JP5874866B1 - 除濁膜モジュールの運転方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、中空糸状の除濁膜を備えた除濁膜モジュールの洗浄性を改良し、処理能力を向上させる除濁膜モジュールの運転方法を提供することにある。本発明の除濁膜モジュールの運転方法は、除濁膜モジュールの封止端部の位置を開口端部の位置より高くした後に、次のいずれかの工程を行う。(a)除濁膜モジュール内の除濁膜の外側を液体で満たした後、気体を供給する空気洗浄を行う封止端部高位置洗浄工程A(b)除濁膜モジュール内の除濁膜の外側に液体給水しながら、気体を供給する空気洗浄を行う封止端部高位置洗浄工程B

Description

本発明は、被処理水を除濁膜で処理する除濁膜モジュールの運転方法に関する。
除濁膜を備えたろ過装置は、高い除濁・除菌性能、運転や保守の簡便性、省エネルギー、省スペースなどの利点を有するため、地下水や表流水を除濁及び/又は除菌して得られる飲料用水や工業用水の製造に広く使用されている。また、除濁膜を備えたろ過装置は、海水淡水化に用いられる逆浸透膜モジュールに供給される前処理水の製造、あるいは、下廃水の生物処理の後処理水の除濁・除菌や再利用のために用いられる逆浸透膜モジュールに供給される前処理水の製造など様々な分野で、その使用が拡大している。
例えば、特許文献1及び2には、除濁膜が開示されている。特許文献3、4及び5には、除濁膜モジュールが開示されている。特許文献6及び7には、除濁膜モジュールを備えた造水装置あるいは造水方法が開示されると共に、除濁膜モジュールの洗浄方法が開示されている。
除濁膜モジュールは、通常、次のような構造を有している。本発明の除濁膜モジュールの運転方法の実施に使用される除濁膜モジュールも、同様の構造を有している。
除濁膜モジュールは、通常、ケースと該ケースに収納された除濁膜から構成される。除濁膜は中空糸膜の束で構成されている。前記ケースには、前記除濁膜の被処理水(原水)に接する面を含む被処理水流路に通じる第1の流体流通口と、前記除濁膜のろ過水に接する面を含むろ過水流路に通じる第2の流体流通口が設けられている。前記ケースには、必要に応じて、前記除濁膜の被処理水に接する面を含む空間に通じる第3の流体流通口が設けられている。
この除濁膜モジュールにおいて、前記除濁膜の一方の端部(上側端部)は開放されて、前記ろ過水流路の開口となる。また、この除濁膜の上側端部には、前記被処理水流路と前記ろ過水流路との間の流体の流通を遮断し、かつ、前記除濁膜を前記ケースに固定する支持体により、前記除濁膜の開口端部が形成されている。
更に、前記除濁膜の他方の端部(下側端部)は封止部材により封止されて封止端部が形成され、前記ろ過水流路の前記開口とは反対側の端部からろ過水が流出しないようにされている。
被処理水からろ過水を得るろ過工程において、前記第1の流体流通口は、被処理水を前記被処理水流路へと供給するための被処理水供給口として用いられる。また、前記第2の流体流通口は、被処理水が除濁膜を透過することにより得られたろ過水を前記ろ過水流路から排出するためのろ過水排水口として用いられる。この際、ケース内に余剰の被処理水が存在する場合は、第3の流体流通口が、余剰の被処理水を前記被処理水流路から排出するための排水口として用いられる。
除濁膜に付着した濁質を除濁膜から除去するために逆圧洗浄(以下、単に「逆洗」ともいう)が行われるが、この逆洗工程において、前記第2の流体流通口は、逆洗水、具体的には、前記ろ過工程において得られたろ過水、あるいは、ろ過水とは別に用意される清澄水を、前記ろ過水流路に供給するための逆洗水供給口として用いられる。逆洗水は、除濁膜の内側(ろ過水流路側)から、除濁膜を通過して、除濁膜の外側(被処理水流路側)へと流れ、逆洗排水となる。前記第1の流体流通口、あるいは、前記第3の流体流通口は、使用済み逆洗水を排出するための逆洗水排水口として用いられる。なお、逆洗において用いられるろ過水と清澄水は、特別に区別する旨の記載がない限り、同義語として用いられる。
除濁膜の気体による洗浄、すなわち、空気洗浄が必要な場合は、通常、前記第1の流体流通口が、気体を前記被処理水流路に供給するための気体供給口として用いられ、前記第3の流体流通口が、洗浄に使用された気体を排出するための気体排出口として用いられる。なお、以下において、空気洗浄用の気体を、最も一般的に用いられる空気を用いて説明する場合がある。
このような除濁膜モジュールの一例を、図1に示す。図1に示す除濁膜モジュール14aにおいて、除濁膜1は、多数本の中空糸の束により形成された除濁膜である。除濁膜1は、ケース(加圧容器)4に収納されている。除濁膜1の一方の端部(上側端部)に開口端部2が形成され、他方の端部(下側端部)に封止端部3が形成されている。被処理水を除濁膜1の外側から内側に向かい除濁膜1を透過させて、被処理水のろ過が行われる。開口端部2から除濁膜1の内側のろ過水が取り出される。この中空糸状の除濁膜モジュール14aは、外圧式中空糸除濁膜モジュールである。
