JPH0910561A - 中空糸膜エレメント及びその使用方法並びに濾過装置 - Google Patents

中空糸膜エレメント及びその使用方法並びに濾過装置

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JPH0910561A
JPH0910561A JP10923796A JP10923796A JPH0910561A JP H0910561 A JPH0910561 A JP H0910561A JP 10923796 A JP10923796 A JP 10923796A JP 10923796 A JP10923796 A JP 10923796A JP H0910561 A JPH0910561 A JP H0910561A
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hollow fiber
fiber membrane
membrane element
gas
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JP10923796A
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Toshiji Onoe
利次 尾上
Takashi Seki
隆志 関
Kazuhiko Nishimura
和彦 西村
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 多数の中空糸分離膜をU字状にして接着
固定した中空糸膜エレメントで、接着固定部付近に気体
噴出口を設けたことを特徴とする中空糸膜エレメント。 【効果】 高濃度の処理槽に浸漬して透過水を得る中空
糸膜エレメントにおいて、中空糸膜の詰まり、糸束内の
汚れ物質の堆積を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液体の濾過を行う中空糸
膜エレメント及びその使用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、膜による液体分離技術が注目され
ており、様々な用途に向けた分離膜が開発されており、
そのひとつに中空糸分離膜がある。中空糸膜は分離膜エ
レメント化する際、単位体積当たりの膜面積確保の上で
優位である点から様々な目的に応じた中空糸膜エレメン
トの開発が期待されている。
【0003】中空糸膜エレメントに期待される用途の一
つに汚水処理があり、高濃度の液体を濾過する能力を持
つ膜エレメントが必要とされる。高濃度の液体が濾過さ
れるとき膜面には大量の汚れ物質が堆積するため、中空
糸膜の濾過方式では、中空糸膜の内表面から外表面に向
かって濾過される内圧濾過型のエレメントでは中空糸内
部が閉塞され、著しい性能低下を引き起こしやすい。逆
に、外表面から内表面に向かって濾過される外圧型中空
糸膜エレメントでは汚れ物質が中空糸膜の内部に入り込
まないために中空糸膜の内部閉塞は起こらず、また気体
スクラビングによって中空糸膜束を揺れ動かし、中空糸
膜外表面に堆積した除去物質を剥離させることも可能で
あり、特に高濃度の液体の濾過に適している。
【0004】そして、この様な多くの中空糸膜エレメン
トは、中空糸膜束端を片端あるいは両端を接着固定後、
その一部を切断して開口した一つまたは複数個の中空糸
膜モジュールを、ケースに封入し中空糸膜エレメントと
なる。このようにすれば、設置、取扱いが容易になる
上、外圧型中空糸膜エレメントでは濾過に必要な膜間差
圧をケースへの供給水圧力により制御することができ
る。
【0005】一方、高濃度の液体を扱う汚水処理の分野
では、以前から特開平3−4982のような平膜等によ
る分離膜エレメントを処理槽内に浸漬して濾過水を得る
方式が採用されている。最近では特開平6−344のよ
うに外圧型中空糸膜を処理槽内に浸漬して濾過水を得る
中空糸膜エレメントがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この高
濃度の処理槽内に浸漬されることを目的とする中空糸膜
エレメントには、膜表面に堆積する汚れ物質を除去する
ため、従来のものとは異なる、膜エレメント下部または
処理槽下部からの強力な気体スクラビングと中空糸膜間
