JP2012148832A - エスカレーターの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗客が手摺を掴むように誘導したり、または、手摺に乗り上がらないように誘導することで、乗客が常に安定した姿勢でエスカレーターを利用できることを図る。
【解決手段】エスカレーターのステップ上に乗客がいることを検知するステップセンサ10と、ステップセンサ10の略々垂直線上の手摺3付近に設置され、乗客の体の一部が手摺3上にあることを検知する手摺センサ11と、ステップセンサ10により乗客がステップ上にいることが検知され、かつ、手摺センサ11により乗客の体の一部が手摺3上にないことが検知されたときに、当該乗客が手摺3を掴んでいないと判定する第1の乗客状態検知手段と、第1の乗客状態検知手段により、乗客が手摺3を掴んでいないと判定された場合に、報知装置20から手摺3を掴むように誘導する音声アナウンスを発生させるように制御する第1の報知装置制御手段とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明はエスカレーターの制御装置に関し、特に、乗客がより安定した姿勢で移動できるためのエスカレーターの制御装置に関するものである。
従来のエスカレーターにおいては、例えば、特許文献1に示されたように、手摺の外側に設置した乗り出し警告板を用いることにより、乗客の乗り出しや荷物のはみ出しの抑止効果を図っている。
図10は、特許文献1に記載された従来の乗り出し警告板の設置例である。図10に示すように、乗り出し警告板は、エスカレーターの手摺の外側に設置され、手摺の上面よりも上方に突出した突出部を有している。当該突出部は、乗客が接触する場合を考慮して弾性体から構成され、エスカレーターの外方向又は進行方向に弾性変形する構成となっている。
乗り出し警告板は、乗客の視覚によって容易に認識できるので、乗客の乗り出しや荷物のはみ出しに対する注意喚起効果が期待され、かつ、乗り出し警告板の物理的な抵抗力によって、手摺より外側に乗り出した乗客やはみ出た荷物をエスカレーター側へ戻す役割も担っている。
特開2010−37065号公報
エスカレーターで乗客が安定した姿勢で移動するためには、乗客の乗り出しを抑止することは勿論、エスカレーター内で乗客の姿勢が不安定になることを防止することも必要であり、このためには乗客が手摺へ掴まることが重要である。
しかしながら、従来のエスカレーター制御装置における乗り出し警告板は、設置場所上、エスカレーターからの乗り出しは防止できるものの、乗り出しまでには至らない、例えば、子供等の乗客による手摺への乗り上がりは防止できないため、ステップ上やエスカレーター降口で、手摺に乗り上がっていた乗客が手摺から急に降りようとして乗客の姿勢が不安定になる場合があるという問題点があった。
この発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、乗客が手摺を掴むように誘導したり、または、手摺に乗り上がらないように誘導することで、乗客が常に安定した姿勢でエスカレーターを利用できることを図るためのエスカレーターの制御装置を得ることを目的としている。
この発明は、エスカレーターの昇降路内に設置され、ステップ上に乗客がいることを検知するステップセンサと、前記ステップセンサの略々垂直線上の手摺付近に設置され、乗客の体の一部が手摺上にあることを検知する手摺センサと、乗客に対する音声アナウンスを発生させる報知装置と、前記ステップセンサにより乗客がステップ上にいることが検知され、かつ、前記手摺センサにより乗客の体の一部が手摺上にないことが検知されたときに、当該乗客がステップ上に搭乗しており、かつ、手摺を掴んでいないと判定する第1の乗客状態検知手段と、前記第1の乗客状態検知手段により、乗客がステップ上に搭乗しており、かつ、手摺を掴んでいないと判定された場合に、前記報知装置から当該乗客に対し手摺を掴むように誘導する音声アナウンスを発生させるように制御する第1の報知装置制御手段とを備えたエスカレーターの制御装置である。
この発明は、エスカレーターの昇降路内に設置され、ステップ上に乗客がいることを検知するステップセンサと、前記ステップセンサの略々垂直線上の手摺付近に設置され、乗客の体の一部が手摺上にあることを検知する手摺センサと、乗客に対する音声アナウンスを発生させる報知装置と、前記ステップセンサにより乗客がステップ上にいることが検知され、かつ、前記手摺センサにより乗客の体の一部が手摺上にないことが検知されたときに、当該乗客がステップ上に搭乗しており、かつ、手摺を掴んでいないと判定する第1の乗客状態検知手段と、前記第1の乗客状態検知手段により、乗客がステップ上に搭乗しており、かつ、手摺を掴んでいないと判定された場合に、前記報知装置から当該乗客に対し手摺を掴むように誘導する音声アナウンスを発生させるように制御する第1の報知装置制御手段とを備えたエスカレーターの制御装置であるので、乗客が手摺を掴むように誘導したり、または、手摺に乗り上がらないように誘導することで、乗客が常に安定した姿勢でエスカレーターを利用できることを図ることができる。