このような除濁膜モジュール14aの洗浄方法として、ろ過方向とは逆方向に、すなわち、除濁膜1の内側(ろ過水流路側)から除濁膜1の外側(被処理水流路側)に、ろ過水または清澄水などの洗浄水を透過させる逆洗や、気体(一般的には空気)を除濁膜1の外側(被処理水流路側)に気泡として導入する空気洗浄が一般的に行われている。
日本国特許第4835221号公報 日本国特許第3760838号公報 日本国特開2006−231146号公報 日本国特開2007−125452号公報 米国特許第6,911,147号明細書 日本国特開2011−125822号公報 国際公開第2012/122289号
除濁膜モジュールは、空気洗浄の簡便性から、図4に示すように、被処理水または空気の導入口となる通水口6を有する封止端部3が下側に位置し、ろ過水が流通する開口を有する開口端部2が封止端部3よりも上側に位置する状態で、ろ過装置F1に据え付けられることが、一般的である。
しかし、このように、開口端部2を上側とした場合、逆洗において、上側の開口端部2の近傍では、除濁膜1の逆洗水が流れるろ過水流路の流路抵抗が小さいため、逆洗水は良く流れるが、その一方、封止端部3の近傍では、除濁膜1の逆洗水が流れるろ過水流路の流路抵抗が大きいため、逆洗水は流れにくい。その結果、封止端部3の近傍では除濁膜1の洗浄効果が十分に得られない問題があった。また、空気洗浄においても、除濁膜1の封止端部3はケースに固定されているため、気体(空気)の流動による振動が小さく、封止端部3の近傍における濁質を完全に除去できないという問題があった。
本発明の目的は、除濁膜を備えた除濁膜モジュールの洗浄性を改良し、処理能力を向上させ得る除濁膜モジュールの運転方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の除濁膜モジュールの運転方法は、次の特徴を有するものである。
(1)中空糸状の除濁膜の外側から内側に向かって被処理水を透過させてろ過水を得る外圧式の除濁膜を備える除濁膜モジュールの運転方法であって、前記除濁膜は、一方の端部に、該除濁膜のろ過水流路が開口されている開口端部を有すると共に、他方の端部に、前記ろ過水流路が封止されている封止端部を有し、前記開口端部の位置が前記封止端部の位置より高い位置にある状態で、前記除濁膜の外側から内側に前記被処理水をろ過し、得られたろ過水を前記開口端部から取り出すろ過工程と、前記封止端部の位置を前記開口端部の位置より高くせしめた後に、次の(a)工程及び(b)工程のいずれか1つの封止端部高位置洗浄工程を行う除濁膜モジュールの運転方法。
(a)前記除濁膜モジュール内の前記除濁膜の外側を液体で満たした後、気体を供給する空気洗浄を行う封止端部高位置洗浄工程A
(b)前記除濁膜モジュール内の前記除濁膜の外側に液体を給水しながら、気体を供給する空気洗浄を行う封止端部高位置洗浄工程B
(2)中空糸状の除濁膜の外側から内側に向かって被処理水を透過させてろ過水を得る外圧式の除濁膜を備える除濁膜モジュールの運転方法であって、前記除濁膜は、一方の端部に、該除濁膜のろ過水流路が開口されている開口端部を有すると共に、他方の端部に、前記ろ過水流路が封止されている封止端部を有し、前記開口端部の位置が前記封止端部の位置より高い位置にある状態で、前記除濁膜の外側から内側に被処理水をろ過し、得られたろ過水を前記開口端部から取り出すろ過工程と、前記開口端部から洗浄水を供給することにより、除濁膜の内側から外側に前記洗浄水を押出して、前記除濁膜の逆圧洗浄を行う開口端部高位置逆洗工程を含む除濁膜モジュールの運転サイクルが、少なくとも1回繰り返された除濁膜モジュールに対し、前記封止端部の位置を前記開口端部の位置より高くせしめた後に、次の(a)工程及び(b)工程のいずれか1つの封止端部高位置洗浄工程を行う除濁膜モジュールの運転方法。
(a)前記除濁膜モジュール内の前記除濁膜の外側を液体で満たした後、気体を供給する空気洗浄を行う封止端部高位置洗浄工程A
(b)前記除濁膜モジュール内の前記除濁膜の外側に液体を給水しながら、気体を供給する空気洗浄を行う封止端部高位置洗浄工程B
(3)前記液体が、被処理水、ろ過水及び清澄水からなる群から選択される少なくとも1つである、前記(1)または(2)に記載の除濁膜モジュールの運転方法。
(4)前記封止端部高位置洗浄工程Bにおいて、前記液体は、逆圧洗浄によって前記開口端部から前記除濁膜の内側をして前記除濁膜の外側に供給され、前記逆圧洗浄に用いる前記液体はろ過水または清澄水である、前記(1)または(2)に記載の除濁膜モジュールの運転方法。
(5)前記開口端部高位置逆洗工程の前後、あるいは、前記開口端部高位置逆洗工程と同時に、前記封止端部側から前記除濁膜モジュール内に、気体を供給する空気洗浄を行う、前記(2)に記載の除濁膜モジュールの運転方法。
(6)前記封止端部高位置洗浄工程を行う前に、前記除濁膜を薬液に一定時間接触させる、前記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の除濁膜モジュールの運転方法。
(7)前記封止端部高位置洗浄工程において、液体の給水および気体の供給を停止して、除濁膜モジュール内部の水の動きを停止させる静置工程を少なくとも1回行う、前記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の除濁膜モジュールの運転方法。
