JPH10180053A - スパイラル型膜エレメント - Google Patents

スパイラル型膜エレメント

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JPH10180053A
JPH10180053A JP34376196A JP34376196A JPH10180053A JP H10180053 A JPH10180053 A JP H10180053A JP 34376196 A JP34376196 A JP 34376196A JP 34376196 A JP34376196 A JP 34376196A JP H10180053 A JPH10180053 A JP H10180053A
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JP
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membrane element
outer peripheral
spiral
raw water
type membrane
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JP34376196A
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Inventor
Hajime Hisada
肇 久田
Yuji Nishida
祐二 西田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コスト化が可能でかつ洗浄が容易で信頼性
の高いスパイラル型膜エレメントを提供することであ
る。 【解決手段】 集水管2の外周面に独立または連続した
封筒状膜3を巻回するとともに、封筒状膜3の間に原水
スペーサ4を挿入し、スパイラル状膜要素1aを形成す
る。スパイラル膜要素1aの外周面をネットまたは棒状
部材からなる外周部流路材5で被覆する。外周部流路材
5の厚さは0.6mm以上30mm以下とする。スパイ
ラル状膜要素1aの少なくとも外周部側から原水を供給
し、集水管2の開口端から透過水を取り出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低圧逆浸透膜分離
装置、限外濾過装置、精密濾過装置等の膜分離装置に用
いられるスパイラル型膜エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、浄水技術へ膜分離技術が適用され
るとともに、海水淡水化等で用いられる逆浸透膜分離シ
ステムの前処理として膜分離技術が適用されつつある。
このような膜分離に使用される膜の種類としては、高透
過水量が得られる精密濾過膜や限外濾過膜が多く使用さ
れているが、最近、10kgf/cm2 以下の超低圧力
で高透過水量が得られる逆浸透膜も開発されてきた。
【0003】また、前記膜分離に使用される膜エレメン
トの形態としては、単位体積当たりの膜面積(体積効
率)の点から中空糸膜エレメントが多く使用されてい
る。しかしながら、中空糸膜エレメントは、膜が折れや
すいという欠点を有している。
【0004】一方、膜面積を多くとれる膜エレメントの
形態としてスパイラル型膜エレメントがある。このスパ
イラル型膜エレメントは、中空糸膜エレメントと比較す
ると、膜が折れにくく、破れにくいという利点を有して
いる。
【0005】図12は従来のスパイラル型膜エレメント
の一部切欠き斜視図であり、図13は従来のスパイラル
型膜エレメントの外観斜視図である。
【0006】図12に示すように、スパイラル型膜エレ
メント21は、透過水スペーサ25の両面に分離膜26
を重ね合わせて3辺を接着することにより封筒状膜(袋
状膜)23を形成し、その封筒状膜23の開口部を有孔
中空管からなる集水管22に取り付け、ネット状(網
状)の原水スペーサ24とともに集水管22の外周面に
スパイラル状に巻回することにより構成される。
【0007】原水スペーサ24は、封筒状膜23間に原
水が通る流路を形成するために設けられる。原水スペー
サ24の厚みが小さいと、分離膜26の充填効率は高く
なるが、懸濁物質による詰まりが生じる。そのため、通
常、原水スペーサ24の厚みは約0.7mm〜3.0m
mに設定される。
【0008】なお、河川水のように懸濁物質を多く含む
原水を処理するためにジグザグ状の波板状原水スペーサ