この発明の実施の形態1に係るエスカレーターの制御装置の全体構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1によるエスカレーターの制御装置のエスカレーター乗降口から見た図である。 この発明の実施の形態1に係るエスカレーターの制御装置に設けられた第1の乗客状態検知手段の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係るエスカレーターの制御装置に設けられた第1の報知装置制御手段の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係るエスカレーターの制御装置に設けられた第2の乗客状態検知手段の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係るエスカレーターの制御装置に設けられた第2の報知装置制御手段の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係るエスカレーターの制御装置に設けられた第3の報知装置制御手段の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係るエスカレーターの制御装置に設けられた第4の報知装置制御手段の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態5に係るエスカレーターの制御装置に設けられた運転速度切替手段の動作を示すフローチャートである。 従来例における乗り出し警告板の設置例を示した図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係るエスカレーターの制御装置および制御対象のエスカレーターの全体構成を示す構成図であり、図2はこの発明の実施の形態1に係るエスカレーターの制御装置および制御対象のエスカレーターの構成をエスカレーター乗降口から見た図である。
図1および図2において、1はエスカレーター乗口、2はエスカレーター降口である。なお、以下の説明では、このように説明するが、その場合に限らず、1をエスカレーター降口、2をエスカレーター乗口とした場合も同様である。
また、3は手摺、4は手摺レール、5は欄干、6はステップ(踏段)、7はデッキ、10はステップセンサ、10Aはステップセンサ検知エリア、11は手摺センサ、11Aは手摺センサ検知エリア、20は報知装置、30は乗客である。
手摺3とステップ6とは、エスカレーターの機械室(図示せず)に設けられた制御盤や駆動機等の働きにより、エスカレーターの進行方向に向かって、互いに同期して、共に移動するように構成されている。手摺3は、ステップ6の両側のデッキ7から上方に突出するように設置された欄干5上に設けられた手摺レール4によってガイドされて移動する。デッキ7は、ステップ6の両側において、エスカレーター乗口1からエスカレーター降口2までの間に延設されている。ステップ6は、両側のデッキ7間を、デッキ7に沿って移動する。
ステップセンサ10は、図1に示すように、エスカレーターのエスカレーター乗口1からエスカレーター降口2までの昇降路内に設けられ、ステップ6上の乗客30の有無をセンサする。なお、望ましくは、ステップセンサ10は、エスカレーター乗口1から進行方向に向かって数ステップ先付近のデッキ7内に設置され、乗客30がステップ6上にいることを検知する。また、さらに望ましくは、ステップセンサ10は、エスカレーター降口2より進行方向に向かって数ステップ手前付近のデッキ7内にも設置される。ステップセンサ10は、ステップ6方向に向けて設置されるものであり、望ましくは、ステップ6付近に設置され、例えば、デッキ7のステップ6側のスカートガード内にはめ込まれるようにして設置される。
図2に示す、ステップセンサ検知エリア10Aは、ステップセンサ10の検知可能なエリアを示している。従って、このステップセンサ検知エリア10A内に、乗客30の体の一部分(通常は、乗客30の足)が入っている場合に、ステップセンサ10はステップ6上に乗客30がいることを検知する。尚、図2では、ステップ6両側のデッキ7内にステップセンサ10を設置する例を示しているが、ステップ6の両側ではなく、ステップ6の片側のみに設置してもよい。また、ステップセンサ10の設置場所もデッキ7内に限定しなくてもよく、ステップ6上に乗客30がいることを検知できる場所であれば、いずれの場所に設置してもよい。