本発明の除濁膜モジュールの運転方法によれば、封止端部が開口端部よりも高い位置に位置する状態で、除濁膜の洗浄が行われるため、すなわち、封止端部高位置洗浄工程により、これまで効率的に洗浄することが困難であった除濁膜モジュールの洗浄が効率的に行われる。とりわけ、封止端部近くにおける除濁膜に付着している濁質の除去が効率的に行われる。
図1は、本発明の実施に用いられる除濁膜モジュールの一例の概略縦断面図である。 図2は、本発明の実施に用いられる他の除濁膜モジュールの一例の概略縦断面図である。 図3は、本発明の実施に用いられる更に他の除濁膜モジュールの一例の概略縦断面図である。 図4は、本発明の実施におけるろ過工程の一例を説明するための概略フロー図である。 図5は、本発明の実施における封止端部高位置洗浄工程の一例を説明するための概略フロー図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、これらの実施形態になんら限定されるものではない。
なお、本明細書において、「上」、「下」とは、除濁膜モジュールの使用時の設置状態における方向を意味し、図面に示す状態に基づいている。
本発明の実施においてろ過処理される被処理水としては、海水、河川水、地下水、下排水処理水など様々な種類の水が挙げられる。
図1、図2および図3を用いて、本発明の実施において用いられる除濁膜モジュールのそれぞれ別の態様を説明する。
図1に示す除濁膜モジュール14aは、ケース(円筒ケース)4とケース4の内方に収納された多数本の中空糸膜の束で形成された外圧式の除濁膜1から構成される。中空糸状の外圧式の除濁膜は、その外側から内側に向かって被処理水を透過させてろ過水を得ることができる。
除濁膜1の上端部において、各中空糸膜は、ポッティング材に埋設され、それらの上端部における各中空部は、ポッティング材の上面において、開口されている。ポッティング材の側周面は、ケース4の内周面に固定されている。この状態において、ポッティング材により、除濁膜1の開口端部2が形成されている。この開口端部2からろ過水が取り出される。
除濁膜1の下端部において、各中空糸膜は、ポッティング材に埋設され、それらの下端部における各中空部は、ポッティング材により封止されている。すなわち、除濁膜1のろ過水流路が封止された状態となる。ポッティング材の側周面は、ケース4の内周面に固定されている。この状態において、ポッティング材により、除濁膜1の封止端部3が形成されている。封止端部3を形成しているポッティング材の中央部には、被処理水が流通する通水口6が設けられている。
除濁膜モジュール14aにおいて、通水口6から流入した被処理水は、除濁膜1の外側表面から内側の中空部の表面へと透過することによりろ過され、ろ過水となる。ろ過水は、開口端部2における各除濁膜1の中空部の開口から流出する。
除濁膜モジュール14aは、被処理水を供給する被処理水供給ノズル5、ろ過水を取り出すろ過水排出ノズル8、および、ケース4内の余剰の水を排出する排水ノズル7を有する。
図2に、図1の除濁膜モジュール14aとは別の構造を有する除濁膜モジュール14bを示す。図2において、除濁膜モジュール14bは、除濁膜1をライナー10の周りにU字型に曲げて折り返して上端部のみをポッティング材でポッティングした構造を有する。このポッティング材により、図1の除濁膜モジュール14aにおける開口端部2と同様の開口端部2が形成されている。除濁膜1の折り返し部9は、ライナー10で固定されていてもよい。ライナー10周りの除濁膜1の折り返し部9により、図1の除濁膜モジュール14aにおける封止端部3と同様の機能を有する封止端部が、形成されている。
除濁膜のろ過水流路が封止された状態とは、図1のようにポッティング材で封止されている状態のほかに、図2のように除濁膜が折り返されて、流れの無い状態も含むものとする。
図3に、図1の除濁膜モジュール14aとは更に別の構造を有する除濁膜モジュール14cが示される。図3に示される除濁膜モジュール14cは、図1に示される除濁膜モジュール14aにおける封止端部3の近くにおいて、ケース4に排水ノズル(排水口)11が設けられている点で、図1に示される除濁膜モジュール14aと異なる。
図4に、本発明の除濁膜モジュールの運転方法の実施に用いられるろ過装置の一例を示す。
ろ過装置F1におけるろ過工程は、被処理水タンク12に溜められた被処理水が、被処理水ポンプ13により、封止端部3に設けられている通水口6を経由して、除濁膜モジュール14aに供給され、除濁膜モジュール14aの除濁膜1によって、被処理水がろ過され、得られたろ過水が、開口端部2に形成されている開口を経由して、ろ過水タンク16に溜められることにより行われる。
このろ過工程において、被処理水バルブ20とろ過水バルブ21は、開状態であり、第1排水バルブ15、第2排水バルブ24、第3排水バルブ27、第4排水バルブ28、第1逆洗バルブ18、第2逆洗バルブ22、第1空気供給バルブ23、第2空気供給バルブ26、第1被処理水/ろ過水バルブ25及び第2被処理水/ろ過水バルブ29は閉状態である。なお、空気抜きバルブ19は、開状態であっても、閉状態であっても構わない。
