JP2016137469A - 散気管の洗浄方法及び洗浄装置、並びに活性汚泥処理方法及び活性汚泥処理システム - Google Patents
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Abstract
Description
かかる排水の処理方法として、従来から、活性汚泥法による処理が行われている。活性汚泥法による処理(活性汚泥処理)では、排水を好気槽に供給し、好気槽内に貯留された活性汚泥中の微生物に酸素を供給しながら生物処理が行われる。このため、好気槽内には、酸素を供給するための複数の散気穴が形成された散気管が備えられている。
また、近年では、活性汚泥法による処理と、分離膜モジュールによる膜ろ過とを組み合わせた膜分離活性汚泥(MBR)法による処理が行われるようになった。MBR法による処理では、散気管が分離膜モジュールの下方に配備され、散気管からの気体を活性汚泥中の微生物に供給しながら、前記気体を分離膜モジュールに導入することによって、分離膜モジュールの分離膜の表面をエアバブリング洗浄している。
また、例えばメンテナンス等のために、活性汚泥処理を一時的に停止した際には、好気槽内の底部に汚泥が沈降し、該底部近傍の汚泥が高濃度となり、この高濃度の汚泥によって散気管が閉塞することがあった。そのため、メンテナンス終了後に活性汚泥処理を再開した際の散気が不安定になることがあった。
特許文献1には、洗浄液を散気装置内に供給するための洗浄液供給手段が付設された膜処理装置が開示されている。しかしながら、特許文献1の膜処理装置では、洗浄液の貯留槽や、洗浄液を散気装置に供給するためのポンプ等を設置する必要があり、排水処理システムが複雑なものとなった。また、該システムを構築する際のコストも大きかった。
[1]好気槽内に配備された散気管の洗浄方法であって、前記好気槽内の被処理液を散気管から吸引することを特徴とする散気管の洗浄方法。
[2]好気槽内に配備された散気管から気体を吐出して活性汚泥法による処理を行う活性汚泥処理工程と、前記好気槽内の被処理液を散気管から吸引して散気管を洗浄する洗浄工程と、を含むことを特徴とする活性汚泥処理方法。
[3]前記活性汚泥処理工程は、気体の吐出圧力を検出しながら行い、前記気体の吐出圧力が設定圧力値を超えた時に、前記活性汚泥処理工程から前記散気管の洗浄工程に切り替えることを特徴とする、[2]に記載の活性汚泥処理方法。
[4]前記活性汚泥処理工程は、前記好気槽内の被処理液を分離膜モジュールにより固液分離しながら行うことを特徴とする、[2]又は[3]に記載の活性汚泥処理方法。
[5]前記活性汚泥処理工程は、前記好気槽内の被処理液を嫌気槽に移送し、かつ嫌気槽内の被処理液を前記好気槽に移送しながら行うことを特徴とする、[2]〜[4]のいずれかに記載の活性汚泥処理方法。
[6]好気槽内に配備された散気管を洗浄する散気管洗浄装置であって、前記好気槽内の被処理液を散気管から吸引して好気槽外に排出することを特徴とする散気管洗浄装置。
[7]好気槽と、該好気槽内に配備された散気管を備え、前記好気槽内の被処理液を散気管から吸引して好気槽外に排出する散気管洗浄装置を有することを特徴とする活性汚泥処理システム。
[8]前記散気管には該散気管に気体を送給する送給管が接続し、前記散気管洗浄装置は前記送給管に接続した排出管を有し、散気管への気体の送給と、散気管からの被処理液の排出管への移送とを切り替える切換機構が設けられていることを特徴とする、[7]に記載の活性汚泥処理システム。
[9]嫌気槽と、前記好気槽内の被処理液を該嫌気槽に移送する移送配管と、前記嫌気槽内の被処理液を前記好気槽に移送する連通配管とを備え、前記排出管は前記移送配管に接続し、好気槽から嫌気槽への被処理液の移送と、排出管を経由した被処理液の嫌気槽への移送とを切り替える切換機構が設けられていることを特徴とする、[8]に記載の活性汚泥処理システム。
