JP4244001B2 - 膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法 - Google Patents

膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は膜式活性汚泥処理装置に係り、特に処理槽内に膜ユニットを浸漬した膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法に関する。
この種の膜式活性汚泥処理装置として、粗大気泡散気手段と微細気泡散気手段とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図6はその概略構成を示す模式図である。処理槽1内には活性汚泥が高濃度に保持されており、被処理水2を好気的に処理する。処理槽1内には膜ユニット3が浸漬されている。膜ユニット3の下方には粗大気泡散気手段4が配置されている。粗大気泡散気手段4の下方にはさらに微細気泡散気手段5が配置されている。管路8から流入した被処理水2が処理槽1内に高濃度に保持した活性汚泥によって好気的に生物処理される。生物処理によって、被処理水2中の有機性物質が酸化分解し、被処理水2は浄化される。膜ユニット3は、複数枚の鉛直状の平膜3Aを間隙を空けて平行に配列した構造とされる。この膜ユニット3によって被処理水2が膜分離される。膜ユニット3を透過した被処理水2は膜ユニット3の二次側から排出管路9を介し処理水排出手段6により処理水7として装置外に排出される。粗大気泡散気手段4から散気された粗大気泡には主に3つの作用がある。第1の作用は平膜3Aに対する膜面洗浄作用である。粗大気泡はその浮力によって膜ユニット3の平膜3A相互の間隙を上昇し、その上昇過程で平膜3Aの膜面を擦る。その結果、膜分離されて膜面に付着した活性汚泥などの懸濁分離物が膜面から剥離し洗われる。第2の作用は被処理水に対する酸素供給作用である。粗大気泡が被処理水と接触する過程で、気泡中の酸素が被処理水に溶解する。被処理水に溶解した酸素が活性汚泥による生物処理に必要な酸素源として利用される。第3の作用は旋回流の形成作用である。上記したように散気された粗大気泡のエアリフト作用によって平膜3A相互の間隙には被処理水の上向流が生起され、この上向流の生起に伴い、処理槽1内には矢印Fで示したような旋回流が形成される。旋回流によって、被処理水と活性汚泥が十分に混合接触し、活性汚泥による生物処理が効率よく進行する。
活性汚泥は膜分離により処理槽1内に残存するため、処理槽1内には活性汚泥が高濃度に維持される。したがって、この種の膜式活性汚泥処理装置は高負荷の運転が可能であり、酸素の消費速度も速い。このため、粗大気泡散気手段4から散気された粗大気泡によって被処理水に溶解する酸素だけでは生物処理に必要な酸素を賄えず、被処理水中の溶存酸素が不足する場合がある。微細気泡散気手段5から散気される微細気泡は単位体積当たりの表面積が大きいので、被処理水に対する酸素溶解効率が高い。このため、不足する被処理水中の溶存酸素を補うために有効である。
したがって、この種の膜式活性汚泥処理装置では、粗大気泡散気手段4と微細気泡散気手段5のそれぞれからの散気量を適正に配分することによって、効率の良い運転を行うようにしている。
ところで、この種の膜式活性汚泥処理装置を長日数にわたって運転すると、膜ユニット3の平膜3Aに膜汚染物質が蓄積し、膜ユニット3の濾過性能が次第に低下してくる。このため、膜ユニット3の濾過性能を回復させるための薬液洗浄が必要に応じて行われる。薬液洗浄には膜ユニット3を処理槽1から引き上げて専用の薬液槽に浸漬する方法や、処理槽1内の被処理水と活性汚泥をすべて排出した後に、処理槽1内に薬液を満たす方法が考えられる。しかしながら、この方法は大掛かりになるので経済的でない。被処理液中に膜ユニット3を浸漬させた状態で膜ユニット3の二次側から薬液を高圧で逆流させる方法が考えられる。しかしながら、この方法では薬液が膜面の流れやすい部位から集中して膜の一次側に流れ出るので膜全面に対する洗浄が困難である。また、高圧の薬液によって膜が損傷を受けたり、膜の一次側に流れた薬液が活性汚泥にダメージを与え活性を低下させるという欠点がある。したがって、これらの方法は膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法としては不適である。