(いわゆるコルゲートスペーサ)を用いたスパイラル型
膜エレメントがすでに公知となっている。
【0009】図13に示すように、スパイラル型膜エレ
メント21の外周面は、FRP(繊維強化プラスチッ
ク)、収縮チューブ等からなる外装材27で被覆され、
両端部にはアンチテレスコープと呼ばれるパッキンホル
ダ28がそれぞれ取り付けられている。
【0010】図14は従来のスパイラル型膜エレメント
の運転方法の一例を示す断面図である。図14に示すよ
うに、圧力容器(耐圧容器)30は、筒形ケース31お
よび1対の端板32a,32bにより構成される。一方
の端板32aには原水入口33が形成され、他方の端板
32bには濃縮水出口35が形成されている。また、他
方の端板32bの中央部には透過水出口34が設けられ
ている。
【0011】外周面の一端部近傍にパッキン37が取り
付けられたスパイラル型膜エレメント21を筒形ケース
31内に装着し、筒形ケース31の両方の開口端をそれ
ぞれ端板32a,32bで封止する。集水管22の一方
の開口端は端板32bの透過水出口34に嵌合され、他
方の開口端にはエンドキャップ36が装着される。
【0012】スパイラル型膜エレメント21の運転時に
は、原水51を圧力容器30の原水入口33から第1の
液室38内に導入する。図12に示すように、原水51
は、スパイラル型膜エレメント21の一方の端面側から
供給される。この原水51は原水スペーサ24に沿って
軸方向に流れ、スパイラル型膜エレメント21の他方の
端面側から濃縮水53として排出される。原水51が原
水スペーサ24に沿って流れる過程で分離膜26を透過
した透過水52が透過水スペーサ25に沿って集水管2
2の内部に流れ込み、集水管22の端部から排出され
る。
【0013】その透過水52は、図14の圧力容器30
の透過水出口34から外部へ取り出される。また、濃縮
水53は、圧力容器30内の第2の液室39から濃縮水
出口35を通して外部へ取り出される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】膜エレメントを運転す
ると、原水中の濁質物質により膜の目詰まりが生じ、膜
流束が低下する。そのため、薬品洗浄等を行って目詰ま
りを取り除き、膜流束を回復させるが、薬品洗浄に要す
る手間およびコストが問題となる。そこで、目詰まりが
生じないように、例えば中空糸膜エレメントでは、透過
水または空気による逆流洗浄が定期的に行われる。
【0015】しかし、従来のスパイラル型膜エレメント
21では、集水管22に巻回された封筒状膜23の外周
面が外装材27で被覆されているので、逆流洗浄を行っ
ても、膜の目詰まりの原因となっている濁質物質等の汚
染物質が、膜エレメント21の端部から排出されるまで
に原水スペーサ24に捕捉されやすく、十分に除去され
ないという問題がある。
【0016】また、圧力容器30の筒形ケース31の内
周面とスパイラル型膜エレメント21との間に存在する
空隙がデッドスペースSとなり、流体の滞留(液溜ま
り)が生じる。スパイラル型膜エレメント21を長期間
使用すると、デッドスペースに滞留している流体が変成
を起こす。特に、流体が有機物を含有する液体である場
合には、微生物等の雑菌が繁殖し、この雑菌が有機物を
分解して悪臭を発生したり、分離膜を分解してしまうこ
とがあり、信頼性の低下につながる。
【0017】さらに、従来のスパイラル型膜エレメント
21では、原水がスパイラル型膜エレメント21の一端
部から供給され、他端部から排出されるので、集水管2
2に巻回された封筒状膜23が竹の子状に変形すること
を防止するために、パッキンホルダ28が必要となる。
また、原水スペーサ24による圧力損失および目詰まり
による圧力損失によって原水流入側と濃縮水出口側との
間に圧力差が生じ、スパイラル型膜エレメント21に変
形が生じる。この変形を防止するために、集水管22に
巻回された封筒状膜23の外周面をFRP、収縮チュー
ブ等の外装材27で被覆している。これらにより、部品
コストおよび製造コストが高くなる。
【0018】また、原水中の汚染物質によるケークの形
成を防ぐために十分な膜面線速を得ることが必要であ
り、そのためには十分な濃縮側流量が必要となる。濃縮
側流量を大きくすると、膜エレメント当たりの回収率が
低くなる上、原水を供給するポンプが大きいものとな
り、システムコストも非常に大きくなる。
【0019】本発明の目的は、低コスト化が可能でかつ
