JP2013128892A - 中空糸膜モジュールおよびその洗浄方法 - Google Patents

中空糸膜モジュールおよびその洗浄方法 Download PDF

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Abstract

【課題】中空糸膜の長さ方向全体にわたって洗浄効果が得られ、長期間ろ過性能を低下させることなくその運転を継続できる、中空糸膜モジュールおよびその洗浄方法を提供する。
【解決手段】多数本の中空糸膜2からなる中空糸膜束を収納した筒状ケース3と、前記中空糸膜束の上端面が開口した状態で接着固定する上部樹脂接着部4と、前記中空糸膜束の下端面が開口した状態で接着固定する下部樹脂接着部5と、ろ過室6と、上部集水室7と、下部集水室8と、ドレン室9と、中空管10と、筒状ケース3の外周部に設けられろ過室6と連通する原水供給ノズルN1と、筒状ケース3の外周部に設けられろ過室6と連通する排水ノズルN2と、上部集水室7と連通する上部ろ過水ノズルN3と、筒状ケース3の外周部に設けられ下部集水室8と連通する下部洗浄ノズルN4と、ドレン室9と連通するドレンノズルN5とを備えた中空糸膜モジュールとする。
【選択図】図2

Description

本発明は、中空糸膜モジュール及びその洗浄方法に関するものであり、特に中空糸膜モジュールの上下両端から中空糸膜の内側に洗浄水を注入できる中空糸膜モジュール及びその洗浄方法に関するものである。
従来の中空糸膜モジュールを用いた装置の運転方法を図5と図6を用いて説明する。
通常ろ過時には、原水供給バルブV1とろ過バルブV2を開にし、原水供給ポンプP1で原水を原水供給ノズルN1から中空糸膜モジュール1に供給される。原水は多数本の中空糸膜2の外側から内側に透過してろ過水となり、上部ろ過水ノズルN3から出てろ過水槽などに貯水される。膜を透過しなかった濁質物や有機物は膜表面に付着し、膜の目詰まりを起こす。安定したろ過水量を得るためには、一定のろ過時間毎に膜を洗浄する必要がある。
洗浄方法には濃度の高い薬品で1日或いは数日に1回約10−60分間実施する薬液強化洗浄方法とろ過を約10−60分実施する毎に0.5−10分間実施する逆洗方法がある。逆洗効果が高いと、頻繁に薬液強化洗浄しなくてすむため、ろ過装置の回収率を高められ、薬品消費量も少なくできる。即ち、逆洗効果は設備コストと運転コストに大きく影響を及ぼす。
逆洗時には、逆洗バルブV3、排水バルブV5を開にし、逆洗ポンプP2で洗浄水をろ過水ノズルN3から中空糸膜モジュール1に送水する。洗浄水は上部集水室7を経由して多数本の中空糸膜2の内側から外側へ逆流しながら中空糸膜2の表面或いは孔の中に付着している物質を剥離させる。剥離された付着物は、下部樹脂接着部5に設けられた少なくとも1本の貫通孔12から中空糸膜モジュール1下部のドレン室9に集まり、ドレンノズルN5から中空糸膜モジュール1系外に排出される。
上記した逆洗方法と同時にまたは逆洗方法の前後に、空気供給バルブV4を開にし、ブロワーBで空気をドレンノズルN5から中空糸膜モジュール1に供給する空気洗浄を実施すると、より逆洗効果を高めることができる。また、洗浄水に次亜塩素酸塩などの薬品を数mg/Lから数十mg/L程度添加することにより逆洗効果を高めることもできる。
しかし、これらの逆洗効果を高める手段はあくまでも補助的なものであって、逆洗効果を決定する主要因は、中空糸膜2の内側から外側への逆流が中空糸膜2の長さ方向全体にわたって行われるか否かである。従来の中空糸膜モジュールであれば逆洗及び薬液強化洗浄を実施した直後であっても、中空糸膜2の上部は比較的付着物が少ないものの、中空糸膜2の下部には付着物がほとんど取れていないことが多かった。
