JP2012147823A - トンネル設備点検装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トンネル設備機器の総合的な点検を、点検漏れを起すことなく簡単且つ確実に行うトンネル設備機器の点検装置を提供する。
【解決手段】トンネル設備点検装置10の点検制御部26は、ID読取部20によりトンネルに設置された消火栓装置などの設備機器に設けたIDタグからID番号を読取った場合に、データ格納部28からID番号に対応した点検リストデータ27を読み出して表示部22に表示し、入力部24から点検結果が入力された場合、点検結果を対応する点検リストデータ27に書込む。点検制御部26は、入力部24から終了入力を受け且つID読取部20により設備機器のIDタグからID番号を再度読取った場合に、点検終了と判別して点検リストデータ27から点検漏れの有無を判別し、点検漏れを判別した場合は点検漏れ機器の点検情報を表示して点検結果の入力書き込みを可能とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、トンネル内に設置された消火栓設備などの設備機器の点検に使用するトンネル設備点検装置に関する。
従来、高速道路や自動車専用道路などのトンネルには、トンネルの規模に応じて消火栓装置、水噴霧設備などの非常用設備を設置している。
例えば消火栓装置は、トンネル内の側壁に沿って例えば50メートル間隔で設置されており、火災時には、筐体前面の消火栓扉を開いてノズル付きのホースを引き出し、消火栓開閉レバーを開位置に操作して消火用水をノズルから放出するようにしている。また、消火栓扉の横に配置されている消火器扉を開き、中に収納されている消火器を取り出して消火薬剤を放出して消火作業を行うことができる。このようなトンネル内の非常用設備にあっては、非常時に確実に作動ができるように、定期的な点検作業により保守することが必要である。トンネル内の非常用設備の点検方法は、現地で外観点検、機能点検、清掃作業等を行い、個々の作業に対しての実施有無のチェックを行った後、その結果を点検報告書としてデータに纏めている。
特開2010−017450号公報
しかしながら、このような従来のトンネル非常設備の点検にあっては、現地で行った外観点検、機能点検、清掃作業といった点検項目について手作業で纏めて点検報告書を作成していたため、点検項目の漏れ等のヒューマンエラーは確認をすることができない問題がある。
また、点検で異常と判定された場合、何処のどの機器がどのような異常であったかの確認がメモもしくは人間の記憶だけを頼りにすることになり、記憶が不鮮明の場合には点検のやり直し等の無駄な作業が発生するとともに、再度交通規制をかけることとなり、点検費用も嵩む問題が生ずる。
本発明は、トンネル設備機器の総合的な点検を、点検漏れを起すことなく簡単且つ確実に行うことができるトンネル設備点検装置を提供することを目的とする。
本発明は、トンネル設備点検装置において、
トンネル内に設置された設備機器に設けられたIDタグからID番号を読み取るIDタグ読取部と、
設備機器のIDタグに設定されたID番号に対応して所定の点検情報を格納したデータ格納部と、
データ格納部の点検情報を表示する表示部と、表示部に表示された点検情報に基づき設備機器の点検結果を入力する入力部と、
ID読取部により機器のIDタグからID番号を読取った場合に、データ格納部からID番号に対応した点検情報を読み出して表示部に表示し、入力部から点検結果が入力された場合、点検結果を対応する点検情報に書込む点検制御部と、
を設けたことを特徴とする。
ここで、点検制御部は、入力部から終了入力を受けた場合に、点検漏れを判別した場合は点検漏れ機器の点検情報を表示して点検結果の入力書き込みを可能とする。
データ格納部は、点検情報として、設備機器に設けられている点検対象機器を選択する点検メニューデータと、点検メニューデータの点検対象機器毎に、点検項目と点検結果入力欄を配置した点検リストデータを格納し、点検制御部は、ID読取部により機器のIDタグからID番号を読取った場合に、点検データ格納部から点検メニューデータを読み出して表示部に表示し、入力部から点検メニューデータの表示に基づく点検対象機器が入力された場合にデータ格納部から対応する点検リストデータを読み出して表示部に表示し、入力部から点検リストデータの表示に基づく点検結果が入力された場合に対応する点検データの点検結果入力欄に点検結果を書き込む。
