JPH11169672A - 水頭差ろ過装置 - Google Patents

水頭差ろ過装置

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JPH11169672A
JPH11169672A JP33969497A JP33969497A JPH11169672A JP H11169672 A JPH11169672 A JP H11169672A JP 33969497 A JP33969497 A JP 33969497A JP 33969497 A JP33969497 A JP 33969497A JP H11169672 A JPH11169672 A JP H11169672A
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filtration
liquid
filtered
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JP33969497A
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Inventor
Tamiyuki Eguchi
民行 江口
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被ろ過液の液面よりもろ過液の出口が低い場
合だけでなく、高い場合でも実質的に水頭差でろ過で
き、電力消費量が軽減されるだけでなく、水頭差が0に
なると自然にろ過は停止し、空引きやろ過圧の過度の上
昇を上記の制御装置を付けなくとも未然に防ぐことがで
き、よって装置全体も簡略なものにできる水頭差ろ過装
置を提供する。 【解決手段】 膜モジュール1を被ろ過液の中に浸漬し
て水頭差でろ過する浸漬型膜分離装置において、被ろ過
液の液面7よりも低い位置にろ過液の入口を有し、かつ
大気圧との連絡通路6を有する貯槽2を設置し、該貯槽
のろ過液を適宜排出する手段(吸引ポンプ8)を有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜モジュールを被
ろ過液の中に浸漬して水頭差でろ過する浸漬型膜分離装
置において、特に、被ろ過液の液面が地面よりも低い場
合であっても、水頭差で効率的にろ過できる水頭差ろ過
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被ろ過液の液面が地面よりも高い位置に
あり、この被ろ過液の中に膜モジュールを浸漬したとき
に、ろ過液の出口を被ろ過液の液面よりも低い位置に設
置することができる場合には、水頭差でろ過することが
可能であることは既に知られている(例えば、第31回
日本水環境学会年会、1−D−10―1、1997)。
一方、ろ過液の出口の位置が被ろ過液の液面よりも低く
できない場合には、吸引ポンプを用いた吸引ろ過方式が
使用されてきた。
【0003】しかしながら、低圧でろ過しても吸引ポン
プは自給式でなければならない場合が通常であるが、圧
力に見合うほど電力消費量は小さくならず、また、被ろ
過液の液面が膜モジュールよりも低くなって、いわゆる
空引きが生じないように液面センサーを付けてポンプを
停止させる等の制御機構も必要である。更に、ポンプの
最大吸引圧力までろ過圧が上昇するとろ過性能を回復さ
せることが極めて困難になることは当業者が多々経験す
ることであり、圧力センサーを付けて、ろ過性能が回復
できる上限圧力を超えないように制御する必要もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、水頭差でろ過
ができない場合でも実質的に水頭差でろ過することがで
きれば電力消費量が軽減されるだけでなく、水頭差が0
になると自然にろ過は停止するので、空引きやろ過圧の
過度の上昇を上記の制御装置を付けなくとも未然に防ぐ
