JP2005279495A - 浸漬型膜分離装置、散気装置の洗浄方法および膜分離方法 - Google Patents

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真 一ノ瀬
Hiromichi Okada
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Abstract

【課題】
簡易な装置構成で散気装置内の汚泥を洗浄除去し、安定した散気洗浄で運転を継続することができる浸漬型膜分離装置および散気装置の洗浄方法ならびに膜分離方法を提供する。
【解決手段】
被処理液を貯留した処理槽内に浸漬設置される分離膜モジュールと、該分離膜モジュールの下方に配設される散気装置と、該散気装置へ配管を介して気体を供給するブロアとを有し、さらに前記ブロアと前記散気装置との間に前記配管の大気圧下への開放手段を備え、前記配管を前記ブロアと前記散気装置との間で大気圧下に開放することで散気装置内に処理槽内の被処理液を流入させ、流入した被処理液で散気装置を洗浄する
【選択図】図1

Description

本発明は、浄水、下水、し尿、産業廃水等の処理などにおいて好適に使用することができる浸漬型膜分離装置と、それに用いられている散気装置の洗浄方法および膜分離方法に関するものである。
従来、浄水、下水、し尿、産業廃水等を膜によりろ過処理する水処理装置として、図4に示すものがある。図4において、曝気槽(処理槽)2に浸漬した浸漬型膜分離装置は、複数枚の平板状ろ過膜(膜エレメント)を平行に配置した膜モジュール3と、膜モジュール3の透過側に連通した処理水配管7とを有している。また、膜モジュール3の下方には散気装置5を配置し、散気装置5に接続してブロア6を設けている。曝気槽2の上方には被処理液供給管1が開口している。そして、ろ過の駆動力として吸引ポンプ4を使用して、槽内の被処理液を膜モジュール3によってろ過し、ろ液を処理水配管を介して槽外に取り出す。
ここで、運転時には、ブロア6から散気装置5にエアを供給し、散気装置5の散気孔から曝気槽2内にエアを噴出させ、噴出するエアのエアリフト作用によって生起する気液混合の上向流をろ過膜の膜面に掃流として作用させて、ろ過を行いつつも膜面に対するケーキ層の付着を抑制する事で安定したろ過運転を行っている。
ところで、散気装置5においては、エアが噴出する散気孔から槽内の被処理液が侵入し、被処理液に含まれる固形物が散気孔を塞いでしまったり、エアによって乾燥され吐出孔の内側を乾燥物が覆ってしまったりして噴出するエアの減少やムラとなり、上向流による膜面洗浄が充分に行われなくなる。
そのため、散気孔の閉塞を防止する技術として、散気装置に洗浄流体を流通させ清掃する技術が提案されている(特許文献1)。また散気管の一端をブロアと接続し、他端を、ドレンバルブを介して散気装置よりも高い位置で開放する構成として、ブロアからエアを供給する状態でドレンバルブを開放する事で散気孔から槽内の被処理液を逆流させてドレンバルブから放出、洗浄する技術も提案されている(特許文献2)。
しかしながら、特許文献1及び2においては散気装置洗浄用にポンプやコンプレッサーを必要としたり、ドレン用の配管を立ち上げるなど専用の機器が必要となり、装置コストや設置スペースの面で問題がある。また特許文献1においては、洗浄流体としてエアを用いたのでは浸入した汚泥が乾き付着している場合に洗浄効果が低く、結局、水や洗浄剤等の液体を注入して洗浄しなければならず、その場合には曝気槽の液位を所定の管理範囲内に保たなければならないので、液体注入量、すなわち洗浄効果に限界があるといった問題もある。更には注入した水、洗浄剤は膜でろ過する必要がある等の欠点がある。
特開平10-04789号公報 特開2002-186991号公報
本発明は上記した課題を解決するものであり、簡易な構成で散気装置の洗浄が可能な浸漬型膜分離装置ならびに散気装置の洗浄方法および膜分離方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、次の(1)〜(6)の構成を特徴とするものである。
(1)被処理液を貯留した処理槽内に浸漬設置される分離膜モジュールと、該分離膜モジュールの下方に配設される散気装置と、該散気装置へ配管を介して気体を供給するブロアとを有する浸漬型膜分離装置であって、前記ブロアと前記散気装置との間に前記配管の大気圧下への開放手段を備えていることを特徴とする浸漬型膜分離装置。
(2)前記配管に洗浄液を流入させる洗浄液注入手段を備えている、上記(1)に記載の浸漬型膜分離装置。
(3)被処理液を貯留した処理槽内に浸漬設置された分離膜モジュールの下方に配設され、ブロアから配管を介して供給される気体を処理槽内に供給する散気装置を洗浄する方法であって、前記配管を前記ブロアと前記散気装置との間で大気圧下に開放することで散気装置内に処理槽内の被処理液を流入させ、流入した被処理液で散気装置を洗浄することを特徴とする散気装置の洗浄方法。
(4)さらに、前記配管に洗浄液を流入させる、上記(3)に記載の散気装置の洗浄方法。
(5)前記配管を大気圧下に開放して散気装置内に処理槽内の被処理液を流入させた後に、前記配管に洗浄液を流入させる、上記(4)に記載の散気装置の洗浄方法。
(6)間欠的に上記(3)〜(5)のいずれかに記載の散気装置の洗浄方法を実施しながら被処理液の膜分離を行うことを特徴とする膜分離方法。