従来の中空糸膜モジュールは図6−図8に示すように、中空糸膜2の一方の端部しか開口されず、もう一方は樹脂接着部で塞がれている構造である。通常、中空糸膜2の長さが0.5−2mと長いのに比べ、中空糸膜2の外径は0.3−2mmと細く、中空糸膜2の上部から注入した洗浄水が中空糸膜2の下部にまで行き届きにくいため、中空糸膜2の下部では中空糸膜2の内側から外側への逆洗がほとんど行われてないことがあった。中空糸膜2が長いほど、洗浄水の水温が低いほど、上下部の中空糸膜2の長さ方向の洗浄効果の差は大きくなる。このような中空糸膜モジュール1について長期間運転を行っていると、中空糸膜2の下部はろ過機能をほとんど失った状態となってしまっていた。
上記の課題を解決する手段として、特許文献1には封止された下端部から開口された上端部に向かって中空糸膜の内径が大きくなる中空糸膜モジュールが開示されている。しかし、そのような中空糸膜を製造することは製造上困難であり、生産性が落ちてコストも高くなる問題があった。
また、特許文献2には、中空糸膜両端を開口し、その両端開口部を連結パイプで接続することによって、中空糸膜を透過した処理水を中空糸膜の両端から取り出す方法が開示されている。この方法を採用すると逆洗時に上端、下端それぞれから逆洗水を供給できることから、ある程度の洗浄性向上は期待できるが、モジュール構造上、下端部からの逆洗流量は上端部からの逆洗水量と比べて非常に小さくなってしまうため、汚れの多い下端部には十分な逆洗水が供給されない問題があった。
特開2006−181506号公報 国際公開第2008/143292号
本発明は、中空糸膜の長さ方向全体にわたって洗浄効果が得られ、長期間ろ過性能を低下させることなくその運転を継続できる、中空糸膜モジュールおよびその洗浄方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は次の構成をとる。
(1)多数本の中空糸膜からなる中空糸膜束と、前記中空糸膜束を収納した筒状ケースと、前記中空糸膜束の上端面が開口した状態で前記中空糸膜束の上端部を前記筒状ケースに接着固定する上部樹脂接着部と、前記中空糸膜束の下端面が開口した状態で前記中空糸膜束の下端部を前記筒状ケースに接着固定する下部樹脂接着部と、前記筒状ケースの内部にあって前記上部樹脂接着部および前記下部樹脂接着部によって分画されたろ過室と、前記上部樹脂接着部の上方に設けられ前記中空糸膜束の上端面と連通する上部集水室と、前記下部樹脂接着部の下方に設けられ前記中空糸膜束の下端面と連通する下部集水室と、前記下部集水室の下方に設けられ前記下部集水室とは液密に封止されたドレン室と、前記下部樹脂接着部および前記下部集水室を貫通し前記ろ過室および前記ドレン室を連通する中空管と、前記筒状ケースの外周部に設けられ前記ろ過室と連通する原水供給ノズルと、前記筒状ケースの外周部に設けられ前記ろ過室と連通する排水ノズルと、前記上部集水室と連通する上部ろ過水ノズルと、前記筒状ケースの外周部に設けられ前記下部集水室と連通する下部洗浄ノズルと、前記ドレン室と連通するドレンノズルとを備えた中空糸膜モジュール。
(2)多数本の中空糸膜からなる中空糸膜束と、前記中空糸膜束を収納した筒状ケースと、前記中空糸膜束の上端面が開口した状態で前記中空糸膜束の上端部を前記筒状ケースに接着固定する上部樹脂接着部と、前記中空糸膜束の下端面が開口した状態で前記中空糸膜束の下端部を前記筒状ケースに接着固定する下部樹脂接着部と、前記筒状ケースの内部にあって前記上部樹脂接着部および前記下部樹脂接着部によって分画されたろ過室と、前記上部樹脂接着部の上方に設けられ前記上部中空糸膜束の上端面と連通する上部集水室と、前記下部樹脂接着部の下方に設けられ前記下部中空糸膜束の下端面と連通する下部集水室と、前記下部集水室の下方に設けられ前記下部集水室とは液密に封止されたドレン室と、前記下部樹脂接着部および前記下部集水室を貫通し前記ろ過室および前記ドレン室を連通する中空管と、前記筒状ケースの外周部に設けられ前記ろ過室と連通する原水供給ノズルと、前記筒状ケースの外周部に設けられ前記ろ過室と連通する排水ノズルと、前記上部集水室と連通する上部ろ過水ノズルと、前記筒状ケースの外周部に設けられ前記下部集水室と連通する下部洗浄ノズルと、前記ドレン室と連通するドレンノズルとを備えた中空糸膜モジュールを洗浄する方法であって、前記上部集水室および前記下部集水室から前記中空糸膜束の方向に洗浄水を注入する中空糸膜モジュールの洗浄方法。
