もしくは別体成形物である。
第4の発明に係る水処理装置は、第3の発明に係る水処理装置であって、筒状成形体は、以下の(P)および(Q)のいずれか1つの構成を有している。
(P)筒状成形体が一体成形物である場合、筒状成形体が容器であって、封止部は容器に固定され、容器の内径をBとする、
(Q)筒状成形体が別体成形物である場合、筒状成形体が容器と接続部材とによって構成され、封止部は容器に固定され、接続部材の内径をBとする。
ここで、(P)の容器とは、中空糸膜を収容する成形物のことである。
また、(Q)の接続部材とは、容器に接続固定される成形物で、継手(L字構造、I字構造、T字構造、十字構造、のいずれかの構造を1以上用いた成形物)、蓋などのことである。なお、接続部材を容器に固定する際には、接着や融着もしくは、容器と接続部材とを一般的な方法で相互に接続固定し、水漏れを防止することができる。
筒状成形体は、各成形物の成形性と、組み立て性の観点から、(Q)の構成が好ましいが、(P)と(Q)を組み合わせて水処理装置を構成することも可能である。
以下、別体構造物(Q)について説明する。接続部材は、膜モジュールを保持する容器の両端にそれぞれ嵌合するように設けられており、順方向あるいは逆方向に被ろ過水を流す際に、接続部材の開口の縮径部分等によって被ろ過水の流れを妨げないように、上記A/Bの範囲が規定される。
封止部の端面の径を接続部材側の内径によって除した値(A/B)が2.0より大きい場合には、膜モジュール側の容器に対して被ろ過水の流出側となる接続部材の内径が極端に細くなるため、流出水が滞留しやすい構造となる。
従って、(A/B)が2.0以下であれば、膜モジュールに対して被ろ過水槽から順方向または逆方向に切り替えて双方向に被ろ過水を流すことで、膜モジュールにおける被ろ過水の詰まりの発生を防止しつつ、順方向および逆方向のいずれの方向に被ろ過水を流した場合でも、接続部材の部分において被ろ過水の流れを妨げることを抑制することができる。
この結果、被ろ過水の閉塞が発生することを防止して安定的に水処理を実施することができる。
第5の発明に係る水処理装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る水処理装置であって、流れ方向選択部を操作して被ろ過水の流れ方向を制御する制御部を、さらに備えている。制御部は、被ろ過水の順方向または逆方向の膜内流速を、膜内流速高と、膜内流速低としたとき、以下の関係式(4)を満たすように、膜内流速を制御する。
1≦膜内流速高/膜内流速低≦30 ・・・・・(4)
ここでは、被ろ過水の順方向あるいは逆方向の膜内流速を膜内流速高、膜内流速低とした際に、両者の比が上記関係式(4)を満たす。
これにより、順方向と逆方向とに切り換えながら被ろ過水を流す際に、膜モジュール内における一方方向への流速が、他の方向における流速と同等か大きくなるように制御することができる。
この結果、被ろ過水の閉塞抑制効果または閉塞除去効果を順方向、逆方向を問わず同等程度確保することができる。特に、流れ変更時においては、被ろ過水の閉塞抑制効果または閉塞除去効果を、さらに期待することができる。
第6の発明に係る水処理装置は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る水処理装置であって、順方向および逆方向の双方向において、被ろ過水槽から膜モジュールに対して被ろ過水を供給する単一の駆動源を、さらに備えている。
ここでは、被ろ過水槽から順方向および逆方向に膜モジュールに対して、被ろ過水を送出する際に、単一の駆動源を用いる。
ここで、駆動源としては、例えば、ポンプ、コンプレッサ、ブロワ等が含まれる。
これにより、簡素な構成によって、膜モジュールに対して被ろ過水槽から順方向または逆方向に切り替えて双方向に被ろ過水を流すことで、膜モジュールにおける被ろ過水の詰まりの発生を防止することができる。
第7の発明に係る水処理装置は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る水処理装置であって、流れ方向選択部は、第1ラインおよび第2ラインの少なくとも一方における流路を開閉するバルブである。
ここでは、流れ方向選択部として、バルブを用いている。
ここで、バルブとしては、例えば、三方弁、逆止弁等の各種バルブを用いることができる。
これにより、膜モジュールに対する被ろ過水の流れる方向を、各種バルブを用いて容易に切り換えることができる。
第8の発明に係る水処理装置は、第1から第7の発明のいずれか1つに係る水処理装置であって、流れ方向選択部を操作して被ろ過水の流れ方向を制御する制御部を、さらに備えている。制御部は、被ろ過水の流れ方向を切り換えて、膜モジュールの洗浄を行う。
ここでは、被ろ過水の流れる方向を切り替えて、膜モジュールの洗浄を行う洗浄工程を実施する。
これにより、順方向へ被ろ過水を流す状態を通常運転状態とし、逆方向へ被ろ過水を流す状態を、膜モジュールの洗浄工程を行う状態とすることができる。
第9の発明に係る水処理装置は、第8の発明に係る水処理装置であって、制御部は、中空糸膜の外周面から逆圧を加える逆圧洗浄を行う。
ここでは、洗浄工程として、中空糸膜の外周面から逆圧を加える逆圧洗浄を同時に実施する。
これにより、膜モジュールを構成する中空糸膜の外周面から逆圧を加えて洗浄工程を実施することで、内圧式ろ過を実施する膜モジュールの洗浄を効果的に実施することができる。
第10の発明に係る水処理装置は、第8または第9の発明に係る水処理装置であって、膜モジュールに対して供給される被ろ過水の圧力を検出する圧力センサを、さらに備えている。制御部は、流れ方向選択部によって被ろ過水の流れ方向を切り換えた直後の初期圧力に対する圧力センサにおいて検出される圧力の差圧が、±15%以上変動した場合に、被ろ過水が流れる方向を切り換えるように流れ方向選択部を制御する。
ここでは、膜モジュールに供給される被ろ過水の圧力を検出する圧力センサにおける圧力の検出結果が、流れ方向を切り換えた直後の初期値に対して±15%以上の差圧になると、閉塞(詰まり)の発生有りもしくは閉塞(詰まり)が解消されたと判断して、被ろ過水の流れる方向を切り換える。
これにより、流量一定制御を実施する場合において、膜モジュールにおける閉塞(詰まり)の発生を、圧力センサにおける検出結果を用いて推定することで、洗浄工程を適切なタイミングで実施することができる。
第11の発明に係る水処理装置は、第8または第9の発明に係る水処理装置であって、膜モジュールにおける被ろ過水の流量を検出する流量センサを、さらに備えている。制御部は、流れ方向選択部によって被ろ過水の流れ方向を切り換えた直後の流量センサにおける検出結果に対する流量センサにおける検出結果の差圧が、±15%以上変動した場合に、被ろ過水が流れる方向を切り換えるように流れ方向選択部を制御する。
ここでは、膜モジュールにおける被ろ過水の流量を検出する流量センサにおける流量の検出結果が、流れ方向を切り換えた直後の初期値に対して±15%以上の差圧になると、閉塞(詰まり)の発生有りもしくは閉塞(詰まり)が解消されたと判断して、被ろ過水の流れる方向を切り換える。