ことができ、もって装置全体も簡略になることが予想さ
れる。
【0005】本発明者は、被ろ過液の液面よりもろ過液
の出口が低い場合だけでなく、高い場合でも実質的に水
頭差でろ過できるろ過装置を鋭意工夫した結果、本発明
の水頭差ろ過装置に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、前述の課題解決の
ためになされた本発明は、「膜モジュールを被ろ過液の
中に浸漬して水頭差でろ過する浸漬型膜分離装置におい
て、被ろ過液の液面よりも低い位置にろ過液の入口を有
し、かつ大気圧との連絡通路を有する貯槽を設置し、該
貯槽のろ過液を適宜排出する手段を有する水頭差ろ過装
置」である。
【0007】本発明の水頭差ろ過装置を使用すれば、被
ろ過液の液面がろ過液の最終出口よりも低い場合でも、
例えば、被ろ過液の液面よりも低い位置にろ過液の入口
を有する貯槽を膜モジュールと共に被ろ過液中に浸漬
し、ろ過液の貯槽が満杯になる前に適宜ろ過液を排出す
れば、排出のために自給式の吸引ポンプを使用するとし
ても、少なくとも液面センサーなどを用いなくとも前記
の空引きや過度のろ過圧の上昇は防止できるので安心し
て運転することができるだけでなく、装置全体も簡略に
なる。
【0008】また、膜モジュールの膜面をばっ気しなが
らろ過する場合には、吸引ポンプを使用することなく、
ばっ気用の送風機の圧力を利用して貯槽のろ過液を排出
したり、その一部を膜の逆洗に使用することが可能にな
るので、更に本発明の装置が従来の装置に比べて簡略に
なる。
【0009】ここで、被ろ過液の液面は、その槽から溢
れ出ないように、また槽が空にならないように、ろ過装
置によらず、制御されるのが通常であり、本発明の水頭
差ろ過装置ではろ過圧が水頭差を超えることはないので
上限圧力の制御は不要で、自ずから空引きや過度のろ過
圧の上昇は防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】(水頭差ろ過装置の説明)図1、
図2及び図3は、本発明の水頭差ろ過装置の説明図であ
り、それぞれ第1実施形態、第2実施形態、第3実施形
態の水頭差ろ過装置と称する。図4は、第1実施形態の
水頭差ろ過装置を被ろ過液の液面に浮かべた使用例(第
4実施形態)を示し、図5は本発明の水頭差ろ過装置の
第5実施形態を示している。
【0011】図1は、本発明の水頭差ろ過装置の基本型
であり、この第1実施形態に係る水頭差ろ過装置は、膜
モジュール1及びろ過液の貯槽2とも被ろ過液の入った
槽3内に浸漬し、膜モジュール1が被ろ過液の液面7よ
りも低い位置に設置され、ろ過液ライン4は、ろ過液の
貯槽2に液面7よりも低い位置で接続されているもので
ある。即ち、前記ろ過液ライン4は、貯槽2におけるろ
過液の入口となり、このろ過液ライン4が液面7よりも
低いということは、貯槽2のろ過液の入口が被ろ過液の
液面7よりも低いことを意味している。そして、水頭差
によって膜モジュール1でろ過されたろ過液は、ろ過液
ライン4を通って大気開放された前記貯槽2に送られ、
該貯槽2のろ過液は、該貯槽2が満杯になる前に、吸引
ポンプ8により、排出ライン5から排出される。ここ
で、前記貯槽2から液面7の上に突き出た大気圧との連
絡ライン6はその先端が大気に開放され、前記被ろ過液
の液面7とろ過液ライン4との間に水頭差を作り、水頭
差でろ過できるようにしている。従って、図示した実施
形態の場合には、液面7の高さがろ過液ライン4以下に
なると、自然にろ過は停止し、吸引ポンプ8が働いても
膜モジュール1の空引きや過度のろ過圧の上昇は生じな
いのである。
【0012】図2に示した第2実施形態の水頭差ろ過装
置は、図1の水頭差ろ過装置に、ばっ気のための設備が
加わった構造であり、送風機9から空気を散気装置13
に送り、ばっ気しながら膜モジュール1の膜表面を気泡
で揺動させることができる。送風機9は、被ろ過液のろ
