JP2000051885A - 活性汚泥処理装置 - Google Patents

活性汚泥処理装置

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JP2000051885A JP10228921A JP22892198A JP2000051885A JP 2000051885 A JP2000051885 A JP 2000051885A JP 10228921 A JP10228921 A JP 10228921A JP 22892198 A JP22892198 A JP 22892198A JP 2000051885 A JP2000051885 A JP 2000051885A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離膜による固液分離処理を長期間にわたり
安定的に行なうことができる活性汚泥装置を提供する。 【解決手段】 散気管の気体吐出穴に管状体を貫設し、
該管状体の散気管外での開口面積Aoutと散気管内での
開口面積Ainが、Aout<Ainである、または、散気管
の気体吐出穴の内側に透孔を有するカバーを覆設し、該
気体吐出穴の開口面積Aoutと該カバーの透孔の総面積
inが、Aout<Ainであることを特徴とする活性汚泥
処理装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜分離を用いて固
液分離を行なう活性汚泥処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、排水処理においては活性汚泥
法が広く用いられており、その固液分離の方法として
は、重力沈降等が行われている。しかしながら、この方
法による固液分離は、得られる処理水の水質が不十分と
なる場合が生じることや、固液分離のために広大な用地
を必要とするという問題点があった。
【0003】このような問題点を解決する方法として、
近年精密濾過膜、限外濾過膜等の分離膜を設置した膜モ
ジュールを用いて活性汚泥の固液分離を行なう方法が種
々検討されている。分離膜を用いて活性汚泥の濾過処理
を行なうと、水質の高い処理水を得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】分離膜を用いて活性汚
泥の固液分離を行なう場合、膜分離装置の下方に散気管
を配置し、散気管を通じて供給される気泡によって曝気
を兼ねて分離膜の洗浄を行ない安定した濾過が実施され
ている。散気管は、通常、金属、樹脂等からなる管状配
管に気体吐出穴を開口させたもので、該散気管にブロワ
ー等により空気を供給して散気している。
【0005】しかしながら、長期間運転していると気体
吐出穴が目詰まりし、分離膜に対して気泡を均一にあて
ることが困難となり、膜表面の洗浄の不十分な部分が発
生するため、安定した固液分離処理ができないという問
題点があった。本発明者らは、気体吐出穴の目詰まりの
原因の一つが、散気管内に流入した汚泥が空気によって
乾燥し、該乾燥物が空気流れに同伴し気体吐出穴を閉塞
することによるものであることを解明し、種々検討の結
果本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、分離膜
による固液分離処理を長期間にわたり安定的に行なうこ
とができる活性汚泥処理装置を提供することにある。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、曝気槽の内部
に膜分離装置を配置し、かつ膜分離装置の下方に散気管
を含んでなる散気装置を配置した活性汚泥処理装置にお
いて、該散気管の気体吐出穴部分に管状体を貫設し、該
管状体の散気管外での開口面積Aoutと散気管内での開
口面積Ainが、Aout<Ainであることを特徴とする活
性汚泥処理装置であり、また、曝気槽の内部に膜分離装
置を配置し、かつ膜分離装置の下方に散気管を含んでな
る散気装置を配置した活性汚泥処理装置において、該散
気管の気体吐出穴の内側に透孔を有するカバーを覆設
し、該気体吐出穴の開口面積Aoutと該カバーの透孔の
総面積Ainが、Aout<Ainであることを特徴とする活
性汚泥処理装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の活性汚泥処理装置
について図面を参照しつつ説明する。
【0009】図1は、本発明の装置の一例を示す模式図
である。
【0010】曝気槽1の内部には、膜分離装置2が配置
される。膜分離装置2は、少なくとも上下が解放され概