手摺センサ11は、乗客30が手摺4に掴まっていることを検知するためのセンサであり、ステップセンサ10の真上、すなわち、図1に示すように、ステップセンサ10に対して垂直線上の上方の位置に設置されている。従って、手摺センサ11も、ステップセンサ10と同様に、進行方向に向かって、エスカレーター乗口1から数ステップ先付近、及び、エスカレーター降口2より数ステップ手前付近に設置される。また、図2に示す、手摺センサ検知エリア11Aは、手摺センサ11の検知可能なエリアを示している。従って、この手摺センサ検知エリア11A内に、乗客の体の一部分(通常は、乗客30の手)が入っている場合に、手摺センサ11は、乗客30が手摺3に掴まっていることを検知する。尚、図2では、手摺センサ11を支持する支持部材を欄干5へ嵌合した例を示しているが、その場合に限らず、例えば、建物側等の別の場所へ設置してもよい。
報知装置20は、手摺センサ11により乗客30が手摺に掴まっていないことを検知したときに、乗客20に対して手摺3を掴むように誘導する音声アナウンスを発生するものである。従って、報知装置20は、スピーカー等の音声発生装置から構成される。また、後述する実施の形態3,4のように、音声アナウンスだけでなく、画面表示も行う場合には、報知装置20は、音声発生装置と表示装置とから構成されるか、あるいは、音声発生機能付きの表示装置から構成される。これについては、後述の実施の形態3,4において説明する。
この発明の実施の形態1に係るエスカレーターの制御装置は、ステップセンサ10と、手摺センサ11と、報知装置20と、それらに接続されてそれらの動作を制御する制御部(図示省略)とから構成されている。制御部には、図3に示す第1の乗客状態検知手段300と図4に示す第1の報知装置制御手段400とが設けられている。第1の乗客状態検知手段300は、乗客30が、ステップ6上に搭乗していて、かつ、手摺3を掴んでいないことを検知するための手段である。第1の報知装置制御手段400は、第1の乗客状態検知手段300が、ステップ6上の乗客30が手摺3を掴んでいないことを検知したときに、報知装置20から手摺3を掴むように誘導する音声アナウンスを発生させるように報知装置20を制御するための手段である。
図3は、第1の乗客状態検知手段300の動作を示すフローチャートである。
第1の乗客状態検知手段300は、まず、ステップS301で、ステップセンサ10が動作しているかを確認する。すなわち、ステップセンサ10が、乗客30がステップ6上にいることを検知しているか確認する。ステップセンサ10が動作していない場合は、ステップS304に進み、ステップ6上に乗客30がいないと判断する。一方、ステップS301でステップセンサ10が動作していた場合は、ステップ6上に乗客30がいると判断し、ステップS302で、手摺センサ11が動作しているかを確認する。すなわち、手摺センサ11が乗客30が手摺3に掴まっていることを検知しているか確認する。手摺センサ11が動作している場合は、ステップS305で、乗客30が手摺3に掴まっていると判定する。一方、ステップS302で手摺センサ11が動作していない場合は、ステップS306で、乗客30が手摺3に掴まっていないと判定する。
図4は、第1の報知装置制御手段400の動作を示すフローチャートである。
第1の報知装置制御手段400は、まず、ステップS401で、エスカレーターが運転中かを確認する。運転していない場合は、このステップS401の処理を周期的に繰り返す。一方、ステップS401で運転中と確認された場合は、ステップS402で、第1の乗客状態検知手段300が、ステップ6上の乗客30が手摺3に掴まっていないと判定したかを確認する。確認の結果、第1の乗客状態検知手段300により乗客30が手摺3に掴まっていると判定されていた場合には、このステップS402の処理を周期的に繰り返す。一方、ステップS402の確認の結果、第1の乗客状態検知手段300により乗客30が手摺3に掴まっていないと判定されていた場合には、ステップS403で、報知装置20を制御して、手摺3を掴むように乗客30を誘導するための音声アナウンスを発する。以上のようにして、各ステップをエスカレーターを運転している間、繰返し実施する。
以上により、本実施の形態1に係るエスカレーターの制御装置によれば、ステップセンサ10と手摺センサ11とを設けて、第1の乗客状態検知手段300により、ステップ6上に乗客30が存在し、かつ、その乗客30が手摺3に掴まっていないことを検知したときに、第1の報知装置制御手段400により、手摺3を掴むよう音声アナウンスにより誘導するようにしたので、乗客30の姿勢を常に安定させた状態でエスカレーターにより移動させることができる。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2に係るエスカレーターの制御装置を説明する。