過特性に応じて、例えば、被ろ過液が活性汚泥液のよう
に多量のろ別物質を含む場合には連続的に運転し、河川
水のようにろ別物質が比較的少ない場合には間欠的に運
転することもできる。
【0013】膜モジュール1のろ過液出口は、図1の装
置と同様に、被ろ過液の液面7よりも低い位置で、逆止
弁14を有するろ過液ライン4でろ過液の貯槽2に接続
されている。尚、逆止弁14は必ずしも必要ではない。
また、送風機9の出口には、分岐ラインが3本接続さ
れ、一の分岐ラインに流量調整弁10を有し、二の分岐
ラインに弁11を有し、それらのラインは合流して前記
散気装置13に接続され、三の分岐ラインには弁12を
有し、前記貯槽2に接続されている。
【0014】連続してばっ気する場合、水頭差によるろ
過が行われているときには、弁11が開き、弁12が閉
じた状態になり、排出ライン5の出口は大気に開放され
ている。貯槽2がろ過液で満杯になる前に、弁11が閉
じ、弁12が開かれると、散気装置13に送られる空気
の流量が流量調整弁10で制限されるために、送風機9
の出口圧力が上昇し、弁12から高い圧力の空気が貯槽
2に送られ、その中の空気は、逆止弁14のために膜モ
ジュール1へ流れることなく、貯槽2内のろ過液を加圧
して排出ライン5から排出する。
【0015】ここで、逆止弁14を敢えて設けず、ろ過
液ライン4と膜モジュール1の中のろ過液の一部を逆流
させて膜を逆洗することも可能である。
【0016】ばっ気が間欠的に行われる場合も同様な弁
操作によって、水頭差によるろ過とろ過液の排出をする
ことは可能であるが、送風機9と貯槽2を接続せず、ば
っ気ラインは独立にして、図1のように弁12をはずし
て大気開放ラインとし、ろ過液の排出ライン5に前記同
様に吸引ポンプ8を接続して、ろ過液を排出することも
できる。
【0017】この第2実施形態の水頭差ろ過装置も図1
の第1実施形態の水頭差ろ過装置と同様に、被ろ過液の
液面7がろ過液ライン4よりも低くなると水頭差がなく
なり、自然にろ過が停止する。
【0018】図3に示した第3実施形態の水頭差ろ過装
置は、図2の水頭差ろ過装置に、更に排出ライン5に弁
15を加えるとともに、膜モジュール1の逆洗ライン1
6が加わったものであり、被ろ過液が目詰まりし易い成
分を多量に含み、連続ばっ気と頻繁な逆洗が必要な場合
に特に有効に使用できるろ過装置を示す。
【0019】前記逆洗ライン16は、ろ過液が貯槽2の
底から入らないように逆止弁17を経て、逆止弁14の
手前でろ過液ライン4に接続されている。しかし、逆止
弁14と逆洗ライン16は必ずしも必要ではない。
【0020】水頭差によるろ過が行われているときに
は、弁11と15が開き、弁12が閉じている。弁15
の出口は大気に開放されている。適当時間ろ過したの
ち、弁11と弁15が閉じ、弁12が開かれる。弁15
が閉じている間は弁12から圧力が上昇した空気が貯槽
2に送られるために、この空気は逆止弁14によって膜
モジュール1に入ることなく、貯槽2の中のろ過液を逆
洗ライン16から膜モジュール1に逆流させ、膜を逆洗
する。弁15が開くと貯槽内のろ過液は抵抗の少ないろ
過液の排出ライン5から排出される。従って、弁15を
閉じている時間によって逆洗液量を適切に制御すること
ができる。
【0021】他の逆洗方法として、逆止弁17を含む逆
洗ライン16を設けず、逆止弁14も取り去ることによ
り、膜モジュール1の中とろ過液ライン4の中のろ過液
のみを逆流させることができる。このようにすれば逆洗
液量はろ過液ライン4の容量によって調整される。
【0022】以上の操作を繰り返すことによって連続的
にろ過、逆洗及びろ過液の排出が行われる。この第3実
施形態の水頭差ろ過装置も図1の水頭差ろ過装置と同様
に、被ろ過液の液面7がろ過液ライン4よりも低くなる
と水頭差がなくなり、自然にろ過が停止する。
【0023】図4に示した第4実施形態の水頭差ろ過装