一方、特許文献2には被処理液中に浸漬された膜の二次側に薬液を低圧で注入して適当時間保持する方法が開示されている。この方法によれば、薬液が膜面全体で被処理液側にゆっくりと染み出る。その過程で膜汚染物質が分解するか又は薬液に溶解するなどして膜の洗浄が行われる。この方法を膜式活性汚泥処理装置に適用した場合には、被処理水中に膜ユニット3を浸漬した状態で膜洗浄を行うことができ、かつ、膜の一次側(被処理水側)に染み出る薬液量が少ないので活性汚泥へのダメージが小さくて済むという利点がある。
特開2001−212587号公報 特開平8−290045号公報
しかしながら、特許文献2に開示された方法を膜式活性汚泥処理装置に適用すると新たな問題点が発生することが判明した。すなわち、膜の一次側(被処理水側)に染み出た薬液の洗浄作用を最大限に活用するためには、染み出た薬液を膜面近傍になるべく長い時間、膜面近傍に留めることが望ましい。そのためには膜面近傍の被処理水に余分な流れが生じないように、膜洗浄中には散気手段からの散気を停止する方が好ましい。ところが、散気の停止が長時間にわたって続くと処理槽1内の被処理水2が溶存酸素の枯渇した嫌気状態となり、槽内に保持した活性汚泥の一部が死滅したり、フロックの解体が進んで運転再開時の処理効率が悪くなる。また、活性汚泥の死滅腐敗によって粘着性物質が発生し、この粘着性物質が運転再開時に膜ユニット3の膜を再閉塞させるという問題も派生する。さらに、薬液と接触した活性汚泥が可溶化して粘着性物質が発生し、同様に運転再開時に膜ユニット3の膜を再閉塞させることが判明した。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を改善し、活性汚泥の活性を維持することができ、また、運転再開時に膜ユニットの膜を再閉塞させない膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明に係る膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法は、槽内に保持した活性汚泥によって被処理水を好気的に処理する処理槽と、この処理槽内に浸漬された膜ユニットと、この膜ユニットを透過した被処理水を膜ユニットの二次側から処理水として装置外に排出する処理水排出手段とを備えた膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法であって、前記膜ユニットを前記処理槽内に浸漬させた状態で膜ユニットの二次側から洗浄用の薬液を注入して膜の洗浄を行う際に、前記膜ユニットの外部に設けた散気手段からの散気によって前記膜ユニットの外側を周回する旋回流を生起させるとともに、前記膜ユニットの膜面には水流を実質的に作用させないことを特徴とする。
また、第2の発明に係る膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法は、槽内に保持した活性汚泥によって被処理水を好気的に処理する処理槽と、この処理槽内に浸漬された膜ユニットと、この膜ユニットの下方に配置された粗大気泡散気手段と、前記膜ユニットの側方に配置された微細気泡散気手段と、前記膜ユニットを透過した被処理水を膜ユニットの二次側から処理水として装置外に排出する処理水排出手段とを備えた膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法であって、前記膜ユニットを前記処理槽内に浸漬させた状態で膜ユニットの二次側から薬液を注入して膜の洗浄を行う際に、前記粗大気泡散気手段からの散気を停止し、前記微細気泡散気手段のみから散気を行うことを特徴とする。
また、第3の発明に係る膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法は、槽内に保持した活性汚泥によって被処理水を好気的に処理する処理槽と、この処理槽内に浸漬された膜ユニットと、この膜ユニットの下方に配置された粗大気泡散気手段と、前記膜ユニットの側方に配置された微細気泡散気手段と、前記膜ユニットを透過した被処理水を膜ユニットの二次側から処理水として装置外に排出する処理水排出手段とを備えた膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法であって、前記膜ユニットを前記処理槽内に浸漬させた状態で膜ユニットの二次側から洗浄用の薬液を注入して膜の洗浄を行う際には前記粗大気泡散気手段及び微細気泡散気手段からの散気を停止し、通常運転を再開する直前に前記微細気泡散気手段から散気を一定時間、行うことを特徴とする。