点検リストデータの点検結果入力欄は正常と異常の選択釦を備え、点検制御部は入力部から点検データの表示に基づく正常又は異常の選択釦の操作入力に基づき点検結果として異常又は正常を点検データの点検結果入力欄に書き込む。
点検データの点検結果欄は数値入力欄を備え、点検制御部は入力部から点検データの表示に基づき入力された数値データを点検データの数値入力欄に書き込む。
点検制御部は、設備機器のセンサに設けたIDタグからID読取部でセンサ検出値を読取った場合、点検情報に点検結果としてセンサ検出値を書き込む。
トンネル設備点検装置は、設備機器を撮像する撮像装置を備え、撮像装置で設備機器を撮像した場合に、IDタグ読取部で読取った設備機器のID番号を撮像装置に転送して撮像画像に対応付けすることもできる。
本発明によれば、トンネル内に設置された設備機器に設けられたIDタグの読み取りを行わせてID番号に対応する点検情報を読出し表示して点検結果の入力を可能とするため、常に点検情報を確認しながら点検結果をその場で入力することができ、メモや記憶に頼ることなく確実に点検結果を保存することができる。
またトンネル内に設置された設備機器の点検時において、点検漏れがあった場合には漏れた項目を表示するので、設備機器の総合的な点検を点検項目の漏れがなく確実に行うことができる。
また、トンネル設備点検装置に格納した点検情報は、点検後に管理用コンピュータなどに転送することにより、点検報告書の作成が正確且つ簡単にできる。
本発明によるIDタグを利用したトンネル設備点検装置を示した説明図 図1に示したトンネル設備点検装置を示したブロック図 トンネル設備点検装置に格納した手動通報装置の点検リストデータを示した説明図 トンネル設備点検装置に格納した消火器の点検リストデータを示した説明図 トンネル設備点検装置に格納した消火栓の点検リストデータを示した説明図 トンネル内に設置された消火栓装置を示した説明図 図3の消火栓装置の扉を開けた内部を示した説明図 本発明によるトンネル設備点検装置での点検フローチャート トンネル設備点検装置のタグID読取画面を示した説明図 トンネル設備点検装置の点検メニューを示した説明図 トンネル設備点検装置における手動通報装置の点検項目を示した説明図 トンネル設備点検装置における消火器の点検項目を示した説明図 トンネル設備点検装置における消火器外観異常の点検項目を示した説明図 トンネル設備点検装置における消火栓の点検項目を示した説明図 トンネル設備点検装置における消火栓動作の点検項目を示した説明図 トンネル設備点検装置における動作異常の点検項目を示した説明図 トンネル設備点検装置における異常内容の点検項目を示した説明図 トンネル設備点検装置における点検漏れ表示の説明図
図1は本発明によるトンネル設備点検装置を示した説明図である。図1において、トンネル設備点検装置10は、タッチパネルディスプレイ12とキー入力部14で構成されている。表示はタッチパネルディスプレイ12で行われ、点検項目や選択釦等を表示して指で接触して入力を行う。キー入力部14はテンキー及び電源オン・オフボタン等のキーが備えられている。また、本実施形態のトンネル設備点検装置10は電源として電池を内蔵したハンディタイプであり、作業員が持ち歩くのに便利なように首紐16を有している。
図2は、トンネル設備点検装置10の機能を説明するためのブロック図である。図2において、IDタグ読取部20は、点検制御部26からの読み取り命令によりアンテナから電波を送信し、トンネル内に設置された設備機器である例えば消火栓装置に設けられているIDタグの機器情報、例えばID番号を読み取る。
表示部22は、点検項目格納部28に記憶されている点検メニューや詳細な点検項目等の表示や、点検リストデータ、確認のための釦等を表示する。本実施形態では、表示部22はタッチパネル式のディスプレを備えているため、点検リストデータにおける点検項目の正常か異常かの選択釦による結果の入力が行える。
入力部22には、テンキー及び電源オン・オフボタン等のキーが備えられており、作業者が、トンネル設備点検装置10の電源をオンとして点検作業を開始し、点検リストデータに対する数値入力をテンキーから行う。