置は、フロート19に乗せた架台18に図1の水頭差ろ
過装置を吊り下げたものであり、被ろ過液が、図1、2
及び3のように安定な底を持つ槽3ではなく、底に凹凸
があったり、水深が大きい容器に入っており、膜モジュ
ール1等をその底に設置することが困難な場合に有効で
ある。勿論、図1の水頭差ろ過装置の代わりに図2ある
いは図3の水頭差ろ過装置を架台1に設置しても良い。
【0024】ろ過液の貯槽2の容量は、ろ過モードに応
じて適切に決めるべきである。例えば、ろ別物質を多量
に含むろ過速度の小さい被ろ過液を扱う場合で、図3の
水頭差ろ過装置を使用して、短い周期で定期的な逆洗を
行うような場合には、ほぼ1周期のろ過量程度の容量で
良いし、ろ過速度が大きく、図1の水頭差ろ過装置を用
いて吸引ポンプ8でろ過液を排出する場合には、更に小
さくても良い。
【0025】図5に示した第5実施形態の水頭差ろ過装
置は、前記図1及び図2に示した第1、第2実施形態の
水頭差ろ過装置を組み合わせた構造を有するものであ
る。ただし、ろ過液の排出ライン5には流量が調整でき
るように弁15を介して吸引ポンプ8を接続した。ま
た、大気圧との連絡ライン6には弁20を介在させると
ともに、前記送風機9から弁12を介したラインを弁2
0よりも貯槽2寄り位置に接続している。更に、逆止弁
14はろ過液ライン4から取り去っている。その他の構
成は図1及び図2に示した水頭差ろ過装置と同様である
ので、同一構成には同一符号を付してその説明は省略す
る。尚、前述の弁11、12、15、20としては、開
閉の操作性を考慮すれば電磁弁を用いることが好まし
い。
【0026】(本発明に使用できる膜モジュールの説
明)本発明の水頭差ろ過装置に使用する膜モジュール
は、水頭差で現実的なろ過が可能であればその形態を特
に問わないが、逆洗操作を行う場合には中空糸膜を用い
た膜モジュールであることが必要である。また、水頭差
で現実的なろ過を可能にするためには、中空糸膜の水透
過係数(中空糸膜の長さを変えてろ過速度を測定し、中
空糸膜の長さを0に外挿しときの値)は少なくとも30
00L(リットル)/m2 ・hr・100kPa以上必
要である。以下、「L」は「リットル」を表すものとす
る。
【0027】図6〜図10は、本発明の水頭差ろ過装置
に使用できる中空糸膜モジュール101の一例を示す
が、詳しくは本発明者の発明に係る特願平9−6489
4号記載の中空糸膜モジュールを参照していただき、こ
こでは簡単にその構造を説明するに止める。図6は正面
図、図7は側面図、図8は図6の部分平面図、図9は図
6の部分底面図、図10は図7の部分平面図である。
【0028】本発明で使用する中空糸膜モジュール10
1は、多数の中空糸膜ユニット102が直線状に並んだ
モジュールユニット(中空糸膜ユニット102、上部固
定部材103及び下部固定部材105で構成される)を
散気ユニット(スペーサー112、散気管113及びそ
の固定板111で構成される)で挟んで複数積層するこ
とを基本的な特徴としている。図6〜図10では3本の
中空糸膜ユニットからなるモジュールユニットが4枚積
層されている。
【0029】中空糸膜ユニット102は、中空糸膜の両
端が開口状態で上、下の固定部材103、105に収束
固定されている。図6、図7及び図8に示すように、上
部固定部材103に隣り合う中空糸膜ユニットの中空糸
膜が多数は重なり合わないように等間隔で収束固定され
た各中空糸膜ユニットのろ過液通路104は、互いに連
通(104)し、固定部材の両端で出口106となって
いる。下部固定部材105についても同じ構造である。
図10に示すように、四つのモジュールユニット間のろ
過液の通路もOリング118でシールされながら互いに
連通している。従って、ろ過液の取り出し口として、上
部固定部材103のうちのいずれか一つ、下部固定部材
105のいずれか一つのろ過液出口106のみを使用し
て、この場合には他の出口106は密栓するものとす