第1の発明では薬液洗浄中に膜ユニットの外部に設けた散気手段からの散気によって膜ユニットの外側を周回する旋回流が生じるとともに、膜ユニットの膜面には水流が実質的に作用しない。このため、膜ユニットの内部を除けば処理槽内のほぼ全域が好気状態に維持される。したがって、薬液洗浄中に処理槽内の被処理水が嫌気状態となって生じる諸々の弊害を防止でき、活性汚泥の活性を維持することができる。また、膜ユニットの膜面には水流は実質的に作用しないので、膜の一次側に染み出た薬液は長い時間、膜面近傍に留まり、その洗浄作用が最大限に活用される。
第2の発明では薬液洗浄中に微細気泡散気手段から散気した微細気泡のエアリフト作用によって、処理槽内に緩慢な被処理水の旋回流が生起される。このため、膜ユニットの内部を除けば処理槽内のほぼ全域が好気状態に維持される。したがって、薬液洗浄中に処理槽内の被処理水が嫌気状態となって生じる諸々の弊害を防止でき、活性汚泥の活性を維持することができる。また、薬液洗浄の最終段階では、必要に応じて薬液洗浄によって発生した粘着性物質や膜汚染物質を膜ユニットの内部から一掃させることができ、通常運転を再開した際に、これらの物質による膜の再閉塞を防止できる。
第3の発明では薬液洗浄後の微細気泡散気手段からの散気によって、薬液洗浄時に嫌気状態になっていた被処理水が速やかに好気状態になり、活性汚泥の活性が速やかに回復する。また、薬液洗浄によって発生した粘着性物質や膜汚染物質が膜ユニットの内部から一掃され、かつ活性汚泥によって分解されるので、通常運転を再開した際に、これらの物質による膜の再閉塞を防止できる。
図1は本発明に係る膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法を実施するための装置系統図である。処理槽10内には活性汚泥が高濃度に保持されており、被処理水12を好気的に処理する。処理槽10内には膜ユニット14が浸漬されている。膜ユニット14の下方には粗大気泡散気手段16が配置されている。また、膜ユニット14の側方には微細気泡散気手段18A,18Bが配置されている。膜ユニット14の二次側には管路20を介して吸引ポンプ22が接続している。管路20には薬液注入管24が分岐し、この薬液注入管24から薬液タンク26内の薬液を薬注ポンプ28によって膜ユニット14の二次側に供給可能とされている。管路20には開閉弁30が、薬液注入管24には開閉弁32が設けられている。
管路34から流入した被処理水12が処理槽10内に高濃度に保持した活性汚泥によって好気的に生物処理される。この生物処理によって、被処理水12中の有機性物質が酸化分解し、被処理水12は浄化される。膜ユニット14は、複数枚の鉛直状の平膜が間隔を空けて平行に配列された構造とされる。この膜ユニット14によって被処理水12が膜分離される。膜ユニット14を透過した被処理水12は膜ユニット14の二次側から管路20を介し吸引ポンプ22により処理水として装置外に排出される。
粗大気泡散気手段16から散気された粗大気泡には主に3つの作用がある。第1の作用は膜ユニット14の平膜に対する膜面洗浄作用である。粗大気泡はその浮力によって膜ユニット14の平膜相互の間隙を上昇し、その上昇過程で平膜の膜面を擦る。その結果、膜分離されて膜面に付着した活性汚泥などの懸濁分離物が膜面から剥離し洗われる。また、粗大気泡のエアリフト作用によって平膜相互の間隙には被処理水12の上向流が生起される。この被処理水12の上向流によっても膜面の洗浄が行われる。第2の作用は被処理水12に対する酸素供給作用である。粗大気泡が被処理水12と接触する過程で、気泡中の酸素が被処理水12に溶解する。この被処理水12に溶解した酸素が活性汚泥による生物処理に必要な酸素源として利用される。第3の作用は旋回流の形成作用である。上記したように散気された粗大気泡のエアリフト作用によって平膜相互の間隙には被処理水12の上向流が生起され、この上向流の生起に伴い、処理槽10内には矢印Fで示したような上下方向の旋回流が形成される。この旋回流によって、被処理水12と活性汚泥が十分に混合接触し、活性汚泥による生物処理が効率よく進行する。また、旋回流によって被処理水12が万遍なく膜ユニット14を通過することになり、安定した膜分離が行われる。