の汚れ詰まりの防止が必要となり、膜エレメントにもそ
れに耐えうる構造が要求される。また、高濃度の原水を
処理するために中空糸膜エレメント内部、特に中空糸相
互間や接着固定付近などに汚れ物質が堆積しない構造が
要求される。
【0007】従来に見られた実開昭61−139703
のU字状に曲げられた膜束の両側を合わせて片端のみを
接着固定された中空糸膜モジュールは、接着固定部分が
上方に位置する構造であり、また、この発明は中空糸膜
の機能回復時のみに気体スクラビングが実施されるが、
汚水処理などの場合は常時の気体スクラビングが必要と
され、同発明のモジュールでは常時の気体スクラビング
では中空糸膜の破損をおこしやすく、また、中空糸膜相
互間の汚泥詰まりを解消することはできない。下方から
強力な気体スクラビングにより、中空糸膜が折れ曲がり
性能の低下させる。また特開昭62−266106や特
開平5−023549のように、片端のみを接着固定し
たものに膜束を支持したり、糸束の両端を接着固定する
ような構造では糸束の揺動性を十分に発揮させることは
難しく、中空糸膜相互間および膜の外表面に汚れ物質が
堆積したままになり性能を低下させる。このように、中
空糸膜エレメントには糸束を有効に揺らす構造も要求さ
れる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、以下の
構成により基本的に達成される。
【0009】「多数の中空糸分離膜をU字状にして接着
固定した中空糸膜エレメントで、接着固定部付近に気体
噴出口を設けたことを特徴とする中空糸膜エレメン
ト。」
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の詳
細を説明するが、本発明はこれら図面により特に限定さ
れるものではない。
【0011】図1は本発明による中空糸膜エレメントの
一例である。
【0012】本発明は多数の中空糸分離膜3をU字状に
曲げ両側を合わせて片側で接着固定し、接着固定部4を
下に、糸束曲げ部を上にして処理槽1内に浸漬する。こ
の中空糸膜エレメント2の下部の接着固定部4付近に気
体噴出口10を設けることにより、下方から常時スクラ
ビングが行え、糸束を積極的に揺らし汚れ物質を剥離さ
せ、また、接着固定部への汚れ物質の堆積を防ぎ、上方
へのスクラビング気体により糸束を上方に保持し、膜の
折れ曲がりを防ぐ中空糸膜エレメントとなる。
【0013】本発明において、U字状というのは、文字
どおりのアルファベットのUの形に限定されるものでは
なく、むしろ、湾曲部が膨らんだ形状で、電球の輪郭線
に似た形状に近い。その形状は、膜が乾燥状態にある場
合では、好ましくは、固定端における膜束の直径に対し
て、1.05倍以上、より好ましくは1.1倍以上の直
径を有するものであり、上限を示すならば、好ましくは
2倍以下、より好ましくは1.5倍以下である。同様
に、液体に浸漬して、気体噴出口が稼働している、該中
空糸膜が使用状態である場合では、好ましくは、1.2
倍以上、より好ましくは1.5倍以上であり、上限を示
すならば、4倍以下、より好ましくは3.5倍以下であ
る。
【0014】(前記直径は固定端面に平行な平面にて膜
束を切ったときの最大直径を指す。また、端面も含めて
「直径」との表現を用いているが、もちろんこれは断面
が完全な円形状に限定されるものではない。必要により
同面積の円に換算して直径を求める場合もあり得る。) 気体噴出口10は接着固定部4付近に複数有する必要が
あるが、機械加工により接着固定部に設けられていて
も、市販の散気管のように無数の噴出口を有するものを
設置するのも良く、気体噴出能力があればその個数、口
径などは特に限定されるものではない。
【0015】噴出口設置高さは特に限定されるものでは
なく、接着固定部付近、中空糸膜の根本部近辺が好まし
く、例えば、中空糸膜接着固定されている面から、中空
糸膜エレメント全長の20%以内の高さに設けられてい
ることが好ましく、10%以内がより好ましい。又、膜
束を効果的に揺動させることができるのならば、基準面
から膜束と逆方向に別途複数の噴出口を有する散気管を
設置しても良い。
【0016】気体噴出口の設置位置は、中空糸膜束の内
部又は/及び外部に設けられていることが好ましい。双
方ともに膜束を効果的に揺動させ、膜表面の液体の流速