(3)前記上部集水室から注入する前記洗浄水の量と前記下部集水室から注入する前記洗浄水の量とが異なる(2)に記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法。
(4)前記上部集水室から前記洗浄水を注入する時期と前記下部集水室から前記洗浄水を注入する時期とが異なる(2)または(3)に記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法。
本発明によって、中空糸膜の長さ方向全体にわたって洗浄効果が得られ、長期間ろ過性能を低下させることなくその運転を継続することができる。
本発明の中空糸膜モジュールを用いたろ過装置の概略構成図である。 本発明の中空糸膜モジュールの概略構成図である。 図2の中空糸膜モジュールにおけるA−A’断面図である。 図2の中空糸膜モジュールにおけるB−B’断面図である。 従来の中空糸膜モジュールを用いたろ過装置の概略構成図である。 従来の中空糸膜モジュールの概略構成図である。 図6の中空糸膜モジュールにおけるC−C’断面図である。 図6の中空糸膜モジュールにおけるD−D’断面図である。
本発明の実施形態を、図1、図2、図3と図4を用いて説明する。
図2は本発明の中空糸膜モジュールの概略構成図である。中空糸膜モジュール1には、数百本〜数万本の、一定の長さに揃えられた中空糸膜2が束ねられた中空糸膜束が筒状ケース3に収容され、中空糸膜2の両端部が上部樹脂接着部4と下部樹脂接着部5によって接着固定されている。
上部樹脂接着部4において、従来の中空糸膜モジュール1と同様(図7のC−C’断面図を参照)、本発明の中空糸膜モジュール1でも、中空糸膜2が上部集水室7に向かって開口状態となる。従来の中空糸膜モジュールと同様、中空糸膜2によりろ過された水は上部集水室7から上部ろ過水ノズルN3から取り出されてろ過水槽などに貯水される。
下部樹脂接着部5において、従来の中空糸膜モジュール1では図6に示すように中空糸膜2が接着部に封止される。図8のD−D断面図に示すように、1つ以上の貫通孔12が下部樹脂接着部5を貫通し、ドレン室9に向かって開口状態となる。中空糸膜2を透過しなかった濁質物などが貫通孔12からドレン室9を経由してドレンノズルN5から系外にドレンされる。本発明の中空糸膜モジュール1では、下部樹脂接着部5において、中空糸膜2が下部集水室8に向かって開口状態となり(図3のA−A’断面図を参照)、1つ以上の中空管10は下部樹脂接着部5を貫通し、さらに下部集水室8を貫通し、ドレン室9に向かって開口する(図4のB−B’断面図を参照)。下部集水室8とドレン室9は隔離板11により分離され、ドレン室9は下部集水室8と液密に封止されている。下部集水室8には下部洗浄ノズルN4が設けられ、洗浄水を中空糸膜2の内側に注入する。下部洗浄ノズルN4は下部集水室8と連通すればよく、その位置は、図2に示すように中空糸膜モジュール1の筒状ケース3の横に設けられても良いし、ドレン室9を貫通しドレンノズルN5と平行になるように中空糸膜モジュール1の下部に設けられても良い。
本発明の中空糸膜モジュール1を用いたろ過装置の運転方法を図1で説明すると、ろ過運転時は従来の中空糸膜モジュール1の運転方法と同様、原水供給バルブV1とろ過バルブV2を開にし、原水供給ポンプP1で原水を原水供給ノズルN1からろ過室6に供給する。原水は多数本の中空糸膜2の外側から内側に透過し、上部集水室7を経て上部ろ過水ノズルN3から取り出されてろ過水槽などに貯水される。本発明の中空糸膜モジュール1では、通常ろ過運転時に、第1逆洗バルブV3と第2逆洗バルブV7を開にし、中空糸膜モジュール1の下部集水室8を経て下部洗浄ノズルN4からも同時にろ過水を取り出すことも可能である。