活性汚泥は膜分離により処理槽10内に残存するため、処理槽10内には活性汚泥が高濃度に維持される。したがって、高負荷の運転が可能であり、酸素の消費速度も速い。このため、粗大気泡散気手段16から散気された粗大気泡によって被処理水12に溶解する酸素だけでは生物処理に必要な酸素を賄えず、被処理水中の溶存酸素が不足する場合がある。すなわち、粗大気泡は径が10mm前後であり、エアリフト力が大きいので前記した膜面洗浄作用や旋回流の形成作用には有効である。反面、単位体積当たりの表面積が小さいので、被処理水12に対する酸素溶解効率が低い欠点がある。一方、微細気泡散気手段18A,18Bから散気される微細気泡は径が1mm前後であり、単位体積当たりの表面積が大きいので、被処理水に対する酸素溶解効率が高い。このため、被処理水中の溶存酸素を補うために有効である。
粗大気泡散気手段16及び微細気泡散気手段18A,18Bには管路36,38A,38Bを介して共通のブロア40に接続しており、このブロア40で昇圧した空気が各散気手段に供給され散気される。管路36,38A,38Bには開閉弁42,44A,44Bが設けられている。
この膜式活性汚泥処理装置を長日数にわたって運転すると、膜ユニット14の平膜に膜汚染物質が蓄積し膜が閉塞して、膜ユニット14の濾過性能が次第に低下してくる。このため、膜ユニット14の濾過性能を回復させるための薬液洗浄を必要に応じて行う。図2は本発明に係る膜洗浄方法の第1実施形態を示すタイムチャートである。通常運転では開閉弁30を開とし、吸引ポンプ22が駆動される。この間、開閉弁32を閉とし、薬注ポンプ28は停止している。開閉弁42,44A,44Bは開とし、各散気手段16,18A,18Bから散気が行われる。吸引ポンプ22の駆動によって膜ユニット14の二次側が負圧になり、この負圧力によって膜ユニット14での膜分離が行われる。
薬液洗浄を実施する場合には、開閉弁30を閉とし、吸引ポンプ22を停止させる。また、開閉弁42を閉とし、粗大気泡散気手段16からの粗大気泡の散気を停止する。微細気泡散気手段18A,18Bについては少なくとも一方の散気を継続する。図1は開閉弁44Aを開、開閉弁44Bを閉として、微細気泡散気手段18Aからの散気を継続し、微細気泡散気手段18Bからの散気を停止した状態を示している。この状態では微細気泡散気手段18Aから散気した微細気泡のエアリフト作用によって、図1中の矢印Yで示した右回りの膜ユニット14の外側を周回する極めて緩慢な被処理水の旋回流が生起される。
このような状態で、薬液注入管24に設けた開閉弁32を開とし、薬注ポンプ28を駆動することによって、薬液タンク26内の薬液を管路20を介して膜ユニット14の二次側に低い圧力で注入する。この薬液の注入操作は膜ユニット14の二次側に存在していた処理水が薬液の注入によって膜ユニット14の一次側(被処理水側)に押し出され、膜ユニット14の二次側がほぼ薬液によって満たされた時点で停止する。以降は薬液の注入をせずに、この状態を所定時間、保持する。その結果、膜ユニット14を構成している平膜の膜面は薬液に接することになり、薬液の浸透作用によって薬液は膜ユニット14の二次側から一次側に向けて染み出る。その過程で膜汚染物質が分解するか又は薬液に溶解するなどして膜の洗浄が行われる。
この方法によれば、被処理水中に膜ユニット14を浸漬した状態で膜洗浄を行うことができ、かつ、膜の一次側(被処理水側)に染み出る薬液量が少ないので活性汚泥へのダメージが小さくて済むという利点がある。しかも粗大気泡散気手段16からの粗大気泡の散気を停止しているので、膜面には実質的に水流が作用しない。このため、膜の一次側(被処理水側)に染み出た薬液は長い時間、膜面近傍に留まり、その洗浄作用が最大限に活用される。薬液洗浄の間は前記したように微細気泡散気手段18Aが継続して作動し、被処理水に酸素を補給している。また、微細気泡散気手段18Aから散気した微細気泡のエアリフト作用によって、処理槽10内に矢印Yで示した右回りの緩慢な被処理水12の旋回流が生起される。このため、膜ユニット14の内部を除けば処理槽10内のほぼ全域が好気状態に維持される。したがって、薬液洗浄中に処理槽10内の被処理水12が嫌気状態となって生じる諸々の弊害を防止できる。