る。更に、一つずつ残した出口106を互いに接続して
一つの出口にまとめることもできる。
【0030】前記モジュールユニットの両端部の固定板
111,111間であって、下部固定部材105の底面
から約1cm以上離れた位置に配置された散気管113
は、図7に示すように、各モジュールユニットの中間に
配置され、図9に示すように、直径約2〜3mmの空気
の散気孔107が各中空糸膜ユニットに均等に気泡が分
配される位置に配置されている。
【0031】中空糸膜ユニット102は、全体が二枚の
側面板108、と二枚の正面板109で囲まれている。
従って、散気孔107から放出された気泡はすべてこれ
らの板で囲まれた中空糸膜モジュールユニットの間を上
向に流れ、図10に示すように、スペーサー112で形
成された、上部固定部材103の間の隙間116から放
出される。空気の入口114は互いに独立になっている
ので適当な配管材料を組み合わせてすべてを接続し、空
気の導入口としては一つにまとめることが好ましい。
【0032】4枚のモジュールユニットと5組の散気ユ
ニットは、二組のステンレススチール製の押さえ枠11
7で挟まれ、4カ所でボルト115で締め付けられてい
る。押さえ枠117の4本の足110の散気管113ま
での高さは、通常約5cm以上である。そして、散気管
113を覆い隠すように押さえ枠117の横板119が
渡されている。
【0033】(中空糸膜の作製)本発明の水頭差ろ過装
置に使用することができる中空糸膜の一例を下記のよう
にして作製した。
【0034】平均分子量が30万のポリエチレンオキサ
イド(住友精化(株))を5重量%(以下同じ)、N−
メチル−2−ピロリドン63.75%とプロピレングリ
コール11.25%の混合溶剤に溶解し、撹拌しながら
ポリスルホン(テイジン アモコ エンジニアリングプ
ラスチック(株)、P−3500)を20%徐々に加え
て130℃で3時間溶解したのち、50℃まで冷却し
た。
【0035】これを紡糸原液として、外径1.3mm、
内径0.8mm、芯径0.5mmの二重管状ノズルの管
状ノズルから50℃、21g/分で押し出し、同時に芯
管からN−メチル−2−ピロリドンとプロピレングリコ
ールの60/40の混合溶剤を11g/分で押し出し、
空気中を約25cm走行させてから、60℃の温水中を
約3m走行させたのち、平均50m/分の紡糸速度でカ
セに600本巻き取った。
【0036】この中空糸の束の両端をバンドで束ねてか
ら、30容量%のアセトン水溶液を2時間シャワーリン
グして中空糸に残存するポリエチレンオキサイドを抽出
除去した。次いで10分間水洗したのち、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース(信越化学(株))から分別し
た平均分子量が約2500の2000ppm水溶液を1
時間この束にシャワーリングしたのち、50℃の温水で
30分間、90℃以上の熱水で2時間順次洗浄してか
ら、常温の水に切り替えて冷却した。この中空糸を90
℃で乾燥した。
【0037】得られた中空糸膜の内、外径はそれぞれ5
00μm、800μmで、平均孔径はおよそ0.1μ
m、水透過係数は6000L/m2 ・hr・100kP
aであった。また、表面は自然に水に濡れる親水性であ
った。
【0038】(膜モジュールの作製)本発明に使用する
ことができる膜モジュールの一例として、上記の中空糸
膜束を用いて、図6〜図10に示す中空糸膜モジュール
を以下のようにして作製した。
【0039】合計で12本の中空糸膜ユニット102
は、それぞれ有効長が約70cmの中空糸膜の束からな
り、その両端が開口状態で、ウレタン樹脂によりPVC
製の上、下の固定部材103、105に収束固定されて
いる。中空糸膜ユニット間の間隔は50mmとした。中
空糸膜ユニット一本の有効膜面積は約1m2 で、この膜
モジュールの総膜面積は約12m2 である。