略直方体の形状をなしており、その内部には通常複数個
の膜モジュールが設置されている。本発明に使用される
膜モジュールとしては、平膜タイプ、中空糸タイプ、管
状タイプ、袋状タイプ等の形状の分離膜を適用すること
ができる。またその材質としては、ポリオレフィン、セ
ルロース、ポリスルフォン、ポリビニルアルコール、ポ
リメチルメタクレート、ポリビニリデンフルオライド、
ポリ四フッ化エチレン、セラミック等を適用することが
できるが、編織物への加工性、散気時の揺れ対応性の点
から、強伸度の高いポリオレフィンが好ましく用いられ
る。また、濾過膜として使用可能なものであれば、孔
径、空孔率、膜厚、外径等に特に制限はない。
【0011】図2は、本発明の膜分離装置2に用いるの
が好適な中空糸膜モジュール3の一例を示すものであ
り、この中空糸膜モジュール3は、中空糸膜6を緯糸と
する編織物の該中空糸膜6の端部を開口状態に保ちつつ
合成樹脂で固定されてなり、この合成樹脂の中空糸膜6
に垂直な断面の形状が細長いほぼ矩形であり、この合成
樹脂が導水管7の開口部に取り付けられて構成されてい
る。このような中空糸膜モジュール3の場合には、中空
糸膜6が汚泥等により集束固着一体化しにくく、散気装
置4によるスクラビングが効果的に実施できる。
【0012】本発明の膜分離装置2の運転方法として
は、浸漬吸引濾過法、水頭差による自重濾過法などが用
いられる。
【0013】膜分離装置2の下方には、散気装置4が配
置される。散気装置4の形態は特に制限されるものでは
ないが、樹脂、金属等からなる管状配管に気体吐出穴を
開けた散気管を用い、ブロワー5より空気を供給するの
が、容易かつ安価に製作されるために広く用いられてい
る。
【0014】散気管の気体吐出穴から散気された気泡
は、処理水中を通って膜分離装置2に達し、さらに膜モ
ジュールの膜面の近傍を通過して水面から放出される。
この際、気泡は処理液中を通って水面まで上方に移動す
るため、処理液と気泡からなる上向流が発生する。この
上向流が、膜モジュールの膜面をスクラビングすること
により固形分の膜面への付着が防止され、膜面の急速な
目詰まりを押さえることができる。
【0015】図3は、本発明の散気装置4の一例を示す
断面図であり、空気をブロワー5より導く散気管8の気
体吐出穴部分に、管状体9を貫設したものである。管状
体9は、空気を適切に吐出できればその形状は制限され
ないが、散気管への穴加工や吐出均一性等を考慮すると
円筒状が好ましい。また、材質は加工性、強度等を考慮
して決定されるが、散気管8への定着のしやすさから散
気管8と同類の材質が好ましい。管状体9は、使用する
材質に応じ接着、溶接等の方法にて散気管8に貫設すれ
ばよい。
【0016】管状体9は、その散気管内での開口面積A
inが散気管外での開口面積Aoutよりも大きくなるよう
に加工され、10≧Ain/Aout≧1.2とするのが好まし
い。この比を1.2以上とすることで、散気管の閉塞防止
効果が増大する。また、この比を10以下とすること
で、枝管の径を大きくする等の必要が生じず好ましい。
このため、散気管8の外側には管状体9は突出してもし
なくてもよいが、散気管8の内側には少なくとも前記の
加工に必要なだけ管状体9が突出する必要がある。ここ
で、開口面積とは、穴の切り口の曲線が同一平面上にあ
る場合はその内側に張ることができる平面の面積を指
し、また、例えば円筒の側面からドリルなどで穴を空け
た場合などは、平面に展開したときの開口面積を指す。
これにより、吐出空気の内側開口部での流速を低下さ
せ、散気管8内に流入した汚泥の乾燥物の同伴をなくす
と共に、該乾燥物による気体吐出穴の閉塞危険性を減少
させることができ、長期にわたって気体吐出穴の閉塞を
防ぐことができる。管状体9の散気管内での開口面積を
大きくする形状は、上述の目的を達成するものであれば
特に制限されないが、図4に示すような円形状の横穴加
工のほか、図5に示すようなスリット状開口部、図6に
示すような斜め断面等の加工が例としてあげられる。
【0017】図7は、もう1つの発明の散気装置4の一
例を示す断面図であり、気体吐出穴内側に透孔を有する
カバー10を覆設したものである。気体吐出穴の内側に
透孔を有するカバー10を覆設することにより、散気管
8内に流入した汚泥の乾燥物により気体吐出穴が閉塞す
ることを防ぐことができる。
【0018】透孔を有するカバー10の孔形状は、金網
状、多孔状、スリット状のいずれでもかまわない。該カ
バー10の孔径あるいは目開き幅は、気体吐出孔の穴径
や捕捉したい汚泥の乾燥物の大きさから勘案すると0.