本発明によれば、ブロアと散気装置との間に設けられた配管の大気圧下への開放手段という簡易な構成にて、配管を大気圧下に開放して槽内の被処理液をその配管内に流入させ、散気装置の散気孔を洗浄することができる。これにより、槽内の被処理液による詰まりを防止でき、気体噴出の偏り等を生じることなく、膜処理装置の運転を安定して継続することができる。また、その配管に洗浄液を流入させる洗浄液注入手段を設ける場合には、たとえば配管を大気圧下に開放して散気装置内に処理槽内の被処理液を流入させ、その後、その配管に洗浄液を流入させることで、被処理液による詰まり防止を更に安定確実にし、気体噴出の偏り等を生じることなく、膜分離装置の運転を長期間安定して継続することができる。
以下、本発明の浸漬型膜分離装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明に係る浸漬型膜分離装置は、たとえば図1に示すように、被処理液を貯留した曝気槽(処理槽)2内に、複数枚の平板状ろ過膜(膜エレメント)を平行に配置した膜モジュール3を設けたなる。膜モジュール3の透過側には処理水配管7が連通しており、この処理水配管7に、ろ過の駆動力を与える吸引ポンプ4が設けられている。また、膜モジュール3の下方には散気装置5を配置し、散気装置5とブロア6を枝バルブ9(配管の大気圧下への開放手段)を備えた気体供給配管8で接続している。また、曝気槽(処理槽)2の上方には被処理液供給管1が開口している。
この装置において、吸引ポンプ4によってろ過膜に膜間差圧を発生させ、活性汚泥などによって生物処理された槽内の被処理液を膜モジュール3によってろ過し、ろ液を処理水配管7を介して槽外に取り出す。このとき、枝バルブ9が閉じた状態でブロア6から散気装置5に空気などの気体を供給し、散気装置5から曝気槽2内に気体を噴出させる。噴出する気体は、エアリフト作用によって気液混合の上向流を生起し、ろ過膜の膜面に掃流として作用する。これによって、ろ過を行いつつも膜面に対するケーキ層の付着を抑制する。
このように被処理液の膜分離を行うが、運転を継続するうちに、散気装置5の散気孔が槽内の被処理液により閉塞し、均一にエアーが出なくなることがある。その場合、次の要領にて散気管を間欠的に洗浄する。
まず、気体供給配管8の枝バルブ9を開き、ブロア6の気体を逃がす。これにより気体供給配管8および散気装置5が大気圧下に開放され、槽内の被処理液が散気孔を通して散気装置に流入する。このとき、上述の膜分離の際に散気装置の内部に付着した汚泥は、散気時のエアによって乾燥しているが、槽内の被処理液が汚泥に浸潤することで剥離溶解する。そして、しかる後に枝バルブ9を閉めてブロア6から気体を供給することで、剥離溶解した汚泥を、洗浄時に散気装置5および気体供給配管8に流入した被処理液とともに散気口から排出する。
ここで枝バルブ9の開放時間は特に制限されるものではないが、気体供給配管8の大気圧下への開放で散気は止まり、しかる後に散気を再開する事で旋回流に乱れが生じ、この乱れが通常では除去しにくい膜面の汚れを剥離し易くする効果が期待できるため、また、被処理液の散気装置への流入に乱れを与え洗浄効果を高めるために、0.1秒〜10秒間隔で5〜10回、枝バルブ9を開閉させることが好ましい。
さらに、このようにして散気装置5内に曝気槽内の被処理液を流入させ、流入した被処理液で散気装置を洗浄した後、枝バルブ9に洗浄液注入手段を接続し、枝バルブ9を開き散気装置内にブロアからのエアと混合した気液混合状態の洗浄液を注入することが好ましい。洗浄液供給手段としては特に限定されるものではないが、例えば水道水配管をカプラを用いてホース接続したり、廃水原水や処理水を分岐して供給する手段などがある。このようすることで、ブロアからのエアと混合した気液混合状態の洗浄液が散気孔から排出することになり、散気装置内に残る被処理液や剥離溶解した汚泥をより完全にすすぎ洗浄する事ができる。
さらに、本発明は、たとえば図2に示すように変更実施してもよい。図2は、図1において説明した浸漬型膜分離装置と同様に作用するものであるが、図1における枝バルブ9を2つの電磁弁等の自動バルブ10とし、気体供給配管8の大気圧下への開放用のバルブと洗浄液注入用のバルブとを区分したものである。そして、タイマーで一定時間毎に、もしくは、ブロアからのエア流量、圧力などが設定の値を超える場合に、自動的に、気体供給配管8を大気圧下へ開放し、散気装置5内に曝気内の被処理液を流入させ、流入した被処理液で散気装置を洗浄し、その後、気液混合状態の洗浄液を注入することで、散気装置内をすすぎ洗浄する構成としたものである。
また、複数の膜モジュールを並列で設置、運転する場合は、たとえば図3に示すように変更実施してもよい。図3は、図1において説明した浸漬型膜分離装置と同様に作用するものであるが、ブロア6からの気体供給配管8に流路切り換えバルブ11を設け、一方の膜モジュール用のエアを他方のモジュールに供給するように構成したものである。
本発明の一実施形態を示す浸漬型膜分離装置の散気装置の概略フロー図である。 本発明の一実施形態を示す浸漬型膜分離装置の散気装置の概略フロー図である。 本発明の一実施形態を示す浸漬型膜分離装置の散気装置の概略フロー図である。 従来の浸漬型膜分離装置の概略フロー図である。
符号の説明
1 被処理液供給管
2 曝気槽(処理槽)
3 膜モジュール
4 吸引ポンプ
5 散気装置
6 ブロア
7 処理水配管
8 気体供給配管
9 枝バルブ
10 自動バルブ
11 切り換えバルブ