これにより、圧力一定制御を実施する場合において、膜モジュールにおける閉塞(詰まり)の発生を、流量センサにおける検出結果を用いて推定することで、洗浄工程を適切なタイミングで実施することができる。
第12の発明に係る水処理方法は、第1から第11の発明のいずれか1つに記載の水処理装置における水処理方法である。
ここでは、上述した構成を備えた水処理装置における水処理方法として、発明を実現する。
これにより、例えば、所定時間経過するごと、あるいは圧力センサ等を用いて膜モジュールの閉塞(詰まり)を検出した際に、被ろ過水を流す方向を切り換えながらろ過を行うことができる。
この結果、被ろ過水の閉塞が発生することを防止して安定的に水処理を実施することができる。
本発明に係る水処理装置によれば、被ろ過水の閉塞が発生することを防止して安定的に水処理を実施することができる。
本発明の一実施形態に係る水処理装置の構成を示すシステム図。 (a)は、図1の水処理装置において被ろ過水を順方向に流した際の状態を示す図。(b)は、図1の水処理装置において被ろ過水を逆方向に流した際の状態を示す図。 図1の水処理装置に含まれる膜モジュールの構成を示す正面図。 図3の膜モジュールの断面図。 図3の膜モジュールを構成する容器を開口端側から見た側面図。 図3の膜モジュールを構成する接続部材の側断面図。 (a)〜(c)は、封止部の端部の径Aと接続部材の内径Bとの大小関係を示す図。 図1の水処理装置における水処理方法の流れを示すフローチャート。 図1の水処理装置において、制御部が流れ方向を変更する条件について説明する図。 図1の水処理装置において、制御部が流れ方向を変更する条件について説明する図。 (a)は、本発明の他の実施形態に係る水処理装置の構成を示すシステム図。(b)は、(a)の水処理装置において被ろ過水を順方向に流した際の状態を示す図。(c)は、(a)の水処理装置において被ろ過水を逆方向に流した際の状態を示す図。 本発明のさらに他の実施形態に係る水処理装置に含まれる膜モジュールの構成を示す断面図。 本発明のさらに他の実施形態に係る水処理装置に含まれる膜モジュールの構成を示す断面図。 本発明のさらに他の実施形態に係る水処理装置に含まれる膜モジュールの構成を示す断面図。 本発明の実施例1〜6と比較例1〜4とにおける膜ろ過安定性試験の結果を比較した図。
(実施形態1)
本発明の一実施形態に係る水処理装置について、図1〜図10を用いて説明すれば以下の通りである。なお、図1〜図10の説明では、(Q)筒状成形体が別体成形物である場合の実施形態について説明する。
(水処理装置10の構成)
本実施形態に係る水処理装置10は、内圧式ろ過によって被ろ過水を浄化する水処理を実施する装置であって、図1に示すように、被ろ過水槽11と、ポンプ(駆動源)12と、ポンプ(駆動源)13と、逆止弁(流れ方向選択部)14と、逆止弁(流れ方向選択部)15と、バルブ(流れ方向選択部)16と、バルブ(流れ方向選択部)17と、膜モジュール20と、制御部30と、第1ライン31a,32aと、第2ライン31b,32bと、圧力センサ33a,33bと、を備えている。
被ろ過水槽11は、図1に示すように、内部に被ろ過水Wを貯留する水槽であって、第1ライン31a,32aおよび第2ライン31b,32bと接続されている。
第1ポンプ(駆動源)12は、図1に示すように、第1ライン31aに設けられている。そして、第1ポンプ12は、第1ライン31aを介して、順方向に沿って、被ろ過水Wを膜モジュール20に供給するとともに、膜モジュール20を通過した濃縮水を、第2ライン31bを介して、再び、被ろ過水槽11へ戻す。
第2ポンプ(駆動源)13は、図1に示すように、第1ライン32aに設けられている。そして、第2ポンプ13は、第1ライン32aを介して、逆方向に沿って、被ろ過水Wを膜モジュール20に供給するとともに、膜モジュール20を通過した濃縮水を、第2ライン32bを介して、再び、被ろ過水槽11へ戻す。
逆止弁(流れ方向選択部)14は、図1に示すように、第1ライン31aに設けられており、図中の矢印方向にのみ被ろ過水Wを通過させる。
逆止弁(流れ方向選択部)15は、図1に示すように、第1ライン32aに設けられており、図中の矢印方向にのみ被ろ過水Wを通過させる。
バルブ(流れ方向選択部)16は、図1に示すように、第2ライン31bに設けられており、制御部30によって開閉制御される。これにより、バルブ16は、被ろ過水Wを流す方向を選択する手段として機能する。
バルブ(流れ方向選択部)17は、図1に示すように、第2ライン32bに設けられており、制御部30によって開閉制御される。これにより、バルブ17は、被ろ過水Wを流す方向を選択する手段として機能する。
本実施形態の水処理装置10では、以上のように、逆止弁14,15とバルブ16,17とによって、膜モジュール20に対する被ろ過水Wの流れる方向を選択的に切り換える。
膜モジュール20は、図1に示すように、第1ライン31a,32aおよび第2ライン31b,32bを介して、被ろ過水槽11と接続されている。そして、膜モジュール20は、供給された被ろ過水Wから内圧式ろ過によってろ過水を精製する水処理を実施する。なお、膜モジュール20の構成については、後段にて詳述する。
制御部30は、図1に示すように、第1・第2ポンプ12,13、バルブ16,17および圧力センサ33a,33bと接続されており、各種設定条件に応じてこれらを制御する。
具体的には、制御部30は、被ろ過水槽11内の被ろ過水Wを順方向に沿って、膜モジュール20に対して供給する場合には、図2(a)に示すように、第1ポンプ12を駆動させて、第1ライン31aを介して、逆止弁14を経由して膜モジュール20に対して被ろ過水Wを供給する。そして、膜モジュール20を通過した濃縮水は、第2ライン31bを介して、開状態のバルブ16を経由して、再び、被ろ過水槽11へ戻される。
つまり、順方向に沿って膜モジュール20に対して被ろ過水Wを供給する場合には、制御部30は、第1ポンプ12を駆動させ、バルブ16を開状態とするように制御する。
一方、制御部30は、被ろ過水槽11内の被ろ過水Wを逆方向に沿って、膜モジュール20に対して供給する場合には、図2(b)に示すように、第2ポンプ13を駆動させて、第1ライン32aを介して、逆止弁15を経由して膜モジュール20に対して被ろ過水Wを供給する。そして、膜モジュール20を通過した濃縮水は、第2ライン32bを介して、開状態のバルブ17を経由して、再び、被ろ過水槽11へ戻される。
つまり、逆方向に沿って膜モジュール20に対して被ろ過水Wを供給する場合には、制御部30は、第2ポンプ13を駆動させ、バルブ17を開状態とするように制御する。
なお、制御部30による水処理方法については、後段にて詳述する。
第1ライン31a,32aは、図1に示すように、膜モジュール20に対して被ろ過水槽11から被ろ過水Wを供給するラインであって、第1・第2ポンプ12,13や逆止弁14,15が設けられている。
第2ライン31b,32bは、図1に示すように、膜モジュール20を通過した濃縮水を再び被ろ過水槽11へ戻すラインであって、バルブ16,17が設けられている。
