JP2012151261A - 半導体発光素子、半導体発光素子の保護膜及びその作製方法 - Google Patents

半導体発光素子、半導体発光素子の保護膜及びその作製方法 Download PDF

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敏人 藤原
Toshihiko Nishimori
年彦 西森
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誠二 西川
Yuichi Kono
雄一 河野
Tadashi Shimazu
正 嶋津
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Abstract

【課題】高いマイグレーション防止性と水素ブロック性とを両立する半導体発光素子、半導体発光素子の保護膜及びその作製方法を提供する。
【解決手段】基板11上に形成された複数の半導体層12〜14と、複数の半導体層12〜14の電極となる電極部15、16及び電極部17、18とを有する半導体発光素子において、その保護膜として、複数の半導体層12〜14、電極部15、16及び電極部17、18の周囲を、膜中のSi−H結合量が1.0×1020[個/cm3]以下の窒化珪素からなるSiN膜21で被覆する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体発光素子、半導体発光素子の保護膜及びその作製方法に関する。
半導体発光素子として、省エネで長寿命を実現できる白色LED(Light Emitting Diode)は、新しい屋内・屋外照明材料として期待されている。
特開2006−041403号公報 特開2007−189097号公報
現在、省エネと長寿命を両立できる白色LEDは、省電力タイプに限られている。そのため、低消費電力で長寿命なメリットを生かしつつ、既存照明の置き換えをするには、低出力のLEDチップを複数個使用しなければならず、コストが高くなる原因となっていた。
照明の使用LEDチップ数を減らすには、1チップあたりの光出力を上げる必要がある。しかしながら、LED素子には、高出力化のために大電力を投入すると、発熱が増え、発熱が増えると発光効率が低下するという、発熱と発光効率低下の悪循環があり、最終的には、熱で素子が破壊されるか、効率が低下し、寿命も短くなるという問題がある。熱で寿命が短くなるのは、素子を高温で使用すると、電極部に使用されているAgのイオンマイグレーションが加速され、短絡による素子故障が発生しやすくなるからである。
又、Agは水分と反応することでもマイグレーションが加速する。そのため、Agを水分から守る保護膜をLED素子に用いると、マイグレーションが抑制でき、高出力素子の信頼性改善に有効である。一方、この保護膜には、素子内で発生した光を効率よく素子外部まで取り出せるように、高い光透過性が求められる。なぜなら、投入した電力のうち、最終的に外に出てくる光以外は全て熱となり、素子温度を上昇させるからである。従って、保護膜の光透過率が高ければ、光取出し効率が上がり、電流投入量も少なくでき、素子の効率を上げることができる。又、発熱やマイグレーションによる素子故障を抑制することも可能である。
又、水素(H、H+等も含む)によりLED素子が劣化することが分かっている。これは、活性層の片側にあるP型GaNに保護膜中に含まれる水素が拡散し、キャリアが水素に取られ、p型GaNの抵抗が高くなることで発光が弱くなってしまうためである。更に、LED素子のプロセスでは、半導体と金属のコンタクト抵抗を減らすために、水素を含む雰囲気下でアニール処理を施しており、水素が混入しやすい環境に曝される。
ここで、従来例1として、特許文献1のLED素子構造を図8に示して、その問題点を説明する。なお、図8中、符号61はサファイア基板、62はn型GaNからなるn型半導体層、63は活性層、64はp型GaNからなるp型半導体層、65はp電極、66はpパッド、67はn電極、68はnパッド、71はSiN膜、72はSiO膜である。このp電極65は、Ag/Ni/Ptからなる多層構造である。又、図中の矢印は、透過光の様子を示している。
図8に示す従来のLED素子構造においては、保護膜として、防水性の高いSiN膜71をp電極65の周辺部にのみ用い、その後、全体にSiO膜72を成膜している。上記素子構造においては、p電極65中のAgが半導体側面まで拡散した場合、SiO膜72では防水性が低いため、マイグレーションが進行し易い。又、一般的に、SiN膜71はSiO膜72より光の透過率が低いため、p電極65の周辺で透過率が低くなり、外部への光取出し効率が低下する。又、保護膜(SiN膜71、SiO膜72)中に含まれる水素が拡散して、p型GaNからなるp型半導体層64の抵抗を高くする。又、LED素子のプロセスでは、水素を含む雰囲気下でアニール処理が施されるため、水素が混入しやすく、この水素が拡散して、p型半導体層64の抵抗を高くする。
又、従来例2として、特許文献2のLED素子構造を図9に示して、その問題点を説明する。なお、図9において、図8と同等の構成については同じ符号を付す。又、図中の矢印は、透過光の様子を示している。但し、符号81はSiN膜である。