を上げることができる。又、被処理水の循環にも効果が
ある。内部に設けた際には膜束の内部からも気体スクラ
ビングが行え、内部の膜束を効果的に揺らすことができ
る。これにより膜束の重点度合いを上げた際に膜間に汚
れ物質が堆積することを防止できる。もっとも好ましく
は内部と外部の両方に設けられていることである。外部
の噴出口は膜束を囲むように複数個、均一に配されてお
り、内部の噴出口についても均一に配されていることが
好ましい。内部は膜束の充填度合いによって1つ、又は
複数の噴出口を持つ散気管を1つを束の中央に配するの
も良い。また膜束の別れ目に設けるのも、膜間に設置す
るのも効果的である。
【0017】この常時の気体スクラビングの気体流量は
エレメントの大きさ等により変わるが、糸束を揺らす程
度であれば特に限定されるものではない。
【0018】中空糸膜束3については、長さは使用条件
などにより変えることができるが、特に限定されるもの
ではなく、U字の形状についても膜に急な曲げがかかり
折れてしまわない程度ならば特に限定されるものではな
い。膜束3の幅はできる限り接着固定部4の幅に近い方
が複数のエレメントを配置した際に膜束が近隣のエレメ
ントと絡み合わず処理槽内にエレメントを密に配置でき
るためスペースの面で有利であるため好ましいが、幅に
ついては特に限定されるものではない。
【0019】下向きになった中空糸膜開口部はモジュー
ルキャップ5により封止され、この中空糸膜エレメント
2の接着固定部4に支持パイプ6を設けることにより、
中空糸膜から出る透過水をキャップ内から支持パイプ6
を通して上方に取り出せる。また、この支持パイプによ
り、モジュールをハンドリングする際、膜束に触れる必
要がなくなり、設置、取扱いも容易になる。
【0020】支持パイプ6の接着固定部への接合方法は
中空糸膜の接着固定と同時に埋め込まれても良いし、後
から接着されても良い。またはネジ、溶接等により接合
されるのも良い。材質、形状についても、接着固定部と
の接着性の良い材質であることや、接合性を上げる機械
加工が成されていること等が挙げられる。しかし、これ
らの接合方法や材質については中空糸膜束接着固定部と
支持パイプの接合性または支持パイプ自身の強度に問題
なければ特に限定されるものではない。支持パイプの長
さについても処理槽水深、膜束全長等により変わるため
特に限定されるものではないが、取扱いを考慮すると2
m以下であることが好ましい。太さについても大量の透
過水を取り出し易くするために太いものを、強度を満た
すために厚肉パイプにするのも良い。また強度的に満た
されるため細い支持パイプを用いるのも良いが、特に限
定はされるものではない。しかし、接着固定部断面内に
支持パイプを有する場合は断面に対して占める割合が大
きくなると中空糸本数が少なくなり処理量を低下させる
ので、好ましくは接合部断面に対して50%以下であ
り、さらに好ましくは30%以下である。支持パイプの
本数についても上記の断面積占有割合内であれば特に限
定されない。しかし、好ましくは複数本であればバラン
スを考え接着固定部に均等に配置し、一本であれば図1
のように中心に配置されていることである。
【0021】糸束内部に気体噴出口10を設けスクラビ
ングをする場合、支持パイプ6が複数の場合は、支持パ
イプの何本かを透過水取り出し用、残りを気体供給用と
できる。また、外周部の気体噴出口12には糸束の外側
にあるためチューブやパイプ等により気体を供給でき
る。しかし糸束内部に気体噴出口を設けると、支持パイ
プの本数が少ない場合、とりわけ支持パイプを一本中央
に配した場合、糸束内部に糸束を傷つけずに気体を供給
するのは難しい。そこで、図2に示すようにエレメント
接着固定部の支持パイプを、外側パイプ13と内側パイ
プ14の二重構造とすることにより、内側パイプ内を透
過水が通り、スクラビング気体はパイプ上部に取り付け
られた気体取入れ口15より浸入し、上端と下端が封止
された内側パイプ14と外側パイプ13の間の空隙を通
りパイプ下部に開けられた複数の気体噴出口11より噴
出する。これにより糸束を傷つけることなく糸束内部に
スクラビング用気体を供給することができ、糸束の内部
からの気体スクラビングを可能にする。内側パイプ14
周りの空隙はパイプ全周にわたって1mm程度でよく、
特に大きなクリアランスは必要としない。