本実施の形態2に係るエスカレーターの制御装置および制御対象のエスカレーターの全体構成図は、先に説明した図1及び図2と同じであるため、ここではその説明を省略する。
本実施の形態2と先に説明した実施の形態1との違いは、本実施の形態2においては、制御部(図示せず)が、乗客30の手摺3への乗り上がりを検知するための第2の乗客状態検知手段500と、乗り上がりを検知したときに、報知装置20を制御して、手摺3を掴むように乗客30を誘導するための音声アナウンスを発生させるように制御するための第2の報知装置制御手段600とを、さらに備えている点である。
図5は、第2の乗客状態検知手段500の動作を示したフローチャートである。
第2の乗客状態検知手段500は、まず、ステップS501で、手摺センサ11が動作しているかを確認する。すなわち、手摺センサ11が乗客30が手摺3に掴まっていることを検知しているか確認する。手摺センサ11が動作していない場合は、なにも処理せずにそのまま処理を終了させる。一方、手摺センサ11が動作している場合は、ステップS502で、今度は、ステップセンサ10が動作しているかを確認する。すなわち、ステップセンサ10が、乗客30がステップ6上にいることを検知しているか確認する。ステップS501,S502の確認の結果、手摺センサ11が動作しているにもかかわらず、ステップセンサ10が動作していない場合は、ステップS503で、乗客30の手摺3への乗り上がりが有ると判定する。一方、ステップS502で、ステップセンサ10が動作している場合は、乗客30が手摺3に掴まって搭乗していると判断し、ステップS504で、手摺3への乗り上がり無しと判定する。
図6は、第2の報知装置制御手段600の動作を示したフローチャートである。
第2の報知装置制御手段600は、ステップS601で、エスカレーターが運転中かを確認する。運転していない場合は、このステップS601の処理を周期的に繰り返す。一方、運転中の場合は、ステップS602で、第2の乗客状態検知手段500により、手摺3への乗り上がり有りを判定したかを確認する。第2の乗客状態検知手段500により乗り上がり無しと判定されていた場合には、このステップS602の処理を周期的に繰り返す。一方、手摺3への乗り上がり有りと判定された場合は、ステップS603で、報知装置20を制御して、手摺3への乗り上がりを禁止する音声アナウンスを発する。以上のようにして、各ステップをエスカレーターを運転している間、繰返し実施する。
以上により、本実施の形態2に係るエスカレーターの制御装置によれば、上記の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、第2の乗客状態検知手段500により、乗客30が手摺3へ乗り上がっていることを検知したきには、第2の報知装置制御手段600により、手摺3への乗り上がりを禁止するよう、報知装置20を制御して、音声アナウンスにより誘導することにより、乗り上がりを抑止するようにしたので、乗客30の姿勢を常に安定させた状態でエスカレーターにより移動させることができる。また、エスカレーターと建物の天井部又は並行して設置されている他のエスカレーターの底部外板と交差する部分である三角部(以下、デルタゾーンとする。)への乗客の乗り出しを、手摺30への乗り上げの段階で事前に防止することができる。また、子供等の乗客30による手摺3への乗り上がりいたずらを防止することができる。
なお、本実施の形態2においては、実施の形態1で示した、第1の乗客状態検知手段300および第1の報知装置制御手段400も制御部が備えているものとして説明したが、その場合に限らず、それらについては必ずしも備える必要はなく、手摺3への乗り上げのみを検知して、それについて音声アナウンスを発生させるようにしてもよい。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3に係るエスカレーターの制御装置を説明する。
本実施の形態3に係るエスカレーターの制御装置および制御対象のエスカレーターの全体構成図は、先に説明した図1及び図2と同じであるため、ここでは説明を省略する。
本実施の形態3と先に説明した実施の形態1,2との違いは、本実施の形態3においては、制御部(図示せず)が、第1の報知装置制御手段400の代わりに、乗客30に注意を促す音声アナウンスとともに表示も同時に行うように報知装置20を制御する第3の報知装置制御手段700を備えている点である。第3の報知装置制御手段700は、第1の乗客状態検知手段300により、乗客30が手摺3に掴まっていないと検知したときに、報知装置20を制御して、手摺3を掴むように乗客30を誘導するための音声アナウンスを発生させるとともに、手摺3を掴むように誘導する表示を行う。