[10]前記移送配管には好気槽から嫌気槽に被処理液を移送させる吸引装置が設けられ、該吸引装置は、排出管を経由した被処理液の嫌気槽への移送にも兼用されていることを特徴とする、[9]に記載の活性汚泥処理システム。
[11]前記送給管に圧力計が設けられていることを特徴とする、[8]〜[10]のいずれかに記載の活性汚泥処理システム。
[12]前記好気槽が分離膜モジュールを備えることを特徴とする、[7]〜[11]のいずれかに記載の活性汚泥処理システム。
図1は、本発明の第一実施形態の活性汚泥処理方法に用いる活性汚泥処理システム1(以下、単に「処理システム1」という。)の概略構成図である。
処理システム1は、排水を、膜分離活性汚泥処理(MBR)法により処理して処理水を得る膜分離活性汚泥処理装置10と、前記膜分離活性汚泥処理装置10の好気槽11内に配備された散気管12の洗浄装置と、嫌気槽41と、を備える。
膜分離活性汚泥処理装置10は、好気槽11と、好気槽11内の底部近傍に配備された散気管12と、好気槽11内かつ散気管12の上方に配備された分離膜モジュール13と、を備える。
膜分離活性汚泥処理装置10には、排水が貯留された原水槽(図示せず)からの排水が供給される排水管43と、膜分離活性汚泥処理装置10からの処理水を排出する処理水排出管15と、散気管12に気体を送給する送給管51と、好気槽11内の被処理液を嫌気槽41に移送する移送配管52と、嫌気槽41内の被処理液が好気槽11に移送される連通配管42と、が接続されている。
分離膜の種類としては、精密ろ過膜(MF膜)又は限外ろ過膜(UF膜)が好ましい。
分離膜の形状としては、中空糸膜、平膜、管状膜、袋状膜等が挙げられる。これらのうち、容積ベースで比較した場合に膜面積の高度集積が可能であることから、中空糸膜が好ましい。
分離膜モジュール13は、好気槽内11内に1つ配備されてもよいし複数配備されてもよい。
嫌気槽41としては、特に限定されず、通常の排水処理に用いられる公知の嫌気槽を用いることができる。
嫌気槽41には、移送配管52と、連通配管42が接続されている。
嫌気槽41には、嫌気槽41内の被処理液を撹拌する撹拌機が設けられてもよい。
散気管洗浄装置は、送給管51に一端が接続され、移送配管52に他端が接続された排出管53を有する。
前記排出管53には、第3の切替バルブ63が設けられている。
処理システム1には、散気管12への気体の送給と、散気管12からの被処理液の排出管53への移送とを切り替える切換機構Aが設けられている。
切換機構Aは、第1の切替バルブ61と、第3の切替バルブ63を含む。これらの切替バルブの開閉の操作により、前記の切り替えが行われる。
切換機構Bは、第2の切替バルブ62を含む。この切替バルブの開閉の操作により、前記の切り替えが行われる。
処理システム1を用いた活性汚泥処理方法は、原水槽(図示略)に貯留された排水を、膜分離活性汚泥処理装置10の好気槽11に供給し、好気槽11内に配備された散気管12から気体を吐出して活性汚泥法による処理を行う活性汚泥処理工程と、前記散気管を洗浄する洗浄工程を含む。
活性汚泥処理工程では、第1の切替バルブ61及び第2の切替バルブ62を開け(以下、切替バルブを開ける操作を単に「開」という。)、かつ第3の切替バルブ63を閉じる(以下、切替バルブを閉じる操作を単に「閉」という。)。
これにより、ブロア21から送出された気体が送給管51を経由して散気管12から吐出される。
好気槽11においては、ブロア21を作動して送出した気体を送給管51を経由して散気管12から吐出し、活性汚泥中の微生物に酸素を供給しながら膜分離活性汚泥処理法による処理が行われる。
さらに、膜分離活性汚泥処理装置10においては、吸引ポンプ17を作動させて分離膜モジュール13内を減圧にすることによって、好気槽11内の被処理液を分離膜モジュール13により固液分離し処理水(透過水)が得られる。この際、散気管12からの気体を分離膜モジュール13に導入することによって、分離膜モジュール13の分離膜(例えば中空糸膜等)の表面を洗浄しながら、効率よく固液分離を行うことができる。