なお、薬液洗浄中には膜の一次側(被処理水側)に染み出る薬液に相当する微量の薬液を薬注ポンプ28によって補充するようにしてもよい(図2の破線参照)。また、薬液洗浄中には微細気泡散気手段18Aを連続的に作動する必要はなく、散気に必要な動力を節減する目的で微細気泡散気手段18Aを間欠的に作動してもよい(図2の括弧内図示参照)。また、微細気泡散気手段18Aと微細気泡散気手段18Bを交互に作動し、処理槽10内に生起させる旋回流の流れ方向を左右に切り替えるようにしてもよい。さらに、薬液洗浄の最後の段階では微細気泡散気手段18A,18Bを同時に作動させることが好ましい。すると、図3に示したように、散気した微細気泡のエアリフト作用によって、処理槽10内には矢印Y1で示した右回りの緩慢な被処理水の旋回流と、矢印Y2で示した左回りの緩慢な被処理水の旋回流とが形成される。このため、膜ユニット14の内部には下向流が生じて膜ユニット14の内部に停滞していた被処理水が一掃される。膜ユニット14の内部に停滞していた被処理水には薬液と接触した活性汚泥が可溶化した粘着性物質や薬液に溶解した膜汚染物質が含まれている。このような粘着性物質や膜汚染物質を膜ユニット14の内部から一掃され、かつ、これらの物質は活性汚泥によって分解されるので、通常運転を再開した際に、これらの物質による膜の再閉塞を防止できる。なお、薬液洗浄の最後の段階では粗大気泡散気手段16をも作動させてもよい。粗大気泡の散気によって、膜ユニット14の内部に停滞していた被処理水の一掃作用がより強力となり、膜面に付着した粘着性物質の物理的な洗浄作用も期待できる。
薬液洗浄が終了すると、開閉弁30を開として吸引ポンプ22を駆動し通常運転を再開する。この際、開閉弁42,44A,44Bを開とし、すべての各散気手段16,18A,18Bから散気する。上述のとおり、この実施形態の膜洗浄方法によれば、活性汚泥の活性を維持し、また、運転再開時に膜ユニットの膜を再閉塞させない。
図4は本発明に係る膜洗浄方法の第2実施形態を示すタイムチャートである。この方法は、薬液洗浄中は粗大気泡散気手段16及び微細気泡散気手段18A,18Bの双方の散気を停止する。そして、薬液洗浄の終了後、通常運転を再開する直前に、予備運転として微細気泡散気手段18A,18Bの少なくとも一方から一定時間、散気を行う。この微細気泡散気手段18A,18Bからの散気によって、薬液洗浄時に嫌気状態になっていた被処理水が速やかに好気状態になり、活性汚泥の活性が回復する。また、薬液洗浄によって発生した粘着性物質や膜汚染物質が膜ユニット14の内部から一掃され、かつ活性汚泥によって分解されるので、通常運転を再開した際に、これらの物質による膜の再閉塞を防止できる。なお、予備運転の最後の段階では粗大気泡散気手段16をも作動させる。粗大気泡の散気によって、膜ユニット14の内部に停滞していた被処理水の一掃作用がより強力となり、膜面に付着した粘着性物質の物理的な洗浄作用も期待できる。予備運転の終了後、通常運転を再開する。薬液洗浄や通常運転再開時の手順は第1実施形態で説明した内容と同様である。
この第2実施形態は薬液洗浄が比較的短時間である場合に有効であり、この実施形態の膜洗浄方法によれば、第1実施形態と同様に活性汚泥の活性を維持することができ、また、運転再開時に膜ユニットの膜を再閉塞させない。
図5は本発明に係る膜洗浄方法を実施するための別構成の装置系統図である。図5において図1と同一の符号を付した要素は図1に示したものと同様の機能を有しており、説明を省略する。この装置では2基の薬液タンク26A,26Bが設けられている。例えば薬液タンク26Aの薬液aは有機性の膜汚染物質を酸化分解する酸化剤溶液であり、薬液タンク26Bの薬液bは無機性の膜汚染物質を分解又は溶解する酸溶液である。薬液タンク26A,26Bには開閉弁32A,32Bを備えた薬液注入管24A,24Bが接続し、薬液注入管24A,24Bの他端は処理水排出用の管路20に連通している。薬液タンク26A,26Bは処理槽10よりも十分に高い位置に設置されており、処理槽10の水面と薬液タンク26A,26Bの液面とは水頭差Hを有している。