【0040】上、下の固定部材103、105の厚さは
32mm、PVC製のスペーサー112及び内径8m
m、外径10mmのステンレススチール製散気管113
を固定したPVC製の固定板111の厚さは共に16m
mである。散気管113は、下部固定部材105の底面
から約2cm離した位置に固定した。直径2mmの散気
孔107は図9に示すように、各々の中空糸膜ユニット
に均等に気泡が分配されるように、50mm間隔で配置
した。また、気泡が膜モジュールの外に出ないように、
正面板109は、散気管113の下面から2cm長くな
るようにした。更に、足110の長さは、固定板111
の底面から10cmとした。
【0041】図7の右端のモジュールユニット以外のろ
過液出口106にはすべて密栓し、膜モジュール101
のろ過液の出口が一つになるように、更にこのモジュー
ルユニットの上下のろ過液出口106を呼び径20Aの
PVCパイプで接続した。空気の入口114について
は、図7を参照すると、図の前面の五つを互いにPVC
製のホースで接続してひとつの入口にまとめ、後面の五
つについても同様に一つの入口にまとめたのち、更にこ
れらを接続して入口を一つにし、一本のホースを送風機
に接続することによってすべての散気管に均等に空気が
分配されるようにした。
【0042】(水を用いた水頭差ろ過特性の測定)図1
1に示す装置を用いて、水頭差Hを変えながら上記の膜
モジュール211の水のろ過流量を測定した。即ち、中
空糸膜モジュール211を水槽212内に水面213よ
りも下方になるように浸漬し、該中空糸膜モジュール2
11のろ過液出口106に接続したホース214を先端
が水面213よりも下方になるように水槽212外に垂
らした。ここで、前記水面213とホース214の先端
の高さの差が水頭差Hとなる。
【0043】水頭差Hにろ過流量はほぼ比例し、水頭差
が10cmで約5L/分、50cmで約20L/分であ
った。ただし、ろ過流量は測定温度の水の粘度を測定値
に乗じて20℃の水に換算した。
【0044】
【実施例】(実施例1)上記の膜モジュール1を使用し
た図1の水頭差ろ過装置で、水頭差を約50cmに維持
しながら市水(大阪府摂津市の市水)を10L/分のろ
過流量で連続してろ過した。約15m3 ろ過すると、吸
引ポンプ8から排出されるろ過液に気泡が混入し、ろ過
流量は10L/分以下になった。次に、水頭差を0にす
ると、吸引ポンプ8からは空気のみが排出された。
【0045】(実施例2)上記の膜モジュール1を使用
し、図1と図2を組み合わせた図5の水頭差ろ過装置を
用いて逆洗操作を加えながら市水をろ過した。ただし、
ろ過液の排出ライン5には流量が調整できる吸引ポンプ
8を接続している。
【0046】膜モジュール1とろ過液ライン4の中に貯
まるろ過液の容量が約2Lになるように膜モジュールの
ろ過液出口の塩化ビニル(PVC)製パイプに接続する
ホース(ろ過液ライン4)の長さを調整し、これを逆洗
液として利用した。
【0047】送風機9を停止し、弁11と弁12を閉
じ、弁15と弁20を開いて、実施例1と同様に、水頭
差を50cmに維持しながら、10L/分でろ過し、3
0分に一回、吸引ポンプ8を停止すると共に弁15と弁
20を閉じ、弁12を開いてから送風機9を運転してそ
の出口の空気の圧力約50kPaを利用して、ろ過液ラ
イン4と膜モジュール1の中にあるろ過液約2Lを中空
糸膜の内側から外側に流して逆洗した。このとき散気管
113から散気された気泡の流量は約40L/分であっ
た。15秒後、送風機9を停止し、弁12を閉じ、弁1
5と弁20を開いて、再びろ過を30分間行う操作を繰
り返した。
【0048】15m3 ろ過後も、逆洗操作のときに送り
込まれた空気が排出されたのちは、吸引ポンプ8から気
泡が混入したろ過液は排出されなかったので、気泡が混
入するろ過流量を確認したところ、約15L/分であっ
た。更に、15m3 ろ過したのち、同様にしてろ過流量