洗浄が容易で信頼性の高いスパイラル型膜エレメントを
提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本発明
に係るスパイラル型膜エレメントは、有孔中空管の外周
面に独立または連続した複数の封筒状膜が原液流路材を
介して巻回されてスパイラル状膜要素が形成され、スパ
イラル状膜要素の外周部が全体的にまたは部分的に外周
部流路材で覆われたものである。
【0021】本発明に係るスパイラル型膜エレメントに
おいては、スパイラル状膜要素の外周面が外装材で被覆
されずに外周部流路材で覆われているので、原液を膜エ
レメントの少なくとも外周部側から供給し、全量濾過を
行うことができる。
【0022】このように、原液が膜エレメントの少なく
とも外周部側から供給されるので、汚染物質が膜エレメ
ントの少なくとも外周部で捕捉される。したがって、例
えば透過水等による逆流洗浄で汚染物質を均一に除去す
ることが可能となる。
【0023】また、外周部流路材により圧力容器と膜エ
レメントの外周部との間に流路が確保される。したがっ
て、膜エレメントの逆流洗浄時に、外周部流路材に沿っ
て原液を流すことにより膜エレメントの外周部に付着し
た汚染物質を容易に系外に排出することができる。
【0024】さらに、膜エレメントの外周部が外周部流
路材で保護されるので、ハンドリング(取扱い)性が向
上する。しかも、外周部流路材により外周部での封筒状
間の拡がりが防止されるので、逆流洗浄時に膜エレメン
トの少なくとも外周部に付着した汚染物質を系外に排出
するための流路を確保することが可能となる。
【0025】また、本発明の構造によれば、全量濾過に
より膜エレメントと圧力容器との間の空隙部にデッドス
ペースが形成されないので、膜エレメントと圧力容器と
の間の空隙部において流体の滞留が生じない。したがっ
て、有機物を含有する流体の分離に使用した場合でも、
微生物等の雑菌の繁殖、有機物の分解による悪臭の発
生、分離膜の分解等の問題が起こらず、高い信頼性が得
られる。
【0026】さらに、膜エレメントの少なくとも外周部
側から原液が供給され、膜エレメントに全方向から圧力
が加わり、軸方向に変位を起こさせるような圧力が加わ
らないので、有孔中空管に巻回された封筒状膜が竹の子
状に変形することがない。それにより、パッキンホルダ
が不要となり、外装材も不要であるので、部品コストお
よび製造コストが低減される。また、全量濾過が行われ
るので、原液を供給するポンプに大きなものを用いるこ
となく、高い回収率が得られる。それにより、システム
コストが低減される。
【0027】また、膜エレメントに全方向から圧力が加
わるので、原液の供給圧力を高くしても膜エレメントの
変形が生じない。したがって、高い耐圧性が得られる。
【0028】特に、外周部流路材の厚みは0.6mm以
上30mm以下であることが好ましい。これにより、圧
力容器に対する膜エレメントの容積効率を大きく保ちつ
つ、逆流洗浄時に膜エレメントの少なくとも外周部に付
着した汚染物質を系外に排出することが可能となる。
【0029】外周部流路材は、原液が有孔中空管の軸方
向とほぼ平行な方向にほぼ直線状に流れるように配設さ
れることが好ましい。これにより、膜エレメントの逆流
洗浄時に、膜エレメントの外周部に付着した汚染物質を
原液により小さな圧力損失で有孔中空管の軸方向とほぼ
平行な方向にほぼ直線状に押し流すことができる。した
がって、膜エレメントの外周部に付着した汚染物質を容
易にかつ確実に系外に排出することが可能となる。
【0030】外周部流路材はネット状流路材からなって
もよい。この場合、ネット状流路材により膜エレメント
の外周部が十分に保護されるとともに膜エレメントの外
周部での封筒状膜間の拡がりが防止される。しかも、原
液が膜エレメントの外周部からネット状流路材を通過し
て封筒状膜の間に容易に浸入することができる。したが
って、膜エレメントのハンドリング性がより向上すると
ともに、原液を封筒状膜間に効率良く供給し、かつ汚染
物質を膜エレメントの外周部で確実に捕捉することが可
能となる。
【0031】ネット状流路材は、有孔中空管の軸方向と
ほぼ平行に配置される複数の第1の線材と、第1の線材
に交差する複数の第2の線材とからなり、第1の線材の
厚さが第2の線材の厚さよりも大きくてもよい。この場
合、膜エレメントの逆流洗浄時に、膜エレメントの外周
部に付着した汚染物質を原液により小さな圧力損失で有
孔中空管の軸方向とほぼ平行な方向にほぼ直線状に押し