【0022】また、外側パイプ13接着固定部に接着剤
が浸入する穴を複数設けておくと内側パイプ14との空
隙に接着剤が浸入し、下部空隙を封止することもできる
と同時に支持パイプとして接着固定部との接合性を上げ
るので好ましい。
【0023】エレメントを処理槽水位より上げる際に
は、中空糸膜支持具7により直接(図5)、あるいはフ
ロート8を介して(図1)、中空糸膜束を支持すること
ができる。これにより膜束の倒れを防止できる。この際
には膜束が曲がって折れずかつ伸び切れが生じない適度
な緩みを持つことが好ましい。運転時にもこの緩みがあ
ることで膜束の揺れが可能となる。
【0024】緩みの程度は特に限定するものではなく、
好ましくは膜束全長に対して5〜30%、より好ましく
は10〜20%程度の緩みを与えるように支持するもの
である。直接膜束を支持する場合、支持具は水中の気泡
などによる乱れを防止するように膜束を収束しうる形状
が好ましい。また、フロートなどのように水中で膜束を
上方に適度に支持し、かつ膜束を収束しうる構成要素を
を配した場合には、処理槽水位より上げる際にフロート
を支持具に接合乃至はフッキングすればよく、運転時に
は必ずしも支持具を使用する必要はなく、膜を支持せず
大きな揺動を行うのも良い。但しこの際には膜の破損に
注意する必要がある。もっとも好ましい中空糸膜支持具
は軸方向に可動なものである。これにより取り出し時、
運転時の双方で異なる緩みを与えて膜束を支持でき、大
きな揺動が必要なときにはさらに緩みを与えることがで
きる。支持具の形状については直接膜束を支持する場合
には下方からの気泡あるいは水流が膜束の曲げ部分に効
果的に当たる形状が好ましい。間接的に支持する場合は
前記の機能を満たすものであれば特に限定するところで
はなく、どちらの場合も安価でコンパクトであればより
好ましい。
【0025】なお、図1の中に示した通り、フロート8
は気体スクラビング中には糸束の縺れや乱れを防ぎ、ス
クラビングを停止する場合には糸束を上方向に支持する
水流がなくなるためフロート8の浮遊により糸束を支持
することができる。フロートの取付位置は特に限定され
ないが、U字状の膜束の上部に取り付けられることが好
ましく、形状についても糸束に接触する面がなめらかで
大きな曲率半径を持ち、糸束を急激に曲げたり傷つけた
りしない形状であれば特に限定されるものではない。図
1に示すようにチューブをリング状にしたものでも良
く、また図3に示す様なものも有効であり、個数につい
ても限定はされない。処理槽原液の比重に応じてフロー
トの材質、またはフロートへの充填物質を変えることも
好ましいが、その材質は特に限定されるものではない。
【0026】図6のように外筒17で膜モジュールを覆
うことで下方に設けた気体噴出口から出る気体を有効に
膜に沿わせることができる。これにより少量の気体によ
り効果的に膜束を揺動させることができる。外筒17は
その側面に穴部を有することで外筒長手方向に対し垂直
方向にも被処理水の行き来を行うことができる。外筒1
7は膜束を覆うような長さであればよく、上下端で解放
してあれば被処理水の行き来が良くなり好ましく、外筒
17の内壁面の幅はモジュール幅の105〜150%で
あることが好ましい。穴は側面の接着固定部付近とU字
の曲げ部より上部でも束の中央に配しても良いが、その
位置は特に限定されるものではない。
【0027】図4は本発明の中空糸膜エレメント2を3
個配した場合の中空糸膜エレメントとその使用方法およ
び装置の一例である。中空糸膜エレメント2が上にのび
た透過水を取り出すことのできる支持パイプ6を持つた
め、パイプ端に接続部品9をつけ、上部の配管を用い簡
単に複数のエレメントの接続が行え、処理量を増やすこ
とが可能になると共に、エレメントの取り替え等のメン
テナンスを簡単にする。
【0028】接続部品は、ユニオン継ぎ手等でも十分で
あるし、シール性が良ければカプラ等のようなワンタッ
チ接続が可能であるようなものであれば装着を容易にし
てくれる。このようにシール性、装着性が良ければ特に
限定されるものではない。
【0029】本発明の中空糸膜エレメント2はポンプ1
6での吸引により濾過水を得ること以外に上部の配管か
ら透過水取り出し口を処理槽液位よりも下部に設けるこ
とにより、液位の高低差によるエネルギーでエレメント