また、好気槽11内の被処理液は、吸引ポンプ31により移送配管52を経由して嫌気槽41に移送される。一方、嫌気槽41からはオーバーフローした嫌気槽41内の被処理液が、連通配管42を経由して好気槽11に移送される。その結果、好気槽11と嫌気槽41との間で被処理液が循環される。
なお、上記設定圧力値は、任意に設定可能であるが、例えば処理システム1の稼働初期の気体の吐出圧力値から一定の圧力が上昇したときの圧力値を設定圧力値とすることができる。
活性汚泥処理工程を停止する場合は、吸引ポンプ17及びブロア21を停止する。
洗浄工程に移るには、切換機構A及びBを作動し、上記活性汚泥処理工程において「開」であった第1の切替バルブ61及び第2の切替バルブ62を「閉」に、「閉」であった第3の切替バルブ63を「開」にそれぞれ切り替える。
これにより、散気管12への送給管51を経由した気体の送給と、好気槽11から嫌気槽41への移送配管52を経由した被処理液の移送が行われていた活性汚泥処理工程から、散気管12からの被処理液の排出管53への移送と、該排出管53を経由した被処理液の嫌気槽41への移送が行われる洗浄工程に切り替えられる。
その後、吸引ポンプ17及びブロア21を作動させて活性汚泥処理工程を再開する。
これら活性汚泥処理工程と洗浄工程は、必要に応じて繰り返される。
なお、通常の循環型の排水処理システムは、本実施形態の送給管及び移送配管に相当する流路を備えている。このような排水処理システムであれば、排出管53を前記それぞれの流路に接続し、本実施形態の切換機構A及びBに相当する切替バルブを設けるだけで、本実施形態の処理システム1を構築できる。
また、本実施形態の散気管12の洗浄装置は、洗浄液の貯留槽や、洗浄液を散気装置に供給するためのポンプ等を備える必要がなく、より簡単に散気管12の洗浄装置を構築できる。
さらに、本実施形態においては、散気管を洗浄するために、好気槽から散気管を引き上げる必要がなく、洗浄にかかる時間を短縮でき、かつ洗浄にかかるコストを低減できる。
さらにまた、活性汚泥処理工程と洗浄工程とを、散気管からの気体の吐出圧力を検出すること等により切り替えるものとすれば、活性汚泥処理工程と洗浄工程との切り替えのタイミングを計りやすくなり、排水処理をより安定的かつ効率的に行うことができる。
また、本実施形態の洗浄方法によれば、加圧洗浄液を用いた洗浄方法の場合に生じることがあった加圧ムラによる洗浄ムラも生じにくく、散気管の全体にわたり均質で良好な洗浄状態が得られやすい。
次に、本発明の第二実施形態の活性汚泥処理方法について説明する。なお、以下に記載する実施形態において、第一実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図2は、本実施形態の処理方法に用いる活性汚泥処理システム2(以下、単に「処理システム2」という。)の概略構成図である。
処理システム2は、嫌気槽41、移送配管52及び切換機構Bを備えていないこと、排出管53の途中に吸引ポンプ31が設けられていること、該排出管53の末端が汚泥貯留槽(図示略)に接続されること以外は、第一実施形態で説明した処理システム1と同様の構成である。
図2に示す処理システム2を用いた排水の処理方法は、処理システム1を用いた活性汚泥処理方法と同様の工程を含む。
活性汚泥処理工程では、第1の切替バルブ61を「開」、第3の切替バルブ63を「閉」とすること、好気槽11内の被処理液が嫌気槽との間で循環されないこと以外は、処理システム1の活性汚泥処理工程と同様である。
洗浄工程に移るには、切換機構Aを作動させ、第1の切替バルブ61を「開」から「閉」に、第3の切替バルブ63を「閉」から「開」にそれぞれ切り替える。
これにより、散気管12への送給管51を経由した気体の送給が行われていた活性汚泥処理工程から、散気管12からの被処理液の排出管53への移送が行われる洗浄工程に切り替えられる。
前記汚泥貯留槽に移送された被処理液及び堆積物は、例えば好気槽11に返送されてもよいし、廃棄物として処理されてもよい。