なお、第2ライン31bは、被ろ過水槽11に接続されており、膜モジュール20を通過した濃縮水を戻す。一方、第2ライン32bは、被ろ過水槽11の水中に接続されており、膜モジュール20を通過した濃縮水を戻す。
圧力センサ33a,33bは、図1に示すように、第1ライン31a,32aにそれぞれ設けられており、第1ライン31a,32aを介して膜モジュール20に供給される被ろ過水Wの圧力を検出する。
(膜モジュール20)
膜モジュール20は、図3に示すように、本体部21と、本体部21の両端にそれぞれ取り付けられた接続部材22,23を有している。
本体部21は、図3に示すように、筒状の容器(筒状成形体)21aによって構成されており、図4に示すように、筒状の容器21aの内部空間に、複数のチューブ状の部材が束に纏められた中空糸膜21bと、封止部21c,21cとが設けられている。
中空糸膜21bは、複数のチューブ状の部材を束にして構成されており、第1端側からチューブ内に供給された被ろ過水Wが圧力を掛けて供給されると、外周面から滲み出てきたろ過水を得ることができる。そして、ろ過水を除いた濃縮水は、チューブの第1端とは反対側の第2端側から排出される。
また、中空糸膜21bは、図4に示すように、チューブ状の部材を束にした状態で、容器21aの両端部において、封止部21c,21cによって固定されている。
なお、被ろ過水Wが中空糸膜21bの膜内部を流れる流速は、0.05m/s以上になるように、第1ポンプ12または第2ポンプ13が駆動制御されることが好ましい。また、上記流速は、0.1m/s〜1.5m/sの範囲に設定されることがより好ましい。
また、中空糸膜21bの内径は、0.05mm以上であることが好ましく、1mm以上であればさらに好ましい。さらに、中空糸膜21bの内径は、1mm〜10mmの範囲であることがさらに好ましい。
さらに、中空糸膜21bに適用できる濁度またはSS濃度としては、限定されるものではないが、50度または50mg/L以上、より効果的には100度または100mg/L以上が好ましく、さらに効果的には200度または200mg/L以上が好ましい。
中空糸膜21bにおける被ろ過水Wの順方向と逆方向の双方向における膜内流速を、膜内流速高と膜内流速低としたとき、以下の関係式(4)を満たすように、制御部30によって第1ポンプ12および第2ポンプ13等が制御される。
1≦膜内流速高/膜内流速低≦30 ・・・・・(4)
これにより、順方向と逆方向とに切り換えながら被ろ過水Wを流す際に、膜モジュール20内における一方方向への流速が、他の方向における流速と同等か大きくなるように制御することができる。
この結果、順方向および逆方向における膜内流速高・低を、同等もしくは大きくなるように流すことで、中空糸膜21b内にこびりついている汚れを剥ぎ取りやすくなる。その結果、中空糸膜21b内の詰まりの発生を抑制して、良好な水処理運転を実施することができる。
封止部21c,21cは、図4に示すように、容器21aの両端部分にそれぞれ設けられている。そして、封止部21c,21cは、中空糸膜21bの両端を、容器21aの内壁面に対して固定するとともに、容器21aの両端において中空糸膜21bと容器21a、もしくは中空糸膜21b同士を封止する。
なお、封止部21c,21cは、容器21aの両端部に中空糸膜21bの両端をそれぞれ固定するとともに容器21aの両端において中空糸膜21bと容器21a、もしくは中空糸膜21b同士を封止する接着剤を用いることができる。また、封止部21c,21cとしては、接着剤以外に、例えば、Oリング等の他の封止部材を用いてもよい。
ここで、封止部21c,21cは、容器21aの直径と同じ大きさである径Aを有している。
接続部材22は、順方向において被ろ過水Wが供給された際に、被ろ過水Wが流入する流入口24aを有している。なお、逆方向において被ろ過水Wが供給された際には、流入口24aは流出口として、流出口24cは流入口として機能する。
なお、本実施形態では、流入口24aおよび流出口24cはが膜モジュール20における被ろ過水の移動方向に沿って、接続部材22にそれぞれ設けられているが、例えば、接続部材22の側面(外周面)に設けられていてもよい。
また、後述する逆向き洗浄を実施する際には、ろ過水が流出する流出口24bが流入口として機能する。
ここで、接続部材22,23における容器21aの両端に接続される開口は、図6に示すように、深さ方向(中空糸膜21bの長軸方向;+X方向)において所定の距離、具体的には、0.15Aの位置において、内径Bを有している。
本実施形態の水処理装置10では、封止部21c,21cの端面の径Aと、接続部材22,23側の開口の深さ方向に所定の距離における内径Bとすると、以下の関係式を満たすように構成されている。
A/B≦2.0 ・・・・・(1)
これにより、図7(a)に示すように、膜モジュール20に対して被ろ過水槽11から順方向および逆方向の双方向に被ろ過水Wを流すことで、膜モジュール20における被ろ過水Wの詰まりの発生を防止しつつ、順方向および逆方向のいずれの方向に被ろ過水Wを流した場合でも、接続部材22,23の部分において被ろ過水Wの流れを妨げることを抑制することができる。
この結果、膜モジュール20における被ろ過水Wの閉塞が発生することを防止して安定的に水処理を実施することができる。
また、A/Bは、以下の関係式(2)を満たすことがより好ましい。
0.5≦A/B≦2.0 ・・・・・(2)
これにより、図7(c)に示すように、A/Bの下限値を0.5としたことで、膜モジュール20の容器21a側の封止部21c,21cの端面の径Aが、接続部材22,23側の内径Bよりも若干小さい状態よりも大きい範囲とすることができる。
よって、膜モジュール20を通過する被ろ過水W(濃縮水)が接続部材22,23の内径の縮径部によって流れが妨げられて滞留し、被ろ過水Wの閉塞が発生することを防止して安定的に水処理を実施することができる。
さらに、A/Bは、以下の関係式(3)を満たすことがより好ましい。
0.8≦A/B≦2.0 ・・・・・(3)
これにより、図7(b)に示すように、A/Bの下限値を0.8としたことで、膜モジュール20の封止部21c,21cの端面の径Aが、接続部材22,23側の内径Bよりも若干小さい状態よりも大きい範囲とすることができる。
この結果、膜モジュール20から出て行く被ろ過水が接続部材22,23の内径の縮径部によって流れが妨げられて滞留し、被ろ過水Wの閉塞が発生することを防止して安定的に水処理を実施することができる。
なお、A/Bは、以上のように、2.0以下であることが好ましい。
例えば、接続部材22,23側の内径Bに対して封止部21c,21cの端面の径Aが2.0よりも大きくなると、被ろ過水Wが封止部21c,21cの端面に接する側から接続部材22,23(内径B)側の方向に流れる際に、被ろ過水Wの出口が狭くなり、狭い領域に水が滞留するおそれがある。このため、A/Bは、0.8≦A/B≦2.0の範囲内に設定されることがより好ましい。