流すことができる。したがって、膜エレメントの外周部
に付着した汚染物質を容易にかつ確実に系外に排出する
ことが可能となる。
【0032】また、外周部流路材は、有孔中空管の軸方
向とほぼ平行に配列される複数の棒状部材からなっても
よい。この場合にも、膜エレメントの逆流洗浄時に、膜
エレメントの外周部に付着した汚染物質を原液により小
さな圧力損失で有孔中空管の軸方向とほぼ平行な方向に
ほぼ直線状に押し流すことができる。したがって、膜エ
レメントの外周部に付着した汚染物質を容易にかつ確実
に系外に排出することが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例における
スパイラル型膜エレメントの一部切欠き斜視図である。
また、図2は図1のスパイラル型膜エレメントの封筒状
膜の一例を示す横断面図であり、図3は図1のスパイラ
ル型膜エレメントの封筒状膜の他の例を示す横断面図で
ある。
【0034】図1に示すスパイラル型膜エレメント1
は、有孔中空管からなる集水管2の外周面にそれぞれ独
立した複数の封筒状膜3または連続した複数の封筒状膜
3を巻回することにより構成されるスパイラル状膜要素
1aを含む。封筒状膜3の間には、封筒状膜3どうしが
密着して膜面積が狭くなることを防止するため、および
原水の流路を形成するために原水スペーサ(原液流路
材)4が挿入されている。また、スパイラル状膜要素1
aの外周面は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリス
チレン等のプラスチック、金属、ゴムまたは繊維等によ
り形成されるネットからなる外周部流路材5で覆われて
いる。
【0035】図2および図3に示すように、封筒状膜3
は、透過水スペーサ(透過液流路材)6の両面に2枚の
分離膜7を重ね合わせて3辺を接着することにより形成
され、その封筒状膜3の開口部が集水管2の外周面に取
り付けられている。分離膜7としては、10kgf/c
2 以下で運転される低圧逆浸透膜、限外濾過膜、精密
濾過膜等が用いられる。
【0036】図2の例では、複数の封筒状膜3がそれぞ
れ独立した分離膜7により形成される。図3の例では、
複数の封筒状膜3が連続した分離膜7を折り畳むことに
より形成される。
【0037】原水スペーサ4の厚みが0.5mmよりも
大きいと、原水中の汚染物質を膜エレメント1の少なく
とも外周部で捕捉しにくくなる。一方、原水スペーサ4
の厚みが0.1mmよりも小さいと、封筒状膜3どうし
が接触しやすくなり、膜面積が小さくなる。したがっ
て、原水スペーサ4の厚みは0.1mm以上0.5mm
以下であることが好ましい。
【0038】図4は図1のスパイラル型膜エレメント1
に用いられる外周部流路材5の斜視図であり、図5は図
4の外周部流路材5のX−X線断面図である。
【0039】図4に示すように、外周部流路材5は、複
数の線材61,62が互いに直角に交差するように格子
状に形成されている。図5に示すように、線材61の厚
さは線材62の厚さよりも大きく設定されている。それ
により、図4に示すように、原水51が線材61間にお
いて線材61と平行な方向にほぼ直線状に流れやすくな
る。
【0040】図1に示すように、外周部流路材5は線材
61が集水管2の軸方向と平行になるように配置されて
いる。したがって、原水がスパイラル状膜要素1aの外
周部で軸方向に流れやすくなる。
【0041】外周部流路材5の厚みtが30mmよりも
大きいと、膜エレメント1を収納する圧力容器に対する
膜エレメント1の容積効率が小さくなる。一方、外周部
流路材5の厚みtが0.6mmよりも小さいと、透過水
の逆流洗浄時に膜エレメント1の少なくとも外周部に付
着した汚染物質を系外に排出するための原水の流速が小
さくなる。したがって、外周部流路材5の厚みは0.6
mm以上30mm以下であることが好ましい。
【0042】また、外周部流路材5の厚み方向における
空隙率は例えば20%以上60%以下と設定する。これ
により、逆流洗浄時に汚染物質を軸方向に動かす原水の
抵抗を低減しつつ外周部流路材5の十分な強度を確保す
ることができる。また、外周部流路材5の網目の縦およ
び横のピッチは例えば3mm以上30mm以下とする。
これにより、スパイラル状膜要素1aの外周面が圧力容
器に接触して原水の流路が狭くなることを防止しつつ封
筒状膜3間に原水を十分に供給することができる。
【0043】図6は外周部流路材5の他の例を示す断面