次に、本発明の中空糸膜モジュールの洗浄方法について説明する。逆洗時には、第1逆洗バルブV3と第2逆洗バルブV7、排水バルブV5と洗浄水吐出バルブV8を開にし、逆洗ポンプP2で洗浄水を上部ろ過水ノズルN3と下部洗浄ノズルN4から中空糸膜2の内側に送水する。中空糸膜2の上下から送られた洗浄水は多数本の中空糸膜2の内側から外側へ逆流しながら、中空糸膜2の表面或いは孔の中に付着している物質を剥離させる。剥離された付着物は、1つ以上の中空管10からドレン室9を経由し、ドレンノズルN5から中空糸膜モジュール1の系外に排出される。
逆洗する際に、上部集水室7から注入する洗浄水の量と下部集水室8から注入する洗浄水の量は、個別に調整することができ、中空糸膜2の両端の汚れ具合の差異により、上部集水室7から注入する洗浄水の量と下部集水室8から注入する洗浄水の量とが異なるように、バルブV3とV7の開度を調整することによって調整することが好ましい。通常ろ過時、より汚れが進行している中空糸膜2の一端の方により多くの洗浄水を注入すれば良い。
逆洗する際に、上部集水室7から洗浄水を注入する時期と下部集水室8から洗浄水を注入する時期は、個別に調整することができ、中空糸膜2の両端の汚れ具合の差異やろ過水の生産水量に応じて、上部集水室7から洗浄水を注入する時期と下部集水室8から洗浄水を注入する時期とが異なるように調整することが好ましい。原水に含まれる濁質物が比較的少ない時には、汚れやすい中空糸膜2の一端に洗浄水をより頻繁に注入し、比較的汚れが進行してない或いは汚れにくい中空糸膜2の一端にはより低い頻度で洗浄水を注入すれば良い。また、中空糸膜2の一端のみから洗浄水を注入した後、ラインを切り替えて連続的に他の一端から洗浄水を注入しても良い。また、原水の水温が30℃以上と高い場合、ろ過水を多く生産する中空糸膜2の一端のみ洗浄水を注入しても洗浄効果が得られる。一方、原水の水温が30℃以下、特に20℃以下の場合、中空糸膜2の一端のみから洗浄水を注入すると、他の一端まで洗浄効果が得られないため、その時には中空糸膜2の両端を同時に逆洗するか、或いはろ過水を生産しない或いは少なめに生産する中空糸膜2の一端も頻繁に洗浄水を注入する方が好ましい。
次に本発明の中空糸膜モジュールの好ましい製造方法について説明する。
中空糸膜2の材質については、多孔質の中空糸膜であれば特に限定されるものではなく、ポリエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、およびクロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、酢酸セルロース、ポリビニールアルコール、その他の材質、の限外ろ過膜または精密ろ過膜を適宜使用することができる。さらに、これらの高分子の焼結体からなるろ過材料およびセラミック等無機素材からなるろ過材料も好ましく使用することができる。
中空糸膜の製膜方法は中空糸膜の材質によって異なるが、例えばポリフッ化ビニリデン系樹脂を原料とする場合、特許第2899903号に開示されるようにポリフッ化ビニリデン系樹脂に無機微粒子と有機液状体を溶融混錬し、一定の温度条件で口金から押出したり、プレス機でプレスしたりして成型した後、冷却固化し、その後有機液状体と無機微粒子を抽出することにより非対称多孔構造を形成させる紡糸方法などを適宜採用することができる。
中空糸膜の外径は特に限定されるものではないが、0.3−3mmの範囲であることが好ましい。外径が大きいと圧力損失は少ないが、充填本数が少なくなる。逆に外径が小さいと充填本数は多くなるが圧力損失が大きくなるとともに折れやすい問題もある。中空糸膜の膜厚は0.1−0.9mmの範囲であることが好ましい。膜厚が薄いと、膜が折れやすくなり、逆に厚いと圧損や原料代の増加につながる。