また、封止部21c,21cの端面の径Aと接続部材22,23側の内径Bとが同等もしくは内径Bの方が大きいと、被ろ過水Wが封止部21c,21cの端面の径Aに接する側から接続部材22,23(内径B)側の方向に流れる際に、水が滞留しにくい構造となる。このため、A/Bは、0.8≦A/B≦2.0の範囲に設定されることが特に好ましい。
また、本実施形態の水処理装置10では、制御部30が、被ろ過水Wの順方向と逆方向の双方向における膜内流速のうち、流速が大きい方を膜内流速高、小さい方を膜内流速低としたとき、以下の関係式(4)を満たすように、膜内流速を制御する。
1≦膜内流速高/膜内流速低≦30 ・・・・・(4)
これにより、順方向と逆方向とに切り換えながら被ろ過水Wを流す際に、膜モジュール20内における一方方向への流速が、他の方向における流速と同等か大きくなるように制御することができる。
この結果、順方向および逆方向における膜内流速高・低を、同等もしくは大きくなるように流すことで、中空糸膜21b内にこびりついている汚れを剥ぎ取りやすくなる。その結果、中空糸膜21b内の詰まりの発生を抑制して、良好な水処理運転を実施することができる。
<水処理方法>
本実施形態の水処理装置10では、図8に示すフローチャートに従って、被ろ過水Wからろ過水を精製する水処理を行う。
すなわち、ステップS11では、第1ポンプ12を稼動させて、被ろ過水槽11から膜モジュール20に対して、被ろ過水Wを順方向に送出する(第1工程)。
より詳細には、図2(a)に示すように、第1ポンプ12によって、被ろ過水槽11から被ろ過水Wが送出され、逆止弁14を介して膜モジュール20の流入口24aに対して順方向に被ろ過水Wが供給される。そして、膜モジュール20を通過した濃縮水が、第2ライン31bを介してバルブ16を経由して被ろ過水槽11へ戻される。
次に、ステップS12では、膜モジュール20において、中空糸膜21bを用いた内圧式ろ過によって被ろ過水Wを浄化して、ろ過水を精製する。
このとき、膜モジュール20には、図3および図4に示すように、流入口24aから被ろ過水Wが供給され、流出口24bからろ過水が送出されるとともに、流出口24cから濃縮水が送出される。
次に、ステップS13では、所定時間が経過した、あるいは膜モジュール20に供給される被ろ過水Wの圧力が流れる方向を切り換えた直後から±15%以上変動したか否かを判定する。
なお、圧力変動は、第1ライン31a,32aに設けられた圧力センサ33a,33bを用いて検出される。
ここで、上記条件のいずれか1つでも満たす場合には、ステップS14へ進み、上記条件を満たさない場合には、上記条件を満たすまでステップS13を繰り返す。
次に、ステップS14では、膜モジュール20における閉塞の発生が推定されるため、膜モジュール20に流れる被ろ過水Wの方向を順方向から逆方向に切り換える(第2工程)。
具体的には、制御部30が、第1ポンプ12の駆動状態、かつバルブ16の開状態から、第1ポンプ12の駆動を停止させ、かつバルブ16を閉状態になるように切り換える。さらに、制御部30は、第2ポンプ13を駆動させ、かつバルブ17を閉状態から開状態へ切り換えて、膜モジュール20に流れる被ろ過水Wの方向を順方向から逆方向に切り換える。
次に、ステップS15では、ステップS14において、膜モジュール20に対して逆方向に被ろ過水Wを流す。
より詳細には、図2(b)に示すように、第2ポンプ13によって、第1ライン32aを介して被ろ過水槽11から被ろ過水Wが送出され、逆止弁15を介して膜モジュール20の流出口24cに対して被ろ過水Wが供給される。そして、膜モジュール20を通過した濃縮水が、第2ライン32bを介してバルブ17を経由して被ろ過水槽11へ戻される。
これにより、膜モジュール20には、順方向とは反対の逆方向から被ろ過水Wが供給され、中空糸膜21bの端面における被ろ過水Wの閉塞を解消する逆向き洗浄工程を実施することができる。
なお、図8に示すフローチャートでは、被ろ過水を順方向に送出し、逆方向へ切り替える際の流れについて説明したが、被ろ過水を逆方向に送出し、順方向へ切り替える際の流れについても同様である。
ここで、中空糸膜21bにおける被ろ過水Wの順方向と逆方向の双方向における膜内流速を、膜内流速高と膜内流速低としたとき、以下の関係式(4)を満たすように、制御部30によって第1ポンプ12および第2ポンプ13等が制御される。
1≦膜内流速高/膜内流速低≦30 ・・・・・(4)
これにより、順方向と逆方向とに切り換えながら被ろ過水Wを流す際に、膜モジュール20内における一方方向への流速が、他の方向における流速と同等か大きくなるように制御することができる。
この結果、順方向および逆方向における膜内流速高・低を、同等もしくは大きくなるように流すことで、中空糸膜21b内にこびりついている汚れを剥ぎ取りやすくなる。その結果、中空糸膜21b内の詰まりの発生を抑制して、良好な水処理運転を実施することができる。
また、膜モジュール20の端面部の逆向き洗浄工程と併せて、中空糸膜21bの2次側(中空糸膜21bの長さ方向に対して垂直方向側)から逆圧をかけて、上述した容器21aの流出口24bへ被ろ過水Wを導入して、逆圧洗浄を実施してもよい。
この場合には、中空糸膜21bの外周面から被ろ過水Wによって圧力をかけることができるため、中空糸膜21bの膜の詰まり(閉塞)を解消することで、効果的に膜モジュール20を洗浄することができる。なお、順方向から逆方向へ被ろ過水Wを流す方向を切り換える制御は、図9および図10に示す条件に基づいて実施される。
図9には、ろ過経過時間0分からスタートして、第1ライン31aに設けられた圧力センサ33aにおける検出結果と、流量センサ(図示せず)における検出結果から換算された膜内流速とが、時間経過とともに変化する様子が示されている。具体的には、ろ過経過時間0分では、圧力センサ33aにおける検出結果は、0.100MPaであり、膜内流速は、0.2m/sであった。また、図9に示す例では、ろ過経過時間が経過しても、膜内流速は、0.2m/sで一定であった。
すなわち、図9に示す例では、膜モジュール20に供給される被ろ過水Wの圧力の変動をモニタリングして、被ろ過水Wを流す方向を切り換える制御を実施している。
ここで、ろ過経過時間が、20分、40分、60分、120分と経過すると、圧力センサ33aにおける検出結果が、0.102MPa、0.105MPa、0.108MPa、0.130MPaと上昇していく。
このとき、ろ過経過時間120分の時点での圧力0.130MPaは、ろ過経過時間0分の時点の圧力0.100MPaに対して、差圧が30.0%となる。
この差圧は、上述した変動幅の範囲±15%を超えているため、制御部30は、膜モジュール20に対して被ろ過水Wを流す方向を順方向(低⇒高)から逆方向(高⇒低)に切り換える。
そして、ろ過経過時間120分の時点において被ろ過水Wを流す方向を切り換えた後、ろ過経過時間150分を経過すると、圧力センサ33bにおける検出結果が、0.110MPaまで下降する。
このとき、ろ過経過時間150分の時点での圧力0.110MPaは、ろ過経過時間120分の時点の圧力0.130MPaに対して、差圧が−15.4%となる。
ここでも、この差圧は、上述した変動幅の範囲±15%を超えているため、制御部30は、膜モジュール20に対して被ろ過水Wを流す方向を逆方向(高⇒低)から順方向(低⇒高)に切り換える。