図である。図6の例では、線材62が線材61に対して
厚さ方向の中央部で交差している。この場合にも、線材
61の厚さが線材62の厚さよりも大きく設定されてい
る。それにより、原水が線材61間において線材61と
平行な方向にほぼ直線状に流れやすくなる。
【0044】図7は外周部流路材によるスパイラル状膜
要素の被覆方法の一例を示す正面図であり、図8は外周
部流路材によるスパイラル状膜要素の被覆方法の他の例
を示す正面図である。
【0045】図7に示すように、スパイラル状膜要素1
aの外周面の全体を外周部流路材5で被覆してもよい。
また、図8に示すように、スパイラル状膜要素1aの外
周面を分割された複数の外周部流路材5a,5b,5c
で部分的に被覆してもよい。
【0046】図9は外周部流路材の他の例を示す正面図
である。図9の例では、外周部流路材が複数の棒状部材
63により構成される。複数の棒状部材63は、スパイ
ラル状膜要素1aの外周面上に軸方向に平行に配列さ
れ、円周方向の糸状部材64により連結されている。
【0047】図10は本実施例のスパイラル型膜エレメ
ントの運転方法の一例を示す断面図である。図10に示
すように、圧力容器(耐圧容器)10は、筒形ケース1
1および1対の端板12a,12bにより構成される。
一方の端板12aには原水入口13が形成され、他方の
端板12bには原水出口15が形成されている。また、
他方の端板12bの中央部には透過水出口14が設けら
れている。
【0048】スパイラル型膜エレメント1が筒型ケース
11内に収納され、筒状ケース11の両方の開口端がそ
れぞれ端板12a,12bで封止される。集水管2の一
方の端部は端板12bの透過水出口14に嵌合され、他
方の端部にはエンドキャップ16が装着される。端板1
2bの原水出口15には、配管17およびバルブ18が
接続される。
【0049】スパイラル型膜エレメント1の運転時に
は、原水51を圧力容器10の原水入口13から圧力容
器10の内部に導入する。原水51は、スパイラル型膜
エレメント1の少なくとも外周部側から原水スペーサ4
に沿って封筒状膜3間に浸入する。図10の例では、原
水51がスパイラル型膜エレメント1の外周部側および
両端部側から封筒状膜3間に浸入する。分離膜7を透過
した透過水が透過水スペーサ6に沿って集水管2の内部
に流れ込む。それにより、圧力容器10の透過水出口1
4から透過水52が取り出される。このようにして、全
量濾過が行われる。
【0050】この場合、原水スペーサ4の厚さが薄いた
め、濁質物質等の汚染物質は膜エレメント1の少なくと
も外周部(図10の例では外周部および両端部)で捕捉
される。
【0051】なお、バルブ18を開いて原水出口15か
ら一部原水を取り出してもよい。この場合、膜エレメン
ト1の外周部で原水の流れを形成することができる。そ
れにより、原水中の汚染物質の沈降を抑制しつつ汚染物
質の一部を圧力容器10の外部に排出することができ
る。
【0052】一定時間濾過を行った後、透過側から透過
水による逆流洗浄を行う。逆流洗浄時の透過水は、集水
管2から原水スペーサ4に沿って少なくとも外周部に向
かって流れる。それにより、膜エレメント1の少なくと
も外周部に捕捉された汚染物質が容易に剥離する。この
とき、原水入口13から原水を供給しつつバルブ18を
開放すると、原水が外周部流路材に沿って軸方向に直線
状に流れ、剥離した汚染物質が系外に排出される。その
結果、膜流束が逆流洗浄前と比較して格段に回復する。
【0053】このように、本実施例のスパイラル型膜エ
レメント1においては、逆流洗浄時に外周部に付着した
汚染物質を外周部流路材5に沿って系外に容易に排出す
ることができる。また、膜エレメント1の外周部が外周
部流路材5で被覆されているので、ハンドリング(取扱
い)性が向上する。
【0054】さらに、前述のような濾過形態により膜エ
レメント1と圧力容器10との間の空隙部に図14に示
したデッドスペースSのようなデッドスペースが形成さ
れないので、微生物等の雑菌の繁殖、有機物の分解によ
る悪臭の発生、分離膜の分解等の問題が発生せず、高い
信頼性が得られる。
【0055】また、膜エレメント1に全方向から圧力が
加わるので、膜エレメント1の変形の問題が生じず、パ
ッキンホルダおよび外装材が不要となる。それにより、
部品コストおよび製造コストが低減される。
【0056】また、全量濾過が行われるので、原水を供
給するポンプに大きなものを用いる必要がない。それに
より、システムコストが低減される。