図9に示す従来のLED素子構造においては、保護膜として、素子全体に防水性の高いSiN膜81を用いている。上記素子構造においては、素子全体が透過率の低いSiN膜81で覆われているため、素子から外部への光取出し効率が低下する。又、保護膜(SiN膜81)中に含まれる水素が拡散して、p型GaNからなるp型半導体層64の抵抗を高くする。又、LED素子のプロセスでは、水素を含む雰囲気下でアニール処理が施されるため、水素が混入しやすく、この水素が拡散して、p型半導体層64の抵抗を高くする。特に、通常の条件で形成されるSiN膜81は、膜が緻密ではなく、水素が透過し易い。
このように、従来のLED素子構造においては、水素がLED素子内部に到達してしまい、高いマイグレーション防止性と水素ブロック性の両立が困難であった。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、高いマイグレーション防止性と水素ブロック性とを両立する半導体発光素子、半導体発光素子の保護膜及びその作製方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係る半導体発光素子の保護膜は、
基板上に形成された複数の半導体層と、前記複数の半導体層の電極となる複数の電極部とを有する半導体発光素子において、当該半導体発光素子を保護する保護膜であって、
前記保護膜として、前記複数の半導体層及び前記複数の電極部の周囲を被覆する第1の保護膜を設けると共に、
前記第1の保護膜を、膜中のSi−H結合量が1.0×1020[個/cm3]以下の窒化珪素としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係る半導体発光素子の保護膜は、
上記第1の発明に記載の半導体発光素子の保護膜において、
更に、前記第1の保護膜の周囲を被覆する第2の保護膜を設けると共に、
前記第1の保護膜を、膜厚10nm以上とし、
前記第2の保護膜を、酸化珪素としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係る半導体発光素子の保護膜は、
上記第2の発明に記載の半導体発光素子の保護膜において、
更に、前記第2の保護膜の周囲を被覆する第3の保護膜を設けると共に、
前記第3の保護膜を、前記第1の保護膜と同じく、膜中のSi−H結合量が1.0×1020[個/cm3]以下の窒化珪素とすると共に、当該膜厚を10nm以上としたことを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係る半導体発光素子の保護膜は、
上記第1〜第3のいずれか1つの発明に記載の半導体発光素子の保護膜において、
前記複数の半導体層の少なくとも1つをp型GaNからなる半導体層とすることを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係る半導体発光素子の保護膜は、
上記第1〜第4のいずれか1つの発明に記載の半導体発光素子の保護膜において、
前記複数の電極部の少なくとも1つが銀を含有する金属からなることを特徴とする。
上記課題を解決する第6の発明に係る半導体発光素子は、
上記第1〜第5のいずれか1つの発明に記載の半導体発光素子の保護膜を用いたことを特徴とする。
上記課題を解決する第7の発明に係る半導体発光素子の保護膜の作製方法は、
基板上に形成された複数の半導体層と、前記複数の半導体層の電極となる複数の電極部とを有する半導体発光素子において、当該半導体発光素子を保護する保護膜の作製方法であって、
前記保護膜として、前記複数の半導体層及び前記複数の電極部の周囲を被覆する第1の保護膜を設け、膜中のSi−H結合量が1.0×1020[個/cm3]以下の窒化珪素から形成することを特徴とする。
上記課題を解決する第8の発明に係る半導体発光素子の保護膜の作製方法は、
上記第7の発明に記載の半導体発光素子の保護膜の作製方法において、
前記第1の保護膜を、膜厚10nm以上とすると共に、
更に、前記第1の保護膜の周囲を被覆する第2の保護膜を設け、酸化珪素から形成することを特徴とする。
上記課題を解決する第9の発明に係る半導体発光素子の保護膜の作製方法は、
上記第8の発明に記載の半導体発光素子の保護膜の作製方法において、
更に、前記第2の保護膜の周囲を被覆する第3の保護膜を設け、前記第1の保護膜と同じく、膜中のSi−H結合量が1.0×1020[個/cm3]以下の窒化珪素から形成すると共に、当該膜厚を10nm以上とすることを特徴とする。
上記課題を解決する第10の発明に係る半導体発光素子の保護膜の作製方法は、
上記第7〜第9のいずれか1つの発明に記載の半導体発光素子の製造方法において、
前記複数の半導体層の少なくとも1つをp型GaNからなる半導体層から形成することを特徴とする。
上記課題を解決する第11の発明に係る半導体発光素子の保護膜の作製方法は、
上記第7〜第10のいずれか1つの発明に記載の半導体発光素子の製造方法において、
前記複数の電極部の少なくとも1つが銀を含有する金属からなることを特徴とする。
本発明によれば、半導体発光素子において、従来不可能であった高いマイグレーション防止性と水素ブロック性の両立が可能となり、素子の信頼性を向上させることができる。