を確認したが、やはり約15L/分であった。本例と実
施例1を比較すると、逆洗操作によってろ過性能が維持
されていることが明らかである。
【0049】(実施例3)容量が約20Lのろ過液の貯
槽2を膜モジュール1の側部に設置した図2の水頭差ろ
過装置から逆止弁14を取り去り、逆洗液量が約2Lと
なるようにホースを用いて貯槽2のろ過液の入口と膜モ
ジュール1のろ過液出口をほぼ水平に接続した水頭差ろ
過装置を使用し、試験液としてカルボキシメチルセルロ
ースナトリウム(ダイセル化学工業(株)、CMC−1
110、以下、CMCと略称する)とα−酸化鉄(和光
純薬工業(株))の10/1(重量比)混合物の水溶液
を用いてろ過を行った。ただし、ろ過液は槽3に戻して
水槽差が50cmになるように維持した。
【0050】試験液(被ろ過液)の濃度は、CMCがす
べてろ別されたとき、膜面積1m2当たり、その重量が
6.25gに相当する(以下、この数値を負荷量と呼
ぶ)ようにあらかじめ調整した。また、α−酸化鉄が沈
殿しないように槽3内の試験液を撹拌した(撹拌機は図
から省略した)。
【0051】送風機9を停止し、弁11、弁12を閉じ
て3分間水頭差でろ過したのち、1分間、弁12を開
き、送風機9を運転して散気管113(図6及び図9参
照)から合計約40L/分の流量で空気をばっ気しなが
ら貯槽2の中のろ過液を排出した。その後、再びろ過に
戻る操作を5日間繰り返した。
【0052】試験開始から1時間経過しない内に、ろ過
流量は約6.3L/分になり、5日目には約5.6L/
分になった。次に、負荷量が2倍になるようにCMC/
α−酸化鉄を追加した。追加後1時間も経過しない内
に、ろ過流量は0.7L/分まで低下し、5日目には
0.6L/分になった。
【0053】(実施例4)図3の水頭差ろ過装置から逆
止弁14と逆洗ライン16を取り去り、実施例3と同様
にして逆洗液量が2Lになるように膜モジュール1と貯
槽2をホースで接続した水頭差ろ過装置を使用し、送風
機9を絶えず運転して連続的にばっ気する以外、実施例
3と同様にして水頭差ろ過試験を行った。
【0054】弁12を閉じ、弁11と弁15を開いて、
約85L/分でばっ気しながら3分間ろ過したのち、2
0秒間、弁11と弁15を閉じ、弁12を開いて、約4
0L/分でばっ気しながら逆洗してから弁15を40秒
間開いて貯槽2の中のろ過液を排出した。その後、再び
ろ過に戻る操作を5日間繰り返した。
【0055】負荷量を6.25g/m2 から始めて、5
日目毎に2、3及び5倍まで大きくした。ろ過流量は、
6.25g/m2 の負荷量のときには初期約5L/分
で、5日目も約5L/分であった。同様に、負荷量を2
倍の12.5g/m2 にすると、初期3.3L/分から
5日目には約3.1L/分になり、3倍にすると、初期
約2.8L/分から5日目には約2.4L/分になり、
更に5倍にすると、初期約1.4L/分から5日目には
約1.3L/分になった。
【0056】実施例3と4を比較すると、試験液の負荷
量が小さいときにはろ過中のばっ気の有無や逆洗による
差はほとんどないが、負荷量が大きくなるとろ過中もば
っ気し、逆洗もしなければろ過流量が著しく低下するこ
とが分かる。従って、被ろ過液のろ過特性によって適切
な操作モードを選択する必要がある。
【0057】
【発明の効果】以上の内容からなる本発明の水頭差ろ過
装置は、ろ過液の貯槽を併設するという簡単な工夫によ
って、特に、多量のろ別成分を含む被ろ過液をろ過する
場合には、吸引ポンプが不要になるだけでなく、空引き
やろ過性能を回復させることができなくなるほどのろ過
圧の上昇を未然に防止することができるために、安心し
て使えると共に装置全体が簡素になり、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の水頭差ろ過装置を示す
簡略説明図である。
【図2】本発明の第2実施形態の水頭差ろ過装置を示す