点検項目格納部28は、フラッシュメモリなどの不揮発メモリで構成され、点検リストデータ27が格納されており、この点検リストデータ27には、トンネル設備点検装置10のID番号と、そのID番号を有する装置の点検項目と点検結果入力欄が配置されている。
点検制御部26は、演算部とプログラム記憶部(ROM)などを備えたプロセッサで構成され、プログラム記憶部に格納されたプログラムと演算部の演算機能により各種命令を発生し、トンネル設備点検装置10の機能を制御して動作を行わせる。点検制御部26からの命令により、IDタグ読取部20により機器のIDタグからID番号を読取った場合に、点検項目格納部28からID番号に対応した点検情報である点検リストデータ27を読み出して表示部22に表示し、入力部24から点検結果が入力された場合、点検結果を対応する点検リストデータ27に書込む。
また点検制御部26は、入力部24から終了入力を受け且つIDタグ読取部20により機器のIDタグからID番号を再度読取った場合に、点検終了と判別して点検リストデータ27から点検漏れの有無を判別し、点検漏れ無しを判別した場合は点検を終了させ、点検漏れを判別した場合は点検漏れ機器の点検情報として点検項目を表示して点検結果の入力書き込みを可能とする。
入出力インタフェース25は点検項目格納部27に対する外部の管理用パーソナルコンピュータ等からの点検リストデータ27の格納と、点検完了後に点検報告書を作成するための管理用パーソナルコンピュータ等への点検結果が格納された点検リストデータ27の出力などを行う。なお、入出力インタフェース部25の代わりにUSBメモなどの着脱自在なメモリ装置を使用しても良い。
図3は、点検リストデータ27の一例であり、消火栓装置のID番号と消火栓装置に設けられている手動通話装置の点検項目からなっている。点検項目は、外観/清掃、赤色表示灯、応答ランプと電話ジャックがある。
点検リストデータ27は点検管理用コンピュータなどに予め準備されており、トンネル点検作業の際に、トンネル番号などの指定により読み出され、図2に示した入出力インタフェース部25を介して点検項目格納部28に格納される。点検リストデータ27は初期状態でID番号と手動通報装置の点検項目のみが設けられており、点検結果入力欄は空欄となっている。
また図3は消火栓装置のID番号=001〜005に示す5台の消火栓装置に設けた手動通話装置の点検が終了したときの点検リストデータを示しており、○印は正常、×印は異常であるとの点検結果が示されている。
図4は、図2の点検項目格納部28に格納された消火器の点検リストデータ27の例を示している。
点検リストデータ27は、消火栓装置のID番号と消火栓装置に設けられている消火器の点検項目からなっている。点検項目は、外観/清掃、数量、格納箱、端子ボックスがあり、更に備考として消火栓装置に収納している2台の消火器のロット番号と有効期限を配置している。また図4は消火栓装置のID番号=001〜005に示す5台の消火栓装置に設けた消火器の点検が終了したときの点検リストデータを示しており、○印は正常、×印は異常であるとの点検結果が格納され、更に、ID番号=003の外観/清掃については異常内容として「塗装剥離」が格納されている。
図5は、図2の点検項目格納部28に格納された消火栓の点検リストデータ27の一例であり、消火栓装置のID番号と消火栓の点検項目からなっている。点検項目は、外観/清掃、動作、放射圧力がある。外観/清掃と動作は、正常か異常かの○×データに加え、異常を示す×データについては「ノズル ゴミ詰まり」のように異常内容を入力できる。また放水圧力は実際に点検測定した放射圧力を、テンキーを使用して数値で入力できる。
図6は本発明によるトンネル設備点検装置10で点検する消火栓装置30の実施形態を示した正面図である。図6において、消火栓装置30は、IDタグ31を備え、予め定めたID番号が記憶されている。消火栓装置30の構造は、消火栓側の筐体32−1と消火器側の筐体32−2に分割されており、前面に化粧枠34−1,34−2を装着し、筐体32−1,32−2に対し必要な機器及び部材を組付けた後に側面同士を連結固定した状態である。この状態でトンネル現場に搬入して架台31上に設置している。