膜面に膜間差圧を与え濾過水を得ることができる。処理
槽1内の各エレメントの膜間差圧を100%このエネル
ギーにより与えても良いが、50%以上をこのエネルギ
ーに依存し、残りをポンプ16等により助力させること
により安定した透過水を得ることができ、ポンプのみに
より吸引するよりもエネルギー的にも有利である。最も
好ましい比率による運転は70%以上をこのエネルギー
により与え、ポンプ等の助力を30%程度とすることで
ある。
【0030】このように使用することにより中空糸膜エ
レメントによる濾過が効率的に行え、装置をしても安定
して濾過水を得ることができる。
【0031】本発明の中空糸膜エレメントに用いられる
中空糸膜は、限外濾過膜、精密濾過膜等が適当であり、
外圧型多孔質中空糸膜の束を濾過材として使用したもの
あればそれ以外の形式は特に問わない。また、膜構造に
おいても対称膜、非対称膜などを限定するものではな
い。
【0032】非対称膜素材としては、中空糸膜が形成さ
れるものであれば特に限定しないが、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、
ポリビニルアルコール、セルロースアセテート、ポリア
クリロニトリル、ポリテトラフルオロエチレン、等を用
いることが可能である。この中で、好ましい素材として
はアクリロニトリルを少なくとも一成分とする重合体ま
たはオレフィン系重合体が挙げられ、特に好ましくは、
アクリロニトリルを50モル%以上、さらに好ましくは
60モル%以上と該アクリロニトリルに対して共重合性
を有するビニル化合物一種または二種以上からなるアク
リロニトリル共重合体である。また、これらアクリロニ
トリル共重合体二種以上、さらに他の重合体との混合物
でも良い。上記ビニル化合物としては、アクリロニトリ
ルに対して共重合性を有する公知の化合物であればよ
く、特に限定されないが、アクリル酸、イタコン酸、ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、ア
リルスルホン酸ソーダ、p−スチレンスルホン酸ソーダ
等が挙げられる。また、次に好ましい中空糸素材として
は、エチレン、プロピレン、4メチルペンテン等の一種
または二種以上のオレフィン系重合体からなるものが適
当である。
【0033】
【実施例】
実施例1 外径650μm 、内径550μmのポリアクリロニト
リル中空糸膜2300mm、2500本をU字状に曲げ
た膜束2束を、内径9mm 、外径13mmの内側パイ
プと内径16mm、外径22mmで2mmΦの糸束内部
の気体噴出口8ヶ所と、12ヶ所4mmΦ接着剤流入
口、1ヶ所気体供給口を持つ外側パイプからなる二重構
造の支持パイプと共に底面半径50mm、高さ80mm
の接着固定容器に入れ、製作用の保護外筒をつけ遠心成
形機により接着固定した。ここで接着固定は2度行い、
1回目は250gで中空糸端部を封止した後、2回目は
500gで膜束を固定し、固定端を切断機によりカット
し中空糸膜端部を開口し、そこにキャップ、接着固定部
に気体噴出口を設けた散気管を装着し、可動型中空糸膜
支持具、ポリエチレンチューブにより製作したフロー
ト、接続部品としてユニオンを付け全長1100mm、
膜面積10m 2 の中空糸膜エレメント一個を製作し、活
性汚泥処理曝気槽(MLSS約10000ppm、BOD 汚泥負荷0.2k
gBOD/kgMLSS ・day)に浸漬した。供給原水により液位を
制御し、透過水取り出し口は処理槽液位よりも1m低い
位置に設け実験を行った。エレメントのスクラビング気
体の圧力は0.5kgf/cm 2 とした。支持パイプを設けたこ
とより取扱いが容易で、曝気槽の強力な曝気にも耐え、
得られた透過水量は約0.5m3 /m2・day であった。
【0034】比較例1 実施例1と同じ条件であるが、エレメントのスクラビン
グ気体を供給せずに同じ実験を行った。エレメントの透
過水量は約0.05m 3 /m2 ・dayに下がり、エレメントを処
理槽から出すと、中空糸膜束内部に汚れ物質が溜まって
おり、内部の汚れが除去されていなかった。
【0035】
【発明の効果】本発明により、高濃度の処理槽に浸漬し
て透過水を得る中空糸膜エレメントにおいて、気体噴出
口を設け、さらに糸束内部にも噴出口を設けることによ
り、気体スクラビングで中空糸膜の詰まり、糸束内の汚