簡略説明図である。
【図3】本発明の第3実施形態の水頭差ろ過装置を示す
簡略説明図である。
【図4】本発明の第4実施形態の水頭差ろ過装置を示す
簡略説明図である。
【図5】本発明の第5実施形態の水頭差ろ過装置を示す
簡略説明図である。
【図6】中空糸膜モジュールの正面図である。
【図7】同じく側面図である。
【図8】同じく部分平面図である。
【図9】同じく部分底面図である。
【図10】同じく部分平面図である。
【図11】本発明に使用した膜モジュールの水頭差によ
る水のろ過流量を測定した装置を示す簡略説明図であ
る。
【符号の説明】
1 膜モジュール 2 ろ過液の貯槽 3 被ろ過液の入った槽 4 ろ過液ライン 5 ろ過液の排出ライン 6 大気圧との連絡ライ
ン 7 被ろ過液の液面 8 吸引ポンプ 9 送風機 10 流量調整弁 11 電磁弁 12 電磁弁 13 散気装置 14 逆止弁 15 電磁弁 16 逆洗ライン 17 逆止弁 18 架台 19 フロート 20 電磁弁 101 中空糸膜モジュール 102 中空糸膜ユニッ
ト 103 上部固定部材 104 ろ過液の通路 105 下部固定部材 106 ろ過液の出口 107 散気孔 108 側面板 109 正面板 110 足 111 散気管の固定板 112 スペーサー 113 散気管 114 空気の入口 115 締め付けボルト 116 隙間 117 押さえ枠 118 Oリング 119 横板 211 中空糸膜モジュール 212 水槽 213 水面 214 ホース

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜モジュールを被ろ過液の中に浸漬して
    水頭差でろ過する浸漬型膜分離装置において、被ろ過液
    の液面よりも低い位置にろ過液の入口を有し、かつ大気
    圧との連絡通路を有する貯槽を設置し、該貯槽のろ過液
    を適宜排出する手段を有することを特徴とする水頭差ろ
    過装置。
  2. 【請求項2】 膜モジュールを被ろ過液の中に浸漬して
    膜面をばっ気しながら水頭差でろ過する浸漬型膜分離装
    置において、被ろ過液の液面よりも低い位置にろ過液の
    入口を有し、かつ大気圧との連絡通路を有する貯槽を設
    置し、該貯槽のろ過液を適宜排出する手段を有すること
    を特徴とする水頭差ろ過装置。
  3. 【請求項3】 前記膜モジュールとろ過液の貯槽が共に
    被ろ過液の入った槽内に設置される請求項1又は2記載
    の水頭差ろ過装置。
  4. 【請求項4】 前記貯槽内のろ過液をばっ気に使用する
    送風機の圧力を利用して排出する請求項2記載の水頭差
    ろ過装置。
  5. 【請求項5】 前記膜モジュールの膜が中空糸形状であ
    る請求項1又は2記載の水頭差ろ過装置。
  6. 【請求項6】 前記貯槽内のろ過液の一部を膜の逆洗に
    も使用する請求項1、2又は5記載の水頭差ろ過装置。
  7. 【請求項7】 前記貯槽内のろ過液の一部をばっ気に使
    用する送風機の圧力を利用して膜の逆洗にも使用する請
    求項2、4、5又は6記載の水頭差ろ過装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002336854A (ja) * 2001-05-18 2002-11-26 Yuasa Corp 浄化槽用浸漬型膜ろ過装置
JP2007160234A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Nikko Co 浸漬型膜モジュール
JP2017104780A (ja) * 2015-12-08 2017-06-15 株式会社クボタ 生物処理装置の変換方法および更新方法

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