このろ過工程は、被処理水タンク12から被処理水を除濁膜モジュール14aに供給する工程、除濁膜1の外側から内側に被処理水をろ過する工程、ろ過水をろ過水タンク16に供給する工程からなる。ろ過時間は、任意の長さに選定することができる。しかし、除濁膜モジュール14a内の過度な濁質の蓄積を防止する点から、一回のろ過時間は、15分〜2時間程度であることが望ましい。ろ過工程を終了するときは、被処理水ポンプ13を停止すると共に、被処理水バルブ20およびろ過水バルブ21を、閉とする。
次に、ろ過装置F1における除濁膜1の洗浄工程を次のように行う。
まず、除濁膜1の開口端部2の位置が封止端部3の位置より高い位置にある状態で、第1逆洗バルブ18及び第1排水バルブ15を開とし、逆洗ポンプ17を稼動させ、ろ過水タンク16に溜められたろ過水を洗浄水として除濁膜モジュール14aのろ過水排出ノズル8から供給して、除濁膜1の内側から外側に透過させることによって、除濁膜1の逆洗が行われる。除濁膜1から剥離した濁質は、開口端部2側の第1排水バルブ15から逆洗排水と共に排出される。このとき、被処理水バルブ20、ろ過水バルブ21、第2逆洗バルブ22、第2排水バルブ24、第3排水バルブ27、第4排水バルブ28、第1空気供給バルブ23、第2空気供給バルブ26、第1被処理水/ろ過水バルブ25及び第2被処理水/ろ過水バルブ29は閉である。なお、空気抜きバルブ19は開状態であっても閉状態であってもかまわない。また、洗浄水としては、上記のようにろ過工程で得られたろ過水を用いてもよいが、別に用意される蒸留水、RO透過水、水道水などの清澄水を用いてもよい。
この逆洗工程が、開口端部高位置逆洗工程の一例である。
なお、開口端部高位置逆洗工程における別の一例として、第1排水バルブ15および第2排水バルブ24を開とし、逆洗ポンプ17を稼動させることにより、段階的または連続的に除濁膜1の外側に残った水を除濁膜モジュールの外に排水することにより、除濁膜モジュールの外側の少なくとも一部が気体の状態で逆洗を行うことも有益である。
このように、除濁膜の外側が気体の状態で逆洗を行うことにより、除濁膜の外側の水圧による抵抗がなくなるため、除濁膜の外側が液体で覆われている状態に比べ、濁質が剥離しやすくなり、剥離した濁質が除濁膜表面をしたたり落ちながら、第2排水バルブ24から除濁膜モジュール外に排出される。このとき、除濁膜の外側を覆う水位はなるべく低くすることが望ましい。第2排水バルブ24からの逆洗排水の排出流量より、逆洗流量が高い場合には、水位が低下しないため、水位を下げるために排水ノズル7から加圧空気を導入することにより、除濁膜の外側の逆洗排水の排出流量を高めることも有効である。
除濁膜モジュール14aの除濁膜の外側が気体で満たされた状態となった後は、第1排水バルブ15を閉とし、第2排水バルブ24のみを開とすることで、除濁膜モジュール14aは空気の排出口が無くなり、除濁膜1の内側から外側に供給されたろ過水は全て逆洗排水として通水口6から排出され、水位が上昇することが無くなり、除濁膜1の外側が気体の状態のまま逆洗を効率的に行うことができるようになる。
なお、開口端部高位置逆洗工程に先立って、予め第1排水バルブ15、第2排水バルブ24を開とすることにより、除濁膜モジュール14a内の被処理水を全て排水しておくことが好ましい。
開口端部高位置逆洗工程を終了するときは、第1逆洗バルブ18を閉とし、逆洗ポンプ17を停止する。
開口端部高位置逆洗工程の終了後は、第1排水バルブ15、第2排水バルブ24を開とし、除濁膜モジュール14aに残存する逆洗排水を除濁膜モジュール外に排出し、その後、ろ過工程に戻ればよい。
また、開口端部高位置逆洗工程の前後および/または同時に、第1空気供給バルブ23、第1排水バルブ15を開とし、第1空気供給バルブ23から通水口6を経由して、除濁膜モジュール14aに空気を供給する空気洗浄を行ってもよい。この空気洗浄を行うことにより、空気(気体)が上昇することによるせん断力と除濁膜1の激しい揺れにより、除濁膜1の濁質の除去効果が更に高まる。
開口端部高位置逆洗工程の前に空気洗浄を行う場合には、ろ過工程終了後に被処理水で除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の外側が被処理水で満たされた状態で空気洗浄を行えばよい。
一方、開口端部高位置逆洗工程の後に空気洗浄を行う場合には、開口端部高位置逆洗工程において除濁膜モジュール14a内を満水の状態で行った場合には、残存した逆洗排水が満たされた状態で空気洗浄を行えばよいが、水位を下げた場合には、除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の外側に液体(水)を供給しながら空気洗浄を行うか、液体(水)を供給した後に空気洗浄を行えばよい。このとき供給する液体(水)としては、被処理水であってもろ過水であっても構わない。
開口端部高位置逆洗工程と同時に空気洗浄を行う場合には、第2排水バルブ24は開であっても閉であっても構わないが、除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の外側の水位はなるべく高く、好ましくは満水状態とした方が、空気洗浄によるせん断力が除濁膜1の全体に行き渡るため望ましい。