本発明に係る半導体発光素子の実施形態の一例(実施例1)として、その素子構造を示す断面図である。 図1に示した半導体発光素子のSiN膜を形成するプラズマ処理装置の構成図である。 SiN膜における膜中水素量(Si−H結合量)とストレス変化量との関係を示すグラフである。 SiN膜における膜中水素量(Si−H結合量)と透過率との関係を示すグラフである。 本発明に係る半導体発光素子の実施形態の一例(実施例2)として、その素子構造を示す断面図である。 本発明に係る半導体発光素子のSiN膜と従来のSiN膜において、その防水性と膜厚との関係を示すグラフである。 本発明に係る半導体発光素子の実施形態の他の一例(実施例3)として、その素子構造を示す断面図である。 従来のLED素子構造を示す断面図である。 従来の他のLED素子構造を示す断面図である。
以下、本発明に係る半導体発光素子、半導体発光素子の保護膜及びその作製方法について、その実施形態のいくつかを図1〜図7を参照して説明する。なお、以下に示す実施例では、半導体発光素子としてLEDを用いた例について説明する。
(実施例1)
図1は、本実施例のLEDの素子構造を示す断面図である。又、図中の矢印は、透過光の様子を示している。
本実施例のLEDは、サファイアからなる基板11上に、n型GaNからなるn型半導体層12、GaNとInGaNを交互に積層した多重量子井戸構造からなる活性層13、p型GaNからなるp型半導体層14が順次積層された半導体層の素子構造である。なお、n型半導体層12、p型半導体層14は、各々、n型コンタクト層、p型コンタクト層を含む構造となっている。
そして、積層されたp型半導体層14、活性層13及びn型半導体層12の一部を、エッチングにより除去することにより、n型半導体層12のn型コンタクト層を露出し、その露出した部分に、半導体層側からW/Ptを順次積層して、n電極17を形成する。一方、p型半導体層14のp型コンタクト層の上面には、半導体層側からAg/Ni/Pt順次積層して、p電極15を形成している。又、バンプ形成のため、p電極15上には、Auからなるpパッド16を形成し、n電極17上には、Auからなるnパッド18を形成している。このように、p電極15及びpパッド16、そして、n電極17及びnパッド18を、各々、積層した半導体層に対する電極部としている。
上述した素子構造において、pパッド16及びnパッド18におけるバンプのための開口部を除き、半導体層(n型半導体層12、活性層13及びp型半導体層14)及び電極部(p電極15及びpパッド16、n電極17及びnパッド18)の周囲を被覆するように、SiN膜21(第1の保護膜)を積層している。このSiN膜21は、絶縁性を有し、水素ブロック性が高いSiNからなり、この1つの層で保護膜を形成している。このように、Agを含有するp電極15の周囲だけでなく、素子全体の周囲を、SiN膜21により保護する構造となる。
前述したように、SiNからなる保護膜は、通常、防水性は高いが、水素ブロック性が劣るという問題がある。
そこで、本実施例においては、後述するプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置、成膜条件を用いて、SiN膜21の成膜を行うことにより、防水性が高く、水素ブロック性も高い膜質とすることができる。
まず、SiN膜21を形成する際に用いるプラズマCVD装置について、図2を参照して、その構成を説明する。図2は、SiN膜21を形成するプラズマCVD装置の一例を示しているが、後述するように、Si−H結合量を少なくして、防水性が高く、水素ブロック性も高い膜質としたり、更には、透過率、絶縁耐圧の改善も図ったりしたい場合には、図2に示すプラズマCVD装置を用いて、SiN膜21を形成することが望ましい。但し、Si−H結合量を少なくして、防水性が高く、水素ブロック性も高い膜質のSiN膜を形成できれば、他のプラズマCVD装置を適用してもよく、例えば、高密度プラズマを用いたプラズマCVD装置等が好適である。
図2に示すように、プラズマCVD装置100は、高い真空度を維持する真空容器101を備えている。この真空容器101は、筒状容器102と天井板103からなり、筒状容器102の上部に天井板103を取り付けることで、外気から密閉された空間を形成している。真空容器101には、真空容器101の内部を真空状態にする真空装置104が設置されている。
天井板103の上部にはプラズマを生成させるRFアンテナ105が設置されている。このRFアンテナ105には、整合器106を介して高周波電源であるRF電源107が接続されている。即ち、RF電源107から供給されたRFパワーはRFアンテナ105によりプラズマに供給される。
筒状容器102の側壁の上部には、成膜する膜の原料となる原料ガスや不活性ガスを真空容器101内に供給するガス供給管108が設置されている。ガス供給管108には原料ガスや不活性ガスの供給量を制御するガス供給量制御器が設置されている。本実施例では、原料ガスとして、SiH4、N2等を、不活性ガスとして、Ar等を供給している。これらのガスの供給により、真空容器101の内部上方には、SiH4、N2及びAr等のプラズマが生成されることとなる。