Claims (6)

  1. 被処理液を貯留した処理槽内に浸漬設置される分離膜モジュールと、該分離膜モジュールの下方に配設される散気装置と、該散気装置へ配管を介して気体を供給するブロアとを有する浸漬型膜分離装置であって、前記ブロアと前記散気装置との間に前記配管の大気圧下への開放手段を備えていることを特徴とする浸漬型膜分離装置。
  2. 前記配管に洗浄液を流入させる洗浄液注入手段を備えている、請求項1に記載の浸漬型膜分離装置。
  3. 被処理液を貯留した処理槽内に浸漬設置された分離膜モジュールの下方に配設され、ブロアから配管を介して供給される気体を処理槽内に供給する散気装置を洗浄する方法であって、前記配管を前記ブロアと前記散気装置との間で大気圧下に開放することで散気装置内に処理槽内の被処理液を流入させ、流入した被処理液で散気装置を洗浄することを特徴とする散気装置の洗浄方法。
  4. さらに、前記配管に洗浄液を流入させる、請求項3に記載の散気装置の洗浄方法。
  5. 前記配管を大気圧下に開放して散気装置内に処理槽内の被処理液を流入させた後に、前記配管に洗浄液を流入させる、請求項4に記載の散気装置の洗浄方法。
  6. 間欠的に請求項3〜5のいずれかに記載の散気装置の洗浄方法を実施しながら被処理液の膜分離を行うことを特徴とする膜分離方法。
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