そして、さらにろ過経過時間が180分を経過すると、制御部30は、予め設定された所定時間が経過したと判定し、流出口24bから被ろ過水Wを流入させて中空糸膜21bの膜の詰まりを解消する逆向き洗浄を実施する。
逆向き洗浄を実施した後、制御部30は、ろ過経過時間をリセットし、再び、上述した水処理を行う。
次に、図10には、ろ過経過時間0分からスタートして、流量センサ(図示せず)における検出結果から換算された膜内流速が、時間経過とともに変化する様子が示されている。
すなわち、図10に示す例では、膜モジュール20の膜内流速の変動をモニタリングして、被ろ過水Wを流す方向を切り換える制御を実施している。
具体的には、ろ過経過時間0分では、検出された膜内流速は、0.150m/sであった。
すなわち、図10に示す例では、膜モジュール20内の膜内流速の変動をモニタリングして、被ろ過水Wを流す方向を切り換える制御を実施している。
ここで、ろ過経過時間が、20分、40分、60分、120分と経過すると、膜内流速は、0.145m/s、0.140m/s、0.135m/s、0.125m/sと下降していく。
このとき、ろ過経過時間120分の時点での膜内流速0.125m/sは、ろ過経過時間0分の時点の膜内流速0.150m/sに対して、差圧が16.7%となる。
この差圧は、上述した変動幅の範囲±15%を超えているため、制御部30は、膜モジュール20に対して被ろ過水Wを流す方向を順方向(低⇒高)から逆方向(高⇒低)に切り換える。
そして、ろ過経過時間120分の時点において被ろ過水Wを流す方向を切り換えた後、ろ過経過時間150分を経過すると、膜内流速が、0.145まで上昇する。
このとき、ろ過経過時間150分の時点での膜内流速0.145m/sは、ろ過経過時間120分の時点の膜内流速0.125m/sに対して、差圧が16.0%となる。
ここでも、この差圧は、上述した変動幅の範囲±15%を超えているため、制御部30は、膜モジュール20に対して被ろ過水Wを流す方向を逆方向(高⇒低)から順方向(低⇒高)に切り換える。
そして、さらにろ過経過時間が180分を経過すると、制御部30は、予め設定された所定時間が経過したと判定し、流出口24bから被ろ過水Wを流入させて中空糸膜21bの膜の詰まりを解消する逆向き洗浄を実施する。
逆向き洗浄を実施した後、制御部30は、ろ過経過時間をリセットし、再び、上述した水処理を行う。
(実施形態2)
本発明の他の実施形態に係る水処理装置について、図11(a)〜図11(c)を用いて説明すれば以下の通りである。
ここで、本実施形態の水処理装置410は、図11(a)に示すように、単一の駆動源(ポンプ412)、バルブ416,417,418を用いて流れ方向を切り換えながら水処理を行う。さらに、本実施形態の水処理装置410では、ブロワ413を用いて、膜モジュール420に供給される流速を補助している。
すなわち、水処理装置410は、図11(a)に示すように、被ろ過水槽11と、ポンプ412と、ブロワ413と、バルブ416,417,418,419と、膜モジュール420とを備えている。
ポンプ412は、第1ライン431aに設けられており、膜モジュール420に対して順方向および逆方向の双方向に被ろ過水Wを流す際の駆動源として機能する。
ブロワ413は、第1ライン431aに設けられており、膜モジュール420に対して順方向に被ろ過水Wを流す際に、被ろ過水Wの流速を補助する駆動源として機能する。
バルブ416は、第2ライン431bに設けられており、膜モジュール420に対して順方向に被ろ過水Wを供給する際に開状態とされ、逆方向に被ろ過水Wを供給する際に閉状態とされる。
バルブ417は、第2ライン432bに設けられており、膜モジュール420に対して逆方向に被ろ過水Wを供給する際に開状態とされ、順方向に被ろ過水Wを供給する際に閉状態とされる。
バルブ418は、第1ライン431aに設けられており、膜モジュール420に対して順方向に被ろ過水Wを供給する際に開状態とされ、逆方向に被ろ過水Wを供給する際に閉状態とされる。
バルブ419は、第1ライン432aに設けられており、膜モジュール420に対して逆方向に被ろ過水Wを供給する際に開状態とされ、順方向に被ろ過水Wを供給する際に閉状態とされる。
なお、本実施形態では、図示を省略しているが、上記実施形態1と同様に、バルブ416〜419の開閉は制御部によって制御されるものとする。
膜モジュール420は、上記実施形態1と同様の構成を備えている。
本実施形態の水処理装置410では、制御部(図示せず)が、ポンプ412、バルブ416,417,418、419および圧力センサ(図示せず)と接続されており、各種設定条件に応じてこれらを制御する。
具体的には、制御部は、被ろ過水槽11内の被ろ過水Wを順方向に沿って、膜モジュール420に対して供給する場合には、図11(b)に示すように、ポンプ412を駆動して、第1ライン431aを介して、膜モジュール420に対して被ろ過水Wを供給する。そして、膜モジュール420を通過した濃縮水は、第2ライン431bを介して、開状態のバルブ416を経由して、再び、被ろ過水槽11へ戻される。
つまり、順方向に沿って膜モジュール420に対して被ろ過水Wを供給する場合には、制御部は、ポンプ412を駆動源とし、バルブ416,418を開状態とするように制御する。
一方、制御部は、被ろ過水槽11内の被ろ過水Wを逆方向に沿って、膜モジュール420に対して供給する場合には、図11(c)に示すように、ポンプ412を駆動させて、第1ライン432aを介して、バルブ419を経由して膜モジュール420に対して被ろ過水Wを供給する。そして、膜モジュール420を通過した濃縮水は、第2ライン432bを介して、開状態のバルブ417を経由して被ろ過水槽11へ戻される。
つまり、膜モジュール420に対して逆方向に沿って被ろ過水Wを供給する場合には、制御部は、ポンプ412を駆動させ、バルブ417,419を開状態、バルブ416,418を閉状態とするように制御する。
本実施形態の水処理装置410では、図11(a)〜図11(c)に示すように、被ろ過水Wを順方向および逆方向の双方向において膜モジュール420に供給する場合には、単一の駆動源であるポンプ412を用いている。
さらに、本実施形態では、ブロワ413を用いて、順方向における膜モジュール420への被ろ過水Wの流速を補助している。
このような構成でも、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、2つの駆動源(第1・第2ポンプ12,13)を用いて被ろ過水Wを膜モジュール120に対して送出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、2つの駆動源のうちの少なくとも1つを、ポンプからエア源(コンプレッサ、ブロワ等)に置き換えてもよい。
このような構成でも、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
(B)