このような、ろ過工程と開口端部高位置逆洗工程および空気洗浄を繰り返して、数ヶ月〜数年運転した場合、次第に除濁膜モジュール14aの開口端部2および封止端部3付近に濁質が蓄積する傾向にあり、特に、封止端部3付近において濁質の蓄積が顕著となる。
これは、開口端部高位置逆洗工程では、開口端部2の近傍では、除濁膜1の逆洗水が流れるろ過水流路の流路抵抗が小さいため、逆洗水は良く流れるが、その一方、封止端部3の近傍では、除濁膜1の逆洗水が流れるろ過水流路の流路抵抗が大きいため、逆洗水は流れにくいためである。さらに、除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の外側が気体の状態で逆洗を行っても、封止端部3の近傍には逆洗排水が溜まりやすく、溜まった逆洗排水の水圧により、濁質の剥離が阻害されたり、また、上部から剥離した濁質が封止端部付近の膜束間に捕捉されたためである。さらに、空気洗浄を組み合わせても、封止端部3の近傍においては、除濁膜1がポッティング材により固定されているために、気体の流動による振動が小さいほか、気体の供給口である通水口6では、気体の流れが偏りやすく、気体の通らない領域が存在したためである。
そこで、このように封止端部3の近傍に蓄積した濁質を除去するために、封止端部高位置洗浄工程を行う。次に、封止端部高位置洗浄について、図5を用いて説明する。
まず、除濁膜モジュール14aの長手方向(上下方向)の向きを回転させ、除濁膜1の封止端部3の位置が開口端部2の位置より高くなるようにする。図5は、図4に示すろ過装置F1の除濁膜モジュール14aの封止端部3と開口端部2との上下関係が完全に反転し、封止端部3が上側に位置し、開口端部2が下側に位置し、排水ノズル7が被処理水またはろ過水を除濁膜モジュール14aに供給するための被処理水/ろ過水ラインL1と接続している。
除濁膜モジュールを回転させる場合には、除濁膜モジュール内の除濁膜の外側に残った水を排水し、除濁膜モジュール内が気体で満たされた状態で行うことが、作業性の観点から好ましい。
その後、除濁膜モジュール14a内に液体(水)を供給し、第2空気供給バルブ26、第4排水バルブ28を開として、空気を除濁膜モジュール14aに供給する空気洗浄を行う。
空気洗浄は、予め除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の外側を液体(水)で満たした状態で開始しても(封止端部高位置洗浄工程A)、除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の外側に液体(水)を供給しながら行ってもよい(封止端部高位置洗浄工程B)。ただし、封止端部高位置洗浄工程Bの方が、濁質の剥離と除濁膜モジュール14aからの除去が同時に行われるため、洗浄効果が高まるので、好ましい。
除濁膜1の外側に液体(水)を満たす方法としては、除濁膜1の外側から液体を供給する方法と、逆圧洗浄により除濁膜1の内側から液体を供給する方法が挙げられる。除濁膜1の外側から液体を供給する方法としては、例えば、第2逆洗バルブ22、第1被処理水/ろ過水バルブ25、第4排水バルブ28を開として、逆洗ポンプ17を稼動して、ろ過水を、排水ノズル7を経由して除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の外側から供給する方法、被処理水バルブ20、第1被処理水/ろ過水バルブ25、第2被処理水/ろ過水バルブ29、第4排水バルブ28を開として被処理水ポンプ13を稼動して、被処理水を、排水ノズル7を経由して除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の外側から供給する方法が挙げられる。また、逆圧洗浄により除濁膜1の内側から液体を供給する方法としては、例えば、第2逆洗バルブ22、第2被処理水/ろ過水バルブ29、第4排水バルブ28を開とし、逆洗ポンプ17を稼動して、除濁膜モジュールのろ過水排出ノズル8から、ろ過水を供給し、除濁膜1を透過させる逆洗によって除濁膜1の外側へ供給する方法、ろ過水タンクと並列に清澄水を貯留するタンクを設けておき、前記と同様にろ過水排出ノズル8から清澄水を供給し、除濁膜1を透過させる逆洗によって除濁膜1の外側へ供給する方法が挙げられる。
封止端部高位置洗浄工程Aでは、除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の外側に液体(水)を満たした後、第2逆洗バルブ22、第1被処理水/ろ過水バルブ25、被処理水バルブ20、第2被処理水/ろ過水バルブ29を閉とし、被処理水ポンプ13または逆洗ポンプ17を停止して、除濁膜モジュール14aへの液体(水)の供給を停止する。次に、第2空気供給バルブ26、第4排水バルブ28を開として、空気を除濁膜モジュール14aに供給する空気洗浄を行う。第2空気供給バルブ26から排水ノズル7を通って除濁膜モジュール14aに供給された空気は、除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の外側の水中を上昇し、通水口6を通って、被処理水供給ノズル5から第4排水バルブ28を経由して除濁膜モジュール14a外に排出される。