次に中空糸膜モジュールの製造方法については、多数本の中空糸膜2を集束し、原水供給ノズルN1と排水ノズルN2を備えた筒状ケース3に挿入し、接着剤で中空糸膜両端のポッティングを行う。中空糸膜2の本数が多く、隣接する中空糸膜2同士の隙間が狭い場合などでは、接着剤を上記ノズルから注入し、筒状ケース3を中空糸膜束の軸方向に垂直な方向に回転して得られる遠心力を利用したポッティング法を採用することも好ましい。接着剤が固化したら、中空糸膜束を接着部と同時に、中空糸膜束の両端を中空糸膜束の横断面方向に切断し、固定された中空糸膜2の両端開口面を得る。
また、接着部に中空管10を設置する方法としては、中空糸膜を集束する際に接着剤と接着しない、設置したい中空管10の外径と同じ外径を持つ棒状物を中空糸膜束に埋め込んでから接着剤を注入し、接着剤が固化した後、この棒状物を取り除くことにより貫通孔を作製し、当該貫通孔に中空管10の先端が下部樹脂接着部5の上端面と同じ高さになるように中空管10を差し込むことで設置することができる。この場合、予め埋め込む棒状物の代わりに、中空状のパイプ或いはチューブを用いても良い。
隔離板11は、中空管10が差し込まれる貫通孔に関して下部樹脂接着部5と同じ貫通孔の配置を持つ板材に中空管10を溶接、又は接着したものでも良いし、予め下部樹脂接着部5と同じ貫通孔の配置を持つ板材を成型、又は加工しても良い。いずれにしても下部集水室8とドレン室9が接液しないような構造である必要がある。中空管10、および隔離板11の材質としては、取扱液に対して耐食性、耐圧性があれば特に制約は無く、樹脂製、金属製のいずれでも良い。また、ポッティング後、中空糸膜束から切り取った上部樹脂接着部4または下部樹脂接着部5を加工し、隔離板11として使用することもできる。中空管10に差し込む中空パイプの外周部分には樹脂製のリングを装着し、下部集水室8とドレン室9が接液しない構造であることが望ましいが、貫通孔の内径と中空管10の外径を同一として、貫通孔と中空管10の隙間を小さくし、接液を最小限とする方法も採用できる。
下部集水室8は、貫通孔に中空管10の一端を装着し、その中空管10の反対側の端部を隔離板11を装着することにより空間を形成し、下部集水室8とする。隔離板11の外周は筒状ケース3の一端に溶接、接着、若しくは予め成型、加工しておき、筒状ケース3のもう一端は接着部外周にネジやフランジなどで固定できるようにしておく。筒状ケース3には、下部集水室8の側面となる位置に下部洗浄ノズルN4を設けておく。
筒状ケース3および原水供給ノズルN1、排水ノズルN2、上部ろ過水ノズルN3、下部洗浄ノズルN4、ドレンノズルN5の材質については、ステンレスなどの金属、FRP、ABS、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホンなどのプラスチック類から適宜選択することができる。筒状ケース3の形状は特に限定されるものではないが、一般的には直径が100−800mm、高さは500−3000mmであることが好ましい。
上部樹脂接着部4,下部樹脂接着部5を構成する接着剤の種類は、中空糸膜2を固定するとともに中空糸膜2を筒状ケース3に対し液密に接着固定でき、かつろ過運転に支障のない強度であれば良く、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリエステル樹脂、などの接着剤や、種々の熱可塑性樹脂などを用いることができる。
また、本発明の中空糸膜モジュールを用いたろ過装置は、海水、河川水、工業排水など様々な原水をろ過処理することに用いられる。ろ過装置で使われる配管およびバルブの材質は、ステンレスなど金属製のものやポリ塩化ビニルなど樹脂製のものを使うことができる。原水が海水の場合、腐食問題を避けるためにポリ塩化ビニルなど樹脂製の配管およびバルブを用いることが好ましい。
本発明の中空糸膜モジュールを洗浄する時に用いられる洗浄水は、中空糸膜のろ過水、或いは、ろ過水水質同等或いはそれ以上の水質の水を用いて良い。また、洗浄効果を高めるためには、上記洗浄水に、例えば次亜塩素酸ナトリウムなどの殺菌剤や塩酸など酸を適宜添加しても良い。
1:中空糸膜モジュール
2:中空糸膜
3:筒状ケース
4:上部樹脂接着部
5:下部樹脂接着部
6:ろ過室