なお、通常の活性汚泥処理システムは、本実施形態の送給管に相当する流路を備えている。このような活性汚泥処理システムであれば、排出管53を前記流路の途中に設け、本実施形態の切換機構Aに相当する切替バルブと、好気槽内の被処理液を散気管から吸引する吸引装置を設けるだけで、本実施形態の処理システム2を構築できる。
また、本実施形態の散気管12の洗浄装置は、洗浄液の貯留槽を備える必要がなく、より簡単に散気管12の洗浄装置を構築できる。
さらに、本実施形態においては、散気管を洗浄するために、好気槽から散気管を引き上げる必要がなく、洗浄にかかる時間を短縮でき、かつ洗浄にかかるコストを低減できる。
さらにまた、活性汚泥処理工程と洗浄工程とを、散気管からの気体の吐出圧力を検出すること等により切り替えるものとすれば、活性汚泥処理工程と洗浄工程との切り替えのタイミングを計りやすくなり、排水処理をより安定的かつ効率的に行うことができる。
また、本実施形態の散気管の洗浄方法によれば、加圧洗浄液を用いた洗浄方法の場合に生じることがあった加圧ムラによる洗浄ムラも生じにくく、散気管の全体にわたり均質で良好な洗浄状態が得られやすい。
次に、本発明の第三実施形態の活性汚泥処理方法について説明する。
図3は、本実施形態の処理方法に用いる活性汚泥処理システム3(以下、単に「処理システム3」という。)の概略構成図である。
処理システム3は、分離膜モジュール13及び処理水排出管15を備えていない活性汚泥処理装置70を用いること、排出管53の先端が散気管12に接続されていること、好気槽11内の被処理液を沈殿槽(図示略)に移送する沈殿槽移送管44を備えること以外は、第二実施形態で説明した処理システム2と同様である。
図3に示す処理システム3を用いた活性汚泥処理方法は、排水を活性汚泥処理装置70に供給し活性汚泥法による処理を行うこと以外は、処理システム2を用いた活性汚泥処理方法と同様の工程を含む。
活性汚泥処理工程は、排水を活性汚泥処理装置70に供給すること、分離膜モジュールによる固液分離を行わず、好気槽11内の被処理液を沈殿槽移送管44により沈殿槽(図示略)に移送すること以外は、処理システム2と同様にして行われる。前記沈殿槽では、被処理液を沈殿分離して処理水が得られる。
洗浄工程は、処理システム2と同様にして行われる。
また、本実施形態においては、散気管を洗浄するために、好気槽から散気管を引き上げる必要がなく、洗浄にかかる時間を短縮でき、かつ洗浄にかかるコストを低減できる。
さらに、活性汚泥処理工程と洗浄工程とを、散気管からの気体の吐出圧力を検出すること等により切り替えるものとすれば、活性汚泥処理工程と洗浄工程との切り替えのタイミングを計りやすくなり、排水処理をより安定的かつ効率的に行うことができる。
また、本実施形態の散気管の洗浄方法によれば、加圧洗浄液を用いた洗浄方法の場合に生じることがあった加圧ムラによる洗浄ムラも生じにくく、散気管の全体にわたり均質で良好な洗浄状態が得られやすい。
本発明について、第一実施形態〜第三実施形態を示して説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
例えば、第一実施形態及び第二実施形態では、MBR工程における膜分離活性汚泥処理装置として、活性汚泥処理槽内に分離膜を浸漬する浸漬型(一体型)の膜分離活性汚泥処理装置10が用いられたがこれに限定されない。活性処理槽と、分離膜を浸漬した膜分離槽とをそれぞれ設け、活性処理槽での生物処理後に膜分離槽で膜分離を行うようにした、いわゆる槽外型(別置型)の膜分離活性汚泥処理装置が用いられてもよい。
第一実施形態及び第二実施形態においては、送給管51及び排出管53の途中にそれぞれ第1の切替バルブ61及び第3の切替バルブ63が設けられたが、これに限定されない。例えば送給管51と排出管53の接続点に三方バルブを一つ設け、この三方バルブにより活性汚泥処理工程と洗浄工程とを切り替えるようにして、上記第1の切替バルブ61及び第3の切替バルブ63を省略してもよい。