筒状容器102内の下方には、成膜対象である基板109を保持する基板支持台110が設置されている。この基板支持台110は、基板109を保持する基板保持部111と、この基板保持部111を支持する支持軸112とにより構成されている。基板保持部111の内部には加熱のためのヒータ113が設置されており、このヒータ113はヒータ制御装置114により温度が調整されている。これにより、プラズマ処理中の基板109の温度を、例えば、50〜400℃に制御することができる。更に、基板保持部111には、基板109を静電気力で保持する静電チャック機構を設けてもよい。
支持軸112には、上下駆動機構(図示省略)が設けられており、図2に示すように、高密度のプラズマ領域から基板109を離すこと、つまり、高密度プラズマの影響を受けない位置に基板109を配置可能になっている。具体的には、基板保持部111は、天井板103の下面からの距離が5cm〜30cmとなる位置に移動可能であり、例えば、生成されたプラズマ中心から10cm以上離れた位置に基板109を配置する。このような配置とすることにより、後述の図3のグラフに示すように、膜中水素量(Si−H結合量)が少なく、ストレス変化量の小さいSiN膜、即ち、水素ブロック性の高いSiN膜を形成することが可能となる。
そして、上述したプラズマCVD装置100には、RF電源107によるRFパワーと、真空装置104による圧力と、ヒータ制御装置114による基板温度と、ガス供給量制御器によるガス供給量と、上下駆動機構による基板位置とを、各々制御可能な主制御装置119が設置されている。ここで、図2中の一点鎖線は、主制御装置119からRF電源107、真空装置104、ヒータ制御装置114、ガス供給量制御器へ制御信号を送信するための信号線を意味している。
上述したプラズマCVD装置100において、主制御装置119により、成膜温度、RFパワー、ガス供給量を後述する成膜条件で制御することで、防水性が高く、水素ブロック性も高いSiN膜21の成膜が可能となる。
そこで、次に、SiN膜21の成膜条件について説明する。本実施例において、SiN膜21は、RFパワー:3.0kW、SiH4:30sccm、N2:800sccm、圧力:25mTorrで成膜を行った。このとき、基板109にバイアスは印加しない。
なお、この成膜条件は一例であり、以下の成膜条件の範囲とすれば、図3に示すような、水素拡散がない特性を得ることができる。
成膜温度:50℃〜400℃
SiH4及びN2の総流量に対するRFパワー:7W/sccm以下
ガス流量比:SiH4/(SiH4+N2)=0.036〜0.33
バイアス印加:無し
成膜条件を変えてSiN膜を成膜し、そのSiN膜の膜中水素量(Si−H結合量)とストレス変化量との関係を測定したものが、図3に示すグラフである。
図3において、SiN膜中の水素量はIR分析(赤外線分析、例えば、FTIR等)により確認した。具体的には、2140cm-1付近に発生するSi−H結合のピーク面積から求めたSi−H結合量を、膜中水素量(Si−H結合量)として測定した。又、SiN膜のストレス変化量は、応力測定装置(例えば、KLA−Tencor製、FLX−2320)により確認した。具体的には、応力測定装置内のヒータにて、SiN膜成膜後の基板を常温→450℃まで昇温し、450℃で1時間保持した後に常温まで降下させ、その間の応力の変化を測定し、これをストレス変化量とした。
図3に示すように、ストレス変化量は膜中水素量(Si−H結合量)と相関が有り、膜中水素量(Si−H結合量)が多いとストレス変化量も大きく、逆に、膜中水素量(Si−H結合量)が少ないとストレス変化量も小さく、膜中水素量(Si−H結合量)が1×1020[個/cm3]以下の場合には、ストレス変化量がゼロとなる。これは、SiN膜中の水素(特に、Si−H結合の水素)が少ない場合、膜質が緻密で、水素の移動(透過)を抑制するため、測定時のアニール処理により離脱した水素が少なくなり、膜応力の変化も小さくなるからである。つまり、SiN膜のストレス変化は、膜中からの水素の脱離が主要因であり、ストレス変化量がゼロであれば、水素拡散が無いと言える。
上記測定の結果、SiN膜の膜中水素量(Si−H結合量)が1×1020[個/cm3]以下であれば、ストレス変化量がゼロであり、水素拡散が無い緻密な膜であると言える。このように、本実施例では、SiN膜の膜中水素量(Si−H結合量)を1×1020[個/cm3]以下とすることで、従来のSiN膜では不可能であった水素ブロック性を、SiN膜のみで可能としている。
又、本実施例で示すプラズマCVD装置で成膜したSiN膜の膜中水素量(Si−H結合量)は、図4のグラフ中の実験例に示すように、SiN膜の透過率にも相関があり、Si−H結合量を少なくすると、透過率が高くなる性質もある。これは、一般的なプラズマCVD装置で成膜したSiN膜(図4のグラフ中の比較例)と比較して、膜中の水素、つまり、不純物が少ないからであり、そのため、膜自体の消衰係数kが0.005以下と極めて低く、その結果、高い透過率が得られていると考えられる。
加えて、本実施例で示すプラズマCVD装置においては、上述したように、高密度プラズマを生成可能であると共に、高密度のプラズマ領域から基板109を離すことができるので、プラズマダメージも低く抑えることができ、一般的なプラズマCVD装置で成膜したSiN膜と比較して、絶縁耐圧を高くすることもできる。
又、SiN膜21の膜厚は、素子を物理的に保護可能な膜厚、つまり、素子の半導体層に傷をつけさせない膜厚としており、具体的には、一般的なLEDで使用されている400〜1000nmとしている。このような範囲の膜厚において、SiN膜21は、後述する図6からわかるように、十分な防水性を有している。