封止端部高位置洗浄工程Bでは、ろ過水排出ノズル8から開口端部2および除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の内側を通して除濁膜1の外側に供給された液体(水)又は排水ノズル7から除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の外側に供給された液体(水)、並びに、第2空気供給バルブ26から排水ノズル7を通って除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の外側に供給された空気が、気液混合流体となって、通水口6を通って、被処理水供給ノズル5から第4排水バルブ28を経由して除濁膜モジュール14a外に排出される。
この封止端部高位置洗浄工程Bにおいては、逆洗によって、ろ過水排出ノズル8から開口端部2および除濁膜モジュール14a内の除濁膜1の内側を通して除濁膜1の外側に液体(水)を供給する方が、逆洗によって膜から剥離しやすい状態となった懸濁物質を、空洗によって完全に剥離させ、除去できるため好ましい。
ここで、封止端部高位置洗浄工程において、液体の給水および気体の供給を停止して、除濁膜モジュール内部の水の動きを停止させる静置工程を挟むことにより、除濁膜モジュール内の流れが停止していた状態から水の流れが生じることにより、洗浄効果が高まる。さらに、封止端部高位置洗浄工程Bにおいては、除濁膜モジュール内の除濁膜の外側が気体の状態から、封止端部高位置洗浄と静置工程を繰り返しながら、断続的に液面を上昇させることが好ましい。これは、気泡が大気解放される気液界面状態で最も激しく膜が揺れることにより、洗浄効果が高いことから、断続的に気液界面を上昇させることにより、膜全体を効率良く洗浄できるためである。
その後、第3排水バルブ27を開として、除濁膜モジュール14a内の水を排水することによって、除濁膜モジュール14aに残った濁質は、第3排水バルブ27を経由して、除濁膜モジュール14aから除去される。
封止端部高位置洗浄工程では、開口端部が高位置とした空気洗浄とは空気の流れの向きが逆転するため、開口端部を高位置とした空気洗浄では空気の流れなかった領域に対しても、空気が導入され、封止端部付近に蓄積していた汚れを除去することが可能となる。
また、封止端部高位置洗浄工程と併用して、封止端部を高位置としたまま逆洗を行うことが望ましい。例えば、封止端部を高位置とした逆洗工程は次のように行われる。まず、第3排水バルブ27、第4排水バルブ28を開として、除濁膜モジュール内の除濁膜の外側の水の少なくとも一部を排水し、除濁膜1の封止端部3の側が大気中に露出するようにする。
次に、第2逆洗バルブ22、第2被処理水/ろ過水バルブ29を開とし、逆洗ポンプ17を稼動させ、ろ過水を除濁膜の内側から外側に透過させることによって逆洗が行われる。このとき、除濁膜の外側に透過した逆洗排水は、第3排水バルブ27から除濁膜モジュール外に排出される。封止端部3の近くでは、除濁膜1の外側が大気に露出していることにより、水圧による抵抗が無いことから、選択的にろ過水が透過するため、その部分における除濁膜1の高い洗浄効果が得られる。
ここで説明した実施の形態では、封止端部高位置洗浄工程をろ過装置と同じ装置を用いて実施する例を記載したが、除濁膜モジュールをろ過装置から取り外して、別の洗浄専用の装置に取り付けて封止端部高位置洗浄工程を実施してもよい。
本発明において、封止端部高位置洗浄工程で除濁膜モジュール内の除濁膜の外側に供給する液体(水)は、該液体の供給の仕方によって適宜使い分けることが好ましい。具体的には、液体を除濁膜の内側を通さず直接、除濁膜の外側に満たす場合は、該液体として、被処理水または、ろ過水や、別に用意される蒸留水、RO透過水、水道水などの清澄水を用いることができる。また、液体を除濁膜の内側を通して除濁膜の外側に満たす場合には、該液体として、ろ過水や、別に用意される蒸留水、RO透過水、水道水などの清澄水を用いることが好ましい。このように、用いる液体を使い分けることにより、除濁膜の内側が汚染されないようにすることができる。
ろ過工程を終了し、封止端部高位置洗浄工程を行う際には、該封止端部高位置洗浄工程を行う前に、除濁膜の外側を満たす液体(水)に薬液を添加し、除濁膜を液体に一定時間接触させること(薬液洗浄)が望ましい。液体に薬液を添加することにより、除濁膜の外側に付着していた濁質は膜から剥離しやすい状態となり、封止端部高位置洗浄を行うことによって、非常に効果的に除濁膜モジュール14aから除去することができる。
ろ過工程と開口端部高位置逆洗を少なくとも1回繰り返した場合には、最後のろ過工程を行った後に、薬液洗浄工程と開口端部高位置逆洗の順序はいずれでもよく、薬液洗浄−開口端部高位置逆洗−封止端部高位置逆洗の順に行ってもよいし、開口端部高位置逆洗−薬液洗浄−封止端部高位置逆洗の順に行ってもよい。