第一実施形態及び第二実施形態においては、送給管51に設けられた圧力計22で検出した気体の吐出圧力値により、活性汚泥処理工程と散気管の洗浄工程との切り替えのタイミングを計ることが好ましいとされたが、これに限定されない。例えば、処理水排出管15に設けられた圧力計16で検出した分離膜モジュール13の膜間差圧値により、前記の切り替えのタイミングが計られてもよい。ただし、圧力計22の気体の吐出圧力値の方が、圧力計16の膜間差圧値よりも先に変動するため、圧力計22で検出した圧力値により前記の切り替えのタイミングが計られることが好ましい。なお、送給管51に流量計を設け、ブロア21からの気体の流量を検出し、この流量値により前記の切り替えのタイミングが計られてもよい。
切換機構A及びBを作動することで、以下の設定1と設定2とが切り替わるように設定した。
[設定1]第1の切替バルブ61を「開」、第2の切替バルブ62を「開」、第3の切替バルブ63を「閉」とする設定。
[設定2]第1の切替バルブ61を「閉」、第2の切替バルブ62を「閉」、第3の切替バルブ63を「開」とする設定。
また、切換機構A及びBは、圧力計22で検出した圧力値が処理システム1の稼働初期の圧力値から3kPa上昇した時点で自動的に作動し、設定1から設定2への切り替えが自動で行われるように設定した。
なお、第1〜第3の各切替バルブの作動順序は、最初に第1の切替バルブ61、次に第3の切替バルブ63、最後に第2の切替バルブ62が作動する順序とした。
第1〜第3の各バルブを設定1とした。
排水を膜分離活性汚泥処理装置10の好気槽11に供給した。好気槽11内に、ブロア21から気体を供給し、圧力計22で気体の吐出圧力を検出し、かつ圧力計16で分離膜モジュール13の膜間差圧を検出しながらMBR処理を行い処理水を得た。
また、好気槽11内の被処理液を移送配管52により嫌気槽41に移送し、一方、嫌気槽41からオーバーフローした被処理液を連通配管42により好気槽11に移送し、好気槽11と嫌気槽41との間で被処理液を循環した。
・気体の供給量:0.8m3/min。
・気体の吐出圧力(稼働初期):30kPa。
・好気槽11内の被処理液のMLSS:10,000mg/L。
・分離膜モジュール13の膜面積:125m2(膜面積25m2の中空糸膜モジュール×5基)、膜の種類:ポリフッ化ビニリデンを主成分とする公称孔径0.4μmの中空糸形状の精密ろ過膜。
・処理水(透過水)量:0.8m3/m2/日。
・被処理液の循環容量:300m3/d。
・送給管51、移送配管52、排出管53:65Aステンレス配管。
上記設定1から設定2への切り替えが行われたことにより、散気管の洗浄工程が開始された。なお、散気管12と、散気管12から吸引ポンプ31までの流路の合計容積は約100Lであった。
洗浄工程を1分間行った後、切換機構A及びBを作動し設定2から設定1に切り替えるとともに、ブロア21及び吸引ポンプ17を作動し、活性汚泥処理工程を再開した。
再開後に圧力計22で検出した吐出圧力は、処理システム1の稼働初期の吐出圧力30kPaまで低下していた。
洗浄工程を1分間行った後、上記と同様にして活性汚泥処理工程を再開した。再開後に圧力計22で検出した吐出圧力は30kPaまで低下していた。
図4に、処理システム1の運転結果を示す。図4中、S1は、圧力計16による分離膜モジュール13の膜間差圧の推移を示し、S2は、圧力計22によるブロア21からの気体の吐出圧力の推移を示す。また、図4中の切替1及び切替2は、それぞれの時点で活性汚泥処理工程から洗浄工程への切り替えが行われたことを示す。
図4に示すように、本発明を適用することで、処理システム1の稼働中に分離膜モジュール13の膜間差圧S1が5〜6kPaで推移し、安定した排水処理ができた。
切換機構A及びBを作動しないこと以外は、実施例1と同様の条件で活性汚泥処理工程を行った。
図5に、比較例1における処理システム1の運転結果を示す。図5中、T1は、圧力計16による分離膜モジュール13の膜間差圧の推移を示し、T2は、圧力計22によるブロア21からの気体の吐出圧力の推移を示す。