従って、図1に示した素子構造においては、ごく一部(パッド開口部)を除き、素子全体が上記特性、膜厚を有するSiN膜21に覆われているので、素子の側壁において、内部への水分の侵入を防いで、p電極15中のAgのマイグレーションを抑制することができ、高いマイグレーション防止性が得られる。
又、SiN膜21は、水素ブロック性も高いので、p型GaNからなるp型半導体層14の高抵抗化を防止し、LED素子の劣化を防止することができる。又、水素を含む雰囲気下でアニール処理を施す場合でも、水素の素子内部への侵入をSiN膜21により防ぐことができる。
加えて、従来のSiN膜と比較して、SiN膜21は膜自体の透過率が高く、絶縁耐圧も高いので、保護膜としての透過率、絶縁耐圧が向上し、その結果、SiN膜21の膜厚を厚くする必要もなく、そのエッチングも不要であるので、成膜コストを抑えることができる。一方、従来例1では、SiN膜71をp電極65の周辺部のみ形成するため、SiO膜72を成膜する前に、全体についたSiN71膜を一部除去する工程が必要となり、成膜コストが高くなり、又、従来例2では、SiN膜81は、一般的に、SiO膜よりも絶縁耐圧が低いため、絶縁性を確保するには膜厚を厚くする必要があり、成膜に時間がかかり成膜コストが高くなる。
水素ブロック性、マイグレーション防止性、透過率及び絶縁耐性について、以上の結果を纏め、前述した従来例1、従来例2と比較すると、表1に示すようになる。なお、表1においては、後述する実施例2、実施例3も併記している。
Figure 2012151261
表1に示すように、本実施例における水素ブロック性は、SiN膜21が緻密であるので、従来例1、従来例2より高い。又、本実施例におけるマイグレーション防止性は、素子全体がSiN膜21に覆われているので、従来例1より高く、従来例2と同等である。この結果、素子の信頼性が向上する。
本実施例における透過率(膜厚500nm、光の波長350nmの条件で比較)については、従来例2と同程度若しくはそれ以上である。又、本実施例における絶縁耐圧については、従来例2より高いため、SiN膜21の膜厚を厚くする必要はなく、そのエッチングも不要であるので、エッチング工程が必要な従来例1や膜厚が厚くなる従来例2より、成膜コストを抑えることができる。
このように、本実施例では、高いマイグレーション防止性と水素ブロック性とを両立することが可能となり、その結果、LED素子の信頼性を向上させることができる。
(実施例2)
図5は、本実施例のLEDの素子構造を示す断面図である。なお、図5において、実施例1(図1参照)で示した構成と同等の構成については同じ符号を付し、重複する説明は省略する。又、図中の矢印は、透過光の様子を示している。
本実施例のLEDにおいて、半導体層の素子構造は、実施例1(図1参照)で示したLEDと同等の構成である。又、実施例1と同様に、pパッド16及びnパッド18におけるバンプのための開口部を除き、半導体層及び電極部の周囲を被覆するように、保護膜を形成しているが、この保護膜の構成が、実施例1とは相違する。
具体的には、保護膜として、絶縁性を有し、水素ブロック性が高いSiNからなるSiN膜31(第1の保護膜)と、絶縁性を有するSiOからなるSiO膜32(第2の保護膜)とを順次積層している。つまり、第1層目をSiN膜31、第2層目をSiO膜32とした2層構造の保護膜を形成している。このように、Agを含有するp電極15の周囲だけでなく、素子全体の周囲を、SiN膜31及びSiO膜32の2層構造により保護する構造となる。
これらのSiN膜31、SiO膜32のうち、SiN膜31は、実施例1で説明したプラズマCVD装置及び成膜条件により形成されている。一方、SiO膜32は、図2に示すようなプラズマCVD装置でもよいが、他のプラズマCVD装置でもよく、やはり、高密度プラズマを用いたプラズマCVD装置が好適である。なお、同様のSiO膜を形成できれば、他の装置、例えば、スパッタリング装置、真空蒸着装置等を用いることもできる。
前述したように、SiNからなる保護膜は、通常、防水性は高いが、透過率が低く、水素ブロック性が劣るという問題がある。又、実施例1で示したSiN膜は、防水性、水素ブロック性は高いが、透過率、絶縁耐圧はSiO膜のように高くはなく、改善の余地がある。
そこで、本実施例においては、SiN膜31を、実施例1で説明したように、Si−H結合量を少なくして、水素ブロック性を高くしている。更に、このSiN膜31の外側に、透過率が高く、絶縁耐圧が高いSiO膜32を積層する構造とすると共に、このSiO膜32の膜厚をSiN膜31より厚くしている。このような構成とすることにより、透過率、絶縁耐圧を向上させている。但し、SiO膜32には、元々、水を通し易く、保持し易いという性質があり、一度水分を多く含むと水分の供給源となり、素子側に水が浸入するおそれがある。
そのため、本実施例では、SiN膜31を、防水性を保てる膜厚としている。ここで、図6のグラフを参照して、SiN膜31における防水性と膜厚の関係を説明する。図6では、比較例として、一般的なプラズマCVD装置で成膜したSiNにおける防水性と膜厚のグラフを点線で併記した。なお、図6における防水性とは、サンプルとして、コバルト−鉄の膜上に、評価対象のSiN膜、膜中水分量の多いSiO膜を順次形成し、形成したサンプルにおいて、コバルト−鉄の磁化劣化を測定することで、評価対象のSiN膜の防水性を評価したものである。