上記実施形態では、膜モジュール220を通過した濃縮水を被ろ過水槽11に戻す例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、膜モジュールを通過した濃縮水を、別タンク(中継槽、排水マス等)に排出してもよい。
このような構成でも、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
(C)
上記実施形態では、流れ方向選択部として、逆止弁14,15およびバルブ16,17等を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、流れ方向選択部として、三方弁を用いてもよい。
このような構成でも、三方弁の開閉を切り換えることで、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
(D)
上記実施形態では、2つの駆動源(第1・第2ポンプ12,13)を用いて被ろ過水Wを膜モジュール120に対して送出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、単一の駆動源として、コンプレッサ、ブロワ等を用いてもよい。
このような構成でも、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
(E)
上記実施形態では、接続部材22,23側の内径Bの位置として、接続部材22,23の接続側の端部から0.15Aの距離(深さ)の位置における接続部材22,23の内径を用いている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、内径Bの位置の特定は、深さ0.15Aの位置に限定されるものではなく、接続部材22,23の端部からある程度の深さ位置における内径であればよい。
この場合でも、中空糸膜21bを通過してきた濃縮水(被ろ過水)が衝突しやすい接続部材22,23側の位置において内径Bを特定することで、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
(F)
上記実施形態では、制御部30によって、バルブ16,17の開閉を切り換えて、被ろ過水Wの流れる方向を選択する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、所定時間が経過するごと、あるいは圧力センサにおける検出結果をモニタリングしながら、所定の条件を満たした場合に、手動でバルブの開閉を切り換えて、被ろ過水の流れる方向を選択する構成であってもよい。
(G)
上記実施形態では、(P)筒状成形体が一体成形物である場合において、膜モジュール20を構成する容器(筒状成形体)21aの端面と中空糸膜21bの端面とが軸方向において略同じ位置に配置された例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図12に示すように、中空糸膜121bの端面が容器121aの端面よりも容器121aの奥側に配置されており、中空糸膜121bと接続部材123との間に空間を設けた構成であってもよい。
この場合には、封止部121cから所定の距離の位置における筒状成形体の内径Bを設定すればよい。
また、容器の中心軸に沿って配置された集水管を含む構成であってもよい。
この場合には、膜モジュールによってろ過したろ過水を容器の中心軸に沿って配置された集水管によって回収することができる。
(H)
上記実施形態では、(Q)筒状成形体が別体成形物である場合において、容器21aの両端にそれぞれ接続部材22,23が接続された構成を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図13に示すように、内部に中空糸膜221bが配置された容器221aの両端に、それぞれ筒体(接続部材)222,223が接続された構成であってもよい。
この場合には、封止部221c,221cから所定の距離の位置における筒体222,223の内径をBとすればよい。
さらに、例えば、図14に示すように、複数の膜モジュール320の両端部分が、ヘッダー管(接続部材)322,323の略T字状の部分に接続された構成であってもよい。
この場合には、膜モジュール320の封止部321cから所定の距離の位置のヘッダー管322,323の内径をBとすればよい。
<付記>
なお、第12の発明は、以下のように、水処理装置による水処理方法としても表現することができる。
上記水処理装置における水処理方法であって、
前記膜モジュールにおける軸方向の前記被ろ過水の流れ方向を、順方向に供給する第1工程と、
流れ方向選択部によって被ろ過水の流れる方向を切り換えて、膜モジュールに対して逆方向に被ろ過水を供給する第2工程と、
を備えた水処理方法。
また、第13の発明に係る水処理方法は、第12の発明に係る水処理方法であって、
被ろ過水の流れ方向を切り換えて、膜モジュールの洗浄を行う逆向き洗浄工程を、さらに備えている。
ここでは、被ろ過水の流れる方向を切り替えて、膜モジュールの洗浄を行う逆向き洗浄工程を実施する。
これにより、例えば、順方向へ被ろ過水を流す状態を通常運転状態とし、逆方向へ被ろ過水を流す状態を、膜モジュールの逆向き洗浄工程を行う状態とすることができる。
第14の発明に係る水処理装置は、第13の発明に係る水処理方法であって、
逆向き洗浄工程では、中空糸膜の外周面から逆圧を加える逆圧洗浄も同時に行う。
これにより、膜モジュールを構成する中空糸膜の外周面から逆圧を加えて洗浄工程を実施することで、内圧式ろ過を実施する膜モジュールの洗浄を効果的に実施することができる。
第15の発明に係る水処理装置は、第13または第14の発明に係る水処理方法であって、
被ろ過水の流れ方向を切り換えた直後の初期圧力に対する圧力センサにおいて検出される圧力の差圧が、±15%以上変動した場合に、被ろ過水が流れる方向を切り換える。
ここでは、膜モジュールに供給される被ろ過水の圧力を検出する圧力センサにおける圧力の検出結果が±15%以上の差圧になると、閉塞(詰まり)の発生有りと判断して、被ろ過水の流れる方向を切り換える。
これにより、膜モジュールにおける閉塞(詰まり)の発生を、圧力センサにおける検出結果を用いて推定することで、洗浄工程を適切なタイミングで実施することができる。
第16の発明に係る水処理装置は、第15の発明に係る水処理方法であって、
膜モジュールに供給される被ろ過水の流量、または膜モジュールにおける膜内流速の少なくとも一方の差圧を検出する。
ここでは、流量センサによって膜モジュールに供給される被ろ過水の流量、または膜モジュールにおける膜内流速(流量)を用いる。
これにより、流量センサによって、膜モジュールに供給される被ろ過水の流量を検出することで、膜モジュールの閉塞(詰まり)の発生を効果的に防止することができる。
第17の発明に係る水処理装置は、第12から第15の発明のいずれか1つに係る水処理方法であって、
被ろ過水の順方向または逆方向の膜内流速を、膜内流速高と膜内流速低としたとき、以下の関係式(4)を満たすように、膜内流速を制御する。
1≦膜内流速高/膜内流速低≦30 ・・・・・(4)