7:上部集水室
8:下部集水室
9:ドレン室
10:中空管
11:隔離板
12:貫通孔
N1:原水供給ノズル
N2:排水ノズル
N3:上部ろ過水ノズル
N4:下部洗浄ノズル
N5:ドレンノズル
P1:原水供給ポンプ
P2:逆洗ポンプ
B:ブロワー
V1:原水供給バルブ
V2:ろ過バルブ
V3:第1逆洗バルブ
V4:空気供給バルブ
V5:排水バルブ
V6:ドレンバルブ
V7:第2逆洗バルブ
V8:洗浄水吐出バルブ

Claims (4)

  1. 多数本の中空糸膜からなる中空糸膜束と、前記中空糸膜束を収納した筒状ケースと、前記中空糸膜束の上端面が開口した状態で前記中空糸膜束の上端部を前記筒状ケースに接着固定する上部樹脂接着部と、前記中空糸膜束の下端面が開口した状態で前記中空糸膜束の下端部を前記筒状ケースに接着固定する下部樹脂接着部と、前記筒状ケースの内部にあって前記上部樹脂接着部および前記下部樹脂接着部によって分画されたろ過室と、前記上部樹脂接着部の上方に設けられ前記中空糸膜束の上端面と連通する上部集水室と、前記下部樹脂接着部の下方に設けられ前記中空糸膜束の下端面と連通する下部集水室と、前記下部集水室の下方に設けられ前記下部集水室とは液密に封止されたドレン室と、前記下部樹脂接着部および前記下部集水室を貫通し前記ろ過室および前記ドレン室を連通する中空管と、前記筒状ケースの外周部に設けられ前記ろ過室と連通する原水供給ノズルと、前記筒状ケースの外周部に設けられ前記ろ過室と連通する排水ノズルと、前記上部集水室と連通する上部ろ過水ノズルと、前記筒状ケースの外周部に設けられ前記下部集水室と連通する下部洗浄ノズルと、前記ドレン室と連通するドレンノズルとを備えた中空糸膜モジュール。
  2. 多数本の中空糸膜からなる中空糸膜束と、前記中空糸膜束を収納した筒状ケースと、前記中空糸膜束の上端面が開口した状態で前記中空糸膜束の上端部を前記筒状ケースに接着固定する上部樹脂接着部と、前記中空糸膜束の下端面が開口した状態で前記中空糸膜束の下端部を前記筒状ケースに接着固定する下部樹脂接着部と、前記筒状ケースの内部にあって前記上部樹脂接着部および前記下部樹脂接着部によって分画されたろ過室と、前記上部樹脂接着部の上方に設けられ前記中空糸膜束の上端面と連通する上部集水室と、前記下部樹脂接着部の下方に設けられ前記中空糸膜束の下端面と連通する下部集水室と、前記下部集水室の下方に設けられ前記下部集水室とは液密に封止されたドレン室と、前記下部樹脂接着部および前記下部集水室を貫通し前記ろ過室および前記ドレン室を連通する中空管と、前記筒状ケースの外周部に設けられ前記ろ過室と連通する原水供給ノズルと、前記筒状ケースの外周部に設けられ前記ろ過室と連通する排水ノズルと、前記上部集水室と連通する上部ろ過水ノズルと、前記筒状ケースの外周部に設けられ前記下部集水室と連通する下部洗浄ノズルと、前記ドレン室と連通するドレンノズルとを備えた中空糸膜モジュールを洗浄する方法であって、前記上部集水室および前記下部集水室から前記中空糸膜束の方向に洗浄水を注入する中空糸膜モジュールの洗浄方法。
  3. 前記上部集水室から注入する前記洗浄水の量と前記下部集水室から注入する前記洗浄水の量とが異なる請求項2に記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法。
  4. 前記上部集水室から前記洗浄水を注入する時期と前記下部集水室から前記洗浄水を注入する時期とが異なる請求項2または3に記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法。
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KR102560481B1 (ko) 2020-10-12 2023-07-27 한국생산기술연구원 부유 세균 또는 부유 바이러스 제거방법 및 제거장치

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