図6のグラフに示すように、比較例では、SiN膜の膜厚が35nm未満の場合は、膜厚が薄くなるに従って、防水性が低下しているが、SiN膜の膜厚が35nm以上の場合は、防水性が良好であることがわかる。一方、本実施例では、SiN膜の膜厚が10nm未満の場合は、膜厚が薄くなるに従って、防水性が低下しているが、SiN膜の膜厚が10nm以上の場合は、防水性が良好であることがわかる。このように、比較例では、35nm以上でなければ、良好な防水性は得られなかったが、本実施例では、SiN膜31の膜厚を10nm以上とすることで、良好な防水性を得ることができる。つまり、SiN膜31において、10nm以上が、防水性を保てる膜厚となる。
このように、SiO膜32の内側に緻密なSiN膜31を設け、防水性を保つ膜厚としているので、特に、SiO膜32から供給される水分をブロックし、LED素子への水侵入を低減している。
又、SiO膜32は、SiN膜31との合計の膜厚が、素子を物理的に保護可能な膜厚、つまり、素子の半導体層に傷をつけさせない膜厚としている。具体的には、合計の膜厚を、一般的なLEDで使用されている400〜1000nmとしている。
図5に示した素子構造においては、ごく一部(パッド開口部)を除き、素子全体が上記特性、膜厚を有するSiN膜31に覆われているので、素子の側壁において、内部への水分の侵入を防いで、p電極15中のAgのマイグレーションを抑制することができ、高いマイグレーション防止性が得られる。
又、SiN膜31は、水素ブロック性も高いので、p型GaNからなるp型半導体層14の高抵抗化を防止し、LED素子の劣化を防止することができる。又、水素を含む雰囲気下でアニール処理を施す場合でも、水素の素子内部への侵入をSiN膜31により防ぐことができる。
加えて、透過率が高く、絶縁耐圧が高いSiO膜32を、SiN膜31より厚い膜厚で積層しているので、SiN膜のみの場合と比較して、保護膜全体の透過率、保護膜全体の絶縁耐圧が向上する。更に、SiN膜31の膜厚を厚くする必要もなく、そのエッチングも不要であるので、成膜コストを抑えることができる。
従って、表1に示すように、本実施例における水素ブロック性は、SiN膜31が緻密であるので、従来例1、従来例2より高い。又、本実施例におけるマイグレーション防止性は、素子全体がSiN膜31に覆われているので、従来例1より高い。この結果、素子の信頼性が向上する。
又、本実施例における透過率は、膜厚500nm、光の波長350nmの条件で比較した場合(但し、本実施例のSiN膜31の膜厚は10nm、その透過率99.97%)、その保護膜全体の透過率は99.97%である。この透過率は、従来例1(p電極付近の透過率も考慮した場合)と略同等であり、従来例2、実施例1より高く、光取出し効率が改善している。これは、透過率の低いSiN膜31の膜厚が保護膜全体の膜厚に対し薄く、透過率の高いSiO膜32の膜厚が厚いため、保護膜全体で高い透過率を得ることができるからである。
このように、本実施例では、高いマイグレーション防止性と水素ブロック性とを両立することができ、そして、高い透過率を達成することもでき、その結果、LED素子の信頼性を向上させると共に、高輝度構造を実現することができる。
(実施例3)
図7は、本実施例のLEDの素子構造を示す断面図である。なお、図7において、実施例1(図1参照)で示した構成と同等の構成については同じ符号を付し、重複する説明は省略する。又、図中の矢印は、透過光の様子を示している。
本実施例のLEDにおいて、半導体層の素子構造は、実施例1(図1参照)で示したLEDと同等の構成である。又、実施例1と同様に、pパッド16及びnパッド18におけるバンプのための開口部を除き、半導体層及び電極部の周囲を被覆するように、保護膜を形成しているが、この保護膜の構成が、実施例1、実施例2とは相違する。
具体的には、保護膜として、絶縁性を有し、水素ブロック性が高いSiNからなるSiN膜41(第1の保護膜)と、絶縁性を有するSiOからなるSiO膜42(第2の保護膜)と、絶縁性を有し、水素ブロック性が高いSiNからなるSiN膜43(第3の保護膜)とを順次積層している。つまり、第1層目をSiN膜41、第2層目をSiO膜42、第3層目をSiN膜43とした3層構造の保護膜を形成している。このように、Agを含有するp電極15の周囲だけでなく、素子全体の周囲を、SiN膜41、SiO膜42及びSiN膜43の3層構造により保護する構造となる。
これらのSiN膜41、SiO膜42及びSiN膜43のうち、SiN膜41、43は、実施例1で説明したプラズマCVD装置及び成膜条件により形成されている。一方、SiO膜42は、図2に示すようなプラズマCVD装置でもよいが、他のプラズマCVD装置でもよく、やはり、高密度プラズマを用いたプラズマCVD装置が好適である。なお、同様のSiO膜を形成できれば、他の装置、例えば、スパッタリング装置、真空蒸着装置等を用いることもできる。