また、本実施の形態3においては、報知装置20が、音声アナウンスを発生するとともに、表示も行う構成であるため、報知装置20を、音声アナウンスを発生させるためのスピーカー等の音声発生装置と、発光ダイオード(LED)や液晶、電球などを用いて情報を表示する電光掲示板等の表示装置とから構成するか、あるいは、スピーカー機能の付いた音の出る表示装置から構成するようにする。この報知装置20の構成の点においても、音声アナウンスを発生させるのみの実施の形態1,2とは異なる。なお、表示する内容は、文字によるメッセージでもよいし、分かりやすい図(画像)でもよく、あるいは、文字と図とを組み合わせた表示でもよい。
他の構成および動作については、実施の形態1または2と同じであるため、以下では、実施の形態1,2と異なる点について説明する。
図7は、本実施の形態3における第3の報知装置制御手段700の動作を示したフローチャートである。
第3の報知装置制御装置700は、まず、ステップS701〜S703の処理を行う。なお、これらのステップS701〜S703は、先に説明した図4におけるS401〜S403と同様であるため、ここでは詳しい説明を省略する。本実施の形態3においては、ステップS703の後に、ステップS704の処理を行う点が、図4と異なる。従って、本実施の形態3においては、ステップS701、S702の処理で、エスカレーターの運転中に、第1の乗客状態検知手段300によって乗客30が手摺3に掴まっていないと判定された場合は、ステップS703で、手摺3を掴むように誘導する音声アナウンスを発するとともに、ステップS704で、手摺3を掴むように誘導する画面表示を行う。以上のようにして、各ステップをエスカレーターを運転している間、繰返し実施する。
以上により、本実施の形態3に係るエスカレーターの制御装置によれば、上記の実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、第1の乗客状態検知手段300が、乗客30が手摺3に掴まっていないことを検知したときに、手摺3を掴むよう音声アナウンスを発するとともに表示装置により視覚的にも誘導することにより、乗客30が聴覚的および視覚的に手摺3を掴むように誘導され、それによって、乗客30が手摺3を掴まずにエスカレーターに乗ることを抑止し、乗客30を手摺3に掴まらせることにより、乗客30の姿勢を常に安定させた状態でエスカレーターにより移動させることができる。
なお、本実施の形態においても、実施の形態2で示した、第2の乗客状態検知手段500や、第2の報知装置制御手段600も、制御部が備えるようにしてもよい。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4に係るエスカレーターの制御装置を説明する。
本実施の形態4に係るエスカレーターの制御装置および制御対象のエスカレーターの全体構成図は、先に説明した図1及び図2と同じであるため、説明を省略する。
本実施の形態4と先に説明した実施の形態2との違いは、本実施の形態4においては、制御部(図示せず)が、第2の報知装置制御手段600の代わりに、乗客30に注意を促す音声アナウンスとともに表示も同時に行う第4の報知装置制御手段800を備えている点である。第4の報知装置制御手段800は、第2の乗客状態検知手段600により、乗客30の手摺3への乗り上がりを検知したときに、報知装置20を制御して、手摺3への乗り上がりを禁止するための音声アナウンスを発生させるとともに、手摺3への乗り上がりをやめるように誘導する表示を行う。
また、本実施の形態4においては、報知装置20が、音声アナウンスを発生するとともに、表示も行う構成であるため、上述の実施の形態3の報知装置20と同様に、音声アナウンスを発生させるためのスピーカー等の音声発生装置と、発光ダイオード(LED)や液晶、電球などを用いて情報を表示する電光掲示板等の表示装置とから構成するか、あるいは、スピーカー機能の付いた音の出るディスプレイ等の表示装置から構成するようにする。また、本実施の形態4においても、実施の形態3と同様に、表示する内容は、文字によるメッセージでもよいし、分かりやすい図(画像)でもよく、あるいは、文字と図とを組み合わせた表示でもよい。
図8は、本実施の形態4における第4の報知装置制御手段800の動作を示すフローチャートである。
第4の報知装置制御装置800は、まず、ステップS801〜S803の処理を行う。なお、これらのステップS801〜S803は、先に説明した図6におけるS601〜S603と同様であるため、ここでは詳しい説明を省略する。本実施の形態4においては、ステップS803の後に、ステップS804の処理を行う点が、図6と異なる。従って、本実施の形態4においては、ステップS801及びステップS802の処理で、エスカレーターの運転中に、第2の乗客状態検知手段500によって乗客30が手摺3へ乗り上がっていると判定された場合は、ステップS803で、手摺3への乗り上がりを禁止する音声アナウンスを発するとともに、ステップS804で、手摺3への乗り上がりをやめるように誘導する画面表示を行う。以上のようにして、各ステップをエスカレーターを運転している間、繰返し実施する。