薬液としては、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、シュウ酸、アスコルビン酸、亜硫酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム等の薬剤を含有する水溶液が使用できる。とりわけ、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤は、海水、河川水、下排水処理水などの有機物を含んだ濁質を除去するのに効果的であり有効である。次亜塩素酸ナトリウムの濃度は10mg/Lから10000mg/Lであることが好ましい。10mg/Lより薄くなると洗浄効果が十分で無く、10000mg/Lより濃くなると薬剤のコストが高くなり不経済となるからである。さらに、100mg/Lから5000mg/Lであることがより好ましい。
薬液を添加した後は、一定時間の接触時間を設けたほうが、洗浄効果は高くなる。除濁膜と薬液を接触させる時間は5分〜3時間程度が好ましい。あまり接触時間が短いと洗浄力が弱く、長すぎると装置を止めている時間が長くなり、装置の運転効率が落ちるため経済的に不利となるためである。
なお、上記には、ろ過工程と開口端部高位置逆洗工程を繰り返して、数ヶ月〜数年運転した後に、封止端部高位置洗浄工程を行う事例を紹介したが、ろ過工程および開口端部高位置逆洗工程を数回〜数十回実施した後、定期的に封止端部高位置洗浄工程を実施し、封止端部への濁質の蓄積を防ぎながら運転を行うことも有効である。
膜ろ過方式としては、全量ろ過型モジュールでもクロスフローろ過型モジュールであっても差し支えない。
しかし、エネルギー消費量が少ないという点から、全量ろ過型モジュールが好ましい。なお、除濁膜モジュールは、加圧型モジュールであっても浸漬型モジュールであっても差し支えはないが、高流束が可能であることから加圧型モジュールが好ましい。
中空糸膜モジュールのろ過方式としては、中空糸膜の外側から内側にろ過を行う外圧式が用いられる。
本発明は封止端部に蓄積した汚れを効果的に除去することができるため、封止端部に汚れの蓄積しやすい膜面積5m以上の除濁膜モジュールに対し、とりわけ効果的である。
また、除濁膜の有効長は0.5m以上であることが好ましく、より好ましくは1.0m以上であることが好ましい。除濁膜の長さが短い場合には、除濁膜内部のろ過水流路の流路抵抗が小さいことから、封止端部における汚れの偏りは生じにくく、本発明の効果は得られにくい。ここで、有効長とは除濁膜の全長から、ポッティング剤に埋設された長さを除いた長さ、すなわち、被処理水と接する部分の長さとする。
さらに、除濁膜モジュールの膜充填率は、被処理水の流路を確保した上で、なるべく高いほうが膜面積を高めることができることから有効である。本発明によれば、除濁膜モジュールの端部を効率的に洗浄することが可能となることから、膜充填率が高い除濁膜モジュールに対してより有効な洗浄技術となり、膜充填率は40%以上が好ましい。ここで、膜充填率とは加圧型モジュールでは、除濁膜モジュールのケース内の封止端部と開口端部とに挟まれた部分の体積に占める除濁膜と除濁膜ろ過水流路の体積の割合とする。浸漬型モジュールでは、ケースが存在しないことから、膜モジュールを上下方向に垂直に立てた状態における除濁膜の開口部の全水平断面積に占める除濁膜およびろ過水流路の面積の割合とする。
排水ノズル7の位置は、特に限定されないが、除濁膜1の開口端部2の近くに設けられていることが排水効率が高いことから好ましい。
除濁膜1は、粒径が0.1μm以上の粒子や高分子を阻止することができる精密ろ過膜や、粒径が2nm以上0.1μm未満の粒子や高分子を阻止することができる限外ろ過膜であることが好ましい。
除濁ろ過膜に用いられる精密ろ過膜および/または限外ろ過膜の素材としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロース、酢酸セルロース、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンなどや、これらの複合素材を例示することができる。
なかでも、ポリフッ化ビニリデンは、耐薬品性に優れているため、精密ろ過膜および/または限外ろ過膜を定期的に薬品洗浄することで精密ろ過膜および/または限外ろ過膜のろ過機能が回復し、前処理膜モジュールの長寿命化につながるので、好ましく用いられる。
除濁膜ろ過モジュールのケース4は、材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィンや、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー(PFA)、フッ化エチレンポリプロピレンコポリマー(FEP)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、三フッ化塩化エチレン−エチレンコポリマー(ECTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素系樹脂、そして、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等の塩素樹脂、更にポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などが単独または混合して用いられる。また、樹脂以外では、アルミニウム、ステンレス鋼などが好ましく、更に、樹脂と金属の複合体や、ガラス繊維強化樹脂、炭素繊維強化樹脂などの複合材料であっても構わない。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は、2014年4月25日出願の日本特許出願(特願2014−091197)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1:除濁膜