筐体32−1側には、消火栓扉38と保守扉42が設けられており、その内部がホース収納空間及びバルブ類収納空間となっている。
消火栓扉38は、ハンドル40を手前に引いてロック機構の磁気吸着ロックを外すことで斜め下向きの開放位置に開放される。
消火栓扉38の上部に保守扉42が設けられており点検時に消火栓扉38を開放した後に保守扉42の下端を手前に引くことで上方に開くことができる。
筐体32−2の右側には通報装置扉44が設けられ、ここに赤色表示灯46、発信機48、及び応答ランプ50を設けている。赤色表示灯46は常時点灯し、消火栓装置30の設置場所が遠方からも分かるようにしている。火災時には、発信機48を押すと、発信信号が監視室の火災受信機に送信されて火災警報が出され、これに伴い応答信号が火災受信機から送られて、応答ランプ50を点灯するようにしている。
筐体32−2の左側には消火器扉52が設けられ、消火器扉52に対応した筐体32−2の内部を消火器収納空間とし、例えば2本の消火器57を収納している。消火器扉52にはハンドル54が設けられ、ハンドル54を手前に引くとマグネットによるロックが外れ、消火器扉52は左側を回動軸として前方に開くことができる。また、消火器扉52の下側には覗き窓55が設けられ、外部から消火器57の収納状態の有無を確認できるようにしている。
図7は図6の実施形態について筐体32−1側の消火栓扉を外し、保守扉42は上向きに開いてステー47で開状態に支持した状態、及び、消火器扉52を開いて内部構造を示した正面図である。
図7において、保守扉42は、消火栓装置30の保守以外には通常閉じられており、消火作業時も閉められたままで消火栓扉38のみ開放される。
筐体32−1の左側にはホース収納空間56が形成され、右側にバルブ類収納空間58を形成している。ホース収納空間56には、その周囲を囲んでホース64を押えるバケットフレーム60が設けられている。
バケットフレーム60の構造は、横2本、縦2本のフレームを組み合わせており、略中央となる位置にホース取出口65となる仕切りを形成している。
バケットフレーム60及び筐体内壁で囲まれたホース収納空間56には、先端部にノズル68を備えたホース64が内巻きして収納されている。ここで、右側のバルブ類収納空間58の下部にはホース接続口66が配置されており、ホース接続口66にホース64の1次側を接続した後、ホース64をホース収納空間56に巻き込むことになるが、この場合のホース64の巻き込みは、手前から見て右巻きとなるように巻き込んでいる。
筐体32−1に設けたホース収納空間56の右側に配置したバルブ類収納空間58には、ポンプ設備からの配管が接続される消火栓接続口71からホース接続口66に至る配管系統に、給水弁72、消火栓弁、自動調圧弁、自動排水弁、及びメンテナンス装置80を設けている。
なお、発信機48と応答ランプ50の間には、電話機ジャック51が設けられている。
次に、このようなトンネル内に設けた消火栓装置30をトンネル設備点検装置10で点検する手順について述べる。
図8は、トンネル設備点検装置10による点検フローチャートであり、図2に示した点検制御部26による点検処理となる。なお、トンネル設備点検装置10の点検項目格納部28には管理用コンピュータ等に接続して転送した点検を行おうとするトンネルの点検結果入力欄が空欄となっている点検リストデータ27が予め格納されている。
図8において、トンネル設備点検装置10の電源オンにより、ステップS1に示すように表示画面にIDタグの読み取り操作を表示する。続いてステップS2でIDタグの読み取り操作を判別するとステップS3に進み、トンネル設備点検装置10からIDタグの読み取り信号を送信してID番号を読み取り、ステップS3で点検項目格納部27に格納している点検リストデータ27にあるID番号との照合を行い、一致認証が得られるとステップS4でID番号に対応した機器、例えば消火栓装置の点検メニューを表示画面に表示する。
続いて点検メニューの選択入力を監視しており、作業者が点検メニューから点検対象を選択して入力すると、ステップS6に進んで表示画面に選択した点検対象の点検項目と正常か異常かを入力するためのアイコンを表示する。この状態で機器の点検が行われ、ステップS7で点検結果に基づく正常キーの入力の有無を判別しており、正常キーの入力を判別するとステップS8に進み、点検リストデータの対応する点検項目に点検結果として正常を記憶する。