この装置によって膜ユニット14の膜を薬液洗浄する場合には、前記したものと同様の手順で、まず薬液タンク26A内の薬液aを膜ユニット14の二次側に張り込む。この際、薬液aの注入は水頭差Hを利用して行うので、薬注ポンプを必要としない。膜ユニット14の二次側に薬液aを張り込んだ後、この状態を一定時間、保持する。すると、薬液aが膜ユニット14の膜に浸透し、膜ユニット14の一次側(被処理水側)に染み出る。その過程で有機性の膜汚染物質が薬液aによって酸化分解し、除去される。薬液aによる洗浄が終了すると、吸引ポンプ22を駆動して、膜ユニット14の二次側や管路20内の薬液aを装置外へ排出し、膜ユニット14の二次側や管路20内を処理水に置換する。薬液bによる洗浄も同様に行い、無機性の膜汚染物質を薬液bによって分解又は溶解する。洗浄終了後の薬液bを同様に、吸引ポンプ22によって装置外へ排出し、一連の薬液洗浄が完了する。この薬液洗浄中には図2に示したように微細気泡散気手段18A,18Bの少なくとも一方を連続又は間欠的に作動させ、処理槽10内の被処理水12を好気状態に維持するか、又は嫌気状態が長時間継続しないようにする。又は、図4に示したように、薬液洗浄後の予備運転で微細気泡散気手段18A,18Bによる散気を行い、その後に通常運転を再開する。
本発明に係る膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法を実施するための装置系統図である。 本発明に係る膜洗浄方法の第1実施形態を示すタイムチャートである。 微細気泡のエアリフト作用によって形成される旋回流の模式図である。 本発明に係る膜洗浄方法の第2実施形態を示すタイムチャートである。 本発明に係る膜洗浄方法を実施するための別構成の装置系統図である。 従来技術に係る膜式活性汚泥処理装置の概略構成を示す模式図である。
符号の説明
10………処理槽、12………被処理水、14………膜ユニット、16………粗大気泡散気手段、18A,18B………微細気泡散気手段、20………管路、22………吸引ポンプ、26,26A,26B………薬液タンク、28………薬注ポンプ、40………ブロア。

Claims (3)

  1. 槽内に保持した活性汚泥によって被処理水を好気的に処理する処理槽と、この処理槽内に浸漬された膜ユニットと、この膜ユニットを透過した被処理水を膜ユニットの二次側から処理水として装置外に排出する処理水排出手段とを備えた膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法であって、前記膜ユニットを前記処理槽内に浸漬させた状態で膜ユニットの二次側から洗浄用の薬液を注入して膜の洗浄を行う際に、前記膜ユニットの外部に設けた散気手段からの散気によって前記膜ユニットの外側を周回する旋回流を生起させるとともに、前記膜ユニットの膜面には水流を実質的に作用させないことを特徴とする膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法。
  2. 槽内に保持した活性汚泥によって被処理水を好気的に処理する処理槽と、この処理槽内に浸漬された膜ユニットと、この膜ユニットの下方に配置された粗大気泡散気手段と、前記膜ユニットの側方に配置された微細気泡散気手段と、前記膜ユニットを透過した被処理水を膜ユニットの二次側から処理水として装置外に排出する処理水排出手段とを備えた膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法であって、前記膜ユニットを前記処理槽内に浸漬させた状態で前記膜ユニットの二次側から薬液を注入して膜の洗浄を行う際に、前記粗大気泡散気手段からの散気を停止し、前記微細気泡散気手段のみから散気を行うことを特徴とする膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法。
  3. 槽内に保持した活性汚泥によって被処理水を好気的に処理する処理槽と、この処理槽内に浸漬された膜ユニットと、この膜ユニットの下方に配置された粗大気泡散気手段と、前記膜ユニットの側方に配置された微細気泡散気手段と、前記膜ユニットを透過した被処理水を膜ユニットの二次側から処理水として装置外に排出する処理水排出手段とを備えた膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法であって、前記膜ユニットを前記処理槽内に浸漬させた状態で膜ユニットの二次側から洗浄用の薬液を注入して膜の洗浄を行う際には、前記粗大気泡散気手段及び微細気泡散気手段からの散気を停止し、通常運転を再開する直前に前記微細気泡散気手段からの散気を一定時間、行うことを特徴とする膜式活性汚泥処理装置の膜洗浄方法。

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