【0057】図11は本発明の他の実施例におけるスパ
イラル型膜エレメントの正面図である。図11では、外
周部流路材の図示が省略されている。
【0058】図11(a)のスパイラル型膜エレメント
1においては、スパイラル状膜要素1aの両端部が樹脂
層19で封止されている。図11(b)のスパイラル型
膜エレメント1においては、スパイラル状膜要素1aの
一端部が樹脂層19で封止されている。
【0059】図11(a),(b)のスパイラル型膜エ
レメント1では、製造時の作業工程が増加するが、膜エ
レメント1の両端部または一端部に原水を供給するスペ
ースが不要となる。したがって、圧力容器を小型化する
ことができ、圧力容器内に膜エレメント1を収納してな
るスパイラル型膜モジュールを小型化することができ
る。
【0060】また、膜エレメント1の樹脂層19で封止
された端部を圧力容器の原水入口側に配置することによ
り、原水導入時に原水の動圧により膜エレメント1の端
面に汚れが付着することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるスパイラル型膜エレ
メントの一部切欠き斜視図である。
【図2】図1のスパイラル型膜エレメントの封筒状膜の
一例を示す横断面図である。
【図3】図1のスパイラル型膜エレメントの封筒状膜の
他の例を示す横断面図である。
【図4】図1のスパイラル型膜エレメントに用いられる
外周部流路材の斜視図である。
【図5】図4の外周部流路材のX−X線断面図である。
【図6】外周部流路材の他の例を示す断面図である。
【図7】外周部流路材によるスパイラル状膜要素の被覆
方法の一例を示す正面図である。
【図8】外周部流路材によるスパイラル状膜要素の被覆
方法の他の例を示す正面図である。
【図9】外周部流路材の他の例を示す正面図である。
【図10】図1のスパイラル型膜エレメントの運転方法
の一例を示す断面図である。
【図11】本発明の他の実施例におけるスパイラル型膜
エレメントの正面図である。
【図12】従来のスパイラル型膜エレメントの一部切欠
き斜視図である。
【図13】従来のスパイラル型膜エレメントの外観斜視
図である。
【図14】従来のスパイラル型膜エレメントの運転方法
の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 スパイラル型膜エレメント 1a スパイラル状膜要素 2 集水管 3 封筒状膜 4 原水スペーサ 5 外周部流路材 6 透過水スペーサ 7 分離膜 10 圧力容器 13 原水入口 14 透過水出口 51 原水 52 透過水 61,62 線材 63 棒状部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有孔中空管の外周面に独立または連続し
    た複数の封筒状膜が原液流路材を介して巻回されてスパ
    イラル状膜要素が形成され、前記スパイラル状膜要素の
    外周部が全体的にまたは部分的に外周部流路材で覆われ
    たことを特徴とするスパイラル型膜エレメント。
  2. 【請求項2】 前記外周部流路材の厚みが0.6mm以
    上30mm以下であることを特徴とする請求項1または
    2記載のスパイラル型膜エレメント。
  3. 【請求項3】 前記外周部流路材は、原液が有孔中空管
    の軸方向とほぼ平行な方向にほぼ直線状に流れるように
    配設されたことを特徴とする請求項1または2記載のス
    パイラル型膜エレメント。
  4. 【請求項4】 前記外周部流路材はネット状流路材から
    なることを特徴とする請求項1、2または3記載のスパ
    イラル型膜エレメント。
  5. 【請求項5】 前記ネット状流路材は、前記有孔中空管
    の軸方向とほぼ平行に配置される複数の第1の線材と、
    前記第1の線材に交差する複数の第2の線材とからな
    り、前記第1の線材の厚さが前記第2の線材の厚さより
    も大きいことを特徴とする請求項4記載のスパイラル型
    膜エレメント。
  6. 【請求項6】 前記外周部流路材は、前記有孔中空管の
    軸方向とほぼ平行に配列された複数の棒状部材からなる
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のスパイラ
    ル型膜エレメント。
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