またステップS10で点検結果に基づく異常キーの入力の有無を判別しており、異常キーの入力を判別するとステップS11に進み、点検リストデータの対応する点検項目に点検結果として異常を記憶する。
全ての点検項目を点検した場合はメニュー表示の切替えが行われることから、これをステップS9で判別し、ステップS4に戻ってメニューを表示し、ステップS5で次のメニュー選択入力を待って同様な処理を繰り返す。
点検メニューを全て実行した場合は、終了キーを押して機器IDタグの読取り操作を行うことから、ステップS12で終了キー入力ありを判別するとステップS13に進み、IDタグ読取り操作を判別するとステップS14に進み、ステップS3と同様に機器のID番号を読取って認証する。次に、ステップS15に進み、読み取ったID番号に対応する機器の全点検項目の入力完了の有無をチェックし、点検漏れがあることで未完了を判別した場合はステップS17に進んで点検漏れとなっている点検項目を表示画面に表示して、ステップS5に戻って再び点検メニューの選択入力を待ち、点検漏れの項目を点検可能とする。点検漏れが無かった場合は、点検処理を終了する。
以上、トンネル設備点検装置10による点検作業の流れをフローチャートで説明したが、さらに、詳細をトンネル設備点検装置10の表示画面と共に以下に説明する。
図9は、トンネル設備点検装置10の電源をオンとしたときの画面表示である。タッチパネルディスプレイ12には、初期画面として、ID認証を行うように指示する表示102と、トンネル設備点検装置10からタグ読み取り信号を送信するための送受信釦104が表示されている。送受信釦104を押すことから点検作業が開始される。
キー入力部14は、テンキーと電源キー14−1の他、テンキー入力で表示された数値の入力操作を行うENTERキー14−2と、テンキー入力で表示された数値をクリアするClearキー14−3を備えている。
図10は、点検対象となる消火栓装置のID認証後に点検メニュー105が表示された画面である。点検メニュー105として表示されているのは、手動通報装置釦106、消火器釦108、消火栓釦110、給水栓釦112と終了釦114である。それぞれの点検対象となる釦を押して点検をして、全ての点検が終了すると終了釦114を押す。
図11は、点検対象として手動通報装置を選択したときの表示画面である。手動通報装置アイコン116と、その点検項目として外観/清掃118、赤色表示灯120、発信機起動122、応答ランプ124と電話ジャック126を表示している。それぞれの点検項目には、点検結果を入力する正常入力釦と異常入力釦が設けられ、点検結果によりいずれかの釦を押して結果を入力する。点検項目が終了した場合は、メニュー釦128を押し、メニュー画面に戻り、他の点検対象を選択して点検する。
図12は、消火器の点検項目が表示された画面である。消火器アイコン130に、点検項目として外観/清掃132、消火器数量134、消火器格納箱136と端子ボックス138が表示され、それぞれの点検項目に対し正常入力釦と異常入力釦を設けている。
図13は、消火器の点検で、外観異常が発見された場合に、図12の点検項目の中の外観/清掃132について異常入力釦を押したときの表示画面である。この表示画面は、消火器外観異常アイコン140に、異常状態を、腐食142、塗装剥離146、期限切れ148及び放射済150として表示しており、それぞれの異常状態に正常入力釦と異常入力釦が配置され、異常入力釦を操作することで異常原因を入力することができる。なお、正常か異常かに係わらず図12の外観/清掃132を操作すると、その点検項目である図13の画面が表示されて、腐食142等の点検項目を一つずつ点検することもできる。
図14は、図10の点検メニューとして消火栓を選択した場合の表示画面である。この表示画面には、点検対象が消火栓であることを示す消火栓アイコン154と、点検項目である外観/清掃156と動作158が表示され、それぞれの点検項目に対し正常入力釦と異常入力釦を設けている。