れ物質の堆積を防ぎ、支持パイプにより透過水の取り出
しを容易にすると共に、取扱いを中空糸膜支持具により
さらに向上させ、フロートで糸束の乱れを防止し、ま
た、これらのエレメントを連結することにより処理量を
アップでき、液位差のエネルギーにより濾過水を得るエ
ネルギー的に有利な中空糸膜エレメントとその使用方法
および装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の処理槽に浸漬されて透過水を得る、
中空糸膜エレメントの一例による詳細図。
【図2】 本発明の中央からの気体スクラビングと透過
水を取り出すことを可能にした二重構造を有する支持パ
イプと接着固定部の一例による断面詳細図。
【図3】 本発明の中空糸膜エレメントにおける、フロ
ートの一例。
【図4】 本発明の中空糸膜エレメント(3個)を接続
部品によりつなげ、透過水取り出し口を処理槽液位より
も下に配した中空糸膜エレメントとその装置使用の一
例。
【図5】 本発明の直接支持状態の支持具を用いている
中空糸膜エレメントの一例。
【図6】 本発明の外筒付き中空糸膜モジュール。
【符号の説明】
1:処理槽 2:中空糸膜エレメント 3:中空糸膜束 4:接着固定部 5:モジュールキャップ 6:支持パイプ 7:中空糸膜支持具 8:フロート 9:接続部品 10:気体噴出口 11:糸束内気体噴出口 12:外周部気体噴出口 13:外側パイプ 14:内側パイプ 15:気体供給口 16:ポンプ 17:外筒

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の中空糸分離膜をU字状にして接着
    固定した中空糸膜エレメントで、接着固定部付近に気体
    噴出口を設けたことを特徴とする中空糸膜エレメント。
  2. 【請求項2】 該気体噴出口が中空糸膜接着固定されて
    いる面から、中空糸膜エレメント全長の20%以内に設
    けられていることを特徴とする請求項1記載の中空糸膜
    エレメント。
  3. 【請求項3】 該気体噴出口が中空糸膜束の内部又は/
    及び外部に設けられていることを特徴とする請求項1記
    載の中空糸膜エレメント。
  4. 【請求項4】 浸漬型であることを特徴とする請求項1
    記載の中空糸膜エレメント。
  5. 【請求項5】 該接着固定部に支持パイプを持つことを
    特徴とする請求項1記載の中空糸膜エレメント。
  6. 【請求項6】 該支持パイプが二重構造になっているこ
    とを特徴とする請求項4記載の中空糸膜エレメント。
  7. 【請求項7】 該支持パイプの軸方向に可動な中空糸膜
    支持具を持つことを特徴とする請求項1記載の中空糸膜
    エレメント。
  8. 【請求項8】 該中空糸膜にフロート係合させたことを
    特徴とする請求項1記載の中空糸膜エレメント。
  9. 【請求項9】 該中空糸膜モジュールに外筒を設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の中空糸膜モジュール。
  10. 【請求項10】 該外筒が複数の穴部を有することを特
    徴とする請求項9記載の中空糸膜モジュール。
  11. 【請求項11】 複数の中空糸膜エレメントの支持パイ
    プが連結されていることを特徴とする請求項4記載の中
    空糸膜エレメント。
  12. 【請求項12】 原水を処理するのに必要な中空糸膜の
    膜間差圧の70%以上が、処理槽と透過水取り出し口の
    高低差のエネルギーであることを特徴とする、請求項1
    記載の中空糸膜エレメント。
  13. 【請求項13】 該気体噴出口から常時気体を噴出する
    請求項1記載の中空糸膜エレメントの使用方法。
  14. 【請求項14】 請求項9に記載する中空糸膜エレメン
    トを用いた中空糸膜濾過方法。
  15. 【請求項15】 請求項9に記載する中空糸膜エレメン
    トを用いた汚水処理用中空糸膜濾過装置。
JP10923796A 1995-04-27 1996-04-30 中空糸膜エレメント及びその使用方法並びに濾過装置 Pending JPH0910561A (ja)

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