以上により、本実施の形態4に係るエスカレーターの制御装置によれば、上記の実施の形態2と同様の効果が得られるとともに、さらに、第2の乗客状態検知手段500が、乗客30の手摺3への乗り上がりを検知したときに、手摺3への乗り上がりを禁止する音声アナウンスを発するとともに、表示装置により視覚的にも誘導することにより、乗客30が手摺3への乗り上がりをやめるように聴覚的および視覚的に誘導され、それによって、乗客30が手摺3へ乗り上がることを抑止し、乗客30を常に安定させた状態でエスカレーターにより移動させることができる。これにより、デルタゾーンへの乗り出しも防止でき、手摺3への乗り上がりいたずらの防止に対する効果がより一層向上する。
なお、本実施の形態においても、実施の形態1で示した、第1の乗客状態検知手段300や、第1の報知装置制御手段600や、あるいは、実施の形態3で示した第3の報知装置制御手段700も、制御部が備えるようにしてもよい。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5に係るエスカレーターの制御装置を説明する。
本実施の形態5に係るエスカレーターの制御装置および制御対象のエスカレーターの全体構成図は、先に説明した図1及び図2と同じであるため、説明を省略する。
本実施の形態5と先に説明した実施の形態1〜4との違いは、本実施の形態5においては、制御部(図示せず)が、乗客30が手摺3に掴まっていないか、あるいは、乗客30の手摺3への乗り上がりを検知したときに、エスカレーター運転速度を所定速度まで減速させる運転速度切替手段900をさらに備えている点である。
また、本実施の形態5においても、ステップセンサ10および手摺センサ11はエスカレーターの昇降路内に設けられるが、本実施の形態5においては、望ましくは、ステップセンサ10および手摺センサ11を、エスカレーター降口から進行方向に向かって所定の数ステップ手前付近に設置することが望ましい。
他の構成および動作については、上記の実施の1〜4のいずれかと同じにすればよいため、ここではその説明を省略する。
図9は、本実施の形態5における運転速度切替手段900の動作を示したフローチャートである。
ステップS901〜S905は、前記実施の形態1〜4で説明した図3〜図8と同様のため、ここでは簡略な説明とする。運転速度切替手段900は、ステップS902で第1の乗客状態検知手段300によって乗客30が手摺3に掴まっていないと判定されたかを確認し、ステップS903で第2の乗客状態検知手段500によって乗客30の手摺3への乗り上がり有りと判定されたかを確信し、そのうちのいずれかが判定されていた場合は、ステップS904及びS905で誘導音声アナウンスの発生と表示を行う。本実施の形態においては、さらに、ステップS906でエスカレーターの運転速度を所定速度(所定速度は予め定められているものとする)まで緩やかに減速させる。ステップS907で、当該所定速度に達した時点(または、所定速度への減速を開始した時点)からの経過時間を計測し、計測した経過時間が、所定時間(所定時間は予め定められており、ステップセンサ10・手摺センサ11が設置されている位置からエスカレーター降口2位置までステップが移動するまでのおおよその時間を設定するものとする)に達したときに、ステップS908でエスカレーターの運転速度を定格速度まで緩やかに加速させて、元の定格速度に戻す。以上のステップをエスカレーターを運転している間、繰返し実施する。
以上により、本実施の形態5に係るエスカレーターの制御装置によれば、(エスカレーター降口手前で)乗客30が手摺3に掴まっていないことを検知したり、あるいは、手摺3へ乗り上がっていることを検知した場合、エスカレーター運転速度を所定速度まで減速させることにより、万が一、手摺3に掴まっていないまま及び手摺3へ乗り上がったままの状態で乗客30がエスカレーター降口へ向かったとしても、運転速度が低く抑えられているため、乗客30がエスカレーター降口へ移動する際に、余裕をもって体勢を整えてエスカレーター降口へ向かうことができる。
尚、以上の実施の形態1〜5では、ステップセンサ10・手摺センサ11・報知装置20のそれぞれ1点をエスカレーター乗口側と降口側に1セットずつ設ける、あるいは、降口側のみに1セット設ける例について説明したが、これらの場合に限定されることなく、3セット以上設けた場合も同様の手順で実施でき、より高い効果が得られる。特に、エスカレーターの長さが長い場合には、3セット以上設けることが望ましいので、エスカレーターの長さによって、適宜何セット設けるかを決定するようにすればよい。また、商業施設など、子供や年配の客など種々の年齢層が混在している場所や客層が様々であるような場所にエスカレーターが設置されている場合も、その状況に合わせて、何セット設ければ効果的であるかを考慮し、適宜決定するようにすればよい。