図14の表示画面で動作点検158の正常入力釦もしくは外観/清掃156枠内を操作した場合には、図15に示す消火栓の放射圧力入力画面が表示される。消火栓の点検にあっては、図7に示したノズル68が先端についたホース64を引き出してノズル68からの放射圧力を圧力計で測定する。他に簡易的な放射試験として、メンテナンス装置80に、試験ノズルと圧力計を設けた試験ホースを試験治具として接続し、消火栓弁開閉レバー84を開位置に操作して試験放水を行い、圧力計で放射圧力を測定することもできる。
このため図15の放射圧力入力画面では、消火栓動作アイコン160と放射圧力を入力するアイコン162が表示され、圧力の入力部に測定した圧力をテンキーから入力して表示し、ENTERキー14−2を押すと入力した圧力を点検リストデータに書き込み記憶する。
この場合、試験治具に圧力センサを設け、圧力センサにID通信が可能な機能が備えられている場合は、圧力をID読取部20で読み取り、自動的に入力することも可能である。放射圧力の測定及び入力後は、前画面釦152を押して、図14の前画面に戻る。
図16は、図14の表示画面で消火栓について動作158の異常入力釦を操作した場合の表示画面である。この画面には、異常動作アイコン164と、異常部品を示すノズル釦166、消火栓弁釦168、ホース釦167、調圧弁釦169及び放射圧力の測定値入力用アイコン170が表示される。
図16で例えばノズル釦166を操作したとすると、図17に示す表示画面となり、異常内容表示アイコン172と共に、異常原因である腐食174、損傷176とゴミ詰まり178が表示され、それぞれ有釦と無釦が配置され、有釦を操作することで、異常の原因が入力される。点検結果の入力後は、前画面釦152を押して前画面に戻る。なお、図14の動作158を操作した際に、図16、図17に示すような動作の点検項目が表示されるようにして、表示される点検項目の順に点検を行える様にして、点検忘れをなくし、点検効率を高めるようにしてもよい。
図18は、消火栓装置について全ての点検作業が完了した後に、例えば図10のメニュー画面の状態で消火栓装置にトンネル設備点検装置10をかざして終了釦114を押すことにより、消火栓装置のID番号を再度読み取った際に、点検漏れがあった場合の表示画面である。
点検漏れがあると、点検漏れアイコン180により点検漏れがあったことを表示し、点検漏れ項目である消火栓釦182を示している。この表示により、作業者は点検漏れ項目がチェックでき、消火栓釦182を押すことで図14の消火栓点検画面に切り替わって点検漏れの項目を点検することができる。このために作業者は、点検漏れなく作業が行えることとなる。
点検漏れが無い場合は、点検漏れを示す項目釦が表示されず、作業者は表示されている終了釦184を押して、点検した消火栓装置30の点検作業を終了する。終了釦184を押すと、トンネル設備点検装置10の表示画面は、再び、図9に示した画面となり、新たな消火栓装置の点検を行うことができる。
また本発明の他の実施形態として、トンネル設備点検装置10にデジタルカメラなどの撮像装置を連携させるようにしても良い。即ち、消火栓装置の点検時にデジタルカメラで点検対象とする消火栓装置を撮影し、トンネル設備点検装置10のIDタグ読取部20で読取った消火栓装置に設けたIDタグのID番号をデジタルカメラに転送して撮像画像に対応付けする。デジタルカメラはトンネル設備点検装置10と別体としても良いし、一体としても良い。
このようにトンネル設備点検装置10とデジタルカメラを連携させることで、トンネル設備点検装置10で作成した点検リストデータに基づき管理用コンピュータなどで作成する点検報告書に点検項目に対応した画像情報を含めることができ、点検報告書をより判り易いものとすることができる。
なお、上記の実施形態はトンネル非常用設備として設けた消火栓装置の点検を例にとるものであったが、本発明は、これに限定されず、水噴霧設備の自動弁装置などの適宜の非常設備の点検を同様にして行うことができる。
また非常用設備以外にトンネル常用設備である照明装置や換気装置などの点検についても同様に行うことができる。
また、トンネル設備点検装置10のキー入力部14はタッチパネルディスプレイ12内に表示させて全てタッチパネル上でキー入力するようにしても良い。
また、タッチパネルディスプレイ12の正常、異常ボタンを別個に設けているが、同じ位置に表示して、操作する度に正常と異常が切り替わる表示としてもよい。