3〜3mm程度が好ましい。0.3mmより小さいと該
透孔を有するカバー通過時の圧力損失が大きくなり好ま
しくなく、また、3mmより大きいと汚泥の乾燥物が通
過し気体吐出穴を閉塞してしまい好ましくない。また、
前記カバー10の開口面積Ainは、カバーする気体吐出
穴の開口面積Aoutより大きくなるように、好ましくは1
0≧Ain/Aout≧1.2となるように設定する。この比を
1.2以上とすることで、散気管の閉塞防止効果が増大す
る。また、この比を10以下とすることで、カバーを必
要以上に大きくして散気管の機能を損なう等の危険が生
じず好ましい。
【0019】透孔を有するカバー10の材質は樹脂、金
属等のいずれでもかまわないが、散気管8への定着のし
やすさの点から散気管8と同類の材質が好ましい。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0021】<実施例1>平均孔径0.1μmの精密濾過
用ポリエチレン中空糸膜をスクリーン状に展開固定した
中空糸膜モジュール(ステラポア-L、商品名、三菱レイ
ヨン(株)製)5本を、スクリーンが垂直方向を向き、隣
り合うモジュール同士の中心間隔が6cmとなるように
横方向に並べて、長さ80cm、幅30cm、高さ50c
mの上下を解放させたケーシングに納めてなる膜分離装
置を活性汚泥槽に浸漬した。槽内の固形分濃度SSは1
2000mg/Lであり、吸引ポンプにより膜濾過流速L
V=0.01m3/m2/h、吸引/停止間隔を13分間/2分間
の間欠運転にて6ヶ月間吸引濾過を実施し、膜濾過水を
系外に排出した。
【0022】散気管は、枝管として外径3cmφ、長さ
35cmの塩化ビニル製パイプを中心間距離18cm間隔
で並べ、該枝管は、同外径、長さ85cmの塩化ビニル
製パイプの主管に接続した直方形状とし、ケーシングの
直下50cmの位置に固定した。
【0023】それぞれの枝管の上面には、塩化ビニル製
で外径0.5cmφ、内径0.3cmφの円筒状の管状体を
6cm間隔で5個ずつ垂直に接着した。この管状体は長
さが2cmであり、枝管内部に位置する部分には0.3c
mφの横穴を2個ずつ開口させた。
【0024】散気条件は、ブロワーを用いて空気をケー
シングの水平方向の断面積あたり70Nm3/m2/hrの強
度で供給した。
【0025】本実施例において、6ヶ月間濾過後に散気
管に設置した管状体を確認したところ、空気の通る中空
部分の閉塞は認められなかった。
【0026】<実施例2>散気管として、枝管の気体吐
出穴の内側に12メッシュのステンレス製金網を半径1c
mに曲げ、幅1.5cm、長さ30cmに切り出し、エポ
キシ系樹脂にて固定したものであることを除き、実施例
1と同じ膜分離装置を用いて同じ運転条件で濾過を行な
った。
【0027】本実施例において、6ヶ月間濾過後に散気
管の気体吐出穴を確認したところ、該気体吐出穴の閉塞
は認められなかった。
【0028】<比較例1>散気管として、一本の枝管に
0.3cmφの気体吐出穴を6cm間隔で5個あけたもの
であることを除き、実施例1と同じ膜分離装置を用いて
同じ運転条件で濾過を行なった。
【0029】本実施例において、6ヶ月間濾過後に散気
管の気体吐出穴を確認したところ、2ヵ所の気体吐出穴
の閉塞が認められた。
【0030】
【発明の効果】本発明の活性汚泥処理装置によれば、散
気管における吐出空気の流速を低下させることで汚泥乾
燥物の同伴をなくし、それにより長期間にわたって散気
管の閉塞が発生せず安定した活性汚泥の濾過を行なうこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示す模式図である。
【図2】本発明に使用される膜モジュールの一例を示す
模式図である。
【図3】本発明の他の一例を示す断面図である。
【図4】本発明に使用される管状体の一例を示す断面
図、および側面図である。
【図5】本発明に使用される管状体の他の一例を示す断
面図、および側面図である。
【図6】本発明に使用される管状体のさらに別の一例を
示す断面図、および側面図である。
【図7】本発明のさらに別の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 曝気槽 2 膜分離装置 3 中空糸膜モジュール 4 散気装置 5 ブロワー 6 分離膜 7 導水管 8 散気管 9 管状体 10 透孔を有するカバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木下 育男 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 Fターム(参考) 4D006 GA02 HA02 HA93 JA31A KA13 KA44 KB22 MA01 MC22 PA01 PB08 PB70 PC63 4D028 BC17 BC24 BD17

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 曝気槽の内部に膜分離装置を配置し、か
    つ膜分離装置の下方に散気管を含んでなる散気装置を配
    置した活性汚泥処理装置において、該散気管の気体吐出
    穴部分に管状体を貫設し、該管状体の散気管外での開口
    面積Aoutと散気管内での開口面積Ainが、Aout<Ain
    であることを特徴とする活性汚泥処理装置。
  2. 【請求項2】 曝気槽の内部に膜分離装置を配置し、か
    つ膜分離装置の下方に散気管を含んでなる散気装置を配
    置した活性汚泥処理装置において、該散気管の気体吐出
    穴の内側に透孔を有するカバーを覆設し、該気体吐出穴
    の開口面積A outと該カバーの透孔の総面積Ainが、A
    out<Ainであることを特徴とする活性汚泥処理装置。
  3. 【請求項3】 該膜分離装置が、中空糸膜を緯糸とする
    編織物からなる中空糸膜をその端部を開口状態に保ちつ
    つ合成樹脂で固定されてなり、該合成樹脂の中空糸膜に
    垂直な断面の形状が細長いほぼ矩形であり、かつ該合成
    樹脂が構造材の開口部に取り付けられてなる中空糸膜モ
    ジュールから構成されている請求項1または2に記載の
    活性汚泥処理装置。
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