前述したように、SiNからなる保護膜は、通常、防水性は高いが、透過率が低く、水素ブロック性が劣るという問題がある。又、実施例1で示したSiN膜21は、防水性、水素ブロック性は高いが、透過率、絶縁耐圧はSiO膜のように高くはなく、改善の余地がある。又、実施例2で示したSiN膜31、SiO膜32からなる2層構造の保護膜は、SiN膜31に防水性、水素ブロック性があるとは言え、SiO膜32の性質として、膜中に一度水分を多く含むと水分の供給源となり、又、水素の供給源となる可能性も有り、長期的な時間の経過と共に、僅かではあるが水分、水素が素子側に浸入するおそれがある。
そこで、本実施例においては、SiN膜41を、実施例1で説明したように、Si−H結合量を少なくして、水素ブロック性を高くすると共に、実施例2(図6)で説明したように、防水性を保てる膜厚10nm以上としている。更に、このSiN膜41の外側に、防水性は劣るが、透過率が高く、絶縁耐圧が高いSiO膜42を積層すると共に、このSiO膜42の膜厚をSiN膜41より厚くしている。このような構成とすることにより、透過率、絶縁耐圧を向上させている。更に、SiO膜42の外側に、水素ブロック性が高く、防水性を保てる膜厚10nm以上のSiN膜43を積層する構造としている。
このように、SiO膜42の内側に緻密なSiN膜41を設け、防水性を保つ膜厚としているので、特に、SiO膜42から供給される水分、水素をブロックすると共に、SiO膜42の外側に緻密なSiN膜43を設け、防水性を保つ膜厚としているので、外部からSiO膜42への水分、水素の侵入をブロックし、LED素子への水分、水素の侵入を低減している。
又、SiO膜42は、SiN膜41及びSiN膜43との合計の膜厚が、素子を物理的に保護可能な膜厚、つまり、素子の半導体層に傷をつけさせない膜厚としている。具体的には、合計の膜厚を、一般的なLEDで使用されている400〜1000nmとしている。
図7に示した素子構造においては、ごく一部(パッド開口部)を除き、素子全体が上記特性、膜厚を有するSiN膜41に覆われているので、素子の側壁において、内部への水分の侵入を防いで、p電極15中のAgのマイグレーションを抑制することができ、高いマイグレーション防止性が得られる。更に、本実施例の場合、SiO膜42の外側に更にSiN膜43を設けているので、保護膜内部、特に、SiO膜42の内部に侵入する水分を低減することができ、そのため、素子側に侵入する水分を低減することができる。その結果、実施例2に比べて、更に、マイグレーション防止性を向上させることができた。
又、SiN膜41、43は、水素ブロック性も高いので、p型GaNからなるp型半導体層14の高抵抗化を防止し、LED素子の劣化を防止することができる。又、水素を含む雰囲気下でアニール処理を施す場合でも、水素の素子内部への侵入をSiN膜41、43により二重に防ぐことができる。
加えて、透過率が高く、絶縁耐圧が高いSiO膜42を、SiN膜41、43より厚い膜厚で積層しているので、SiN膜のみの場合と比較して、保護膜全体の透過率、保護膜全体の絶縁耐圧が向上する。更に、SiN膜41、43の膜厚を従来のように厚くする必要もなく、そのエッチングも不要であるので、成膜コストを抑えることができる。
従って、表1に示すように、本実施例における水素ブロック性は、SiN膜41、43が緻密であり、二重に積層されているので、従来例1、従来例2より高く、更に、実施例2よりも高くなる。又、本実施例におけるマイグレーション防止性は、素子全体がSiN膜41に覆われており、SiO膜42が更にSiN膜43に覆われているので、従来例1より高く、又、実施例2よりも高い。この結果、素子の信頼性が更に向上する。
又、本実施例における透過率は、膜厚500nm、光の波長350nmの条件で比較した場合(但し、本実施例のSiN膜41、43の膜厚は10nm、その透過率99.97%)、保護膜全体の透過率は99.94%である。この透過率は、従来例1(p電極付近の透過率も考慮した場合)、実施例2と略同等であり、従来例2、実施例1より高く、光取出し効率が改善している。これは、実施例2と同様に、透過率の低いSiN膜41、43の膜厚が保護膜全体の膜厚に対し薄く、透過率の高いSiO膜42の膜厚が厚いため、保護膜全体で高い透過率を得ることができるからである。
このように、本実施例では、高いマイグレーション防止性と水素ブロック性とを両立することができ、そして、高い透過率を達成することもでき、その結果、LED素子の信頼性を更に向上させると共に、高輝度構造を実現することができる。
なお、上記実施例1〜3において、LEDの半導体層の材料、構成は、少なくとも1つの半導体層が、水素により高抵抗化するp型GaNを含む構成であれば、上述した構成に限らず、他の材料、構成でもよい。例えば、活性層13は、III族原子であるIn、Al、Ga等とV族原子であるNとからなる窒化物半導体等でもよいし、又、多重量子井戸構造に限らず、単一の量子井戸構造や歪量子井戸構造等でもよい。又、基板11も、サファイア基板に限らず、GaN基板などでもよい。又、各半導体層の製造方法も、公知の製造方法、例えば、有機金属気相成長(MOVPE:Metal Organic Vapor Phase Epitaxy)や有機金属化学気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)等を用いることができる。