ここでは、被ろ過水の順方向あるいは逆方向の膜内流速を膜内流速高、膜内流速低とした際に、両者の比が上記関係式(4)を満たす。
これにより、順方向と逆方向とに切り換えながら被ろ過水を流す際に、膜モジュール内における一方方向への流速が、他の方向における流速と同等か大きくなるように制御することができる。
この結果、被ろ過水の閉塞抑制効果または閉塞除去効果を順方向、逆方向を問わず同等程度確保することができる。特に、流れ変更時においては、被ろ過水の閉塞抑制効果または閉塞除去効果を、さらに期待することができる。
本発明の一実施例((Q)筒状成形体が別体成形物である場合(図4参照))に係る水処理装置10による安定的な水処理の実施について検証した。その結果について、図15に示す。
(実施例1)
実施例1では、被ろ過水Wの流れ方向を双方向とし、膜モジュール20を構成する中空糸膜21bの内径5mm、上述した容器21aの径A=80mm、接続部材22,23側の内径B=80mm、A/B=1.00、順方向における膜内流速0.20m/s、逆方向における膜内流速0.20m/s、それらの比=1.0、流れ方向の変更タイミングを30分経過ごと、MLSS濃度=8000mg/Lとした。
この場合には、ろ過安定性試験(7日間連続試験)の結果は良好であった。
(実施例2)
実施例2では、被ろ過水Wの流れ方向を双方向とし、膜モジュール20を構成する中空糸膜21bの内径5mm、上述した容器21aの径A=80mm、接続部材22,23側の内径B=40mm、A/B=2.00、順方向における膜内流速0.20m/s、逆方向における膜内流速1.50m/s、それらの比=7.5、流れ方向の変更タイミングをフラッシング洗浄時、MLSS濃度=2000mg/Lとした。
この場合でも、ろ過安定性試験(7日間連続試験)の結果は良好であった。
(実施例3)
実施例3では、被ろ過水Wの流れ方向を双方向とし、膜モジュール20を構成する中空糸膜21bの内径1.5mm、上述した容器21aの径A=40mm、接続部材22,23側の内径B=65mm、A/B=0.62、順方向における膜内流速0.20m/s、逆方向における膜内流速1.00m/s、それらの比=5.0、流れ方向の変更タイミングを逆向き洗浄時、MLSS濃度=2000mg/Lとした。
この場合でも、ろ過安定性試験(7日間連続試験)の結果は良好であった。
(実施例4)
実施例4では、被ろ過水Wの流れ方向を双方向とし、膜モジュール20を構成する中空糸膜21bの内径5mm、上述した容器21aの径A=250mm、接続部材22,23側の内径B=250mm、A/B=1.00、順方向における膜内流速0.20m/s、逆方向における膜内流速0.20m/s、それらの比=1.0、流れ方向の変更タイミングを初期圧力に対して±15%変動後、MLSS濃度=2000mg/Lとした。
この場合でも、ろ過安定性試験(7日間連続試験)の結果は良好であった。
(実施例5)
実施例5では、被ろ過水Wの流れ方向を双方向とし、膜モジュール20を構成する中空糸膜21bの内径5mm、上述した容器21aの径A=250mm、接続部材22,23側の内径B=200mm、A/B=1.25、順方向における膜内流速0.10m/s、逆方向における膜内流速2.50m/s、それらの比=25.0、流れ方向の変更タイミングを逆向き洗浄時、MLSS濃度=2000mg/Lとした。
この場合でも、ろ過安定性試験(7日間連続試験)の結果は良好であった。
(実施例6)
実施例6では、被ろ過水Wの流れ方向を双方向とし、膜モジュール20を構成する中空糸膜21bの内径10mm、上述した容器21aの径A=250mm、接続部材22,23側の内径B=250mm、A/B=1.00、順方向における膜内流速0.15m/s、逆方向における膜内流速0.15m/s、それらの比=1.0、流れ方向の変更タイミングを初期圧力に対して±15%変動後、MLSS濃度=8000mg/Lとした。
この場合でも、ろ過安定性試験(7日間連続試験)の結果は良好であった。
(実施例7)
実施例7では、被ろ過水Wの流れ方向を双方向とし、膜モジュールを構成する中空糸膜の内径5mm、容器の径A=40mm、接続部材側の内径B=100mm、A/B=0.40、順方向における膜内流速0.20m/s、逆方向における膜内流速1.00m/s、流れ方向の変更タイミングをフラッシング洗浄時、MLSS濃度=2000mg/Lとした。
つまり、実施例7では、比較例1,2と比較して、順方向および逆方向の双方向における被ろ過水の供給を可能とし、内径Bに対する径Aを上記実施例よりも小さくした点において異なっている。
この場合でも、ろ過安定性試験(7日間連続試験)の結果は良好であったが、接続部材付近で被ろ過水中の濁度成分の付着が一部認められた。
これは、膜モジュールに対して双方向から被ろ過水を供給したとしても、容器側の径Aが接続部材側の内径Bに対して小さすぎたために、膜モジュールから排出された濃縮水が膜ろ過安定性に影響を及ぼさない範囲で滞留したためと推測される。
ただし、膜ろ過安定性に及ぼす影響が軽微であるため、実施形態としては取り得ることが可能である。
比較例
本発明の実施例と比較するための比較例による安定的な水処理の実施について検証した結果について、図15に示す。
(比較例1)
比較例1では、上記実施例1と比較して、膜モジュールに対して順方向および逆方向の双方向において被ろ過水を流す構成になっておらず、MLSS濃度のレベルが低い点において異なっている。
この場合には、ろ過安定性試験(7日間連続試験)の結果は、膜端面において閉塞物が付着したため、安定的な運転ができないという結果であった。
これは、膜モジュールに対して順方向および逆方向の双方向において被ろ過水を流す構成になっていないために、膜端面における閉塞が発生してしまったものと推測される。
(比較例2)
比較例2では、比較例1と比較して、順方向における膜内流速を0.20m/sから0.80m/sまで上昇させた点において異なっている。
この場合でも、ろ過安定性試験(7日間連続試験)の結果は、比較例1と同様に、膜端面において閉塞物が付着したため、安定的な運転ができないという結果であった。
これは、膜内流速を上昇させたとしても、膜モジュールに対して順方向および逆方向の双方向において被ろ過水を流す構成になっていないために、膜端面における閉塞が発生してしまったものと推測される。
以上の結果から、本発明のように、膜モジュール20に対して双方向から被ろ過水Wを供給できる構成でないと、膜端面における閉塞が発生しやすく、安定的な水処理を実施することが難しいことが分かった。
(比較例3)
比較例3では、被ろ過水Wの流れ方向を双方向とし、膜モジュールを構成する中空糸膜の内径5mm、容器の径A=80mm、接続部材側の内径B=30mm、A/B=2.67、順方向における膜内流速0.50m/s、逆方向における膜内流速0.50m/s、流れ方向の変更タイミングを初期圧力に対して±15%以上変動後、MLSS濃度=2000mg/Lとした。
つまり、比較例3では、比較例1,2と比較して、順方向および逆方向の双方向における被ろ過水の供給を可能とし、内径Bに対する径Aを上記実施例よりも大きくした点において異なっている。