図5に示すように、気体の吐出圧力T2は、処理システム1の稼働開始から20日を経過した時点から徐々に上昇し、60日を経過した時点で45kPaまで上昇した。また、分離膜モジュール13の膜間差圧T1は、処理システム1の稼働開始から40日を経過した時点から徐々に上昇し、60日を経過した時点で30kPaまで上昇した。この時点で排水処理を中止した。
これは、散気管12の内部に流入した汚泥がブロア21より送気されるエアにより乾燥され乾燥汚泥となり堆積したためと考えられる。そしてこの堆積物により、散気管12が塞がれたことで気体の吐出圧力が上昇し、また、膜エレメントへのエアバブリング洗浄が充分に行われなくなり膜エレメントに汚泥が付着し、分離膜モジュール13の膜間差圧が上昇したものと考えられる。
10 膜分離活性汚泥処理装置
11 好気槽
12 散気管
13 分離膜モジュール
41 嫌気槽
51 送給管
52 移送配管
53 排出管
61 第1の切替バルブ
62 第2の切替バルブ
63 第3の切替バルブ
Claims (12)
- 好気槽内に配備された散気管の洗浄方法であって、
前記好気槽内の被処理液を散気管から吸引することを特徴とする散気管の洗浄方法。 - 好気槽内に配備された散気管から気体を吐出して活性汚泥法による処理を行う活性汚泥処理工程と、
前記好気槽内の被処理液を散気管から吸引して散気管を洗浄する洗浄工程と、を含むことを特徴とする活性汚泥処理方法。 - 前記活性汚泥処理工程は、気体の吐出圧力を検出しながら行い、
前記気体の吐出圧力が設定圧力値を超えた時に、前記活性汚泥処理工程から前記散気管の洗浄工程に切り替えることを特徴とする、請求項2に記載の活性汚泥処理方法。 - 前記活性汚泥処理工程は、前記好気槽内の被処理液を分離膜モジュールにより固液分離しながら行うことを特徴とする、請求項2又は3に記載の活性汚泥処理方法。
- 前記活性汚泥処理工程は、前記好気槽内の被処理液を嫌気槽に移送し、かつ嫌気槽内の被処理液を前記好気槽に移送しながら行うことを特徴とする、請求項2〜4のいずれか一項に記載の活性汚泥処理方法。
- 好気槽内に配備された散気管を洗浄する散気管洗浄装置であって、
前記好気槽内の被処理液を散気管から吸引して好気槽外に排出することを特徴とする散気管洗浄装置。 - 好気槽と、該好気槽内に配備された散気管を備え、
前記好気槽内の被処理液を散気管から吸引して好気槽外に排出する散気管洗浄装置を有することを特徴とする活性汚泥処理システム。 - 前記散気管には該散気管に気体を送給する送給管が接続し、
前記散気管洗浄装置は前記送給管に接続した排出管を有し、
散気管への気体の送給と、散気管からの被処理液の排出管への移送とを切り替える切換機構が設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の活性汚泥処理システム。 - 嫌気槽と、前記好気槽内の被処理液を該嫌気槽に移送する移送配管と、前記嫌気槽内の被処理液を前記好気槽に移送する連通配管とを備え、
前記排出管は前記移送配管に接続し、
好気槽から嫌気槽への被処理液の移送と、排出管を経由した被処理液の嫌気槽への移送とを切り替える切換機構が設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の活性汚泥処理システム。 - 前記移送配管には好気槽から嫌気槽に被処理液を移送させる吸引装置が設けられ、
該吸引装置は、排出管を経由した被処理液の嫌気槽への移送にも兼用されていることを特徴とする、請求項9に記載の活性汚泥処理システム。 - 前記送給管に圧力計が設けられていることを特徴とする、請求項8〜10のいずれか一項に記載の活性汚泥処理システム。
- 前記好気槽が分離膜モジュールを備えることを特徴とする、請求項7〜11のいずれか一項に記載の活性汚泥処理システム。
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