又、p電極15は多層構造となっているが、マイグレーションのおそれがあるAg、Cu等の金属を含んでいれば、Ni、Pt以外の他の金属を含む構成でもよい。又、その製造方法は、公知の製造方法、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法等を用いることができ、積層後、例えば、リフトオフ法によって、所望のパターンに形成している。従来は、Ag等のマイグレーションを考慮して、Ag層等の上下の層を他の金属で構成する多層構造(サンドイッチ構造)とすることがあったが、上記実施例1〜4の保護膜で素子全体を覆っているので、このようなサンド構造を必ずしも採用しなくても、Ag等のマイグレーションを十分に抑制可能である。
又、pパッド16、n電極17、nパッド18は、単層構造又は多層構造となっており、その製造方法は、p電極15と同様に、公知の製造方法、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法等を用いることができ、積層後、例えば、リフトオフ法によって、所望のパターンに形成している。
なお、窒化珪素は、代表的なものとして、Si34があり、その組成比に応じて、Sixyと表記することもあるが、ここでは表記を簡単にするため、SiNと記載した。同様に、酸化珪素は、代表的なものとして、SiO2があり、その組成比に応じて、Sixyと表記することもあるが、ここでは表記を簡単にするため、SiOと記載した。
本発明は、半導体発光素子に適用するものであり、特に、白色LEDに好適なものである。
11 基板
12 n型半導体層
13 活性層
14 p型半導体層
15 p電極(電極部)
16 pパッド(電極部)
17 n電極(電極部)
18 nパッド(電極部)
21、31、41 SiN膜(第1の保護膜)
32、42 SiO膜(第2の保護膜)
43 SiN膜(第3の保護膜)

Claims (11)

  1. 基板上に形成された複数の半導体層と、前記複数の半導体層の電極となる複数の電極部とを有する半導体発光素子において、当該半導体発光素子を保護する保護膜であって、
    前記保護膜として、前記複数の半導体層及び前記複数の電極部の周囲を被覆する第1の保護膜を設けると共に、
    前記第1の保護膜を、膜中のSi−H結合量が1.0×1020[個/cm3]以下の窒化珪素としたことを特徴とする半導体発光素子の保護膜。
  2. 請求項1に記載の半導体発光素子の保護膜において、
    更に、前記第1の保護膜の周囲を被覆する第2の保護膜を設けると共に、
    前記第1の保護膜を、膜厚10nm以上とし、
    前記第2の保護膜を、酸化珪素としたことを特徴とする半導体発光素子の保護膜。
  3. 請求項2に記載の半導体発光素子の保護膜において、
    更に、前記第2の保護膜の周囲を被覆する第3の保護膜を設けると共に、
    前記第3の保護膜を、前記第1の保護膜と同じく、膜中のSi−H結合量が1.0×1020[個/cm3]以下の窒化珪素とすると共に、当該膜厚を10nm以上としたことを特徴とする半導体発光素子の保護膜。
  4. 請求項3に記載の半導体発光素子の保護膜において、
    前記複数の半導体層の少なくとも1つをp型GaNからなる半導体層とすることを特徴とする半導体発光素子の保護膜。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の半導体発光素子の保護膜において、
    前記複数の電極部の少なくとも1つが銀を含有する金属からなることを特徴とする半導体発光素子の保護膜。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の半導体発光素子の保護膜を用いたことを特徴とする半導体発光素子。
  7. 基板上に形成された複数の半導体層と、前記複数の半導体層の電極となる複数の電極部とを有する半導体発光素子において、当該半導体発光素子を保護する保護膜の作製方法であって、
    前記保護膜として、前記複数の半導体層及び前記複数の電極部の周囲を被覆する第1の保護膜を設け、膜中のSi−H結合量が1.0×1020[個/cm3]以下の窒化珪素から形成することを特徴とする半導体発光素子の保護膜の作製方法。
  8. 請求項7に記載の半導体発光素子の保護膜の作製方法において、
    前記第1の保護膜を、膜厚10nm以上とすると共に、
    更に、前記第1の保護膜の周囲を被覆する第2の保護膜を設け、酸化珪素から形成することを特徴とする半導体発光素子の保護膜の作製方法。
  9. 請求項8に記載の半導体発光素子の保護膜の作製方法において、
    更に、前記第2の保護膜の周囲を被覆する第3の保護膜を設け、前記第1の保護膜と同じく、膜中のSi−H結合量が1.0×1020[個/cm3]以下の窒化珪素から形成すると共に、当該膜厚を10nm以上とすることを特徴とする半導体発光素子の保護膜の作製方法。
  10. 請求項9に記載の半導体発光素子の保護膜の作製方法において、
    前記複数の半導体層の少なくとも1つをp型GaNからなる半導体層から形成することを特徴とする半導体発光素子の保護膜の作製方法。
  11. 請求項7から請求項10のいずれか1つに記載の半導体発光素子の保護膜の作製方法において、
    前記複数の電極部の少なくとも1つが銀を含有する金属からなることを特徴とする半導体発光素子の保護膜の作製方法。
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