また、デルタゾーン手前付近に設置したり、昇降行程に応じて増設することが望ましいことは言うまでもない。
また、本実施の形態5では、エスカレーターの運転速度を所定速度に低下させる例を示しているが、その場合に限らず、ステップセンサ10・手摺センサ11の検知状態によっては、例えば、エスカレーターの運転を停止させる等、その他のエスカレーターの運転規制をかけるようにしてもよく、その場合には、さらに、乗客が常に安定した姿勢で移動でき、余裕をもってエスカレーター降口に向かうことができるように図ることができることは言うまでもない。
また、本実施の形態5においては、図9のステップS904およびS905において報知装置20により乗客30に対して注意を促す音声アナウンスおよび表示を行う例について示したが、その場合に限らず、図9のステップS904およびS905は必ずしも行わなくてもよい。すなわち、図9のステップS904およびS905の処理を行わずに、ステップS903の処理の次にステップS906の処理を行うようにしてもよいし、あるいは、図9のステップS904およびS905の処理のうちのいずれか一方のみを行う構成にしてもよい。
また、本実施の形態5においては、図9のステップS902の処理とステップS903の処理の両方を行う例について説明したが、実施の形態1や2のように、いずれか一方のみを行う構成にしてもよい。
1 エスカレーター乗口、2 エスカレーター降口、3 手摺、4 手摺レール、5 欄干、6 ステップ、7 デッキ、10 ステップセンサ、10A ステップセンサ検知エリア、11 手摺センサ、11A 手摺センサ検知エリア、20 報知装置、30 乗客、300 第1の乗客状態検知手段、400 第1の報知装置制御手段、500 第2の乗客状態検知手段、600 第2の報知装置制御手段、700 第3の報知装置制御手段、800 第4の報知装置制御手段、900 運転速度切替手段。

Claims (4)

  1. エスカレーターの昇降路内に設置され、ステップ上に乗客がいることを検知するステップセンサと、
    前記ステップセンサの略々垂直線上の手摺付近に設置され、乗客の体の一部が手摺上にあることを検知する手摺センサと、
    乗客に対する音声アナウンスを発生させる報知装置と、
    前記ステップセンサにより乗客がステップ上にいることが検知され、かつ、前記手摺センサにより乗客の体の一部が手摺上にないことが検知されたときに、当該乗客がステップ上に搭乗しており、かつ、手摺を掴んでいないと判定する第1の乗客状態検知手段と、
    前記第1の乗客状態検知手段により、乗客がステップ上に搭乗しており、かつ、手摺を掴んでいないと判定された場合に、前記報知装置から当該乗客に対し手摺を掴むように誘導する音声アナウンスを発生させるように制御する第1の報知装置制御手段と
    を備えたことを特徴とするエスカレーターの制御装置。
  2. 前記ステップセンサにより乗客がステップ上にいることが検知されず、かつ、前記手摺センサにより乗客の体の一部が手摺上にあることが検知されたときに、当該乗客の手摺への乗り上がりと判定する第2の乗客状態検知手段と、
    前記第2の乗客状態検知手段により乗客の手摺への乗り上がりと判定された場合に、前記報知装置から当該乗客に対し乗り上がりを禁止するための音声アナウンスを発生させるように制御する第2の報知装置制御手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のエスカレーターの制御装置。
  3. 前記第1の乗客状態検知手段により乗客がステップ上に搭乗しており、かつ、手摺を掴んでいないと判定された場合、または、前記第2の乗客状態検知手段により乗客の手摺への乗り上がりと判定された場合に、エスカレーターの運転速度を通常時の定格速度よりも遅い所定速度まで減速させる運転速度切替手段を
    さらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のエスカレーターの制御装置。
  4. 前記報知装置は、乗客に対する音声アナウンスを発生させるとともに、当該乗客に対する画面表示も同時に行う
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエスカレーターの制御装置。
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