また、点検終了操作を受け付けたときに、全ての点検項目が終了したか確認するようにしているが、これに限らず、点検途中においても、まだ完了していない点検項目を確認表示できるように確認ボタンを設けても良い。
また、本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:トンネル設備点検装置
12:タッチパネルディスプレイ
14:キー入力部
20:IDタグ読取部
26:点検制御部
22:表示部
24:入力部
25:入出力インタフェース部
26:点検制御部
27:点検リストデータ
28:点検項目格納部
30:消火栓装置
31:IDタグ
38:消火栓扉
42:保守扉
52:消火器扉

Claims (8)

  1. トンネル内に設置された設備機器に設けられたIDタグからタグコードを読み取るIDタグ読取部と、
    前記設備機器のIDタグに設定されたID番号に対応して所定の点検情報を格納したデータ格納部と、
    前記データ格納部の点検情報を表示する表示部と、
    前記表示部に表示された点検情報に基づき前記設備機器の点検結果を入力する入力部と、
    前記ID読取部により前記機器のIDタグからID番号を読取った場合に、前記データ格納部から前記ID番号に対応した点検情報を読み出して前記表示部に表示し、前記入力部から点検結果が入力された場合、前記点検結果を対応する点検情報に書込む点検制御部と、
    を設けたことを特徴とするトンネル設備点検装置。
  2. 請求項1記載のトンネル設備点検装置に於いて、前記点検制御部は、前記入力部から終了入力を受け付けた場合に、点検終了と判別して前記点検情報から点検漏れの有無を判別し、点検漏れを判別した場合は点検漏れの点検情報を表示して点検結果の入力書き込みを可能とすることを特徴とするトンネル設備点検装置。
  3. 請求項1記載のトンネル設備点検装置に於いて、
    前記データ格納部は、前記点検情報として、前記設備機器に設けられている点検対象機器を選択する点検メニューデータと、前記点検メニューデータの点検対象機器毎に、点検項目と点検結果入力欄を配置した点検リストデータを格納し、
    前記点検制御部は、前記ID読取部により前記機器のIDタグからID番号を読取った場合に、前記点検リストデータ格納部から点検メニューデータを読み出して前記表示部に表示し、前記入力部から点検メニューデータの表示に基づく点検対象機器が入力された場合に前記データ格納部から対応する点検リストデータを読み出して前記表示部に表示し、前記入力部から前記点検リストデータの表示に基づく点検結果が入力された場合に対応する点検リストデータの点検結果入力欄に点検結果を書き込むことを特徴とするトンネル設備点検装置。
  4. 請求項3記載のトンネル設備点検装置に於いて、
    前記点検リストデータの点検結果入力欄は正常と異常の選択釦を備え、前記点検制御部は前記入力部から前記点検リストデータの表示に基づく前記正常又は異常の選択釦の操作入力に基づき点検結果として異常又は正常を前記点検データの点検結果入力欄に書き込むことを特徴とするトンネル設備点検装置。
  5. 請求項3記載のトンネル設備点検装置に於いて、
    前記点検リストデータの点検結果欄は数値入力欄を備え、前記点検制御部は前記入力部から前記点検リストデータの表示に基づき入力された数値データを前記点検データの数値入力欄に書き込むことを特徴とするトンネル設備点検装置。
  6. 請求項1記載のトンネル設備点検装置に於いて、前記表示部及び入力部はタッチパネル操作部を備えたディスプレイユニットであることを特徴とするトンネル設備点検装置。
  7. 請求項1記載のトンネル設備点検装置に於いて、前記点検制御部は、前記設備機器のセンサに設けたIDタグから前記ID読取部でセンサ検出値を読取った場合、前記点検情報に点検結果として前記センサ検出値を書き込むことを特徴とするトンネル設備点検装置。
  8. 請求項1記載のトンネル設備点検装置に於いて、更に、設備機器を撮像する撮像装置を備え、前記撮像装置で設備機器を撮像した場合に、前記IDタグ読取部で読取った前記設備機器のID番号を前記撮像装置に転送して撮像画像に対応付けすることを特徴とするトンネル設備点検装置。
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