2:開口端部
3:封止端部
4:ケース(円筒ケース)
5:被処理水供給ノズル
6:通水口
7:排水ノズル
8:ろ過水排出ノズル
9:除濁膜の折り返し部
10:ライナー
11:排水ノズル
12:被処理水タンク
13:被処理水ポンプ
14a、14b、14c:除濁膜モジュール
15:第1排水バルブ
16:ろ過水タンク
17:逆洗ポンプ
18:第1逆洗バルブ
19:空気抜きバルブ
20:被処理水バルブ
21:ろ過水バルブ
22:第2逆洗バルブ
23:第1空気供給バルブ
24:第2排水バルブ
25:第1被処理水/ろ過水バルブ
26:第2空気供給バルブ
27:第3排水バルブ
28:第4排水バルブ
29:第2被処理水/ろ過水バルブ
F1:ろ過装置
L1:被処理水/ろ過水ライン

Claims (7)

  1. 中空糸状の除濁膜の外側から内側に向かって被処理水を透過させてろ過水を得る外圧式の除濁膜を備える除濁膜モジュールの運転方法であって、
    前記除濁膜は、一方の端部に、該除濁膜のろ過水流路が開口されている開口端部を有すると共に、他方の端部に、前記ろ過水流路が封止されている封止端部を有し、
    前記開口端部の位置が前記封止端部の位置より高い位置にある状態で、前記除濁膜の外側から内側に被処理水をろ過し、得られたろ過水を前記開口端部から取り出すろ過工程と、前記封止端部の位置を前記開口端部の位置より高くせしめた後に、次の(a)工程及び(b)工程のいずれか1つの封止端部高位置洗浄工程を行う除濁膜モジュールの運転方法。
    (a)前記除濁膜モジュール内の前記除濁膜の外側を液体で満たした後、気体を供給する空気洗浄を行う封止端部高位置洗浄工程A
    (b)前記除濁膜モジュール内の前記除濁膜の外側に液体を給水しながら、気体を供給する空気洗浄を行う封止端部高位置洗浄工程B
  2. 中空糸状の除濁膜の外側から内側に向かって被処理水を透過させてろ過水を得る外圧式の除濁膜を備える除濁膜モジュールの運転方法であって、
    前記除濁膜は、一方の端部に、該除濁膜のろ過水流路が開口されている開口端部を有すると共に、他方の端部に、前記ろ過水流路が封止されている封止端部を有し、
    前記開口端部の位置が前記封止端部の位置より高い位置にある状態で、前記除濁膜の外側から内側に被処理水をろ過し、得られたろ過水を前記開口端部から取り出すろ過工程と、前記開口端部から洗浄水を供給することにより、前記除濁膜の内側から外側に前記洗浄水を押出して、前記除濁膜の逆圧洗浄を行う開口端部高位置逆洗工程を含む除濁膜モジュールの運転サイクルが、少なくとも1回繰り返された除濁膜モジュールに対し、前記封止端部の位置を前記開口端部の位置より高く位置せしめた後に、次の(a)工程及び(b)工程のいずれか1つの封止端部高位置洗浄工程を行う除濁膜モジュールの運転方法。
    (a)前記除濁膜モジュール内の前記除濁膜の外側を液体で満たした後、気体を供給する空気洗浄を行う封止端部高位置洗浄工程A
    (b)前記除濁膜モジュール内の前記除濁膜の外側に液体を給水しながら、気体を供給する空気洗浄を行う封止端部高位置洗浄工程B
  3. 前記液体が、被処理水、ろ過水及び清澄水からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1または請求項2に記載の除濁膜モジュールの運転方法。
  4. 前記封止端部高位置洗浄工程Bにおいて、前記液体は、逆圧洗浄によって前記開口端部から前記除濁膜の内側を通して前記除濁膜の外側に供給され、前記逆圧洗浄に用いる前記液体はろ過水または清澄水である、請求項1または請求項2に記載の除濁膜モジュールの運転方法。
  5. 前記開口端部高位置逆洗工程の前後、あるいは、前記開口端部高位置逆洗工程と同時に、前記封止端部側から前記除濁膜モジュール内に、気体を供給する空気洗浄を行う、請求項2に記載の除濁膜モジュールの運転方法。
  6. 前記封止端部高位置洗浄工程を行う前に、前記除濁膜を薬液に一定時間接触させる、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の除濁膜モジュールの運転方法。
  7. 前記封止端部高位置洗浄工程において、液体の給水および気体の供給を停止して、除濁膜モジュール内部の水の動きを停止させる静置工程を少なくとも1回行う、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の除濁膜モジュールの運転方法。
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