この場合でも、ろ過安定性試験(7日間連続試験)の結果は、膜端面において閉塞物が付着したため、安定的な運転ができないという結果であった。
これは、膜モジュールに対して双方向から被ろ過水を供給したとしても、膜モジュールから排出された濃縮水が、接続部材側の内径Bが径Aに対して小さいために滞留を生じさせたために、膜端面における閉塞が発生してしまったものと推測される。
以上の結果から、本発明のように、膜モジュール20の容器21a側の径Aが接続部材22,23側の内径Bに対して大きくなりすぎない範囲(2.0以下)でないと、膜端面における閉塞が発生しやすく、安定的な水処理を実施することが難しいことが分かった。
以上の結果から、本発明のように、膜モジュール20の容器21a側の径Aが接続部材22,23側の内径Bに対して小さくなりすぎない範囲(0.5以上)でないと、膜端面における閉塞が発生しやすく、安定的な水処理を実施することが難しいことが分かった。
本発明の水処理装置は、被ろ過水の閉塞が発生することを防止して安定的に水処理を実施することができるという効果を奏することから、中空糸膜を用いた内圧式ろ過を実施する水処理装置に対して広く適用可能である。
10 水処理装置
11 被ろ過水槽
12 第1ポンプ(駆動源)
13 第2ポンプ(駆動源)
14 逆止弁(流れ方向選択部)
15 逆止弁(流れ方向選択部)
16 バルブ(流れ方向選択部)
17 バルブ(流れ方向選択部)
20 膜モジュール
21 本体部
21a 容器(筒状成形体)
21b 中空糸膜
21c 封止部
22 接続部材
23 接続部材
24a 流入口
24b 流出口
24c 流出口
30 制御部
31a,32a 第1ライン
31b,32b 第2ライン
33a,33b 圧力センサ
120 膜モジュール
121a 容器(筒状成形体)
121b 中空糸膜
121c 封止部
123 接続部材
220 膜モジュール
221a 容器(筒状成形体)
221b 中空糸膜
221c 封止部
222,223 筒体(接続部材)
320 膜モジュール
321c 封止部
322,323 ヘッダー管(接続部材)
410 水処理装置
412 ポンプ(駆動源)
413 ブロワ(駆動源)
416,417,418,419 バルブ(流れ方向選択部)
420 膜モジュール
431a,432a 第1ライン
431b,432b 第2ライン
W 被ろ過水

Claims (11)

  1. 被ろ過水を貯留する被ろ過水槽と、
    開口を有する筒状成形体と、前記筒状成形体内に配置された中空糸膜と、前記中空糸膜の端部を前記筒状成形体に固定し前記筒状成形体の開口を封止する封止部とを有する膜モジュールと、前記膜モジュールは、前記被ろ過水槽の外に内圧式ろ過によって膜ろ過を行い、
    前記被ろ過水槽と前記膜モジュールとを接続し、前記被ろ過水槽から前記膜モジュールに前記被ろ過水を供給する第1ラインと、
    前記膜モジュールと前記被ろ過水槽とを接続し、前記膜モジュールを通過した前記被ろ過水を前記被ろ過水槽へ戻す第2ラインと、
    前記膜モジュールにおける軸方向の前記被ろ過水の流れ方向を、順方向またはその反対の逆方向に切り替える流れ方向選択部と、
    を備え、
    前記封止部の端面の径をA、前記封止部の端面から前記中空糸膜の長軸方向に沿って深さ0.15Aの距離の位置における前記筒状成形体の内径をBとすると、内径Bは径Aよりも大きく、A/Bが以下の関係式(1)を満たす、
    水処理装置。
    A/B≧0.5 ・・・・・(1)
  2. 前記筒状成形体は、一体成形物もしくは別体成形物である、
    請求項に記載の水処理装置。
  3. 前記筒状成形体は、以下の(P)および(Q)のいずれか1つの構成を有している、
    請求項に記載の水処理装置。
    (P)前記筒状成形体が一体成形物である場合、前記筒状成形体が容器であって、前記封止部は前記容器に固定され、前記容器の内径をBとする、
    (Q)前記筒状成形体が別体成形物である場合、前記筒状成形体が容器と接続部材とによって構成され、前記封止部は前記容器に固定され、前記接続部材の内径をBとする。
  4. 前記流れ方向選択部を操作して前記被ろ過水の流れ方向を制御する制御部を、さらに備え、
    前記制御部は、前記被ろ過水の前記順方向または前記逆方向の膜内流速を、膜内流速高と膜内流速低としたとき、以下の関係式(4)を満たすように、膜内流速を制御する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の水処理装置。
    1≦膜内流速高/膜内流速低≦30 ・・・・・(4)
  5. 前記順方向および前記逆方向の双方向において、前記被ろ過水槽から前記膜モジュールに対して前記被ろ過水を供給する単一の駆動源を、さらに備えている、
    請求項1からのいずれか1項に記載の水処理装置。
  6. 前記流れ方向選択部は、前記第1ラインおよび前記第2ラインの少なくとも一方における流路を開閉するバルブである、
    請求項1からのいずれか1項に記載の水処理装置。
  7. 前記流れ方向選択部を操作して前記被ろ過水の流れ方向を制御する制御部を、さらに備え、
    前記制御部は、前記被ろ過水の流れ方向を前記順方向から前記逆方向に切り換えて、前記膜モジュールの洗浄を行う、
    請求項1からのいずれか1項に記載の水処理装置。
  8. 前記制御部は、前記中空糸膜の外周面から逆圧を加える逆圧洗浄を行う、
    請求項に記載の水処理装置。
  9. 前記膜モジュールに対して供給される前記被ろ過水の圧力を検出する圧力センサを、さらに備え、
    前記制御部は、前記流れ方向選択部によって前記被ろ過水の流れ方向を切り換えた直後の初期圧力に対する前記圧力センサにおいて検出される圧力の差圧が、±15%以上変動した場合に、前記被ろ過水が流れる方向を切り換えるように前記流れ方向選択部を制御する、
    請求項またはに記載の水処理装置。
  10. 前記膜モジュールにおける前記被ろ過水の流量を検出する流量センサを、さらに備え、
    前記制御部は、前記流れ方向選択部によって前記被ろ過水の流れ方向を切り換えた直後の前記流量センサにおける検出結果に対する前記流量センサにおける検出結果の差圧が、±15%以上変動した場合に、前記被ろ過水が流れる方向を切り換えるように前記流れ方向選択部を制御する、
    請求項またはに記載の水処理装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の水処理装置における水処理方法であって、
    前記膜モジュールにおける前記被ろ過水の前記流れ方向が前記順方向となるように、前記被ろ過水槽から前記膜モジュールに前記被ろ過水を供給する工程と、
    前記膜モジュールにおける前記被ろ過水の前記流れ方向が前記逆方向となるように、前記被ろ過水槽から前記膜モジュールに前記被ろ過水を供給する工程と、
    前記膜モジュールにおける前記被ろ過水の前記流れ方向を前記順方向または前記逆方向に切り替える工程と、
    を備える、水処理方法。
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